JP4491161B2 - 捺染布の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式による捺染用液体現像剤及びこれを用いた捺染方法並びに捺染装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
捺染法は、糸、編織物、二次製品等色々な形態の繊維品に適用され、版形式及び機械操作によって凹版を用いるローラ捺染、孔版によるスクリーン、型紙捺染が主流である。スクリーン捺染には手工捺染、半自動スクリーン捺染機、自動走行スクリーン捺染機による捺染、フラット型及びロータリー式自動スクリーン捺染機による捺染などがある。しかし、ローラ捺染は、金属ローラに図柄を彫刻する工程が煩雑でローラの取り扱い等も大変であり、スクリーン捺染は、スクリーンの製造に時間がかかり、捺染作業に手間がかかる等の問題があった。また、ロータリー式スクリーン捺染もスクリーンの製作、ローラの彫刻等に時間がかかる等の問題があった。このように従来からの捺染法はその製作工程が煩雑で、出来上がりまで長期間費やされるため、簡便な捺染法が望まれていた。
【0003】
近年、従来の彫刻製版工程を省略し、短期間で製作が可能なインクジェットを用いた捺染方法(特開平10−195776号公報、特許第2995135号公報)が提案されている。しかし、インクジェットによる捺染方式は、濃度を上げることができない等の欠点があった。
これらの問題を解決するため、電子写真方式を用いた捺染方法が最近開発されている。この方法は、感光体上に静電潜像を形成し、トナーを付着させ、これを布類に転写し、熱によりトナーを定着させるものである。しかし、この特開平5−027474号公報、特開平5−033275号公報記載の電子写真方式による捺染方法は乾式トナーを用いたものであり、トナー層厚が厚いため、肌触りが良くないなどの問題があった。
液体トナーを用いた電子写真方式による捺染法は、特開平9−73198号公報、特開平10−239916号公報記載のもの等が考案されている。これは、イオン流の選択的照射により形成されたイオン静電潜像を、昇華染料を用いた液体トナーにより現像し、現像された図柄を転写物に印刷し、これを布類に重ね合せ昇華熱転写するものである。この方法は、肌触り等も自然で、簡便な方法であるが、カラーの場合、2色目に重ねた濃度が出にくい、耐洗濯性に劣る等の欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、転写材、特に布類への定着性、耐洗濯性が良く、画像濃度が高く、高解像の画像が得られる捺染用電子写真液体現像剤及びこれを用いた捺染方法並びに捺染装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、(1)「樹脂成分として酸価が0.5〜80、200℃での溶融粘度が50〜20000mPa・sのポリオレフィン共重合体を少なくとも含有し、該ポリオレフィン共重合体がエチレン−ビニルピリジン−マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−アクリル酸共重合体、及び酸化ポリエチレンから選ばれるいずれか1種以上である捺染用液体現像剤を用い、静電潜像を現像し、これを直接布に転写することを特徴とする捺染布の製造方法」、(2)「前記液体現像剤は、前記ポリオレフィン共重合体でフラッシング処理された着色剤を含む捺染用液体現像剤であることを特徴とする前記第(1)項に記載の捺染布の製造方法」、(3)「前記液体現像剤が、さらに分散用樹脂を含有するものであり、該分散用樹が下記一般式(A)で表わされるビニルモノマーとその他のモノマーからなる共重合体またはグラフト共重合体を含有することを特徴とする前記第(1)項または前記第(2)項に記載の捺染布の製造方法;
【0006】
【化3】
(R1はHまたはCH3を、nは6〜20の整数を表わす。)」、(4)「厚さ1〜15μmの薄層をローラー又はベルト上に形成して現像に用いることを特徴とする前記第(1)項乃至前記第(3)項のいずれかに記載の捺染布の製造方法」、(5)「ローラー又はベルト上に形成した前記薄層にコロナ放電を行なった後に現像に用いることを特徴とする前記第(4)項に記載の捺染布の製造方法」、(6)「静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像することを特徴とする前記第(1)乃至前記第(5)項いずれかに記載の捺染布の製造方法」、(7)「静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させることを特徴とする前記第(1)項乃至前記第(6)項いずれかに記載の捺染布の製造方法」、(8)「静電潜像を形成する光導電体の表面が撥水、撥油性(θ=30°以上)であることを特徴とする前記第(1)項乃至前記第(7)項いずれかに記載の捺染布の製造方法」、(9)「前記その他のモノマーは、下記一般式(B)で表わされるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンよりなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーであることを特徴とする前記第(3)項乃至前記第(8)項いずれかに記載の捺染布の製造方法;
【0007】
【化4】
(R 1 およびR 2 はHまたはCH 3 を表わす。)」、(10)「前記捺染布は、ポリエステル繊維であることを特徴とする前記第(1)項乃至前記第(9)項いずれかに記載の捺染布の製造方法。」により達成される。
【0008】
本発明は、感光体上に静電潜像を形成し、トナー等の捺染用電子写真液体現像剤を付着させて現像し、これを布類等の転写材に転写し、熱により前記現像剤を定着させる捺染方法に使用する捺染用電子写真液体現像剤の樹脂成分として、高画像濃度で、布類への定着性を上げる手段として酸価が0.5〜80、200℃での溶融粘度が50〜20000mPa・sのポリオレフィン又はポリオレフィン共重合体を使用することを特徴とするものである。
【0009】
ポリオレフィン又はポリオレフィン共重合体を用いた電子写真粉体トナーは従来から知られているが、本発明におけるように、布へ転写する捺染用の液体トナーとしての技術はない。捺染用の場合は、紙の場合と異なり、洗濯しても画像部がとれないように、強固に布と定着している必要があり、本発明においてはこれを満足することができる。この点、本発明の樹脂を用いた液体トナーはこの課題を解決でき、洗濯特性が良好である。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
前記ポリオレフィン又はポリオレフィン共重合体の酸価が0.5以下であると、トナーの比電荷量(Q/M)が低下し、被定着基体(布類等)へのトナーの転写性が劣化し、逆に酸価が80を超えるとトナーの保存性が悪くなり、高温での保存時にトナーが固化したりする。
一方、200℃での溶融粘度が50mPa・s以下であると、繊維の目に沿ってトナーがにじんでしまう場合がある。また、200℃での溶融粘度が20000mPa・s以上であると定着時にトナーが熱融着しにくくなり、低温定着ができなくなる。これら条件を満たすポリオレフィンの例としては以下のものがある。
カッコ内は重量割合である。
その他使用可能な商品名としては、
アライドケミカル社・・・ACポリエチレン AC−629,680,316,540,430など
三井・デュポンポリケミカル社・・・エバフレックスEV220,EV250,EV260など
三洋化成社・・・サンワックス131P,151P,161P,171Pなど
ヘキスト社・・・PE580,PE130,PED153,PED534など
ペトロライト社・・・パレコ500,2000,E−730など
【0011】
【表1】
*1,三洋化成:サンワックス
*2,三井・デュポンポリケミカル:ニュクレル
【0012】
本発明の液体現像剤に使用される担体液としては、高抵抗で低誘電率のものが良く、イソパラフィン系炭化水素、シリコーン系オイル等が良好である。イソパラフィン系炭化水素は、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(エクソン化学)などがあり、シリコーン系オイルとしては、KF96 1〜10000cst(信越シリコン)、SH200、SH344(東レシリコン)、TSF451(東芝シリコン)などがある。
【0013】
本発明に使用できる着色材としては、酸性染料、反応染料、直接染料、有機顔料、無機顔料等が用いられる。例えば、ダイレクトファストイエローR、ダイレクトスプラレッド3B、ダイレクトファストブラックD(以上三菱化学社製)、スミノールファストイエローR、スミノールミーリングブリリアントレッド3BN、ダイレクト・スカイブルー5B(以上住友化学社製)、プリンテックスV、プリンテックスU、プリンテックスG、スペシャルブラック15、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4−B(以上デグサ社製)、三菱#44、#30、MR−11、MA−100(以上三菱化学社製)、ラーベン1035、ラーベン1252、ニュースペクトII(以上コロンビアカーボン社製)、リーガル400、660、ブラックパール900、1100、1300、モーガルL(以上キャボット社製)、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコックブルーレーキ、ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY、ナフトールイエローS、ナフトールレッド、リソールファーストイエロー2G、パーマネントレッド4R、ブリリアントファーストスカーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、ピグメントスカーレット3Bインジゴ、チオインジゴオイルピンクおよびボルド−10Bなどが挙げられる。
【0014】
染料、顔料を被覆する樹脂としては、先に挙げた、酸化0.5〜80、好ましくは、1〜40、200℃での溶融粘度が50〜20000mPa・s、好ましくは100〜10000mPa・sのポリオレフィン、又はポリオレフィン共重合体が用いられるが、その他、一般的なポリオレフィン、アクリル樹脂、ロジン変性樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、天然樹脂、パラフィンワックス、その他の樹脂類も混合使用できる。
従って、結着樹脂全体に占める前記特定のポリオレフィン、又はポリオレフィン共重合体の割合は10〜90重量%程度が適当である。この割合は、フラッシング着色剤を用いた液体現像剤においても同様である。
【0015】
フラッシング法は、顔料又は顔料の含水ペーストを樹脂溶液又は樹脂とともにフラッシャーと呼ばれるニーダーに入れよく混合し(この過程で顔料の囲りに存在する水が樹脂溶液又は樹脂により置換される。)、これをニーダーより取出し水相を捨て、樹脂溶液又は樹脂中に顔料が加熱又は常温で混練分散されたものを得る。これを乾燥し、溶剤を除去した後、得られた塊状物を粉砕する。このものを本発明においては「フラッシング顔料」と称することにする。
なお、ニーダーで混練しながら減圧により水、溶剤を除去するような手当てが採られてもかまわない。フラッシング処理にあたっては、顔料のみならず染料も水とともに泥状に練り使用することで顔料とほぼ同等の結果が得られることから、本発明ではフラッシング処理される染料もトナー成分として採用することが可能である。フラッシングする際の染顔料と樹脂との割合は、樹脂100重量部に対して染顔料10〜60重量部が適当である。また、フラッシング処理はフミン酸、フミン酸塩(Na塩、NH4塩など)又はフミン酸誘導体の存在下に行なうのが特に有利である。これら添加されるフミン酸類の量は染顔料含水液の0.1〜30重量%程度が適当である。
【0016】
また、本発明に併用することが好ましい分散用樹脂としては、下記一般式(A)で表わされるビニルモノマーと下記一般式(B)で表わされるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンよりなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーよりなる共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
(R1およびR2はHまたはCH3を、nは6〜20の整数を表わす。)
【0019】
また、シリコンへの分散性を上げるためにアクロイル基を有するシリコン材料、信越シリコン社製のLS4080などを共重合させても良いし、同様に東亜合成化学社製のAK−5、チッソ社製のTM0701、FM0711、FM0721、FM0725を使用しても良い。
【0020】
これらの着色材、樹脂、担体液をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散、混練を行ない濃縮トナーを調製し、これを本発明の担持液中に分散させることにより現像液を得ることができる。
【0021】
本発明におけるプリウェット液は、静電潜像部(感光体)からトナーをはがれやすくし、転写効率を上げるためのものであり、感光体とトナー層の間にプリウエット液の界面が存在することで、感光体に転写残トナーが残らないようにできる。溶媒は、高抵抗低誘電率のトナーに悪影響を与えない溶媒であれば使用可能であり、できれば、トナーに使用している担体液と同じものや、表面エネルギーの小さい溶媒が望ましい。シリコーンオイル(信越シリコーン KF−96)やフッソ系溶媒(住友3M フロリナート)、イソパラフィン系溶媒(エクソンモービル アイソパー)などは、表面エネルギーが小さく効果が大きく特に望ましいプリウエット液である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成法の画像作成プロセスについて説明する。
図1は、矢印方向に回転する光導電体(L)(例えば有機光半導体、セレン、アモルファスシリコーン)であり、これを回転させながらコロナ帯電(E)により光導電体に帯電させる。(F)はキャリア液をプリウエットする場合のローラーである。(G)は書き込み露光部である。(K)は現像ローラでトナー容器(I)よりトナーの供給を受け、トナーローラー(J)により均一に塗布される。現像ローラー(K)上のトナー層は、必要に応じてコロナ放電部(H)により電圧が印加され、光導電体(L)上の潜像は、現像ローラー(K)により現像されて可視化される。各ローラーは、金属、ゴム、プラスチック、スポンジ状、さらにワイヤーバー、グラビアローラー等の溝を有するものも使用可能である。
転写材(B)が転写ローラ(A)により光導電体(L)上のトナー像を転写材(B)上に転写する。転写の方法は圧力、コロナ放電、加熱、加熱と圧力、コロナと圧力、コロナと加熱等の組合せにより画像を転写材上に形成できる。
光導電体上をクリーニングするためのクリーニングローラ(C)とクリーニングブレード(D)により残存トナーを除去し、次の作像に備える。
【0023】
図2は、図1と異なる点としてプリウエット液を図1のローラ(F)からフェルト(F2)でコーティングする工程を含む。プリウエット液は必要に応じてフェルトで塗布する。トナーは、トナー容器(I)よりローラー(J1)、(J2)を通して現像ローラー(K)に塗布され、塗布されたトナー層にコロナ放電部(H)より直流電圧が印加される。図2の現像ローラ(K)は図1より光導電体(L)との接触幅を長くしてあり、潜像を十分現像できるように工夫してある。光導電体上に現像されたトナー像は転写部材(B)にコロナ放電部(H)により転写され画像が形成される。
【0024】
図3は、カラーコピーを出力する場合の現像プロセスの一例を示したものである。光導電体上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー容器(I)、(Q)があり、一色ごとに感光体(L)の潜像を現像し、中間転写体(M)に転写後、更に転写部材(B)に転写ローラ(A)により圧力、コロナ、熱等で転写する。
【0025】
図4は、カラー用の作像プロセスである。図3と同様イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックトナーを収容するトナー容器(Q),(I)にトナー層を塗布するベルト(N)により光導電体(L)上の潜像を現像し、転写部材(B)にトナー像を転写するものである。トナー層を塗布するベルト(N)にはクリーニングローラ(O)とクリーニングブレード(P)によりクリーニングされる。
【0026】
前記液体現像剤をローラ又はベルト上に薄層にして用い現像することで、高濃度、高解像の画像が得られる。層厚は、1〜15μm程度が良く、望ましくは3〜10μmが良い。層厚1μm以下では、濃度が十分でなく15μm以上では解像度が低下する。
ローラ又はベルト上に形成した静電荷像用液体現像剤の薄層にコロナ放電を行なった後に静電潜像を現像することにより、トナーのコフュージョンを高めることができ、更に解像度を高めることができる。コロナ放電はトナーと同極性の場合に効果が高く、電圧は500〜8000V程度が良い。
【0027】
さらに、静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像することにより転写効率を向上させ高画質を得ることができる。プリウエット液膜は0.1〜5μm、望ましくは、0.3〜1μm程度が良好である。0.1μm以下であれば、効果は低く、5μm以上では、解像度が低下してしまう。
【0028】
また、静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させることにより、転写圧力をかけることができ、普通紙でも高画質を得ることができる。中間転写体の材質は、ウレタンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴム等の耐溶剤性、弾力性のあるものが望ましく、フッ素樹脂等でコーティングされていれば更に良い。
静電潜像を形成する光導電体の表面が撥水、撥油性(θ=30°以上)にすることにより、転写率、クリーニング性を向上でき画像品質を高めることができる。撥水、撥油性を高めるには、例えば、日本油脂性モディパーF200、210等のフッ素樹脂含有ブロックポリマーをコーティングすることにより達成できる。
【0029】
【実施例】
以下の実施例中「部」は全て「重量部」を表わす。
着色剤製造例−1
ガロンニーダに水200g、フミン酸アンモニウム塩20gをよく溶解した中にカーボン(三菱#44)250gを入れ、ニーダー中でよく混合分散した。次に、前記表1のNo.1のエチレン−ビニルピリジン−マレイン酸共重合体(90/5/5)750gを入れ、約100℃に加温混合し、水を分離した。更に約120℃で4時間混練後、真空乾燥し、冷却、粉砕してフラッシング着色剤を得た。
【0030】
着色剤製造例−2
ガロンニーダに水200g、フミン酸ナトリウム塩10gをよく溶解した中にカーボン(モーガルA、コロンビアカーボン社製)250gをいれ、ニーダー中でよく混合分散した。次に、サンワックス151P600g及び前記表1のNo.2のエチレン−エチルアクリレート−アクリル酸共重合体(90/5/5)300gを入れ、約150℃に加温混練した。更に120℃で2時間混練後、真空乾燥し、冷却、粉砕してフラッシング着色剤を製造した。前記着色剤製造例−1の手順に従って着色剤製造例−2のフラッシング着色剤を製造した。
【0031】
着色剤製造例−3
プリンテックスV 300重量部
PED521 500重量部
表1のNo.3の共重合体 80重量部
フミン酸アンモニウム 25重量部
水 150重量部
【0032】
実施例1
着色剤(製造例−1) 60部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のKF96(信越シリコン製、粘度10cst)20%溶液 100部
KF96(信越シリコン製、粘度100cst) 200部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにKF96(信越シリコン製、粘度100cst)を300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。これを200g取り、KF96(信越シリコン製、粘度100cst)中に希釈し、現像剤とした。
【0033】
実施例2
着色剤(製造例−2) 50部
ステアリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシメチルメタクリレート(85/7/4/4)共重合体のアイソパーH 10%溶液 200部
アイソパーH(エクソン化学社製) 100部
これを実施例1と同様にして現像剤を得た。
【0034】
実施例3
着色剤として、製造例−3のものに代えた他は実施例1と同様にして現像剤を調製した。
【0035】
比較例
実施例1の着色剤製造例1のエチレン−ビニルピリジン−マレイン酸共重合体をフェノール樹脂(テクストライト)に、実施例2の着色剤製造例2のサンワックス151P600g及び前記表1No.2のエチレン−エチルアクリレート−アクリル酸共重合体をエポキシ樹脂(エピコート1001)に、実施例3の着色剤製造例3の酸価ポリエチレンをスチレン−ブタジエン樹脂にした以外は同様にして、それぞれ比較現像剤1〜3を得た。
【0036】
図1の装置に熱ロール定着機取付けた試験機でオイルレスで定着試験を行なった。
その結果は表2の通りであった。
以上の結果より明らかなとおり、本発明現像剤、捺染方法により画像濃度が高く、布類に対する定着性に優れた捺染布が得られることがわかる。
【0037】
【表2】
*画像濃度はX−Riteにより測定、
*定着性はテープ剥離試験による。(剥離後濃度/剥離前濃度*100%)
*耐洗濯性は、洗濯機試験による。(洗濯前濃度/洗濯後濃度*100%)
*捺染布はポリエステル繊維
【0038】
実施例4
実施例1の現像剤を用い、図2の装置を使用してトナー層に5000Vコロナ放電をかけた後現像を行なったところ以下の表3に示したように解像度が向上した。
【0039】
【表3】
【0040】
実施例5
実施例2の現像剤を用い、図2の装置を使用してプリウエットローラFにより光導電体上の潜像をシリコーンオイルKF−96 300cstでプリウエット(層厚0.5μm)して画像出しを行なったところ表4のように画像濃度、転写率が向上した。
【0041】
【表4】
【0042】
実施例6
実施例3の現像剤を用い、図3の中間転写ドラムM(ウレタンゴム、表面フッ素処理)を装置を使用して画像出しを行なったところ表5のように画像濃度、転写率が向上した。
【0043】
【表5】
【0044】
(実施例7)
実施例3の現像剤を用い、図4の装置の光導電体にフッ素、アクリルブロック共重合体樹脂(日本油脂製モディパーF210)で撥油処理(膜厚2μm)して画像出しを行なったところ表6のように画像濃度、転写率が向上した。KF−96 100cstの接触角は45°であった。
【0045】
【表6】
【0046】
【発明の効果】
以上、詳細つ具体的な説明から明らかなように、請求項1の本発明により、電子写真方式を用いた捺染方法のため、少量多種デザインの捺染が短時間で行なえる。また、酸価が0.5〜80、200℃での溶融粘度が50〜20000mPa・sのポリオレフィン共重合体を含有しているため、定着性、耐洗濯性に優れ、本発明の請求項2により、捺染用電子写真液体現像剤をローラ又はベルト上に薄層にして用いるため、画像濃度に優れ、本発明の請求項3により、ローラ又はベルト上に形成した捺染用液体トナー層にコロナ放電を行なった後に静電潜像を現像するため、解像度が向上し、本発明の請求項4により、静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像するため、転写性が向上し、画像濃度がUPし、本発明の請求項5により、静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させるため、転写性が向上し、画像濃度が向上し、本発明の請求項6により、静電潜像を形成する光導電体の表面が撥水、撥油性(θ=30°以上)であるため、転写性および画像濃度が向上する捺染装置が得られるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成法の画像作成プロセスの一例を説明した図である。
【図2】本発明の画像形成法の画像作成プロセスの別の態様(プリウエット液を図1のローラFに代えフェルトF2でコーティング)を説明した図である。
【図3】本発明の画像形成法のカラーコピーを出力する場合の現像プロセスの一例を説明した図である。
【図4】本発明の画像形成法のカラーコピーを出力する場合の別の態様(トナー層をベルトNにより塗布する)の現像プロセスの一例を説明した図である。
【符号の説明】
A 転写ローラ
B 転写材
C クリーニングローラ
D クリーニングブレード
E コロナ帯電
F キャリア液をプリウエットする場合のローラ
F2 フェルト
G 書き込み露光部
H コロナ放電部
I トナー容器
J トナーローラ
J1 ローラ
J2 ローラ
K 現像ローラ
L 光導電体
M 中間転写体
N ベルト
O クリーニングローラ
P クリーニングブレード
Q トナー容器
Claims (10)
- 樹脂成分として酸価が0.5〜80、200℃での溶融粘度が50〜20000mPa・sのポリオレフィン共重合体を少なくとも含有し、該ポリオレフィン共重合体がエチレン−ビニルピリジン−マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−アクリル酸共重合体、及び酸化ポリエチレンから選ばれるいずれか1種以上である捺染用液体現像剤を用い、静電潜像を現像し、これを直接布に転写することを特徴とする捺染布の製造方法。
- 前記液体現像剤は、前記ポリオレフィン共重合体でフラッシング処理された着色剤を含む捺染用液体現像剤であることを特徴とする請求項1に記載の捺染布の製造方法。
- 厚さ1〜15μmの薄層をローラー又はベルト上に形成して現像に用いることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の捺染布の製造方法。
- ローラー又はベルト上に形成した前記薄層にコロナ放電を行なった後に現像に用いることを特徴とする請求項4に記載の捺染布の製造方法。
- 静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の捺染布の製造方法。
- 静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の捺染布の製造方法。
- 静電潜像を形成する光導電体の表面が撥水、撥油性(θ=30°以上)であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の捺染布の製造方法。
- 前記捺染布は、ポリエステル繊維であることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の捺染布の製造方法。
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