JP6135336B2 - フェンダーホルダ周辺構造 - Google Patents

Description

本発明は、車両前方部のフェンダー等を固定するためのフェンダーホルダ周辺構造に関する。

車両のヘッドランプを固定する部材は、ヘッドランプの車両後方に配置されることが多い。例えば、フロントピラーから車両前方に延びるカウリングサイドパネル（メンバ）もしくはフェンダエプロンパネル（メンバ）等が、ヘッドランプの後方に配置され、ヘッドランプの固定点の一つ、フェンダーの固定点の一つ、バンパーの固定点の一つを担っている構造がある。

これらの固定点を設けるために、カウリングサイドパネルは車両前後方向だけでなく、上下方向にも広がるように構成されるため、大きな部材となる。その結果、重量が大きくなることが問題となる。

ヘッドランプ等を固定する車両前方の構造は、例えば特許文献１に開示されたものが知られている。この例は、ヘッドライトと、バンパフェイスとを支持するフロントバンパービームアッシを備えている。このフロントバンパービームアッシが、フロントアッパビームの車体中心側端部に、フロントバルクヘッドの角部上面に結合するフロントアッパビームブラケットを位置決めして固定されている。

特開２０１２−０６２０１７号公報

ヘッドランプやフェンダー等を固定する部材は、小さいことが望ましい。さらに軽量化されていることが望ましい。しかし、上述の例では、小さく且つ軽量化は難しい。また、ヘッドランプやフェンダー等を固定するための部材の部品点数は少ない方がよい。

また、さらにヘッドランプの車両後方の構造としては、フェンダーが樹脂製の場合、ベカを押さえる必要がある。また、リレーボックス等を配置するときに、車幅方向に狭いレイアウトに対応させる必要がある。また、フードラッチケーブルやフードプロップ等の配線を固定するための固定点を設ける必要がある。さらに、ヘッドランプについて歩行者保護を考慮する必要もある。

本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フェンダー等の位置精度を確保しつつ、コンパクトなフェンダーホルダ周辺構造を提供することである。

上記目的を達成するため本発明に係るフェンダーホルダ周辺構造は、車両前方の側部フレームの車両上方に配置されたフェンダーホルダの周辺構造であって、前記フェンダーホルダの車両前方には、ヘッドランプ及びバンパーが配置され、前記フェンダーホルダの車幅方向外側には、フェンダーが配置されるフェンダーホルダ周辺構造において、前記側部フレームには、車両前方に向かうに従い下方に傾斜する傾斜部が設けられ、前記フェンダーホルダは、前記傾斜部の傾斜に沿うように第１部が設けられ、前記第１部の車両後方部から車両前方に延びるように第２部が設けられ、前記第１部の車両前方部から前記第２部の車両前方部に延びるように第３部が設けられ、前記第１部は前記側部フレームに固定され、前記第２部及び前記第３部は前記フェンダーを固定するように構成されている。

また、本発明に係るフェンダーホルダ周辺構造は、前記第３部に、または、前記第３部と前記フェンダーとを固定する部分に隣接する前記フェンダーに、前記ヘッドランプが固定されるランプ固定部が設けられている。

さらに、本発明に係るフェンダーホルダ周辺構造は、前記フェンダーホルダの車幅方向外側には、車幅方向外側に突出するリブが設けられている。

しかも、本発明に係るフェンダーホルダ周辺構造は、前記第１部には下方に面する第１面が形成され、前記第２部には上方に面する第２面が形成され、前記第３部には車両前方に面する第３面が形成され、前記第１面には前記側部フレームに固定されるフレーム固定部が設けられ、前記第３面には前記フェンダーを固定するフェンダー固定部が設けられている。

また、本発明に係るフェンダーホルダ周辺構造は、前記第２部の車両前方部及び前記第３部の車両上方部で形成される角部には、前記フェンダーが車両上下方向に締結され、前記第３部には、前記フェンダーが車幅方向に締結される。

さらに、本発明に係るフェンダーホルダ周辺構造は、前記ヘッドランプの車両上下方向の上方には、バンパーアブソーバーが配置され、前記バンパーアブソーバーは、前記フェンダーホルダの車両前方で、前記第２部の車両前方部及び前記第３部の車両上方部で形成される角部に隣接するように固定される。

また、本発明に係るフェンダーホルダ周辺構造は、前記角部には、前記フェンダー、前記ヘッドランプ及び前記バンパーアブソーバーを、前記フェンダーホルダに共締めするように構成された固定部が設けられている。

本発明によれば、車両前方の側部フレームの車両上方に配置されたフェンダーホルダの周辺構造であって、前記フェンダーホルダの車両前方には、ヘッドランプ及びバンパーが配置され、前記フェンダーホルダの車幅方向外側には、フェンダーが配置されるフェンダーホルダ周辺構造において、前記側部フレームには、車両前方に向かうに従い下方に傾斜する傾斜部が設けられ、前記フェンダーホルダは、前記傾斜部の傾斜に沿うように第１部が設けられ、前記第１部の車両後方部から車両前方に延びるように第２部が設けられ、前記第１部の車両前方部から前記第２部の車両前方部に延びるように第３部が設けられ、前記第１部は前記側部フレームに固定され、前記第２部及び前記第３部は前記フェンダーを固定するように構成されているので、側部フレーム（カウリングサイドパネル等）の前端をヘッドランプの位置まで小さくでき、第２部及び第３部が延びる２方向でフェンダーを位置決め且つ固定することができる。このため、フェンダーの位置精度を確保できる。さらに、ヘッドランプに車両前方からの荷重が作用するときに、フェンダーホルダの変形、さらには破壊で、ヘッドランプの後退を可能にする。

また、本発明によれば、前記第３部に、または、前記第３部と前記フェンダーとを固定する部分に隣接する前記フェンダーに、前記ヘッドランプが固定されるランプ固定部が設けられているので、フェンダーホルダを基準に、もしくはフェンダーを介して間接的に、ヘッドランプを位置決めかつ固定できる。このため、フェンダーとランプの隙・段差・見切りを安定することが可能になる。さらに、第３部は、車両上下方向に延びるので、第３部の上下方向に複数取り付けて、これらでヘッドラップを固定することで、重量のあるヘッドランプを確実に固定することができる。

また、本発明によれば、前記フェンダーホルダの車幅方向外側には、車幅方向外側に突出するリブが設けられているので、人がフェンダーを押してフェンダーが凹むときに、リブが途中で凹みを支えるので、品質感が向上する。また、リブの面方向に剛性が向上するので、フェンダーホルダの変形を低減することができ、特にヘッドランプの固定における変位低減の効果が向上する。

また、本発明によれば、前記第１部には下方に面する第１面が形成され、前記第２部には上方に面する第２面が形成され、前記第３部には車両前方に面する第３面が形成され、前記第１面には前記側部フレームに固定されるフレーム固定部が設けられ、前記第３面には前記フェンダーを固定するフェンダー固定部が設けられているので、第１部から第３部が形成されるフェンダーホルダは、車幅方向に幅のある面（枠）で囲まれた箱状に構成することができ、剛性が高くなる。さらに、フェンダーホルダは、側部フレームに面で結合されるため、結合が確実になり、左右に倒れにくくなる。また、第３部でのフェンダーとヘッドランプとの固定を面で行うことで、特にヘッドランプの固定を強固にし、重量のあるヘッドランプが振動等で揺れるときに、正面の面の剛性によって動きを低減することが可能になる。

また、本発明によれば、前記第２部の車両前方部及び前記第３部の車両上方部で形成される角部には、前記フェンダーが車両上下方向に締結され、前記第３部には、前記フェンダーが車幅方向に締結されるので、フェンダーの固定方向を面に垂直に設定でき、第２部及び第３部の２方向固定に加え、２方向結合により位置決め精度を向上することができる。

さらに、本発明によれば、前記ヘッドランプの車両上下方向の上方には、バンパーアブソーバーが配置され、前記バンパーアブソーバーは、前記フェンダーホルダの車両前方で、前記第２部の車両前方部及び前記第３部の車両上方部で形成される角部に隣接するように固定されるので、ヘッドランプの上にバンパーアブソーバーを設けて、これを基準にバンパーを固定できる。その結果、ヘッドランプとの隙・段差・見切りを安定させることができる。

また、本発明によれば、前記角部には、前記フェンダー、前記ヘッドランプ及び前記バンパーアブソーバーを、前記フェンダーホルダに共締めするように構成された固定部が設けられているので、フェンダー、ランプ、バンパーアブソーバーについて、フェンダーホルダの前部を１点で共締めすることができ、その結果、締結点を集約することが可能となり、さらに、３部品の位置決めの共有を図ることが可能である。

本発明に係る一実施形態のフェンダーホルダ周辺構造を有する車両の車両前方視の斜視図である。 図１のフェンダーの内側を示す斜視図である。 図２のフェンダーホルダに対して車両中心の反対側に配置されるフェンダーホルダを示す斜視図である。 図２のフェンダーホルダ等を示す概略斜視図である。 図２のフェンダーホルダの車幅方向内側にリレーボックスを配置した例を示す上面図である。

以下、本発明に係るフェンダーホルダ周辺構造の実施形態について、図面（図１〜図５）を参照しながら説明する。

図１は、本実施形態のフェンダーホルダ周辺構造を有する車両の車両前方視の斜視図である。なお、図１は、車両前方の車両外側からの見たときに（車両前方視で）右側、車室内からの車両前方を見たときに左側となるフェンダーホルダ周辺構造である。図２は、図１のフェンダー２の内側を示す斜視図である。

図３は、図２のフェンダーホルダ１に対して車両中心の反対側に配置されるフェンダーホルダ１及びその周辺を示す斜視図である。すなわち、図２は、車両前方の車両外側からの見たときに（車両前方視で）左側、車室内からの車両前方を見たときに右側となるフェンダーホルダ周辺構造である。

図４は、図２のフェンダーホルダ１等を示す概略斜視図である。図５は、図２のフェンダーホルダ１の車幅方向内側にリレーボックス４２を配置した例を示す上面図である。なお、図１以外の図は、フェンダー２は、仮想的に二点鎖線で示している。

本実施形態のフェンダーホルダ１は、樹脂製で、車両前方に配置される部材で、車両の車幅方向両側に配置される。このフェンダーホルダ１は、図２に示すように、側部フレーム３の上方に配置される。この例の側部フレーム３は、車両前方に配置される金属製のカウリングサイドパネル等である。フェンダーホルダ１の車両前方には、ヘッドランプ５及びバンパー６が配置される。ヘッドランプ５は、図１に示すように、バンパー６に囲われるように配置される。

また、図２に示すように、フェンダーホルダ１の車幅方向外側には、樹脂製のフェンダー２が配置される。ヘッドランプ５の車両上下方向の上方で、バンパー６の内側（下方）には、樹脂製のバンパーアブソーバー７が配置されている。

側部フレーム３は、鉄製の部材で、車両前方に向かうに従い車両上下方向の下方に傾斜する傾斜部４が設けられている。

さらに、フェンダーホルダ１の車幅方向外側には、車幅方向外側に突出するリブ８が取り付けられている。リブ８の詳細は後述する。

フェンダーホルダ１は、車幅方向に厚みがある箱状の部材である。車幅方向外側視で輪郭を形成する部分は、三つの部、すなわち、第１部１１、第２部１２及び第３部１３を有する。これら第１部１１〜第３部１３を、車幅方向視（横方視）すると略三角形の辺をなす。三角形として捉える場合、第１部１１は仮想的な一辺となり、傾斜部４が一辺に相当する。

これらの第１部１１〜第３部１３に囲われた部分には、格子が形成されている。この格子状に形成することで剛性を保ちつつ軽量化することができる。第１部１１は、傾斜部４の傾斜に沿うように設けられる。第１部１１は、傾斜部４に接触する部分と、傾斜部４に対して車両上方に間隔をあけて延びる部分とから形成されている。

第２部１２は、第１部１１の車両後方部から車両前方に延びるように設けられる。すなわち、第２部１２は、フェンダーホルダ１の上部でほぼ水平に延びている部分である。第３部１３は、第１部１１の車両前方部から第２部１２の車両前方部までほぼ鉛直に延びるように設けられる。すなわち、第２部１２と第３部１３とでほぼ垂直に交わるように構成される。

第１部１１は、側部フレーム３に固定され、第２部１２及び前記第３部１３はフェンダー２を固定するように構成されている。

第１部１１には、車両下方に面する第１面２１が形成される（図３、図４）。この第１面２１には、フレーム固定部３５が設けられ、図２に示すように、側部フレーム３の傾斜部４にボルトやビス等の締結部材で車両上下方向に固定される。第２部１２には、車両上方に面する第２面２２が形成さている。この第２面２２上には、フェンダー２を車両上下方向に固定するための第１のフレーム固定部３１が設けられている。第１のフレーム固定部３１は、第２部１２における車両後方に設けられている。この第１のフレーム固定部３１は、頭部保護のためにフェンダー２の弾性変形をしやすくするために、折り曲げられた形状で、この例では、車両前後方向の断面が「く」の字形状をなしている。

第３部１３には、車両前方に面する第３面２３が形成される。この第３面２３には、フェンダー２を固定するフェンダー固定部が２箇所、すなわち、第２のフェンダー固定部３２及び第３のフェンダー固定部３３が設けられている。第２及び第３のフェンダー固定部３２、３３は、車両上下方向に互いに間隔をあけて設けられている。この例のフェンダー固定部は、合計三つ設けられている。

第３部１３に設けられた第２のフェンダー固定部３２は、車幅方向に貫通する貫通穴が設けられ、この貫通穴に締結部材を挿入することにより締結される。

第３のフェンダー固定部３３は、車幅方向に貫通する貫通穴が設けられ、この貫通穴に締結部材を挿入することにより締結される。すなわち、第３のフェンダー固定部３３は、第３部１３に対して、車幅方向にフェンダー２に締結される。また、第３のフェンダー固定部３３は、フェンダーホルダ１及びフェンダー２との間の位置決めするための位置決め部（ピン）も設けられている。すなわち、第３のフェンダー固定部３３は、フェンダー２を位置決めする機能も備えている。

また、第３部１３とフェンダー２とを固定する部分、この例では、第３のフェンダー固定部３３に隣接するフェンダー２には、ランプ固定部３６が設けられている。この例では、第３のフェンダー固定部３３の貫通穴及び位置決め部の間に設けられている（図２）。このランプ固定部３６は、車幅方向に貫通する穴が設けられ、この穴に締結部材を通して固定するように構成されている。また、このランプ固定部３６には、ヘッドランプ５を位置決めするための位置決め部も設けられている。すなわち、このランプ固定部３６は、ヘッドランプ５を位置決めする機能も有している。

ヘッドランプ５の位置決め部は、第２部１２及び第３部１３で形成される角部１４にも設けられている（図２、図５）。角部１４には、車両上下方向に貫通する貫通穴が設けられ、この貫通穴にピン等を挿入することによりヘッドランプ５の位置決めがなされる。この位置決め部に隣接するようにヘッドランプ５を固定するための共締め固定部３４が設けられている。共締め固定部３４は、後で説明する。当該角部１４には、車両上下方向にヘッドラップが締結される。

リブ８は、フェンダーホルダ１の車幅方向外側に、車幅方向外側に突出するように複数取り付けられている。これらのリブ８は、フェンダーホルダ１の第２部１２の車両前後方向の中央付近に、互いに車両前後方向間隔をあけて取り付けられている。これらのリブ８は、車両前方に面する板状で、これらのリブ８の車幅方向外側はフェンダー２に漸近するように配置される。当該リブ８は、リブ８の車幅方向外側の位置と、側部フレーム３の車幅方向の最も外側の位置とが、ほぼ同じになるように形成されている。

バンパーアブソーバー７は、フェンダーホルダ１の車両前方部で、第２部１２及び第３部１３で形成される角部１４に隣接するように固定される。

第２部１２及び第３部１３で形成される角部１４に隣接する部分には、共締め固定部３４が設けられている。この共締め固定部３４は、車両上下方向に貫通する貫通穴が設けられ、この貫通穴に締結部材を挿入することで、フェンダーホルダ１、フェンダー２、ヘッドランプ５及びバンパーアブソーバー７を、互いに共締めすることができる。

さらに、本実施形態のフェンダーホルダ周辺構造は、詳細な図示は省略するが、バンパー６とフェンダー２との固定部、バンパー６とバンパーアブソーバー７との固定部、並びにバンパーアブソーバー７とヘッドランプ５との固定部等を有している。

バンパー６とフェンダー２との固定部は、バンパー６の車幅方向端に設けられ、車両上下方向に貫通する貫通穴が形成されている。この貫通穴に締結部材を取り付けて、バンパー６及びフェンダー２を互いに固定する。

バンパー６とバンパーアブソーバー７との固定部は、バンパーアブソーバー７の上方に数か所設けられている。各固定部には、車両上下方向に貫通する貫通穴が形成されている。この貫通穴に締結部材を取り付けて、バンパー６及びバンパーアブソーバー７を互いに固定する。

バンパーアブソーバー７とヘッドランプ５との固定部は、バンパーアブソーバー７の車幅方向端に設けられ、車両上下方向に貫通する貫通穴が形成されている。この貫通穴に締結部材を取り付けて、バンパーアブソーバー７及びヘッドランプ５を互いに固定する。

また、フェンダーホルダ１の車幅方向外側でフェンダー２の内側には、ウォッシャータンク４１が配置されている。このウォッシャータンク４１は、図３に示すように、車両前方視で左側のフェンダーホルダ１の車幅方向外側に配置されている。このウォッシャータンク４１は車幅方向に延びる締結部材によりフェンダーホルダ１に固定されている。ウォッシャータンク４１を固定するタンク固定部４６は、フェンダーホルダ１の格子が形成される部位に設けられている。図３では、タンク本体はフェンダーホルダ１の紙面奥側に配置されるため、詳細は省略している。

フェンダーホルダ１の車幅方向内側には、図５に示すように、リレーボックス４が固定されている。このリレーボックス４２の車幅方向面が、フェンダーホルダ１の車幅方向面に対向するように固定されている。また、図３及び図４に示すように、フェンダーホルダ１には、配線固定部が設けられている。この例では、ハーネス固定部４３、フードラッチケーブル固定部４４、フードプロップ固定部４５等がある。

以上の説明からわかるように本実施形態のフェンダーホルダ周辺構造によれば、カウリングサイドパネル等の側部フレーム３の前端をヘッドランプ５の位置まで小さくでき、第２部１２及び第３部１３の直角２方向の辺でフェンダー２を位置決め且つ固定することができる。このため、フェンダー２の位置精度を確保できる。さらに、ヘッドランプ５に車両前方からの荷重が作用するときに、フェンダーホルダ１が変形、さらには破壊することにより、ヘッドランプ５の後退を可能にする。

また、フェンダーホルダ１の取付点が傾斜部４であるため、ヘッドランプ５が後退するときに、上方へ移動することが可能となる。さらに大きな荷重に対しては、高剛性のカウルサイドパネルが吸収することができる。

また、第３のフェンダー固定部３３に隣接するフェンダー２にランプ固定部３６を設けられるので、フェンダーホルダ１を基準に、ヘッドランプ５を位置決めかつ固定できる。このため、フェンダー２とランプの隙・段差・見切りを安定することが可能になる。また、ヘッドランプ５との見切りであるフェンダー２の前縁の位置と、第２部１２の辺の位置を合わせることにより、第２部１２の剛性によりフェンダー２の前縁の取付剛性を確保することができるので、この部分でのフェンダー２の変形（ベカつき）を低減することができる。

さらに、第３部１３は、車両上下方向に延び、第３部１３の上部でもヘッドランプ５を位置決め固定できるため、ランプ固定部３６と共に上下２箇所で固定することで、重量のあるランプを確実に固定できる。

さらに、フェンダーホルダ１の車幅方向外側には、車幅方向外側に突出するリブ８が設けられているので、人がフェンダー２を押してフェンダー２が凹むときに、リブ８が途中で凹みを支えるので、品質感が向上する。

また、リブ８の面方向に剛性が向上するので、フェンダーホルダ１の変形を低減することができ、特にヘッドランプ５の固定における変位低減の効果が向上する。

さらに、第１部１１〜第３部１３が形成されるフェンダーホルダ１は、車幅方向に幅のある面（枠）で囲まれた箱状に構成することができ、剛性が高くなる。さらに、フェンダーホルダ１は側部フレーム３に第１面２１で結合されるため、結合が確実になり、左右に倒れにくくなる。また、第３部１３でのフェンダー２とヘッドランプ５との固定を第３面２３で行うことで、特にヘッドランプ５の固定を強固にし、重量のあるヘッドランプ５が振動等で揺れるときに、正面の第３面２３の剛性によって動きを低減することが可能になる。

また、フェンダー２の固定方向を面に垂直に設定でき、第２部１２及び第３部１３の２方向固定に加え、２方向結合により位置決め精度を向上することができる。

さらに、ヘッドランプ５の上にバンパーアブソーバー７を設けることで、これを基準にバンパー６を固定できる。その結果、ヘッドランプ５との隙・段差・見切りを安定させることができる。バンパーアブソーバー７の固定は、角部１４付近に設けることができ、剛性を大きくすることができる。更にフェンダーホルダ１が高剛性の箱状であるため、固定効果がさらに向上する。

また、フェンダー２、ヘッドランプ５、バンパーアブソーバー７について、フェンダーホルダ１の前部を１点で共締めすることができる。その結果、締結点を集約することが可能となり、さらに、３部品の位置決めの共有を図ることが可能である。

また、ウォッシャータンク４１が上記のようにフェンダーホルダ１に固定されているので、ウォッシャータンク４１の容量を最大限に大きくすることができる。さらに、給水配管も容易に設定することが可能になる。

また、フェンダーホルダ１の車幅方向内側には、箱状部品（リレーボックス４２）の車幅方向面がフェンダーホルダ１の車幅方向面に対向するように固定されているので、空間効率を向上させることが可能になる。リレーボックス４２をフェンダーホルダ１に結合する場合には、振動対策としても有効である。

また、フェンダーホルダ１には、配線固定部が設けられているので、電気ケーブルやワイヤーケーブルの配線、配索を容易にし、固定点も設けることができる。このため、エンジンルームの空間利用が向上し、固定を確実にし、ケーブルの他部品との接触、振動の揺動などを低減することが可能になる。

上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。

例えば、上記の実施形態では、ランプ固定部３６は、第３のフェンダー固定部３３に隣接するフェンダー２に設けられているがこれに限らない。例えば、第３部１３に直接設けられてもよい。この場合、フェンダーホルダ１を基準にヘッドランプ５を位置決め且つ固定できる。また、フェンダー２は樹脂に限らず、例えば板金でもよい。

１ フェンダーホルダ
２ フェンダー
３ 側部フレーム
４ 傾斜部
５ ヘッドランプ
６ バンパー
７ バンパーアブソーバー
８ リブ
１１ 第１部
１２ 第２部
１３ 第３部
１４ 角部
２１ 第１面
２２ 第２面
２３ 第３面
３１ 第１のフレーム固定部
３２ 第２のフェンダー固定部
３３ 第３のフェンダー固定部
３４ 共締め固定部
３５ フレーム固定部
３６ ランプ固定部
４１ ウォッシャータンク
４２ リレーボックス
４３ ハーネス固定部
４４ フードラッチケーブル固定部
４５ フードプロップ固定部
４６ タンク固定部

Claims (7)

1. 車両前方の側部フレームの車両上下方向の上方に配置されたフェンダーホルダの周辺構造であって、
   前記フェンダーホルダの車両前方には、ヘッドランプ及びバンパーが配置され、前記フェンダーホルダの車幅方向外側には、フェンダーが配置されるフェンダーホルダ周辺構造において、
   前記側部フレームには、車両前方に向かうに従い下方に傾斜する傾斜部が設けられ、
   前記フェンダーホルダは、前記傾斜部の傾斜に沿うように第１部が設けられ、前記第１部の車両後方部から車両前方に延びるように第２部が設けられ、前記第１部の車両前方部から前記第２部の車両前方部に延びるように第３部が設けられ、
   前記第１部は前記側部フレームに固定され、前記第２部及び前記第３部は前記フェンダーを固定するように構成されていることを特徴とするフェンダーホルダ周辺構造。
2. 前記第３部に、または、前記第３部と前記フェンダーとを固定する部分に隣接する前記フェンダーに、前記ヘッドランプが固定されるランプ固定部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載のフェンダーホルダ周辺構造。
3. 前記フェンダーホルダの車幅方向外側には、車幅方向外側に突出するリブが設けられていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のフェンダーホルダ周辺構造。
4. 前記第１部には車両上下方向の下方に面する第１面が形成され、前記第２部には上方に面する第２面が形成され、前記第３部には車両前方に面する第３面が形成され、
   前記第１面には前記側部フレームに固定されるフレーム固定部が設けられ、前記第３面には前記フェンダーを固定するフェンダー固定部が設けられていることを特徴とする請求項２または請求項３に記載のフェンダーホルダ周辺構造。
5. 前記第２部の車両前方部及び前記第３部の車両上方部で形成される角部には、前記フェンダーが車両上下方向に締結され、前記第３部には、前記フェンダーが車幅方向に締結されることを特徴とする請求項４に記載のフェンダーホルダ周辺構造。
6. 前記ヘッドランプの車両上下方向の上方には、バンパーアブソーバーが配置され、
   前記バンパーアブソーバーは、前記フェンダーホルダの車両前方で、前記第２部の車両前方部及び前記第３部の車両上方部で形成される角部に隣接するように固定されることを特徴とする請求項２または請求項５に記載のフェンダーホルダ周辺構造。
7. 前記角部には、前記フェンダー、前記ヘッドランプ及び前記バンパーアブソーバーを、前記フェンダーホルダに共締めするように構成された固定部が設けられていることを特徴とする請求項６に記載のフェンダーホルダ周辺構造。

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