JP4455532B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
このため、ヘッドライトの形状がアッパーフレームで限定されるとともに、ヘッドライトの近傍に設ける部材の形状などもアッパーフレームで限定されてしまい、ヘッドライトやその周辺のデザインの自由度を高めることは難しいと考えられていた。
よって、ヘッドライトの形状や、ヘッドライトの近傍に設ける部材の形状などがアッパーフレームで限定されることがなく、デザインの自由度を高めることは可能である。
このため、エンジンフードを閉じたときの衝撃がフェンダー取付ブラケットに作用すると、その衝撃でフェンダー取付ブラケットが変形してしまう虞がある。
しかし、フェンダー取付ブラケットを衝撃で変形しないようにすると、フロントフェンダーに作用した衝撃をフェンダー取付ブラケットで吸収し難くなり、フェンダー取付ブラケットでエンジンフードを支えることは難しいと考えられていた。
よって、フード支え部でエンジンフードを支えることが可能になり、通常の車両のようにバルクヘッドのアッパーフレームを車幅方向に略水平に延ばし、延ばした部位でエンジンフードを支える必要がない。
これにより、ヘッドライトの形状や、その周辺の部材の形状などがアッパーフレームから略水平に延びる部材で限定されることがなく、ヘッドライトやその周辺のデザインの自由度を高めることができるという利点がある。
これにより、フード脚部やフェンダー脚部でエンジンフードやフェンダーをそれぞれ良好に支えることができ、エンジンフードやフェンダーの剛性感が得られる。
フード載せ部の接合部位がフェンダー脚部の取付部位に重ねて取り付けられることで、フェンダー脚部を接合部位で補強することができる。
これにより、フロントフェンダーに作用した衝撃をさらに良好に吸収することができるという利点がある。
図1は本発明に係る車体前部構造(第1実施の形態)を示す斜視図、図2は第1実施の形態に係る車体前部構造でエンジンフードおよびフロントフェンダーを支えた状態を示す斜視図である。
車体前部構造10は、車体前部の左右側に前後方向に延びる左右のフロントサイドフレーム11,12を備え、左右のフロントサイドフレーム11,12のそれぞれの上側後方に左右のフロントピラー13,14を備え、左フロントピラー13の下端部から前方に向けて左アッパーメンバー16を延ばし、左アッパーメンバー16の下端部16aを左フロントサイドフレーム11の外側に配置し、左フロントサイドフレーム11に左連結部材18を介して下端部16aを連結し、右フロントピラー14の下端部から前方に向けて右アッパーメンバー17を延ばし、右アッパーメンバー17の下端部17aを右フロントサイドフレーム12の外側に配置し、右フロントサイドフレーム12に右連結部19を介して下端部17aを連結したものである。
左フェンダー取付ブラケット25で左フロントフェンダー27を支え、右フェンダー取付ブラケット26で右フロントフェンダー(図示せず)を支える。
加えて、左右のフェンダー取付ブラケット25,26でエンジンフード29を支える。
さらに、前記右フロントフェンダーは、左フロントフェンダー27と左右対称の部材である。よって、左フロントフェンダー27について説明して右フロントフェンダーの説明を省略する。
左フェンダー取付ブラケット25は、エンジンフード29を支えるフード支え部31を備えるとともに、左フロントフェンダー27を支えるフェンダー支え部32を備える。
フード支え部31は、エンジンフード29を閉じた状態に支えるとともにエンジンフード29を閉じる際の衝撃で変形することを防ぐように構成されている。
前下取付片41は、前壁37の下端部から左アッパーメンバー16の上面16bに沿って前向きに折り曲げられている。
前上取付片43は、前壁37の上部から車体前方に向けて略平行に折り曲げられている。
側壁39の下端部には、横下取付片42が左アッパーメンバー16の上面16bに沿って横向きに折り曲げられている。
なお、側壁39は、後述するフェンダー脚部61の主要部位を構成する。
これにより、フード脚部34の前壁37が、傾斜壁38および側壁39とともに左アッパーメンバー16から立ち上げた状態で取り付けられる。
壁部40を前壁37、傾斜壁38および側壁39で断面略L字状に形成することで、フード脚部34に上方から荷重が作用した際に、フード脚部34の強度・剛性を確保することが可能である。
フード脚部34の上部34aに設けられた前上取付片43と、側壁39の取付部位39aにフード載せ部35が、一例としてスポット溶接で取り付けられている。
取付部位39aは、側壁39の上部(すなわち、フェンダー脚部61の上部)61aからH寸法だけ下方の部位である。
支えブラケット45は、載せ部材46を支える水平部位48と、フード脚部34や側壁39に接合する接合部位49とを備える。
後水平部位51には、車体前後方向に所定間隔D1をおいて前後の開口部53,54が形成されている。
前水平部位52には、載せ部材46を取り付ける取付孔55が形成されている。
この接合部位49は、側壁39の取付部位39aに重ねて取り付けられる。
具体的には、接合部位49の第1接合部位49aが、取付部位39aのうちの隆起部位39bにスポット溶接される。
また、接合部位49の第2接合部位49bが、取付部位39aのうちの隆起部位39bの前方の部位39c(以下、「前方部位39c」という)にスポット溶接される。
接合部位49を側壁39の取付部位39aに重ねて取り付けた理由については、図6で詳しく説明する。
この取付孔55に、ゴム製の載せ部材46が取り付けられる。
載せ部材46は、取付孔55に差し込み可能な円柱状の基部46aと、基部46aの周壁から突出させた突片46bと、基部46aの上部に設けられた円柱状の突出部46cとを備える。
突片46bは取付溝55aに差し込み可能に形成されている。突出部46cは、取付孔55より大径に形成されている。
取付孔55の周縁55bに突出部46cの下部46dが当接した状態で、載せ部材46を所定角度(一例として、180度)だけ回転して突片46bを取付溝55aからずらす。これにより、載せ部材46が取付孔55に取り付けられる。
この状態で、載せ部材46の突出部46cは、前水平部位52から鉛直方向上向きに突出した状態に配置される。
突出部46cの頂部46eにエンジンフード29を載せることで、フード支え部31でエンジンフード29を閉じた状態に支えることができる。
よって、エンジンフード29を閉じる際の衝撃でフード支え部31が変形することを防ぐことが可能である。
フェンダー支え部32は、フード脚部34(具体的には、前壁37)に傾斜壁38を介して連続し、かつ前壁37に略直交させた側壁39が左アッパーメンバー16から立ち上げられ、側壁39の上部61aに、左フロントフェンダー27を載せるフェンダー載せ部62が略水平に折り曲げられて片持ち状に設けられたものである。
側壁39は、板状のフェンダー脚部61の主要構成部位である。
前述したように、横下取付片42は左アッパーメンバー16の上面16bに沿って横向きに折り曲げられている。
これにより、フェンダー脚部61の側壁39が左アッパーメンバー16から立ち上げた状態で取り付けられる。
フェンダー脚部61の上部61aにフェンダー載せ部62が設けられる。よって、フェンダー載せ部62は、フード載せ部35に対してH寸法だけ上方に配置される。
フェンダー載せ部62の裏面には、前後の開口部63,64に対して同軸上に前後のナット65,65が溶接されている。
なお、前後のナット65,65を前後の開口部53,54に収納可能に形成した理由については図6で詳しく説明する。
これにより、左アッパーメンバー16から立ち上げられたフェンダー支え部32で、左フロントフェンダー27を支えることができる。
よって、側壁39の取付部位39aは接合部位49で補強される。これにより、側壁39は、取付部位39aと、取付部位39aの上方の部位39d(以下、「上方部位39d」という)との境界部位71(図6参照)において、上方部位39dを良好に変形させることが可能になる。
フェンダー載せ部62に左フロントフェンダー27の取付部27bを載せ、前後のボルト69,69・ナット65,65でフェンダー載せ部62に取付部27bを取り付けることで、フェンダー支え部32で左フロントフェンダー27を支える。
よって、上方部位39dが上方からの衝撃で変形した(潰れた)際に、前後のナット65,65を前後の開口部53,54にそれぞれ入り込ませること(逃がすことで)が可能になる。
これにより、フェンダー脚部61の変形量(潰し量)を十分に確保することができる。
側壁39の取付部位39aは接合部位49で補強される。よって、前述したように、取付部位39aと上方部位39dとの境界部位71で上方部位39dを良好に変形させることができる。
したがって、フード支え部31でエンジンフード29を保持しながら、左フロントフェンダー27に作用した衝撃を良好に吸収することができる。
よって、取付溝55aを起点にして取付孔55の周縁55b(図4も参照)が下方に折り曲げられて、突出部46cが取付孔55を通過して下方に落下する。
これにより、エンジンフード29を変形させてエンジンフード29に作用した衝撃力を吸収することができる。
このフード支え部31でエンジンフード29を支えることで、通常の車両のようにフロントバルクヘッド23のアッパーフレーム23a(図1参照)を車幅方向に略水平に延ばして、延ばした部位でエンジンフード29を支える必要がない。
これにより、ヘッドライト75の形状や、その周辺の部材の形状などが、アッパーフレーム23aから略水平に延びる部材で限定されることがなく、ヘッドライト75やその周辺のデザインの自由度を高めることができる。
これにより、フード脚部34やフェンダー脚部61でエンジンフード29や左フロントフェンダー27をそれぞれ良好に支えることができ、エンジンフード29や左フロントフェンダー27の剛性感が得られる。
これにより、エンジンフード29や左フロントフェンダー27に衝撃が作用した際に、それぞれの載せ部35,62を良好に変形させて衝撃を吸収することができる。
図7(a),(b)は第1実施の形態に係る車体前部構造においてエンジンフードを閉じる例を説明する図である。
(a)において、エンジンフード29を開放した状態から、フード支え部31に向けて矢印Aの如く閉じる(下降する)。
よって、突出部46cにエンジンフード29から衝撃力F1が作用する。
ここで、フード脚部34の前壁37は、傾斜壁38および側壁39とともに断面略L字状に形成され、必要な強度・剛性が保たれている。
(a)において、左フロントフェンダー27およびエンジンフード29の上方から障害物76が衝突した場合、左フロントフェンダー27およびエンジンフード29に亘って衝撃力F2が作用することが考えられる。
同時に、残りの衝撃力が、エンジンフード29を介して載せ部材46の突出部46cに伝わる。
ここで、支えブラケット45の接合部位49が側壁39の取付部位39aに重ねて取り付けられている。
よって、片持ち支持状のフード載せ部35が変形するとともに、(a)に示す取付溝55aを起点にして取付孔55の周縁55bが下方に折り曲げられる。
周縁55bが下方に折り曲げられることで、突出部46cが取付孔55を通過して載せ部材46が矢印Bの如く下方に落下する。
フード載せ部35が変形し、載せ部材46が下方に落下すると同時に、エンジンフード29が変形する。
図9は本発明に係る左フェンダー取付ブラケット(第2実施の形態)のフード載せ部を示す斜視図である。
第2実施の形態の左フェンダー取付ブラケット80は、第1実施の形態のフード載せ部35に代えてフード載せ部81を備えたもので、その他の構成は第1実施の形態と同じである。
支えブラケット82は、第1実施の形態に備えた支えブラケット45の取付孔55から取付溝55a(図4参照)を除去したもので、その他の構成は支えブラケット45と同じである。
載せ部材83は、取付溝83bを取付孔55の周縁55bに係合させることで、周縁55bに取り付けられる。
この状態で、突出部83cが周縁55bの上方に突出し、突出部83cにエンジンフード29が載せられる(図10(a)参照)。
これにより、支えブラケット82に対する載せ部材83の突出高さを容易に調整することができる。
この際、左フェンダー取付ブラケット80は、第1実施の形態と同様に、フード支え部で衝撃力を受けることができる。
(a)において、左フロントフェンダー27およびエンジンフード29の上方から障害物76が衝突した場合、左フロントフェンダー27およびエンジンフード29に亘って衝撃力F2が作用することが考えられる。
同時に、残りの衝撃力が、エンジンフード29を介して載せ部材83の突出部83cに伝わる。
上方部位39dやフェンダー載せ部62が変形すると同時に、左フロントフェンダー27の鉛直部27aなどが変形する(潰れる)。
一方、載せ部材83の突出部83cに衝撃力が伝わることで、フード載せ部81やエンジンフード29が変形する。
Claims (1)
- 車体前後方向に延びる左右のアッパメンバーが設けられ、左右のアッパメンバーにフェンダー取付ブラケットがそれぞれ設けられ、左右のフェンダー取付ブラケットで左右のフロントフェンダーを支える車体前部構造において、
前記フェンダー取付ブラケットは、
前記アッパーメンバーから立ち上げられた板状であり、車体幅方向を向いて配置されたフード脚部と、このフード脚部に連続し、フード脚部と一体であり、フード脚部に対し略直交させるように車体前後方向を向いて配置され、前記アッパメンバーから立ち上げられた板状のフェンダー脚部とからなり、アッパメンバー上に立ち上げられるように設けられて横断平面が略L字状であり、
車幅方向を向いて配置された前記フード脚部の上部には、エンジンフードを載せるフード載せ部が片持ち状に設けられたフード支え部を備え、
前記車体前後方向に配置されたフェンダー脚部の上部で、フード支え部よりも上方の位置には、前記フロントフェンダーを載せるフェンダー載せ部が片持ち状に設けられたフェンダー支え部を備え、
前記フード載せ部は、前記フェンダー載せ部の下方に位置し、前記フェンダー脚部の取付部位に重ねて取り付けられる接合部位を備えた、
ことを特徴とする車体前部構造。
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