JP4865586B2 - 電子写真捺染トナー及び電子写真捺染用液体現像剤 - Google Patents
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Description
しかし、ローラ捺染は、金属ローラに図柄を彫刻する工程が煩雑でローラの取り扱い等も大変であり、スクリーン捺染は、スクリーンの製造に時間がかかり、捺染作業に手間がかかる等の問題があった。また、ロータリー式スクリーン捺染もスクリーンの製作、ローラの彫刻等に時間がかかる等の問題があった。このように従来からの捺染法はその製作工程が煩雑で、出来上がりまで長期間費やされるため、簡便な捺染法が望まれていた。
近年、従来の彫刻製版工程を省略し、短期間で製作が可能なインクジェットを用いた捺染方法が提案されている(特許文献1〜5など)。しかし、インクジェットによる捺染方式は、濃度を上げることができないこと、捺染していくうちに濃度が変化してしまうこと等の欠点があった。
これらの問題を解決するため、最近、電子写真方式を用いた捺染方法が開発されつつある。この方法は、感光体上に静電潜像を形成し、トナーを付着させ、これを布類に転写し、熱によりトナーを定着させるものである(特許文献6〜7など)。しかし、この電子写真方式による捺染方法は乾式トナーを用いたものであり、トナー層厚が厚いため、肌触りが良くないこと、樹脂により物理的に繊維に付着させているため、摩擦堅牢度、耐洗濯特性が劣ること等の問題があった。
特許文献10はアントラキノン系の着色剤を用いたマゼンタ液状捺染トナーの発明であるが、色特性や濃度の点では改良されているものの、長期間使用した時に帯電安定性が低下し、良好な分散性が保てないという問題があった。
発色処理前の段階において通常の捺染と電子写真方式の捺染とで異なるのは、通常のスクリーン捺染等の場合は、染料が溶解した色糊の状態で布に付着しているのに対し、電子写真方式による捺染の場合は、染料が粒子の状態で布に付着していることである。このため、通常用いられる発色方法では布と反応染料の反応性が不十分で発色濃度など染着特性が低下するという問題があった。
1) 少なくとも着色剤と樹脂を含有し、着色剤として、下記一般式(1)で表わされる染料を含有することを特徴とする電子写真捺染トナー。
2) 1)に記載の電子写真捺染トナーを用いた電子写真捺染用液体現像剤。
本発明は、着色剤を分散させたトナー粒子を電子写真方式により布などの被転写体に捺染する電子写真捺染方法に用いる電子写真捺染トナー、該電子写真捺染トナーを用いた電子写真捺染用液体現像剤に係るものであり、少なくとも着色剤と樹脂を含有し、着色剤として、前記一般式(1)で表わされる染料を含有することを特徴とする。
市販の粉体染料は、染料純度50重量%程度で、食塩、芒硝が多量に入っている場合が多く、液の抵抗、帯電性などに悪影響を与えるため、精製するか、初めから塩類含有量の少ない染料を用いる方が好ましい。純度が80重量%以上のものを用いると高品質の画像が得られるので好ましい。
染料の純度は次の溶解、再沈殿法で求められる。
(イ)食塩、芒硝などの無機塩類を溶解せずに染料のみを溶解する溶媒(N,N−ジメチルホルムアミドなど)を用いて染料を抽出する。
(ロ)上記(イ)で表される染料の溶解液に、該染料を溶解しない溶媒(アセトンなど)を混合し染料を析出させる。
(ハ)(析出させた染料重量/初めの染料重量)×100(%)で純度を算出する。
乾式電子写真捺染トナーは、着色剤、固着剤、帯電制御剤などを混合し、ブスコニーダなどの混練機で混練した後、粗粉砕、微粉砕し、所定の粒径になるようにカットすることにより得ることができる。各成分の濃度は適宜決定すればよいが、通常は着色剤5〜15重量%、固着剤80〜95重量%、帯電制御剤1〜10重量%程度とする。
また、液状電子写真捺染トナーは、着色剤、固着剤などの添加剤及び担体液を、ボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入し、分散、混練を行うことにより、濃縮捺染トナーを得ることができる(この状態で液状電子写真捺染トナーとして市販する)。使用に際しては、更に担持液を加えて分散させて用いる。各成分の濃度は適宜決定すればよいが、通常は着色剤5〜10重量%、固着剤5〜20重量%、担体液70〜95重量%、帯電制御剤0.1〜1重量%程度とする。
着色剤が被捺染物に最終的に結合するのは固着剤の働きによるものではなく、着色剤自体が有する結合力によるものであり、固着剤は臨時に帯電してトナーを被捺染物に付着させる働きをするだけであって、その後のソーピング工程で除去されるものである。固着剤が残っていると被捺染物の風合いを悪化させるので好ましくない。したがって、固着剤としてはアルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂のようなソーピングにより除去できるものを用いることが好ましい。
また固着剤の一部としてアルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂を用いると、発色固着処理、水洗、ソーピング処理工程でトナー中の樹脂が溶解し、布などから脱離するため、風合の良好な捺染布などが得られる。
商品としては、クラレ社製ポバール(PVA)、イソバン(イソブチレン/マレイン酸樹脂)、ハリマ化成社製ネオトール、ハリディプ(アルキッド樹脂、アクリル樹脂)、日本合成化学社製エコアティ(PVA)、ナガセケムテックス社製デコナール(エポキシ樹脂)、日本純薬社製ジュリアー(アクリル樹脂)、カブセン(ポリエステル樹脂)などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂の酸価は0〜2000mg/KOHであることが望ましく、この範囲では高品質の画像が得られる。2000mg/KOHより高いと現像特性が低下する。
アルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂以外の固着剤樹脂としては、乾式電子写真捺染トナーの場合には、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができ、液状電子写真捺染トナーの場合には、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂や水溶性樹脂は、固着剤樹脂全体に対し10〜80重量%の割合で含有させるのが好ましく、更に好ましくは40〜70重量%である。これらの樹脂が多いとトナーの帯電性が低下し、少ないと風合が低下する。
好ましい担体液としては、イソパラフィン系炭化水素などの飽和脂肪族炭化水素、シリコーン系オイル等が挙げられる。イソパラフィン系炭化水素の具体例としては、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、エクソール100/140、エクソールD30、エクソールD40、エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130(以上エクソンモービル、エクソン化学の商品名)などがあり、シリコーン系オイルの具体例としては、KF96:1〜10000cst(信越シリコンの商品名)、SH200、SH344(東レシリコンの商品名)、TSF451(東芝シリコンの商品名)などがある。
担体液の沸点は100〜350℃が望ましい。この範囲ならば、発色工程での問題がなく、高品質の画像が得られる。100℃未満では、転写前に溶媒が揮発し易く転写性向上の効果が低減したり、臭気、安全性、揮発溶媒蒸気の点で作業者にとって好ましくない。350℃を超えると、溶媒が揮発しにくく、発色工程で溶媒が除去できず発色特性に問題が生じる。350℃以下であれば、後工程の加熱、スチーミングの段階で蒸発させることができる。
乾式電子写真捺染トナーの粒径はコールターカウンター法により求める。この方法は乾式電子写真捺染トナーの粒径測定で通常用いられる方法である。即ち、トナーを電解質溶液中に分散し小孔の開いた隔壁の両側から電圧をかけると、小孔から粒子体積分の電解質溶液が排除されるため、左右の電極間の電気抵抗が瞬間的に増し電圧パルスを生じる。このパルス数と大きさから粒度分布を求めるものである。
液状電子写真捺染トナーの場合、ζ電位の絶対値は10〜200mVが良好である。この範囲ならば高品質の画像が得られる。ζ電位が10mVよりも低いとトナー粒子が凝集したり、電気泳動性が低下し地汚れしたり、濃度が低下したりする。またζ電位が200mVよりも高いと感光体付着量が低下し濃度が低下する場合がある。
液状電子写真捺染トナーの重量平均粒径は0.1〜5μmが望ましい。この範囲ならば高品質の画像が得られる。0.1μm未満では、十分な濃度が得られない場合やニジミが発生し易くなる場合があり、5μmを超えると色彩や解像性が悪くなる場合がある。
また中間転写体を用いて転写する場合も、更に高い圧力が掛けられるため平滑性の悪い転写紙や布に対する転写性が向上する。しかし中間転写体を用いない場合よりも転写時の溶媒量が少なくなるため、捺染の場合は、2次転写前に中間転写体上に脂肪族炭化水素やシリコーンオイル等の溶媒を吹き付け、転写に必要な溶媒量を確保することが望ましい。これにより更に転写性が良好となる。吹き付け量は0.20〜0.70mg/cm2程度が良好である。
また、捺染の場合、濃度の向上のため、現像付着量を上げたり、現像後リバースローラの溶媒スクイズ量を少なくしたりすることにより、感光体上の現像液量を多くして布などへの溶媒染込み量を増やすと効果がある。
転写電圧は直接布などに転写する場合は絶対値で1000〜7000V、中間転写を用いる場合は1次転写が100〜1000V、2次転写が300〜7000Vが望ましい。
本発明に係る捺染では、固着処理前、染料が溶解状態ではなく粒子の状態で布に付着しているため、通常の方法では染料と布の反応が起こらず固着しない(通常は溶解状態)。そのため、固着処理には、一定量以上のエネルギーと水分が必要となる。そこで、本発明では、例えばパッド・スチーム法による固着処理法を用いる。パッド・スチーム法以外に、加熱蒸気を用いる蒸熱法を用いることもできる。
パッド・スチーム法とは、次の(i)〜(iii)からなる方法である。
(i)出力された画像に、炭酸水素ナトリウム等を0.1〜10重量%程度含むアルカリ水溶液とアルギン酸ソーダ、CMC等の混合液をパディングする。
(ii)次いで、適切な温度条件下で飽和蒸気により布へ固着処理を行う。
(iii)次いで、ソーピングする。
このような方法により一定量以上の水分と熱エネルギーを与えれば、染料粒子を溶解させることができる。系をアルカリ性にするのは、染料粒子を溶解させる目的ではなく、溶解した染料の反応性基と布の反応基(OH基等)との反応を進めるためのもので、アルカリ性にすること自体は粒子の溶解には寄与しない。
これに対し、捺染トナーの場合は、図5(b)のように、染料が溶媒に溶解しておらず粒子の状態で布などに付着していること、及び帯電性を制御する樹脂が染料の周囲に付着していることにより、通常の固着処理では染料の反応基と綿布(セルロース)などの水酸基との反応性が不十分となり、十分な染着効果が得られない。
しかし、本発明の電子写真用捺染トナーを用いた場合には、上記パッド・スチーム法などにより発色処理を行えば、通常の捺染インクと同等の染着特性を得ることができる。
綿、麻などのセルロース系天然繊維には、繊維中の官能基と化学反応して共有結合により染着する反応染料が良好である。そこで、着色剤として一般式(1)で表される染料を用いることにより帯電特性、画像濃度、染着性において優れた性能が得られる。
アルカリ水溶液濃度は0.1〜10重量%であることが必要である。好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは0.5〜2重量%である。アルカリ濃度が0.1重量%よりも低い場合は反応性が低下し、アルカリ濃度が10重量%よりも高くなると綿布(セルロース)などとの反応前に染料自体の反応基が加水分解して、つぶれてしまう場合がある。
パッド・スチーム法における処理温度は80〜140℃、好ましくは95〜110℃である。処理温度が80℃よりも低い場合は樹脂や染料の溶解が不十分で反応性が低下する。処理温度が140℃よりも高い場合は布などとの反応前に染料反応基がつぶれてしまう場合がある。
現像ローラは感光体と順方向に回転させ、リバースローラは逆方向に回転させる。感光体に対する線速は、現像ローラで1.2〜6倍、リバースローラで1.2〜4倍が効果的である。これにより高品質の画像が得られる。
現像ローラと感光体のギャップは50〜250μm、リバースローラのギャップは30〜150μmが良好である。転写電圧は500〜4000Vの範囲が良好である。
布に転写されずに感光体に残ったトナーをクリーニングブレード、クリーニングローラで除去後、感光体を除電する。
また、画像部の電荷を消去し非画像部の電荷を残す現像方式でも同様に画像形成できる。
図3は、図2の装置に中間転写部材を追加した例を示す概略図である。図2の装置よりも更に高い転写圧力を付与できるため、表面が荒れた凹凸の大きい布の場合でも更に転写性が良くなる。一次転写圧は0.1〜3Kg/cm2、2次転写圧は0.1〜5Kg/cm2程度が好ましい。しかし、中間転写部材への一次転写時にトナー中の溶媒成分が少なくなり、中間転写部材から布への2次転写に必要な溶媒量が少なくなる場合があるため、2次転写前に中間転写部材に溶媒を吹きかける工程を追加すると効果的である。
図4は、感光体をタンデムに配置し、布搬送ベルト上に布を貼りつけてフルカラー捺染を行う装置の一例である。このようにすれば、高速で高品質のフルカラー捺染を行うことができる。図中の転写ローラは、右から順にY(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、BK(黒)、G(グリーン)、R(赤)のためのものである。なお、タンデムとは、カラー用の場合は感光体が複数個(通常4個)並んだ電子写真用マシンである。タンデム方式は高速化に有利なカラー画像作成方法である。
下記の材料をピンミルに入れて10時間分散した後、更にアイソパーHを300部加えて1時間分散し、濃縮液状電子写真捺染トナーを得た。なお、アイソパーHは、体積抵抗2.5×1014Ω・cm、B.P.184℃のものである。
この濃縮捺染トナー100gをアイソパーH、1リットルに混合・分散し、図1の装置で電子写真捺染を行った。
・〔表1〕の染料1A(純度50重量%品) 83部
・ラウリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 100部
・ロジン変性フェノール樹脂(三井・デュポン) 60部
・水溶性樹脂ポバール(PVA)(クラレ) 65部
・アイソパーH 180部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
下記の材料をブスコニーダで混練、冷却した後、パルペライザーで粗粉砕し、更にジェットミルで粉砕し分級して、乾式電子写真捺染トナーを得た。
この捺染トナーを用いて、リコー乾式プリンタImagioで捺染を行なった。
・〔表1〕の染料1B(純度90重量%品) 22部
・スチレン・アクリル樹脂(St/アクリル酸=60/40)(三菱レーヨン)40部
・水溶性樹脂カブセン(水溶性ポリエステル)(ナガセケムテックス) 75部
・荷電制御剤(サリチル酸誘導体の金属錯体) 2部
下記の材料をボールミルに入れて24時間分散した後、更に、アイソパーHを250部加えて1時間分散し、濃縮液状電子写真捺染トナーを得た。
この濃縮捺染トナー100gをアイソパーH、1リットルに混合・分散し、図2の装置で電子写真捺染を行った。
・〔表1〕の染料1E(純度80重量%品) 92部
・エポキシ変性樹脂エピコート802(ジャパンエポキシレジン) 20部
・水溶性樹脂ハリディブ(水溶性アルキド樹脂)(ハリマ化成) 75部
・ステアリルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 100部
・アイソパーH 250部
・荷電制御剤(オクタン酸ジルコニウム) 5部
実施例1−1の染料1A(純度50重量%品)を、純度90重量%に精製して用いた点以外は、実施例1−1と同様にして、濃縮液状電子写真捺染トナーを得た。
この濃縮捺染トナー100gをアイソパーH、1リットルに混合・分散し、図2の装置で電子写真捺染を行った。
実施例1−3の分散媒をアイソパーHからシリコーンオイル(KF−96 2cst)に変えた点以外は、実施例1−2と同様にして濃縮液状電子写真捺染トナーを得た。
この濃縮捺染トナー100gをシリコーンオイル(KF−96 2cst)、1リットルに混合・分散し、図2の装置で電子写真捺染を行った。なお、シリコーンオイルKF−96は、体積抵抗3.3×1014Ω・cm、B.P.230℃のものである。
下記の材料をバッチ式サンドミルに入れて12時間分散した後、更に、アイソパーHを350部加えて1時間分散し、濃縮液状電子写真捺染トナーを得た。
この濃縮捺染トナー100gをアイソパーM、1リットルに混合・分散し、図2の装置で電子写真捺染を行った。アイソパーMは、体積抵抗3.1×1014Ω・cm、B.P.223℃のものである。
・〔表1〕の染料1F(純度90重量%) 68部
・ロジン変性フェノール樹脂(三井・デュポン) 5部
・水溶性樹脂カブセン(水溶性ポリエステル)(ナガセケムテックス) 95部
・2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 120部
・アイソパーH 200部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
下記の材料をバッチ式サンドミルに入れて12時間分散した後、更に、アイソパーHを350部加えて1時間分散し、これを濃縮液状電子写真捺染トナーを得た。
この濃縮捺染トナー100gをエクソールD30、1リットルに混合・分散し、図2の装置で電子写真捺染を行った。エクソールD30は、体積抵抗1.4×1014Ω・cm、B.P.150℃のものである。
・〔表1〕の染料1G(純度80重量%) 73部
・ロジン変性フェノール樹脂(三井・デュポン) 95部
・水溶性樹脂カブセン(水溶性ポリエステル)(ナガセケムテックス) 5部
・2−エチルヘキシルメタクリレート/メチルメタクリルレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 120部
・アイソパーH 200部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
下記の材料をボールミルに入れて36時間分散した後、更に、アイソパーHを280部加えて1時間分散し、濃縮液状電子写真捺染トナーを得た。
この濃縮捺染トナー100gをアイソパーH、1リットルに混合・分散し、図2の装置で電子写真捺染を行った。
・〔表1〕の染料1D(純度70重量%品) 80部
・ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸
(80/10/10)共重合体のアイソパーH20重量%溶液 80部
・ロジン変性フェノール樹脂(三井・デュポン) 50部
・水溶性樹脂 ポバール(PVA)(クラレ) 55部
・アイソパーH 170部
・荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
実施例1−3の濃縮液状電子写真捺染トナー100gを、アイソパーH、1リットルに混合・分散し、中間転写体を取り付けた図3の装置で電子写真捺染を行った。
2次転写前にアイソパーHを0.3mg/cm2吹き付けた点以外は、実施例1−9と同様にして電子写真捺染を行った。
染料1Aを、リアクティブイエロー25(クロロキノサリン誘導体):純度50重量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして濃縮液状電子写真捺染トナーを作成し電子写真捺染を行った。
染料1Eを、リアクティブブラック27(クロロキノサリン誘導体):純度50重量%に変えた点以外は、実施例1−3と同様にして濃縮液状電子写真捺染トナーを作成し電子写真捺染を行った。
表1から明らかなとおり、本発明の電子写真捺染トナー及び電子写真捺染方法により、帯電制御率、転写率、布濃度が高く、高解像な捺染布が得られた。
実施例1−4は染料純度を上げているため画像濃度が高い。実施例1−5は分散媒として脂肪族炭化水素以外の溶媒を使用しているため、実施例1−4に比べて分散性がやや悪い。実施例1−6は水溶性樹脂量が多いため画像濃度がやや低い。実施例1−7は水溶性樹脂量が少ないため風合がやや低い。実施例1−10は2次転写前に中間転写ローラ上の画像にアイソパーHを吹き付けているため実施例1−9に比べて転写率が上がり画像濃度が向上している。
また、比較例の捺染トナーは帯電制御性が悪くトナーとしての機能が出せなかった。
*地汚れは地汚れ段階見本布による。評価は5段階(5:最良、1:最悪)
*風合は風合段階見本布による。評価は5段階(5:布のみと同程度の柔らかさ、4:柔
らかい、3:中程度、2:やや硬い、1:硬い)
*重量平均粒径は島津製作所SA−CP3による。
捺染トナーを積分球式濁度計で透過率15%程度になるまでアイソパーで希釈し、SA
−CP3用セルに充填しACCEL480、MODE:CENT、3〜16チャンネル
の条件で測定。
*ζ電位は大塚電子ELS−8000による。
セル:低誘電率セル、電界:500V/cm、6回測定平均モードで測定。
*解像性は、段階見本による。評価は5段階(5:最良、1:最悪)
*転写率はテープ剥離法による濃度から算出。
転写率=〔(転写前感光体上濃度−転写後感光体残濃度)/(転写前感光体上濃度)〕×100%
*帯電制御率は電着法により算出。
電極間距離:1cm、電極面積:2cm×2cm、電着時間:100秒で測定。
*固着率はX−Riteによりソーピング前後の濃度を測定して算出。
固着性=(ソーピング後濃度/ソーピング前濃度)×100%
Claims (2)
- 少なくとも着色剤と樹脂を含有し、着色剤として、下記一般式(1)で表わされる染料を含有することを特徴とする電子写真捺染トナー。
- 請求項1に記載の電子写真捺染トナーを用いた電子写真捺染用液体現像剤。
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