JP2011182155A - 圧電デバイスと圧電デバイスの製造方法 - Google Patents

圧電デバイスと圧電デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動片の搭載状態の安定化、導通信頼性の向上を図ると共に、生産性の高い圧電デバイスを提供する。
【解決手段】ベース基板12に対して振動片26を片持ち支持する圧電デバイス10であって、ベース基板12に設けられた振動片実装パッド18a,18bと振動片26における固定端との間に、予め定められた厚みを有する支持マウント34を備え、支持マウント34を樹脂により構成したことを特徴とする。また、支持マウント34の段差面、およびベース基板12との対向面に、振動片26を構成する励振電極28a,28bと連続的に形成された金属パターンを形成し、前記金属パターンと振動片実装パッド18a,18bとを当接させるようにすると良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電デバイスに係り、特に、振動片を片持ち支持するタイプの圧電デバイスにおいて、小型化に伴う支持部からの振動漏れを防止するのに好適な圧電デバイスに関する。
ベース基板に対して振動片を表面実装する圧電デバイス(圧電振動子)は、ベース基板に付与された応力の影響を回避するために、振動片とベース基板との間に、僅かな隙間を設けるように構成される。この際、振動片はベース基板に対し、いわゆる片持ち支持により支持されることが多い。励振電極を跨ぐように支持部を設ける両持ち式の搭載方法を採用した場合、ベース基板との接続部(支点)間の距離が長くなり、ベース基板に付与された応力の影響が大きくなってしまうのに対し、片持ち支持では、接続部間の距離を短くすることができるからである。
ベース基板に対する振動片の搭載形態は、特許文献1〜4に示すように、種々の形態が提案されている。特許文献1に開示されている技術は、ベース基板上に形成された振動片実装パッド上に、導電性の支持部を形成し、この支持部を支点として導電性接着剤により励振電極と振動片実装パッドとの電気的接合を行うというものである。このような構成によれば、振動片の搭載角度のバラツキを抑制すると共に位置決めを高精度に平行出しを行うことが可能となり、信頼性と歩留まりの向上が図れる。
また、特許文献2に開示されている技術は振動片とICチップを有する発振器を対象としたものであるが、振動片の配置形態の多様化のために、振動片における支持部とベース基板との間に、絶縁性部材により構成したマウント台を配置し、このマウント台に配された金属パターンと振動片の励振電極とを導電性接着剤により電気的に接合するというものである。このような構成によれば、マウント台の高さや形状、配置位置を変えるだけで、振動片の搭載高さを変えることができ、振動片とICチップとの配置形態を定める際の設計自由度が向上する。
また、特許文献3に開示されている技術は、接着剤を介して振動片を、振動片実装パッド上に搭載し、振動片を搭載した後に金属パターンにより振動片の励振電極と振動片実装パッドとを電気的に接続するというものである。このような構成によれば、励振電極と振動片実装パッドとの間における導通信頼性を向上させることができる。また、電極間の接続状態の確認も容易となる。
さらに、振動片の接着強度の向上と高さ寸法の縮小化を図るための技術としては、特許文献4に開示されているように、バンプを用いて振動片を実装するという技術が知られている。
特開平10−22776号公報 特開2009−232150号公報 特開2009−239412号公報 特開平8−8684号公報
上記特許文献に開示されている技術によれば、振動片搭載角度の安定化、搭載形態の多様化、導通信頼性の向上、実装強度の向上といった各課題をそれぞれ解決することができると考えられる。
しかし一方で、特許文献1、2に開示されている技術では、導通信頼性が低く、特許文献3に開示されている技術では、搭載安定性を図ることができず、特許文献4に開示された技術は、薄型の振動片に採用することができないといったそれぞれの技術に対する課題を生じさせるものとなっている。
本発明では、これらの課題を解決し、振動片の搭載状態の安定化、導通信頼性の向上を図ると共に、生産性の高い圧電デバイス、および圧電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]ベース基板に対して振動片を片持ち支持する圧電デバイスであって、前記ベース基板に設けられた振動片実装パッドと前記振動片における固定端との間に、予め定められた厚みを有する支持マウントを備え、前記支持マウントを樹脂により構成したことを特徴とする圧電デバイス。
このような特徴を有する圧電デバイスによれば、振動片の搭載高さを支持マウントの厚みにより定めることができるため、搭載状態の安定化を図ることができる。
[適用例2]適用例1に記載の圧電デバイスであって、前記支持マウントの段差面、および前記ベース基板との対向面に、前記振動片を構成する励振電極と連続的に形成された金属パターンを形成し、前記金属パターンと前記振動片実装パッドとを当接させたことを特徴とする圧電デバイス。
このような特徴を有する圧電デバイスによれば、支持マウント上に金属パターンが形成されるため、金属パターンと振動片実装パッド間に導電性接着剤が介在される距離が短くなり、導通の信頼性を向上させることができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の圧電デバイスであって、前記振動片における前記固定端の反対側の端部となる自由端と前記ベース基板との間に、前記樹脂により構成した下部緩衝パッドを設けたことを特徴とする圧電デバイス。
このような構成とすることにより、自由端側における落下時の衝撃を緩和することができる。このため、振動片の自由端とベース基板との接触による欠けや割れを防ぐことができる。
[適用例4]適用例3に記載の圧電デバイスであって、前記ベース基板には、前記振動片を実装した空間を封止する蓋体が接合され、前記振動片における前記自由端と前記蓋体との間に、前記樹脂により構成した上部緩衝パッドを設けたことを特徴とする圧電デバイス。
このような構成とすることにより、自由端側における落下時の衝撃緩和効果を向上させることができる。また、このような構成によれば、蓋体と振動片の自由端との接触による欠けや割れも防ぐことが可能となる。
[適用例5]適用例2乃至適用例4のいずれか1例に記載の圧電デバイスであって、前記支持マウントの厚み方向にスリットを形成し、前記スリットに前記金属パターンを形成したことを特徴とする圧電デバイス。
このような構成とすることにより、導通信頼性の向上を図ることができる。また、実装時にスリットに導電性接着剤が入り込むことにより、物理的接合強度の向上も図ることができる。
[適用例6]ベース基板に対して振動片を片持ち支持する圧電デバイスの製造方法であって、前記振動片における前記ベース基板との対向面に、前記ベース基板に設けられた振動片実装パッドと前記振動片における固定端との間に、予め定められた厚みを確保する樹脂製の支持マウントを形成する支持マウント形成工程と、前記支持マウント形成工程の後、前記振動片に対して励振電極を含む金属パターンを形成するパターン形成工程と、前記パターン形成工程を終えた前記振動片を前記ベース基板に実装する振動片実装工程と、を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
このような特徴を有する圧電デバイスの製造方法によれば、振動片の搭載状態の安定化を図ることができる。また、支持マウントの上面に金属パターンが形成されることとなるため、ベース基板に振動片を実装する際、ベース基板と金属パターンとの間に介在される導電性接着剤の厚みが薄くできるので、導通状態の信頼性の向上を図ることができる。
[適用例7]適用例6に記載の圧電デバイスであって、前記支持マウント形成工程は、前記振動片の主面全面に樹脂膜を形成する皮膜工程と、前記樹脂により構成された前記被膜を所望形状に形成するエッチング工程と、を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
このような特徴を有する圧電デバイスの製造方法によれば、生産性を良好に保つことができる。
[適用例8]適用例6に記載の圧電デバイスであって、前記支持マウント形成工程は、前記振動片の主面に対し、樹脂をスクリーン印刷法により配置することで成されることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
このような特徴を有する圧電デバイスの製造方法によれば、段差部としての支持マウントの段差面にダレを生じさせることができる。よって、段差部による断線の発生を抑制し、電気的導通の信頼性を向上させることができる。
第1の実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す図である。 支持マウントにシリコーン系樹脂を採用した場合における熱衝撃の影響を示す応力分布図である。 支持マウントにポリイミド系シリコーン樹脂を採用した場合における熱衝撃の影響を示す応力分布図である。 支持マウントにエポキシ系樹脂を採用した場合における熱衝撃の影響を示す応力分布図である。 物性の異なる支持マウントによる熱衝撃による応力分布の結果を示すグラフである。 発明に係る圧電デバイスの製造工程を示すフロー図である。 第2の実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す図である。 第3の実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す図である。 第4の実施形態に係る圧電デバイスの構成を示す図である。 発明に係る圧電デバイスの第1の応用形態を示す図である。 発明に係る圧電デバイスの第2の応用形態を示す図である。
以下、本発明の圧電デバイス、および圧電デバイスの製造方法に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係る圧電デバイスは図1に示すように、ベース基板12と蓋体36、および振動片26を基本として構成される。なお、図1において、図1(A)は圧電デバイスの正面断面を示す構成図、図1(B)は圧電デバイスの平面構成を示す図、図1(C)は振動片とベース基板との接合部を示す部分断面拡大図である。
ベース基板12は、第1の基板14と第2の基板16により構成される。第1の基板14は、詳細を後述する振動片26を収容するキャビティを構成する枠部となる上層基板である。また、第2の基板16は、平板状に形成され、第1の基板14の下に積層される下層基板である。第2の基板16において、キャビティ側に位置することとなる第1の主面には、少なくとも振動片実装パッド18a,18bと金属パターン20が設けられる。また、第2の主面には、実装用外部端子24a,24bが設けられ、振動片実装パッド18a,18bと実装用外部端子24a,24bとは、ビアホール22a,22bや金属パターン20を介して、電気的に接続されている。
第1の基板14と第2の基板16は共にアルミナセラミックスやガラスセラミックス等のセラミックス材料から成り、グリーンシート法により積層焼結されて一体化される。第2の基板16における第1の主面に形成される振動片実装パッド18a,18bや金属パターン20や、第2の主面に形成される実装用外部端子24a,24bは、スクリーン印刷などの手法により形成される。これらのパターンは、タングステンやモリブデン等を下地層とし、この上層にニッケル層、および金層を積層形成することにより構成される。
蓋体36は、金属やガラスなどの平板や、いわゆるキャップ型形状の部材である。蓋体36は、ベース基板12における第1の基板14の上面側(第1の主面)に対して接合されることで、振動片26を収容するキャビティを構成する。蓋体36とベース基板12との間には、図示しない接合部材が介在される。蓋体36が金属である場合には、接合部材として、低融点金属により構成されたシームリングなどが介在され、接合はシーム溶接と呼ばれる手法により成される。一方、蓋体36がガラスであった場合には、接合部材として、低融点ガラスが採用される。なお、蓋体36とベース基板12、および接合部材は、その熱膨張率が近似しているものを採用することが望ましい。熱膨張や熱収縮の差によって生ずる応力(熱衝撃)を抑制し、クラックや剥離等の不具合の発生を防止するためである。
振動片26は、ATカット水晶振動片などの水晶振動片を用いることができる。なお振動片26は、この他にも、水晶素板のカット角や主振動の形態に違いを有する音叉型水晶振動片や、弾性表面波水晶振動片などでもよい。また振動片26の材料としては水晶以外にもタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどを用いてもよい。本実施形態では振動片26として、厚み滑り振動を主振動とするATカット水晶振動片を例に挙げて、以下の説明を行うこととする。
振動片26は、一方の端部を固定端、他方の端部を自由端とし、固定端に支持マウント34を備える。支持マウント34は、シリコーン系樹脂、ポリイミド系シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂などの絶縁性の樹脂部材により構成され、振動片26と第2の基板16における第1の主面との間、具体的には、振動片26の固定端と第2の基板16における第1の主面に形成された振動片実装パッド18a,18bとの間に、予め定められた間隔を確保するための厚みを有する段差部として形成される。このような支持マウント34を備えることにより、振動片26とベース基板12との間に所定の間隔を確実に確保することが可能となる。これにより、ベース基板12と振動片26の自由端との接触等による不良の発生を防ぐことができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、支持マウント34の厚みによりベース基板12との隙間が確実に定まるため、振動片26の搭載角度を水平位置に安定させることも可能となる。このため、蓋体36との接触の虞を低減させることができ、圧電デバイス10の低背化にも寄与することとなる。
また、支持マウント34として比較的弾性率が低いシリコーン系樹脂やポリイミド系シリコーン樹脂を採用した場合には、リフロー時の熱衝撃も回避することができる。また、落下衝撃にも強い構造となる。
図2〜図4に示す応力分布シミュレーション図は、振動片26を実装する第2の基板16の厚みを150μm、振動片26の厚みを60μm、振動片26の長辺長さを1200μm、振動片26の幅方向長さを1000μm、支持マウント34の厚みを20μmとして熱衝撃により振動片26に生ずる応力の分布を示したものである。ここで熱衝撃は、リフロー時に生ずる温度変化によるものを想定しており、本シミュレーションでは、加熱終了後、220℃から25℃まで急速降温した際に生ずる応力分布を示すものである。また、図5は、図2〜4におけるA−A部、B−B部、C−C部(図2参照)における応力分布を示すグラフである。なお、図5においては、自由端側を0として振動片26の長さ方向を定めている。
図2は、支持マウント34にシリコーン系樹脂を採用した場合の例を示す。図5によれば、固定端から自由端にかけて、振動片26にはほとんど応力が負荷されていないことを読み取ることができる。なお、図5において「Si」として示される四角のポインターによるグラフが、支持マウント34にシリコーン系樹脂を採用した場合の例である。また、図3は、支持マウント34にポリイミド系シリコーン樹脂を採用した場合の例を示す。図5によれば、固定端側で応力の影響を受けてはいるが、励振電極形成位置付近では、殆ど応力の影響は無いであろうということを読み取ることができる。なお、図5において「Pi」として示される三角のポインターによるグラフが、支持マウント34にポリイミド系シリコーン樹脂を採用した場合の例である。また、図4は、支持マウントにエポキシ系樹脂を採用した場合の例を示す。図5によれば、自由端側から固定端側へ行くに従って、急激に応力の影響が増加し、励振電極形成部付近においても応力の影響が生ずることを読み取ることができる。なお、図5において「Ep」として示される十字のポインターによるグラフが、支持マウント34にエポキシ系樹脂を採用した場合の例である。
これらのシミュレーション結果および支持マウント34を形成する樹脂の物性を考慮すると、上述したように、支持マウント34を構成する樹脂の物性は熱衝撃によって振動片26に影響を与える応力に差を生じさせ、支持マウント34を形成する樹脂として弾性率の低い樹脂を採用するほど、熱衝撃の影響を受け難いということを裏付けることができる。
振動片26には、支持マウント34の他、励振電極28a,28b、入出力電極32a,32b、および引出し電極30a,30b等の金属パターンが形成されている。励振電極28a,28bは、振動部の表裏面に対向配置され、電圧の印加により、振動片26に圧電効果を生じさせる電極である。入出力電極32a,32bは、ベース基板12に形成された振動片実装パッド18a,18bとの電気的接点となる電極である。入出力電極32a,32bは、振動片26における長手方向中心線(不図示)を基点として線対称に一対、設けられる。本実施形態の場合入出力電極32a,32bは、振動片26の固定端に、振動片26と支持マウント34との段差を跨ぐように形成される。このため、入出力電極32a,32bは、少なくとも支持マウント34の一部を覆うように形成されることとなる。引出し電極30a,30bは、励振電極28a,28bと入出力電極32a,32bとを接続するための電極であり、例えば、振動片26の一方の主面側の励振電極28aと一方の入出力電極32a、他方の主面側の励振電極28bと他方の入出力電極32bをそれぞれ接続する。
また、入出力電極32a,32bは、支持マウント34の露出面全てを覆うように形成されると、支持マウント34からの脱ガスをバリヤし、エージング特性(長時間放置した際の周波数変化)が良好になるのが期待できる。
振動片26の実装は、導電性接着剤40により成される。導電性接着剤40の物性としては、上述した支持マウント34と同様に、シリコーン系接着剤、ポリイミド系シリコーン接着剤、エポキシ系接着剤等、種々のものを挙げることができる。さらに、実装面をプラズマ活性して接合する方法も用いても良い。
導電性接着剤40は、支持マウント34の底面、あるいは支持マウント34を囲うように塗布し、支持マウント34上に形成した入出力電極32a,32bと振動片実装パッド18a,18bを当接させるようにすることが望ましい。このような接合方式とすることにより、導電性接着剤40の物性が、振動片26に負荷される熱応力に影響を及ぼすことが無く、振動片26は支持マウント34の物性に応じた効果を得ることが可能となるからである。
このような構成の圧電デバイス10によれば、ベース基板12に対する振動片26の実装安定性が向上する。また、ベース基板12を構成するセラミックスは、焼成時に10%以上収縮する。このため、ベース基板12に支持マウント34を形成した場合には、支持マウント34との配置ズレが生じ易かった。これに対し本実施形態に係る圧電デバイス10では、支持マウント34を振動片26に直接形成するため、配置ズレの虞が無い。さらに、実装時に導電性接着剤40が振動片26に接触しないようにした場合、支持マウント34を小さくすることにより支持部の接点を小さくすることができ、熱衝撃の緩和に寄与することができる。また、支持マウント34の周囲を導電性接着剤40で囲むことにより、高い接着強度を確保することができる。
次に、上記のような構成の圧電デバイスの製造方法について図6を参照して説明する。なお、以下の説明は、製造工程を示す一例であり、主要な工程を含んだ上でその順序が前後することは、本発明の製造方法に影響を与えることでは無い。
まず、水晶ブロックから、主振動の特性に応じて予め定められたカット角のウェハーを切り出し、厚み調整を行った後、ウェハーにおける入出力電極形成面に、支持マウント34形成用の樹脂を被覆する。樹脂の被覆は、樹脂が均一な厚みを有するように行うことが望ましく、例えばスピンコーティング法により行われるようにすれば良い。樹脂を被覆した後、フォトリソ技法により、樹脂をエッチングし、支持マウント34を形成する(S10:支持マウント形成工程)。
支持マウント34を形成した後、再びフォトリソを行い、振動片26の外形エッチングを行う(S20:外径形成工程)。次に、蒸着やスパッタにより、ウェハー上に金属薄膜を被覆する。再びフォトリソを行い、金属薄薄膜のエッチングを行い、励振電極28a,28b、入出力電極32a,32b、および引出し電極30a,30bを形成する(S30:パターン形成工程)。パターン形成工程を終えたウェハーから、外形形成した振動片26毎に折り取り、振動片26を個片化する(S40:折り取り工程)。
上記のような振動片26の形成と同時に、あるいは前後して、ベース基板12の製造を行う。ベース基板12の製造はまず、セラミックスにより構成される第2の基板16上に、振動片実装パッド18a,18b、金属パターン20、実装用外部端子24a,24b、およびビアホール22a,22b等のパターンを形成する。なお、パターンの形成は、スクリーン印刷法などによれば良い。パターンのスクリーン印刷を終えた第2の基板16の一方の主面上に、枠体としての第1の基板14を積層し、これを焼成して一体化する(S10a:ベース基板製造工程)。
上記のようにして製造したベース基板12の第2の基板16上に形成された振動片実装パッド18a,18bに対し、導電性接着剤40を塗布する。導電性接着剤40を塗布された振動片実装パッド18a,18b上に、振動片26における支持マウント34の位置を合わせ込み、振動片実装パッド18a,18bと支持マウント34との接合を行う。支持マウント34上には入出力電極32a,32bが形成されているため、振動片実装パッド18a,18bと支持マウント34とを接合することにより、励振電極28a,28bと振動片実装パッド18a,18bとが電気的に接続されることとなる(S50:振動片実装工程)。
振動片26を実装したベース基板12を加熱し、導電性接着剤40に含まれる溶剤を揮発させる(S60:アニール工程)。アニール工程を経たベース基板12における第1の基板14の上面に、蓋体36を接合し、キャビティの封止を行う(S70:封止工程)。
このような方法により圧電デバイスを製造することによれば、支持マウント34をスピンコートとエッチングにより形成することができるため、製造工程における負担が少なく、容易に製造することができる。
次に、本発明の圧電デバイスに係る第2の実施形態について、図7を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態に係る圧電デバイス110の殆どの構成は、上述した第1の実施形態に係る圧電デバイス10と同様である。よって、その構成を同一とする箇所には図面に100を足した符号を付して、詳細な説明は省略することとする。
本実施形態に係る圧電デバイス110と、第1の実施形態に係る圧電デバイス10との相違点は、振動片126の構造にある。具体的には、振動片126の自由端に樹脂パッド142を設けた点にある。樹脂パッド142は、振動片126をベース基板112に実装した際に、第2の基板16の第1の主面と対向する側となる面に設けられる。樹脂パッド142の構成材料は、支持マウント134を構成する樹脂と同一とすると良い。このような構成とすることで、支持マウント134を形成する時に、樹脂パッド142の形成も行うことが可能となるからである。
振動片126の自由端に樹脂パッド142を設けることにより、圧電デバイス110が落下した際の衝撃を吸収することができる。これにより、圧電デバイス110が落下した際、振動片126の自由端が上下に振れて第2の基板116と接触し、割れや欠けを生じさせるといった虞が無い。また、樹脂パッド142と支持マウント134の厚みは同じとなる。このため、両者の高さの違いは、入出力電極132a,132bの厚みと振動片実装パッド118a,118bの厚み分のみとなる。よって、樹脂パッド142を第2の基板116に接触させるように実装することで、従来に比べて振動片126の平行実装を高精度に行うことができる。よって、振動片126と第2の基板116、および振動片126と蓋体136との隙間を定める交差を厳しくすることができ、圧電デバイス110の厚みを薄くすることが可能となる。なお図面においては説明を容易化するために、入出力電極132a,132bや振動片実装パッド118a,118bの厚みを厚く示しているが、実際は、入出力電極32a,32bと振動片実装パッド118a,118bを合わせた厚みは、殆ど無いため、実装安定性の向上という効果が得られるのである。
次に、本発明の圧電デバイスに係る第3の実施形態について、図8を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態に係る圧電デバイスも、その殆どの構成を上述した第1の実施形態に係る圧電デバイスと同様としている。よって、その構成を同一とする箇所には図面に200を足した符号を付して、詳細な説明は省略することとする。なお、図8において、図8(A)は圧電デバイスの正面断面図であり、図8(B)は振動片の平面図である。
本実施形態に係る圧電デバイス210と、第1の実施形態に係る圧電デバイス10との相違点は、振動片226の構造にある。具体的には、振動片226の固定端に形成した支持マウント234を複数に分割した点にある。支持マウント234は、複数のスリットを設けることで短冊状に分割された形態となる。支持マウント234は、金属薄膜によるパターン形成前に形成されるため、支持マウント234間のスリット内には、金属パターンと同じ金属の膜が形成されることとなる。これにより、断線が生じやすい段差部の導通を補うことができ、電気的接続の信頼性を確保することができる。また、導電性接着剤40(図1参照、図8には不図示)がスリット間に入り込むことにより、物理的な実装強度を補うこともできる。
次に、本発明の圧電デバイスに係る第4の実施形態について、図9を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態に係る圧電デバイスも、その殆どの構成を上述した第1の実施形態に係る圧電デバイスと同様としている。よって、その構成を同一とする箇所には図面に300を足した符号を付して、詳細な説明は省略することとする。なお、図9において、図9(A)は圧電デバイスの正面断面図であり、図9(B)は振動片の平面図である。
本実施形態に係る圧電デバイス310と、第1の実施形態に係る圧電デバイス10との相違点は、振動片326の構造にある。具体的には、振動片326の固定端側であって、支持マウント334の近傍に、樹脂パッド342aを設けた点にある。図9に示す例では、樹脂パッド342aは、支持マウント334を形成した主面と同じ側の主面に、振動片326の長手方向縁辺に沿って、対を成すように形成されている。支持マウント334の近傍に、導電性と無関係な樹脂パッド342aを設けることにより、振動片実装時の傾きを抑制し、平行実装の精度を向上させることができ、圧電デバイス310の薄型化を図ることができる。
上記実施形態では、樹脂パッド142,342a等の樹脂により構成する段差部は、第2の基板116,316との対向面側のみとしている。しかしながら図10に示す変形例のように、支持マウント434形成側の主面とは反対側の主面に、樹脂パッド442bを形成するようにしても良い。なお、図10に示した符号は、第1の実施形態に係る圧電デバイスの構成に400を足した符号を付すると共に、第2の実施形態に係る圧電デバイスの構成を援用したものである。
また、上記実施形態では、支持マウント34(134,234,334,434)は、入出力電極32a,32bのパターンに合わせて対を成すように形成していた。しかしながら支持マウントは、図11に示すように、2つの入出力電極32a,32bを跨ぐように1つの支持マウント34aを形成するようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、支持マウントの形成をエッチングで行うように示したが、支持マウントの形成はスクリーン法により行うようにしても良い。スクリーン法により支持マウントの形成を行った場合、支持マウントの角部にダレを生じさせることができる。このため、段差部に生じやすい引出し電極や入出力電極の断線を抑制することができる。
10………圧電デバイス、12………ベース基板、14………第1の基板、16………第2の基板、18a,18b………振動片実装パッド、20………金属パターン、22a,22b………ビアホール、24a,24b………実装用外部端子、26………振動片、28a,28b………励振電極、30a,30b………引出し電極、32a,32b………入出力電極、34………支持マウント、36………蓋体。

Claims (8)

  1. ベース基板に対して振動片を片持ち支持する圧電デバイスであって、
    前記ベース基板に設けられた振動片実装パッドと前記振動片における固定端との間に、予め定められた厚みを有する支持マウントを備え、
    前記支持マウントを樹脂により構成したことを特徴とする圧電デバイス。
  2. 請求項1に記載の圧電デバイスであって、
    前記支持マウントの段差面、および前記ベース基板との対向面に、前記振動片を構成する励振電極と連続的に形成された金属パターンを形成し、前記金属パターンと前記振動片実装パッドとを当接させたことを特徴とする圧電デバイス。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電デバイスであって、
    前記振動片における前記固定端の反対側の端部となる自由端と前記ベース基板との間に、前記樹脂により構成した下部緩衝パッドを設けたことを特徴とする圧電デバイス。
  4. 請求項3に記載の圧電デバイスであって、
    前記ベース基板には、前記振動片を実装した空間を封止する蓋体が接合され、
    前記振動片における前記自由端と前記蓋体との間に、前記樹脂により構成した上部緩衝パッドを設けたことを特徴とする圧電デバイス。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の圧電デバイスであって、
    前記支持マウントの厚み方向にスリットを形成し、前記スリットに前記金属パターンを形成したことを特徴とする圧電デバイス。
  6. ベース基板に対して振動片を片持ち支持する圧電デバイスの製造方法であって、
    前記振動片における前記ベース基板との対向面に、前記ベース基板に設けられた振動片実装パッドと前記振動片における固定端との間に、予め定められた厚みを確保する樹脂製の支持マウントを形成する支持マウント形成工程と、
    前記支持マウント形成工程の後、前記振動片に対して励振電極を含む金属パターンを形成するパターン形成工程と、
    前記パターン形成工程を終えた前記振動片を前記ベース基板に実装する振動片実装工程と、を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  7. 請求項6に記載の圧電デバイスであって、
    前記支持マウント形成工程は、前記振動片の主面全面に樹脂膜を形成する皮膜工程と、
    前記樹脂により構成された前記被膜を所望形状に形成するエッチング工程と、を有することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  8. 請求項6に記載の圧電デバイスであって、
    前記支持マウント形成工程は、前記振動片の主面に対し、樹脂をスクリーン印刷法により配置することで成されることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
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