JP4449676B2 - 銅微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子材料の配線形成用などとして有用な銅微粒子及びその製造方法、並びにその銅微粒子の分散液に関するものである。
従来から、金属微粒子は、電子材料用の導電性ペーストのような配線形成材料として、プリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続等に利用されている。特に粒径が100nm以下の金属微粒子は、通常のサブミクロン以上の粒子と異なり焼成温度を極めて低くできるため、低温焼成ペースト等への応用が考えられている。
特に最近では、インクジェットプリンターを用いて金属微粒子を含有するインクにより微細な配線パターンの印刷を行い、低温焼成して配線を形成する技術が着目され、研究開発が進められている。しかし、インクジェットプリンターの場合、インクに含まれる金属微粒子はインク中において長期間分散性を保つことが必要とされており、そのためインクジェットプリンター用インクに用いる金属微粒子について現状よりも更なる微細化が要請されている。
具体的には、インクジェットプリンター用インクに用いる金属微粒子の粒径については、分散性の観点から50nm以下であることが望まれている。即ち、現在実用化されているインクジェットプリンター用の顔料系インクでは、含有される有機顔料やカーボンブラックに求められる粒径は50〜200nmが一般的である(特開2000−345093公報)。また、金属銅の密度は8.96g/cmであり、有機顔料やカーボンブラックの密度1.5〜2.5g/cmに対して約4〜6倍である。そのため、分散液中の微粒子の沈降速度に関する公知のストークス式から、分散媒を水と仮定し、有機顔料の密度を1.5g/cmとし、上記密度差を考慮して、有機顔料やカーボンブラックと同程度の沈降速度となる銅微粒子の粒径を算出すると、ほぼ12.5〜50nm程度となるからである。
一般に、金属微粒子の製造方法としては、例えば、原料となる金属を真空中又は微量のガス存在下で誘導加熱により蒸発させることにより、気相中で金属微粒子を合成する方法が知られている(特開平3−34211号公報、特開2000−123634号公報)。しかし、この方法では、高価な誘導加熱装置や真空装置等を必要とするうえ、金属微粒子が真空装置内で生成するため、一度に得られる金属微粒子の生成量が少なく、大量生産に適していない。
気相中から金属微粒子を得る蒸発法の中には、上記誘電加熱を利用する方法以外にも、アーク放電を利用するもの(特開2002−241806号公報、特開2002−141810号公報)、電子ビームを利用するもの、レーザーを利用するもの等も知られているが、上記の誘導加熱を利用するものと同様の理由で高コストであり、やはり大量生産に適した製造方法とは言い難い。
一方、大量生産に適した金属微粒子の製造方法として、液相中から金属微粒子を製造する化学的な方法も提案されている。一般的な方法としては、金属化合物を溶液中においてヒドラジン等の還元剤により還元する方法がある。しかし、この方法では、生成した金属微粒子間に強い凝集力が働くため、100nm以下の粒径を有する微細な金属微粒子を作製することは困難であった。
また、生産性の高い濃厚系で金属微粒子を合成する方法として、ポリオール法がよく知られている(特開昭59−173206号公報)。この方法は、酸化銅のような銅の酸化物又は塩をポリオール中で加熱還元する方法であり、ポリオールは溶媒、還元剤、保護剤の三つの役割を担っている。その結果、濃厚系でもサブミクロンないしミクロンオーダーの金属微粒子を得ることができる。
このポリオール法では、ポリオールの種類、反応温度、原料などを調製することによって、微細な金属微粒子を得られることが知られている。しかし、通常のポリオール法においては、特に銅微粒子の場合、粒径が100nm以下の分散性の優れた銅微粒子の合成は極めて困難であった(特公平4−24402号公報、特許3399970号公報、特許3353648号公報、特許3353649号公報)。
最近、ポリオール法を用いて、粒径が100nm以下の銅微粒子を製造する方法が提案された(特開2003−166006号公報)。しかしながら、この方法では、100nm以下の粒径の酸化銅をポリオール中に分散させ、150℃未満の温度で加圧水素により還元することが必要である。従って、加圧水素による還元を行うため、高圧容器(オートクレーブ)が必要であると共に、爆発の危険性があるという問題があった。
特開2000−345093公報 特開平3−34211号公報 特開2000−123634号公報 特開2002−241806号公報 特開2002−141810号公報 特開昭59−173206号公報 特公平4−24402号公報 特許3399970号公報 特許3353648号公報 特許3353649号公報 特開2003−166006号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、大量生産に適した液相法であるポリオール法を応用することにより、累積95%粒径が100nm以下、好ましくは平均粒径が50nm以下であり、しかも粒径の均一性が極めて高く、分散性及び耐酸化性に優れた銅微粒子、特に低温焼成配線材料に用いる金属微粒子として好適な銅微粒子及びその製造方法、並びにその銅微粒子を含む分散液を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明が提供する銅微粒子の製造方法は、銅の酸化物、水酸化物又は塩を、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコールの溶液中で加熱還元して銅微粒子を得る方法において、核生成のために貴金属イオンを添加すると共に、分散剤としてポリビニルピロリドンを添加し、且つ還元反応制御剤としてアミン系有機化合物を添加して、貴金属を含有する累積95%粒径が100nm以下の銅微粒子を得ることを特徴とする。
上記本発明の銅微粒子の製造方法においては、前記貴金属イオンとしてパラジウムイオン又は銀イオンを用い、その添加量は銅に対する重量比で0.0004〜0.1であることが好ましい。また、前記ポリビニルピロリドンの添加量は、銅に対する重量比で0.1〜2.0であることが好ましい。更に、前記アミン系有機化合物は、側鎖あるいは主鎖にアミノ基又はイミノ基をもつ水溶性高分子であり、その添加量は20g/リットル以下であることが好ましい。
また、上記本発明の銅微粒子の製造方法においては、還元反応制御剤として更にアルカリ性無機化合物を添加することができる。その場合、前記アルカリ性無機化合物の添加量は2g/リットル以下であって、且つ前記アミン系有機化合物と前記アルカリ性無機化合物の合計添加量が20g/リットル以下であることが好ましい。
本発明は、また、上記銅微粒子の製造方法により得られた銅微粒子を含む溶液を、極性溶媒で溶媒置換、濃縮して得られる銅微粒子分散液を提供する。即ち、本発明は、銅微粒子がパラジウムを含有し、その累積95%粒径が100nm以下で、且つ平均粒径が50nm以下であることを特徴とする銅微粒子分散液、あるいは、銅微粒子が銀を含有し、その累積95%粒径が100nm以下で、且つ粒径の標準偏差/平均粒径が30%以下であることを特徴とする銅微粒子分散液を提供するものである。
本発明は、更に、上記銅微粒子の製造方法により得られた銅微粒子を提供するものである。即ち、本発明は、パラジウムを含有し、その累積95%粒径が100nm以下で、且つ平均粒径が50nm以下であることを特徴とする銅微粒子、あるいは、銀を含有し、その累積95%粒径が100nm以下で、且つ粒径の標準偏差/平均粒径が30%以下であることを特徴とする銅微粒子を提供する。
本発明によれば、大量生産に適した液相法により、その累積95%粒径が100nm以下、好ましくは最大粒径が100nm以下、更に好ましくは平均粒径が50nm以下であり、しかも粒径の均一性が極めて高く、分散性及び耐酸化性に優れた銅微粒子及びその分散液を提供することができる。ここで、累積95%粒径とは、粒子を粒径の小さい順に累積していき全量の95%に達したときの粒径であり、D95とも表記され、本発明においてはSEM写真の解析により求めた。
また、本発明の銅微粒子の製造方法においては、核となる貴金属イオンや還元反応制御剤の添加量などを変化させることによって、得られる銅微粒子の粒径並びに粒径分布を用途に応じて制御することが可能である。しかも、高圧容器等の特別な装置を必要としないうえ、使用する原料、有機溶媒、分散剤などのいずれもが一般の工業材料を使用できるため、銅微粒子及びその分散液の低コスト化を実現することが可能である。
このように、本発明により得られる銅微粒子は、極めて微細で且つ粒径の均一性が高いため、低温焼成による均質な導電膜の製造に好適であり、特に配線密度のファインピッチ化に対応可能なものである。特に平均粒径が50nm以下の銅微粒子は、最近のインクジェットプリンターを用いた微細な配線パターンの形成において、インクジェットプリンター用インクに分散させる金属微粒子として有効である。
本発明における銅微粒子の製造方法は、公知のポリオール法を応用して、原料である銅の酸化物、水酸化物又は塩を、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコールの溶液中で加熱還元することにより、液相中で銅微粒子を合成するものである。その際、本発明方法においては、微粒子形成の核を得るために貴金属イオンを添加すると共に、分散剤としてポリビニルピロリドンを添加し、且つ還元反応制御剤としてアミン系有機化合物を添加する。更には、第2の還元反応制御剤として、必要に応じて、アルカリ性無機化合物を添加することもできる。
核形成のために添加する貴金属イオンは、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコール溶液中において、還元反応の初期の段階で還元され、極めて微細な貴金属超微粒子を生成する。この極めて微細な貴金属超微粒子を核として、銅の酸化物、水酸化物又は塩から還元された銅(Cu)が堆積し、粒径が微細で且つ均一な銅微粒子が合成される。核形成のための貴金属イオンとしては、パラジウム(Pd)又は銀(Ag)が好ましい。これらはイオンの状態で添加することが好ましく、例えば、パラジウムの場合は塩化パラジウムアンモニウム、塩化パラジウムなどのパラジウム塩の水溶液として、銀の場合は硝酸銀、塩化銀などの銀塩の水溶液として添加することが望ましい。
貴金属イオンの添加量は、銅に対する貴金属の重量比、即ち貴金属/Cu重量比で、0.0004〜0.1の範囲が好ましい。その理由は、貴金属/Cu重量比が0.0004未満では、生成する貴金属超微粒子の量が不足するため、銅の還元反応ないし銅微粒子の形成が十分に進まないからである。また、銅微粒子の形成に至った場合においても、核となる貴金属超粒子数が不足するため、得られる銅微粒子の最大粒径が100nmを越えて粗大化する。逆に、貴金属/Cu重量比が0.1を超えた場合、高価な貴金属の添加量が増えるだけでなく、貴金属粒子のみが単独で析出してしまうために、銅の還元が十分に進まず、目的とする銅微粒子が得られない。
特に好ましくは、核形成用の貴金属としてPdを用いる場合は、Pd/Cu重量比を0.0006〜0.005の範囲とすることによって、累積95%粒径が100nm以下、平均粒径が50nm以下と極めて微細で、且つ粒径の均一性に優れた銅微粒子を得ることができる。また、核形成用の貴金属としてAgを用いる場合には、Ag/Cu重量比を0.002〜0.05の範囲とすることにより、累積95%粒径が100nm以下、好ましくは最大粒径が100nm以下と微細であり、且つ粒径の標準偏差/平均粒径が30%以下と粒径の均一性に優れた銅微粒子が得られる。
分散剤として添加するポリビニルピロリドン(PVP)は、還元析出した銅微粒子の表面を被覆し、その立体障害により銅微粒子同士の接触を防止して、凝集がほとんどない分散性に優れた銅微粒子の生成を促進する。用いるポリビニルピロリドン(PVP)は、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコール溶液に溶解し、生成した銅微粒子に吸着して立体障害を形成し得るものであればよく、そのためには分子量が10,000〜30,000の範囲のものが好ましい。
また、ポリビニルピロリドン(PVP)の添加量としては、銅に対する重量比で、即ちポリビニルピロリドン(PVP)/Cu重量比で0.1以上が好ましい。しかし、ポリビニルピロリドンの添加量が多過ぎると、液の粘性が高くなり過ぎ、後の極性溶媒との溶媒置換・濃縮に時間がかかるうえ、濃縮時にポリビニルピロリドンの残存量が多くなるので、ポリビニルピロリドン(PVP)/Cu重量比で2.0以下に抑えることが望ましい。
還元反応制御剤として添加するアミン系有機化合物は、還元速度を高める効果に加えて、反応初期に生成する貴金属超微粒子の分散効果を有しており、還元析出する銅微粒子の微細化と粒径の均一化に寄与する。従って、還元反応制御剤の添加量を調整することによって、還元析出する銅微粒子の粒径及びその粒径分布を制御することが可能である。
かかるアミン系有機化合物としては、側鎖あるいは主鎖にアミノ基又はイミノ基をもつ水溶性高分子、例えば、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリエチレンイミンなどが適しているが、その中でもポリエチレンイミン(PEI)あるいはポリアリルアミン(PAA)が好ましい。アミン系有機化合物の添加量は20g/リットル以下であることが好ましく、これを超えて添加した場合、得られる銅微粒子の粒径の均一性が低下する。
上記アミン系有機化合物と共に、必要に応じて、第2の還元反応制御剤としてアルカリ性無機化合物を添加することもできる。第2の還元反応制御剤であるアルカリ性無機化合物の添加は、還元速度を高める効果があり、還元温度を低下させることが可能となると同時に、反応初期に生成する貴金属粒子核と銅微粒子の微細化に寄与する。従って、アミン系有機化合物と共にアルカリ性無機化合物の添加量を調整することによって、還元析出する銅微粒子の粒径及びその粒径分布を制御することが可能である。
第2の還元反応制御剤として用いるアルカリ性無機化合物は、水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)が好ましい。これらは2g/リットル以下の添加で十分に効果を発揮し、特に好ましくは1g/リットル以下である。ただし、アルカリ性無機化合物の添加量は、上記アミン系有機化合物の合計添加量で20g/リットル以下とする必要がある。得られる銅微粒子が電子部品の配線材料として用いられる場合には、アルカリ性無機化合物に由来するアルカリ金属イオンが微量に含まれるだけでマイグレーションの原因になるため、合成後の銅微粒子の洗浄工程でアルカリ金属イオンを10ppm以下程度まで除去する必要がある。その際の洗浄度合いを低減するために、アルカリ性無機化合物の添加は出来るだけ少なくすることが望ましい。
本発明方法における銅原料は、通常のポリオール法で用いられるものでよく、例えば、酸化銅、亜酸化銅などの銅の酸化物、水酸化銅などの銅の水酸化物、酢酸銅、塩化銅などの銅の塩を用いることができる。尚、これらの銅原料は、通常のごとく粉末状態で使用する。また、還元反応に使用する好適なポリオール溶媒は、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)のいずれかである。
均一な銅微粒子を合成するためには、ポリオール溶液、即ちエチレングリコール、ジエチレングリコール、又はトリエチレングリコール溶液の最高到達温度として、130〜200℃の範囲が可能である。この最高到達温度が130℃未満では銅の還元反応が起らず、200℃を超えると析出した銅の粒子が大きく成長してしまうため好ましくない。
上記した本発明方法により合成される銅微粒子は、貴金属を微量に含有し、累積95%粒径(D95)が100nm以下、好ましくは最大粒径が100nm以下、更に好ましくは平均粒径が50nm以下である。特に、貴金属としてパラジウムを含有する場合、累積95%粒径が100nm以下で、平均粒径が50nm以下の極めて微細な銅微粒子を得ることができる。しかも、本発明の貴金属を含有する銅微粒子は、パラジウム又は銀のいずれを含有する場合にも、その粒径は極めて均一性が高く、好ましくは粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)が30%以下であって、分散性及び耐酸化性に優れている。
このような本発明の微細な銅微粒子は、最近研究開発が進んでいるインクジェットプリンターやスクリーン印刷を用いた微細な配線パターンの形成と、低温焼成による配線形成技術において、そのインクあるいはペーストを構成する金属微粒子として優れており、インクあるいはペースト中で長期間良好な分散性を保つことができる。
本発明方法により合成された銅微粒子は、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコール溶液中に分散した状態で得られる。この溶液中には、銅微粒子以外に、分散剤のポリビニルピロリドン、及び還元反応制御剤が含まれている。しかし、これらの分散剤や還元反応制御剤は、最終的に使用される配線材料用のインクや導電ペースト製品中に過剰に存在すると、電気抵抗の上昇、構造欠陥の発生などの不具合をもたらす原因となる。
そこで、本発明方法により得られた銅微粒子を含む溶液は、水やアルコール、エステルなどの極性溶媒で溶媒置換、濃縮することによって、分散剤や還元反応制御剤などをできるだけ除去し、銅微粒子が極性溶媒中に分散した分散液とすることが望ましい。尚、使用する極性溶媒としては、水、アルコール、エステルのいずれか1種、若しくはこれらの2種以上の混合物が好ましい。
かかる銅微粒子分散液を調製する一般的な方法としては、本発明方法で得られた銅微粒子を含む溶液を、水、アルコール、エステルなどの極性溶媒で希釈した後、限外濾過などにより溶媒置換・濃縮を行う。その後、必要に応じて、更に極性溶媒による希釈と、溶媒置換・濃縮を繰り返して、所望の銅濃度と不純物品位に調整した銅微粒子分散液とする。
かくして得られる本発明の銅微粒子分散液は、銅微粒子が水、アルコール、エステルの少なくとも1種からなる極性溶媒に分散した銅微粒子分散液であって、その銅微粒子は貴金属を微量に含有し、且つ累積95%粒径(D95)が100nm以下であり、好ましくは平均粒径が50nm以下である。しかも、この銅微粒子分散液中の貴金属を含有する銅微粒子は、パラジウム又は銀のいずれを含有する場合にも、粒径の均一性が高く、具体的には粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)が30%以下である。
銅原料として亜酸化銅(CuO)(日進ケムコ(株)製)又は酢酸銅一水和物(関東化学(株)製、試薬)を、Pdイオンとして塩化パラジウムアンモニウム(住友金属鉱山(株)製)にアンモニア水を加えて溶解したPd溶液を、Agイオンとして硝酸銀(和光純薬工業(株)製、試薬)に水を加えて溶解したAg溶液を、溶媒としてエチレングリコール(EG)(日本触媒(株)製)、ジエチレングリコール(DEG)(日本触媒(株)製)又はトリエチレングリコール(TEG)(日本触媒(株)製)を、分散剤として分子量10,000のポリビニルピロリドン(PVP)(アイエスピー・ジャパン(株)製)を、還元反応制御剤として分子量1,200のポリエチレンイミン(PEI)(日本触媒(株)製)又は分子量5,000のポリアリルアミン(PAA)(日東紡績(株)製)を用いて、以下のごとく銅微粒子を製造した。尚、第2の還元反応制御剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)(和光純薬工業(株)製、試薬)又は水酸化カリウム(KOH)(和光純薬工業(株)製、試薬)を必要に応じて添加した。
[実施例1]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、銅原料として40gのCuO粉と、分散剤として15gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に還元反応制御剤として0.25gのポリエチレンイミン(PEI)、及びPd量で0.1gのPd溶液を加え、150℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない単分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が39nm(最大粒径は100nm以下)、平均粒径が28.2nmであった。また、この銅微粒子の粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)は20%であった。この銅微粒子のSEM写真を図1に示す。
この実施例1の反応条件を下記表1に、及び得られた銅微粒子の評価を下記表2に示した。銅微粒子の粒径は、SEM写真観察により視野から200個の粒子を無作為に選択して粒径を測定し、累積95%粒径と平均粒径を算出した。尚、SEM写真観察は、日立製作所(株)製の電界放出型電子顕微鏡(FE−SEM、型式S−4700)を使用した。
[実施例2]
Pd量を0.0265gに低減した以外は上記実施例1と同様にして、銅微粒子を還元析出させた。得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が46nm、平均粒径が35.2nmであった。また、この銅微粒子の粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)は20%であった。この実施例2から、Pd量を変えることによって、粒径制御が可能であることが分る。実施例2の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。
[実施例3]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、55gのCuO粉と、20gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に0.35gのポリエチレンイミン(PEI)、及びPd量で0.025gのPd溶液を加え、150℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。この実施例3では、実施例1及び2よりもCu濃度を高めることで、Pd/Cu比を低減させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が73nm、平均粒径が45.4nmであった。実施例3の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。また、この銅微粒子のSEM写真を図2に示す。
[実施例4]
溶媒である5リットルのエチレングリコール(EG)に、400gのCuO粉と、200gのポリビニルピロリドン(PVP)、1.75gの水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に4gのポリエチレンイミン(PEI)、及びPd量で1.25gのPd溶液を加え、150℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が43nm、平均粒径が21.6nmであった。実施例4の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。
[実施例5]
溶媒である0.5リットルのトリエチレングリコール(TEG)に、55gのCuO粉と、20gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に0.35gのポリエチレンイミン(PEI)、及びPd量で0.05gのPd溶液を加え、185℃に2時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が67nm、平均粒径が40.4nmであった。実施例5の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。
[実施例6]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、35gのCuO粉と、20gのポリビニルピロリドン(PVP)、1.5gのポリエチレンイミン(PEI)、0.2gの水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて、撹拌しながら加熱し、更にPd量で0.123gのPd溶液を加え、145℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が40nm、平均粒径が26.0nmであった。実施例6の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。
[実施例7]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、30gの酢酸銅一水和物と、20gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に0.5gのポリエチレンイミン(PEI)、及びPd量で0.0295gのPd溶液を加え、170℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が68nm、平均粒径が46.0nmであった。実施例7の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。
[実施例8]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、55gのCuO粉と、20gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に0.19gのポリアリルアミン(PAA)、及びPd量で0.05gのPd溶液を加え、150℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない単分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が31nm、平均粒径が21.4nmであった。実施例8の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。
[比較例1]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、40gのCuO粉と、15gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に0.25gのポリエチレンイミン(PEI)と、Pd量で0.01gのPd溶液を加え、160℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない分散性の微粒子であった。しかし、この銅微粒子は、累積95%粒径が88nm、平均粒径が66.4nmであり、添加したPd量が少ないために最大粒径及び平均粒径とも上記各実施例に比べて大きくなった。この比較例1の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。
[比較例2]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、40gのCuO粉と、15gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更にPd量で0.123gのPd溶液を加え、150℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
反応終了後、濾過した回収物をX線回折により分析した結果、未反応の銅原料CuOの残留が認められ、析出した銅微粒子も凝集していた。還元反応制御剤であるアミン系有機化合物を添加していないため、銅の還元反応が十分進行しなかったものと考えられる。この比較例2の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。
[比較例3]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、40gのCuO粉と、20gのポリビニルピロリドン(PVP)、0.35gの水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更にPd量で0.05gのPd溶液を加え、150℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、著しく凝集しており、中には数μmまで凝集成長した粒子も認められた。還元反応制御剤のアミン系有機化合物を添加していないため、アルカリ性有機化合物(NaOH)のみを添加しても、還元反応初期段階での分散制御が不十分であるためと考えられる。この比較例3の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表1〜2に示した。また、この銅微粒子のSEM写真を図3に示す。
[実施例10]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、40gのCuO粉と、20gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に1gのポリエチレンイミン(PEI)、及びAg量で0.36gのAg溶液を加え、160℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない単分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が71nm、平均粒径が49.4nm、粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)が23%であった。実施例10の反応条件を下記表3に、得られた銅微粒子の評価結果を下記表4に、それぞれ上記実施例1の場合と同様に示した。
[実施例11]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、40gのCuO粉と、7.5gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更に1gのポリエチレンイミン(PEI)、及びAg量で0.19gのAg溶液を加え、165℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない単分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が71nm、平均粒径が53.6nm、粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)が20%であった。実施例11の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表3〜4に示した。
[実施例12]
溶媒である0.5リットルのジエチレングリコール(DEG)に、40gのCuO粉と、40gのポリビニルピロリドン(PVP)、0.31gのポリエチレンイミン(PEI)、0.4gの水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更にAg量で0.77gのAg溶液を加え、170℃に2時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない単分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が80nm、平均粒径が53.3nm、粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)が25%であった。実施例12の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表3〜4に示した。
[実施例13]
溶媒である0.5リットルのトリエチレングリコール(TEG)に、30gのCuO粉と、40gのポリビニルピロリドン(PVP)、10gのポリエチレンイミン(PEI)を加えて、撹拌しながら加熱し、更にAg量で0.19gのAg溶液を加え、175℃に2時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない単分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が72nm、平均粒径が53.6nm、粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)が20%であった。実施例13の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表3〜4に示した。
[実施例14]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、40gのCuO粉と、15gのポリビニルピロリドン(PVP)、0.3gのポリエチレンイミン(PEI)、0.2gの水酸化カリウム(KOH)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更にAg量で0.16gのAg溶液を加え、150℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、凝集のない単分散性の微粒子であった。この銅微粒子は、累積95%粒径が70nm、平均粒径が53.3nm、粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)が17%であった。実施例14の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表3〜4に示した。
[比較例4]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、40gのCuO粉と、20gのポリビニルピロリドン(PVP)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更にAg量で0.36gのAg溶液を加え、160℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
反応終了後、濾過した回収物をX線回折により分析した結果、ほとんどが未反応の銅原料CuOであり、析出した銅微粒子も凝集していた。還元反応制御剤であるアミン系有機化合物及びアルカリ性有機化合物を添加していないため、銅の還元反応が十分進行しなかったものと考えられる。比較例4の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表3〜4に示した。
[比較例5]
溶媒である0.5リットルのエチレングリコール(EG)に、40gのCuO粉と、50gのポリビニルピロリドン(PVP)、0.55gの水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて、窒素ガスを吹き込み撹拌しながら加熱し、更にAg量で0.19gのAg溶液を加え、150℃に1時間保持して銅微粒子を還元析出させた。
得られた銅微粒子を濾過し、SEMで観察したところ、粒子が凝集している箇所が認められた。この銅微粒子は、累積95%粒径が112nm、平均粒径が90.4nm、粒径の標準偏差(σ)/平均粒径(d)が14%であった。還元反応制御剤のアミン系有機化合物を添加していないため、アルカリ性有機化合物(NaOH)のみを添加しても、還元反応初期段階での分散制御が不十分であり、粒子が粗大化したものと考えられる。この比較例5の反応条件と得られた銅微粒子の評価結果を、上記実施例1の場合と同様に、下記表3〜4に示した。
[実施例15]
上記実施例1で得られた銅微粒子を含む溶液から、溶媒のエチレングリコール(EG)の一部をエタノール(COH)で置換した銅微粒子分散液を調整した。具体的には、銅微粒子を含む溶液(Cu:7重量%)0.5リットルを、限外濾過により約1/5になるまで濃縮した後に、1リットルになるまでエタノールとエチレングリコールの混合溶媒を追加し、限外濾過によりエチレングリコールとエタノールの混合濾液を系外へ排出し、銅微粒子を含む溶液を100ccまで濃縮した。
次に、この濃縮液に、再びエタノールとエチレングリコールを1リットルになるまで追加し、限外濾過により濾液を系外へ排出して、元液を1/10に希釈した。この工程を更に1度繰り返すことによって、反応溶媒を元の1/1000の濃度にした。その後、この溶媒置換・濃縮後の液を回収して、80ccの銅微粒子分散液を得た。
この銅微粒子分散液は、その分析結果から、Cu:55重量%、Pd:0.15重量%、Na:10重量ppm以下であり、残部がエタノールとエチレングリコールであった。この銅微粒子分散液について、動的光散乱法により粒度分布を測定したところ、累積50%粒径が31nmであって、分散性が極めて良い銅微粒子分散液が得られたことが分った。更に、この銅微粒子分散液を作製後1ヶ月間静置したが、銅微粒子の沈降は認められなかった。
この銅微粒子分散液を真空中にて溶媒を除去した後に、固形分に対する炭素を分析したところ3.9重量%であり、平均粒径が50nm以下の超微粒子であるにもかかわらず、その粒子表面を被覆している分散剤として添加されたポリビニルピロリドン(PVP)による保護層が極めて薄く、電子部品の配線材料に適していることが分った。
また、この銅微粒子分散液を作製1ヶ月後にガラス板上に塗布し、乾燥後にX線回折分析を行った結果、酸化銅のピークは検出されなかった。この結果から、平均粒径が50nm以下という微粒子であるにもかかわらず、耐酸化性に優れた銅微粒子であることが確認された。
更に、この銅微粒子分散液を用いて、スクリーン印刷により基板上にパターン印刷を行った。得られたパターンを4%H−N気流中において250℃×1時間の熱処理を行うことによって、抵抗率が2×10−4Ω・cmである微細な銅の導電膜を形成することができた。
実施例1で得られた銅微粒子のSEM写真である。 実施例3で得られた銅微粒子のSEM写真である。 比較例3で得られた銅微粒子のSEM写真である。

Claims (6)

  1. 銅の酸化物、水酸化物又は塩を、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコールの溶液中で加熱還元して銅微粒子を得る方法において、核生成のために貴金属イオンを添加すると共に、分散剤としてポリビニルピロリドンを添加し、且つ還元反応制御剤としてアミン系有機化合物を添加して、貴金属を含有する累積95%粒径が100nm以下の銅微粒子を得ることを特徴とする銅微粒子の製造方法。
  2. 前記貴金属イオンとしてパラジウムイオン又は銀イオンを用い、その添加量が銅に対する重量比で0.0004〜0.1であることを特徴とする、請求項1に記載の銅微粒子の製造方法。
  3. 前記ポリビニルピロリドンの添加量が銅に対する重量比で0.1〜2.0であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の銅微粒子の製造方法。
  4. 前記アミン系有機化合物が側鎖あるいは主鎖にアミノ基又はイミノ基をもつ水溶性高分子であり、その添加量が20g/リットル以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法において、還元反応制御剤として更にアルカリ性無機化合物を添加することを特徴とする銅微粒子の製造方法。
  6. 前記アルカリ性無機化合物の添加量が2g/リットル以下で、且つ前記アミン系有機化合物と前記アルカリ性無機化合物の合計添加量が20g/リットル以下であることを特徴とする、請求項5に記載の銅微粒子の製造方法。
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