JP4368538B2 - 捺染用インク及びその捺染方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、捺染用インク及びその捺染方法に関し、特に、電子写真方式による捺染用液体現像剤及びその捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
捺染法は、糸、編織物、二次製品等色々な形態の繊維品に適用され、版形式及び機械操作によって凹版を用いるローラ捺染、孔版によるスクリーン、型紙捺染が主流である。スクリーン捺染には手工捺染、半自動スクリーン捺染機、自動走行スクリーン捺染機による捺染、フラット型及びロータリー式自動スクリーン捺染機による捺染などがある。しかし、ローラ捺染は、金属ローラに図柄を彫刻する工程が煩雑でローラの取り扱い等も大変であり、スクリーン捺染は、スクリーンの製造に時間がかかり、捺染作業に手間がかかる等の問題があった。また、ロータリー式スクリーン捺染もスクリーンの製作、ローラの彫刻等に時間がかかる等の問題があった。このように従来からの捺染法はその製作工程が煩雑で、でき上がりまで長期間が費やされるため、簡便な捺染法が望まれていた。
【0003】
近年、従来の彫刻製版工程を省略し、短期間で製作が可能なインクジェットを用いた捺染方法(特開平10−195776号公報、特許第2995135号公報に記載)が提案されている。しかし、インクジェットによる捺染方式は、濃度を上げることができない、捺染していくうちに濃度が変化してしまう、染料が溶解状態のため繊維にそって滲みが発生する等の欠点があった。
【0004】
これらの問題を解決するため、電子写真方式を用いた捺染方法が最近開発されている。この方法は、感光体上に静電潜像を形成し、トナーを付着させ、これを布類に転写し、熱によりトナーを定着させるもの(特開平5−027474号公報、特開平5−033275号公報に記載)である。しかし、これらに記載された電子写真方式による捺染方法は、乾式トナーを用いたものであり、トナー層厚が厚いため、肌触りが良くない、樹脂により物理的に繊維に付着させているため、摩擦堅牢度、耐洗濯特性が劣る等の問題があった。
【0005】
液体トナーを用いた電子写真方式による捺染法は、特開平9−73198号公報、特開平10−239916号公報等に記載されている。これは、昇華染料を用いた液体トナーをイオン流により現像し、図柄を転写物に印刷し、これを布類に重ね合せ昇華熱転写するものである。この方法は、肌触り等も自然で、簡便な方法であるが、カラーの場合、2色目に重ねた濃度が出にくい、耐洗濯性に劣る等の欠点があった。また、布の裏面までトナーが染み込まず、両面捺染する必要があった。加えて作業が煩雑で、布に転写後、不要になった紙(転写物)がムダになる等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、滲みの発生がなく、布類の裏面まで画像が写り、耐洗濯性が良く、画像濃度が高く、高解像の画像が得られる捺染用インク及びその捺染方法を提供することである。
また、捺染の作業性を大幅に効率化し、オンデマンド性を持たせた、ムダのない捺染方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「反応性染料、酸性染料、塩基性染料、直接染料から選択された1以上の染料を担体液中に分散した捺染用インクであって、該担体液は、脂肪族飽和炭化水素又はシリコーン系オイルであり、前記染料は、80重量%以上が分散状態で担体液中に存在するものであることを特徴とする捺染用インク」、(2)「さらに分散用樹脂を含み、該分散用樹脂は、一般式(A)で表わされるビニルモノマーと一般式(B)で表わされるビニルモノマー、及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンよりなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーよりなる共重合体であることを特徴とする前記第(1)項に記載の捺染用インク;
【化3】
【化4】
(R 1 は、HまたはCH 3 を、R 2 はC 1 〜C 4 のアルキル基を、nは6〜20の整数を表わす。)」、(3)「粒径分布が下記式を満足することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の捺染用インク。
【数2】
2.5×103≦R10×R90≦8.5×107、且つ
4.8×10-2≦R10/R50+R50/R90
R10:小粒径側からの累積分布10%の粒径(nm)
R50:小粒径側からの累積分布50%の粒径(nm)
R90:小粒径側からの累積分布90%の粒径(nm)
(ここでの粒径はELS−800(大塚電子(株)社製)により測定される値である。)」、(4)「前記染料の純度が80%以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか1に記載の捺染用インク」、(5)「担体液が沸点130℃以上の脂肪族飽和炭化水素であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれか1に記載の捺染用インク」によって達成される。
【0008】
また、上記課題は、(6)「前記第(1)項乃至第(5)項のいずれか1に記載の捺染用インクを用いることを特徴とする捺染方法」、(7)「前記第(1)項乃至第(5)項のいずれか1に記載の捺染用インクを用い、電子写真方式により捺染布に直接捺染することを特徴とする捺染方法」、(8)「前記第(1)項乃至第(5)項のいずれか1に記載の捺染用インクをローラー又はベルト上に薄層にして現像することを特徴とする捺染方法」、(9)「前記第(1)項乃至第(5)項のいずれか1に記載の捺染用インクをローラー又はベルト上に形成した液体トナー層にコロナ放電を行なった後に現像することを特徴とする捺染方法」、(10)「静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像することを特徴とする前記第(6)項乃至第(9)項のいずれか1に記載の捺染方法」、(11)「静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させることを特徴とする前記第(6)項乃至第(10)項のいずれか1に記載の捺染方法」、(12)「静電潜像を形成する光導電体と現像で用いる捺染用インクとの接触角がθ≧30°であることを特徴とする前記第(6)項乃至第(11)項のいずれか1に記載の捺染方法」、(13)「前記第(1)項乃至第(5)項のいずれか1に記載の捺染用インクをインクジェット方式で捺染することを特徴とした捺染方法」によって達成される。
【0009】
すなわち、本発明は、上記課題を達成するために、反応性染料、酸性染料、塩基性、直接染料のうち少なくとも1以上を用い、これらの染料を溶解状態としてではなく分散状態で捺染することを特徴としている。分散染料以外の染料は本来、溶解状態で使用するものであるが、溶解状態では、繊維にそって滲みが発生し、また、捺染用電子写真液体現像剤としても用いることはできない。これらの染料は溶解状態で使用しないと鮮明な発色性が得られなかったが、本発明の分散液を用いれば分散状態であっても良好な発色性が得られることを見い出すことができた。
【0010】
電子写真用液体現像剤として使用する場合は、帯電性、極性の制御が重要であるが、染料を樹脂により被覆し、染料の官能基の極性を抑え制御する手段が有効である。樹脂としては、ポリオレフィン、又はポリオレフィン共重合体、アクリル樹脂、ロジン変性樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、天然樹脂、パラフィンワックスが挙げられる。しかし、樹脂の含有量を多くしてしまうと繊維の風合いが、悪くなるので、着色剤に対して4倍以下の量に抑えることが望ましい。
【0011】
トナー粒子の粒径分布が下記式を満足する液体現像剤を用い、電子写真方式により、捺染布に直接捺染する場合は特に捺染品質が良好となる。
【0012】
【数3】
2.5×103≦R10×R90≦8.5×107、且つ
4.8×10-2≦R10/R50+R50/R90
R10:小粒径側からの累積分布10%の粒径(nm)
R50:小粒径側からの累積分布50%の粒径(nm)
R90:小粒径側からの累積分布90%の粒径(nm)
(ここでの粒径はELS−800(大塚電子(株)社製)により測定される値である。)
【0013】
R10×R90が2.5×103より小さい場合は画像濃度が低くなり滲みやすくなる。8.5×107より大きい場合は、布裏面までの色写り、色彩、解像性が悪くなる。
また、R10/R50+R50/R90が4.8×10-2より小さいと布裏面までの色写りにムラがでたり、濃度ムラ、色ムラが発生したりする。
【0014】
本発明に使用できる着色材としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料(カチオン染料)反応性染料が用いられる。例えば、直接染料では、ダイレクトファストイエローR、ダイレクトファーストイエローGC、ダイレクトファーストオレンジ、ダイレクトスカイブルー5B、ダイレクトスプラレッド3B、コプランチングリーンG、ダイレクトファストブラックD等が挙げられ、酸性染料では、アシッドブリリアントスカーレト3R、アシッドバイオレット5B、アリザリンダイレクトブルーA2G、アシッドサイアニン6B、アシッドサイアニングリーンG、アシッドファーストブラックVLG等が挙げられ、カチオン染料では、カチオンイエロー3G、カチオンゴールデンイエローGL、カチオンオレンジR、カチオンブリリアントレッド4G、カチオンブルー5G等が挙げられ、反応性染料では、リアクティブオレンジ2R、リアクティブレッド3B、リアクティブブルー3G、リアクティブブリリアントブルーR、リアクティブブラックB等が挙げられる。これら染料は、その80重量%以上が分散状態で担体液中に存在するようにする。
【0015】
これらの染料を使用した場合は、布裏面への写り性、洗濯堅牢度に優れる。
捺染布の材質により、染料を選択した方が染色性、洗濯堅牢度は良く、例えばポリエステル繊維では反応性染料、セルロース繊維では反応性染料、直接染料、アクリル繊維ではカチオン染料、ポリアミド繊維や羊毛繊維では酸性染料が好ましい。
【0016】
市販の紛体染料は、染料純度50%程度で、食塩、芒硝が多量に入っている場合が多く、液の抵抗、帯電性に悪影響を与えるため、精製するか、初めから塩類含有量の少ない染料を用いたほうが、良好である。本発明では純度80%以上であることが望ましい。
【0017】
本発明の液体現像剤に使用される担体液としては、高抵抗で低誘電率のものが良く、イソパラフィン系炭化水素、シリコーン系オイル等が良好である。イソパラフィン系炭化水素は、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(エクソン化学)などがあり、シリコーン系オイルとしては、KF96 1〜10000cst(信越シリコン)、SH200、SH344(東レシリコン)、TSF451(東芝シリコン)などがある。
中でも沸点が130℃以上の飽和炭化水素は、トナーの臭気、安全性の点で良好である。これらの溶媒は、後工程の加熱、スチーミングの段階で蒸発させることができる。
【0018】
また、本発明に併用することが好ましい分散用樹脂としては、下記一般式(A)で表わされるビニルモノマーと、一般式(B)で表わされるビニルモノマー、及びその余の第3成分としてのビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンよりなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーよりなる共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
(R1は、HまたはCH3を、R2はC1〜C4のアルキル基を、nは6〜20の整数を表わす。)
成分(A)と成分(B)の共重合割合は60〜95:40〜5、望ましくは70〜90:30〜10であり、また、前記第3成分は、成分(A)の0〜5%であることが好ましい。
【0021】
これらの着色剤、樹脂、担体液をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散、混練を行ない濃縮トナーを調製し、これを本発明の担持液中に分散させることにより現像液を得ることができる。
【0022】
また、この液体現像剤をローラー又はベルト上に薄層にして現像することで、高濃度、高解像で捺染できる。層厚は1〜35μm程度が良く、望ましくは3〜20μmが良い。層厚1μm以下では濃度が充分でなく、35μm以上では解像度が低下する。
【0023】
ローラー又はベルト上に形成した液体トナー層にコロナ放電を行なった後に静電潜像を現像することにより、トナーのコフュージョンを高めることができ、更に解像度を高めることができる。コロナ放電はトナーと同極性の場合に効果が高く、電圧は500〜8000V程度が良い。
【0024】
静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像することにより転写効率をアップさせ、高画質を得ることができる。プリウエット液膜は0.1〜10μm、望ましくは、0.3〜5μm程度が良好である。0.1μm以下であれば、効果は低く10μm以上では、解像度が低下してしまう。
【0025】
静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させることにより、転写圧力をかけることができ、布への転写性が向上させることができる。中間転写体の材質は、ウレタンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴム等の耐溶剤性、弾力性のあるものが望ましく、フッ素樹脂等でコーティングされていれば更に良い。
【0026】
静電潜像を形成する光導電体と現像に用いる捺染インクとの接触角を30°以上にすることにより布への転写性、クリーニング性を向上でき、捺染濃度を高めることができる。接触角を30°以上にするには、例えば、日本油脂性モディパーF200、210等のフッ素樹脂含有ブロックポリマーをコーティングすることにより達成できる。
【0027】
以下、本発明の画像形成法の画像作成プロセスについて説明する。
図1は、矢印方向に回転する光導電体(L)(例えば有機光半導体、セレン、アモルファスシリコーン)であり、これを回転させながらコロナ帯電(E)により光導電体に帯電させる。(F)はキャリア液をプリウエットする場合のローラーである。(G)は書き込み露光部である。(K)は現像ローラでトナー容器(I)よりトナーの供給を受け、トナーローラー(J)により均一に塗布される。現像ローラー(K)上のトナー層は、必要に応じてコロナ放電部(H)により電圧が印加され、光導電体(L)上の潜像は、現像ローラー(K)により現像されて可視化される。各ローラーは、金属、ゴム、プラスチック、スポンジ状、さらにワイヤーバー、グラビアローラー等の溝を有するものも使用可能である。
【0028】
転写材(B)が転写ローラー(A)により光導電体(L)上のトナー像を転写材(B)上に転写する。転写の方法は圧力、コロナ放電、加熱、加熱と圧力、コロナと圧力、コロナと加熱等の組合せにより画像を転写材上に形成できる。
光導電体上をクリーニングするためのクリーニングローラー(C)とクリーニングブレード(D)により残存トナーを除去し、次の作像に備える。
【0029】
図2は、図1と異なる点としてプリウエット液を図1のローラー(F)からフェルト(F2)でコーティングする工程を含む。プリウエット液は必要に応じてフェルトで塗布する。トナーは、トナー容器(I)よりローラー(J1)、(J2)を通して現像ローラー(K)に塗布され、塗布されたトナー層にコロナ放電部(H)より直流電圧が印加される。
図2の現像ローラ(K)は、図1より光導電体(L)との接触幅を長くしてあり、潜像を充分現像できるように工夫してある。光導電体(L)上に現像されたトナー像は、転写部材(B)にコロナ放電部(A2)により転写され画像が形成される。
【0030】
図3は、カラーコピーを出力する場合の現像プロセスの一例を示したものである。光導電体上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー容器(I)、各トナーローラ(J)があり、一色ごとに感光体(L)の潜像を現像し、中間転写体(M)に転写後、更に転写部材(B)に転写ローラー(A)により圧力、コロナ、熱等で転写する。
【0031】
図4は、カラー用の作像プロセスである。図3と同様イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックトナーを収容する各トナー容器(I)、各トナーローラ(J)にトナー層を塗布するベルト(N)により光導電体(L)上の潜像を現像し、転写部材(B)にトナー像を転写するものである。トナー層を塗布するベルト(N)はクリーニングローラー(O)とクリーニングブレード(P)によりクリーニングされる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。「部」は全て「重量部」を表わす。
実施例1
反応性染料(チバケミカル製、Cibacron Red P-6B) 30部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 100部
荷電制御剤 3部
アイソパーG 120部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
これを希釈して、大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=502.5nm、R50=1332.3nm、R90=1889.5nmであった。
【0033】
比較例1
反応性染料(チバケミカル製、Cibacron Red P-6B) 30部
溶解剤(グリセリン、尿素) 10部
アルギン酸ナトリウム 320部
温湯 200部
を溶解槽で溶解した。染料は完全に溶解した状態であった。
【0034】
実施例2
直接染料(日本化薬製、Kayafect Red P) 30部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 100部
アイソパーH 200部
荷電制御剤 3部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=553.5nm、R50=1042.7nm、R90=1986.3nmであった。
【0035】
実施例3
反応性染料(チバケミカル製、Cibacron Red P-6B)とポリエチレン樹脂(アライドケミカル、ACポリエチレン405)を1:4の割合で混練粉砕したもの 90部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 90部
アイソパーH 220部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=852.3nm、R50=2235.6nm、R90=4563.2nmであった。
【0036】
実施例4
酸性染料(日本化薬製、Kayanol Ultra Sky SE)とエポキシ樹脂(シェルケミカル、エピコート1001)を1:4の割合で混練粉砕したもの90部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 100部
アイソパーH 250部
荷電制御剤 5部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを250部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=369.5nm、R50=1856.36nm、R90=5362.9nmであった。
【0037】
実施例5
実施例2の直接染料(日本化薬製、Kayafect Red P、純度50%)を純度90%に精製して用いた以外は、実施例1と同様にして濃縮トナーを作成した。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=584.5nm、R50=1126.3nm、R90=1936.1nmであった。
【0038】
実施例6
カチオン染料(保土谷化学製、Aizen Cathilon Yellow 3GLH) 30部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 80部
トルエン 200部
荷電制御剤 3部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにトルエンを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=122.3nm、R50=535.6nm、R90=853.2nmであった。
【0039】
実施例7
直接染料(日本化薬製、Kayfect Yellow Y)とエピコート1001(エポキシ樹脂)を混練粉砕したもの 40部
シリコーン10cst 500部
荷電制御剤 3部
をボールミルに入れて5時間分散後、さらにシリコーン10cstを300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=5962.5nm、R50=7785.2nm、R90=55369.3nmであった。
【0040】
実施例8
カチオン染料(保土谷化学製、Aizen Cathilon Red) 50部
エクソールD30 600部
荷電制御剤 2部
をボールミルに入れて19時間分散後、さらにエクソールD30を300部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=12.5nm、R50=932.2nm、R90=48694.5nmであった。
【0041】
図1に示す装置で繊維に捺染を行なった。比較例1のみロータリー捺染により捺染を行なった。また、スチーミング等それぞれの繊維に適切な後処理を行なった。結果を表1に示す。
以上の結果より明らかなように、本発明の現像剤、捺染方法により、にじみが少なく、布濃度が高く、布類に対する定着性に優れた捺染布が得られることがわかる。
【0042】
【表1】
【0043】
布上濃度はX−Riteにより測定した。
裏面への色写り性は(裏面濃度/表面濃度×100%)で求めた。
解像性、濃度ムラは、段階見本により評価した。
耐洗濯性は、JIS L 0844−1973により評価した。
【0044】
実施例9
実施例1の現像剤を用い、図2に示す装置を使用してトナー層に5000Vコロナ放電をかけた後現像を行なったところ、表2に示したように解像度が向上した。
【0045】
【表2】
【0046】
実施例10
実施例2の現像剤を用い、図2に示す装置を使用してプリウエットローラー(F2)により光導電体上の潜像をシリコーンオイルKF−96 300cstでプリウエット(層厚0.5μm)して画像出しを行なったところ、表3のように布上濃度が向上した。
【0047】
【表3】
【0048】
実施例11
実施例3の現像剤を用い、図3に示すような中間転写ドラム(M)(ウレタンゴム、表面フッ素処理)を用いた装置を使用して画像出しを行なったところ、表4のように布上濃度が向上した。
【0049】
【表4】
【0050】
実施例12
実施例3の現像剤を用い、図4に示すの装置の光導電体にフッ素、アクリルブロック共重合体樹脂(日本油脂製、モディパーF210)で撥油処理(膜厚2μm)して画像出しを行なったところ、表5のように布上濃度が向上した。光導電体と現像液との接触角は35°であった。
接触角の測定は自動接触角計CA−W型(協和界面科学(株))で行なった。
【0051】
【表5】
【0052】
実施例13
反応性染料(チバケミカル製、Cibacron Red P-6B) 20部
分散剤 30部
エクソールD−140 120部
をボールミルに入れて44時間分散後、さらにエクソールD−140を300部加え、1時間分散し、これをインクジェトインクとした。
これを希釈して大塚電子製ELS−800で粒径を測定したところ、R10=103.5nm、R50=203.3nm、R90=302.5nmであった。これをインクジェット装置に入れ捺染を行なったところ、表6のように滲みのない捺染布が得られた。
【0053】
【表6】
【0054】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明の請求項1の捺染用インクにおいては、染料を分散状態で使用するため、繊維にそった滲みがほとんどない。また、本発明の請求項2の捺染用インクにおいては、染料が樹脂により被覆されているため、帯電性が良好で、布上濃度を高くできる。また、本発明の請求項3の捺染用インクにおいては、特定範囲の粒径分布であるため、滲み、濃度、裏面への色写り性、捺染画像品質、耐洗濯性に優れる。また、本発明の請求項4の捺染用インクにおいては、染料の純度が80%以上であるため、請求項1乃至3の効果に加えさらに捺染濃度が向上する。また、本発明の請求項5の捺染用インクにおいては、担体液が沸点130℃以上の脂肪族飽和炭化水素であるため、請求項1乃至4の効果に加えて更に捺染画像品質に優れる。また、本発明の請求項6の捺染方法においては、請求項1乃至5の捺染用インクを用いるため捺染品質に優れる。また、本発明の請求項7の捺染方法においては、電子写真方式により、捺染布に直接捺染するため、作業性を大幅に効率化でき、少量多種デザインの捺染が短時間で行なえ、材料のムダもない。また、本発明の請求項8の捺染方法においては、捺染用電子写真液体現像剤をローラー又はベルト上に薄層にして現像するため、請求項7の効果に加えて更に捺染画像品質に優れる。また、本発明の請求項9の捺染方法においては、ローラー又はベルト上に形成した液体トナー層ににコロナ放電を行なった後に静電潜像を現像するため、請求項7又は8の効果に加えて更に捺染画像品質に優れる。また、本発明の請求項10の捺染方法においては、静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像するため、請求項7乃至9の効果に加えて更に捺染画像品質に優れる。また、本発明の請求項11の捺染方法においては、静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させるため、請求項7乃至10の効果に加えて更に捺染画像品質に優れる。また、本発明の請求項12の捺染方法においては、静電潜像を形成する光導電体と捺染インクとの接触角θが30°以上であるため、請求項7乃至11の効果に加えて更に捺染画像品質に優れる。また、本発明の請求項13の捺染方法においては、インクジェットにより、捺染布に直接捺染するため、滲みのない効率的な捺染ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成法の画像形成プロセスの一例を説明した図である。
【図2】本発明の画像形成法の画像形成プロセスの他の一例を説明した図である。
【図3】本発明の画像形成法の画像形成プロセスの他の一例を説明した図である。
【図4】本発明の画像形成法の画像形成プロセスの他の一例を説明した図である。
【符号の説明】
A 転写ローラ
A2 コロナ放電部
B 転写材
C クリーニングローラ
D クリーニングブレード
E コロナ帯電
F キャリア液をプリウエットする場合のローラ
F2 フェルト
G 書き込み露光部
H コロナ放電部
I トナー容器
J トナーローラ
J1 ローラ
J2 ローラ
K 現像ローラ
L 光導電体
M 中間転写体
N ベルト
O クリーニングローラ
P クリーニングブレード
Claims (13)
- 反応性染料、酸性染料、塩基性染料、直接染料から選択された1以上の染料を担体液中に分散した捺染用インクであって、該担体液は、脂肪族飽和炭化水素又はシリコーン系オイルであり、前記染料は、80重量%以上が分散状態で担体液中に存在するものであることを特徴とする捺染用インク。
- 粒径分布が下記式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の捺染用インク。
【数1】
2.5×103≦R10×R90≦8.5×107、且つ
4.8×10-2≦R10/R50+R50/R90
R10:小粒径側からの累積分布10%の粒径(nm)
R50:小粒径側からの累積分布50%の粒径(nm)
R90:小粒径側からの累積分布90%の粒径(nm)
(ここでの粒径はELS−800(大塚電子(株)社製)により測定される値である。) - 前記染料の純度が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の捺染用インク。
- 担体液が沸点130℃以上の脂肪族飽和炭化水素であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の捺染用インク。
- 請求項1乃至5のいずれか1に記載の捺染用インクを用いることを特徴とする捺染方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1に記載の捺染用インクを用い、電子写真方式により捺染布に直接捺染することを特徴とする捺染方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1に記載の捺染用インクをローラー又はベルト上に薄層にして現像することを特徴とする捺染方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1に記載の捺染用インクをローラー又はベルト上に形成した液体トナー層にコロナ放電を行なった後に現像することを特徴とする捺染方法。
- 静電潜像部にプリウエット液を付着させた後、現像することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1に記載の捺染方法。
- 静電潜像を現像後、中間転写体にトナー像転写後、転写部材に画像を形成させることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1に記載の捺染方法。
- 静電潜像を形成する光導電体と現像で用いる捺染用インクとの接触角がθ≧30°であることを特徴とする請求項6乃至11のいずれか1に記載の捺染方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1に記載の捺染用インクをインクジェット方式で捺染することを特徴とした捺染方法。
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