JP2005239434A - 成形用ガラス素材の製造方法およびガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

成形用ガラス素材の製造方法およびガラス光学素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005239434A
JP2005239434A JP2004035307A JP2004035307A JP2005239434A JP 2005239434 A JP2005239434 A JP 2005239434A JP 2004035307 A JP2004035307 A JP 2004035307A JP 2004035307 A JP2004035307 A JP 2004035307A JP 2005239434 A JP2005239434 A JP 2005239434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
self
film
assembled film
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004035307A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Igari
隆 猪狩
Shigeaki Omi
成明 近江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2004035307A priority Critical patent/JP2005239434A/ja
Publication of JP2005239434A publication Critical patent/JP2005239434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

【課題】プレス成形によるカン・ワレの発生を防止し、かつクモリ、白濁等の外観性能低下を防止することができるガラス素材を、プレス成型工程のサイクルに応じて製造する方法を提供すること。
【解決手段】所定形状に予備成形したガラス塊の表面に、自己組織化膜を形成したプレス成形用ガラス素材の製造方法であって、前記自己組織化膜の形成を、気相反応によって行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、得ようとする光学素子形状に基づき、精密に形状加工を行った成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形することにより、ガラスレンズ等のガラス光学素子を製造する方法で使用するガラス素材(プリフォーム)の製造方法、及びそれを用いたガラス光学素子の製造方法に関するものである。
予め、所望の光学素子形状に基いて、精密に形状加工した成形型を用いて、ガラスレンズやプリズム、回折格子など、高い形状精度、面精度を有する光学素子を製造する方法(精密モールドプレス)が知られている。精密モールドプレスにおいては、高温下でガラスと成形型が密着するため、界面で反応が生じ、成形されたガラス光学素子表面にクモリ、白濁が生じ、あるいはワレ等の欠陥が生じやすい問題があった。
プレス成形に適した高温下で、成形型の表面(成形面)とガラス素材間で融着が生じることを防止し、離型性を向上させる目的で、ガラス素材表面に膜を設ける方法が知られている。
そこで、プレス成形に適した高温下で、成形型の表面(成形面)とガラス素材の間で融着が生じることを防止し、離型性を向上させる目的で、ガラス素材表面に膜を設けることが知られている。
特公平2−31012号公報(特許文献1)には、ガラスと型の相互に対向する表面のうち少なくとも一方に炭素膜を形成することにより、融着を防止する方法が記載されている。
また、特開平10−167762号公報(特許文献2)にはシランカップリング剤を、スプレー又はスピンコーターでガラス素材表面に塗布することで、融着や曇りを防止する方法が、開示されている。
特公平2−31012号公報 特開平10−167762号公報
特許文献1に記載の方法では、炭素膜の成膜装置として大掛かりなものが必要である。その上、成膜工程中の膜厚制御を精密に行わないと、均一かつ適切な膜厚範囲の炭素膜が得られない。炭素膜が不均一である場合、融着防止機能が不充分となり、硝材によってはカン・ワレが生じ、成形された光学素子にクモリや白濁が生じやすくなる。
特許文献2に記載された、シランカップリング剤をスプレーやスピンコーターによって塗布する方法では、ガラス表面にシランカップリング剤を付着させるだけである。そのため、均一で、かつ離型性、滑り性に優れたシランカップリング剤膜を得ることは困難であり、やはり微少融着、カン・ワレが生じることが避けられなかった。
そこで、本発明者らは、プレス成形用ガラス素材のプレスによる変形および離型を促進することができ、得られるガラス素子のカン・ワレを抑止することもでき、さらには、白濁やクモリなどの表面の外観不良を生じることなくガラス素材を得るために用いる成形用ガラス素材を、生産性よく、かつ、低コストにて製造する方法を提供すべく種々の検討を行った。
その結果、本発明者らは、有機化合物を出発原料とした、自己組織化膜を表面に形成した、成形用ガラス素材(モールドプレス用のガラスプリフォーム)を用いれば、成膜工程が非常に簡便である上、プレス成形時の融着が有効に防止され、外観性能の良い光学素子の成形が可能であることを見出し、別途、特許出願した。
上記方法においては、自己組織化膜は、例えば、出発原料となる有機化合物を含有する有機溶媒にガラス素材を浸漬することで作成されていた。本発明は、上記成形用ガラス素材の製造方法をさらに改良し、膜質の管理が簡便で、プレス成型工程のサイクルにおいて、ショット毎の成膜が可能である成膜方法を提供することを目的とする。即ち、本発明は、プレス成形によるカン・ワレの発生を防止し、かつクモリ、白濁等の外観性能低下を防止することができるガラス素材を、プレス成型工程のサイクルに応じて提供することが目的である。
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)所定形状に予備成形したガラス塊の表面に、自己組織化膜を形成したプレス成形用ガラス素材の製造方法において、前記自己組織化膜の形成を、気相反応によって行うことを特徴とする、前記ガラス素材の製造方法。
(2)前記気相反応は、自己組織化膜形成用原料を含有する有機溶媒の蒸気に前記ガラス塊を接触させることで行う、(1)に記載の製造方法。
(3)前記自己組織化膜を形成するガラス塊として、表面の表面自由エネルギーが50 mJ/m2以上であるガラス塊を用いることを特徴とする、(1)または(2)に記載のガラス素材の製造方法。
(4)加熱により軟化した状態のガラス素材を、成形型を用いてプレス成形することを含むガラス光学素子の製造方法において、前記ガラス素材として(1)〜(3)のいずれかに記載のガラス素材を用いることを特徴とする、前記ガラス光学素子の製造方法。
(5)自己組織化膜の形成とプレス成形とを、連続的に行うことを特徴とする、(4)のガラス光学素子の製造方法。
(6)自己組織化膜の形成を、プレス成形に用いる成形室、又は成形室にガラス素材を供給する成型室前室において行うことを特徴とする、(5)のガラス光学素子の製造方法。
本発明によれば、プレス成形によるカン・ワレの発生を防止し、かつクモリ、白濁等の外観性能低下を防止することができるガラス素材を、プレス成型工程のサイクルに応じて提供することができる。
本発明ガラス素材の製造方法は、所定形状に予備成形したガラス塊の表面に、自己組織化膜を形成したプレス成形用ガラス素材の製造方法であって、前記自己組織化膜の形成を、気相反応によって行うことを特徴とする。
[ガラス塊]
本発明の製造方法に用いるガラス塊、及び本発明の製造方法により製造されるガラス素材は、組成には特に制限はない。例えば、ホウ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、フツリン酸塩ガラスからなる光学ガラスなどであることができる。
予め、光学ガラスから、所定の予備成形を行ったガラス塊を作製する。これは、プレス用ガラス素材として適した体積、形状をもつものであり、例えばガラスを溶融固化し、又は冷間加工することによって用意する。予備成形の形状は、球、扁平球、円柱などとすることができる。特に、溶融ガラスを滴下、又は流下して球形、又は扁平球形状に固化すると生産性がよい上、表面欠陥のない極めて平滑な表面をもつガラス塊が得られるため、好ましい。
こうして用意したガラス塊の表面に、本発明の自己組織化膜を形成し、プレス成形用ガラス素材を得る。
[自己組織化膜]
本発明では、ガラス塊の表面に、有機化合物を出発原料とする自己組織化膜を形成する。
自己組織化膜とは、例えば、杉村博之、高井治;日本学術振興会薄膜第131委員会第199回研究資料 平成12.2.1 p.34-39、Seunghwan Lee, Young-Seok Shon, Ramon Colorado, Jr.,Rebecca L. Guenard, T. Randall Lee and Scott S. Perry;Langmuir 16巻(2000), p.2220-2224等の文献により知られている。本発明において自己組織化膜とは、有機化合物を出発原料として形成されたものをいう。その構造は、図1に示すように、溶液又は雰囲気1中の分子2の官能基が自己的に被成膜基材3の表面と反応し、被成形基材3の表面上に自己的に、自発的に配列・組織化して形成された、被覆率がほぼ100%の膜4である。
自己組織化膜は英語ではself-assembled monolayer(SAM)と呼ばれており、一度の成膜処理で表面に形成される単分子層を指す場合もあるが、成膜を繰り返し処理することで、多分子層の成膜も可能であり、本発明の自己組織化膜は、単分子層のみではなく、図2の様な多分子層の6や7を含む。
本発明に係る自己組織化膜は、例えば、特定の有機化合物分子を選択し、この有機化合物分子と被成形基材(ガラス塊)を接触させ、反応条件を整えることにより、有機化合物分子の配向性がそろった有機単分子膜が形成される。有機化合物分子が、被成膜基材の表面の基と反応して配列することで膜が形成されるため、極めて被覆率が高い成膜が可能である。膜形成を効率的に行なうため、ガラス表面の前処理を行なってもよい。有機化合物分子としては、例えば、反応性の有機ケイ素含有化合物、有機硫黄含有化合物、有機フッ素含有化合物及び有機窒素含有化合物を挙げることができる。
これら有機化合物が、自己的・自発的に被成膜基材(ガラス)の表面との反応し得る官能基は、例えば、有機ケイ素含有化合物では主に−Cl基(後述する反応式(1))、有機硫黄含有化合物では主に−H基、又は(S−S)基、(後述する反応式(2)及び(3))、有機窒素含有化合物では主に−H基(後述する反応式(4))、であることができる。
例えば、雰囲気1中の分子2と被成膜基材3の表面との反応は以下のものであることができる。
クロロトリアルキルシラン化合物、ジクロロジアルキルシラン化合物、トリクロロアルキルシラン化合物、など、有機化合物中にCl原子をもつ基があると、これが反応性の官能基となり、反応式(1)のとおり、被成膜基材(ガラス)3の表面の−OH基と自己的・自発的に反応して、脱HClが起こり、被成膜基材3の表面に前記化合物を出発原料とする自己組織化膜が形成される。
尚、清浄なガラス表面は反応性が高く、ガラスを大気に曝すと空気中の水分子と反応し、ガラス表面は全面的に-OH基に覆われているため、上記の反応が進む。
また、例えばアルカンチオール化合物の場合には、化合物中のチオール基のS原子と結合しているH原子が官能基となり、反応式(2)のとおり、被成膜基材3の表面の−OH基と自己的・自発的に反応して、脱H2が起こり、被成膜基材3の表面に前記化合物を出発原料とする自己組織化膜が形成される。
更に、例えばジアルキルジスルフィド化合物の場合には、化合物中のS−S結合が官能基となり、反応式(3)のとおり、被成膜基材3の表面の−OH基と自己的・自発的に反応して、脱H2が起こり、被成膜基材3の表面に前記化合物を出発原料とする自己組織化膜が形成される。
ジメチルアンモニウム化合物、アルキルジメチル(ジメチルアミノ)シラン化合物の場合には、化合物中のN原子に結合するH原子が官能基となり、反応式(4)のとおり、被成膜基材3の表面の−Cl基と自己的・自発的に反応して、脱HClが起こり、被成膜基材3の表面に前記化合物を出発原料とする自己組織化膜が形成される。
尚、ガラス表面を、塩素を含む乾燥雰囲気に曝した場合には、その表面が−Cl基で覆われることから、上記の反応が進む。
上述のとおり、自己組織化膜の形成するためには、自己的・自発的に被成膜基材表面の−OH基や−Cl基と反応する官能基を有する化合物を、その官能基の反応性を保全した状態で、被成膜基材表面と接触させることが必要である。例えば、自己組織化膜の原料となる有機化合物を、水分や塩素を相当量含んだ雰囲気中に放置すると、官能基の反応性が失われやすい。従って、有機化合物は、官能基の反応性を維持する状態で保管することが好ましい。
自己組織化膜を形成するための反応は、反応速度が大きいことが好適である。反応式(1)〜(4)で述べた、−Cl基、−H基、 (S―S)基は、反応速度が優れて大きいため好適である。他方、官能基がOR基(アルコキシ基)など、反応速度が小さい基をもつ出発原料を用いると、下記反応式(5)で示される反応が生じるが、この反応の進行は遅く、成膜速度は相対的に小さい。
また、本発明に用いる自己組織化膜の出発原料として用いる有機化合物分子は、末端に上記官能基をもつが、他の末端(上記官能基を結合末端とすると、表面末端側)にアルキル基、アリール基、ビニル基、エポキシ基、またはフッ素を有することができる。好ましくは、アルキル基、アリール基である。このような基をもつと、後述する表面エネルギーを低く維持することができ、融着やワレ、クモリの抑止された、良好なプレス成形を行なうことができる。
自己組織化膜の出発原料として用いる有機化合物は、反応性の有機化合物であることができ、そのような有機化合物としては、有機ケイ素含有化合物、有機硫黄含有化合物、有機フッ素含有化合物及び有機窒素含有化合物などを挙げることができる。そのような化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。但し、これらの化合物に限定されるものではなく、ガラス素材において自己組織化膜を形成できる物質であれば良い。
クロロトリアルキルシラン化合物として、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルクロロシラン、tert-ブチルジメチルクロロシラン、(3-シアノプロピル)ジメチルクロロシラン、クロロトリフルオロメチルシランなどおよびこれらの誘導化合物、ジクロロジアルキルシラン化合物として、ジクロロジメチルシラン、ジクロロメチルビニルシラン、ジクロロジフルオロメチルシラン、ジクロロ-n-オクタデシルメチルシラン、n-オクチルメチルジクロロシラン、ジクロロシクロヘキシルメチルシランなどおよびこれらの誘導化合物、トリクロロアルキルシラン化合物として、トリクロロビニルシラン、n-オクタデシルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、n-オクタフルオロデシルトリクロロシラン、シアノヘキシルトリクロロシランなどおよびこれらの誘導化合物、トリクロロアリールシラン化合物としてフェニルトリクロロシラン、アルキルジメチル(ジメチルアミド)シラン化合物として、トリメチル(ジメチルアミド)シラン、トリエチル(ジメチルアミド)シラン、ペンタフルオロフェニルジメチル(ジメチルアミド)シラン、トリフルオロメチル(ジメチルアミド)シラン、tert-ブチルジメチル(ジメチルアミド)シラン、(3-シアノプロピル)ジメチル(ジメチルアミド)シランなどおよびこれらの誘導化合物、アルカンチオール化合物として、1−ブタンチオール、1−デカンチオール、1−フルオロデカンチオール、o−アミノチオフェノール、2−メチル−2−プロパンチオール、n−オクタデカンチオールなどおよびこれらの誘導化合物、ジアルキルスルフィド化合物として、エチルメチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、n−ヘキシルスルフィド、フルオロエチルメチルスルフィド、フェニルビニルスルフィドなどおよびこれらの誘導化合物、エチルフェニルスルフィド及びその誘導化合物、ジアルキルジスルフィド化合物として、p−トリルジスルフィド、ジアリルジスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、フルオロメチルプロピルジスルフィド、ジフルフリルジスルフィドなどおよびこれらの誘導化合物、メチルフェニルジスルフィドおよびその誘導化合物、ジメチルアンモニウム化合物として、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムアセテート、ジオクタデシルジメチルアンモニウムアセテート、臭化ジエイコシルジメチルアンモニウム、ヨウ化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジオクタフルオロデシルジメチルアンモニウムアセテート、ヨウ化ジメチルジオレイルアンモニウムなどおよびこれらの誘導化合物。
本発明に係る自己組織化膜は、自己組織化膜の出発原料である上記有機化合物分子を溶解した有機溶液(以下、気化用溶液)を、気化させ、得られた蒸気とガラス塊を接触させることにより成膜(気相反応法)することができる。
自己組織化膜の成膜は、出発原料の溶液に、被成膜基板を浸漬する(液相反応法)ことによる成膜も可能である。しかし、液相反応法では、図3のとおり、被成膜基板であるガラス塊14を浸漬用の気化用溶液16に浸漬して、自己組織化膜18を形成するが、浸漬用に多量の溶液が必要となる、繰り返して溶液を使用する場合には自己組織化膜の出発原料の濃度などの溶液の管理が必要になる、などの課題がある。そこで、本発明者らは、自己組織化膜のガラス塊への成膜を、気相反応法で行う方法を見出し、これによるガラス素材が、プレス成形時の、光学素子表面のクモリ、白濁、ワレを大きく低減することを発見した。
自己組織化膜出発原料を含む有機溶液の溶媒は、好ましくは無水有機溶媒である。これは、出発原料の有機化合物分子が水分子と反応することによってその反応性を失うことを避けるためである。また、極性基をもつ溶媒を用いると、同様に有機化合物分子との結合を形成して、有機化合物分子が反応性を失うことがあるため、溶媒としては非極性のものを選択することが好ましい。即ち、用いる溶媒は、有機化合物分子の官能基の反応性を維持し得るものから選択されることが好ましい。
具体的には、例えばヘキサンなどの無水非極性有機溶液、トルエン、クロロホルムなどの無水有機溶液、およびこれらの混合溶液であることが好ましい。
一方、アルコール類など極性を有する有機溶媒で自己組織化膜の出発化合物を希釈した場合には、下記反応式(6)に示すとおり、官能基とアルコール中の−OH基とが反応して、官能基が失われ、被成膜基材表面の−OH基や−Cl基と反応が起きにくくなることがある。従って、有機溶媒は-OH基などを有さないことが好ましい。
上記気化用の溶液において、出発原料の濃度は、0.05〜10vol%の範囲とすることが好ましく、0.05〜5vol%の範囲とすることがより好ましい。濃度が小さすぎると被覆率が不充分になるが、大きすぎても被覆率は上がらず、下がる傾向がある。
本発明では、気相反応によって自己組織化膜を成膜する。たとえば、ガラス塊を容器内にセットし、容器内を0.2気圧以下、好ましくは、0.1気圧以下の気圧にまで排気した後、自己組織化膜の出発原料を無水有機溶剤で希釈して調整した気化用溶液を配置し、容器内で気化させることによって、成膜する。溶液を容器内に噴霧することによって気化を促進させることもできる。更に、出発原料を含む蒸気を吹き付けることによって成膜することもできる。例えば、図4に示すように、ガラス塊14を蒸気を充満させた容器19内に配置し、蒸気20と接触させることで、自己組織化膜21を成膜することができる。
気化させた自己組織化膜出発原料の蒸気に、ガラス塊を曝露し、10秒〜数10分間保持することにより、自己組織化膜の出発原料がガラス表面と反応し、ガラス表面に、均一に、自己組織化膜21が形成される。
容器内での自己組織化膜の出発原料の蒸気の量は、ガラス塊14の表面を自己組織化膜で覆うために必要な量の1倍〜10000倍、好ましくは10〜1000倍が好ましい。ガラス塊の表面を自己組織化膜で覆うための自己組織化膜原料物質の必要量は、自己組織化膜原料物質の有機分子1分子の占有面積と、ガラス塊表面面積から求めることができる。
上記のような成膜法は、大がかりな設備を必要としない簡便な処理方法であり、かつガラス素材の表面層状態を均一かつ一定に管理できるという利点がある。自己組織化膜が形成された場合には、規則性をもった原子の配列に対し、その結合状態のIR活性を反映したピークを呈するIR-RASなどの表面分析により検出することができる。換言すれば、IR-RAS分析において、自己組織化膜が形成された場合は、例えば図6のように、分子の規則的配列に由来するピークが観察される。しかし、自己組織化膜ではなく規則的な分子の配列がない膜の場合にはピークは観察されない。
自己組織化膜は、熱力学的にも安定であり、用いた分子(例えば、有機化合物分子)の選択により、分子の末端に存在する官能基の性質に依存した物理・化学的性質(例えば表面自由エネルギー)を一律に、容易に制御することができる。表面自由エネルギーは、表面の反応性の尺度であり、値が低いと反応性が乏しく、値が大きいと反応性は強い。
清浄なガラス表面の反応性は高く、例えばガラスを大気に曝露すると、大気の水分と反応して、その表面は全面的に−OH基で覆われる。また、塩素を含む乾燥雰囲気に曝露した場合は、その表面は全面的に−Cl基で覆われる。従って、ガラス塊の表面は、全面的に、−OH基(もしくは−Cl基)で覆われるので、反応性の高い官能基とガラス塊表面の−OH基(もしくは−Cl基)との反応により、図1の様に、ガラス素材3の表面に緻密に分子5が配列した自己組織化膜4が形成されるのである。
尚、自己組織化膜の成膜に際しては、ガラス塊の表面が清浄であることが適当である。清浄度は、表面自由エネルギーによって評価することができる。自己組織化膜の成膜に適した清浄な表面であるという観点から、ガラス塊の表面の表面自由エネルギーは、50mJ/m2以上であることが好ましい。また、後述する接触角においては、上記ガラス塊の純水の接触角は65度以下、CH2I2の接触角は60度以上であることが好ましい。
表面自由エネルギーが50mJ/m2未満であると、ガラス素材表面の汚染が多くなり、この汚染部では、自己組織化膜の成膜が損なわれ、自己組織化膜が成膜されていない部分(膜ヌケ)が多くなり、化学的耐久性および耐候性の保護機能が損なわれる場合がある。成膜時のガラス素材表面の表面自由エネルギーは、60mJ/m2以上が好ましく、さらに、65mJ/m2以上がより好ましい。後述する接触角においては、純水の接触角は55度以下であることがより好ましく、CH2I2の接触角が70度以上であることが好ましい。
ガラス塊の清浄化は、光学的湿式洗浄、酸素プラズマによるクリーニング、UVオゾンクリーニングなどを用いて行うことができる。
光学的湿式法では、「物理的剥離」→「基材表面エッチングをともなう汚れのリフトオフ」→「汚れの溶解」を、この順に行うことができる。「物理的剥離」では、超音波やブラシッシングを用い、好ましくは洗剤(酸性、中性、アルカリ性)などの薬液を添加し、汚れを効率よく除去する。リンス(すすぎ)には、純水を用いることができる。「基材表面エッチングをともなう汚れのリフトオフ」では、エッチングに適した酸性もしくはアルカリ性の薬剤を添加した溶液に、ガラス塊を浸漬する。超音波や加熱などを伴っても良い。リンス(すすぎ)には、純水を用いることができる。また、「汚れの溶解」、とくに有機系汚れの溶解では、エチルエーテル、アセトン、イソプロピルアルコールなどの有機系溶剤に、成形用ガラス素材を浸漬する。超音波や加熱などの手段を用いてもよい。リンス(すすぎ)には、イソプロピルアルコールなどを用い、ベーパー乾燥を用いることが好ましい。酸やアルカリを用いる場合、ヤケを生じないようにpH3〜9のものを使用することが好ましい。
プラズマ処理は、公知のプラズマ処理を用いて、例えば10-4Torr程度の減圧後、酸素ガスに置換した後、500WのRF発振パワーにて酸素プラズマを励起し、酸素プラズ中で数分間〜数10分間の時間、保持することにより、ガラス表面を清浄化することができる。ガラス塊の加熱温度は100℃〜200℃程度が好ましい。
UVオゾン処理は、公知のUVオゾン処理装置を用いて、例えば大気中で、エキシマランプなどUV光源を数10秒間〜数10分間の時間、ガラス塊に照射することにより、ガラス表面を清浄化する。
自己組織化膜が形成されたガラス塊表面は、反応性の低い状態となる。自己組織化膜成膜後のガラス塊の表面自由エネルギーは、好ましくは、50mJ/m2以下、より好ましくは40mJ/m2以下である。表面自由エネルギーの評価については後述する。表面エネルギーの評価に用いる接触角は、純水の接触角が50度以上、CH2I2の接触角が110度以下であることが好ましい。
本発明において、自己組織化膜が設けられたガラス素材は、その最表面において、分子配列がそろい、かつ、表面の反応性が極めて低い有機分子会合体を形成しており、接触する物体との摩擦を極めて低くすることができる。摩擦は、たとえば、市販のAFM(原子間力顕微鏡)装置を用いて、コンタクトモードによるLFM法(Lateral Force Measurement)により実測することが可能である。
なお、自己組織化膜の膜厚の評価は、ESCA又はエリプソメータなどによる表面分析により、分析可能である。本発明に係る自己組織化膜の膜厚は0.1nm以上であること及び30nm以下であることが好ましい。ガラス素材に形成された自己組織化膜は、プレス成形の際に型の成形面によって伸ばされる。このとき、ガラス素材に形成する自己組織化膜の膜厚が小さ過ぎると、プレス成形による膜の伸びにより、膜の欠落部位が生じ、ガラスが型表面と直接接触して融着が発生し易くなる。一方、自己組織化膜の膜厚が大きすぎる場合、自己的に配列した有機化合物分子は相互に結合をもった構造体をつくり、このためプレス成形によって膜が伸びず、分断されやすい。この場合、得られる光学素子表面が粗れ、クモリや白濁が発生する。0.5nm以上であること及び20nm以下であることがより好ましく、0.5nm以上であること及び10nm以下であることが更に好適である。
自己組織化膜の膜厚の制御は、自己組織化膜の出発原料の選択により容易に行うことができる。すなわち出発原料として用いる有機化合物分子の長さにより、膜厚を制御することができる。そのため、成膜中に膜厚をモニタリングすることなく膜厚を制御することができる。また、同一の分子を用いれば、常に同じ膜厚に成膜できるため、ロット間、ロット内の膜厚ばらつきが抑止できる点で、優れた効果をもたらす。また、用いるガラスの種類により、ワレの生じやすい硝種に対しては、有機化合物分子の選択により、膜厚を大きく設定することが容易に行える。
[表面自由エネルギーの評価]
表面自由エネルギーの値は、一般的には、純水、CH2I2、グリセリン、イソペンタン、パーフルオロヘキサン等を用いた接触角測定より定量的に評価でき、市販の接触角測定器を用いることにより評価することができる。表面自由エネルギーの値を得るには、上記液体の中から2種類の異なるものを用いて、測定対象の表面の接触角を測定し、算定することができる。
本発明では、例としてOwens-Wendt-Kaelble法を用いて表面自由エネルギーを評価した。例えば、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いた表面自由エネルギーの評価を以下のように行うことができる。
表面自由エネルギー(γ)は、固体又は液体の分散力(Dispersion Force)γdと固体又は液体の極性相互作用力(Polar Interaction Force)γpとの和で与えられる。
(1)式を固体の表面自由エネルギー(γs)で考えると、下記式(2)となる。ここで添字のsはSolidを表わす。また、同様に液体では下記式(3)となり、添字LはLiquidを表す。
膜の表面自由エネルギーは、水とCH2I2(ジヨードメタン)の2種類の液体を用い、それぞれを固体上に同量滴下し、求めた接触角から表面自由エネルギーを算出する。
Owens-Wendt-Kaelble法により、以下の計算式を用いた。
尚、2種類の液体のγL d及びγL pはそれぞれ表1の文献値を使用し、(3)式より2種類の液体それぞれのγLを求める。
例えば、水の接触角が104.9°、ジヨードメタンの接触角は72.0°であれば、(4)式、(5)式のθに代入し、その他のエネルギー値は表1の値を用いる。その結果は以下の通りである。
また、ジヨードメタンの接触は72.0°を用いて(5)式と同様に計算すると
上式(6)によって得られたγs dを(5)式に代入すると
となり、これら(6)及び(7)式の値を(2)式に代入することにより下記の結果が得られる。
従って、固体の表面自由エネルギーγsが22.30mJ/m2と求められる。
ガラス塊の表面エネルギーと、表面の反応性につき説明する。洗浄後の放置時間により異なった表面自由エネルギーをもつガラス塊(ホウケイ酸塩系)に自己組織化膜を成膜し、同一型による500ショット連続プレスにより、光学素子表面のクモリ、白濁もしくはワレ等の不良率との関係を調査した。
気相反応法による自己組織化膜の成膜は、扁平球状に予備成形したガラス塊を容器内にセットし、その容器内を0.1気圧まで排気した後、オクチルトリクロロシラン(CH3(CH2)7SiCl3)を無水ヘキサンで1vol%まで希釈して調整した気化用の溶液を容器内へ噴霧することによって蒸発させ、蒸発後、5分間、保持した後、0.1気圧以下まで排気して残存する有機溶液の蒸気を除去した後、大気を導入して容器内を大気圧に戻し、表面に自己組織化膜が形成されたプリフォームがセットされた容器内から取り出すことにより行った。
表2に示すとおり、気相反応法にて自己組織化膜を成膜する際のガラス塊の表面自由エネルギーと、成膜後のガラス素材を成形したときの不良率(光学素子表面に、クモリ又は白濁の外観不良が見られたものの率)との間には、明らかな関係があり、表面自由エネルギーが小さいと不良率が増加する。
一方、表面自由エネルギーは、表面における摩擦の大きさと相関する。摩擦は、たとえば、市販のAFM(原子間力顕微鏡)装置を用いて、コンタクトモードによるLFM法(Lateral Force Measurement)により実測することが可能である。
表2に、LFM法により測定した薄膜表面摩擦(相対値)および表面自由エネルギーの一例をまとめる。LFM法による摩擦の測定は、デジタルインスツルメント社製Nano-ScopeIII装置(AFM装置)によった。
*1炭素膜;炭素を蒸着源とした真空蒸着法により成膜した平均膜厚2.5nmの炭素膜
*2 自己組織化膜;ビニルトリクロロシラン(CH2=CH2SiCl3)を無水ヘキサンへ溶解した溶液(濃度:1vol%)を気化させたガスに、ガラス素材を曝して成膜した自己組織化膜。膜厚は0.6nm。
本発明サンプルは、比較サンプルと比べ、表面自由エネルギーが低く、また膜表面の摩擦が極めて低いことがわかる。これは、ガラスがプレス成形によって変形する際の変形速度が高く、融着やワレが防止できることを意味する。
膜の被覆率も、表面自由エネルギーより評価することができる。清浄なガラスの表面は反応性が高く、−OH基で覆われた後でも、その表面自由エネルギーの値は大きい。一方、自己組織化膜の表面に存在する結合(分子の末端に存在する官能基)は、ガラスの表面より反応性が低く、その表面自由エネルギーの値も小さい。したがって、膜表面の表面自由エネルギーは自己組織化膜の被覆率の目安になる。
たとえば、被覆率が100%の自己組織化膜の表面自由エネルギーをXmJ/m2、成膜していないガラスの表面自由エネルギーをY mJ/m2とすると、被覆率と表面自由エネルギーの間には直線関係があるので、表面自由エネルギーがZ mJ/m2の場合の膜の被覆率は、式(8)で与えられる。
本発明の自己組織化膜を用いると、被覆率が他の成膜法によるより高くなる。なお、ガラス素材表面を覆う膜の全てが自己組織化膜であることが好ましいが、一部、自己組織化されていない膜が混在しても、本発明の効果を得られる範囲であれば、本発明に含まれる。自己組織化膜の被覆率は、60%以上であることが好ましく、更に、被覆率は80%以上であることが好適である。尚、被覆率100%の状態とは、成膜時間と温度を変化させたときに、IR−RASで明確なピークが得られ、そのピーク高さが不変(飽和)となったものであるとすることができる。
表面自由エネルギーは、前述のとおり、表面の反応性と被覆率の尺度であり、値が低いと反応性が低く、かつ、被覆率が高い。本発明においては、プレス成形に用いるガラス素材の表面エネルギーが大きすぎると、成形型との反応性が高くなり、クモリ、白濁の防止効果が不充分となるので、本発明のガラス素材はその表面の表面自由エネルギーが40mJ/m2以下であることが好ましい。より好ましくは30mJ/m2以下である。
[プレス成形]
本発明によって用意されたガラス素材を用い、精密に形状加工された成形型によって、プレス成形することによって光学素子を得ることができる。
ガラス素材を成形用型内に投入し、加熱軟化により成形可能になった状態でこれを押圧し、成形型の成形面を転写することによってガラス素子を成形する。押圧開始時、又は押圧中に冷却を開始し、成形されたガラス素子を、型内で所定温度、好ましくはTg以下の温度まで保持しつつ降温する。その後、離型し、成形された光学素子を取出す。成形時の雰囲気は、後述の離型膜などを保護するため、非酸化性とすることが好ましい。
本発明では、自己組織化膜の形成とプレス成形を、連続的に行うことができる。即ち、自己組織化膜成膜を行ったガラス素材を、順次成形型に供給し、プレス成形を行なった光学素子を得る。自己組織化膜の成膜は、成形装置の成形室で行っても良く、又は、成形室にガラス素材を供給する、成形室前室で行っても良い。
例えば、図5のような装置を用いることができる。ここで、自己組織化膜は、自己組織化膜成膜室22において、予め適切な溶液として調整された材料を、導入口30から噴霧し気化する、又は気化装置を用いて自己組織化膜の原料溶液を気化させ、その蒸気を導入口30から導入することによって、ガラス素材14の表面に成膜する。
成形室23において成膜する場合は、不図示のガラス素材搬送アームによってガラス素材14を成形型内24及び25に搬送し、その後、成型室23内を0.1気圧以下に排気する。次いで、自己組織化膜原料導入口30より、自己組織化膜原料物質を含む気体を導入する。その後、成型室23内を再び排気し、窒素ガスなどを導入して非酸化性雰囲気としたのち、ガラス素材14と型をプレス成型に適した温度に加熱し、プレス成型を行う。
成形室前室において成膜する場合(図5に示す場合)には、外界及び成形室とゲートバルブによって密閉可能に遮断された成形室前室(自己組織化膜成膜室)22に、不図示のプリフォーム搬送アームによってプリフォーム14を搬送する。成形室前室22内を、0.1気圧以下に排気した後、導入口から自己組織化膜原料物質を含む気体を導入する。その後、前室内を再び排気し、窒素雰囲気とした後、成形室23との間のゲートバルブを開き、プリフォーム搬送アームによって、成形型内に供給する。次いで、ガラス素材14と成形型24及び25をプレスに適した温度に加熱し、プレス成形する。
尚、自己組織化膜原料物質を気体で導入するかわりに、予め調整した自己組織化膜溶液を噴霧又は、容器に入れた自己組織化膜溶液を成形室又は前室に配置し、揮発によって成膜させることもできる。
プレス条件は、例えば、ガラス素材を成形型内に配置した後、ガラス粘度で108〜1012dPa・s相当の温度に加熱し、プレス成形を行なってもよく、また、ガラス粘度で、108〜1012dPa・s粘度相当に加熱した成形型に、ガラス粘度で106〜108dPa・s相当温度に加熱したガラス素材を供給し、プレス成形してもよい。後者の場合には、成型室内、又は前室に、自己組織化膜を形成したガラス素材を加熱するヒーターを設けることができる。
上記のように、自己組織化膜の成膜とプレス成型を連続的に行なうことにより、成膜を、プレス成形工程のサイクルタイムと同期させることができ、すなわち、成形サイクルタイムの中で成膜を行うことができ、生産が効率的である。
このように、自己組織化膜の成膜を気相反応で行うと、生産効率の高い成膜を行うことができ、有利である。更に、気相反応で成膜を行う方法は、溶液中にガラス素材を浸漬する方法に比較すると、溶液の必要量が数分の1〜1/100以下になり、さらに溶液の濃度管理が不要であるという利点がある。すなわち、液相にガラス素材を浸漬する場合には、繰り返し使用により溶液の濃度や純度が損なわれるが、本発明ではそうした問題がない。
型材としては、得ようとする光学素子形状にもとづいて、精密な形状加工が可能であること、鏡面加工ができること、かつ繰り返しプレス荷重に耐える硬度や耐熱性を有した型素材であれば制限はない。例えば、SiC、WC、TiC、TaC、BN、TiN、AlN、Si34、SiO2、Al23、ZrO2、W、Ta、Mo、サーメット、サイアロン、ムライト、カーボン・コンポジット(C/C)、カーボンファイバー(CF)、WC−Co合金等から選ばれる。
型母材表面に成膜される離型膜としては、ダイヤモンド状炭素膜(以下、DLC)、水素化ダイヤモンド状炭素膜(以下、DLC:H)、テトラヘドラルアモルファス炭素膜(以下、ta-C)水素化テトラヘドラルアモルファス炭素膜(以下、ta-C:H)、アモルファス炭素膜(以下、a-C)、水素化アモルファス炭素膜(以下、a-C:H)等から選ばれる膜を用いることが好ましい。これらは、DC−プラズマCVD法、RF−プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、ECR−プラズマCVD法、光CVD法、レーザーCVD法等のプラズマCVD法、イオンプレーティング法などのイオン化蒸着法、スパッタ法、蒸着法やFCA法等の手法によって成膜される。
なお、本発明は、レンズ、ミラー、グレーティング、プリズム、マイクロレンズ、積層型回折光学素子等の光学素子の製造に有効に適用できるほか、光学素子以外のガラスの成形品の製造に対しても適用できることは言うまでもない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
ガラス転移温度が520℃であり、屈折率が1.69350、線膨張係数が69×10-7/℃であるランタン系ホウ酸塩ガラスからなるガラス素材(プリフォーム)を用いて、ガラスレンズを成形した。
光学湿式洗浄をした扁平球形状のガラス塊を容器内のトレーにセットし、この容器内で酸素プラズマを発生して、ガラス表面を酸素プラズマ洗浄した。洗浄後のガラス表面について、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法の解析を用いて算出された表面自由エネルギーは71mJ/m2であった。
続いて、その容器内を0.1気圧まで排気した後、オクチルトリクロロシラン(CH3(CH2)7SiCl3)をヘキサンで1vol%まで希釈して調整した気化用溶液を容器内で蒸発させた。容器内に導入したオクチルトリクロロシランの量は、プリフォームの表面を自己組織化膜で覆うために必要な量の80倍である。プリフォームの表面を自己組織化膜で覆うために必要な量は、オクチルトリクロロシラン(CH3(CH2)7SiCl3)から形成した自己組織化膜中の1分子の占有面積(12nm2)と、ガラス塊の全表面積から求めることができる。
蒸発後、10分間、保持した後、0.1気圧程度まで排気して残存する有機溶液の蒸気を除去した後、外気を取り込んで容器内を大気圧に戻し、表面に自己組織化膜が形成されたガラス素材がセットされたトレーを容器内から取り出した。
ガラス素材表面をIR-RASで分析した結果、分子配列に基づくピークが観察され、コートは自己組織化されていることが確認された。また、ESCAで評価した自己組織化膜の膜厚は1.2nmであり、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法の解析を用いて算出された表面エネルギーは25mJ/m2であった。この表面自由エネルギーの値から、自己組織化膜の被覆率はほぼ100%と評価された。
この自己組織化膜表面層で被覆されたガラス素材を成形型内に配置し、窒素ガス雰囲気中で、610℃まで加熱して150kg/cm2 の圧力で1分間加圧した。圧力を解除した後、冷却速度を−50℃/minで480℃になるまで冷却し、その後は−100℃/min以上の速度で冷却を行い、プレス成形物の温度が200℃以下に下がったら、成形物を取り出した。
なお、成形型としては、CVD法により作製した多結晶SiCの成形面をRmax=18nmに鏡面研磨した後、イオンプレーティング法成膜装置を用いて、成形面にDLC:H膜(水素化ダイヤモンド状炭素膜)を成膜したものを用いた。
同一型で連続プレス成形し、プレス回数5000回までの光学素子の外観を観察した結果、全数、良好であった。
比較例1
ガラス塊への自己組織化膜の成膜を行わなかった以外は、実施例1と同様に、プリフォームを成形型内に配置し、プレス成形を行ってガラスレンズを成形した。連続プレス30回で、ワレが発生し、また成形型にはガラスと思われる融着物が認められた。
比較例2
実施例1と同じ硝材のガラス塊を用い、この表面に、オクチルトリクロロシラン(CH3(CH2)7SiCl3)をヘキサンで20vol%まで希釈して調整した溶液を、スピンコータによって付着させた。このガラス素子を、IR-RASした分析したところ、表面には組織的構造が見られなかった。実施例1と同様に、このガラス素子を用いてプレス成形し、ガラスレンズを成形したところ、プレス回数80回で、ワレが発生した。
実施例2
実施例1と同じ硝材からなる、予備成形された扁平球形のガラス塊を容器内のトレーにセットし、その容器内のUVランプを用いて、ガラス塊両表面のUVオゾンクリーニング洗浄を行った。洗浄後のガラス素子表面について、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法の解析を用いて算出された表面自由エネルギーは70mJ/m2であった。
続いて、容器内0.1気圧まで排気した後、オクタトリクロロシラン(CH3(CH2)17SiCl3)をヘキサンで5vol%まで希釈して調整した気化用溶液を加熱して作製した蒸気ガスを0.05気圧分容器内に導入した。容器内に導入したオクタトリクロロシランの量は、プリフォームの表面を自己組織化膜で覆うために必要な量の120倍である。容器の温度は室温(15℃〜25℃)とした。
蒸発後、5分間、保持した後、0.1気圧程度まで排気して残存する有機溶液の蒸気を除去した後、外気を取り込んで容器内を大気圧に戻し、表面に自己組織化膜が形成されたプリフォームがセットされたトレーを容器内から取り出した。IR-RASで分析した結果、表面層は自己組織化されていることが確認された。自己組織化膜の膜厚は2.3nmであり、純水およびCH2I2の接触角測定より解析される表面エネルギーは30mJ/m2であった。
この自己組織化膜表面層で被覆されたプリフォームを実施例1と同様にして、同一型で連続プレスし、プレス回数5000回までの光学素子の外観を観察した結果、全数、クモリ、白濁およびワレはなく、外観品質は良好もしくは極めて良好であった。
実施例3〜11
プリフォームのガラス組成、プリフォームの洗浄法、気化用溶液、成膜条件などを表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様に、気相反応法にて表面に自己組織化膜を成膜したプリフォームを作製し、同一型で連続プレスし、プレス回数5000回までの光学素子の外観を観察した結果、表4〜6のとおり、全数、クモリ、白濁およびワレはなく、外観品質は良好もしくは極めて良好であった。
実施例12
プレス成形室で成膜実施例1と同じガラス塊につき、自己組織化膜成膜前のガラス塊表面について、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法の解析を用いて算出された表面自由エネルギーは70mJ/m2であった(純水の接触角:17度、CH2I2の接触角:87度)。
このガラス塊をプレス成形室の下型へセットしたのち、このガラス塊にオクタトリクロロシラン(CH3(CH2)17SiCl3)をヘキサンで0.2vol%まで希釈して調整した気化用溶液を加熱して作製した蒸気ガスを、2L/分の流速で、1分間、吹きつけた。吹きつけたオクタトリクロロシランの量は、プリフォームの表面を自己組織化膜で覆うために必要な量の2100倍である。下型の温度は250℃とした。この自己組織化膜表面層で被覆されたプリフォームを実施例1と同様にして、同一型で連続プレスした。このサイクルを繰り返し、すなわち、毎ショット毎に、プリフォームへの自己組織化膜の成膜を実施し、光学素子(ガラスレンズ)のプレス成形を行った。
尚、成膜後、プレス成形前のガラス塊の表面をIR-RASで分析した結果、分子配列に基づくピークが観察され、コートは自己組織化されていることが確認された。また、ESCAで評価した自己組織化膜の膜厚は2.3nmであり、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法の解析を用いて算出された表面エネルギーは30mJ/m2であった。この表面自由エネルギーの値から、自己組織化膜の被覆率は98%と評価された(純水の接触角:78度、CH2I2の接触角:76度)。
プレス回数5000回までの光学素子の外観を観察した結果、全数、クモリ、白濁およびワレはなく、外観品質は良好もしくは極めて良好であった。本実施例記載の方法では、連続的な工程で、自己組織化膜の成膜からプレス成形が可能であり、成膜のための装置やプリフォームへの成膜からプレス成形に関わる保管が不要になる他、保管におけるプリフォームの汚染を回避できる。
実施例13
プレス室前室で成膜
実施例1と同じガラス塊をプレス成形の前室へセットしたのち、この前室を0.1気圧まで排気した後、この前室にオクタトリクロロシラン(CH3(CH2)17SiCl3)をヘキサンで0.2vol%まで希釈して調整した気化用溶液を加熱して作製した蒸気ガスを導入した。前室内に導入したオクタトリクロロシランの量は、ガラス塊の表面を自己組織化膜で覆うために必要な量の40倍である。ガス導入後、60秒間、保持した後、表面に自己組織化膜が形成されたプリフォームをプレス室内の下型の上にセットした。
成膜後、プレス前のプリフォームの表面をIR-RASで分析した結果、分子配列に基づくピークが観察され、コートは自己組織化されていることが確認された。ESCAで評価した自己組織化膜の膜厚は2.3nmであり、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法の解析を用いて算出された表面エネルギーは25mJ/m2であった。この表面自由エネルギーの値から、自己組織化膜の被覆率は98%と評価された(純水の接触角:102度、CH2I2の接触角:68度)。
この自己組織化膜表面層で被覆されたプリフォームを実施例1と同様にして、同一型で連続プレスし、プレス回数5000回までの光学素子の外観を観察した結果、全数、クモリ、白濁およびワレはなく、外観品質は良好もしくは極めて良好であった。
*自己組織化膜原料の量;プリフォーム表面を自己組織化膜で覆うために必要な量に対する倍数
**自己組織化の判定; IR-RASでの分析よりピークの有無にて自己組織化の有無を判定
○:自己組織化あり、×:自己組織化なし
***光学素子外観;同一型で連続プレスし、プレス回数5000回までの光学素子の外観
◎:5000回のプレスで、ワレ、クモリが見られず。
○:5000回のプレスで、ワレが見られず、クモリ不良の発生が5%以下。
×:プレス途中で、ワレが発生。
*自己組織化膜原料の量;プリフォーム表面を自己組織化膜で覆うために必要な量に対する倍数
**自己組織化の判定; IR-RASでの分析よりピークの有無にて自己組織化の有無を判定
○:自己組織化あり、×:自己組織化なし
***光学素子外観;同一型で連続プレスし、プレス回数5000回までの光学素子の外観
◎:5000回のプレスで、ワレ、クモリが見られず。
○:5000回のプレスで、ワレが見られず、クモリ不良の発生が5%以下。
×:プレス途中で、ワレが発生。
*自己組織化膜原料の量;プリフォーム表面を自己組織化膜で覆うために必要な量に対する倍数
**自己組織化の判定; IR-RASでの分析よりピークの有無にて自己組織化の有無を判定
○:自己組織化あり、×:自己組織化なし
***光学素子外観;同一型で連続プレスし、プレス回数5000回までの光学素子の外観
◎:5000回のプレスで、ワレ、クモリが見られず。
○:5000回のプレスで、ワレが見られず、クモリ不良の発生が5%以下。
×:プレス途中で、ワレが発生。
自己組織化膜の説明図。 複分子層からなる自己組織化膜の説明図。 液相反応法による自己組織化膜の成膜の説明図。 気相反応法による自己組織化膜の成膜の説明図。 自己組織化膜の形成及びプレス成形の装置の説明図。 自己組織化膜のIR-RAS分析結果。
符号の説明
1 自己組織化膜の出発原料を含む雰囲気(溶液、気体)
2 自己組織化膜の出発原料分子
3 被成膜基材
4 自己組織化膜
5 自己組織化膜の分子
6 複層化した自己組織化膜
7 複分子層からなる自己組織化膜
8 自己組織化膜の分子A
9 自己組織化膜の分子B
10 自己組織化膜の分子1
11 自己組織化膜の分子2
12 自己組織化膜の分子3
13 自己組織化膜の分子4
14 予備成形されたガラス(プリフォーム)
15 液相反応法の成膜容器
16 自己組織化膜原料を含む溶液
17 トレー
18 液相反応法により成膜された自己組織化膜
19 気相反応法の成膜容器
20 自己組織化膜原料を含む気体(蒸気、ガス)
21 気相反応法により成膜された自己組織化膜
22 プレス成形の前室
23 プレス成形室
24 上型
25 下型
26 プレス軸(下方)
27 プレス軸(上方)
28 プリフォーム仮置き台
29 前室扉
30 自己組織化膜原料を含む気体の導入口

Claims (6)

  1. 所定形状に予備成形したガラス塊の表面に、自己組織化膜を形成したプレス成形用ガラス素材の製造方法において、前記自己組織化膜の形成を、気相反応によって行うことを特徴とする、前記ガラス素材の製造方法。
  2. 前記気相反応は、自己組織化膜形成用原料を含有する有機溶媒の蒸気に前記ガラス塊を接触させることで行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記自己組織化膜を形成するガラス塊として、表面の表面自由エネルギーが50 mJ/m2以上であるガラス塊を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のガラス素材の製造方法。
  4. 加熱により軟化した状態のガラス素材を、成形型を用いてプレス成形することを含むガラス光学素子の製造方法において、前記ガラス素材として請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス素材を用いることを特徴とする、前記ガラス光学素子の製造方法。
  5. 自己組織化膜の形成とプレス成形とを、連続的に行うことを特徴とする、請求項4のガラス光学素子の製造方法。
  6. 自己組織化膜の形成を、プレス成形に用いる成形室、又は成形室にガラス素材を供給する成型室前室において行うことを特徴とする、請求項5のガラス光学素子の製造方法。


JP2004035307A 2004-02-12 2004-02-12 成形用ガラス素材の製造方法およびガラス光学素子の製造方法 Pending JP2005239434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004035307A JP2005239434A (ja) 2004-02-12 2004-02-12 成形用ガラス素材の製造方法およびガラス光学素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004035307A JP2005239434A (ja) 2004-02-12 2004-02-12 成形用ガラス素材の製造方法およびガラス光学素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005239434A true JP2005239434A (ja) 2005-09-08

Family

ID=35021570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004035307A Pending JP2005239434A (ja) 2004-02-12 2004-02-12 成形用ガラス素材の製造方法およびガラス光学素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005239434A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011081031A1 (ja) * 2009-12-28 2011-07-07 Hoya株式会社 プレス成形用ガラス素材、プレス成形用ガラス素材の製造方法、および光学素子の製造方法
JP2013006746A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Hoya Corp プレス成形用ガラス素材およびその製造方法、ならびに光学素子の製造方法
JP2014522567A (ja) * 2011-05-27 2014-09-04 コミッサリア ア レネルジ アトミック エ オ エネルジ アルテルナティヴ ブロック共重合体を用いて基板の表面にパターンを作製する方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011081031A1 (ja) * 2009-12-28 2011-07-07 Hoya株式会社 プレス成形用ガラス素材、プレス成形用ガラス素材の製造方法、および光学素子の製造方法
US8993115B2 (en) 2009-12-28 2015-03-31 Hoya Corporation Press-molding glass material, method of manufacturing press-molding glass material, and method of manufacturing optical element
JP2014522567A (ja) * 2011-05-27 2014-09-04 コミッサリア ア レネルジ アトミック エ オ エネルジ アルテルナティヴ ブロック共重合体を用いて基板の表面にパターンを作製する方法
JP2013006746A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Hoya Corp プレス成形用ガラス素材およびその製造方法、ならびに光学素子の製造方法
US8865314B2 (en) 2011-06-27 2014-10-21 Hoya Corporation Press molding glass material, manufacturing method thereof, and manufacturing method of optical element

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104968625A (zh) 具经改善的损坏容忍度的强化硼硅酸盐玻璃容器
JP2651266B2 (ja) 光学素子製造用ガラスブランク及びその製造方法
JP2005239434A (ja) 成形用ガラス素材の製造方法およびガラス光学素子の製造方法
JP3894561B2 (ja) ガラス製品の製造方法
JP2005225707A (ja) モールドプレス成形用ガラス素材、その製造方法及びガラス光学素子の製造方法
JP2006193389A (ja) 光学素子製造用ガラスブランク及びこれを用いた光学素子
JP2005239433A (ja) 成形用ガラス素材の製造方法およびガラス光学素子の製造方法
JP4056010B2 (ja) プレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、およびガラス光学素子の製造方法
JP2004231505A (ja) ガラス光学素子の製造方法
CN1550459A (zh) 玻璃光学元件的制造方法
JP2739916B2 (ja) 光学素子製造用ガラスブランク及びこれを用いた光学素子の製造方法
JP2004075529A (ja) 成形用ガラス素材及びその製造方法、並びにそれを用いたガラス製品の製造方法
JP2005239435A (ja) モールドプレス成形装置及びガラス光学素子の製造方法
CN1552649A (zh) 玻璃光学元件的制造方法
JP4494913B2 (ja) 光学素子の製造方法
US20040177648A1 (en) Glass material for molding, method of manufacturing same, and method of manufacturing glass articles using same
JP2739913B2 (ja) 光学素子製造用ガラスブランク及びこれを用いた光学素子の製造方法
JP2004123522A (ja) ガラス光学素子成形用型及びそれを用いた光学素子の製造方法
GB2518358A (en) Glass preforms for molding and a method of molding glass articles
JPH0477322A (ja) 光学素子製造用ガラスブランク
JP3847805B2 (ja) 光学素子成形用型
JP4425071B2 (ja) モールドプレス用ガラス素材、その製造方法及び光学素子の製造方法
TWI326272B (ja)
CN100400449C (zh) 模造用光学玻璃材料
JPH0745329B2 (ja) 光学素子製造用ガラスブランク