JP4452361B2 - Uv硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、UV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法に関するものであり、さらに詳しくは、折り重ねや切り重ねにより重ね合わせた面を情報担持面としてなる折り畳みシート、重ね合わせシートのような親展性を有する情報伝達用シートや、寸法拡大可能な整理シート、複写用紙などの事務用シートなどの重ね合わせ面同士を接着するためのUV硬化型感圧接着剤の皮膜の硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重ね合わせ面に情報を担持するプリント用シートにおいては、その重ね合わせ面同士が接着するように、通常、重ね合わせた際に対接するようなパターンで、重ね合わせ面の全面、部分的、あるいは線状に感圧接着剤の硬化層が設けられている。この感圧接着剤は自接着性感圧接着剤とも言われ、その硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけることにより、互いの高分子が自己拡散により密着するタイプものであって、組成物の種類や加圧の程度により、永久接着性や再剥離接着性を具現するものである。
【0003】
従来、この種のプリント用シートで使用される感圧接着剤の主成分は、一般にアクリル系エマルジョン、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスといった水性エマルジョンやゴムラテックスなど、水性媒体を含むものである。このような水性媒体を含む感圧接着剤は、紙面などの基材の表面に塗布され、その硬化層形成のために乾燥せられる際、特別な乾燥機を必要としたり、作業時間が長くなるのを免れない上、紙などの基材の変形をもたらしたり、担持された情報が損なわれるなどの欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の感圧性接着剤の問題を解決するために本発明者等は前記水性媒体を使用しないソルベントレス系UV硬化型感圧接着剤を提案した(特開平10−263466号公報、特開平10−265742号公報など)。
しかし、このUV硬化型感圧接着剤の皮膜を紫外線(以下、UVと称すことがある)照射して硬化させた後、硬化皮膜同士を対接させた状態で強圧をかけて密着すると、密着させた後、90°方向に剥離するのは容易であるが、180°方向に剥離するなど密着させた同志を平行にずらすようにして剥離しようとすると容易には剥離せず、無理に剥離すると基材の破れが生じたりするなどの問題があった。
【0005】
本発明の目的は、基体シートの重ね合わせ面の所定の箇所に設けたUV硬化型感圧接着剤の硬化皮膜同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させて接着した後、必要に応じて接着させた硬化皮膜同士を剥離する際、接着後の経過時間や剥離方向によらず容易に剥離できるようにしたUV硬化型感圧接着剤の皮膜の硬化方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基体シートの重ね合わせ面の所定の箇所に設けたUV硬化型感圧接着剤の皮膜側に例えば、UVを照射し、赤外線(以下、IRと称すことがある)ランプなどでIRを照射し、そして基体シート側を冷却することにより皮膜を硬化させることにより、あるいは皮膜側にUVを照射し、基体シート側を冷却しながら皮膜側にIRを照射して皮膜を硬化させることにより、あるいは基体シート側を冷却しながら皮膜側にUVを照射し、基体シート側を冷却しながら皮膜側にIRを照射して皮膜を硬化させるなどのように、皮膜側から紫外線を照射する工程と、皮膜側から赤外線を照射する工程と、基体シート側を冷却する工程とを適宜組み合わせて皮膜を硬化させることにより、接着させた硬化皮膜同士を剥離する際、接着後の経過時間や剥離方向によらず容易に剥離できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の請求項1は、基体シートの重ね合わせ面の所定部に、通常状態では接着せず、重ね合わせ面同士を対接させ所定の圧力を付与することにより接着するUV硬化型感圧接着剤の硬化層を設けるためのUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法であって、前記基体シートにUV硬化型感圧接着剤を塗付して皮膜を形成した後、皮膜側から紫外線を照射する工程と、皮膜側から赤外線を照射する工程と、基体シート側のみをチルロ−ルに接触させて冷却する工程とを組み合わせて皮膜を硬化することを特徴とするUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるUV硬化型感圧接着剤は、前記の特開平10−263466号公報、特開平10−265742号公報、特開平11−48649号公報などに記載の末端に不飽和基を有するプレポリマーと光重合開始剤とを含有するUV硬化型感圧接着剤を用いることができる。
この末端に不飽和基を有するプレポリマーの末端に結合する不飽和基としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、メタリル基などを挙げることができる。
そして、このような不飽和基をもつプレポリマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、エポキシ樹脂のジグリシジルエーテルとジアリルアミンとの反応生成物などのエポキシ樹脂系プレポリマーや、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化したのち、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、ピロメリット酸二無水物のジアリルエステル化物に、p,p′−ジアミノジフェニルを反応させて得られるプレポリマーのようなポリアミド系プレポリマーや、エチレン−無水マレイン酸共重合体とアリルアミンとの反応生成物、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなどが用いられる。
【0009】
そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーや、末端アクリル変性イソプレンゴム又はブタジエンゴムのようなゴム系プレポリマーも好ましいプレポリマーである。
【0010】
これらのプレポリマーは、重量平均分子量2000〜30000の範囲のものが適当である。これよりも分子量が小さいものを用いると粘着性が大きくブロッキングなどを生じるため取り扱いが困難になるし、またこれよりも分子量の大きいものを用いると、硬化後の感圧接着性が低下する上、いったん接着した後で剥離しにくくなるので再剥離性接着用としては、利用できなくなる。
【0011】
次に、末端不飽和基を有するプレポリマーと組み合わせて用いられる光重合性モノマーとしては、通常の感光性樹脂組成物においてプレポリマーと併用されている光重合性モノマーの中から任意に選んで用いることができる。
【0012】
このようなモノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなど、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸又はそのエステル、例えばアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシアルキルのモノ又はジマレエート及びフマレートなど、その他の不飽和化合物、例えばスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどが用いられる。
【0013】
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、このモノマーとして、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートを用いることができる。
【0014】
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。その使用量は、末端不飽和基を有するプレポリマーの重量に基づき、2倍以下、好ましくは0.5〜1.5倍の範囲内で選ばれる。
【0015】
また、前記のプレポリマー及び光重合性モノマーとともに用いられる光重合開始剤としては、通常の感光性樹脂組成物における公知の光重合開始剤の中から任意のものを選択して用いることができる。
このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインやベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル−エーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニルスルフィド、エオシン、チオニン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノンなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常前記プレポリマーと光重合性モノマーの合計量100重量部当り、0.1〜10重量部の範囲で選ばれる。
【0016】
本発明で用いるUV硬化型感圧接着剤には、所望に応じ、重ね合わせたのち経時的に接着力が増加して剥離しにくくなるのを抑制したり、ブロッキングを防止するために微粒子充填剤を含有させることができる。このような微粒子充填剤としては、前記した3成分との親和力が小さいものであって、皮膜が透明性を阻害しないようにする必要から、粒子形状が規則的に整ったものを用いるのがよい。
このようなものとしては、例えば、各種デンプン系、合成ゼオライト、微球状アクリル樹脂、微球状メタクリル樹脂、微球状ポリエチレン、球状アルミナ、ガラス粉末、シラスバルーン、活性白土などが挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明で用いるUV硬化型感圧接着剤層を構成する感光性組成物には、前記した4成分に加えてさらに、所望に応じて一般の感光性樹脂組成物において慣用されている添加成分、例えば熱重合禁止剤、粘着付与剤、粘度調整剤、老化防止剤、安定剤、着色剤、微粒子充填剤などを含有させることかできる。
【0018】
感圧接着性プリント用シートは、例えば、次のようにして製造することができる。
すなわち、所定の基体シートを、二つ折り、三つ折り、切り重ね、あるいは別体同士の重ね合わせなどにより対向する部分に、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗布手段により、前記したUV硬化型感圧接着剤を塗布し、次いで乾燥することにより接着剤層を形成させる。この際の塗布は、基体シート表面の全面にわたって行ってもよいし、一部分の表面のみに行ってもよい。この基体シート表面には、あらかじめ所要の情報を印刷しておいてもよいし、接着剤層を塗布したのち、情報を印刷してもよい。この際、印刷にUV硬化型インキを用いて、一般的に使用されている印刷機により情報を印刷する場合には、この印刷工程とUV硬化型感圧接着剤の塗布、定着と同時に行うことができるので有利である。
【0019】
基体シートとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。また、基体シート面へのUV硬化型感圧接着剤の塗布量は、接着層の接着性、剥離性、あるいは透明性の維持のため、1〜30g/m2 、好ましくは3〜20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 の範囲内になるように選ばれる。
【0020】
このようにして製造された感圧接着性プリント用シートは、例えば、図4に示すように、接着剤層側にUV(紫外線)を照射する工程、接着層側にIR(赤外線)を照射する工程、基体シート側を冷却する工程を経て、その接着剤層が好ましい状態で硬化される。
しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、接着剤層側にUVを照射し、基体シート側を冷却しながら接着剤層側にIRを照射して接着剤層を硬化させることにより、
あるいは基体シート側を冷却しながら接着剤層側にUVを照射し、基体シート側を冷却しながら接着剤層側にIRを照射して接着剤層を硬化させることにより、
あるいは接着剤層側にIRを照射し、接着剤層側にUVを照射し、そして基体シート側を冷却することにより接着剤層を硬化させることにより、
あるいは接着剤層側にIRを照射し、基体シート側を冷却しながら接着剤層側にUVを照射して接着剤層を硬化させることにより、
あるいは基体シート側を冷却しながら接着剤層側にIRを照射し、基体シート側を冷却しながら接着剤層側にUVを照射して接着剤層を硬化させることにより、
あるいは基体シート側を冷却し、接着剤層側にUVを照射し、接着剤層側にIRを照射することにより接着剤層を硬化させるなどのように接着剤皮膜側から紫外線を照射する工程と、接着剤皮膜側から赤外線を照射する工程と、基体シート側を冷却する工程とを適宜組み合わせて接着剤皮膜を完全に硬化させる。
【0021】
本発明の方法により硬化させた硬化皮膜同士は通常の状態では接着しないが、硬化皮膜同士を対接させた状態で強圧をかけて密着すると接着する。そして、必要に応じて接着させた硬化皮膜同士を剥離する際、接着後の経過時間や剥離方向によらず容易に剥離できる。
【0022】
本発明においては基体シート側を冷却するので、基体シートがポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成フィルムや耐熱性の低い紙などであっても変形の発生を速やかに防止できるとともに変色、変質なども抑制できる。
また、本発明においては基体シート側を冷却するので、接着剤層側へのUV照射による処理効果やIR照射による処理効果が相殺されない。
【0023】
接着剤層の加熱条件は特に限定されないが、例えば、3KWのIRランプを1〜3灯用いて約80〜180℃で1〜10秒間処理する。
基体シートの冷却条件も特に限定されないが、例えば、基体シート側を常温の水冷チルロールに接触させて冷却する。
【0024】
本発明におけるUV硬化型感圧接着剤の硬化層の永久接着性や再剥離接着性は、末端に不飽和性基を有するプレポリマーと光重合性モノマーの種類、両者の使用割合、光重合性モノマーの官能基数、接着時のローラ圧などを変えることによって調整することができる。一般に、また光重合性モノマーの官能基が多いほど接着面が硬くなり、接着力が低下するし、また接着時のローラ圧が大きくなるほど接着力が増大する。
【0025】
次に、感圧接着性プリント用シートの構成例について添付図面に従って詳細に説明する。
図1は二つ折り感圧接着性シートの平面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は図1の感圧接着性シートの重ね合わせ状態説明図である。
図1ないし図3に示す構成例は「隠蔽はがき」として構成された、重ね合わせ面3全面にUV硬化型感圧接着剤の硬化層4が施されてなる二つ折り感圧接着性シート1である。これは、基材シート2が折り用ミシン線Mfによって上紙片Aと下紙片Cに区画され、図3に示す如く、二つ折りに折り畳まれた状態で隠蔽情報を担持するものである。そして、図1及び図3に示すように、基材シート2の表裏面に郵便番号記入欄、購入品情報記入欄や社名などの一般印刷5が施されていると共に、折り畳まれた際の重ね合わせ面3全面、すなわち、上紙片Aと下紙片Cの片側面全面にUV硬化型感圧接着剤の硬化層4が施されている。
上紙片Aの角部には切込みKを設け、上紙片Aと下紙片Bとの間に一部段差を生じさせ、接着後の重ね合わせ面の剥離を容易としている。
【0026】
【実施例】
次に実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1官能アクリレート(東亜合成社製、M113、ノニルフェノールEO変性(n≒4)アクリレート、粘度80〜110cps/25℃、Tg−20℃、伸び率50%)15質量部、
2官能アクリレート(東亜合成社製、M225、ポリプロピレングリコールジアクリレート(n≒7)、粘度30〜50cps/25℃、Tg−8℃、伸び率10%)15質量部、
3官能アクリレート(東亜合成社製、M310、トリメチロールプロパンPO変性(n≒1)トリアクリレート、粘度60〜110cps/25℃、Tg120℃、伸び率0〜5%)50質量部、
アクリル系オリゴマーとして、ウレタン系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVU310)10質量部、
エポキシ系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVE150)10質量部、
および光重合開始剤として、チバスペッシャルテイケミカルズ(株)製、イルガキュアー907を8質量部を含有するUV硬化型感圧接着剤を調製した。
【0027】
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を連量110kgのコート紙にワイヤーバーにより10g/m2 の割合で塗布し、乾燥して接着剤層を形成した。次いで接着剤層側に12kw×2灯のUV照射装置を用いて約70m/分で3回通して露光処理した後、露光処理した接着剤層側にIRランプ3kw×1灯のIR照射装置により約70m/分でIRを照射し、コート紙側を水冷チルロールに接触させて冷却し、接着剤層を完全に硬化した。このようにしてコート紙などの変形などのない、無色透明で光沢のある接着剤層を有する感圧接着性プリント用シートを製造した。
次いで製造当日にこの感圧接着性シートの90°剥離(T型剥離)接着力(A)および180°剥離接着力(B)を下記の方法により評価した。
【0028】
90°剥離(T型剥離)接着力(A)および180°剥離接着力(B)の測定方法;
得られた感圧接着性シートを、幅25mm、長さ100mmに裁断して試料を作成し、この試料2枚を25mmの長さで重ね合わせ9.8Paの荷重を加えて圧着したのち、接着剤の剥離接着強さ試験方法JISK6854に準じて、オートグラフAGS50(島津製作所製)を用いて90°剥離(T型剥離)接着力(gf/25mm)(A)および180°剥離接着力(gf/25mm)(B)を測定する。
(測定結果):
90°剥離(T型剥離)接着力(A)(gf/25mm)=90
180°剥離接着力(B)(gf/25mm)=150
【0029】
(実施例2)
IRランプ3kw×2灯のIR照射装置を用いた以外は実施例1と同様にして感圧接着性プリント用シートを製造し、90°剥離(T型剥離)接着力(A)および180°剥離接着力(B)を評価した。
(測定結果):
90°剥離(T型剥離)接着力(A)(gf/25mm)=95
180°剥離接着力(B)(gf/25mm)=140
【0030】
(実施例3)
IRランプ3kw×3灯のIR照射装置を用いた以外は実施例1と同様にして感圧接着性プリント用シートを製造し、90°剥離(T型剥離)接着力(A)および180°剥離接着力(B)を評価した。
(測定結果):
90°剥離(T型剥離)接着力(A)(gf/25mm)=95
180°剥離接着力(B)(gf/25mm)=140
【0031】
(比較例1)
比較のためにIR照射を行わなかった以外は実施例1と同様にして感圧接着性プリント用シートを製造し、90°剥離(T型剥離)接着力(A)および180°剥離接着力(B)を評価した。
(測定結果):
90°剥離(T型剥離)接着力(A)(gf/25mm)=100
180°剥離接着力(B)(gf/25mm)=950
【0032】
【発明の効果】
本発明のUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法により硬化させた硬化皮膜同士は通常の状態では接着しないが、硬化皮膜同士を対接させた状態で強圧をかけて密着すると接着する。そして、必要に応じて接着させた硬化皮膜同士を剥離する際、接着後の経過時間や剥離方向によらず容易に剥離できる。
本発明のUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法によると基体シート側を冷却するので、基体シートがポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成フィルムや耐熱性の低い紙などであっても変形の発生を速やかに防止できるとともに変色、変質なども抑制できる。
また、本発明においては基体シート側を冷却するので、接着剤層側へのUV照射による処理効果やIR照射による処理効果が相殺されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二つ折り感圧接着性シートの平面図である。
【図2】 図1のX−X線断面図である。
【図3】 図1の感圧接着性シートの重ね合わせ状態説明図である。
【図4】 本発明のUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法の一実施例である硬化工程を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 感圧接着性シート
2 基体シート
3 重ね合わせ面
4 UV硬化型感圧接着剤の硬化層
5 一般印刷部分
A 上紙片
C 下紙片
Mf 折り用ミシン線
Claims (1)
- 基体シートの重ね合わせ面の所定部に、通常状態では接着せず、重ね合わせ面同士を対接させ所定の圧力を付与することにより接着するUV硬化型感圧接着剤の硬化層を設けるためのUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法であって、前記基体シートにUV硬化型感圧接着剤を塗付して皮膜を形成した後、皮膜側から紫外線を照射する工程と、皮膜側から赤外線を照射する工程と、基体シート側のみをチルロ−ルに接触させて冷却する工程とを組み合わせて皮膜を硬化することを特徴とするUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法。
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JP2001170561A (ja) | 2001-06-26 |
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