JP4771899B2 - 電子写真捺染方法 - Google Patents
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Description
しかし、ローラ捺染は、金属ローラに図柄を彫刻する工程が煩雑でローラの取り扱い等も大変であり、スクリーン捺染は、スクリーンの製造に時間がかかり、捺染作業に手間がかかる等の問題があった。また、ロータリー式スクリーン捺染もスクリーンの製作、ローラの彫刻等に時間がかかる等の問題があった。このように従来からの捺染法はその製作工程が煩雑で、でき上がりまで長期間費やされるため、簡便な捺染法が望まれていた。
発色処理前の段階において通常の捺染と電子写真方式の捺染とで異なるのは、通常のスクリーン捺染等の場合は、染料が溶解した色糊の状態で布に付着しているのに対し、電子写真方式による捺染の場合は、染料が粒子の状態で布に付着していることである。このため、通常用いられる発色方法では布と反応染料の反応性が不十分で発色濃度など染着特性が低下するという問題があった。
(1)「電子写真捺染トナーを用い、静電潜像を感光体上に現像した後、転写ローラで圧力をかけて画像を被転写体に転写させる電子写真捺染方法において、前記電子写真捺染トナーが、染料、樹脂を含有し、該樹脂として25℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%である樹脂(A)を含有し、前記被転写体に画像を転写させた後、該画像が転写された被転写体から前記樹脂(A)成分を80〜100℃のパラフィン系オイルで溶解して除去することを特徴とする電子写真捺染方法」、
(2)「電子写真捺染トナーを用い、静電潜像を感光体上に現像し、中間転写体にトナー像を1次転写した後、画像を被転写体に2次転写させる電子写真捺染方法において、前記電子写真捺染トナーが、染料、樹脂を含有し、該樹脂として25℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%である樹脂(A)を含有し、前記被転写体に画像を2次転写させた後、該画像が転写された被転写体から前記樹脂(A)成分を80〜100℃のパラフィン系オイルで溶解して除去することを特徴とする電子写真捺染方法」、
(3)「前記2次転写前に中間転写体に溶媒を吹き付ける工程を含むことを特徴とする前記第(2)項に記載の電子写真捺染方法」、
(4)「タンデム型に感光体を配置し、ベルト上に貼り付けた被転写体に画像を転写し、フルカラー捺染することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の電子写真捺染方法」、
(5)「前記被転写体に形成された画像をアルカリ濃度0.1〜10%でパッド・スチーム法により発色、固着処理することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真捺染方法」、
(6)「前記樹脂(A)のGPC法で測定した数平均分子量が500〜20000であることを特徴とする前記第(1)乃至第(5)項のいずれかに記載の電子写真捺染方法」、
(7)全樹脂量に対して前記樹脂(A)の割合が50〜90%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真捺染方法」、
(8)「染料量に対して前記樹脂(A)の割合〔(樹脂(A)/染料)×100%〕が50〜250%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の電子写真捺染方法」、
(9)「前記染料の純度が80〜100重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の電子写真捺染方法」、
(10)「前記電子写真捺染トナーのζ電位の絶対値が10〜200mVであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の電子写真捺染方法」、
(11)「前記電子写真捺染トナーの重量平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真捺染方法」。
本発明は、着色剤を分散させたトナー粒子を電子写真方式により布などの被転写体に捺染する電子写真捺染方法に用いる電子写真捺染トナー、及び該電子写真捺染トナーを用いた電子写真捺染方法によるものであり、樹脂を含有し、樹脂の一部が、25℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%の樹脂(A)であることを特徴とする。
特にGPC法で測定した数平均分子量が500〜20000の樹脂は繊維に対する固着力、皮膜強度が弱く、通常の温水を用いたソーピング方法でも70%程度まで樹脂除去できる。更に80〜100℃のパラフィンオイルによる樹脂溶解除去とを併用すれば90%以上の樹脂除去率となる(図6参照)。
具体的な商品名としては、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV、クリストールJ52、クリストールJ72、クリストールJ102、クリストールJ142、クリストールJ172、クリストールJ202、ピュアレックス7、ピュアレックス12、ピュアレレックス30、ピュアレックス90などがある。
(1)パラフィンオイル100gと樹脂20gを混合する。(十分に攪拌、混合)
(2)0.1μmのミリポアフィルターで加圧濾過。
(3)フィルター上の残を計り取り、乾燥重量Xを測定する。
(4)溶解率=((20−X)/20)×100%
100℃の場合は、フィルターや加圧濾過装置も同レベルの温度に加温しておく。
好ましい分散用樹脂(B1)としては、下記一般式(1)で表わされるビニルモノマー(b1)と下記一般式(2)で表わされるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンより選ばれるモノマー(b2)の各一種ずつ、もしくは数種の共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。
(1)食塩、芒硝などの無機塩類を溶解せずに染料のみを溶解する溶媒(N,N−ジメチルホルムアミドなど)を用いて染料を抽出する。
(2)上記(1)で表わされる染料の溶解液に、該染料を溶解しない溶媒(アセトンなど)を混合し染料を析出させる。
(3)(析出させた染料重量/初めの染料重量)×100(%)で純度を算出する。
例えば、直接染料では、ダイレクトファーストイエローR、ダイレクトファーストイエローGC、ダイレクトファーストオレンジ、ダイレクトスカイブルー5B、ダイレクトスプラレッド3B、コプランチングリーンG、ダイレクトファストブラックD等が挙げられる。
酸性染料では、アシッドブリリアントスカーレト3R、アシッドバイオレット5B、アリザリンダイレクトブルーA2G、アシッドサイアニン6B、アシッドサイアニングリーンG、アシッドファーストブラックVLG等が挙げられる。
カチオン染料では、カチオンイエロー3G、カチオンゴールデンイエローGL、カチオンオレンジR、カチオンブリリアントレッド4G、カチオンブルー5G等が挙げられる。
分散染料では、ディスパースファーストイエロオオーG、ディスパースブルーFFR、ディスパースブルーグリーンB、ディスパースイエロー5G、ディスパースレッドFB等が挙げられる。
反応性染料では、リアクティブオレンジ2R、リアクティブレッド3B、リアクティブブルー3G、リアクティブブリリアントブルーR、リアクティブブラックB等が挙げられる。
担体液としては、高抵抗のものが良く、イソパラフィン系炭化水素などの飽和脂肪族炭化水素、シリコーン系オイル等が良好である。
イソパラフィン系炭化水素としては、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、エクソール100/140、エクソールD30、エクソールD40、エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130(以上エクソンモービル、エクソン化学)などがあり、シリコーン系オイルとしては、KF96:1〜10000cst(信越シリコーン)、SH200、SH344(東レシリコン)、TSF451(東芝シリコーン)などがある。
沸点は100〜350℃が望ましい。この範囲ならば、発色工程での問題がなく、高品質の画像が得られる。100℃未満では転写前に溶媒が揮発し易く転写性向上の効果が低減したり、臭気、安全性、揮発溶媒蒸気の点で作業者にとって好ましくない。350℃を超えると、溶媒が揮発しにくく、発色工程で溶媒が除去できず発色特性に問題が生じる。350℃以下であれば、後工程の加熱、スチーミングの段階で蒸発させることができる。
乾式捺染トナーの粒径はコールターカウンター法により求める。コールターカンウター法は乾式捺染トナーの粒径測定で通常用いられる方法である。トナーを電解質溶液中に分散し小孔の開いた隔壁の両側から電圧をかける。小孔から粒子体積分の電解質溶液が排除されるため、左右の電極間の電気抵抗が瞬間的に増し、電圧パルスを生じる。このパルス数と大きさから粒度分布を求める。
液体捺染トナーの重量平均粒径は0.1〜5μmが望ましい。この範囲ならば高品質の画像が得られる。0.1μm未満では、十分な濃度が得られない場合やニジミが発生し易くなる場合があり、5μmを超えると色彩や解像性が悪くなる場合がある。
また中間転写体を用いて転写する場合も、更に高い圧力が掛けられるため平滑性の悪い転写紙や布に対する転写性が向上する。しかし、中間転写体を用いない場合よりも転写時の溶媒量が少なくなるため、捺染の場合は、2次転写前に中間転写体上に脂肪族炭化水素やシリコーンオイル等の溶媒を吹き付け、転写に必要な溶媒量を確保することが望ましい。これにより更に転写性が良好となる。吹き付け量は0.20〜0.70mg/cm2程度が良好である。
また、捺染の場合、濃度の向上のため、現像付着量を上げたり、現像後リバースローラの溶媒スクイズ量を少なくしたりすることにより、感光体上の現像液量を多くして布などへの溶媒染込み量を増やすと効果がある。
転写電圧は直接布などに転写する場合は絶対値で1000〜7000V、中間転写を用いる場合は1次転写が100〜1000V、2次転写が300〜7000Vが望ましい。
発色処理前の段階において染料が溶解した色糊として布などに付着している通常の反応性染料捺染インクの場合は、反応染料の反応基と綿布(セルロース)などの水酸基が反応して共有結合を生成する。このため、アルカリショック法、コールドバッチ法など一般的な反応染料の発色固着処理で対応可能である(図5参照)。
これに対し、捺染トナーの場合は、図5のように、染料が溶媒に溶解しておらず粒子の状態で布などに付着していること、及び帯電性を制御する樹脂が染料の周囲に付着していることにより、通常の固着処理では染料の反応基と綿布(セルロース)などの水酸基との反応性が不十分となり、十分な染着効果が得られない。
アルカリ成分としてはナトリウム、カルシウム、バリウムなどの水酸化物や炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウムなどを、0.1〜10モル%の濃度の水溶液にしたものを用いる。これらの何れの材料でも効果は得られるが、特に炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)が好ましい。
アルカリ水溶液濃度は0.1〜10モル%であることが必要である。好ましくは0.5〜5モル%、更に好ましくは0.5〜2モル%である。アルカリ濃度が0.1モル%よりも低い場合は反応性が低下し、アルカリ濃度が10モル%よりも高くなると綿布(セルロース)などとの反応前に染料自体の反応基が加水分解して、つぶれてしまう場合がある。
処理温度は80〜140℃、好ましくは95〜110℃である。処理温度が80℃よりも低い場合は樹脂(樹脂(A)+(樹脂(B))や染料の溶解が不十分で反応性が低下する。処理温度が140℃よりも高い場合は布などとの反応前に染料反応基がつぶれてしまう場合がある。
また温度だけでなく加熱蒸気を用いる蒸熱法で行なうことが好ましい。
現像ローラは感光体と順方向に回転し、リバースローラは逆方向に回転させ、感光体に対する線速は現像ローラが1.2〜6倍、リバースローラの線速は1.2〜4倍が効果的である。これにより高品質の画像が得られる。
ローラと感光体のギャップは50〜250μm、リバースローラのギャップは30〜150μmが良好である。転写電圧は500〜4000Vの範囲が良好である。
布に転写されずに感光体に残ったトナーをクリーニングブレード、クリーニングローラで除去後、感光体を除電する。
また、画像部の電荷を消去し非画像部の電荷を残す現像方式でも同様に画像形成できる。
チャージャー方式に比べ転写時の圧力を付与できるため、表面性の荒れた凹凸の大きい布の場合でも転写性が良好である。転写圧は0.1〜3Kg/cm2が良好である。
電子写真液体捺染トナーは、着色剤、樹脂、担体液をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散を行ない濃縮トナーを調製し、これを本発明の担持液中に分散させることにより得ることができる。
下記の材料をピンミルに入れて10時間分散後、更にアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH 1L(リットル)を混合した現像剤を用いて、図1の装置で電子写真捺染を行なった。
・ラウリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 100部
・アイソパーH 180部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
下記の材料をブスコニーダで混練、冷却後、パルペライザーで粗粉砕しジェットミルで粉砕後分級し外添剤としてシリカを3部添加し乾式捺染トナーを得た。
このトナーを用いて、リコー乾式プリンタImagioで捺染を行なった。
・分散染料(KayalonPolyesterTurquoiseBlueGL−S)(精製処理純度90%)(日本化薬社製)25部とポリエチレン樹脂(210P)(三井化学社製)50部を溶融混練粉砕したもの 75部
・荷電制御剤(サリチル酸誘導体の金属錯体) 2部
下記の材料をボールミルに入れて24時間分散後、更にアイソパーHを250部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH、1Lを混合した現像剤を用いて、図2の装置で電子写真捺染を行なった。
・反応染料(CibacronTurquoiseBlueFGF−P)(精製処理純度85%)(チバケミカル社製)60部とポリエチレン樹脂(171P)(三洋化成社製)35部を溶融混練粉砕したもの 95部
・ステアリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH30重量%溶液 100部
・アイソパーH 250部
・荷電制御剤(オクタン酸ジルコニウム) 5部
実施例1の分散染料(SumikaronRed E−FBL)(純度50重量%品)を純度90重量%に精製して用いた点以外は、実施例1と同様にして濃縮捺染トナーを作成した。
この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH、1Lを混合した現像剤を用いて、図2の装置で電子写真捺染を行なった。
実施例3の分散媒をアイソパーHからシリコーンオイル(KF−96 2cst)に変えた点以外は、実施例3と同様にして濃縮捺染トナーを作成した。
この濃縮捺染トナー100gとシリコーンオイル(KF−96 2cst)1Lを混合した現像剤により図2の装置で電子写真捺染を行なった。
下記の材料をバッチ式サンドミルに入れて12時間分散後、更にアイソパーHを350部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとアイソパーM 1Lを混合した現像剤を用いて、図2の装置で電子写真捺染を行なった。
・分散染料(FS−Red1339)(純度98%)22部とエチレン酢ビ樹脂(EV150)(三井デュポンポリケミカル社製)46部を溶融混練粉砕したもの 68部
・2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH35重量%溶液 120部
・アイソパーH 200部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
下記の材料をバッチ式サンドミルに入れて12時間分散後、更にアイソパーHを350部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとエクソールD30 1Lを混合した現像剤を用いて、図2の装置で電子写真捺染を行なった。
・反応染料(RemazolBlackB)(純度97%に精製処理したもの)30部とロジン変性マレイン酸樹脂(MRG−H)(日立化成社製)38部を溶融混練粉砕したもの 68部
・2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリルレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 50部
・アイソパーH 200部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
下記の材料をボールミルに入れて36時間分散後、更にアイソパーHを280部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH、1Lを混合した現像剤を用いて、図2の装置で電子写真捺染を行なった。
・反応染料(CibacronBlack FBG−A)(純度70%に精製処理したもの)50部とポリエチレン樹脂(420P)(三井化学社製)30部を溶融混練粉砕したもの 80部
・ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH15重量%溶液 30部
・アイソパーH 170部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
実施例3の濃縮捺染トナー100gとアイソパーH 1L(リットル)を混合した現像剤を用いて、中間転写体を取り付けた図3の装置で電子写真捺染を行なった。
2次転写前にアイソパーHを0.3mg/cm2吹き付けた点以外は、実施例9と同様にして電子写真捺染を行なった。
下記の材料をピンミルに入れて10時間分散後、更にアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH 1L(リットル)を混合した現像剤を用いて、図1の装置で電子写真捺染を行なった。
・分散染料(SumikaronRed E−FBL)(住友化学社製)(純度50%)40部とエポキシ樹脂(エピコート1002)(ジャパンエポキシレジン社製)45部を溶融混練粉砕したもの 85部
・ラウリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 100部
・アイソパーH 180部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
・反応染料(CibacronTurquoiseBlueFGF−P)(精製処理純度55%)(チバケミカル社製)45部と石油樹脂(ピコテックスLC)(ハーキュレス社製)50部を溶融混練粉砕したもの 95部
・ステアリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH30重量%溶液 100部
・アイソパーH 250部
・荷電制御剤(オクタン酸ジルコニウム) 5部
実施例及び比較例で用いた樹脂は、次のような組成のものである。
綿布を用いた、実施例3、7、8及び比較例2は捺染布に炭酸水素ナトリウム2重量%水溶液を塗布した後、100℃で15分間蒸熱処理を行ない、1時間放置後水洗し、アニオン系界面活性剤2g/Lにより80℃で5分処理を行ない、更にその後、100℃のアイソパーMで15分間攪拌洗浄を行ない捺染サンプルを作成した。
その結果は表2の通りであった。
表2の結果から明らかなとおり、本発明の電子写真捺染トナー及び電子写真捺染法により、帯電制御率、転写率、布濃度が高く、高解像で風合が良好な捺染布が得られた。
実施例4は染料純度を上げているため実施例1に比べ画像濃度が高い。実施例10は2次転写前に中間転写ローラ上の画像にアイソパーHを吹き付けているため実施例9に比べて転写率が上がり画像濃度が向上した。
また、比較例1の捺染トナーはソーピング性や溶解洗浄性が低く風合が悪かった。比較例2の捺染トナーは樹脂がトナー溶媒に溶解し易くトナー特性が低下し画像品質が悪かった。
*地汚れは地汚れ段階見本布による。評価は5段階(5:最良、1:最悪)
*風合は風合段階見本布による。評価は5段階
(5:布のみと同程度の柔らかさ、4:柔らかい、3:中程度、2:やや硬い、1:硬い)
*重量平均粒径は島津製作所SA−CP3による。
捺染トナーを積分球式濁度計で透過率15%程度になるまでアイソパーで希釈し、SA−CP3用セルに充填しACCEL480、MODE:CENT、3〜16チャンネルの条件で測定。
*ζ電位は大塚電子ELS−8000による。
セル:低誘電率セル、電界:500V/cm、6回測定平均モードで測定。
*解像性は、段階見本による。評価は5段階(5:最良、1:最悪)
*転写率はテープ剥離法による濃度から算出。
転写率=〔(転写前感光体上濃度−転写後感光体残濃度)/(転写前感光体上濃度)〕×100%
Claims (11)
- 電子写真捺染トナーを用い、静電潜像を感光体上に現像した後、転写ローラで圧力をかけて画像を被転写体に転写させる電子写真捺染方法において、前記電子写真捺染トナーが、染料、樹脂を含有し、該樹脂として25℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%である樹脂(A)を含有し、前記被転写体に画像を転写させた後、該画像が転写された被転写体から前記樹脂(A)成分を80〜100℃のパラフィン系オイルで溶解して除去することを特徴とする電子写真捺染方法。
- 電子写真捺染トナーを用い、静電潜像を感光体上に現像し、中間転写体にトナー像を1次転写した後、画像を被転写体に2次転写させる電子写真捺染方法において、前記電子写真捺染トナーが、染料、樹脂を含有し、該樹脂として25℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が0〜10%であり、100℃のパラフィンオイル(C10〜C14)における溶解率が80〜100%である樹脂(A)を含有し、前記被転写体に画像を2次転写させた後、該画像が転写された被転写体から前記樹脂(A)成分を80〜100℃のパラフィン系オイルで溶解して除去することを特徴とする電子写真捺染方法。
- 前記2次転写前に中間転写体に溶媒を吹き付ける工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の電子写真捺染方法。
- 前記感光体をタンデム型に配置し、ベルト上に貼り付けた被転写体に画像を転写し、フルカラー捺染することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
- 前記被転写体に形成された画像をアルカリ濃度0.1〜10%でパッド・スチーム法により発色、固着処理することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
- 前記樹脂(A)のGPC法で測定した数平均分子量が500〜20000であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
- 全樹脂量に対して前記樹脂(A)の割合が50〜90%であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
- 染料量に対して前記樹脂(A)の割合〔(樹脂(A)/染料)×100%〕が50〜250%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
- 前記染料の純度が80〜100重量%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
- 前記電子写真捺染トナーのζ電位の絶対値が10〜200mVであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
- 前記電子写真捺染トナーの重量平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
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