JP4422820B2 - Uv硬化型感圧接着剤およびそれを用いた感圧接着性シート - Google Patents

Uv硬化型感圧接着剤およびそれを用いた感圧接着性シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、UV硬化型感圧接着剤およびそれを用いた感圧接着性シートに関するものであり、さらに詳しくは折り重ねや切り重ねにより重ね合わせた面を情報担持面としてなる折り畳みシート、重ね合わせシートのような親展性を有する情報伝達用シートや、寸法拡大可能な整理シート、複写用紙などの事務用シートなど、従来この種のプリント用シートでは使用されていなかった特殊なUV硬化型感圧接着剤、およびこのUV硬化型感圧接着剤によりその重ね合わせ面同士を接着するための感圧接着性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重ね合わせ面に情報を担持するプリント用シートにおいては、その重ね合わせ面同士が接着するように、通常、重ね合わせた際に対接するようなパターンで、重ね合わせ面の全面、部分的、あるいは線状に感圧接着剤の硬化層が設けられている。この感圧接着剤は自接着性感圧接着剤とも言われ、その硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけることにより、互いの高分子が自己拡散により密着するタイプものであって、組成物の種類や加圧の程度により、永久接着性や再剥離接着性を具現するものである。
【0003】
従来、この種のプリント用シートで使用される感圧接着剤の主成分は、一般にアクリル系エマルジョン、天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスといった水性エマルジョンやゴムラテックスなど、水性媒体を含むものである。このような水性媒体を含む感圧接着剤は、紙面などの基材の表面に塗布され、その硬化層形成のために乾燥せられる際、特別な乾燥機を必要としたり、作業時間が長くなるのを免れない上、紙などの基材の変形をもたらしたり、担持された情報が損なわれるなどの欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の感圧性接着剤の問題を解決するために本発明者等は水性媒体を使用しないソルベントレス系UV硬化型感圧接着剤を提案した(特開平10−263466号公報、特開平10−265742号公報など)。
しかし、このUV硬化型感圧接着剤は、硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着すると、密着させた当初は適度の接着力を有しているので剥離するのも容易であるが、時間がたつにつれて接着力が必要以上に高くなって剥離が困難となる(以下、接着力高進性と称す場合がある)とともに柔軟性が低下し、折り曲げると追従せずに剥がれたり輸送時に剥がれが生じたりする問題があった。
【0005】
本発明の第1の目的は、このような接着力高進性および柔軟性の低下の問題を解決し、硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させた当初は勿論、時間がたっても適度の接着力と柔軟性が維持されるUV硬化型感圧接着剤を提供することであり、本発明の第2の目的は、そのようなUV硬化型感圧接着剤を用いて基材の重ね合わせ面の所定の箇所に硬化層を形成した感圧接着性シートであって、接着力高進性および柔軟性低下の問題がなく、すなわち適度の接着力と柔軟性が維持されて折り曲げによく追従するようになり、輸送時に剥がれが生じたりすることがない感圧接着性シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の感圧接着力を有するアクリル系オリゴマーと、アクリル系光重合性モノマーと光重合開始剤とを含有するUV硬化型感圧接着剤を用いることにより、その目的を達成し得ることを見い出して本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の請求項1は、硬化後通常状態では接着せず、同士を対接させ所定の圧力を付与することにより接着するが、必要に応じて剥離可能な、アクリル系オリゴマーとアクリル系光重合性モノマーと光重合開始剤とを含有するUV硬化型感圧接着剤であって、
前記アクリル系オリゴマーとして2官能以上の官能基を持ち、主鎖にエチル基以上のアルキル基やアルキルフェニル基の側鎖構造を有さず、なおかつその硬化皮膜のガラス転移点が0℃以上60℃以下の脂肪族系のエポキシ系アクリレート、ポリエステル系アクリレート、ウレタン系アクリレートあるいはこれらの2種以上を組み合わせた重量平均分子量2000〜30000の範囲のオリゴマーを(アクリル系オリゴマー+アクリル系光重合性モノマー+光重合開始剤=100重量%)に対して1重量%〜50重量%、
前記アクリル系光重合性モノマーとしてアクリル酸またはメタクリル酸の不飽和カルボン酸またはそのエステル、アクリルアミド、メタクリルアミドまたはその誘導体あるいはこれらの2種以上を組み合わせたモノマーを(アクリル系オリゴマー+アクリル系光重合性モノマー+光重合開始剤=100重量%)に対して40重量%〜99重量%用いることを特徴とするUV硬化型感圧接着剤に関するものである。
【0008】
本発明のUV硬化型感圧接着剤は、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの適当な紫外線源により紫外線を適当な条件下で照射すると、アクリル系オリゴマー自体が重合して硬化し、アクリル系光重合性モノマー自体も重合して硬化するとともにアクリル系オリゴマーとアクリル系光重合性モノマーが共重合することにより接着剤全体の適当な硬化が行われる。
【0009】
本発明のUV硬化型感圧接着剤は、アクリル系オリゴマーとしてそれ自体のUV硬化物の感圧接着力がアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物の感圧接着力より十分小さい特定のオリゴマーを用いたので、接着力高進性および柔軟性低下の問題がなくなり、本発明のUV硬化型感圧接着剤の硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させた当初は勿論のこと、時間がたっても適度の接着力が維持され、かつ柔軟性が保持される。
【0010】
アクリル系光重合性モノマーと光重合開始剤とを含有する従来のUV硬化型感圧接着剤は、アクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物の感圧接着力が大きく接着力高進性の問題があり、従来のUV硬化型感圧接着剤の硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させた当初は適度の接着力を有しているので剥離するのも容易であるが、時間がたつにつれて接着力が必要以上に高くなって剥離が困難となるとともに柔軟性が低下し、折り曲げると追従せずに剥がれたり輸送時に剥がれが生じたりする問題がある。
【0011】
アクリル系オリゴマーとして従来のUV硬化型感圧接着剤(特開平10−263466号公報、特開平10−265742号公報など)に用いられていたようなそれ自体のUV硬化物の感圧接着力が大きいオリゴマーを用い、このオリゴマーとアクリル系光重合性モノマーと光重合開始剤とを配合した従来のUV硬化型感圧接着剤の場合も、接着力高進性の問題がある。すなわちこの従来のUV硬化型感圧接着剤の硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させた当初は適度の接着力を有しているので剥離するのも容易であるが、時間がたつにつれて接着力が必要以上に高くなって剥離が困難となるとともに柔軟性が低下し、折り曲げると追従せずに剥がれたり輸送時に剥がれが生じたりする問題がある。
【0012】
本発明のUV硬化型感圧接着剤に用いるアクリル系オリゴマー自体のUV硬化物の感圧接着力は、本発明のUV硬化型感圧接着剤に用いるアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物の感圧接着力より十分小さいことが肝要である。具体的には、アクリル系オリゴマー自体のUV硬化物の感圧接着力はアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物の感圧接着力の約1/2〜1/10、好ましくは1/3〜1/8、さらに好ましくは1/4〜1/6、特に好ましくは約1/5程度が望ましい。1/2を超えると十分に小さいとはいえず、したがって接着力高進性の問題が残る恐れがあり、1/10未満では接着力高進性および柔軟性の低下の問題はないが硬化後の接着力が低下し剥離する恐れがある。
【0013】
本発明の請求項2は、重ね合わせ面が剥離可能に接着される重ね合わせ用シートであって、基材の重ね合わせ面に、請求項1記載のUV硬化型感圧接着剤の硬化層を設けてなる感圧接着性シートである。
基材の重ね合わせ面の所定部に、本発明のUV硬化型感圧接着剤の硬化層を設けてなる本発明の感圧接着性シートは、接着力高進性および柔軟性低下の問題がなく、時間がたっても適度の接着力が維持され、かつ折り曲げによく追従するようになり、輸送時に剥がれが生じたりすることがない。
【0014】
本発明の請求項3は、請求項2記載の感圧接着性シートにおいて、前記硬化層は、前記アクリル系オリゴマーのUV硬化物が前記アクリル系光重合性モノマーのUV硬化物からなるマトリックス中に分散しているモルフォロジー(形態、組織、構造)を有することを特徴とする。
【0015】
本発明のUV硬化型感圧接着剤は、上記のように適当な紫外線源により紫外線を照射すると、アクリル系オリゴマー自体が重合して硬化し、同時にアクリル系光重合性モノマー自体が重合して硬化するとともに、アクリル系オリゴマーとアクリル系光重合性モノマーが共重合して硬化が行われる。
【0016】
本発明の感圧接着性シートの硬化層は、アクリル系オリゴマー自体のUV硬化物(例えば、島)がアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物からなるマトリックス(例えば、海)中に分散しているモルフォロジー(例えば、海島構造)を有しており、すなわち硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させた面にはアクリル系オリゴマー自体のUV硬化物とアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物とが適当な割合で相互に共重合した状態で存在するので、アクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物に起因する接着力高進性の問題がなくなり改善されると考えられる。
【0017】
本発明の感圧接着性シートの硬化層中も、アクリル系オリゴマー自体のUV硬化物(例えば、島)がアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物からなるマトリックス(例えば、海)中に分散しているモルフォロジー(例えば、海島構造)を有しており、すなわち硬化層中にはアクリル系オリゴマー自体のUV硬化物とアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物とが適当な割合で相互に共重合した状態で存在しているので、柔軟性を有するアクリル系オリゴマー自体のUV硬化物の作用・効果により柔軟性の低下の問題がなくなり改善され、折り曲げによく追従するようになり、輸送時に剥がれが生じなくなると考えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるアクリル系オリゴマーは、末端にアクリロイル基、メタクリロイル基をもつオリゴマーであり、このようなオリゴマーとしては、エポキシ系アクリレート、ポリエステル系アクリレート、ポリビニルアルコール系オリゴマー、ポリアクリル酸系オリゴマー、ウレタン系アクリレートなどであり、具体的には、例えば、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2‐ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物などのエポキシ系アクリレート、
【0019】
グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのようなポリエステル系オリゴマー、
【0020】
ポリビニルアルコールとN‐メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化したのち、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系オリゴマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2‐ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸系オリゴマー、
【0021】
ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系オリゴマー
などを挙げることができる。
これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、さらにアクリル系オリゴマー以外のオリゴマーと組み合わせて用いることもできる。
【0022】
これらの中でも本発明においてエポキシ系アクリレート、ポリエステル系アクリレート、ウレタン系アクリレート、これらの2種以上を組み合わせたオリゴマーは好ましく使用できる。
また、2官能以上好ましくは2官能の官能基を持ち、主鎖にエチル基以上のアルキル基やアルキルフェニル基の側鎖構造を有さず、なおかつその硬化皮膜のガラス転移点が0℃以上60℃以下の脂肪族系のエポキシ系アクリレート、ポリエステル系アクリレート、ウレタン系アクリレート(これらの例として、具体的には、例えば、日本クローダ社製、クロダマーUVU−300、UVU−310、UVE−150などを挙げることができる)、これらの2種以上を組み合わせたオリゴマーはさらに好ましく使用できる。
【0023】
これらのアクリル系オリゴマーは、重量平均分子量2000〜30000の範囲のものが適当である。これよりも分子量が小さいものを用いると粘着性が大きくブロッキングなどを生じるため取り扱いが困難になるし、またこれよりも分子量の大きいものを用いると、硬化後の感圧接着性が低下する上、接着力高進性がでるので再剥離性接着用としては、利用できなくなる。
【0024】
アクリル系オリゴマーの配合量は感圧接着剤全体を基準として(アクリル系オリゴマー+アクリル系光重合性モノマー+光重合開始剤=100重量%)約1重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜50重量%、特に好ましくは20重量%〜50重量%が適当である。アクリル系オリゴマーの配合量が1重量%未満では、接着力高進性および柔軟性の改善が行われない恐れがあり、50重量%を超えると硬化後の感圧接着性が低下する恐れがある。
【0025】
次に、本発明でアクリル系オリゴマーと組み合わせて用いられるアクリル系光重合性モノマーとしては、具体的には、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル‐、シクロアルキル‐、ハロゲン化アルキル‐、アルコキシアルキル‐、ヒドロキシアルキル‐、アミノアルキル‐、テトラヒドロフルフリル‐、アリル‐、グリシジル‐、ベンジル‐、フェノキシ‐アクリレート及びメタクリレート、
【0026】
低級アルキレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′‐アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなどを挙げることができる。
【0027】
これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、さらにアクリル系光重合性モノマー以外の光重合性モノマーと組み合わせて用いることもできる。
【0028】
これらのアクリル系光重合性モノマーの配合量は感圧接着剤全体を基準として(アクリル系オリゴマー+アクリル系光重合性モノマー+光重合開始剤=100重量%)約40重量%〜99重量%、好ましくは45重量%〜95重量%、より好ましくは50重量%〜90重量%、特に好ましくは55重量%〜85重量%が適当である。アクリル系光重合性モノマーの配合量が40重量%未満では硬化後の感圧接着性が低下する恐れがあり、99重量%を超えると接着力高進性および柔軟性の改善が行われない恐れがある。
【0029】
また、前記アクリル系オリゴマーおよびびアクリル系光重合性モノマーとともに用いられる光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤の中から任意のものを選択して用いることができる。
このような光重合開始剤としては、具体的には、例えばベンゾインやベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン‐n‐プロピルエーテル、ベンゾイン‐イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル‐エーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニルスルフィド、エオシン、チオニン、9,10‐アントラキノン、2‐エチル‐9,10‐アントラキノンなどを挙げることができる。
【0030】
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、感圧接着剤全体を基準として(アクリル系オリゴマー+アクリル系光重合性モノマー+光重合開始剤=100重量%)約0.1重量%〜10重量%の範囲で選ばれる。
【0031】
本発明のUV硬化型感圧接着剤には、前記アクリル系オリゴマー、アクリル系光重合性モノマー、光重合開始剤の3成分に加えてさらに、所望に応じて一般の感光性樹脂組成物において慣用されている添加成分、例えば熱重合禁止剤、粘着付与剤、粘度調整剤、老化防止剤、安定剤、着色剤、微粒子充填剤などを含有させることができる。
【0032】
この熱重合禁止剤としては、例えばヒドロキノン、モノ第三ブチルヒドロキノン、ベンゾキノン、2,5‐ジフェニル‐p‐ベンゾキノン、ピクリン酸、ジ‐p‐フルオロフェニルアミン、ジ‐p‐メトキシフェノール、2,6‐ジ第三ブチル‐p‐クレゾールなどを挙げることができる。これらの熱重合禁止剤は、熱重合反応を防止するためのものであり、したがって、熱重合禁止剤の含有量は、通常UV硬化型感圧接着剤100重量部当り、0.01〜5重量部の範囲で選ばれる。
【0033】
本発明の感圧接着性シートは、例えば次のようにして製造することができる。すなわち、所定の基材シートを、二つ折り、三つ折り、切り重ね、あるいは別体同士の重ね合わせなどにより対向する部分に、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗布手段により、本発明のUV硬化型感圧接着剤を塗布し、次いで乾燥することにより接着剤層を形成させる。この際の塗布は、基材シート表面の全面にわたって行ってもよいし、一部分の表面のみに行ってもよい。この基材シート表面には、あらかじめ所要の情報を印刷しておいてもよいし、接着剤層を塗布したのち、情報を印刷してもよい。この際、印刷に紫外線硬化型インキを用いて、一般的に使用されている印刷機により情報を印刷する場合には、この印刷工程と本発明のUV硬化型感圧接着剤の塗布、定着と同時に行うことができるので有利である。
【0034】
本発明で用いる基材としては、例えば、非塗被紙である上質紙、中質紙、ザラ紙、コットン紙;塗被紙であるアート紙、コート紙、軽量コート紙など、その他、プラスチックラミネート紙、布、プラスチックラミネート布、プラスチックフィルム、金属箔などを挙げることができる。基材の坪量は通常50〜160g/m2 程度である。
本発明において、基材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどの合成プラスチックフィルムを用いる場合には、これらの基材の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。
【0035】
また、基材の表面への本発明のUV硬化型感圧接着剤の塗布量は、接着層の接着性、剥離性、あるいは透明性の維持のため、1〜30g/m2 、好ましくは3〜20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 の範囲内になるように選ばれる。
【0036】
このようにして製造された感圧接着性シートは、紫外線を照射させて、接着剤層を適度に硬化させたのち、各面の硬化した接着剤層を重ね合わせ、例えば加圧ローラによって約1〜100kg/cm2 の圧力下で接着させる。
【0037】
本発明のUV硬化型感圧接着剤の硬化層の永久接着性や再剥離接着性は、アクリル系オリゴマーとアクリル系光重合性モノマーの種類、両者の使用割合、アクリル系光重合性モノマーの官能基数、接着時のローラ圧などを変えることによって調整することができる。一般に、アクリル系光重合性モノマーの官能基が多いほど接着面が硬くなり、接着力が低下するし、また接着時のローラ圧が大きくなるほど接着力が増大する。
【0038】
本発明におけるUV硬化型感圧接着剤の硬化層は、適度の接着性及び再剥離性を有することが必要である。これは、全面にわたって、ベタ印刷したケント紙を、幅25mm、長さ100mmに裁断した試料2枚を25mmの長さで重ね合せ、50kg/cm2 の荷重を加えて圧着したのち、オートグラフAGS50(島津製作所製)を用いて測定した剥離強度が50〜150g/25mm、好ましくは80〜120g/25mmの範囲になるように接着力を調整することによって達成される。この接着力が50g/25mm未満では圧着したときの接着性が低く、剥離しやすいし、また150g/25mmよりも大きくなると、再剥離しにくくなり、必要時に開封ができない。
【0039】
本発明の感圧接着性シートにおいては、UV硬化型感圧接着剤の硬化層への情報がアクリル系紫外線硬化型インキもしくはアクリル系樹脂トナーにより印刷されているのが好適である。
先ず、アクリル系紫外線硬化型インキとは、通常、アクリル系オリゴマー、アクリル系光重合性モノマー、光重合開始剤からなるビヒクルに着色料、例えば黒色顔料やカーボンブラックおよび分散剤、安定剤、つや消し剤、防カビ剤、粘度調整剤などを配合して調整される。この際のアクリル系オリゴマー、アクリル系光重合性モノマーおよび光重合開始剤としては、前記のUV硬化型感圧接着剤におけるアクリル系オリゴマー、アクリル系光重合性モノマーおよび光重合開始剤の例として挙げたものの中からそれぞれ選んで用いることができる。また、このインキを用いた場合、通常の印刷機にてUV硬化型感圧接着剤の塗布・定着工程と印刷・乾燥工程を同時に行い得る。
【0040】
レーザプリンタやデジタルプレスなどを用いトナーをもってUV硬化型感圧接着剤の硬化層に情報を印字する場合、アクリル系樹脂トナーが最も好適である。現在、一般的に使用されているトナーには、現在の主流であるアクリル系樹脂の他、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂を主成分とするのものがあり、これらのトナーは何れも本発明のUV硬化型感圧接着剤の硬化層に密着するが、前記のアクリル系紫外線硬化型インキと同様、トナーを硬化層と類似のアクリル系樹脂とすることにより、トナーと硬化層との密着性が高まり、極めて良好に情報が施せる。
【0041】
本発明においては、UV硬化型感圧接着剤と紫外線硬化型インキとを、できるだけ類似した組成のものとするのが有利である。このようにすれば、両者の密着性が向上し、文字や図柄のかすれや剥離を生じない。
【0042】
次に、本発明の感圧接着性シートの構成例について添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの構成例によって限定されるものではない。
図1は本発明の第一の構成例である二つ折り感圧接着性シートの平面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は図1の感圧接着性シートの重ね合わせ状態説明図、図4は本発明の第二の構成例である三つ折り感圧接着性シートの平面図、図5は図4の感圧接着性シートの裏面図、図6は図4の感圧接着性シートの重ね合わせ状態説明図、図7は接着後の重ね合わせ面の各種剥離容易化手段の説明図である。
【0043】
図1ないし図3に示す本発明の第一の構成例は「隠蔽はがき」として構成された、重ね合わせ面3全面にUV硬化型感圧接着剤の硬化層4が施されてなる二つ折り感圧接着性シート1である。これは、基材シート2が折り用ミシン線Mfによって上紙片Aと下紙片Cに区画され、図3に示す如く、二つ折りに折り畳まれた状態で隠蔽情報を担持するものである。そして、図1及び図3に示すように、基材シート2の表裏面に郵便番号記入欄、購入品情報記入欄や社名などの一般印刷5が施されていると共に、折り畳まれた際の重ね合わせ面3全面、すなわち、上紙片Aと下紙片Cの片側面全面にUV硬化型感圧接着剤の硬化層4が施されている。
【0044】
なお、本実施例では上紙片Aの角部には切込みKを設け、上紙片Aと下紙片Bとの間に一部段差を生じさせ、接着後の重ね合わせ面の剥離を容易としている。このような剥離容易化手段としては、図7に示すように、本構成例におけるような(イ)重ね合わせ面の角部に切り込みKを入れて段差を設けたり、(ロ)重ね合わせ面の辺部に切り込みKを入れて段差を設けたり、(ハ)一方の重ね合わせ面にフラップ片Fを延設させて段差を設ける、などの手法が採用できる。
【0045】
図4ないし図6に示す本発明の第二の構成例は「隠蔽はがき」として構成された、重ね合わせ面3全面にUV硬化型感圧接着剤の硬化層4が施されてなる三つ折り感圧接着性シート1である。
これは、基材シート2が二本の折り用ミシン線Mf,Mfによって上紙片A、中紙片B、下紙片Cに区画され、図7(ハ)に示す如く、Z字型に三つ折りに折り畳まれた状態で隠蔽情報を担持するものである。そして、図4および図5に示すように、基体シート2の表裏面に郵便番号記入欄、可変情報記入欄、説明文などの一般印刷5が施されていると共に、Z字型に折り畳まれた際の重ね合わせ面3全面にUV硬化型感圧接着剤の硬化層4が施されている。
【0046】
図8は、図1ないし図3に示す本発明の感圧接着性シート1の硬化層4の断面を模式的に示す説明図である。上紙片Aの硬化層4および下紙片Cの硬化層4はアクリル系オリゴマー自体のUV硬化物6がアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物7からなるマトリックス中に分散している海島構造を有している。
【0047】
上紙片Aの硬化層4と下紙片Cの硬化層4同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させる面8にはアクリル系オリゴマー自体のUV硬化物6とアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物7とが適当な割合で相互に共重合した状態で存在するので、接着力高進性の問題がなくなるものと考えられる。
【0048】
硬化層4の層中も、アクリル系オリゴマー自体のUV硬化物(島)6がアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物7からなるマトリックス(海)中に分散している海島構造を有しており、硬化層4の層中にはアクリル系オリゴマー自体のUV硬化物6とアクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物7とが適当な割合で相互に共重合した状態で存在するので、柔軟性を有するアクリル系オリゴマー自体のUV硬化物6の作用・効果により柔軟性の低下の問題がなくなり改善され、折り曲げによく追従するようになり、輸送時に剥がれが生じたりすることがなくなるものと考えられる。
【0049】
【実施例】
次に実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アクリル系光重合性モノマーとして、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)25重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)30重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)35重量%、アクリル系オリゴマーとして、ウレタン系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVU300)5重量%、および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する本発明のUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を連量110kgのコート紙にワイヤーバーにより10g/cm2 の割合で塗布し、次いでアイグラフフィクス(株)製紫外線照射装置を用いて露光処理し、硬化させた。このようにして無色透明で光沢のある硬化層を有する本発明の感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を下記の方法により評価し、結果を表1に示す。
【0050】
接着力高進性;
得られた感圧接着性シートを、幅25mm、長さ100mmに裁断して試料を作成し、この試料2枚を25mmの長さで重ね合わせ100kg/cm2 の荷重を加えて圧着したのち、オートグラフAGS50(島津製作所製)を用いて接着力(F1)を測定する。次いで圧着した試料を室内に7日放置した後、同様にして接着力(F2)を測定し、下記の式(1)により接着力高進性(%)(接着力上昇率)を求める。
接着力高進性(%)=[(F2−F1)/F1]×100 式(1)
【0051】
柔軟性;
前記圧着した試料を室内に7日放置した後、トッパン・フォームズ社製折り曲げ装置を用いて1800 、10回折り曲げた後、同様にして接着力(F3)を測定し、下記の式(2)により柔軟性(%)(接着力保持率)を求める。
柔軟性(%)=[(F3)/F1]×100 式(2)
【0052】
(実施例2)
アクリル系光重合性モノマーとして、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)20重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)30重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)35重量%、アクリル系オリゴマーとして、ウレタン系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVU300)10重量%、および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する本発明のUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして本発明の感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示す。
【0053】
(実施例3)
アクリル系光重合性モノマーとして、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)20重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)25重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)30重量%、アクリル系オリゴマーとして、ウレタン系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVU300)20重量%、および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する本発明のUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして本発明の感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示す。
【0054】
(実施例4)
アクリル系光重合性モノマーとして、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)10重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)15重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)20重量%、アクリル系オリゴマーとして、ウレタン系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVU300)50重量%、および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する本発明のUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして本発明の感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示す。
【0055】
(実施例5)
アクリル系光重合性モノマーとして、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)20重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)30重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)35重量%、アクリル系オリゴマーとして、エポキシ系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVE150)10重量%、および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する本発明のUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして本発明の感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示す。
【0056】
(実施例6)
アクリル系光重合性モノマーとして、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)15重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)20重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)30重量%、アクリル系オリゴマーとして、エポキシ系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVE150)30重量%、および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する本発明のUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして本発明の感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示す。
【0057】
(実施例7)
アクリル系光重合性モノマーとして、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)25重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)30重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)35重量%、アクリル系オリゴマーとして、ポリエステル系アクリレート(東亜合成社製、M6100)5重量%、および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する本発明のUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして本発明の感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示す。
【0058】
(実施例8)
アクリル系光重合性モノマーとして、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)15重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)15重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)25重量%、アクリル系オリゴマーとして、ポリエステル系アクリレート(東亜合成社製、M6100)40重量%、および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する本発明のUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして本発明の感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表1に示す。
【0059】
(比較例1)
ウレタン系アクリレート(日本クローダ、UVU300)20重量%の代わりに、メタクリル変性ポリブタジエン系オリゴマー(日本曹達社製、TEA1000)20重量%用いた以外は実施例3と同様にして比較のためのUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして比較のための感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示す。
【0060】
(比較例2)
ウレタン系アクリレート(日本クローダ、UVU300)50重量%の代わりに、メタクリル変性ポリブタジエン系オリゴマー(日本曹達社製、TEA1000)50重量%用いた以外は実施例4と同様にして比較のためのUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして比較のための感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示す。
【0061】
(比較例3)
アクリル系オリゴマーを配合せず、1官能アクリレート(東亜合成社製、M113)30重量%、2官能アクリレート(大阪有機化学工業社製、ビスコート260)30重量%、3官能アクリレート(東亜合成社製、M310)35重量%、光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する比較のためのUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして比較のための感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示す。
【0062】
(比較例4)
アクリル系光重合性モノマーを配合せず、アクリル系オリゴマーとして、ウレタン系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVU300)95重量%および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する比較のためのUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして比較のための感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示す。
【0063】
(比較例5)
アクリル系光重合性モノマーを配合せず、アクリル系オリゴマーとして、エポキシ系アクリレート(日本クローダ社製、クロダマーUVE150)95重量%および光重合開始剤として、チバガイギー社製、イルガキュアー184を5重量%を含有する比較のためのUV硬化型感圧接着剤を調製した。
このようにして得たUV硬化型感圧接着剤を用いて実施例1と同様にして比較のための感圧接着性シートを製造した。
次いでこの感圧接着性シートの接着力高進性および柔軟性を実施例1と同様にして評価し、結果を表2に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0004422820
【0065】
【表2】
Figure 0004422820
【0066】
表1から、実施例1〜8の本発明のUV硬化型感圧接着剤を用いた本発明の感圧接着性シートは、硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させた当初は勿論、時間がたっても適度の接着力が維持され、かつ柔軟性も維持されることが判る。
【0067】
それに対して、表2から、比較例1〜3のUV硬化型感圧接着剤を用いた感圧接着性シートは、硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させた当初は適度の接着力および柔軟性を有するが、時間がたつと接着力が必要以上に大きくなって剥離が困難となり、かつ柔軟性が低下することが判る。また、比較例4〜5のUV硬化型感圧接着剤を用いた感圧接着性シートは、硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させた当初から接着力が低いことが判る。
また、表2の比較例4〜5の結果を表1の比較例3の結果と対比すると、本発明で用いるアクリル系オリゴマーのUV硬化物の感圧接着力は、本発明で用いるアクリル系光重合性モノマーのUV硬化物の感圧接着力より十分小さいことが判る。
【0068】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のUV硬化型感圧接着剤は、非水型であるため、乾燥により、しわを生じることがない上に、硬化層は光沢を有し、外観も良好であり、しかもその上に印字可能であり、さらに、硬化層同士を対接させた状態で強圧をかけて密着させて剥離可能に接着した当初は勿論、時間がたっても適度の接着力が維持され、かつ柔軟性も維持される。
【0069】
本発明の請求項2記載の感圧接着性シートは、基材の重ね合わせ面に本発明のUV硬化型感圧接着剤の硬化層を設けてなる感圧接着性シートであり、接着力高進性および柔軟性低下の問題がなく、時間がたっても適度の接着力および柔軟性が維持され、折り曲げによく追従するようになり、輸送時に剥がれが生じたりすることがない。
本発明の感圧接着性シートは、折り重ねや切り重ねにより重ね合わせた面を情報担持面としてなる折り畳みシート、重ね合わせシートのような親展性を有する情報伝達用シートや、寸法拡大可能な整理シート、複写用紙などの事務用シートなどとして有用である。
【0070】
本発明の請求項3記載の感圧接着性シートは、その硬化層が、アクリル系オリゴマーのUV硬化物がアクリル系光重合性モノマーのUV硬化物からなるマトリックス中に分散しているモルフォロジーを有するので、接着力高進性の問題がなくなり改善されるとともに、アクリル系オリゴマー自体のUV硬化物の作用・効果により柔軟性の低下の問題がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の構成例である二つ折り感圧接着性シートの平面図である。
【図2】 図1のX−X線断面図である。
【図3】 図1の感圧接着性シートの重ね合わせ状態説明図である。
【図4】 本発明の1例の三つ折り感圧接着性シートの平面図である。
【図5】 図4の感圧接着性シートの裏面図である。
【図6】 図4の感圧接着性シートの重ね合わせ状態説明図である。
【図7】 接着後の重ね合わせ面の各種剥離容易化手段の説明図である。
【図8】 図1の本発明の感圧接着性シートの硬化層の断面を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 感圧接着性シート
2 基体シート
3 重ね合わせ面
4 UV硬化型感圧接着剤の硬化層
5 一般印刷部分
6 アクリル系オリゴマー自体のUV硬化物(島)
7 アクリル系光重合性モノマー自体のUV硬化物からなるマトリックス(海)
A 上紙片
B 中紙片
C 下紙片
Mc 切り用ミシン線
Mf 折り用ミシン線

Claims (3)

  1. 硬化後通常状態では接着せず、同士を対接させ所定の圧力を付与することにより接着するが、必要に応じて剥離可能な、アクリル系オリゴマーとアクリル系光重合性モノマーと光重合開始剤とを含有するUV硬化型感圧接着剤であって、
    前記アクリル系オリゴマーとして2官能以上の官能基を持ち、主鎖にエチル基以上のアルキル基やアルキルフェニル基の側鎖構造を有さず、なおかつその硬化皮膜のガラス転移点が0℃以上60℃以下の脂肪族系のエポキシ系アクリレート、ポリエステル系アクリレート、ウレタン系アクリレートあるいはこれらの2種以上を組み合わせた重量平均分子量2000〜30000の範囲のオリゴマーを(アクリル系オリゴマー+アクリル系光重合性モノマー+光重合開始剤=100重量%)に対して1重量%〜50重量%、
    前記アクリル系光重合性モノマーとしてアクリル酸またはメタクリル酸の不飽和カルボン酸またはそのエステル、アクリルアミド、メタクリルアミドまたはその誘導体あるいはこれらの2種以上を組み合わせたモノマーを(アクリル系オリゴマー+アクリル系光重合性モノマー+光重合開始剤=100重量%)に対して40重量%〜99重量%用いることを特徴とするUV硬化型感圧接着剤。
  2. 重ね合わせ面が剥離可能に接着される重ね合わせ用シートであって、基材の重ね合わせ面に、請求項1記載のUV硬化型感圧接着剤の硬化層を設けてなる感圧接着性シート。
  3. 前記硬化層は、前記アクリル系オリゴマーのUV硬化物が前記アクリル系光重合性モノマーのUV硬化物からなるマトリックス中に分散しているモルフォロジーを有することを特徴とする請求項2記載の圧接着性シート。
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