JP4478589B2 - ネガ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
化学増幅型のネガレジストの性能向上に対し、架橋剤に着目した検討がこれまで種々なされてきた。例えば、特許文献1(特開平2−15270号公報)にはグリコールウリル系の架橋剤、特許文献2(日本特許第2985968号公報)にはヘキサメトキシメラミン系の架橋剤、特許文献3(日本特許第2861309号公報)には尿素骨格を有する架橋剤、特許文献4(特開2001−51417号公報)には多核フェノール骨格を有するフェノール系架橋剤がそれぞれ開示されている。
しかしながら、従来知られているこれらの架橋剤のいずれにおいても、超微細領域での高感度、高解像性、アウトガスの低減(露光中でのレジスト膜からの気化物の発生量の低減)、表面荒れの低減(現像後、パターントップの表面の荒さの低減)、良好なパターン耐熱性を同時に満足できるものではなかった。
(A)アルカリ可溶性樹脂、
(B)オニウム塩、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルホネート化合物、ジスルホン化合物、及びジアゾジスルホン化合物の少なくとも1つであって、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(C)酸の作用により反応して、炭素数7以上のアルコール又は炭素数7以上のカルボン酸の脱離を伴ってアルカリ可溶性樹脂に架橋を形成する架橋剤。
一般式(1)中、
Aは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
R 1 及びR 2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基を表す。
nは、1〜3の整数を表す。
(7) (A)成分のアルカリ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜1.5であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。また本発明は特許請求の範囲に記載の構成を有するものであるが、以下、その他についても参考のため記載した。
本発明で使用されるアルカリ可溶性樹脂は、特に限定されるものではなく、これまでネガ型化学増幅型レジストで使用されてきたフェノールノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ビニルフェノール由来の構造単位を有する共重合体、及びポリビニルフェノール樹脂を一部保護又は修飾することで得られる樹脂等、フェノール骨格を有するポリマーを広く使用することができる。
アルカリ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜2.5、より好ましくは1.0〜2.0であり、特に好ましくは1.0〜1.5である。
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
アルカリ可溶性樹脂の添加量は組成物の全固形分に対し、通常30〜95質量%、好ましくは40〜90質量%、更に好ましくは50〜80質量%の範囲で使用される。
Aは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基を表す。
nは、1〜3の整数を表す。
Aは、好ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基等)であり、特に好ましくは水素原子、メチル基である。
R1及びR2としてのアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基は、置換基を有していてもよい。また、R1及びR2は、互いに共同して環を形成してもいてもよい。
nは1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2である。また一般式(1)において、OH基は環のいずれの位置に結合していてもよいが、環の3位又は4位に結合していることが好ましい。
Aは、一般式(1)のAと同義である。
Xは、単結合、−COO−基、−O−基又は−CON(R16)−基を表し、R16は、水素原子又はアルキル基を表す。
R11〜R15は、それぞれ独立に、一般式(1)のR1と同義である。
R101〜R106は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はカルボキシ基を表す。
a〜fは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
R101〜R106は、それぞれ独立に、好ましくは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(Cl、Br、F、I)、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキルカルボニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜15のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜16のアラルキル基又はカルボキシ基を表す。
これらの置換基としては、前記一般式(1)のR1の置換基の例として挙げたものと同じものが挙げられる。
素数1〜3のアルキルカルボニルオキシ基(アセチル基、プロピオニル基等)である。
a〜fは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
(A)成分の樹脂における一般式(2)〜(4)で表される繰り返し単位の含有量の範囲は、一般的に3〜50モル%、好ましくは5〜30モル%である。
(A)成分の樹脂において、一般式(1)で表される繰り返し単位と、一般式(2)〜(4)で表される繰り返し単位の比率は、モル比で100/0〜50/50が好ましく、より好ましくは100/0〜60/40であり、特に好ましくは100/0〜70/30である。
併用する他のアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用される(B)成分の酸発生剤は、公知の酸発生剤を幅広く使用することがで
きる。これらの酸発生剤としては、特開2002-6500号、特開2002-14470号、欧州特許第1117004号、欧州特許第1109066号に記載されている化合物を挙げることができる。
好ましくは、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルホネート化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン酸、ジアゾジスルホン化合物、オキシムスルホネート化合物等を挙げることができる。
本発明において、(B)成分の酸発生剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のネガ型レジスト組成物は、酸の作用により反応して、炭素数3以上のアルコール又は炭素数7以上のカルボン酸の脱離を伴ってアルカリ可溶性樹脂に架橋を形成する架橋剤(以下、「(C)成分の架橋剤」ともいう)を含有する。
(C)成分の架橋剤は、下記(C1)、(C2)又は(C3)の架橋剤であることが好ましい。
のアルコキシメチル基及び炭素数8以上のアシルオキシメチル基から選ばれる置換基を2個以上有するフェノール系架橋剤。
(C2)炭素数4以上のアルコキシメチル基及び炭素数8以上のアシルオキシメチル基から選ばれる置換基を2個以上有するメラミン系架橋剤。
(C3)炭素数4以上のアルコキシメチル基及び炭素数8以上のアシルオキシメチル基から選ばれる置換基を2個以上有するウリル系架橋剤。
特に好ましい(C1)成分の架橋剤として、分子量が2000以下、より好ましくは分子量が1200以下であり、ベンゼン環を3〜5個有し、いずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合した炭素数7以上のアルコキシメチル基及び炭素数8以上のアシルオキシメチル基から選ばれる置換基を2個以上有するフェノール誘導体を挙げることができる。このようなフェノール誘導体を用いることにより、本発明の効果をより顕著にすることができる。
アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基の数は、ベンゼン環一個あたり、好ましくは平均1〜2個、より好ましくは平均1.2〜2個である。
上記ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物(上記式においてL1〜L8が水素原子である化合物)とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具体的には、特開平6−282067号、特開平7−64285号等に記載されている方法にて合成することができる。
L1a〜L6aの好ましい具体例としては、(C1)成分の架橋剤に於ける、前記L1〜L8
の好ましい具体例からオキシメチレン基を除いた構造を挙げることができる。
L1a〜L4aの好ましい具体例としては、(C1)成分の架橋剤に於ける、前記L1〜L8の好ましい具体例からオキシメチレン基を除いた構造を挙げることができる。
本発明の組成物は、更に含窒素塩基性化合物を含有することが好ましい。好ましく使用される含窒素塩基性化合物は、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。式(B)〜(E)は、環構造の一部であってもよい。
R253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基又は炭素数1〜20個のシクロアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒
素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
本発明において、(D)成分の含窒素塩基性化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のネガ型レジスト組成物には、必要に応じて、さらに、溶剤類、界面活性剤類、光分解性塩基化合物、光塩基発生剤等を含有させることができる。
本発明の組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
上記溶媒に界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)
、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
さらに、本発明の組成物には、特開平7−28247号、欧州特許616258号、米国特許5525443号、特開平9−127700号、欧州特許762207号、米国特許5783354号記載のアンモニウム塩、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、ベタイン等も添加できるし、特開平5−232706号、同6−11835号、同6−242606号、同6−266100号、同7−333851号、同7−333844号、米国特許5663035号、欧州特許677788号に記載の露光により塩基性が低下する化合物(フォトべース)を添加することもできる。
本発明の組成物に添加できる光塩基発生剤としては、特開平4−151156号、同4−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、
同8−146608号、同10−83079号、欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメート等が好適に用いることができる。これらの光塩基発生剤は、レジスト形状などの改善を目的とし添加される。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
(1)(A)成分のアルカリ可溶性樹脂
合成例1(樹脂例(29)の合成)
4−アセトキシスチレン3.9g(0.024モル)、4−メトキシスチレン0.8g(0.006モル)を1−メトキシ−2−プロパノール30mlに溶解し、窒素気流及び撹拌下、70℃にて重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)50mg、4−アセトキシスチレン9.1g(0.056モル)、4−メトキシスチレン1.9g(0.014モル)の1−メトキシ−2−プロパノール70ml溶液を2時間かけて滴下した。2時間後開始剤50mgを追加し、更に2時間反応を行った。その後90℃に昇温し撹拌を1時間続けた。反応液を放冷後、イオン交換水1Lに激しく撹拌しながら投入することにより、白色樹脂を析出させた。得られた樹脂を乾燥後、メタノール100mLに溶解し、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを加え、樹脂中のアセトキシ基を加水分解した後、塩酸水溶液にて中和して白色樹脂を析出させた。イオン交換水にて水洗、減圧下で乾燥後、本発明の樹脂(29)11.6gを得た。GPCにて分子量を測定したところ、重量平均(Mw:ポリスチレン換算)で9,200、分散度(Mw/Mn)で2.2であった。
以下、同様にして本発明(A)の樹脂を合成した。
〔HM−1〕の合成
1−〔α−メチル−α-(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン20g(本州化学工業(株)製Trisp−PA)を10%水酸化カリウム水溶液に加え、撹拌、溶解した。次にこの溶液を撹伴しながら、37%ホルマリン水溶液60mlを室温下で1時間かけて徐々に加えた。さらに室温下で6時間撹伴した後、希硫酸水溶液に投人した。析出物をろ過し、十分水洗した後、メタノール30mlより再結晶することにより、下記構造のヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体〔HM−1]の白色粉末20gを得た。純度は92%であった(液体クロマトグラフィー法)。
上記合成例で得られたヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体〔HM−1〕20gを500mlのDMFに溶かした。この溶液を0℃に冷却したところに無水安息香酸8gを加え、続いて反応液を室温で10時間反応させた。反応液を蒸留水に投入して生成物
を析出させた後、水をデカンテーションにより除去した後、酢酸エチル1000mlを加え溶解させた。炭酸水素ナトリウム水溶液500mlで分液し洗浄した後、蒸留水1Lで3回洗浄した。この溶液を濃縮乾固させることにより、下記構造のベンゾイルオキシメチル基を有するフェノール誘導体〔BM−1〕を得た。純度75%(液体クロマトグラフィー)であった。
合成例1 (酸発生剤(I−1)の合成)
AgBF4 16.4gをアセトニトリル150mlと混合し、これにフェナシルブロミ
ド16.0gとジn−ブチルスルフィド12.4gをアセトニトリル50mlに溶解させたものを30分間かけて加えた。室温で一晩攪拌し、反応液を濃縮すると粉体が析出した。これをジイソプロピルエーテルで洗浄すると、フェナシルジn−ブチルスルホニウムテトラフロロボレートが27g得られた。
フェナシルジn−ブチルスルホニウムテトラフロロボレート10gをメタノール200mlに溶解させ、これにノナフロロブタンスルホン酸カリウム10.1gを加え、室温で1時間攪拌した。反応液にクロロホルム500mlを加えた後、蒸留水300mlで2回洗浄した。有機層を濃縮すると、酸発生剤(I−1)が9.8g得られた。
他の化合物も同様の方法を用いて合成した。
(1)ネガレジストの調製および塗設
(A)成分:樹脂(29) 0.727g
(B)成分:酸発生剤(I−1) 0.07g
(C)成分:架橋剤(BM−1) 0.20g
(D)成分:塩基性化合物(D−1) 0.003g
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート7.5g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.5gの混合溶剤に溶解させ、これに界面活性剤としてメガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製、以下W−1と略す)0.001gを添加、溶解させ、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト溶液を得た。
このレジスト溶液をシリコンウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚0.3μmのレジスト膜を得た。
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて、照射を行った。照射後に、110℃、90秒ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、耐熱性について評価した。
(2−1)感度
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。0.15μm(ライン:スペース=1:1)を解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。
(2−2)解像力
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
(2−3)耐熱性
線幅0.15μmのレジストパターンを形成させたシリコンウエハーを、150℃に設定したオーブン上にて3分間加熱した。その後、SEMにて線幅0.15μmのパターン形状を観察し、パターン形状の変化が観察されなかったものを○、パターンの熱変形が観察されたものを△として評価した。
(2−4)表面荒れ
上記実験で求めた感度に相当する露光量のEUV光を照射したウエファサンプルについて、現像時間を1〜60秒まで5秒刻みで現像した(2.48質量%、TMAH水溶液)。それぞれについてAFMを用いて表面荒れ(Ra(nm))を求め、その最大値を表面荒れとした。
評価結果を表1に示す。
表1に示した各成分を用い、その他は実施例1と同様にしてレジスト溶液の調製、ネガ型パターン形成、評価を行った。評価結果を表1に示した。
D−1: 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
D−2: 2,4,5−トリフェニルイミダゾール
D−3: 4−ジメチルアミノピリジン
実施例17〜21及び比較例3及び4
上記実施例1、5、8、11、15及び比較例1、2の各レジスト組成物を用い、上記実施例1と同様の方法でレジスト膜を得た。次いで、リソテックジャパン社製EUVES露光装置を用い、5mJ/cm2露光前の膜厚に対する露光後の膜厚を測定し、アウトガス(露光中に発生する気化物)の量を評価した。
評価結果を表2に示す。
Claims (9)
- 少なくとも下記(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴とするネガ型レジスト組成物。
(A)アルカリ可溶性樹脂、
(B)オニウム塩、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルホネート化合物、ジスルホン化合物、及びジアゾジスルホン化合物の少なくとも1つであって、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(C)酸の作用により反応して、炭素数7以上のアルコール又は炭素数7以上のカルボン酸の脱離を伴ってアルカリ可溶性樹脂に架橋を形成する架橋剤。 - (C)成分の架橋剤が、(C1)ベンゼン環を3〜10個有し、いずれかのベンゼン環に結合した炭素数8以上のアルコキシメチル基及び炭素数8以上のアシルオキシメチル基から選ばれる置換基を2個以上有するフェノール系架橋剤であることを特徴とする請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
- (C)成分の架橋剤が、(C2)炭素数8以上のアルコキシメチル基及び炭素数8以上のアシルオキシメチル基から選ばれる置換基を2個以上有するメラミン系架橋剤であることを特徴とする請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
- (C)成分の架橋剤が、(C3)炭素数8以上のアルコキシメチル基及び炭素数8以上のアシルオキシメチル基から選ばれる置換基を2個以上有するウリル系架橋剤であることを特徴とする請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
- (B)成分の化合物が、スルホニウム塩又はヨードニウム塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
- (A)成分のアルカリ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜1.5であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
- 電子線、X線又はEUV光用であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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