JP4739834B2 - 成形用ガラス素材の製造方法、およびガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

成形用ガラス素材の製造方法、およびガラス光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス光学素子などを製造する際に用いられる成形用ガラス素材の製造方法、およびこの成形用ガラス素材を用いたガラス光学素子の製造方法に関するものである。特に、成形後にガラス光学素子などの被成形面に対して研磨などの後加工を必要としない精密ガラスモールドに用いる成形用ガラス素材を製造する際の炭素含有膜の成膜技術に関するものである。
寸法や形状の精度が高いガラス光学素子などを生産性よく製造する方法としては、精密モールドプレス法がある。この方法は、予め光学ガラスを溶融状態から所定形状に固化させ、又は光学ガラスを所定形状に冷間で加工してガラス塊を得、これを成形型内に投入し、加熱により成形可能になった状態でプレス成形し、成形体を成形型内に保持した状態で冷却してガラス光学素子などを得る方法である。このような成形方法では、精密加工された成形型を用いるため、成形体の被成形面に対して研磨加工などの後加工を必要としない。
しかしながら、精密モールドプレス法によってガラス光学素子を成形する際、成形用ガラス素材と成形型の成形面とが高温状態下で密着するため、それらの界面で反応が生じると融着が生じるなどの問題点がある。
このような問題点を解決する方法として、例えば、リヒートプレス法において成形型とガラスプリフォームの融着を防止するために、ガラス塊としてのガラスプリフォームの表面に、炭化水素ガスの熱分解によって炭素膜を形成したものを成形用ガラス素材として用いる方法が提案されている(特許文献1)。
また、メタンガスを用いて高周波放電を行い、またはメタンガスと水素ガスを用いてイオンビームを引き出し、ガラス塊としてのガラスブランクの表面上に膜厚が20nmから30nmの炭化水素膜を形成したものを成形用ガラス素材として用いる方法が開示されており、このような成形用ガラス素材を用いれば、離型し難いレンズ形状のプレス成形であっても良好な離型性が得られるとされている(特許文献2)。
また、金型と成形品との間の離型性を高めるために、ガラス塊としてのガラスブランクに対してメタンプラズマ処理を施した後、その表面に5nm未満の炭素膜を形成したものを成形用ガラス素材として用いる方法が開示されている(特許文献3)。
特開平8−217468号公報 特開平8−259241号公報 特開平9−286625号公報
精密ガラスモールドによってレンズなどのガラス光学素子を製造する場合には、成形型の成形面と成形用ガラス素材との融着を防止する必要がある他、成形されたガラス光学素子にクモリやワレなどの不具合が発生することを防止することが大きな課題である。
しかしながら、特許文献1に開示の成形用ガラス素材の製造方法によると、ガラスプリフォーム表面で炭化水素の熱分解を生じさせるものであるため、ガラスプリフォームの表面状態の影響を受けやすい。例えば、ガラスプリフォーム表面に微小な付着物などが存在すると、成膜時、ガラスプリフォーム表面で成膜されない部位が生じ、膜質に不均一が生じるため、プレス成形を行ったときに、成形されたガラス光学素子の表面にクモリやワレが生じやすくなる。さらに、ガラス組成によって膜厚や膜質が変動するため、異なる種類の硝材を用いてガラス光学素子を製造するたびに成膜条件の変更が必要であり、かつ、成膜条件を調整してもクモリやワレの抑止が不十分であるなどの問題点がある。
特許文献2に開示の成形用ガラス素材の製造方法では、それを実施する際に、10nm以下の膜厚をnmオーダーで制御して成膜することが困難である上、成膜中にメタンガスの導入を停止していないので、成膜室内のメタンガス濃度が均一にならず、多数のガラス塊に対して同時に均一の成膜を行うことが困難であるという問題点がある。
特許文献3に開示の成形用ガラス素材の製造方法でも、特許文献2に開示の技術と同様に、精緻な膜質管理が困難であり、また、多数のガラス塊への均一な成膜が行いにくいという問題点がある。
さらに、ガラス塊の表面に炭素含有膜を形成することによって離型性を向上させることは、上記特許文献に開示の方法によってある程度可能であるが、プレス成形を連続して行うと、成形用ガラス素材と成形型の成形面との界面で生じる反応生成物や炭素含有膜自体が成形型の成形面に付着し、成形型の成形面の平滑さが失われる結果、それを転写した成形用ガラス素材には、表面が荒れることによるクモリが生じる。このため、ガラス光学素子の光学性能が劣化するという問題点があり、このような問題は、成形用ガラス素材表面の炭素含有膜が厚いほど顕著になる傾向がある。従って、充分な離型性を得て、かつ、クモリを生じさせない適切な膜厚の炭素含有膜を得るためには、膜厚の精緻な制御が必要とされているが、このような精緻な制御は従来の成膜方法では達成できない。
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、精密ガラスモールドによってレンズなどのガラス光学素子を製造する際、成形型の成形面と成形用ガラス素材との間に生じる融着、および成形されたガラス光学素子に生じるクモリ、ワレを防止することを可能にする成形用ガラス素材の製造方法、およびガラス光学素子の製造方法を提案することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、加熱により軟化した状態でのプレス成形が施される成形用ガラス素材の製造方法において、予備成形したガラス塊を配置した成膜室内を排気した後、該成膜室内に炭化水素を導入し、該成膜室内の圧力が0.5Pa以上50Pa以下の範囲内の所定の圧力値Pになってから炭化水素の導入を停止し、前記成膜室を密閉した状態で前記炭化水素をプラズマ化し、前記成膜室内の圧力が前記圧力値Pよりも低い所定の圧力値Qまで低下したときに炭化水素のプラズマ化を停止することにより前記ガラス塊の表面に炭素含有膜を形成する成膜工程を有し、予め、1回あたりの前記成膜工程により前記ガラス塊の表面に形成される前記炭素含有膜の膜厚と前記圧力値Pとの相関関係を求め、該相関関係に基づき、1回あたりの前記成膜工程で形成される前記炭素含有膜の膜厚がサブナノメータ単位となる前記圧力値Pの値を選択して、前記成膜工程を行うことを特徴とする。
本発明では、炭化水素の熱分解によって炭素含有膜を形成する方法と違って、プラズマ化した炭化水素によってガラス塊表面に炭素含有膜を堆積させていくので、ガラス塊の表面では実質的に反応が起こらない。従って、炭素含有膜の膜質や膜厚がガラス塊の表面状態や組成の影響を受けることがないので、膜質や膜厚が一定の炭素含有膜を形成することができる。また、炭素含有膜の成膜中、成膜室内への炭化水素の導入を停止するため、成膜室内で炭化水素濃度が一定である。このため、安定した条件下で成膜を行うことができ、かつ、同成形室内に配置した多数のガラス塊に対して、同時に均一な成膜を行うこともできる。さらに、成膜時間が短く、かつ、成膜室内の初期ガス濃度で膜質や膜厚を制御できるため、膜質および膜厚を精緻に制御することが可能であり、成膜工程を繰り返し行えば、膜質および膜厚を精緻に制御しながら膜厚の厚い炭素含有膜を形成することもできる。従って、本発明に係る方法によって製造された成形用ガラス素材の炭素含有膜は、プレス成形時、充分な滑り性、離型性を発揮する。それ故、本発明に係る成形用ガラス素材を用いてプレス成形すると、成形型へのガラス素材の融着、それに起因するガラス光学素子でのワレやクモリの発生を防止することができる。
本願発明者らは、本発明の成膜工程により、サブナノメータ・オーダーといった極めて膜厚の薄い炭素含有膜を均一に形成できることを確認している。つまり、本発明の成膜工程によれば、サブナノメータ単位での極めて精緻な膜厚の制御が可能である。
本発明において、前記炭化水素として、炭素と水素が原子%で1:1の炭化水素を用いることが好ましい。ここで、炭化水素としては、アセチレンを用いることが好ましい。プレス成形時、成形型との滑り性に作用するのは炭素であるため、炭素含有比が高い炭化水素を用いることが好ましい。
本発明において、前記成膜工程では、前記成膜室内の排気、当該成膜室内への炭化水素の導入、当該成膜室内への炭化水素の導入を停止した状態での炭化水素のプラズマ化、および当該炭化水素のプラズマ化の停止を1サイクルとした成膜処理を複数回、繰り返してもよい。
本発明において、前記圧力値Pおよび前記圧力値Qは、下式で示す関係
0.3P ≦ Q
を満たすことが好ましい。圧力値が0.3P未満に低下した状態では、成膜室内においては、炭素濃度が低下し、水素が相対的に高い。このため、これ以上、反応を進行させても炭素含有膜の膜質が向上しない。
本発明において、前記成膜工程を経た成形用ガラス素材をプレス成形温度に近似する温度で加熱することにより、前記成形用ガラス素材の表面自由エネルギーを60mJ/m 2 以下とし、且つ、前記成形用ガラス素材の表面自由エネルギーの分散項比を80%以上とすることが好ましい。このような表面特性を備える成形用ガラス素材をプレス成形に用いることにより、融着、ワレ、クモリなどの不良発生率を実質的に抑止できる。
本発明は、前記ガラス塊が、溶融ガラスを受け型に流下または滴下することによって予備成形してなる場合に適用すると効果的である。このようなガラス塊は、表面に研磨痕などの加工痕がないためプレス成形には好適である一方で、表面全体が曲面を呈しているため、蒸着法などといった指向性のある成膜法によって表面に炭素含有膜を形成しようとすると、ガラス塊の部位によっては膜質が均一にならない傾向がある。しかしながら、本発明では、成膜材料の回り込みが良いので、ガラス塊の形状にかかわらず、膜質および膜厚の均一な炭素含有膜をガラス塊の表面全体に短時間に形成できるという利点がある。
本発明に係る成形用ガラス素材は、ガラス光学素子の製造などに用いられ、このような製造方法では、成形用ガラス素材を加熱により軟化させるとともに成形型によってプレス成形する。
本発明では、炭化水素のプラズマ化によってガラス塊表面に炭素含有膜を堆積させていくので、ガラス塊の表面では実質的に反応が起こらない。従って、炭素含有膜の膜質や膜厚がガラス塊の表面状態や組成の影響を受けることがないので、所望の膜質や膜厚の炭素含有膜を形成することができる。また、炭素含有膜の成膜中、成膜室を密閉し、成膜室内への炭化水素の導入を停止することによって、成膜室内で炭化水素濃度を一定とすることができる。このため、安定した条件下で成膜を行うことができ、かつ、多数のガラス塊に対して同時に均一な成膜を行うこともできる。さらに、成膜時間が短く、かつ、成膜室内の初期ガス濃度で膜質や膜厚を制御できるため、膜質および膜厚を精緻に制御することが可能である。本願発明者らは、本発明の成膜工程により、サブナノメータ・オーダーといった極めて膜厚の薄い炭素含有膜を均一に形成できることを確認している。つまり、本発明の成膜工程によれば、サブナノメータ単位での極めて精緻な膜厚の制御が可能である。よって、本発明の成膜工程を繰り返し行えば、膜質および膜厚を精緻に制御しながら膜厚の厚い炭素含有膜を形成することもできる。従って、本発明に係る方法によって製造された成形用ガラス素材の炭素含有膜は、プレス成形時、充分な滑り性、離型性を発揮する。それ故、本発明に係る成形用ガラス素材を用いてプレス成形すると、成形型へのガラス素材の融着、それに起因するガラス光学素子でのワレやクモリの発生を防止することができる。
以下、本発明を適用した成形用ガラス素材の製造方法、およびガラス光学素子の製造方法について詳細に説明する。
(製造工程の概略説明)
本発明では、まず、ガラス材料を予備成形して所定形状のガラス塊を製造した後、成膜工程において、ガラス塊の表面に炭素含有膜を形成し、成形用ガラス素材を製造する。
次に、成形用ガラス素材を、加熱により軟化させるとともに成形型によってプレス成形し、ガラス光学素子などを製造する。その際、成形用ガラス素材の表面に形成されていた炭素含有膜からは、プレス形成時の加熱により水素が脱離し、炭素含有膜は高炭素濃度膜となって、充分な滑り性、離型性を発揮する。それ故、本発明に係る成形用ガラス素材を用いてプレス成形すると、成形型へのガラス素材の融着、それに起因するガラス光学素子でのワレやクモリの発生を効果的に防止することができる。
(ガラス塊の詳細説明)
本発明において、ガラス塊とは、光学ガラスを所定体積、形状に予備加工したものであり、成形用ガラス素材の基材を構成している。このようなガラス塊は、例えば、得ようとするガラス光学素子の光学恒数、物性に応じて選択した光学ガラスを球形状、扁平な両凸曲面形状、円盤状などに加工したものである。
本発明に適用できるガラス塊の製造方法としては、特に制限はない。従って、溶融後、固化した光学ガラスを、切断、研磨によって所定体積に冷間加工して、球形状や円盤状などのガラス塊を製造してもよく、溶融状態の光学ガラスを受け型に滴下、または流下して、球形、扁平な両凸曲面形状などの所定体積に予備成形(熱間成形)してガラス塊を製造してもよい。本発明に適用するガラス塊としては、表面に加工痕(研磨痕など)が発生しない後者の製造方法によるものが好ましく、このようなガラス塊であれば、例えば、サブナノメータ・オーダーといった極めて膜厚の薄い炭素含有膜を均一に形成することができる。また、同様の成膜処理を複数回繰り返すことで、炭素含有膜をサブナノメータ単位でガラス塊の表面を被覆することができる。ここで、冷間加工や熱間成形により曲面を有する形状に予備成形されたガラス塊は、表面が曲面を呈している為、蒸着法などといった指向性のある成膜法によって表面に膜を形成しようとすると、ガラス塊の部位によって膜質が均一にならない傾向があるが、後述する本発明に係る成膜方法によれば、成膜材料の回り込みが良いため、膜質の均一な炭素含有膜を短時間に形成できるという利点がある。また、本発明に係る成膜方法によれば、成膜時に実質的にガラス表面における反応を伴わないため、ガラス組成によって、膜質が左右されない。それ故、いずれの硝材を用いても、膜質および膜厚を精緻に制御することができる。
(炭素含有膜の成膜工程)
図1は、成膜装置の概略構成図である。図2は、本発明に係る炭素含有膜の成膜工程における成膜室内の圧力変化とRF出力変化を示す説明図である。なお、図2において、成膜室2内の圧力を実線L1で示し、RF出力を実線L2で示してある。
本発明において、ガラス塊の表面に炭素含有膜を形成するにあたって、例えば、図1に示す成膜装置1を用いる。この成膜装置1は、プラズマCVD装置であり、内部が成膜室2として用いられる容器3(ベルジャ)と、高周波電界を発生させるための高周波電極4とを備えている。容器3には、ガスを導入するためのガス導入管5と、ガスを排気するための排気管6とが接続されている。ガス導入管5には、原料ガスが充填されたガスボンベ7が接続され、かつ、ガス導入管5には、圧力制御弁51や遮断弁52が介挿されている。排気管6には、ロータリーポンプなどを備えた排気手段61が接続され、排気手段61によって、排気管6の開閉も行うようになっている。高周波電極4には高周波電源40が接続されている。また、成膜室2内には、支柱91に支えられた複数のトレー92が配設されており、各トレー92の上には多数のガラス塊Wがセットされている。なお、図示を省略するが、容器3には、内部の圧力を検出する圧力計、大気開放用の配管、各種制御弁なども設けられている。
このような成膜装置1を用いてガラス塊Wの表面に炭素含有膜を成膜するにあたっては、まず、成膜室2内にガラス塊Wを配置する。次に、排気手段61によって、成膜室2内の圧力が4Pa以下になるまで、好ましくは、1Pa以下になるまで成膜室2内を排気し、図2において区間t1に示すように、成膜室2内が所定の圧力に到達した後、ガスボンベ7から成膜室2内への炭化水素の導入を開始する。
その結果、成膜室2内の圧力は、図2において区間t2に示すように、上昇していく。導入する炭化水素としては、メタン、エタン、ベンゼン、アセチレンなどを用いることができる。ここで、プレス時の成形型との滑り性に作用するのは炭素であるため、炭素含有比が高いことが好ましく、分子中における炭素と水素の比が原子%で1:1の炭化水素、例えば、アセチレンやベンゼンが好ましい。特にアセチレンをプラズマ化して炭素含有膜を形成した成形用ガラス素材は、後述する表面自由エネルギーが、他の炭化水素を用いた場合における表面自由エネルギーよりも低く、例えば60mJ/m2以下であり、プレス成形時の滑り性、離型性に優れている。
そして、成膜室2の内部の圧力が下式
0.5(Pa) ≦ P ≦ 50(Pa)
で示される圧力値P(Pa)なったときに、成膜室2内を密閉し、炭化水素の導入を停止する。ここで、圧力値Pは、より好ましくは、下式
1.0(Pa) ≦ P ≦ 30(Pa)
を満たすことが好ましい。すなわち、成膜開始時の圧力値Pが高すぎると、ガラス塊Wの表面で炭素含有膜が粉状に堆積し、層を形成しないことがあるので、圧力値Pは、50Pa以下、好ましくは、30Pa以下であることが好ましい。これに対して、成膜開始時の圧力値Pが低すぎると、成膜効率が低すぎるため、圧力値Pは、0.5Pa以上、好ましくは、1.0Pa以上であることが好ましい。
次に、時間t=0においては、成膜室2内を密閉し、炭化水素の導入を停止した状態で、高周波電極4に高周波電圧を印加することによって、成膜室2内に炭化水素ガスをプラズマ化させ、プラズマ中に発生した炭化ラジカルによって炭素含有膜をガラス塊Wの表面に堆積させる。成膜時の温度は、ほぼ常温で行うことが可能である。
このように本形態では、成膜中、すなわち高周波印加中は、成膜室2を密閉し、閉じた系とする。換言すると、プラズマ源の供給が常に行われていて、成膜室2内の気体が流動している状態で成膜を行うより、成膜室2を密閉した状況で行う方が、成膜結果は好ましいものであった。この場合、図2に期間t3で示すように、成膜が進行するに従って、成膜室2内の圧力は減少する。
ここで、成膜室2の圧力の低下率が所定の範囲となったときに高周波の印加を停止し、成膜を停止する。この低下率とは、高周波の印加を開始したときの成膜室2内の圧力を圧力値P(Pa)とし、印加を停止するときの成膜室2内の圧力を圧力値Q(Pa)としたときに、Q/Pで示されるもので、本形態では、低下率が0.3〜0.7、より好ましくは0.5〜0.65が好ましい。すなわち、成膜開始時の圧力値Pと、成膜停止時の圧力値Qは、下式で示す関係
0.3P ≦ Q ≦ 0.7P
を満たすことが好ましい。より好ましくは、成膜室2内の圧力(圧力値Q(Pa))は下式
0.5P ≦ Q ≦ 0.65P
を満たすことが好ましい。
高周波の印加を停止せずに反応を更に進行させれば、成膜室2内の圧力はさらに減少していくが、この過程で膜質は向上しない。このため、上記所定圧0.3P、または0.5Pに達したときに、プラズマの発生を停止し、成膜を終了させることが好ましい。すなわち、所定の圧力低下率を越えて励起を続けると、雰囲気中の水素濃度が上昇するため、ガラス塊表面への炭素堆積量の増加に寄与せず、むしろ、膜中の水素濃度が上昇する。本発明では、炭素含有膜中の炭素濃度が高いものが好ましく、膜中の水素濃度が上昇することは、プレス成形中の反応性を高くする点で好ましくないため、成膜中の圧力低下率を上記範囲とすることが好ましい。
また、閉じた系内で成膜を行わずに、炭化水素を供給し続けても成膜は行えるが、閉じた系、すなわち、炭化水素の供給を停止した方が、精緻な膜厚の制御(例えば1nm未満の単位における膜厚制御)を行うことができ、後述するプレス成形の段階でクモリを発生させずに離型効果、滑り性付与効果が得られる。ここで、励起後、成膜室2は密閉された状態であるため、成膜が進行するとともに成膜室2内の炭化水素が消費されるため、形成される膜質の均一性に影響を与えることが懸念されるが、本願発明者らの検討によると、成膜室2内の圧力が成膜開始時の圧力に対して所定の低下率の範囲内で励起を停止し、成膜を終了するので、このような影響は実質的に無いことが確認された。
本形態において、成膜中の条件は適宜設定できる。例えば、RF(高周波電圧)出力は100W以下、発信周波数は13.56MHz、圧力低下速度は0.2±0.1Pa/sの条件とすることができる。成膜時間は、例えば5〜40s程度であり、非常に短時間、かつ低出力(5〜100W)で成膜することが可能である。膜厚はガス導入量と反応終了時の圧力によって、制御することが可能である。
また、本形態において、成膜工程では、成膜室2内の減圧、成膜室2内への炭化水素の導入、成膜室2内への炭化水素の導入を停止した状態での炭化水素のプラズマ化、および炭化水素のプラズマ化の停止を1サイクルとした成膜処理を複数回、繰り返して、所定の膜厚の炭素含有膜を形成してもよい。
このようにして、成膜を終了させた後は、成膜室2内に大気圧まで窒素ガスなどの不活性ガスを導入し、しかる後に、容器3内から、ガラス塊Wの表面に炭素含有膜が形成された成形用ガラス素材を取り出す。
なお、成膜工程に先立ち、ガラス塊Wを成膜室2内に配置した後、ガラス塊Wの表面をクリーニングしてもよい。これは、成膜室2内を排気し、プラズマによって予めガラス塊Wの表面をクリーニングすることにより行うことが好ましい。クリーニングは、例えば、湿式洗浄した後のガラス塊に対し、アルゴン、酸素などの気体を用いて行うことができ、ガラス塊W表面の汚染による成膜不均一を防止できることから有効である。
(炭素含有膜の特性)
本発明によってガラス塊に形成された炭素含有膜は、炭素を主成分(50at%以上)として含有し、他の成分として水素を含有している。この膜は、例えば特許文献1に記載の方法で形成した膜に比べ、プレス成形に際して、クモリを抑止しつつ、充分な離型性(融着、ワレの抑止)が行える。また、特許文献1の方法によると、用いる硝材によって膜厚が影響を受ける傾向がみられたが、本発明によると、成膜条件を一定にすれば、略一定膜厚の炭素含有膜が硝材に依存せずに得られた。これは、本発明の炭素含有膜は、成膜時にガラス塊表面における表面反応を実質的に伴わないためとみられる。
また、本発明に係る炭素含有膜は、含有する炭素、水素の結合が比較的弱く、後述するプレス成形に際して成形用ガラス素材を加熱軟化する際に、容易に熱分解して水素が解離し、より炭素濃度の高い膜となると考えられる。この高炭素濃度膜は成形用ガラス素材と型成形面との滑り面を向上する上、不要な反応を伴わないため、融着を抑止し優れた離型性を示す。
上記したように、本発明の炭素含有膜は、用いた光学ガラスの組成に対する膜質の依存性が殆どみられず常に略一定の膜質が得られるため、いずれの組成を持つ光学ガラスでも使用できる。特に好ましくは、例えば、以下に示す硝材(1)〜(3)
(1)ガラス転移点(Tg)が500℃以下の光学ガラス
(2)ガラス転移点(Tg)が500℃以下であって、かつ、モル%でP2O5が25%〜50%、BaOが20%以上、アルカリ金属酸化物を合量で3%以上、ほかに必須成分としてMgOを1%以上含有する光学ガラス
(3)ガラス転移点(Tg)が500℃以下であって、かつ、屈折率ndが1.5〜1.75、アッベ数νdが55〜70である光学ガラス
を用いることができる。
上記硝材は、低屈折率、低分散であり、小型撮像機器の光学系に利用価値が高いが、軟化点が低いために、特許文献1の方法による膜を形成すると、ガラス塊形状が崩れるなどの問題がある。本発明の成膜法を用いると略常温での成膜が可能であるため、極めて有利であり、本発明の効果が顕著である。
なお、成形用ガラス素材における高濃度炭素膜の膜厚は、0.2〜10nmであることが好ましく、より好ましくは、0.5〜5nmである。膜厚が過度に大きいと、プレス成形時にガラス光学素子表面のクモリが発生する原因となり、また膜厚が過度に小さいと、充分な滑り性、離型性が得られず、融着や、それに起因するワレが発生しやすい。
(炭素含有膜の評価方法)
上記のように、本発明に係る炭素含有膜は、プレス成形に際して成形用ガラス素材を加熱軟化する際に、より炭素濃度の高い膜となるため、炭素含有膜の評価にあたり、以下、プレス成形温度程度に加熱し冷却した成形用ガラス素材表面の高炭素濃度膜の評価方法を説明する。
本発明者の知見によると、表面に炭素含有膜を形成した成形用ガラス素材をプレス成形に供したときの不良発生率(融着、ワレ、クモリの発生割合)は、炭素含有膜の成膜後、成形用ガラス素材をプレス成形温度に近似する温度で加熱した後の成形用ガラス素材の表面自由エネルギーと相関する。具体的には、プレス成形温度に近似する温度で加熱し、冷却した後の成形用ガラス素材において、表面自由エネルギー値を60mJ/m2以下、より好ましくは50mJ/m2以下とし、また表面自由エネルギーの分散項比を80%以上、より好ましくは90%以上とした場合に、上記不良発生率を実質的に抑止できる。
ここで「分散項比」とは、表面自由エネルギーにおける分散力の割合のことである。よって分散項比を求めるには、まず、表面自由エネルギーを算出する必要がある。
表面自由エネルギーは、以下の公知の方法により算出される。測定の前提として、固体や液体の表面自由エネルギーγは、以下の(1)式で表される。
γ=γd+γp ・・(1)式
ここで、γdは固体又は液体の分散力(Dispersion Force)であり、γpは固体又は液体の極性相互作用力(Polar Interaction Force)である。すなわち、(1)式は固体や液体の表面自由エネルギーはその分散力と極性相互作用力の合計で表すことができることを示す。
(1)式を固体の表面自由エネルギーγsで考えると、
γs=γs d+γs p ・・(2)式
で表される(添字のsはSolidを表す)。同様に、(1)式を液体の表面自由エネルギーγLで考えると、
γL=γL d+γL p ・・(3)式
で表される(添字LはLiquidを表す)。
測定に際しては、先ず、2種類の液体(例として、水とジヨードメタン(CH22)を用い、それぞれを測定対象となる固体上に同量滴下し接触角を求める。次に、この接触角からOwens−Wendt−Kaelble法を用いて表面自由エネルギーを算出する。以下にその計算式を示す。
(1/2)×γL×(1+cosθ)=(γs d×γL d)1/2+(γs p×γL p)1/2 ・・(4)
2種類の液体(水およびジヨードメタン)のγL dおよびγL pの値は、以下に示す表1に記載の文献値を用い、(3)式からそれぞれのγLを予め算出しておく。
Figure 0004739834
水およびジヨードメタンにおける各γL d、γL p、γLおよび接触角の測定値を(4)式に代入し、得られたγs d、γs pを(2)式に代入して、表面自由エネルギーγsが求められる。また、分散項比は先に記載したように(γs d/γs)であるから、表面自由エネルギーγsを算出する際、分散項比も併せて算出することができる。
(プレス成形方法/ガラス光学素子の製造方法)
本発明によって得られた成形用ガラス素材を用いて、プレス成形を行う場合、公知の方法を適用することができる。例えば、不活性ガス雰囲気、又は真空下において、成形用ガラス素材をその軟化温度以上に加熱し、所定形状に精密加工された成形型中に供給する。そして、成形型に所定の荷重をかけることによりプレス成形を行う。ここで、成形型の成形面には、滑り性や離型性を改善するための炭素膜や貴金属膜を形成しておくことが好ましい。
本形態では、プレス成形の際、成形用ガラス素材は、粘度が106〜109dPa・sとなるよう加熱した上で、それより低温(例えば、ガラス素材粘度で、108〜1011dPa・s相当の温度)に加熱された成形型に供給してプレス成形する。または、成形用ガラス素材を成形型に供給した後、この成形型をガラス素材粘度が107〜1010dPa・s相当になるような温度に加熱してもよい。プレス成形によって、ガラス素材に成形面形状を転写した後は、ガラス素材と成形型の成形面の密着を維持したまま、転移点(Tg)付近まで冷却し、その後、離型し、成形されたガラス光学素子を取り出す。
このようなプレス成形を行った際、本発明に係る炭素含有膜では、成形用ガラス素材を加熱軟化したときに水素が容易に解離し、より炭素濃度の高い膜となると考えられる。このような高炭素濃度膜は成形用ガラス素材と型成形面との滑り面を向上する上、不要な反応を伴わないため、融着を抑止し優れた離型性を示す。
(炭素含有膜の成膜)
図1に示す成膜装置1を用いて、ガラス塊Wの表面に炭素含有膜を形成する、本発明の実施例を説明する。
まず、リン酸塩ガラス(Tg465℃、Ts515℃)からなる溶融ガラスを受け型に滴下することにより両凸曲面形状に予備成形した100個のガラス塊Wを搭載したトレー10枚を容器3内(成膜室2)にセットした。セットする位置は、容器3を包囲する高周波電極4の内側とした。なお、トレー92や支柱91は耐熱性および絶縁性の観点から石英ガラスを用いている。
次に、容器3(成膜室2)を密閉した状態で、排気手段61(ロータリーポンプ)を駆動させて成膜室2内を0.8Paまで減圧した。
次に、常温で、成膜室2内にアセチレンガス(C22)を導入し、内圧が20Paになった時点でアセチレンガスの導入を停止し、成膜室2を密閉状態とした。
次に、高周波電極4の間に10Wの高周波(13.56MHz)を印加して、成膜室2中にアセチレンプラズマを形成した。高周波を印加し続ける間、密閉された成膜室2内の圧力が低下していき、印加開始から約30秒後、容器内の気圧が12Paになった時点(成膜開始時の圧力20Paの60%)で高周波印加を停止した。当該高周波の印加によってプラズマ化した炭化水素をガラス塊Wに堆積させ、炭化含有膜をガラス塊Wの表面に成膜した。
この一連の処理(成膜室2内の排気−C22導入−停止−密閉−高周波印加−高周波印加停止)を5回繰り返して成膜を終了し、ガラス塊Wの表面に1.0nmの炭素含有膜を形成した。
なお、上記成膜に際しては、ガラス素材を、ガラスプレス成形温度で加熱、冷却した後の高炭素濃度膜の膜厚が、1.0nmとなる条件を選択して行った。条件の選択にあたり、予め、導入するアセチレン量と、上記処理一回あたりの成膜による膜厚の相関を求め、一回あたりの成膜膜厚を0.2nmとする初期圧を選択し、これを5回繰り返すことで上記成膜を行った。なお、膜厚は、AFM等の公知の装置で測定することができる。
その後、成膜室2の密閉を解除するとともに、成膜後のガラス塊W(以下、成形用ガラス素材として用いる)を配置したトレー92を取り出した。上記工程で成膜された炭化水素含有膜は無色であった。
次に、成形用ガラス素材をプレス成形するのに先立って、10個の成形用ガラス素材をプレス成形温度に近似する500℃まで加熱し、常温まで冷却した各々の成形用ガラス素材の表面特性を分析したところ、分散項比が93〜99、表面自由エネルギーが38〜51mJ/m2であり、表面色は黒または黒褐色であった。これは加熱により、水素が離脱しガラス塊表面の炭化が進んだことによる色の変化と考えられる。
(ガラス光学素子の製造)
上記工程で得られた成形用ガラス素材を用いて、両凸レンズを成形した。まず、得ようとするレンズ形状を基に精密加工した成形面を有する成形型を備えた成形装置内に成形用ガラス素材を設置した。同装置内で、窒素ガス雰囲気中で、成形型と成形用ガラス素材を580℃まで加熱し、ガラス素材が軟化した状態で、150kgfの圧力で加圧し、成形型の成形面を転写した。
加圧後、成形型およびガラス素材をガラス転移温度Tg(−30℃)まで徐冷し、その後、−200℃/min以上の速度で急冷し、成形体の温度が200℃以下に下がった時点で成形体(両凸レンズ)を取り出した。
同一型にて500ショットまで連続プレス成形したが、レンズのカン・ワレの発生は見られなかった。また、レンズの外観は、全数良好であり、クモリの発生も見られなかった。
[比較例]
上記実施例と同様のガラス塊を用い、アセチレンの熱分解成膜装置により、ガラス塊に炭素含有膜を成膜した比較例を以下に説明する。
まず、容器内に100個のガラス塊を配置したトレー10枚を配置し、雰囲気を真空ポンプで1Paまで吸引して減圧状態とした後、容器の外側から包囲するように設置された電気炉に通電して容器内を約500℃まで加熱すると共に、同容器内を窒素(N2)置換し、この状態を約30分間保持した。
次いで、同容器内にアセチレンガスを100sccmの流速で導入しながら、アセチレン熱分解による炭素膜の成膜を行った。容器内では、
22→2C+H2
の反応(熱分解)が起こり、ガラス塊の表面に炭素膜が形成された。
次いで、冷却して容器内を大気圧に戻して、成膜後のガラス塊(成形用ガラス素材)を取り出した。各々の成形用ガラス素材の表面特性を分析したところ、分散項比が85〜98、表面自由エネルギーが41〜63mJ/m2)であり、表面色は黒または黒褐色であった。
次に、成膜された成形用ガラス素材を、実施例と同じ成形装置にて同条件でプレス成形したが、420ショット付近から、レンズのカン・ワレが発生し成形型が破損したため、425ショット目で成形を中止した。成形されたレンズの外観は、カン・ワレを除いて18個のクモリが目視で観測された。
なお、本実施例では、ガラス素材としてリン酸塩ガラスが、その他の光学ガラス(例えば、ホウ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、フツリン酸ガラスなど)を用いてもよい。
本発明に係る炭素含有膜を形成するために用いた成膜装置の概略構成図である。 本発明に係る炭素含有膜の成膜工程における成膜室内の圧力変化とRF出力変化を示す説明図である。
符号の説明
1 成膜装置
2 成膜室
3 容器
4 高周波電極
7 ガスボンベ
61 排気手段

Claims (8)

  1. 加熱により軟化した状態でのプレス成形が施される成形用ガラス素材の製造方法において、
    予備成形したガラス塊を配置した成膜室内を排気した後、該成膜室内に炭化水素を導入し、該成膜室内の圧力が0.5Pa以上50Pa以下の範囲内の所定の圧力値Pになってから炭化水素の導入を停止し、前記成膜室を密閉した状態で前記炭化水素をプラズマ化し、
    前記成膜室内の圧力が前記圧力値Pよりも低い所定の圧力値Qまで低下したときに炭化水素のプラズマ化を停止することにより前記ガラス塊の表面に炭素含有膜を形成する成膜工程を有し、
    予め、1回あたりの前記成膜工程により前記ガラス塊の表面に形成される前記炭素含有膜の膜厚と前記圧力値Pとの相関関係を求め、
    該相関関係に基づき、1回あたりの前記成膜工程で形成される前記炭素含有膜の膜厚がサブナノメータ単位となる前記圧力値Pの値を選択して、前記成膜工程を行うことを特徴とする成形用ガラス素材の製造方法。
  2. 前記成膜工程を経た成形用ガラス素材をプレス成形温度に近似する温度で加熱することにより、前記成形用ガラス素材の表面自由エネルギーを60mJ/m 2 以下とし、且つ、前記成形用ガラス素材の表面自由エネルギーの分散項比を80%以上とすることを特徴とする請求項1に記載の成形用ガラス素材の製造方法。
  3. 前記圧力値Pおよび前記圧力値Qは、下式で示す関係
    0.3P ≦ Q
    を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の成形用ガラス素材の製造方法。
  4. 前記炭化水素として、炭素と水素が原子%比で1:1の炭化水素を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の成形用ガラス素材の製造方法。
  5. 前記炭化水素として、アセチレンを用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成形用ガラス素材の製造方法。
  6. 前記成膜工程では、前記成膜室内の排気、当該成膜室内への炭化水素の導入、当該成膜室内への炭化水素の導入を停止した状態での炭化水素のプラズマ化、および当該炭化水素のプラズマ化の停止を1サイクルとした成膜処理を複数回、繰り返すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の成形用ガラス素材の製造方法。
  7. 前記ガラス塊は、溶融ガラスを受け型に流下または滴下することによって予備成形してなることを特徴とする請求項乃至6の何れか一項に記載の成形用ガラス素材の製造方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法によって製造した前記成形用ガラス素材を、加熱により軟化させるとともに成形型によってプレス成形することを特徴とするガラス光学素子の製造方法。
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