JP2008304757A - 電子写真液体捺染用トナー及び電子写真捺染方法 - Google Patents

電子写真液体捺染用トナー及び電子写真捺染方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像品質が良好で、捺染濃度が高く、かつ風合いの優れた電子写真捺染用液体トナー及び捺染の作業性を大幅に効率化し、オンデマンド性をもたせた、無駄のない電子写真捺染方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも着色剤、樹脂、分散媒を含有する電子写真方式による捺染用トナーであって、前記分散媒として、粘度が0.5〜100mPa・s(25℃)、電気抵抗が1010Ω・cm〜1016Ω・cmの下記一般式(1)で表される脂肪酸エステルを用いる。
一般式(1)
Figure 2008304757



(式中、nは1〜17、mは1〜11、5<n+m<20を表わす。)
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式による捺染用トナー及び捺染方法に関する。
捺染法は、糸、編織物、二次製品など色々な形態の繊維品に適用され、版形式及び機械操作によって、凹版を用いるローラ捺染、孔版によるスクリーン捺染、型紙捺染が主流である。スクリーン捺染には手工捺染、半自動スクリーン捺染機、自動走行スクリーン捺染機による捺染、フラット型及びロータリー式自動スクリーン捺染機による捺染などがある。
しかし、ローラ捺染は、金属ローラに図柄を彫刻する工程が煩雑でローラの取り扱い等も大変であり、スクリーン捺染は、スクリーンの製造に時間がかかり、捺染作業に手間がかかる等の問題があった。また、ロータリー式スクリーン捺染もスクリーンの製作、ローラの彫刻等に時間がかかる等の問題があった。このように従来からの捺染法はその製作工程が煩雑で、出来上がりまで長期間費やされるため、簡便な捺染法が望まれていた。
近年、従来の彫刻製版工程を省略し、短期間で製作が可能なインクジェットを用いた捺染方法が提案されている(特許文献1〜5参照)。しかし、インクジェットによる捺染方式は、濃度を上げることができないこと、捺染していくうちに濃度が変化してしまうこと等の欠点があった。
これらの問題を解決するため、最近、電子写真方式を用いた捺染方法が開発されつつある。この方法は、感光体上に静電潜像を形成し、トナーを付着させ、これを布類に転写し、熱によりトナーを定着させるものである(特許文献6〜7参照)。しかし、この電子写真方式による捺染方法は乾式トナーを用いたものであり、トナー層厚が厚いため、肌触りが良くないこと、樹脂により物理的に繊維に付着させているため、摩擦堅牢度、耐洗濯特性が劣ること等の問題があった。
一方、乾式トナーでなく、担体液中にトナーを含有する液体現像剤を用いた電子写真方式による捺染法が特許文献8〜9等で提案されている。これは、イオン流によって静電潜像を形成し、この静電潜像を昇華染料を用いた液体捺染用トナーで現像し、図柄を転写物に印刷し、これを布類に重ね合せて昇華熱転写するものである。この方法は、肌触り等も自然で簡便な方法であるが、カラーの場合、2色目に重ねた濃度が出にくいこと、耐洗濯性に劣ること等の欠点があった。また、布の裏面までトナーが染込まず両面捺染する必要があった。加えて作業が煩雑で、布に転写後、不要になった紙(転写物)がムダになるなどの問題があった。
発色処理前の段階において通常の捺染と電子写真方式の捺染とで異なるのは、通常のスクリーン捺染等の場合は、染料が溶解した色糊の状態で布に付着しているのに対し、電子写真方式による捺染の場合は、染料が粒子の状態で布に付着していることである。このため、通常用いられる発色方法では布と反応染料の反応性が不十分で発色濃度など染着特性が低下するという問題があった。
特許文献10にはソーピング処理により樹脂成分を除去できるように、担体液中に水溶性又はアルカリ可溶性樹脂を用いることが提案されている(第2ページ18〜20行参照)。これによれば通常のソーピング処理で樹脂除去が可能であるが、水溶性樹脂を増やすことにより、帯電性が低下するため、水溶性樹脂含有量に限界があった。
また、特許文献11には着色剤と分散樹脂とを含むトナー粒子が担体液中に分散された液体現像剤であって、担体液に脂肪族炭化水素、シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル、又は植物油を用いることが提案されている。しかし、ここではオイルレスで定着させてもオフセット現象が起きないことなど紙への印字用として述べられているだけで、捺染については何ら言及されていない。
特開平10−195776号公報 特許第2995135号公報 特開2003−96340号公報 特開平7−278482号公報 特開平8−226083号公報 特開平5−27474号公報 特開平5−33275号公報 特開平9−73198号公報 特開平10−239916号公報 特開2005−256220号公報 特開2002−278169号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、画像品質が良好で、捺染濃度が高く、かつ風合いの優れた電子写真液体捺染用トナー及び捺染の作業性を大幅に効率化し、オンデマンド性をもたせた、無駄のない電子写真捺染方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも着色剤、樹脂、分散媒を含有する電子写真方式による捺染用トナーであって、前記分散媒として、粘度が0.5〜100mPa・s(25℃)、電気抵抗が1010Ω・cm〜1016Ω・cmの下記一般式(1)で表される脂肪酸エステルを用いることを特徴とする。
Figure 2008304757

(式中、nは1〜17、mは1〜11、5<n+m<20を表わす。)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子写真液体捺染用トナーにおいて、前記脂肪酸エステルが植物を原料として得られるものであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子写真液体捺染用トナーにおいて、前記脂肪酸エステルがカプリル酸ブチル、カプロン酸オクチル、カプロン酸ヘキシルのいずれかであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナーにおいて、前記着色剤が染料であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電子写真液体捺染用トナーにおいて、前記染料の純度が80〜100重量%であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナーにおいて、前記樹脂がGPC法で測定した数平均分子量500〜20000の樹脂を含有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電子写真液体捺染用トナーにおいて、前記数平均分子量500〜20000の樹脂が全樹脂に対して50〜90重量%であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の電子写真捺液体捺染用トナーにおいて、前記樹脂の着色剤に対する割合〔(樹脂/着色剤)×100%〕が50〜250重量%であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の電子写真捺液体捺染用トナーにおいて、前記トナーのζ電位の絶対値が10〜200mVであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナーにおいて、前記トナー中のトナー粒子の重量平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナーを用い、感光体上の静電潜像を現像した後、転写ローラで圧力及び静電力により画像を転写させる電子写真捺染方法を特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナーを用い、感光体上の静電潜像を現像し、中間転写体にトナー像を1次転写した後、画像を被転写体に2次転写させる電子写真捺染方法を特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の電子写真捺染方法において、2次転写前に中間転写体に溶媒を吹き付ける工程を含むことを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項11ないし13のいずれかに記載の電子写真捺染方法において、タンデム型に感光体を配置し、搬送ベルト上に貼り付けた被転写体に画像を転写し、フルカラー捺染することを特徴とする。
上記本発明の液体捺染用トナーの作用について述べると、次のとおりである。
捺染では染料を布に付着させた後、蒸熱、高圧、高温、アルカリ処理など発色処理を行い、布に染料を固着させる必要がある。発色処理で固着化が不十分であると、固着されない染料がソーピング時に除去され、布上にて十分な濃度が得られない。
図1に示すとおり、本発明では液体捺染用トナー(トナー粒子t0)の分散媒t3として上記脂肪酸エステルが用いられるが、この分散媒t3を用いることにより染料t2の固着効果が高まり捺染濃度が向上する。すなわち、染料t2を布Fに付着させた後、蒸熱など発色処理が行われるが、その発色処理で樹脂t1中に含有されている染料t2と分散媒t3との親和性から染料t2が分散媒t3を介して布(被転写体)40へ移行しやすくなり、樹脂t1中に残存する染料t2がほとんどなくなるためと考えられる。このことは、図1(c)に示したように、捺染処理の発色処理後のように、布の中には染料のみ移行し、樹脂は染料と離れて布表面に付着している状態になると思われる。なお、図1で、(a)はトナー粒子Tの布Fへの転写直後、(b)は発色処理後、(c)はソーピング後、のそれぞれの状態を表している。
風合いはソーピング処理後の残存樹脂量により左右され、ソーピング後に樹脂t1の残存量が多いと風合いは悪化する傾向がある。上記本発明の分散媒t3は、布40と樹脂t1の界面に存在することにより、樹脂t1の布40からの脱離性を促進させたり、蒸熱時に特定の樹脂t1を脆弱にさせる効果があり、ソーピングにおける樹脂除去性が向上すると考えられる。このことは図1のソーピング後のように、布40表面にあった樹脂t1がきれいに除去された状態になると思われる。
上記本発明の分散媒は粘度が0.5〜100mPa・s(25℃)の範囲にあることが必要である。すなわち、0.5mPa・sより低いと転写直後に分散媒が布に吸収されやすくなるため、分散媒が樹脂と布との界面に存在しにくくなったり、転写性が低下したりする。一方、100mPa・sより高いとトナー粒子の泳動性が低下するため、捺染濃度が低下する。
また、上記本発明の分散媒は電気抵抗が1010Ω・cm〜1016Ω・cmの範囲にあることが必要である。すなわち、1010Ω・cmよりも低いと現像性が低下し、地汚れや濃度低下が起こる。一方、1016Ω・cmよりも高い場合は画像ボケが生じることがある。
また、上記本発明の分散媒は、一般式(1)で、nは1〜17、mは1〜11、5<n+m<20とする必要がある。すなわち、nが17より大きい場合、mが11より大きい場合、又はn+mが20以上の場合は、染料を樹脂中から繊維に引き出し固着させる効果や樹脂を脆くして風合いを向上させる効果が低下する。また、n+mが5以下の場合は臭気が強すぎたり、転写性を低下させたりする。
本発明によれば、分散媒として上記特定の脂肪酸エステルを用いることから、画像品質が良好で、捺染濃度が高く、染着性の優れた電子写真液体捺染用トナーを提供することができる。また、風合いの良好な高品質の画像が得られる電子写真液体捺染用トナーを提供することができる。更に本発明の捺染方法によれば、捺染の作業性を大幅に効率化し、オンデマンド性を持たせ、無駄のない電子写真捺染方法を提供することができ、更にまた平滑性の悪い布への転写性が良好な電子写真捺染方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、本発明の液体トナーの分散媒として用いる脂肪酸エステルは、脂肪酸とアルコールのエステル化によって作ることが可能である。
製造方法としては、脂肪酸とアルコールの反応によるエステル化反応による方法、エステルとアルコール又はエステルと脂肪酸などから合成するエステル交換反応による方法などが一般的である。
エステル化反応による方法は脂肪酸とアルコールとを混合し、トルエンなどの共沸脱水剤を加えて熱することにより、水を留出させながら反応させる。触媒としてはp−トルエンスルホン酸などのブレンステッド酸、酸化亜鉛、酸化チタン、テトライソプロピルチタナートなどのルイス酸を用いる。
脂肪酸はやし油、パーム油、パーム核油、とうもろこし油、綿実油、クヘア油、グアバ油、グレーププルーツ油、なつめやし種子油、ババス核油、大豆油などを分離精製し用いることができる。
アルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコールなどを用いることができる。
本発明の液体捺染用トナーの分散媒として使用される脂肪酸エステルは、植物を原料として合成されたものがより好ましい。植物を原料にしたものであれば、カーボンニュートラルの点で環境面において好ましい。
このような粘度が0.5〜100mPa・s(25℃)でかつ電気抵抗が1010Ω・cm〜1016Ω・cmの脂肪酸エステルとしては、酢酸オクチル、プロピオン酸ヘキシル、カプロン酸イソノニル、ペラルゴン酸イソブチル、カプリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸プロピルなどがあるが、特にカプリル酸ブチル(n=7、m=4)、カプロン酸オクチル(n=5、m=8)、カプロン酸ヘキシル(n=5、m=6)のいずれかである場合は、特に良好であり、より好ましい。
本発明においては、トナーの分散媒として上記の粘度が0.5〜100mPa・s(25℃)でかつ電気抵抗が1010Ω・cm〜1016Ω・cmの脂肪酸エステルの一部を、本発明の効果が阻害されない範囲で、他の分散媒に代えることができる。一般には、上記他の分散媒の量は分散媒全量の75重量%以下である。
上記他の分散媒としては、高抵抗で低誘電率のパラフィン系溶媒、ナフテン系溶媒を用いることができる。
沸点は100〜350℃が望ましい。この範囲ならば、発色工程での問題がなく、高品質の画像が得られる。100℃未満では転写前に溶媒が揮発し易く転写性向上の効果が低減したり、臭気、安全性、揮発溶媒蒸気の点で作業者にとって好ましくない。350℃を超えると、溶媒が揮発しにくく、発色工程で溶媒が除去できず発色特性に問題が生じる。350℃以下であれば、後工程の加熱、スチーミングの段階で蒸発させることができる。
市販のものには、例えば、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV、エクソール100/140、エクソールD30、エクソールD40、エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130(以上エクソンモービル社製)などがある。
本発明で使用される着色剤は染料であることが好ましい。顔料の場合は繊維に染着しないため、樹脂で接着させる必要があり、接着させるための樹脂が風合を低下させてしまう。
本発明に使用される染料としては、酸性染料、反応染料、直接染料、分散染料、カチオン染料等が用いられる。例えば、直接染料では、ダイレクトファーストイエローR、ダイレクトファーストイエローGC、ダイレクトファーストオレンジ、ダイレクトスカイブルー5B、ダイレクトスプラレッド3B、コプランチングリーンG、ダイレクトファストブラックD等、酸性染料では、アシッドブリリアントスカーレト3R、アシッドバイオレット5B、アリザリンダイレクトブルーA2G、アシッドサイアニン6B、アシッドサイアニングリーンG、アシッドファーストブラックVLG等、カチオン染料では、カチオンイエロー3G、カチオンゴールデンイエローGL、カチオンオレンジR、カチオンブリリアントレッド4G、カチオンブルー5G等、分散染料では、ディスパースファーストイエロオオーG、ディスパースブルーFFR、ディスパースブルーグリーンB、ディスパースイエロー5G、ディスパースレッドFB等、反応性染料では、リアクティブオレンジ2R、リアクティブレッド3B、リアクティブブルー3G、リアクティブブリリアントブルーR、リアクティブブラックB等があげられる。
ポリエステル繊維には分散染料、アクリル繊維にはカチオン染料、綿繊維には反応染料、直接染料等、捺染する布に合わせて最適な染料を用いる必要がある。
市販の粉体染料は、染料純度が50重量%程度で、食塩、芒硝が多量に入っている場合が多く、捺染用現像液の抵抗、帯電性などに悪影響を与えるため、精製するか、初めから塩類含有量の少ない染料を用いる方が好ましい。純度が80重量%以上のものを用いると高品質の画像が得られるので好ましい。
染料の純度は次の溶解、再沈殿法で求められる。
(1)食塩、芒硝などの無機塩類を溶解せずに染料のみを溶解する溶媒(N,N−ジメチ
ルホルムアミドなど)を用いて染料を抽出する。
(2)上記(1)で表される染料の溶解液に、該染料を溶解しない溶媒(アセトンなど)
を混合し染料を析出させる。
(3)(析出させた染料重量/初めの染料重量)×100(%)で純度を算出する。
次に本発明で用いられる樹脂はGPC法で測定した数平均分子量が500〜20000であることが望ましい。
この分子量範囲の樹脂は繊維に対する固着力、皮膜強度が弱く、本発明の分散媒と組合せることによりソーピング処理により95%以上の樹脂を除去できる。
特に好ましい樹脂の種類はロジン変性ポリエステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、低分子ポリエチレン樹脂、低分子ポリプロピレン樹脂などがある。
また、これらの樹脂以外に、分散安定性を高める分散樹脂を含有させることが好ましい。好ましい分散用樹脂としては、下記一般式(2)で表わされるビニルモノマーAと下記一般式(3)で表わされるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンより選ばれるモノマーBの各一種づつもしくは、数種の共重合体、グラフト共重合体があげられる。
Figure 2008304757

(RはHまたはCH3を、nは6〜20の整数を表わす。)
Figure 2008304757

(Rは、H又はCH、Rは、H又は炭素数が1〜4のアルキル基)
具体的には本発明に好ましいアクリル系樹脂は例えば以下ように合成できる。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた3LのフラスコにアイソパーH500gを仕込み、90℃に加熱し、攪拌しながらラウリルメタアクリレート(三菱レイヨン社製アクリエステルL)100g、グリシジルメタアクリレート(アクリエステルG)20g、メタクリル酸(三菱レイヨン社製)15g、アズビスイソブチロニトリル1gよりなるモノマー溶液を2時間かけて滴下する。その後、95℃に保ち5時間重合を行う。
その後、メチルメタクリレート(三菱レイヨン社製アクリエステルM)30g、アズビスイソブチロニトリル0.2gよりなるモノマー溶液を2時間かけて滴下し、85℃に保ち1時間重合を行う。
合成されたアクリル樹脂の重合率は95%以上、分子量Mnは約8000〜約50000、Mwは約10000〜約80000が好ましい。
着色剤に対する樹脂の割合〔(樹脂/着色剤)×100%〕は50〜250%であることが望ましい。更には80〜120%が望ましい。50%よりも少ないとトナー粒子から着色剤が離脱し易くなり現像特性が低下する。250%よりも多いと着色力が低下し、濃度が低下する。
本発明の液体捺染用トナーのζ電位の絶対値は10〜200mVが良好である。
この範囲ならば高品質の画像が得られる。ζ電位が10mVよりも低いとトナー粒子が凝集したり、電気泳動性が低下し地汚れしたり、濃度が低下したりする。またζ電位が200mVよりも高いと感光体付着量が低下し濃度が低下する場合がある。
本発明の液体捺染用トナーの重量平均粒径は0.1〜5μmが望ましい。この範囲ならば高品質の画像が得られる。0.1μm以下では、十分な濃度が得られない場合やニジミが発生し易くなる場合があり、5μm以上では色彩や解像性が悪くなる場合がある。
上記本発明の液体捺染用トナーを用い、感光体上の静電潜像を現像後、転写ローラで0.1〜3Kg/cmの圧力をかけて転写すると、平滑性の悪い転写紙や布に対しても転写性が向上し、高濃度の画像を形成できる。
また中間転写体を用いて転写する場合も、更に高い圧力が掛けられるため平滑性の悪い転写紙や布に対する転写性が向上する。しかし中間転写体を用いない場合よりも転写時の溶媒量が少なくなるため、捺染の場合は、2次転写前に中間転写体上に脂肪族炭化水素やシリコーンオイル等の溶媒を吹き付け、転写に必要な溶媒量を確保することが望ましい。これにより更に転写性が良好となる。吹き付け量は0.20〜0.70mg/cm程度が良好である。
また、捺染の場合、濃度の向上のため、現像付着量を上げたり、現像後リバースローラの溶媒スクイズ量を少なくしたりすることにより、感光体上の現像液量を多くして布などへの溶媒染込み量を増やすと効果がある。
転写電圧は直接布などに転写する場合は絶対値で1000〜7000V、中間転写体を用いる場合は、1次転写が100〜1000V、2次転写は300〜7000Vが望ましい。
染料が反応染料の場合は、電子写真方式で布などの被転写体に転写した画像を、アルカリ濃度0.1〜10モル%のパッド・スチーム法で発色処理することにより優れた染着性が得られる。
発色処理前の段階において染料が溶解した色糊として布などに付着している通常の反応性染料捺染インク(i)の場合は、反応染料の反応基と綿布(セルロース)などの水酸基が反応して共有結合を生成する。このため、アルカリショック法、コールドバッチ法など一般的な反応染料の発色固着処理で対応可能である(図6参照)。
これに対し、捺染用トナーの場合は、図6(b)のように、染料が溶媒に溶解しておらず粒子の状態で布などに付着していること、及び帯電性を制御する樹脂が染料の周囲に付着していることにより、通常の固着処理では染料の反応基と綿布(セルロース)などの水酸基との反応性が不十分となり、十分な染着効果が得られない。
本発明者らはアルカリ濃度0.1〜10モル%のパッド・スチーム法により発色処理を行うことで、電子写真液体捺染用トナーを用いた場合においても通常の捺染インクと同等の染着特性を得ることができることを見出した。
アルカリ成分としてはナトリウム、カルシウム、バリウムなどの水酸化物や炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウムなどを、0.1〜10モル%の濃度の水溶液にしたものを用いる。これらの何れの材料でも効果は得られるが、特に炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO)が好ましい。
アルカリ水溶液濃度は0.1〜10モル%であることが必要である。好ましくは0.5〜5モル%、更に好ましくは0.5〜2モル%である。アルカリ濃度が0.1モル%よりも低い場合は反応性が低下し、アルカリ濃度が10モル%よりも高くなると綿布(セルロース)などとの反応前に染料自体の反応基が加水分解して、つぶれてしまう場合がある。
処理温度は80〜140℃、好ましくは95〜110℃である。処理温度が80℃よりも低い場合は樹脂や染料の溶解が不十分で反応性が低下する。処理温度が140℃よりも高い場合は布などとの反応前に染料反応基がつぶれてしまう場合がある。
また温度だけでなく加熱蒸気を用いる蒸熱法で行うことが好ましい。
分散染料の場合は昇華浸透しファンデルワールス力によりポリエステル布に染着するが、通常の捺染インクの場合でも染着処理前は分散状態で存在しているため、トナーの場合でも特に染着方法の不具合は生じない。通常のHP法、HTで染着可能である。
図2は、本発明の電子写真捺染方法に用いる画像形成装置の一例を示す図である。帯電電圧付与部材により、感光体に電荷を与え、露光により非画像部の電荷を消去する。感光体はセレン感光体、有機感光体、アモルファスシリコン感光体が使用できる。感光体の表面電位は、400〜1600Vの範囲が良好である。感光体の電荷の残っている潜像を、現像ローラから供給される液体現像剤(電子写真液体捺染用トナー)により現像し、リバースローラで余剰の現像剤を除去し、転写電圧付与部剤によりトナーの電荷と逆電荷の電圧をかけ捺染布に転写させる。
現像ローラは感光体と順方向に回転し、リバースローラは逆方向に回転させ、感光体に対する線速は現像ローラが1.2〜6倍、リバースローラの線速は1.2〜4倍が効果的である。これにより高品質の画像が得られる。
現像ローラと感光体のギャップは50〜250μm、リバースローラと感光体のギャップは30〜150μmが良好である。転写電圧は500〜4000Vの範囲が良好である。
布に転写されずに感光体に残ったトナーをクリーニングブレード、クリーニングローラで除去後、感光体を除電する。
また、画像部の電荷を消去し非画像部の電荷を残す現像方式でも同様に画像形成ができる。
なお、溶媒塗布・噴霧装置は、凹凸のある布を用いる場合、これを用いて溶媒を噴霧することにより、凹部に溶媒が入り込み、これにより布とトナーとの空間がなくなり、転写性を向上させることができる。
図3は、図2の転写電圧付与部材をチャージャー方式からローラ方式にした例である。ローラ方式はチャージャー方式に比べ転写時の圧力を付与できるため、表面性の荒れた凹凸の大きい布の場合でも転写性が良好である。転写圧は0.1〜3Kg/cmが良好である。
図4は、図3の装置に中間転写部材を追加した例である。図2の装置よりもさらに高い転写圧力を付与できるため、表面性の荒れた凹凸の大きい布の場合でも転写性が良好である。一次転写圧は0.1〜3Kg/cm、2次転写圧は0.1〜5Kg/cmが良好である。しかし、中間転写部材への一次転写時にトナー中の溶媒成分が少なくなり、中間転写部材から布への2次転写に必要な溶媒量が少なくなる場合があるため、2次転写前に中間転写部材に溶媒を吹きかける工程(溶媒塗布・噴霧装置を用いる)を追加すると効果的である。
図5は、感光体をタンデムに配置し、布搬送ベルト上に布を貼りつけてフルカラー捺染を行う装置の一例である。このようにすれば、高速で高品質のフルカラー捺染を行うことができる。
本発明の電子写真液体捺染用トナーは、着色剤、樹脂、担体液をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散を行い濃縮トナーを調製し、これを更に担持液中に分散させることにより得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例により限定されるものではない。
なお、捺染対象には、反応染料トナーの場合は太さが40番手の200本ブロード(縦糸120本/インチ、横糸80本/インチ)綿布を、分散染料トナーの場合はポリエステルサテン布を紙に貼り付けて用いた。
また、実施例及び比較例における「部」は全て「重量部」であり、共重合体のモノマーの混合比は重量比である。
また、トナーの重量平均粒径は、次の測定方法により求めたものである。
トナーの重量平均粒径は、島津製作所SA−CP3により測定した。島津製作所SA−CP3はStokesの抵抗則にもとづく遠心沈降法によって粒子径を算出している。(大きな粒子ほど早く沈降し透過性が高くなる)。沈降最上面から一定距離のところで光学的にトナーの透過濃度を測定することによって粒子の沈降速度、粒径を求める。
(測定方法)
(1)SA−CP3用セルにアイソパーHを入れゼロ点設定。
(2)分球式濁度計で透過率15%程度になるまでトナーをアイソパーHで希釈して調整。濃度調整には10mm石英セルを使用。
(測定には適正濃度のトナーをセットする必要があるため。)
(SA−CP3にセットしたとき、80~120%の範囲にあればよい。)
(100%が最適)
(3)この濃度調整液をSA−CP3用セルに充填しACCEL480(加速度480rpm/min)、MODE:CENT、3〜16チャンネルの条件で測定。
<実施例1>
下記材料をピンミルに入れて10時間分散後、更にカプリル酸ブチルを300部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとカプリル酸ブチル0.3L(リットル)とアイソパーH 0.7L(リットル)を混合した現像剤を用いて、図2の装置で電子写真捺染を行った。
(トナー材料)
・分散染料(Sumikaron Red E−FBL)(住友化学社製)(純度50%)40部とポリエチレン樹脂(A−C629)(ハネウエル社製)45部を溶融混練粉砕したもの 85部
・ラウリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(80/10/10)共重合体のカプリル酸ブチル20重量%溶液 100部
・カプリル酸ブチル(日清オイリオ社製) 180部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
<実施例2>
下記の材料をボールミルに入れて72時間分散後、更にカプロン酸ヘキシルを250部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとカプロン酸ヘキシル0.4LとアイソパーL、0.6Lを混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
(トナー材料)
・分散染料(Kayalon Polyester Turquoise Blue GL−S)(精製処理純度90%)(日本化薬社製)25部とポリエチレン樹脂(210P)(三井化学社製)50部を溶融混練粉砕したもの 80部
・ステアリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(80/10/10)共重合体のカプロン酸ヘキシル20重量%溶液 105部
・カプロン酸ヘキシル(日清オイリオ社製) 185部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
<実施例3>
下記の材料をボールミルに入れて48時間分散後、更にカプロン酸オクチルを250部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとカプロン酸オクチル0.2LとアイソパーH0.8Lを混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
(トナー材料)
・反応染料(Cibacron Turquoise Blue FGF−P )(精製処理純度85%)(チバケミカル社製)60部とポリエチレン樹脂(171P)(三洋化成社製)35部を溶融混練粉砕したもの 95部
・2エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(80/10/10)共重合体のカプロン酸オクチル30重量%溶液 100部
・カプロン酸オクチル(日清オイリオ社製) 250部
・荷電制御剤(オクタン酸ジルコニウム) 5部
<実施例4>
実施例1の分散染料(Sumikaron Red E−FBL)(純度50重量%品)を純度90重量%に精製して用いた点以外は、実施例1と同様にして濃縮捺染トナーを作製した。
この濃縮捺染トナー100gとカプリル酸ブチル0.3LとアイソパーH 0.7Lを混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
<実施例5>
実施例3の濃縮トナー100gとカプリル酸エチル1Lを混合した現像剤により図3の装置で電子写真捺染を行った。
<実施例6>
下記の材料をバッチ式サンドミルに入れて12時間分散後、更にミリスチン酸イソプロピルを350部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとミリスチン酸イソプロピル0.6LとエクソールD40 0.4Lを混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
(トナー材料)
・分散染料(FS−Red1339)(純度98%)22部とエチレン酢ビ樹脂(EV150)(三井デュポンポリケミカル社製)46部を溶融混練粉砕したもの 68部
・2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(80/10/10)共重合体のミリスチン酸イソプロピル35重量%溶液
120部
・ミリスチン酸イソプロピル(日清オイリオ社製) 200部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
<実施例7>
下記の材料をバッチ式サンドミルに入れて12時間分散後、更にカプロン酸エチルを350部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとカプリン酸ヘキシル1Lを混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
(トナー材料)
・反応染料(Remazol Black B)(純度97%に精製処理したもの)30部とロジン変性マレイン酸樹脂(MRG−H)(日立化成社製)38部を溶融混練粉砕したもの 68部
・2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリルレート/メタクリル酸(80/10/10)共重合体のカプリン酸ブチル20重量%溶液 50部
・カプリン酸ブチル(日清オイリオ社製) 100部
・ペラルゴン酸ヘキシル(日清オイリオ社製) 100部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
<実施例8>
下記の材料をボールミルに入れて36時間分散後、更にヘキサン酸オクチルを280部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとヘキサン酸オクチル0.5L(リットル)、アイソパーH 0.5L(リットル)を混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
(トナー材料)
・反応染料(Cibacron Black FBG−A)(純度70%に精製処理したもの)50部とポリエチレン樹脂(420P)(三井化学社製)30部を溶融混練粉砕したもの 80部
・ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸(80/10/10)共重合体のヘキサン酸オクチル15重量%溶液 30部
・ヘキサン酸オクチル(日清オイリオ社製) 170部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
<実施例9>
実施例3の濃縮捺染トナー100gとヘキサン酸ヘキシル0.3L(リットル)、アイソパーM0.7L(リットル)を混合した現像剤を用いて、中間転写体を取り付けた図4の装置で電子写真捺染を行った。
<実施例10>
2次転写前にアイソパーHを0.3mg/cm吹き付けた点以外は、実施例9と同様にして電子写真捺染を行った。
<比較例1>
下記の材料をピンミルに入れて10時間分散後、更にアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮捺染トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH 1L(リットル)を混合した現像剤を用いて、図2の装置で電子写真捺染を行った。
(トナー材料)
・分散染料(Sumikaron Red E−FBL)(住友化学社製)(純度50%)40部とエポキシ樹脂(エピコート1002)(ジャパンエポキシレジン社製)35部を溶融混練粉砕したもの 85部
・ラウリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 100部
・アイソパーH 180部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
<比較例2>
下記の材料をボールミルに入れて72時間分散後、更にアイソパーHを320部加え、1時間分散し、これを濃縮トナーとした。
この濃縮捺染トナー100gとアイソパーH 1L(リットル)を混合した現像剤を用いて、図3の装置で電子写真捺染を行った。
・反応染料(Cibacron Turquoise Blue FGF−P )(精製処理純度55%)(チバケミカル社製)45部と石油樹脂(ピコテックスLC)(ハーキュレス社製)50部を溶融混練粉砕したもの 95部
・ステアリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(80/10/10)共重合体のアイソパーH30重量%溶液 100部
・アイソパーH 250部
・荷電制御剤(オクタン酸ジルコニウム) 5部
<評価>
上記実施例及び比較例の各現像剤による捺染により、得られた各捺染布を下記のように発色固着水洗処理を行った後、表1〜表2に示す項目の評価を下記評価方法及び評価基準により行った。結果を表1〜表2に示す。
(発色固着水洗処理)
ポリエステル布を用いた実施例1、2、4、5、6、9、10及び比較例1は、捺染布に175℃で30分蒸熱処理を行い、炭酸ナトリウム2g/L、ハイドロサルファイト2g/Lの80℃温水で20分処理を行った。
綿布を用いた実施例3、7、8及び比較例2は、捺染布に炭酸水素ナトリウム2重量%水溶液を塗布した後、100℃で15分間蒸熱処理を行い、1時間放置後水洗し、アニオン系界面活性剤2g/Lにより80℃で5分処理を行った。
(評価方法及び評価基準)
得られた捺染布を十分乾燥させた後、画像品質や風合の評価を実施した。
・画像濃度は網点面積100%部の4点をX−Riteにより測定し平均した。
・ブリード率は発色固着処理前後の1mm斜め線を20倍に拡大し、線幅を計測し算出した。発色後は図7のように繊維に添って染料が移行するため、移行した先端部の幅を測定し、下記式1により算出した。
〔式1〕
ブリード率=(発色固着処理後線幅/発色固着処理前線幅)×100%
・風合は全ベタ画像の捺染布を20cm×20cmに切断し、風合段階見本布により評価した。
評価は5段階(5:布のみと同程度の柔らかさ、4:柔らかい、3:中程度、2:やや硬い、1:硬い)
・地汚れは地汚れ段階見本布による。評価は5段階(5:最良、1:最悪)
・重量平均粒径は島津製作所SA−CP3による。
捺染トナーを積分球式濁度計で透過率15%程度になるまでアイソパーで希釈し、SA−CP3用セルに充填しACCEL480、MODE:CENT、3〜16チャンネルの条件で測定。
・ζ電位は大塚電子ELS−8000による。
セル:低誘電率セル、電界:500V/cm、6回測定平均モードで測定。
・解像性、濃度均一性は、段階見本による。評価は5段階(5:最良、1:最悪)
・転写率はテープ剥離法により転写前後の濃度を測定し、下記式2により算出した。
〔式2〕
転写率=〔(転写前感光体上濃度−転写後感光体残濃度)/(転写前感光体上濃度)〕×100%
Figure 2008304757
Figure 2008304757
表1及び表2から、実施例の電子写真液体捺染用トナー及び電子写真捺染方法によれば、捺染濃度が高く、高解像で風合が良好な捺染布が得られることが明らかである。
実施例4は染料純度を上げているため実施例1に比べ画像濃度が高い。
また、比較例1、2の捺染トナーは、本発明の分散媒、樹脂を用いていないため捺染濃度が低く、風合が悪かった。
本発明の液体トナーによる捺染処理の状況をモデルで説明する図である。 本発明の電子写真捺染方法に用いる画像形成装置の一例を示す図である。 図2の転写電圧付与部材をローラ方式にした例を示す図である。 図3の装置に中間転写部材を追加した例を示す図である。 感光体をタンデムに配置し、布搬送ベルト上に布を貼りつけてフルカラー捺染を行う装置の一例を示す図である。 捺染インクと捺染トナーの染着性を説明する図である。 ブリード率における発色固着処理前後の線幅を説明する図である。
符号の説明
t0 捺染用トナー粒子
t1 樹脂
t2 染料
t3 分散媒
40 捺染布(被転写体)

Claims (14)

  1. 少なくとも着色剤、樹脂、分散媒を含有する電子写真方式による捺染用トナーであって、前記分散媒として、粘度が0.5〜100mPa・s(25℃)、電気抵抗が1010Ω・cm〜1016Ω・cmの下記一般式(1)で表される脂肪酸エステルを用いることを特徴とする電子写真液体捺染用トナー。
    Figure 2008304757

    (式中、nは1〜17、mは1〜11、5<n+m<20を表わす。)
  2. 前記脂肪酸エステルが植物を原料として得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真液体捺染用トナー。
  3. 前記脂肪酸エステルがカプリル酸ブチル、カプロン酸オクチル、カプロン酸ヘキシルのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真液体捺染用トナー。
  4. 前記着色剤が染料であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナー。
  5. 前記染料の純度が80〜100重量%であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真液体捺染用トナー。
  6. 前記樹脂がGPC法で測定した数平均分子量500〜20000の樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナー。
  7. 前記数平均分子量500〜20000の樹脂が全樹脂に対して50〜90重量%であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真液体捺染用トナー。
  8. 前記樹脂の着色剤に対する割合〔(樹脂/着色剤)×100%〕が50〜250重量%であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナー。
  9. 前記トナーのζ電位の絶対値が10〜200mVであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナー。
  10. 前記トナー中のトナー粒子の重量平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナー。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナーを用い、感光体上の静電潜像を現像した後、転写ローラで圧力及び静電力により画像を被転写体に転写させることを特徴とする電子写真捺染方法。
  12. 請求項1ないし10のいずれかに記載の電子写真液体捺染用トナーを用い、感光体上の静電潜像を現像し、中間転写体にトナー像を1次転写した後、画像を被転写体に2次転写させることを特徴とする電子写真捺染方法。
  13. 2次転写前に中間転写体に溶媒を吹き付ける工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の電子写真捺染方法。
  14. タンデム型に感光体を配置し、搬送ベルト上に貼り付けた被転写体に画像を転写し、フルカラー捺染することを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の電子写真捺染方法。
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