JP5202858B2 - 銅微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、塩化銅(II)を添加して成るデキストリン・銅水溶液に、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを加えて銅イオンを還元・析出する銅ナノ粒子製造方法が開示されている。
特許文献3には、10〜100nm程度の粒径の銅ナノ粒子を提供するために、有機溶媒中で、該有機溶媒に溶解可能な銅を構成元素とする化合物と、多価アルコールと、保護剤とを含む組成液を非酸化条件下で加熱することによって還元された銅ナノ粒子の形成が開示されている。
特許文献4には、銅の酸化物、水酸化物又は塩をポリエチレングリコール又はエチレングリコール溶液中で加熱還元して銅微粒子を得る方法において、核生成のためのパラジウムイオンを添加すると共に、分散剤としてポリエチレンイミンを添加し、パラジウムを含有する粒径50nm以下の銅微粒子を得る方法が記載されている。
粒径が小さく、分散安定性に優れかつデンドライト化が抑制された銅微粒子を、簡便な方法でかつ大量に生成することのできる製造方法は未だ確率されていない。
即ち、本発明は、少なくとも、銅イオンと、塩化水素が供給源である塩素イオン、臭化水素が供給源である臭素イオン、及び沃化水素が供給源である沃素イオンから選択される1種又は2種以上のハロゲンイオンと、有機物分散剤とが溶解している還元反応水溶液において、
アノードとカソード間に電位を加える銅イオンの電解還元反応によりカソード表面付近に粒子径が1〜500nmの範囲にある銅微粒子を析出させることを特徴とする、銅微粒子の製造方法に関する発明である。
(2)前記還元反応水溶液におけるハロゲンイオン濃度が0.002〜1.0モル/リットルである。
(3)前記有機物分散剤が水溶性の高分子化合物であって、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンから選択される1種又は2種以上である。
(5)前記還元反応溶液に存在する銅原子が0.01〜4.0モル/リットルとなるように銅化合物を添加する。
本発明の「銅微粒子の製造方法」は、少なくとも、銅イオンと、塩化水素が供給源である塩素イオン、臭化水素が供給源である臭素イオン、及び沃化水素が供給源である沃素イオンから選択される1種又は2種以上のハロゲンイオンと、有機物分散剤とが溶解している還元反応水溶液において、アノードとカソード間に電位を加える銅イオンの電解還元反応によりカソード表面付近に粒子径が1〜500nmの範囲にある銅微粒子を析出させることを特徴とする。
尚、以下、電解還元において還元反応が行われる溶液を還元反応溶液という。
還元反応溶液を構成する銅イオン、有機物分散剤、及びハロゲンイオンについて説明する。
(1)銅イオン
還元反応溶液中に存在する銅イオンは、電解還元により銅微粒子を生成する。銅イオンは、一価ないし二価の銅イオンを生成するイオン性化合物を使用することができる。使用可能なイオン性化合物として、酢酸銅、硝酸銅、ハロゲン化銅、シアン化銅、ピロリン酸銅、硫酸銅等が挙げられるが,酢酸銅の使用が好ましく、実用上酢酸銅(II)の1水和物((CH3COO)2Cu・1H2O)の使用が特に望ましい。還元反応溶液中の好ましい銅原子濃度は、0.01〜4.0モル/リットルである。銅原子が0.01モル/リットル未満では、銅粒子の生成量が低減し反応相からの銅微粒子の収率が低下するという不都合を生じ、4.0モル/リットルを超えると生成される粒子間での粗大な凝集がおこるおそれがある。よリ好ましい銅原子濃度は、0.05〜0.5モル/リットルである。
本発明における有機物分散剤の作用についてのメカニズムは、明らかではないが、有機物分散剤は、還元反応溶液に存在して、銅イオンが還元されて結晶核が生成するのを助長し、更に析出してくる銅粒子結晶を分散させる機能を有しているものと推定される。
有機物分散剤としては、上記機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、このような機能を有する好ましいものとして、水溶性の高分子化合物が挙げられる。該水溶性の高分子化合物としてポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン等のアミン系の高分子;ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等のカルボン酸基を有する炭化水素系高分子;ポリアクリルアミド等のアクリルアミド;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、更にはデンプン、ゼラチン等が例示できる。
また、有機物分散剤の添加量は、還元反応溶液に存在する銅原子に対する質量比([有機物分散剤/Cu]質量比)は0.01〜30が好ましい。有機物分散剤の添加量が前記30を超えると溶液の粘性が高くなり還元反応終了後の銅粒子精製に支障をきたす場合がある。一方、前記0.01未満では粒子分散の効果が発揮されなくなる。より好ましい上記添加量は、0.5〜10である。
本発明におけるハロゲンイオンの作用についてのメカニズムは、明らかではないが、ハロゲンイオンが還元反応溶液中に好適な濃度範囲で存在していると、銅の結晶核の生成を促進すると共に、還元反応により銅微粒子の結晶が結晶核から成長する際にデンドライト状の凝集を顕著に抑制して、結晶が略球状に成長していくのを助長しているものと推定される。
一方、還元反応溶液中ハロゲンイオンを存在させずに、銅化合物及び有機物分散剤が溶解している水溶液から電解還元により銅微粒子を析出させた場合には、析出した結晶中に原料の銅化合物の混入、及び該銅化合物の結晶面を介して結晶がデンドライト状に成長していく。
従って、ハロゲンイオンは、還元反応溶液中でデンドライト状の凝集を顕著に抑制して、粒子が略球状に成長するのを助長していることが確認される。
上記ハロゲンイオンのうち特に好ましいのは、塩素イオンである。
より好ましいハロゲンイオンの濃度は、0.005〜0.2モル/Lである。
還元反応溶液のpH調整等は特に不要である。光沢剤(アミン誘導体とエピハロヒドリンとのモル比1:1の反応生成物等)や光沢補助剤(パラホルムアルデヒド等のアルデヒド誘導体)は添加すると析出物が膜状となり、粒子状物の析出を抑制するので添加は避けるべきである。
以下に、本発明の銅微粒子の製造方法の具体例である、電解還元について説明する。
(1)還元反応溶液
還元反応溶液は、少なくとも銅イオン、ハロゲンイオン、及び有機物分散剤を含む溶液である。
それぞれの好ましい濃度は上記した通りである。
(2)電極
陰極材料としては、白金、カーボン等の棒状、板状電極、ドット電極のようなナノ構造電極が例示でき、陽極としては、Cu、カーボン、白金等の棒状・板状・網状の形状電極が例示できる。尚、陰極表面付近に析出した粒子を脱離、回収するために陰極に超音波振動等の揺動を与えることが可能な構造とすることもできる。
電流密度は好ましくは0.01〜100kA/dm2 、より好ましくは0.1〜50kA/dm2 程度であり、直流のほかパルス電流とすることもできる。
還元温度は、10〜70℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。還元温度は、高温になるほど還元反応速度は速くなり、低温になるほど析出する粒子の粒径は小さくなる傾向がある。
(4)電解還元操作と生成銅微粒子の回収
以下に電解還元方法を例示するが本発明は下記方法に限定されるものではない。
先ず、上記した電極を有する浴中に還元反応溶液を調製し、上記した条件で電解還元反応を行う。還元反応終了後、カソード表面付近に析出した銅微粒子を回収して、エチルアルコール等の溶剤で洗浄して真空乾燥させる。
尚、析出した銅微粒子を精製する必要がある場合の精製法の例を以下に記載する。
還元反応溶液から回収した銅微粒子に水を加えて撹拌洗浄して遠心分離機で銅微粒子を回収する水洗操作を数度(1度又は2度以上)行い、次にエタノール等のアルコールを添加して撹拌洗浄後、遠心分離機で銅微粒子を回収する洗浄操作を数度(1度又は2度以上)行い、その後、得られた結晶を回収する。尚、必要により精製した銅微粒子をエチレングリコール等の溶剤中に分散させて保存することもできる。
上記電解還元で得られる銅微粒子には、ハロゲン化銅が5質量%以下、酸化銅が1質量%以下で還元剤や他の金属は含まれない。不純物である該ハロゲン化銅の除去は溶媒を用いた洗浄により比較的容易であるので、比較的容易な操作で高純度の銅微粒子を得ることができる。
上記した電解還元により得られる銅微粒子は、粒径が1〜500nm程度の範囲にあり、その形状はデンドライト状に凝集していない略球状の微粒子である。
尚、還元反応に前記ハロゲンイオンを使用しないと、銅イオンの原料となる銅化合物(例えば酢酸銅II一水和物を原料に使用すると、無水酢酸銅(II))が20〜30質量%混入し、更に得られる微粒子は、複数の基本粒子がデンドライト状に凝集をおこしており、1ミクロンから10ミクロンぐらいの凝集体になる。
[実施例1]
銅イオンの電解還元反応により銅微粒子を生成させ、得られた銅微粒子の評価を行った。
尚、還元反応溶液中のハロゲンイオン濃度は0.01モル/リットル(L)とした。
(1)銅微粒子の調製
銅イオンとして酢酸銅(II)の1水和物((CH3COO)2Cu・1H2O)20g、有機物分散剤としてポリビニルピロリドン5g([有機物分散剤/Cu]質量比で0.78)、及びハロゲンイオンとして0.1mol/Lの塩酸100mlを使用して、還元反応溶液を1L調製した。pHは約5.0であった。
次にこの溶液中で白金板陰極(カソード電極)(片面16mm2)と白金板陽極(アノード電極)と間を25℃で1分間通電し還元反応を行った。この時、印加した電流密度は0.01mA/mm2以下とした。
得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後、2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、粒子径は5〜300nmの範囲で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。得られた銅微粒子は銅純度94質量%以上、塩化銅2質量%以下、酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅1質量%以下であった。
(1)銅微粒子の調製
電極として陰極に白金ドット電極を用いた以外は、実施例1と同様にして、銅イオンの電解還元反応を行った。尚、上記白金ドット電極は、白金基板上に互いに樹脂で絶縁された平均径が50nm程度の樹枝状の白金突起が形成された電極である。
得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後、2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、粒径は2〜200nmの範囲で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。
得られた銅微粒子は銅純度94質量%以上、塩化銅2質量%以下、酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅1質量%以下であった。
還元反応溶液中のハロゲンイオン濃度を0.1モル/Lとして、銅イオンの電解還元反応により銅微粒子を生成させ、該銅微粒子の評価を行った。
(1)銅微粒子の調製
塩酸濃度を塩酸0.1モル/Lとした以外は実施例1と同様に、還元反応溶液を調製し、還元反応を行った。還元反応溶液のpHは約4.9であった。
還元反応終了後、得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後、2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、微粒透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、粒径は3〜250nmの範囲で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。
得られた銅微粒子は、銅純度92質量%以上、塩化銅5質量%以下、酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅1質量%以下であった。
還元反応溶液中のハロゲンイオン濃度を1モル/Lとして、銅イオンの電解還元反応により銅微粒子を生成させ、該銅微粒子の評価を行った。
(1)銅微粒子の調製
塩酸濃度を塩酸1モル/Lとした以外は実施例1と同様に、還元反応溶液を調製し、還元反応を行った。還元反応溶液のpHは約4.8であった。
還元反応終了後、得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後、2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、微粒透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、粒径は1〜200nmの範囲で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。
得られた銅微粒子は、銅純度90質量%以上、塩化銅7質量%以下、酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅1質量%以下であった
還元反応溶液中のハロゲンイオン濃度を0モル/Lとして、銅イオンの電解還元反応により銅微粒子を生成させ、該銅微粒子の評価を行った。
(1)銅微粒子の調製
塩酸濃度を塩酸0モル/Lとした以外は実施例1と同様に、還元反応溶液を調製し、還元反応を行った。
還元反応終了後、得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後、2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、微粒透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、1次粒子の粒径は5〜300nmの範囲であったが、析出した結晶に無水酢酸銅の混入が見られた。また、結晶形状はデンドライト状に凝集して、1〜10μmの凝集体になっていることが観察された。
得られた結晶は、銅純度70〜80質量%、酸化銅1質量%以下,無水酢酸銅20〜30質量%以下であった。
(1)銅微粒子の調製
電極として陰極に、実施例2で使用したと同様の白金ドット電極を用いた以外は、比較例1と同様にして、銅イオンの電解還元反応を行った。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、微粒透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、1次粒子の粒径は2〜250nmの範囲であったが、析出した結晶に無水酢酸銅の混入が見られた。また、結晶形状はデンドライト状に凝集して、1〜10μmの凝集体になっていることが観察された。
得られた銅微粒子は、銅純度70〜80質量%、酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅20〜30質量%以下であった。
還元反応溶液中のハロゲンイオンとして臭素イオンを使用して、銅イオンの電解還元反応により銅微粒子を生成させ、該銅微粒子の評価を行った。
(1)銅微粒子の調製
還元反応溶液中で0.1モル/Lとなるように臭化水素を使用した以外は実施例1と同様に、還元反応溶液を調製し、還元反応を行った。還元反応溶液のpHは約4.7であった。
還元反応終了後、得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後、2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、微粒透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、粒径は3〜320nmの範囲で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。
得られた銅微粒子は、銅純度93質量%以上、臭化銅4質量%以下,酸化銅1質量%以下,無水酢酸銅1質量%以下であった。
還元反応溶液中のハロゲンイオンとして沃素イオンを使用して、銅イオンの電解還元反応により銅微粒子を生成させ、該銅微粒子の評価を行った。
(1)銅微粒子の調製
還元反応溶液中で0.1モル/Lとなるように沃化水素を使用した以外は実施例1と同様に、還元反応溶液を調製し、還元反応を行った。還元反応溶液のpHは約4.6であった。
還元反応終了後、得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、微粒透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、粒径は3〜250nmの範囲で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。
得られた銅微粒子は、銅純度94質量%以上、沃化銅3質量%以下,酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅1質量%以下であった。
実施例1で使用した還元反応溶液中のポリビニルピロリドン濃度を低くした条件で、銅イオンの電解還元反応により銅微粒子を生成させ、得られた銅微粒子の評価を行った。
(1)銅微粒子の調製
ポリビニルピロリドンを0.5g([有機物分散剤/Cu]質量比で0.078)とした以外は実施例1と同様に、還元反応溶液を調製し、還元反応を行った。還元反応溶液のpHは約5.0であった。
還元反応終了後、得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後、2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、微粒透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、粒径は7〜400nmの範囲で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。
得られた銅微粒子は、銅純度92質量%以上、塩化銅5質量%以下、酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅1質量%以下であった。
実施例1で使用した還元反応溶液中のポリビニルピロリドン濃度を高くした条件で、銅イオンの電解還元反応により銅微粒子を生成させ、得られた銅微粒子の評価を行った。
(1)銅微粒子の調製
ポリビニルピロリドン濃度を20g([有機物分散剤/Cu]質量比で3.14)とした以外は実施例1と同様に、還元反応溶液を調製し、還元反応を行った。還元反応溶液のpHは約5.0であった。
還元反応終了後、得られたコロイド溶液を、カーボン支持膜をとりつけたアルミメッシュ上に採取し、溶媒を乾燥除去した後、2mgの銅微粒子を得た。
(2)生成した銅微粒子の評価
銅微粒子について、微粒透過電子顕微鏡(TEM)による観測結果、粒径は3〜250nmの範囲で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。
得られた銅微粒子は、銅純度95質量%以上、塩化銅2質量%以下、酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅1質量%以下であった。
得られた銅微粒子分散液をカーボン蒸着された銅メッシュ上に塗布乾燥し、日本電子製透過型電子顕微鏡(TEM)で観察を行ったところ、得られた銅微粒子は平均粒径1〜100nmのナノサイズの超微粒子で、形状は略球状でデンドライト状の凝集は観察されなかった。
得られた結晶は塩化銅3質量%以下、酸化銅1質量%以下、無水酢酸銅1質量%以下であった。
Claims (5)
- 少なくとも、銅イオンと、塩化水素が供給源である塩素イオン、臭化水素が供給源である臭素イオン、及び沃化水素が供給源である沃素イオンから選択される1種又は2種以上のハロゲンイオンと、有機物分散剤とが溶解している還元反応水溶液において、
アノードとカソード間に電位を加える銅イオンの電解還元反応によりカソード表面付近に粒子径が1〜500nmの範囲にある銅微粒子を析出させることを特徴とする、銅微粒子の製造方法。 - 前記還元反応水溶液におけるハロゲンイオン濃度が0.002〜1.0モル/リットルである、請求項1に記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記有機物分散剤が水溶性の高分子化合物であって、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンから選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記還元反応水溶液における有機物分散剤の添加量が該還元反応溶液に存在する銅原子に対する質量比([有機物分散剤/Cu]質量比)で0.01〜30である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記還元反応水溶液に存在する銅原子が0.01〜4.0モル/リットルとなるように銅化合物を添加することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の銅微粒子の製造方法。
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