JP4449474B2 - 変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び変性ポリオレフィン樹脂 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、
下記の(A)100重量部に対して、(B)0.1〜20重量部と(C)0.01〜20重量部とを配合し溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂に係るものである。
(A)ポリオレフィン樹脂
(B)下記の構造式(1)で表される化合物
(C)半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物
(構造式(1)において、R1は水素原子または炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜20個のアルキレン基を表す。)
プロピレン−エチレン−α−オレフィンブロック共重合体としては、例えば、ブロピレン−エチレン−1−ブテンブロック共重合体等が挙げられる。
(L−M)n−L−(M−L)n (3)
(構造式(3)において、nは1〜10の整数である。)
(構造式(1)において、R1は水素原子または炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜20個のアルキレン基を表す。)
添加量が過少である場合、ポリオレフィン樹脂への上記の構造式(1)で表される化合物(成分(B))のグラフト量が低下することがある。また、添加量が過多である場合、変性ポリオレフィン樹脂中に含まれる未反応の上記の構造式(1)で表される化合物(成分(B))が多くなることがあり、例えば、水系塗料での塗装用途に使う場合に、濡れ性に関して十分な効果が得られないことがある。
分解温度が低すぎる場合、ポリオレフィン樹脂への上記の構造式(1)で表される化合物(成分(B))のグラフト量が向上しないことがあり、分解温度が高すぎる場合、安定生産ができなくなることがある。
好ましい混合方法の例としては、例えば、本発明で用いられる各成分の全部、または、いくつかを組み合わせて別々に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等によって十分に予備混合して均一な混合物とした後、該混合物を溶融混練する方法等が挙げられる。
[評価用サンプルの調製法]
実施例及び比較例における評価用サンプルの製造には、東洋精機製二軸押出機2D25−S(L/D=25、シリンダー径=20mm)を用いた。シリンダー温度は前半と後半の二段階に分け、前半を180℃、後半を260℃に設定し、スクリュー回転数は70rpmで行った。
(1)MI(メルトインデックス、単位:g/10分)
JIS K7210に従って、温度230℃、荷重21.2Nで測定した。
サンプル1.0gをキシレン10mlに溶解した。サンプルの溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収した。回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μmのフイルムを作成した。この作成したフイルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1730cm-1付近の吸収からグラフト量を定量した。
成形品上に0.4mlのイオン交換水を落とし、滴下して30秒後に接触角を界面張力計で測定した。
MI=0.5のプロピレン単独重合体(A−1)100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B−1)3.0重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート(C)0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部、スチレン(E)3.0重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。更にこのサンプルを230℃でプレス成形して、本成形品で塗装性の指標となる濡れ性を見るため水との接触角測定を行った。評価結果を表1に示した。
MI=0.4のエチレン−プロピレンブロック共重合体(A−2)100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B−1)3.0重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート(C)0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部、スチレン(E)3.0重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。更にこのサンプルを230℃でプレス成形して、本成形品で塗装性の指標となる濡れ性を見るため水との接触角測定を行なった。評価結果を表1に示した。
MI=0.4のエチレン−プロピレンブロック共重合体(A−2)100重量部に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)3.0重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート(C)0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部、スチレン(E)3.0重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
実施例3記載の2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)を2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(B−3)に変更した以外は、実施例3記載の方法と同じ方法でサンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
実施例3記載の2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)を2−ヒドロキシプロピルアクリレート(B−4)に変更した以外は、実施例3記載の方法と同じ方法でサンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
実施例3記載の2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)を2−ヒドロキシブチルメタクリレート(B−5)に変更した以外は、実施例3記載の方法と同じ方法でサンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
実施例3記載の2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)を2−ヒドロキシブチルアクリレート(B−6)に変更した以外は、実施例3記載の方法と同じ方法でサンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
MI=0.5のプロピレン単独重合体(A−1)100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B−1)3.0重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部、スチレン(E)3.0重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
MI=0.5のプロピレン単独重合体(A−1)を230℃でプレス成形して、本成形品で水との接触角測定を行なった。評価結果を表1に示した。
MI=0.4のエチレン−プロピレンブロック共重合体(A−2)を230℃でプレス成形して、本成形品で水との接触角測定を行なった。評価結果を表1に示した。
C:ジセチル パーオキシジカルボネート(活性酸素量が2.8%、半減期が1分となる温度=99℃)
D:1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(活性酸素量が9.3%、半減期が1分となる温度=183℃)
Claims (4)
- (A)ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、
(B)構造式(1)で示される化合物0.1〜20重量部と、
[構造式(1)において、R1は水素原子または炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜20個のアルキレン基を表す。]
(C)半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物0.01〜20重量部と、
(D)半減期が1分になる時の分解温度が150〜200℃である有機過酸化物と、
を配合し、押出機を用いて溶融混練を行う変性ポリオレフィン樹脂の製造方法であって、
前記押出機の溶融混練を行う部分を前半と後半の二段階に分け、前半の溶融混練の温度を50〜200℃に設定し、後半の溶融混練の温度を150〜300℃に設定し、前半より後半の溶融混練の温度を高く設定することを特徴とする変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。 - 前記(D)の添加量は、前記(A)ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部である請求項1又は2に記載の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
- 請求項1〜3いずれかに記載の製造方法によって製造された変性ポリオレフィン樹脂。
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