JP4458463B2 - 栓部材および容器 - Google Patents
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Description
また、上記構成では、開封部が除去された頂壁が段部になるため、内容液の一部が付着残留して、液溜まりが発生する虞れがあった。
そこで、例えば、特開平9−290853号では、前記開封部の少なくとも一端から下方へ傾斜リブを延ばして、液切れを良くしている。
また、特に、中栓の注口部が小径の場合は、プルリングの径も小さくなり、指を通せず単なる摘みとしか役立たない場合や、爪を引っ掛けた場合に爪を折ってしまうなどの不具合がある。
この発明の別の課題は、破断された注出用筒部の上部を、破断後の(下方の)注出用筒部の開口を開閉自在に塞ぐキャップとして用いることができる開封式の栓部材およびこれを用いた容器を提供することにある。
容器本体の口部に取り付けられ、密閉された注出用筒部に略環状に配置された薄肉破断部が設けられており、該薄肉破断部に沿って注出用筒部の一部が切り離されて開封される開封式の栓部材において、
前記注出用筒部の側壁に、注出用筒部の軸線に対して斜めになって注出用筒部の上壁面に向かって徐々に接近する薄肉破断部が配置され、
該注出用筒部の上壁面で、前記薄肉破断部の最も接近した個所に指などを接触させる接触部が形成されており、
上記接触部を介して注出用筒部の上部を押し上げ加圧することで前記薄肉破断部に沿って前記注出用筒部の側壁の上部を略環状に切り離して開封されることを特徴とする。
また、請求項2の発明では、
前記接触部が、注出用筒部の上壁面で外方へ突出する突部からなっていることを特徴とする。
更に、請求項3の発明では、
前記注出用筒部の外側に外キャップを着脱可能に取り付ける取付壁部が設けられており、
前記外キャップの取付壁部への取付手段が、前記注出用筒部の開封前には取付壁部の高位置で取付けられ、開封後には取付壁部の低位置で取付けられるように形成されていることを特徴とする。
また、請求項4の容器の発明では、
請求項1から請求項3のいずれかの開封式の栓部材を容器本体の口部に取り付けてなることを特徴とする。
また、破断された注出用筒部の内壁面は段差の無い扁平面であるので、内容液が液切れが良い。
また、キャップを押し下げることで、注出用筒部の中蓋部を筒体基部から切り離して筒体基部の注口部へ嵌め込むようにすることもできる。
以下にこの発明の開封式の栓部材を中栓に適用した好適実施例について、図面を参照しながら説明する。
この中栓1は、図1および図2に示すように、上面が覆われた注出用筒部2と、該注出用筒部2の外側で外キャップ30を着脱可能に取り付ける取付壁部3と、容器20の口部21に連結するための連結部4とからなっている。
注出用筒部2は、本実施例の場合、断面楕円形状の筒体からなっている。
ここで注出用筒部2の断面形状は図示例に限定されるものではなく、円形や多角形などであってもよい。
そして、この注出用筒部2の側壁2bには、該側壁2bの内壁に沿って環状に配置された断面略VまたはU字状の破断用に形成された薄肉破断部5が設けられている。
前記薄肉破断部5は、後述の開栓に際して押し上げて加圧することで側壁2bを破断可能な厚みとして設定されるが、本実施例では0.1〜0.2mm程度に形成されている。
この接触部6は、注出用筒部2の切り離される側(上部)に設けることが好ましく、例えば指を押し当てるための扁平面や、指を掛止めるための凹部または突部など、適宜の形状を用いることができ、特別の構成を設けずに注出用筒部2の側壁2bや上壁面2aそのものであってもよい。
なお、図示例では注出用筒部2の上壁面2aに、押し上げ方向を示す矢印マークMが表示されている。
上記接触部6は1個所に限らず、複数個所設けてもよいし、注出用筒部2の分離させる側の壁面全体を接触部とするものでもよい。
本実施例では、この接触部6として注出用筒部2の上壁面2aに外方へ突出する突部を設けて、使用者が力を入れる際に指を掛止めやすくしている。
取付壁部3は、前記注出用筒部2を中央に支持し、その外側に連接して注出用筒部2を中心とした上向きの環状突壁13からなっており、本実施例ではその突壁13の外周面に取付手段の一例としての雄ネジ部13aを突設している。
この雄ねじ部13は、外キャップ30の基端側の内周面に刻設された雌ネジ30aと螺合するようになっている。
この実施例ではネジを用いて外キャップ30を着脱しうる構成を例示したが、掛止や係合手段を用いたもの、摩擦を用いて嵌め込むものなど、公知のキャップの着脱手段を用いることができる。
連結部4は、前記取付壁部3の基端に連接し、外キャップ30の下端に対峙する平面部を介して外側で垂下する下向き環状壁部14を有しており、該環状壁部14は、下面が開口する環状溝14aが形成されている。
この環状溝14aが、容器本体20の口部21に外嵌して、中栓1が容器本体20に取り付けられる。
この実施例では、中栓1は、容器本体20と別部材とし、両者を組み立てる構成としたが、連結部4を設けず、容器本体20に一体的に中栓1を設ける構成でもよい。
このように構成された中栓1の開封は、図3に示すように、使用者が容器本体30を固定すると共に指を接触部6に押し当て、図中矢印で示すように外向き且つ上向きに押し上げて行う。
これにより、注出用筒部2の上部に加わった力によって、前記薄肉破断部5の形成された個所が破断し注出用筒部2の上部が切り離され、注出用筒部2が開封されて注口部8が形成される(図4参照)。
図示例では、注口部8は上端が斜めに破断されているので、注ぎ口方向を指示することができる。
また、本実施例では、切り離された注出用筒部2の上部は廃棄される。
そこで、注口部8には、基端側(図中下側)に上下に貫通する幅狭の溝15が開口形成されるので、粘性のある液体であっても液戻りを良くすることができる。 その他の構成は、前記実施例1と同様であるので、説明を省略する。
図6に示すこの発明の実施例に含まれない参考例の中栓1は、注出用筒部2の切り離した上部を、注口部8を開閉する中蓋31として有効利用する構成からなっている。
この中栓1は、注出用筒部2が、前記実施例のように同一断面形状ではなく、下段に形成された筒体基部2Aと、該筒体基部2Aに薄肉破断部5を介して連設される中蓋部2Bとからなっている。
そして、この段部に対応する内壁面に、水平に配置された環状の薄肉破断部5が形成されている。
この参考例では、中蓋部2Bを大径に設定して筒体基部2Aに外嵌しうるようにしてもよい。
中蓋部2Bが筒体基部2Aに外嵌可能に大径に設定した場合は、この場合の薄肉破断部5は、図7(c)に示すように中蓋部2Bを筒体基部2Aより外側に僅かにずらして薄肉とする構成や、図7(d)に示すように、中蓋部2Bを筒体基部2Aより上方寄りで外側に僅かにずらして薄肉とする構成などからなっている。
そして、中蓋部2Bを押し上げたり押し下げたり、あるいは引っ張ったりすることで薄肉破断部5に沿って切り離し、中蓋部2Bを筒体基部2Aから分離しうる(図8参照)。
このフランジ部18は、切離し前には、切離し用の接触部(6)として用いることができるし、切離し後には、注口部8となる筒体基部2Aに嵌合した中蓋のフランジとして、注口部8の開口端に掛止めるための構成となっている(図9参照)。
また、注出用筒部2は、その基端が下方へ没せずに外方に延びてから垂下して取付壁部3となる環状突壁13となっている。
その他の構成は前記実施例と同様であるので、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
そこで、外キャップ30を取り付ける際に、外キャップの取付位置もこれに比例して開封前には高位置とし、開封後には低位置とすることでタンパーエビデント性を持たせることもできる。
あるいは、取付壁部3に高低2個所に外キャップの掛止手段や係合手段などの取付手段を設ける構成としてもよい。
一例として示す図10の実施例では、外キャップ30の内周面の下方に突設した突部33と、取付壁部3に凹設した上下2段の凹部34、35とからなっており、開封前は上段の凹部34に突部33が嵌合し、開封後は下段の凹部35に突部33を嵌合させることができる。
この場合、中蓋部2Bには前記フランジ部18は設ける必要がない。
即ち、外キャップ30の内壁頂部に中蓋部2Bの上面を押圧する衝合部39を設けておき、外キャップ30のネジを締めながら下降させることで、中蓋部2Bの上面を押し下げ、薄肉破断部5を介して筒体基部2Aから切り離す。
そして、更に下降することで切り離された中蓋31が注口部8となった筒体基部2Aの開口に外嵌して閉栓される。
図示例では、ネジを用いて外キャップ30を下降させたが、図10と同様に上下に段階的に押し下げる構造であってもよい。
これにより、直接に手指で注出用筒部2に接することなく開栓するkとができる。
この場合、取付壁部3を設けておらず、注出用筒部2は直接に連結部4に連設された構成からなっている。
なお、参考例を単一の栓として用いた場合を図12(b)で示している。
2 注出用筒部
2a 上壁面
2b 側壁
3 取付壁部
4 連結部
5 薄肉破断部
6 接触部
7 突部
8 注口部
13 環状突壁
13a 雄ネジ部
14 環状壁部
14a 環状溝
20 容器
21 口部
30 外キャップ
31 中蓋
Claims (4)
- 容器本体の口部に取り付けられ、密閉された注出用筒部に略環状に配置された薄肉破断部が設けられており、該薄肉破断部に沿って注出用筒部の一部が切り離されて開封される開封式の栓部材において、
前記注出用筒部の側壁に、注出用筒部の軸線に対して斜めになって注出用筒部の上壁面に向かって徐々に接近する薄肉破断部が配置され、
該注出用筒部の上壁面で、前記薄肉破断部の最も接近した個所に指などを接触させる接触部が形成されており、
上記接触部を介して注出用筒部の上部を押し上げ加圧することで前記薄肉破断部に沿って前記注出用筒部の側壁の上部を略環状に切り離して開封されることを特徴とする開封式の栓部材。 - 接触部が、注出用筒部の上壁面で外方へ突出する突部からなっていることを特徴とする請求項1に記載の開封式の栓部材。
- 注出用筒部の外側に外キャップを着脱可能に取り付ける取付壁部が設けられており、
前記外キャップの取付壁部への取付手段が、前記注出用筒部の開封前には取付壁部の高位置で取付けられ、開封後には取付壁部の低位置で取付けられるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の開封式の栓部材。 - 請求項1から請求項3のいずれかの開封式の栓部材を容器本体の口部に取り付けてなる容器。
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