JP2001170561A - Uv硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法 - Google Patents

Uv硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法

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JP2001170561A JP35906999A JP35906999A JP2001170561A JP 2001170561 A JP2001170561 A JP 2001170561A JP 35906999 A JP35906999 A JP 35906999A JP 35906999 A JP35906999 A JP 35906999A JP 2001170561 A JP2001170561 A JP 2001170561A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体シートの重ね合わせ面の所定部に設けた
硬化皮膜同士は通常の状態では接着しないが、硬化皮膜
同士を対接させた状態で強圧をかけて密着すると接着
し、接着させた硬化皮膜同士を剥離する際、接着後の経
過時間や剥離方向によらず容易に剥離できるUV硬化型
感圧接着剤皮膜の硬化方法を提供する。 【解決手段】 基体シートにUV硬化型感圧接着剤を塗
付して皮膜を形成した後、皮膜側から紫外線を照射する
工程と、皮膜側から赤外線を照射する工程と、基体シー
ト側を冷却する工程とによって皮膜を硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、UV硬化型感圧接
着剤皮膜の硬化方法に関するものであり、さらに詳しく
は、折り重ねや切り重ねにより重ね合わせた面を情報担
持面としてなる折り畳みシート、重ね合わせシートのよ
うな親展性を有する情報伝達用シートや、寸法拡大可能
な整理シート、複写用紙などの事務用シートなどの重ね
合わせ面同士を接着するためのUV硬化型感圧接着剤の
皮膜の硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、重ね合わせ面に情報を担持するプ
リント用シートにおいては、その重ね合わせ面同士が接
着するように、通常、重ね合わせた際に対接するような
パターンで、重ね合わせ面の全面、部分的、あるいは線
状に感圧接着剤の硬化層が設けられている。この感圧接
着剤は自接着性感圧接着剤とも言われ、その硬化層同士
を対接させた状態で強圧をかけることにより、互いの高
分子が自己拡散により密着するタイプものであって、組
成物の種類や加圧の程度により、永久接着性や再剥離接
着性を具現するものである。
【0003】従来、この種のプリント用シートで使用さ
れる感圧接着剤の主成分は、一般にアクリル系エマルジ
ョン、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスといっ
た水性エマルジョンやゴムラテックスなど、水性媒体を
含むものである。このような水性媒体を含む感圧接着剤
は、紙面などの基材の表面に塗布され、その硬化層形成
のために乾燥せられる際、特別な乾燥機を必要とした
り、作業時間が長くなるのを免れない上、紙などの基材
の変形をもたらしたり、担持された情報が損なわれるな
どの欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の感圧性接着剤の
問題を解決するために本発明者等は前記水性媒体を使用
しないソルベントレス系UV硬化型感圧接着剤を提案し
た(特開平10−263466号公報、特開平10−2
65742号公報など)。しかし、このUV硬化型感圧
接着剤の皮膜を紫外線(以下、UVと称すことがある)
照射して硬化させた後、硬化皮膜同士を対接させた状態
で強圧をかけて密着すると、密着させた後、90°方向
に剥離するのは容易であるが、180°方向に剥離する
など密着させた同志を平行にずらすようにして剥離しよ
うとすると容易には剥離せず、無理に剥離すると基材の
破れが生じたりするなどの問題があった。
【0005】本発明の目的は、基体シートの重ね合わせ
面の所定の箇所に設けたUV硬化型感圧接着剤の硬化皮
膜同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させて接着
した後、必要に応じて接着させた硬化皮膜同士を剥離す
る際、接着後の経過時間や剥離方向によらず容易に剥離
できるようにしたUV硬化型感圧接着剤の皮膜の硬化方
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基体シートの重ね合
わせ面の所定の箇所に設けたUV硬化型感圧接着剤の皮
膜側に例えば、UVを照射し、赤外線(以下、IRと称
すことがある)ランプなどでIRを照射し、そして基体
シート側を冷却することにより皮膜を硬化させることに
より、あるいは皮膜側にUVを照射し、基体シート側を
冷却しながら皮膜側にIRを照射して皮膜を硬化させる
ことにより、あるいは基体シート側を冷却しながら皮膜
側にUVを照射し、基体シート側を冷却しながら皮膜側
にIRを照射して皮膜を硬化させるなどのように、皮膜
側から紫外線を照射する工程と、皮膜側から赤外線を照
射する工程と、基体シート側を冷却する工程とを適宜組
み合わせて皮膜を硬化させることにより、接着させた硬
化皮膜同士を剥離する際、接着後の経過時間や剥離方向
によらず容易に剥離できることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の請求項1は、基体シー
トの重ね合わせ面の所定部に、通常状態では接着せず、
重ね合わせ面同士を対接させ所定の圧力を付与すること
により接着するUV硬化型感圧接着剤の硬化層を設ける
ためのUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法であって、
前記基体シートにUV硬化型感圧接着剤を塗付して皮膜
を形成した後、皮膜側から紫外線を照射する工程と、皮
膜側から赤外線を照射する工程と、基体シート側を冷却
する工程と、を含むことを特徴とするUV硬化型感圧接
着剤皮膜の硬化方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で用いるUV硬化型感圧接着剤は、前記の特開平1
0−263466号公報、特開平10−265742号
公報、特開平11−48649号公報などに記載の末端
に不飽和基を有するプレポリマーと光重合開始剤とを含
有するUV硬化型感圧接着剤を用いることができる。こ
の末端に不飽和基を有するプレポリマーの末端に結合す
る不飽和基としては、例えばアクリロイル基、メタクリ
ロイル基、アリル基、メタリル基などを挙げることがで
きる。そして、このような不飽和基をもつプレポリマー
としては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビ
スフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレー
ト、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフ
タル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒド
ロキシエチルアクリレートとの反応生成物、エポキシ樹
脂のジグリシジルエーテルとジアリルアミンとの反応生
成物などのエポキシ樹脂系プレポリマーや、グリシジル
ジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステ
ル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、ア
クリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得ら
れるポリエステル、ポリエチレングリコールと無水マレ
イン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物など
のような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビ
ニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反
応生成物、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエス
テル化したのち、グリシジルメタクリレートを付加させ
たものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマ
ー、ピロメリット酸二無水物のジアリルエステル化物
に、p,p′−ジアミノジフェニルを反応させて得られ
るプレポリマーのようなポリアミド系プレポリマーや、
エチレン−無水マレイン酸共重合体とアリルアミンとの
反応生成物、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生
成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応
させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合
体系プレポリマーなどが用いられる。
【0009】そのほか、ウレタン結合を介してポリオキ
シアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメン
トあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基
又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマー
や、末端アクリル変性イソプレンゴム又はブタジエンゴ
ムのようなゴム系プレポリマーも好ましいプレポリマー
である。
【0010】これらのプレポリマーは、重量平均分子量
2000〜30000の範囲のものが適当である。これ
よりも分子量が小さいものを用いると粘着性が大きくブ
ロッキングなどを生じるため取り扱いが困難になるし、
またこれよりも分子量の大きいものを用いると、硬化後
の感圧接着性が低下する上、いったん接着した後で剥離
しにくくなるので再剥離性接着用としては、利用できな
くなる。
【0011】次に、末端不飽和基を有するプレポリマー
と組み合わせて用いられる光重合性モノマーとしては、
通常の感光性樹脂組成物においてプレポリマーと併用さ
れている光重合性モノマーの中から任意に選んで用いる
ことができる。
【0012】このようなモノマーとしては、例えばアク
リル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はその
エステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロ
ゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシ
アルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリ
ル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキ
シ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリ
コール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ
アクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリ
トリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、
アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例
えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又は
ジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,
N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルア
ミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、ア
リルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリル
イソシアヌレートなど、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸又はそのエステル、例えばアルキル、ハロゲン
化アルキル、アルコキシアルキルのモノ又はジマレエー
ト及びフマレートなど、その他の不飽和化合物、例えば
スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどが用いら
れる。
【0013】また、硬化収縮が支障となる用途の場合に
は、このモノマーとして、例えばイソボルニルアクリレ
ート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又
はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリ
レート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロ
ピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレン
グリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチ
レン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテ
ニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジ
シクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペン
テノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、
3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチ
ル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス
(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]
ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタア
クリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチ
レンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ
−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレー
ト、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレート
のメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−
3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシ
クロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボ
キシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニ
ルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジ
エニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、
ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタ
クリレートを用いることができる。
【0014】これらの光重合性モノマーは単独で用いて
もよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。その使用
量は、末端不飽和基を有するプレポリマーの重量に基づ
き、2倍以下、好ましくは0.5〜1.5倍の範囲内で
選ばれる。
【0015】また、前記のプレポリマー及び光重合性モ
ノマーとともに用いられる光重合開始剤としては、通常
の感光性樹脂組成物における公知の光重合開始剤の中か
ら任意のものを選択して用いることができる。このよう
な光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインやベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテ
ル、ベンゾイン−イソプロピルエーテル、ベンゾインイ
ソブチル−エーテルなどのベンゾインアルキルエーテル
類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニ
ルスルフィド、エオシン、チオニン、9,10−アント
ラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノンなど
が挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。その含有量は、通常前記プレポリマーと光重合性モ
ノマーの合計量100重量部当り、0.1〜10重量部
の範囲で選ばれる。
【0016】本発明で用いるUV硬化型感圧接着剤に
は、所望に応じ、重ね合わせたのち経時的に接着力が増
加して剥離しにくくなるのを抑制したり、ブロッキング
を防止するために微粒子充填剤を含有させることができ
る。このような微粒子充填剤としては、前記した3成分
との親和力が小さいものであって、皮膜が透明性を阻害
しないようにする必要から、粒子形状が規則的に整った
ものを用いるのがよい。このようなものとしては、例え
ば、各種デンプン系、合成ゼオライト、微球状アクリル
樹脂、微球状メタクリル樹脂、微球状ポリエチレン、球
状アルミナ、ガラス粉末、シラスバルーン、活性白土な
どが挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いてもよ
いし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0017】本発明で用いるUV硬化型感圧接着剤層を
構成する感光性組成物には、前記した4成分に加えてさ
らに、所望に応じて一般の感光性樹脂組成物において慣
用されている添加成分、例えば熱重合禁止剤、粘着付与
剤、粘度調整剤、老化防止剤、安定剤、着色剤、微粒子
充填剤などを含有させることかできる。
【0018】感圧接着性プリント用シートは、例えば、
次のようにして製造することができる。すなわち、所定
の基体シートを、二つ折り、三つ折り、切り重ね、ある
いは別体同士の重ね合わせなどにより対向する部分に、
グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バ
ーコーターなどの塗布手段により、前記したUV硬化型
感圧接着剤を塗布し、次いで乾燥することにより接着剤
層を形成させる。この際の塗布は、基体シート表面の全
面にわたって行ってもよいし、一部分の表面のみに行っ
てもよい。この基体シート表面には、あらかじめ所要の
情報を印刷しておいてもよいし、接着剤層を塗布したの
ち、情報を印刷してもよい。この際、印刷にUV硬化型
インキを用いて、一般的に使用されている印刷機により
情報を印刷する場合には、この印刷工程とUV硬化型感
圧接着剤の塗布、定着と同時に行うことができるので有
利である。
【0019】基体シートとして、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ルなどの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの
表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すの
が好ましい。また、基体シート面へのUV硬化型感圧接
着剤の塗布量は、接着層の接着性、剥離性、あるいは透
明性の維持のため、1〜30g/m2 、好ましくは3〜
20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 の範
囲内になるように選ばれる。
【0020】このようにして製造された感圧接着性プリ
ント用シートは、例えば、図4に示すように、接着剤層
側にUV(紫外線)を照射する工程、接着層側にIR
(赤外線)を照射する工程、基体シート側を冷却する工
程を経て、その接着剤層が好ましい状態で硬化される。
しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、接着剤層
側にUVを照射し、基体シート側を冷却しながら接着剤
層側にIRを照射して接着剤層を硬化させることによ
り、あるいは基体シート側を冷却しながら接着剤層側に
UVを照射し、基体シート側を冷却しながら接着剤層側
にIRを照射して接着剤層を硬化させることにより、あ
るいは接着剤層側にIRを照射し、接着剤層側にUVを
照射し、そして基体シート側を冷却することにより接着
剤層を硬化させることにより、あるいは接着剤層側にI
Rを照射し、基体シート側を冷却しながら接着剤層側に
UVを照射して接着剤層を硬化させることにより、ある
いは基体シート側を冷却しながら接着剤層側にIRを照
射し、基体シート側を冷却しながら接着剤層側にUVを
照射して接着剤層を硬化させることにより、あるいは基
体シート側を冷却し、接着剤層側にUVを照射し、接着
剤層側にIRを照射することにより接着剤層を硬化させ
るなどのように接着剤皮膜側から紫外線を照射する工程
と、接着剤皮膜側から赤外線を照射する工程と、基体シ
ート側を冷却する工程とを適宜組み合わせて接着剤皮膜
を完全に硬化させる。
【0021】本発明の方法により硬化させた硬化皮膜同
士は通常の状態では接着しないが、硬化皮膜同士を対接
させた状態で強圧をかけて密着すると接着する。そし
て、必要に応じて接着させた硬化皮膜同士を剥離する
際、接着後の経過時間や剥離方向によらず容易に剥離で
きる。
【0022】本発明においては基体シート側を冷却する
ので、基体シートがポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成
フィルムや耐熱性の低い紙などであっても変形の発生を
速やかに防止できるとともに変色、変質なども抑制でき
る。また、本発明においては基体シート側を冷却するの
で、接着剤層側へのUV照射による処理効果やIR照射
による処理効果が相殺されない。
【0023】接着剤層の加熱条件は特に限定されない
が、例えば、3KWのIRランプを1〜3灯用いて約8
0〜180℃で1〜10秒間処理する。基体シートの冷
却条件も特に限定されないが、例えば、基体シート側を
常温の水冷チルロールに接触させて冷却する。
【0024】本発明におけるUV硬化型感圧接着剤の硬
化層の永久接着性や再剥離接着性は、末端に不飽和性基
を有するプレポリマーと光重合性モノマーの種類、両者
の使用割合、光重合性モノマーの官能基数、接着時のロ
ーラ圧などを変えることによって調整することができ
る。一般に、また光重合性モノマーの官能基が多いほど
接着面が硬くなり、接着力が低下するし、また接着時の
ローラ圧が大きくなるほど接着力が増大する。
【0025】次に、感圧接着性プリント用シートの構成
例について添付図面に従って詳細に説明する。図1は二
つ折り感圧接着性シートの平面図、図2は図1のX−X
線断面図、図3は図1の感圧接着性シートの重ね合わせ
状態説明図である。図1ないし図3に示す構成例は「隠
蔽はがき」として構成された、重ね合わせ面3全面にU
V硬化型感圧接着剤の硬化層4が施されてなる二つ折り
感圧接着性シート1である。これは、基材シート2が折
り用ミシン線Mfによって上紙片Aと下紙片Cに区画さ
れ、図3に示す如く、二つ折りに折り畳まれた状態で隠
蔽情報を担持するものである。そして、図1及び図3に
示すように、基材シート2の表裏面に郵便番号記入欄、
購入品情報記入欄や社名などの一般印刷5が施されてい
ると共に、折り畳まれた際の重ね合わせ面3全面、すな
わち、上紙片Aと下紙片Cの片側面全面にUV硬化型感
圧接着剤の硬化層4が施されている。上紙片Aの角部に
は切込みKを設け、上紙片Aと下紙片Bとの間に一部段
差を生じさせ、接着後の重ね合わせ面の剥離を容易とし
ている。
【0026】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1) 1官能アクリレート(東亜合成社製、M113、ノニル
フェノールEO変性(n≒4)アクリレート、粘度80
〜110cps/25℃、Tg−20℃、伸び率50
%)15質量部、 2官能アクリレート(東亜合成社製、M225、ポリプ
ロピレングリコールジアクリレート(n≒7)、粘度3
0〜50cps/25℃、Tg−8℃、伸び率10%)
15質量部、 3官能アクリレート(東亜合成社製、M310、トリメ
チロールプロパンPO変性(n≒1)トリアクリレー
ト、粘度60〜110cps/25℃、Tg120℃、
伸び率0〜5%)50質量部、 アクリル系オリゴマーとして、ウレタン系アクリレート
(日本クローダ社製、クロダマーUVU310)10質
量部、 エポキシ系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマ
ーUVE150)10質量部、 および光重合開始剤として、チバスペッシャルテイケミ
カルズ(株)製、イルガキュアー907を8質量部を含
有するUV硬化型感圧接着剤を調製した。
【0027】このようにして得たUV硬化型感圧接着剤
を連量110kgのコート紙にワイヤーバーにより10
g/m2 の割合で塗布し、乾燥して接着剤層を形成し
た。次いで接着剤層側に12kw×2灯のUV照射装置
を用いて約70m/分で3回通して露光処理した後、露
光処理した接着剤層側にIRランプ3kw×1灯のIR
照射装置により約70m/分でIRを照射し、コート紙
側を水冷チルロールに接触させて冷却し、接着剤層を完
全に硬化した。このようにしてコート紙などの変形など
のない、無色透明で光沢のある接着剤層を有する感圧接
着性プリント用シートを製造した。次いで製造当日にこ
の感圧接着性シートの90°剥離(T型剥離)接着力
(A)および180°剥離接着力(B)を下記の方法に
より評価した。
【0028】90°剥離(T型剥離)接着力(A)およ
び180°剥離接着力(B)の測定方法;得られた感圧
接着性シートを、幅25mm、長さ100mmに裁断し
て試料を作成し、この試料2枚を25mmの長さで重ね
合わせ9.8Paの荷重を加えて圧着したのち、接着剤
の剥離接着強さ試験方法JISK6854に準じて、オ
ートグラフAGS50(島津製作所製)を用いて90°
剥離(T型剥離)接着力(gf/25mm)(A)およ
び180°剥離接着力(gf/25mm)(B)を測定
する。 (測定結果): 90°剥離(T型剥離)接着力(A)(gf/25m
m)=90 180°剥離接着力(B)(gf/25mm)=150
【0029】(実施例2)IRランプ3kw×2灯のI
R照射装置を用いた以外は実施例1と同様にして感圧接
着性プリント用シートを製造し、90°剥離(T型剥
離)接着力(A)および180°剥離接着力(B)を評
価した。 (測定結果): 90°剥離(T型剥離)接着力(A)(gf/25m
m)=95 180°剥離接着力(B)(gf/25mm)=140
【0030】(実施例3)IRランプ3kw×3灯のI
R照射装置を用いた以外は実施例1と同様にして感圧接
着性プリント用シートを製造し、90°剥離(T型剥
離)接着力(A)および180°剥離接着力(B)を評
価した。 (測定結果): 90°剥離(T型剥離)接着力(A)(gf/25m
m)=95 180°剥離接着力(B)(gf/25mm)=140
【0031】(比較例1)比較のためにIR照射を行わ
なかった以外は実施例1と同様にして感圧接着性プリン
ト用シートを製造し、90°剥離(T型剥離)接着力
(A)および180°剥離接着力(B)を評価した。 (測定結果): 90°剥離(T型剥離)接着力(A)(gf/25m
m)=100 180°剥離接着力(B)(gf/25mm)=950
【0032】
【発明の効果】本発明のUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬
化方法により硬化させた硬化皮膜同士は通常の状態では
接着しないが、硬化皮膜同士を対接させた状態で強圧を
かけて密着すると接着する。そして、必要に応じて接着
させた硬化皮膜同士を剥離する際、接着後の経過時間や
剥離方向によらず容易に剥離できる。本発明のUV硬化
型感圧接着剤皮膜の硬化方法によると基体シート側を冷
却するので、基体シートがポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなど
の合成フィルムや耐熱性の低い紙などであっても変形の
発生を速やかに防止できるとともに変色、変質なども抑
制できる。また、本発明においては基体シート側を冷却
するので、接着剤層側へのUV照射による処理効果やI
R照射による処理効果が相殺されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二つ折り感圧接着性シートの平面図である。
【図2】 図1のX−X線断面図である。
【図3】 図1の感圧接着性シートの重ね合わせ状態説
明図である。
【図4】 本発明のUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方
法の一実施例である硬化工程を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 感圧接着性シート 2 基体シート 3 重ね合わせ面 4 UV硬化型感圧接着剤の硬化層 5 一般印刷部分 A 上紙片 C 下紙片 Mf 折り用ミシン線
フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 WA03 4D075 BB18Y BB18Z BB26Z BB37Z BB42Y BB46Y CA12 DA04 DB18 DB36 DB38 DB48 DC27 DC38 EA09 EA21 EA35 EB12 EB19 EB20 EB22 EB24 EB33 EB35 EB38 EB39 4J040 JB07 JB09 MA09 MA10 PA32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シートの重ね合わせ面の所定部に、
    通常状態では接着せず、重ね合わせ面同士を対接させ所
    定の圧力を付与することにより接着するUV硬化型感圧
    接着剤の硬化層を設けるためのUV硬化型感圧接着剤皮
    膜の硬化方法であって、前記基体シートにUV硬化型感
    圧接着剤を塗付して皮膜を形成した後、皮膜側から紫外
    線を照射する工程と、皮膜側から赤外線を照射する工程
    と、基体シート側を冷却する工程と、を含むことを特徴
    とするUV硬化型感圧接着剤皮膜の硬化方法。
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