JP4071447B2 - 捺染用電子写真液体現像剤及びそれを用いた捺染方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式による捺染用液体現像剤及びそれを用いる捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
捺染法は、糸、編織物、二次製品等色々な形態の繊維品に適用され、版形式及び機械操作によって凹版を用いるローラ捺染、孔版によるスクリーン、型紙捺染が主流である。スクリーン捺染には手工捺染、半自動スクリーン捺染機、自動走行スクリーン捺染機による捺染、フラット型及びロータリー式自動スクリーン捺染機による捺染などがある。しかし、ローラ捺染は、金属ローラに図柄を彫刻する工程が煩雑でローラの取り扱い等も大変であり、スクリーン捺染は、スクリーンの製造に時間がかかり、捺染作業に手間がかかる等の問題があった。また、ロータリー式スクリーン捺染もスクリーンの製作、ローラの彫刻等に時間がかかる等の問題があった。このように従来からの捺染法はその製作工程が煩雑で、出来上がりまで長期間費やされるため、簡便な捺染法が望まれていた。
近年、従来の彫刻製版工程を省略し、短期間で製作が可能なインクジェットを用いた捺染方法(特開平10−195776、第2995135号)が提案されている。しかし、インクジェットによる捺染方式は、濃度を上げることができない、捺染していくうちに濃度が変化してしまう等の欠点があった。
これらの問題を解決するため、電子写真方式を用いた捺染方法が最近開発されている。この方法は、感光体上に静電潜像を形成し、トナーを付着させ、これを布類に転写し、熱によりトナーを定着させるものである。しかし、この特開平5−027474、特開平5−033275の電子写真方式による捺染方法は乾式トナーを用いたものであり、トナー層厚が厚いため、肌触りが良くない、樹脂により物理的に繊維に付着させているため、摩擦堅牢度、耐洗濯特性が劣る等の問題があった。
液体トナーを用いた電子写真方式による捺染法は、特開平9−73198、特開平10−239916等が考案されている。これは、昇華染料を用いた液体トナーをイオン流により現像し、図柄を転写物に印刷し、これを布類に重ね合せ昇華熱転写するものである。この方法は、肌触り等も自然で、簡便な方法であるが、カラーの場合、2色目に重ねた濃度が出にくい、耐洗濯性に劣る等の欠点があった。また、布の裏面までトナーが染込まず、両面捺染する必要があった。加えて作業が煩雑で、布に転写後、不要になった紙(転写物)がムダになるなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、布類の裏面まで画像が写り、耐洗濯性が良く、画像濃度が高く、高解像の画像が得られる捺染用電子写真液体現像剤を提供することを課題とする。また、その液体現像剤を用いた、捺染の作業性を大幅に効率化し、オンデマンド性を持たせた、ムダのない捺染方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、体積抵抗109Ω・cm以上の高抵抗低誘電率の担体液と、該担体液中に分散させたトナー粒子とからなり、該トナー粒子の粒径分布が下記の条件:
2.5×103≦R10×R90≦8.5×107
4.8×10− 2≦R10/R50+R50/R90
(式中、R10は小粒径側からの累積分布10%の粒径(nm)を、R50は小粒径側からの累積分布50%の粒径(nm)を、及びR90は小粒径側からの累積分布90%の粒径(nm)を表す)
を同時に満足する捺染用電子写真液体現像剤を提供するものである。
R10×R90が2.5×103より小さい場合は画像濃度が小さくなり滲みやすくなる。一方8.5×107より大きい場合は、布裏面までの色写り、色彩、解像性が悪くなる。また、R10/R50+R50/R90が1.2×10− 2より小さいと布裏面までの色写りにムラがでたり、濃度ムラ、色ムラが発生したりする。
本発明は、又、体積抵抗109Ω・cm以上の高抵抗低誘電率の担体液と、該担体液中に分散させたトナー粒子とからなる捺染用電子写真液体現像剤であり、5mg/cm2以下の絹に捺染したとき、裏面濃度/表面濃度が0.7以上となる画像をあたえることを特徴とする捺染用電子写真液体現像剤を提供するものである。
この場合、布の裏面まで画像が染込み、従来の昇華熱転写を用いた液体現像剤、捺染方法のように、両面捺染する必要がない。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に使用できる着色材としては、酸性染料、反応染料、直接染料、分散染料、カチオン染料、有機顔料、無機顔料等が用いられる。例えば、直接染料では、ダイレクトファストイエローR、ダイレクトファーストイエローGC、ダイレクトファーストオレンジ、ダイレクトスカイブルー5B、ダイレクトスプラレッド3B、コプランチングリーンG、ダイレクトファストブラックD等、酸性染料では、アシッドブリリアントスカーレト3R、アシッドバイオレット5B、アリザリンダイレクトブルーA2G、アシッドサイアニン6B、アシッドサイアニングリーンG、アシッドファーストブラックVLG等、カチオン染料では、カチオンイエロー3G、カチオンゴールデンイエローGL、カチオンオレンジR、カチオンブリリアントレッド4G、カチオンブルー5G等、分散染料では、ディスパースファーストイエローG、ディスパースブルーFFR、ディスパースブルーグリーンB、ディスパースイエロー5G、ディスパースレッドFB等、反応性染料では、リアクティブオレンジ2R、リアクティブレッド3B、リアクティブブルー3G、リアクティブブリリアントブルーR、リアクティブブラックB等があげられる。また、無機顔料では、プリンテックスV、スペシャルブラック15、スペシャルブラック4、三菱#44、#30、MR−11、リーガル400、660、ブラックパール900、1100等のカーボンブラック、有機顔料では、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコックブルーレーキ、ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY、ナフトールイエローS、ナフトールレッド、リソールファーストイエロー2G、パーマネントレッド4R、ブリリアントファーストスカーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R等があげられる。
中でも染料を着色剤として使用した場合は、布裏面への写り性、洗濯堅牢度に優れる。
染料を使用する場合は、捺染布の材質により、染料を選択した方が染色性、洗濯堅牢度は良く、例えばポリエステル繊維では、分散染料、セルロース繊維では、反応性染料、直接染料、アクリル繊維ではカチオン染料、ポリアミド繊維や羊毛繊維では酸性染料が好ましい。
また、染料、顔料を樹脂で被覆することも可能である。樹脂としては、ポリオレフィン、又はポリオレフィン共重合体、アクリル樹脂、ロジン変性樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、天然樹脂、パラフィンワックスがあげられる。
特に分散染料や顔料を使用した場合は繊維との化学的な結合がないため、このような樹脂で物理的に繊維に付けることで、洗濯堅牢度を高めることができる。また、反応性染料や酸性染料などで官能基の極性を抑えたいときに、このような樹脂で包んで帯電性能を安定化させる場合も有効である。しかし、樹脂の含有量を多くしてしまうと繊維の風合が、悪くなるので、着色剤に対して4倍以下の量に抑えることが望ましい。
【0006】
市販の紛体染料は、染料純度50%程度で、食塩、芒硝が多量に入っている場合が多く、液の抵抗、帯電性に悪影響を与えるため、精製するか、初めから塩類含有量の少ない染料を用いたほうが、良好である。純度80%以上が望ましい。
本発明の液体現像剤に使用される担体液としては、高抵抗で低誘電率のものが良く、イソパラフィン系炭化水素、シリコーン系オイル等が良好である。イソパラフィン系炭化水素は、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(エクソン化学)などがあり、シリコーン系オイルとしては、KF961〜10000cst(信越シリコン)、SH200、SH344(東レシリコン)、TSF451(東芝シリコン)などがある。
中でも沸点が130℃以上の飽和炭化水素は、トナーの臭気、安全性の点で良好である。これらの溶媒は、後工程の加熱、スチーミングの段階で蒸発させることができる。
また本発明に併用することが好ましい分散用樹脂としては
一般式
【化1】
(R1はHまたはCH3を、nは6〜20の整数を表わす。)
であらわされるビニルモノマーAと
一般式
【化2】
で表わされるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンより選ばれるモノマーBの各一種づつもしくは、数種の共重合体、グラフト共重合体があげられる。
これらの着色剤、樹脂、担体液をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散、混練を行い濃縮トナーを調製し、これを担持液中に分散させることにより本発明の現像液を得ることができる。
【0007】
また、この液体現像剤をローラー又はベルト上に薄層にして現像することで、高濃度、高解像で捺染できる。層厚は、1〜35μm程度が良く、望ましくは3〜20μmが良い。層厚1μm以下では、濃度が十分でなく35μm以上では解像度が低下する。
ローラー又はベルト上に形成した液体トナー層ににコロナ放電を行った後に静電潜像を現像することにより、トナーのコフュージョン高めることができ、更に解像度を高めることができる。コロナ放電はトナーと同極性の場合に効果が高く、電圧は500〜8000V程度が良い。
静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像することにより転写効率をUPさせ高画質を得ることができる。プリウエット液膜は0.1〜10μm、望ましくは、0.3〜5μm程度が良好である。0.1μm以下であれば、効果は低く10μm以上では、解像度が低下してしまう。
静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させることにより、転写圧力をかけることができ、普通紙でも高画質を得ることができる。中間転写体の材質は、ウレタンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴム等の耐溶剤性、弾力性のあるものが望ましく、フッ素樹脂等でコーティングされていれば更に良い。
静電潜像を形成する光導電体の表面が撥水、撥油性(θ=30°以上)にすることにより布への転写性、クリーニング性を向上でき捺染濃度を高めることができる。撥水、撥油性を高めるには、例えば、日本油脂性モディパーF200、210等のフッ素樹脂含有ブロックポリマーをコーティングすることにより達成できる。
【0008】
本発明の液体現像剤は、捺染布に5mg/cm2以下の絹を使用した場合、裏面濃度/表面濃度が0.7以上になることが好ましい。この場合、布の裏面まで画像が染込み、従来の昇華熱転写を用いた液体現像剤、捺染方法のように、両面捺染する必要がない。
捺染布に5mg/cm2以下の絹を使用した場合を基準にすると、その時の無画像部付着量が0.10mg/cm2以上または全面ベタ画像付着量が0.70mg/cm2以上であると特に良好である。無画像部付着量が0.10mg/cm2以下またはベタ画像部付着量が0.70mg/cm2以下の場合は、溶剤量が少なすぎて、転写性が悪くなる上、布への染込みが悪く、裏面までトナーが染込みにくい。
特に中間転写体を用いて捺染布に転写する場合は、転写性が向上し、また圧力がかけられるため、繊維の中までトナーが染込み裏面濃度は高くなる。
2次転写前に中間転写体上に脂肪族炭化水素やシリコーンオイル等の溶媒を吹き付けることで2次転写性が向上し、裏面への染込みが良くなり裏面濃度は高くなる。吹き付け量は0.20〜0.70mg/cm2程度が良好である。
また、裏面濃度を上げるには現像付着量を上げるたり、あるいは、現像後リバースローラの溶剤スクイズ量を少なくすることにより、感光体上の現像液量を多くして布への溶剤染込み量を増やすと効果がある。
感光体の線速に対して現像ローラの線速が1.2〜6倍、スクイズローラの線速が1.2〜4倍、望ましくは、現像ローラの線速が2〜4倍、スクイズローラの線速が2〜3倍で表面濃度、裏面濃度は高くなる。
ローラと感光体のギャップは50〜250μm、リバースローラのギャップは30〜150μmが良好である。
トナーの平均粒径は2μm以下、望ましくは0.5〜1.5μmの方が裏面への染込み、染着性において良好である。0.5μmより小さい場合は画像濃度が低くなり滲みやすくなる。1.5μmより大きい場合は、布裏面までの染込み、色彩、解像性が悪くなる。
【0009】
以下、本発明の画像形成法の画像作成プロセスについて説明する。
図1は矢印方向に回転する光導電体L(例えば有機光半導体、セレン、アモルファスシリコーン)であり、これを回転させながらコロナ帯電Eにより光導電体に帯電させる。Fはキャリア液をプリウエット場合のローラーである。Gは書き込み露光部である。Kは現像ローラでトナー容器Iよりトナーの供給を受け、トナーローラーJにより均一に塗布される。現像ローラー上のトナー層は、必要に応じてコロナ放電部Hにより電圧が印加され、光導電体L上の潜像は、現像ローラーKにより現像されて可視化される。各ローラーは、金属、ゴム、プラスチック、スポンジ状、さらにワイヤーバー、グラビアローラー等の溝を有するものも使用可能である。
転写材Bが転写ローラーAにより光導電体L上のトナー像を転写材B上に転写する。転写の方法は圧力、コロナ放電、加熱、加熱と圧力、コロナと圧力、コロナと加熱等の組合せにより画像を転写材上に形成できる。
【0010】
光導電体上をクリーニングするためのクリーニングローラーCとクリーニングブレードDにより残存トナーを除去し、次の作像に備える。
図2は図1と異なる点としてプリウエット液をローラーからフェルトFでコーティングする工程Fを含む。プリウエット液は必要に応じてフェルトで塗布する。トナーは、トナー容器IよりローラーJ1、J2を通して現像ローラーKに塗布され、塗布されたトナー層にコロナ放電部Hより直流電圧が印加される。図2の現像ローラKは図1より光導電体Lとの接触幅を長くしてあり、潜像を十分現像できるように工夫してある。光導電体上に現像されたトナー像は転写部材Bにコロナ放電部Aにより転写され画像が形成される。
【0011】
図3はカラーコピーを出力する場合の現像プロセスの一例を示したものである。光導電体上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー容器I、Jがあり、一色ごとに感光体Lの潜像を現像し、中間転写体Mに転写後、更に転写部材Bに転写ローラーAにより圧力、コロナ、熱等で転写する。
【0012】
図4はカラー用の作像プロセスである。図3と同様イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックトナーを収容するトナー容器J、Iにトナー層を塗布するベルトNにより光導電体L上の潜像を現像し、転写部材Bにトナー像を転写するものである。トナー層を塗布するベルトNにはクリーニングローラーOとクリーニングブレードPによりクリーニングされる。
【0013】
【実施例】
本発明を次に実施例により更に詳細に説明する。「部」は重量部を示す。
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=553.5nm、R50=1042.7nm、R90=1986.3nmであった。
【0014】
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=852.3nm、R50=2235.6nm、R90=4563.2nmであった。
【0015】
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを250部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=369.5nm、R50=1856.36nm、R90=5362.9nmであった。
【0016】
実施例4
実施例1の直接染料(日本化薬 Kayafect Red P 純度50%)を純度90%に精製して用いた以外は、実施例1と同一にして濃縮トナーを作成した。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=584.5nm、R50=1126.3nm、R90=1936.1nmであった。
【0017】
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにトルエンを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=122.3nm、R50=535.6nm、R90=853.2nmであった。
【0018】
をボールミルに入れて5時間分散後、さらにシリコーン10cstを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=5962.5nm、R50=7785.2nm、R90=55369.3nmであった。
【0019】
比較例2
カチオン染料(保土谷化学 Aizen Cathilon Yelow GCLH) 50部
エクソールD30 600部
荷電制御剤 2部
をボールミルに入れて19時間分散後、さらにエクソールD30を300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=12.5nm、R50=932.2nm、R90=48694.5nmであった。
図1の装置で繊維に捺染を行った。また、スチーミング等それぞれの繊維に適切な後処理を行った。その結果は次表−1の通りであった。
以上の結果より明らかなとおり、本発明現像剤、捺染方法により、布濃度が高く、布類に対する定着性に優れた捺染布が得られることがわかる。
【表1】
*裏面への色写り性は。(裏面濃度/表面濃度*100%)
*解像性、濃度ムラは、段階見本による
*耐洗濯性は、JIS L 0844−1973による。
【0020】
実施例6
実施例1の現像剤を用い、図2の装置を使用してトナー層に5000Vコロナ放電をかけた後現像を行ったところ以下の表に示したように解像度が向上した。
【表2】
【0021】
実施例7
実施例2の現像剤を用い、図2の装置を使用してプリウエットローラーFにより光導電体上の潜像をシリコーンオイルKF−96 300cstでプリウエット(層厚0.5μm)して画像出しを行ったところ下表−3のように布上濃度が向上した。
【表3】
【0022】
実施例8
実施例3の現像剤を用い、図3の中間転写ドラムM(ウレタンゴム、表面フッ素処理)を装置を使用して画像出しを行ったところ下表−4のように布上濃度が向上した。
【表4】
【0023】
実施例9
実施例3の現像剤を用い、図4の装置の光導電体にフッ素、アクリルブロック共重合体樹脂(日本油脂製モディパーF210)で撥油処理(膜厚2μm)して画像出しを行ったところ下表−5のように布上濃度が向上した。トナーの接触角は45°であった。
【表5】
【0024】
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
【0025】
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを350部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
【0026】
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを250部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
【0027】
実施例13
実施例10の直接染料(日本化薬 Kayafect Red P 純度50%)を純度90%に精製して用いた以外は、実施例10と同一にして濃縮トナーを作成した。
【0028】
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにトルエンを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
【0029】
実施例10〜14及び比較例1、2の現像剤を用いて、図5の装置で繊維に捺染を行った。また、スチーミング、アルカリ処理等それぞれの繊維に適切な後処理を行った。その結果は次表−6の通りであった。
また、中間転写体を取り付けた図6の装置で捺染を行った以外は実施例13と同様に行った実施例15、更に2次転写前にアイソパーHを0.3mg/cm2以上吹きかけた実施例16を同様に評価した。
以上の結果より明らかなとおり、本熱戦方法、現像剤により、布濃度が高く、裏面への染込み性が良く、布類に対する定着性に優れた捺染布が得られることがわかる。
【0030】
【表6】
*布上濃度はX−Riteにより測定
*解像性は、段階見本による
*耐洗濯性は、JIS L 0844−1973による。
【0031】
【発明の効果】
本発明の捺染用液体現像剤、捺染方法においては、画像濃度、裏面への色写り性、捺染画像品質、耐洗濯性に優れる。また、電子写真方式を用いた捺染方法のため、少量多種デザインの捺染が短時間で行える。また、着色剤として染料を用いる場合は上記の効果に加え更に、裏面への色写り性、耐洗濯性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成プロセスに用いる画像形成装置の1実施例である
【図2】本発明の画像形成プロセスに用いる画像形成装置の別の実施例である
【図3】本発明の画像形成プロセスに用いる画像形成装置の別の実施例である
【図4】本発明の画像形成プロセスに用いる画像形成装置の別の実施例である
【図5】本発明の画像形成プロセスに用いる画像形成装置の別の実施例である
【図6】本発明の画像形成プロセスに用いる画像形成装置の別の実施例である
【符号の説明】
A 転写ローラー
B 転写材
C クリーニングローラー
D クリーニングブレード
E コロナ帯電
F プリウエット手段
G 露光部
H コロナ放電部
I トナー供給手段
J トナーローラー
K 現像ローラ
L 光導電体
M 中間転写体
N ベルト
O クリーニングローラー
P クリーニングブレード
Claims (15)
- 体積抵抗109Ω・cm以上の高抵抗低誘電率の担体液と、該担体液中に分散させたトナー粒子とからなり、該トナー粒子の粒径分布が下記の条件:
2.5×103≦R10×R90≦8.5×107
4.8×10− 2≦R10/R50+R50/R90
(式中、R10は小粒径側からの累積分布10%の粒径(nm)を、R50は小粒径側からの累積分布50%の粒径(nm)を、及びR90は小粒径側からの累積分布90%の粒径(nm)を表す)
を同時に満足する捺染用電子写真液体現像剤。 - 体積抵抗109Ω・cm以上の高抵抗低誘電率の担体液と、該担体液中に分散させたトナー粒子とからなる捺染用電子写真液体現像剤であり、5mg/cm2以下の絹に捺染したとき、裏面濃度/表面濃度が0.7以上となる画像をあたえることを特徴とする捺染用電子写真液体現像剤。
- 該トナー粒子が着色剤として染料含むことを特徴とする請求項1又は2の捺染用電子写真液体現像剤。
- 該染料の純度が80%以上であることを特徴とする請求項3の捺染用電子写真液体現像剤。
- 該担体液が沸点130℃以上の脂肪族飽和炭化水素であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの捺染用電子写真液体現像剤。
- 請求項1〜5のいずれかの捺染用電子写真液体現像剤を用い、電子写真方式により、捺染布に直接捺染することを特徴とする捺染方法。
- 前記電子写真液体現像剤をローラー又はベルト上に薄層にして現像することを特徴とする請求項6に記載の捺染方法。
- ローラー又はベルト上に形成した液体トナー層にコロナ放電を行った後に静電潜像を現像することを特徴とする請求項7に記載の捺染方法。
- 静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の捺染方法。
- 静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像を転写し、次いで転写部材に画像を形成させることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の捺染方法。
- 静電潜像を形成する光導電体の表面が撥水、撥油性(θ=30°以上)であることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の捺染方法。
- 5mg/cm2以下の絹を捺染布に使用したとき、無画像部付着量が0.10mg/cm2以上あるいはベタ部画像付着量が0.70mg/cm2以上であることを特徴とした請求項6〜11のいずれかに記載の捺染方法。
- 2次転写前に中間転写体に溶媒を吹きかける工程を含むことを特徴とした請求項10に記載の捺染方法。
- 感光体の線速に対して現像ローラの線速が1.2〜6倍、スクイズローラの線速が1.2〜4倍であることを特徴とした請求項6〜13のいずれかに記載の捺染方法。
- 平均粒径が2μm以下であることを特徴とした請求項1〜5のいずれかに記載の捺染用電子写真液体現像剤。
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