JP4453763B2 - 電子部品とその実装構造及び実装方法 - Google Patents
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Description
すなわち、電子部品の実装時においてバンプ電極を接続電極に対して押し付けた際、コア部が接続電極の表面形状に倣って弾性変形する。これに伴い、コア部の表面に形成された導電膜も、接続電極の表面形状に倣って変形する。このため、導電膜と接続電極との接触面積が増大する。そして、導電膜と接続電極との接触状態は、保持部によって保持される。このため、導電膜と接続電極との接続信頼性が向上する。ここで、バンプ電極と接続電極との接触位置に衝撃が加わっても、バンプ電極は、弾性変形することでこの衝撃が吸収される。これにより、バンプ電極と接続電極との接触位置における高い耐衝撃性が得られる。
また、保持部とバンプ電極とを別部材で形成することにより、それぞれに対して最適材料を選択することができる。これにより、バンプ電極と接続電極との高い接続信頼性が得られる。
これにより、本発明では、拘束される箇所が片側のみなので、機能片の機械的な自由度が大きくなり、エネルギーロス(振動の逃げ、漏れ等)を最小限に抑えることが可能になる。
これにより、本発明では、片側のみの接続なので、面接続や両端接続構造と比較して、接続電極を有する基板等と機能片との間に熱膨張係数に差がある場合でも、熱応力が接続部や機能片に伝わらないので、接続寿命が長くなり電子部品としての安定性を向上させることができるとともに、基板等に対しても余計な熱応力を生じさせない。さらに、接続部を介して機能片に伝わる機械変形や熱変形による応力の影響も抑制することができる。
これにより、本発明では、支持部において機能片の振動を減衰させず、電気・機械振動のQ値(変換効率)も向上させることが可能になる。
また、本発明の電子部品は、前記機能片が、水晶片であることとしてもよい。
この発明では、機能片として水晶片を用いることで、水晶振動子を構成する。
この発明では、接着層により導電膜と接続電極とを接着させることにより、導電膜と接続電極との間の導電接触を保持する。
この発明では、電子部品の実装時においてバンプ電極を接続電極に対して押し付けた際、接着層が押し出されることによって導電膜と接続電極とが導電接触する。
この発明では、電子部品の実装時においてバンプ電極を接続電極に対して押し付けた際、導電膜が接着層から露出しているため、接着層を押し出すことなく導電膜と接続電極とを容易に導電接触させることができる。したがって、導電膜と接続電極との接続信頼性がさらに向上する。
この発明では、電子部品の実装時においてバンプ電極を接続電極に対して押し付けた際、接着層が導電膜から離間して設けられているため、上述と同様に、導電膜と接続電極とを容易に導電接触させることができる。したがって、導電膜と接続電極との接続信頼性がさらに向上する。
また、本発明の電子部品の実装方法は、先に記載の電子部品を、前記接続電極を有する基板に実装する工程を有することを特徴とするものである。
これにより、本発明では、バンプ電極と接続電極との接触位置における高い耐衝撃性が得られるとともに、保持部とバンプ電極とを別部材で形成することにより、それぞれに対して最適材料を選択することができ、バンプ電極と接続電極との高い接続信頼性が得られる。さらに、本発明では、機能片を片持ち支持することにより、機能片の機械的な自由度が大きくなり、エネルギーロス(振動の逃げ、漏れ等)を最小限に抑えることが可能になり、また、接続寿命が長くなり電子部品としての安定性を向上させることができるとともに、基板等に対しても余計な熱応力を生じさせず、接続部を介して機能片に伝わる機械変形や熱変形による応力の影響も抑制することができる。
以下、本発明における電子部品の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。ここで、図1は水晶振動子を備える水晶振動子パッケージを示す断面図、図2は図1の平面図、図3は水晶振動子を示す斜視図である。
水晶振動子1は、図1から図3に示すように、水晶片(機能片)11と、水晶片11を励振する一対の励振電極12、13と、バンプ電極14と、接着層(保持部)15とを備えている。
一対の励振電極12、13それぞれは、例えばAl(アルミニウム)などの導電材料で形成されており、水晶片11の一面に形成されている。そして、励振電極12は、水晶片11の一面(図1中、下面)において基部21から腕部22にわたって形成されている。また、励振電極13は、水晶片11の一面において基部21から腕部23にわたって形成されている。
また、樹脂コア24は、図3に示すように、水晶振動子1を容器本体31に実装する前において、ほぼ蒲鉾状に形成されており、基部21の一面において一対の腕部22、23それぞれの延在方向とほぼ直交する方向に沿って延在している。ここで、ほぼ蒲鉾状とは、水晶片11に接する内面(底面)が平面であると共に、非接触である外面側が湾曲面となっている柱状形状をいう。具体的に、ほぼ蒲鉾状とは、横断面がほぼ半円状やほぼ半楕円状、ほぼ台形状であるものが挙げられる。
なお、樹脂コア24は、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術によって形成されている。なお、樹脂コア24の材質(硬度)や形状については、接続電極33、34それぞれの形状などによって適宜選択、設計される。
そして、導電膜26は、励振電極13と連続して形成されており、励振電極13と導通している。また、導電膜26は、水晶振動子1を容器本体31に実装した後において、樹脂コア24が弾性変形することで接続電極34の表面形状に倣って変形しており、接続電極34と導電接触している。
ここで、導電膜25、26が積層構造を有する場合には、その最外層がAuで形成されていることが望ましい。
より詳細には、水晶振動子1は、水晶片11の振動特性に基づき、当該水晶片11が振動した際の振幅が最小となる振動の節となる位置に、上記導電接触部が片持ち支持部として設けられた構成となっている。
容器本体31は、ほぼ箱状に形成されており、例えばセラミックスなどの絶縁材料で形成されている。そして、容器本体31の底部の上面には、接続電極33、34が形成されている。また、容器本体31の底部の下面には、回路基板(図示略)などに実装する際の端子電極35、36が形成されている。
接続電極33、34それぞれは、例えばW膜上に形成されたNiめっき層上にAu膜を積層した構成ように金属などの導電材料で形成されており、容器本体31に形成された配線(図示略)を介して端子電極35、36それぞれに接続されている。
蓋体32は、容器本体31と同様に、例えばセラミックスなどの絶縁材料で形成されている。そして、蓋体32は、容器本体31の開口部にロウ付けなどにより接合されており、容器本体31との間に形成される空間内に水晶振動子1を封止する。
まず、水晶振動子1に設けられたバンプ電極14を容器本体31に形成された接続電極33、34に対して接触、押圧させる(図4(a)、図4(b))。
そして、導電膜25が樹脂コア24の弾性変形に伴って接続電極33の表面形状に倣うと共に、導電膜26が接続電極34の表面形状に倣う。また、導電膜25、26を被覆する接着層15が樹脂コア24の外周面に沿って押し出されていく。このため、接着層15により被覆されている導電膜25、26それぞれの少なくとも一部は、接着層15から露出して接続電極33、34それぞれと接触する。これにより、導電膜25及び接続電極33と導電膜26及び接続電極34とが、それぞれ十分な接触面積で導電接触する。
そして、接着層15は、バンプ電極14と接続電極33、34とを接着し、導電膜25及び接続電極33と導電膜26及び接続電極34とのそれぞれの接触状態を保持する。
ここで、水晶振動子1と容器本体31との接続部分に例えば落下衝撃などの衝撃が加わった際、樹脂コア24が弾性変形してこの衝撃を吸収する。
そして、上述した水晶振動子1は、例えば図5に示すような携帯電話機100に用いられる。ここで、図5は、携帯電話機を示す斜視図である。
この携帯電話機100は、表示部101、複数の操作ボタン102、受話口103、送話口104及び上記表示部101を有する本体部を備えている。
次に、本発明における水晶振動子の第2の実施形態を、図面に基づいて説明する。ここで、図6は容器本体への実装前の水晶振動子を示す斜視図、図7は水晶振動子の容器本体への実装時におけるバンプ電極を示す断面図である。なお、本実施形態では、上述した第1の実施形態と接着層の形状が異なるため、この点を中心に説明すると共に、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
このような構成の水晶振動子110においても、水晶振動子110に設けられたバンプ電極14を容器本体31に設けられた接続電極33、34に対して接触、押圧する(図7(a)、図7(b))。
そして、導電膜25が樹脂コア24の弾性変形に伴って接続電極33の形状に倣うと共に、導電膜26が接続電極34の形状に倣う。ここで、導電膜25、26それぞれの一部が接着層111から露出しているため、バンプ電極14を接続電極33、34に接触させたときに導電膜25、26それぞれと接続電極33、34それぞれとが接触する。
そして、接着層111は、バンプ電極14と接続電極33、34とを接着し、導電膜25及び接続電極33と導電膜26及び接続電極34とのそれぞれの接触状態を保持する。
以上のようにして、水晶振動子110を容器本体31内に実装する。
次に、本発明における水晶振動子の第3の実施形態を、図面に基づいて説明する。ここで、図8は容器本体への実装前の水晶振動子を示す斜視図、図9は水晶振動子の容器本体への実装時におけるバンプ電極を示す断面図である。なお、本実施形態では、上述した第1の実施形態と接着層の形状が異なるため、この点を中心に説明すると共に、上記実施形態で説明した構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
接着層121は、樹脂コア24の延在方向に対して直交する方向において樹脂コア24を介して腕部22、23に近接する側と離間する側とに一対形成されている。そして、接着層121は、四角柱状に形成されており、導電膜25、26それぞれの外周から離間した位置において樹脂コア24に沿って延在している。
このとき、樹脂コア24は、弾性変形して接続電極33、34それぞれの形状に倣う。
そして、導電膜25が樹脂コア24の弾性変形に伴って接続電極33の形状に倣うと共に、導電膜26が接続電極34の形状に倣う。ここで、接着層121が導電膜25、26それぞれから離間して形成されているため、バンプ電極14を接続電極33、34に接触させたときに導電膜25、26それぞれと接続電極33、34それぞれとが接触する。
そして、接着層121は、バンプ電極14と接続電極33、34とを接着し、導電膜25及び接続電極33と導電膜26及び接続電極34とのそれぞれの接触状態を保持する。
以上のようにして、水晶振動子120を容器本体31内に実装する。
なお、本実施形態において、接着層121それぞれは、導電膜25、26から離間した位置に設けられていればよく、例えば環状など他の形状であってもよい。
例えば、樹脂コアの形状は、蒲鉾状に限らず、台形状であってもよい。また、1つの樹脂コアに2つの導電膜が形成されているが、2つの導電膜それぞれに対応して2つの樹脂コアを形成してもよい。このとき、樹脂コアは、半球状など、他の形状であってもよい。
また、コア部は、弾性を有していれば、樹脂材料以外の他の材料で形成されてもよい。
そして、本実施例では、水晶振動子としては音さ型のものを使用して説明してきたがこれに限ることはなく、ATカット振動子やSAW振動子等どの水晶振動子を使用しても構わない。また、水晶片を機能片として用いることで水晶振動子を構成しているが、他の圧電材料を用いて水晶振動子以外の他の電歪素子を構成してもよい。
また、上記実施形態では、電子部品として電力が供給されたときに機能片に変位が生じる電歪素子を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば磁力により機能片に変位が生じる磁歪素子も適用可能である。
さらに、水晶振動子や電歪素子は、本実施例で説明してきたような、片持ち型の構造に限らず、面接続型、両持ち構造など他の構造であってもよい。
Claims (1)
- 基部と、前記基部から第1方向に延びる第1腕部と、前記第1腕部に対して並列して前記基部から第1方向に延びる第2腕部と、を有する音叉型の水晶片を容器内に封止して形成される水晶振動子の製造方法であって、
前記第1方向に対して直交する方向に延在するように、前記基部に蒲鉾状の感光性絶縁樹脂を設ける工程と、
前記基部、前記第1腕部および前記感光性絶縁樹脂の表面に、第1導電膜を設ける工程と、
前記基部、前記第2腕部および前記感光性絶縁樹脂の表面に、第2導電膜を設ける工程と、
前記感光性絶縁樹脂の表面に設けられた前記第1導電膜および前記感光性絶縁樹脂の表面に設けられた前記第2導電膜を、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂を含む接着剤で覆う工程と、
前記水晶片を、前記容器内に設けられた第1接続電極および第2接続電極に対して押圧し前記感光性絶縁樹脂を弾性変形させるとともに、前記第1導電膜と前記第1接続電極とを接触させ、且つ前記第2導電膜と前記第2接続電極とを接触させる工程と、を含むことを特徴とする水晶振動子の製造方法。
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