JP2010116571A - 充填材含有ポリオレフィン樹脂組成物、ペレット及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性や衝撃強度等の機械的強度が実用可能な水準に維持されており、疲労強度等の耐久性に優れるポリオレフィン樹脂組成物およびそれから得られるペレット、それらの製造方法、および、それらを成形して得られる成形品を提供する。
【解決手段】不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性ポリプロピレン樹脂(成分(A))と繊維(成分(B))とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であって、成分(B)の含有量が成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して1〜80重量部であり、成分(A)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量が0.50〜10重量%であり、成分(A)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト効率は0.80以上であり、成分(A)のメルトフローレート(MFR、230℃、21.2N荷重)が400g/10分以下であるポリオレフィン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂組成物およびそれから得られるペレット、それらの製造方法、および、それらを成形して得られる成形品に関するものである。さらに詳細には、剛性や衝撃強度等の機械的強度が実用可能な水準に維持されており、疲労強度等の耐久性に優れるポリオレフィン樹脂組成物およびそれから得られるペレット、それらの製造方法、および、それらを成形して得られる成形品に関するものである。
ポリオレフィン樹脂は成形性、耐薬品性に優れ、比重も小さいため、汎用樹脂として広く利用されており、ポリオレフィン樹脂の剛性や衝撃強度等の機械的強度を向上させる方法として、フィラーやガラス繊維等の充填材を配合することが知られている。(特開平10−176085号公報参照)
ポリオレフィン樹脂の剛性や衝撃強度等の機械的強度をさらに向上させるために、ポリオレフィン樹脂と充填材の接着性を改良する方法が知られており、例えば、改質したポリオレフィン樹脂を添加する方法が知られている。一般には、混練押出機を使用して、有機過酸化物等の開始剤または紫外線や放射線の照射を用いて、溶融状態でポリプロピレン樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性させる方法が用いられている。
しかし、ポリオレフィン樹脂と充填材の接着性をさらに改良するために、グラフト量を増加させようとした場合、有機過酸化物等の開始剤の添加量を増やす必要があり、その結果、ポリオレフィン樹脂の分子量が低下し、ポリオレフィン樹脂組成物の剛性や衝撃強度等の機械的強度が低下し、さらに、疲労特性等の耐久性も不充分なものになってしまうことがあった。
特開平10−176085号公報
かかる状況の下、本発明の目的は、剛性や衝撃強度等の機械的強度が実用可能な水準に維持されており、疲労強度等の耐久性に優れるポリオレフィン樹脂組成物およびそれから得られるペレット、それらの製造方法、および、それらを成形して得られる成形品を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性ポリオレフィン樹脂と充填材とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であって、充填材の含有量が前記変性ポリオレフィン樹脂と充填材の合計量に対して一定の範囲にあり、前記変性ポリオレフィン樹脂のグラフト量が一定の範囲にあり、そのメルトフローレートが一定の範囲にあるポリオレフィン樹脂組成物およびそれから得られるペレット、それらの製造方法、および、それらを成形して得られる成形品が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性ポリプロピレン樹脂(成分(A))と繊維(成分(B))とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であって、成分(B)の含有量が成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して1〜80重量部であり、成分(A)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量が0.50〜10重量%であり、成分(A)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト効率は0.80以上であり、成分(A)のメルトフローレート(MFR、230℃、21.2N荷重)が400g/10分以下であるポリオレフィン樹脂組成物、および、それを成形して得られる成形品に係るものである。
本発明によれば、剛性や衝撃強度等の機械的強度が実用可能な水準に維持されており、疲労強度等の耐久性に優れるポリオレフィン樹脂組成物およびそれから得られるペレット、および、それらを成形して得られる成形品を得ることができる。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))は、ポリオレフィン樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と加熱混練して得られた変性ポリオレフィン樹脂である。成分(A)に用いられるポリオレフィン樹脂は、後述する本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(成分(C))と同じであっても、異なっていてもよい。成分(A)に用いられるポリオレフィン樹脂として、好ましくは、耐熱性の観点から、ポリプロピレン樹脂である。
変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量は0.30重量%以上であり、グラフト量が0.30重量%未満の場合、疲労強度等の耐久性が低下することがある。そして、疲労強度などの耐久性や成形性の観点から、好ましくは0.30〜20重量%であり、より好ましくは0.40〜20重量%であり、特に好ましくは0.50〜10重量%である。なお、グラフト量は、赤外吸収スペクトルによって、変性に用いた不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体に基づく吸収を定量した値である。
変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト効率として、疲労強度等の耐久性の観点から、好ましくは0.80以上である。
変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))のメルトフローレート(MFR)は400g/10分以下であり、MFRが400g/10分を超えた場合、機械的強度が低下することがある。そして、機械的強度や生産安定性の観点から、好ましくは5〜400g/10分であり、より好ましくは10〜200g/10分であり、特に好ましくは20〜90g/10分である。なお、MFRは、A.S.T.M.D1238に従って、230℃、21.2N荷重で測定した値である。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))として、好ましくは、ポリプロピレン樹脂に、後述する不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(成分(D))および後述する半減期が1分になる時の分解温度が50〜120度である有機過酸化物(成分(E))を配合して加熱混錬して製造された変性ポリプロピレン樹脂である。
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(成分(D))の配合量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。成分(D)の配合量が0.1重量部未満の場合、ポリプロピレン樹脂へのグラフト量が低下して機械的強度が改良されないことがあり、20重量部を超えた場合、ポリプロピレン樹脂中の未反応の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体が多くなり、機械的強度が改良されないことがある。なお、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(成分(D))を2種類以上配合した場合の配合量は、その合計量を基準とする。
半減期が1分になる時の分解温度が50〜120度である有機過酸化物(成分(E))の配合量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.02〜10重量部である。成分(E)の配合量が0.01重量部未満の場合、ポリプロピレン樹脂へのグラフト量が低下して機械的強度改良効果が得られないことがあり、20重量部を超えた場合、樹脂の架橋が起こったり、樹脂の分解が促進されたりして、生産安定性が低下することがある。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))として、より好ましくは、ポリプロピレン樹脂に後述する不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(成分(D))、後述する半減期が1分になる時の分解温度が50〜120℃である有機過酸化物(成分(E))および後述する半減期が1分になる時の分解温度が150〜200℃である有機過酸化物(成分(F))を配合して加熱混錬して製造された変性ポリプロピレン樹脂である。
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(成分(D))の配合量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。
成分(D)の配合量が、0.1重量部未満の場合、ポリプロピレン樹脂へのグラフト量が低下して機械的強度が改良されないことがあり、20重量部を超えた場合、ポリプロピレン樹脂中の未反応の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体が多くなり、機械的強度が改良されないことがある。なお、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(成分(D))を2種以上配合した場合の配合量は、その合計量を基準とする。
半減期が1分になる時の分解温度が50〜120℃である有機過酸化物(成分(E))の配合量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.02〜10重量部である。成分(E)の配合量が、0.01重量部未満の場合、ポリプロピレン樹脂へのグラフト量が低下して機械的強度改良効果が得られないことがあり、20重量部を超えた場合、生産安定性が低下することがある。
半減期が1分になる時の分解温度が150〜200℃である有機過酸化物(成分(F))の配合量は0.01〜20重量部であり、好ましくは0.02〜10重量部である。成分(F)の配合量が0.01重量部未満の場合、ポリプロピレン樹脂への不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量の増大効果が乏しいことがあり、20重量部を超えた場合、ポリプロピレン樹脂の分解が促進されることがある。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))の製造法としては、樹脂同士または樹脂と固体もしくは液体の添加物を混合するために用いられる公知の各種方法が挙げられる。好ましくは、各成分の全部または各成分のいくつかを組み合わせて別々に混合して均一な混合物とした後、その混合物を溶融混練する方法が挙げられる。均一な混合物を得る方法としては、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等によって均一に混合する方法が挙げられる。また、溶融混練の方法としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸押出機等の溶融混練方法が挙げられる。
特に好ましくは、連続生産することができ、生産性が向上するという観点から、一軸又は二軸押出機を用い、予め十分に予備混合したポリオレフィン樹脂、不飽和カルボン酸化合物及び/又はその誘導体(成分(D))、有機過酸化物(成分(E)、成分(F))を押出機の供給口より供給して溶融混練を行う方法である。
混練機の混練を行う部分の温度(例えば、押出機ならシリンダー温度)は、グラフト量を向上させるためや、ポリオレフィン樹脂の分解を防ぐという観点から、50〜300℃であり、好ましくは100〜250℃である。また、混練機の混練を行う部分の温度は、混練を前半と後半の二段階に分け、前半より後半の温度を高く設定してもよい。
混練時間は、十分なグラフト量を得るためや、ポリオレフィン樹脂の分解を防ぐという観点から、0.1〜30分であり、特に好ましくは0.5〜5分である。
本発明で用いられる変性オレフィン樹脂(成分(A))の製造において、製造時に発生する臭気を防ぐために、スチレンやジビニルベンゼン等の電子供与性化合物を配合しないことが好ましい。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))を製造する時に、一般にポリオレフィン樹脂に添加される公知の物質、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤等を配合してもよい。
本発明で用いられる充填材(成分(B))は、ポリオレフィン樹脂を強化できるものであり、例えば、繊維、ガラスフレーク、マイカ、ガラス粉、ガラスビーズ、タルク、クレー、アルミナ、シリカ、ウォルスナイト、カオリン、石綿、ペンとナイト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、砂、珪藻土、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウム・フェライト、ストロンチウム・フェライト、酸化ベリリウム、軽石、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、カーボンブラック、硫化モリブテン、磁石粉、硫化カドミウム、ウィスカー、木粉、竹紛、メラミンパウダー等が挙げられる。充填材は、単独で用いてもよく、少なくとも2種類を併用してもよい。
充填材(成分(B))として、特にこの好ましくは、補強効果の観点から、繊維である。繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、金属繊維、芳香族ポリアミド繊維、竹繊維、セルロース繊維、ケナフ繊維、ビニロン繊維等が挙げられる。これらの中でも好ましくは、ガラス繊維である。
繊維を収束するために収束剤を用いてもよく、収束剤としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、澱粉、植物油等があげられる。さらに酸変性ポリオレフィン樹脂、表面処理剤、パラフィンワックス等の潤滑剤を配合してもよい。
本発明で用いられる上記繊維のポリオレフィン樹脂との濡れ性や接着性等を改良するために、上記繊維を表面処理剤で予め処理してもよい。この表面処理剤としては、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系、ボラン系カップリング剤等が挙げられ、これらの中で好ましくはシラン系カップリング剤及びチタネート系カップリング剤であり、特に好ましくはシラン系カップリング剤である。
このシラン系カップリング剤としては、例えば、トリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中で好ましくはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類である。
本発明で用いられる前述の繊維を、上記表面処理剤で処理する方法としては、従来から慣用されている方法、例えば、水溶液法、有機溶媒法、スプレー法等が挙げられる。
本発明で用いられる繊維の重量平均繊維長は、剛性や衝撃強度等の機械的強度の向上や、製造及び成形のし易さの観点から、好ましくは2mm以上であり、さらに好ましくは3〜50mmである。なお、繊維の重量平均繊維長は本発明のポリオレフィン樹脂組成物中での長さであり、特開2002−5924号公報に記載されている測定法によって求められたものである。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物において、繊維の全てが、実質上、2mm以上の長さを有し、かつ前記ポリオレフィン樹脂組成物中において、互いにほぼ平行な状態で配列していることが好ましい。特に成形加工操作が容易な射出成形によって、射出成形性を損なうことなく優れた強度が保持された成形品を得るためには、ポリオレフィン樹脂組成物は、長さが2〜50mmのペレット状で、繊維がペレットと実質上同一の長さで配列したペレットであることが好ましい。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(成分(C))は、本発明で用いられる不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))と異なるポリオレフィン樹脂であって、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性されていないポリオレフィン樹脂である。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(成分(C))としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、エチレン単独重合体又はエチレン−α−オレフィンランダム共重合体等のポリエチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。また、ゴム等が配合されたものであってもよい。ポリオレフィン樹脂として好ましくは、ポリプロピレン樹脂である。
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレンを単独重合した後にエチレン−プロピレン共重合部をブロック的に重合したプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの重合体は単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
前述のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらの中で好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(成分(C))の製造方法としては、例えば、“新ポリマー製造プロセス”(佐伯康治編集、工業調査会(1994))、特開平4−323207号公報、特開昭61−287917号公報等に例示されている溶液重合、スラリー重合、バルク重合、気相重合のいずれの方法を用いてもよい。また、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。
ポリオレフィン樹脂(成分(C))の製造に用いる触媒としては、公知の種々の触媒が挙げられ、好ましくはチタン原子、マグネシウム原子及びハロゲン原子を含有する固体触媒成分を用いて得られるマルチサイト触媒や、メタロセン錯体等を用いて得られるシングルサイト触媒等が挙げられる。
本発明で用いられる不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(成分(D))としては、同一分子内に少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種のカルボン酸基及び/又はカルボン酸より誘導される基(ii)とを併せ持つ化合物(ア)や、製造工程内で脱水反応等により構造が変化し、同一分子内に少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種のカルボン酸基及び/又はカルボン酸より誘導される基(ii)とを併せ持つ構造に変化することができる化合物(イ)等が挙げられる。
少なくとも一種の不飽和基(i)としては、炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合が挙げられる。少なくとも一種のカルボン酸基及び/又はカルボン酸より誘導される基(ii)としては、カルボン酸基、カルボキシル基の水素原子あるいは水酸基が置換した各種の塩やエステル、酸アミド、酸無水物、イミド、酸アジド、酸ハロゲン化物等が挙げられる。
同一分子内に少なくとも一種の不飽和基(i)と少なくとも一種のカルボン酸基及び/又はカルボン酸より誘導される基(ii)とを併せ持つ化合物(ア)としては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、ポリオレフィン樹脂にグラフトする工程で脱水して不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸誘導体を生じることができる化合物等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸誘導体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のうち、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸のグリシジルエステル、無水マレイン酸である。
そして、ポリオレフィン樹脂にグラフトする工程で脱水して不飽和カルボン酸を生じるものとしては、例えば、クエン酸やリンゴ酸等が挙げられる。
本発明で用いられる有機過酸化物(成分(E))の半減期が1分になる時の分解温度は、グラフト量を増加させ、ポリオレフィン樹脂の分解を防ぐという観点から、50〜120℃であり、好ましくは70〜110℃である。また、有機過酸化物(成分(E))としては、分解してラジカルを発生した後、ポリプロピレン樹脂からプロトンを引き抜く作用を有する化合物が好ましい。
有機化酸化物(成分(E))の半減期が1分になる分解温度は、以下に述べる方法で求めることができる。
有機過酸化物(成分(E))をその有機過酸化物(成分(E))に対して不活性な溶媒(例:ベンゼン)に溶解して、0.05mol/リットルの濃度の溶液を調製する。その溶液を、窒素置換を行ったガラス管中に密封する。サンプル溶液を密封したガラス管を一定温度条件下で熱分解に処する。
有機過酸化物(成分(E))の初期濃度(a)、時間(t)の熱分解後に残存する有機過酸化物(成分(E))の濃度(b)、および分解速度定数(k)には、下式の相関がある。
(lna)/b=kt
上記手順と同様にして数点の異なる熱分解時間で測定を行い、各熱分解時間(t)での[(lna)/b]を求める。次いで、熱分解時間(t)に対して[(lna)/b]をプロットし、得られた直線についてその傾きkを求める。
求めたkを用い、下式より、その温度Tでの半減期(t1/2)を算出する。
t1/2=[(ln2)/k]
上記手順と同様にして数点の異なる温度で測定を行い、各温度(T)でのt1/2を求める。次いで、1/Tに対してln(t1/2)をプロットする。得られた直線から、半減期が1分になるときの熱分解温度を求める。こうして得られた熱分解温度を、有機化酸化物(成分(E))の半減期が1分になる分解温度とする。
なお、有機過酸化物(成分(E))の定量は、ヨード測定法,ガスクロマトグラフィー又は液体クロマトグラフィーなど公知の方法により行える。
半減期が1分になる時の分解温度が50〜120℃である有機過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカボネート化合物(分子骨格中に下記構造式(1)で表される構造を有する化合物(I)やアルキルパーエステル化合物(下記構造式(2)で表される構造を有する化合物(II))等が挙げられる。
Figure 2010116571
構造式(1)で表される構造を有する化合物(I)としては、例えば、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチルパーオキシカルボネート等が挙げられる。
構造式(2)で表される構造を有する化合物(II)としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルネオデカノエート、α―クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
これらの有機過酸化物のうち、分解してラジカルを発生した後、ポリオレフィン樹脂からプロトンを引き抜く作用を有する化合物であるパーカボネート化合物(分子骨格中に構造式(1)で表される構造を有する化合物(I)が好ましい。
本発明で用いられる有機過酸化物(成分(F))の半減期が1分になる時の分解温度は、グラフト量を増加させるという観点から、150〜210℃であり、好ましくは160〜200℃である。
半減期が1分になる時の分解温度が150〜210℃である有機過酸化物しては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン,t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ベルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物における充填材(成分(B))の含有量は、変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))と充填材(成分(B))の合計量100重量部に対して、1〜80重量部であり、好ましくは2〜75重量部であり、より好ましくは5〜70重量部である。充填材(成分(B))の含有量が、1重量部未満の場合、剛性や衝撃強度等の機械的強度への十分な補強効果が得られないことがあり、80重量部を超えた場合、ポリオレフィン樹脂組成物の製造及び成形が困難になることがある。
また、本発明のポリオレフィン樹脂組成物において、ポリオレフィン樹脂(成分(C))を用いる場合、充填材(成分(B))の含有量は、変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))と充填材(成分(B))とポリオレフィン樹脂(成分(C))の合計量100重量部に対して、1〜80重量部であり、好ましくは2〜75重量部であり、より好ましくは5〜70重量部である。充填材(成分(B))の含有量が、1重量部未満の場合、剛性や衝撃強度等の機械的強度への十分な補強効果が得られないことがあり、80重量部を超えた場合、ポリオレフィン樹脂組成物の製造及び成形が困難になることがある。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物において、ポリオレフィン樹脂(成分(C))を用いる場合、ポリオレフィン樹脂(成分(C))と変性ポリオレフィン樹脂(成分(A))の重量比(成分(C)/成分(A))は、疲労特性等の耐久性、剛性や衝撃強度等の機械的強度の観点から、99.9/0.1〜60/40であり、好ましくは99.5/0.5〜70/30、より好ましくは99.0/1.0〜80/20である。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、必要に応じて、少なくとも1種の他のポリオレフィン樹脂を配合してもよい。また、必要に応じて所望の特性を付与するため、一般にポリオレフィン樹脂に添加される公知の物質、例えば、造核剤、結晶化促進剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤、紫外線吸収等の安定剤、気泡防止剤、難燃剤、難燃助剤、分散剤、帯電防止剤、滑剤、シリカ等のアンチブロッキング剤、染料や顔料等の着色剤、可塑剤等をさらに配合してもよい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製造方法としては、公知の各種方法が挙げられる。例えば、各成分の全部または各成分のいくつかを組み合わせて別々に混合して均一な混合物とした後、その混合物を溶融混練する方法やプルトルージョン成形法等が挙げられる。均一な混合物を得る方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等により混合する方法が挙げられる。溶融混練の方法としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸押出機等の方法が挙げられる。
プルトルージョン成形法は、基本的には連続した繊維束を引きながら樹脂を含浸する方法であり、例えば、樹脂のエマルジョン、サスペンジョンまたは溶液を入れた含浸液の中に繊維束を通し含浸する方法、樹脂の粉末を繊維束に吹き付けたのち樹脂を溶融して含浸する方法、樹脂の粉末を入れた槽の中に繊維束を通し繊維に樹脂を付着させたのち樹脂を溶融して含浸する方法、クロスヘッドの中に繊維束を通しながら押出機等からクロスヘッドに樹脂を供給し含浸する方法等が挙げられる。特に好ましくは、特開平3−272830号公報等に記載されているクロスヘッドを用いる方法である。また、これらのプルトルージョン成形法における樹脂の含浸操作は1段で行ってもよく、2段以上に分けて行ってもよい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物の形状としては、例えば、ストランド状、シート状、平板状、ストランドを適当な長さに裁断したペレット状等が挙げられる。特に、射出成形法へ適用するためには、得られる成形体の機械的強度や成形加工時の生産安定性の観点から、長さが2〜50mmのペレットであることが好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法等の成形法で成形することができる。
特に、本発明のポリオレフィン樹脂組成物を射出成形法で成形品にする場合、機械的強度が高度に保持された成形品を得るために、成形品中における繊維の重量平均繊維長を1mm以上にすることが好ましい。
以下、実施例および比較例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例と比較例で用いたサンプルの組成を表1に示した。
実施例および比較例で用いた評価用サンプルの製造方法を以下に示した。
(1)長繊維ペレットの製造方法
特開平3−121146号公報に記載されている方法によって製造した。なお、含浸温度は270℃、引取速度は20フィート/分で行い、用いたガラス繊維の繊維径は16μmであった。
(2)評価用サンプルの製造方法
得られた長繊維ペレットを、下記条件で、下記の日本製鋼所製成形機を使用して、評価用サンプルを射出成形した。
[日本製鋼所製成形機]
型締力 :150t
スクリュー :長繊維深溝スクリュー
スクリュー径 :46mm
スクリューL/D:20.3
[成形条件]
シリンダー温度:250℃
金型温度 :50℃
背圧 :0MPa
実施例および比較例におけるサンプルの物性の評価方法を以下に示した。
(1)マレイン酸グラフト量(単位:重量%)
サンプル1.0gをキシレン100mlに溶解した。サンプルの溶液をメタノール1000mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収した。(以下、溶解から回収までの上記作業を精製と称する。)精製した回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μmのフイルムを作成した。この作成したフイルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm-1付近の吸収から無水マレイン酸グラフト量を定量した。
(2)MFR(単位:g/10分)
A.S.T.M. D792に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :230℃
荷重 :21.2N
(3)曲げ弾性率(単位:MPa)
A.S.T.M. D790に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:6.4mm
スパン :100mm
引張速度 :2mm/分
(4)曲げ強度(単位:MPa)
A.S.T.M. D790に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:6.4mm
スパン :100mm
引張速度 :2mm/分
(5)IZOD衝撃強度(単位:KJ/m2
A.S.T.M. D256に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:6.4mm[Vノッチあり]
(6)疲労強度
片持ち曲げ試験方法A.S.T.M. D671−71T METHOD Bに従って、下記条件で測定を行い、破断までの繰り返し回数によって評価した。
試験機:東洋精機製作所製 繰り返し振動疲労試験機(型式B70TH)
試験片形状:TYPE A
測定温度:23℃
繰返し速度:30Hz
負荷応力 :45MPa、50MPa
(7)グラフト効率
前記(1)の方法でマレイン酸グラフト量を求めた際の精製前の変性ポリプロピレン樹脂を熱プレスにより厚さ100μmのフイルムにした。このフイルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm-1付近の吸収から中に含まれる無水マレイン酸を定量した(単位 重量%)。前記(1)で求めたマレイン酸グラフト量をこの値で除した値をグラフト効率とした。
参考例1
プロピレンブロック共重合体(極限粘度[η]=2.8(dl/g)、EP含量=21重量%)100重量部に、無水マレイン酸1.0重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部を添加して十分に予備混合後、予備混合された混合物を単軸押出機の供給口より供給して混練を行い、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を得た。なお、ジセチル パーオキシジカルボネートの半減期が1分となる温度は99℃であり、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼンの半減期が1分となる温度は183℃である。得られた変性ポリオレフィン樹脂(A−1)のマレイン酸グラフト量及びMFRを表1に示した。用いた単軸押出機は、いすず加工機製単軸押出機 EXT−90(L/D=36、シリンダー径90mm)であった。シリンダー温度は前半を180℃に、後半を250℃に設定し、スクリュー回転数は133rpmで行った。
特開平3−121146号公報に記載されている方法によって、表1に示した組成で、ガラス繊維の含有量が40重量%であり、ペレット長が9mmであるペレットを作成した。さらに得られたペレットを射出成形し、射出成形されたサンプルの曲げ弾性率、曲げ強度、IZOD衝撃強度、疲労強度を測定し、その結果を表1に示した。なお、得られたサンプル中におけるガラス繊維の重量平均繊維長は5mmであった。
比較例1
実施例1において、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼンの添加量を0.15重量部から0.05重量部に変更し、ジセチル パーオキシジカルボネートを用いなかった以外は、参考例1と同様の操作を行い、変性ポリオレフィン樹脂(A−2)を得た。得られた変性ポリオレフィン樹脂(A−2)のマレイン酸グラフト量及びMFRを表1に示した。
参考例1と同様の方法によって、表1に示した組成で、ペレットおよびサンプルを作成し、その物性を測定した。その結果を表1に示した。なお、得られたサンプル中におけるガラス繊維の重量平均繊維長は5mmであった。
比較例2
参考例1において、変性ポリオレフィン樹脂をクロンプトン(株)製PB3000(変性ポリオレフィン樹脂(A−3))に変更した以外は、参考例1と同様の方法によって、表1に示した組成で、ペレットおよびサンプルを作成し、その物性を測定した。その結果を表1に示した。なお、用いたクロンプトン(株)製PB3000(変性ポリオレフィン樹脂(A−3))のマレイン酸グラフト量及びMFRを表1に示した。なお、得られたサンプル中におけるガラス繊維の重量平均繊維長は5mmであった。
実施例1
特開2002−20436号公報の実施例2に記載されている変性ポリオレフィン樹脂を(A−4)として用いた。変性ポリオレフィン樹脂(A−4)のマレイン酸グラフト量及びMFRを表1に示した。また、樹脂(A−4)のグラフト効率は1.00であった。
参考例1と同様の方法によって、表1に示した組成で、ペレットおよびサンプルを作成し、その物性を測定した。その結果を表1に示した。なお、得られたサンプル中におけるガラス繊維の重量平均繊維長は5mmであった。
Figure 2010116571

B−1:ガラス繊維(繊維径16μm)
C−1:プロピレン単独重合体[ペレット](MFR=80g/10分)
本発明の要件を満足する実施例1は、剛性(曲げ弾性率、曲げ強度)、衝撃強度(IZOD衝撃強度)が実用可能な水準に維持されており、疲労強度に優れるものであることが分かる。
これに対して、本発明の要件である変性ポリオレフィンのグラフト量を満足しない比較例1およびMFRを満足しない比較例2は、いずれも疲労強度が不充分であることが分かる。

Claims (6)

  1. 不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性ポリプロピレン樹脂(成分(A))と繊維(成分(B))とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であって、成分(B)の含有量が成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して1〜80重量部であり、成分(A)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量が0.50〜10重量%であり、成分(A)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト効率は0.80以上であり、成分(A)のメルトフローレート(MFR、230℃、21.2N荷重)が400g/10分以下であることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性された変性ポリプロピレン樹脂(成分(A))と、繊維(成分(B))と、ポリオレフィン樹脂(成分(C)、但し、成分(A)を除く。)とを含有するポリオレフィン樹脂組成物であって、成分(B)の含有量が成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計量100重量部に対して1〜80重量部であり、成分(C)と成分(A)の重量比(成分(C)/成分(A))が99.9/0.1〜60/40であり、成分(A)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量が0.50〜10重量%であり、成分(A)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト効率は0.80以上であり、成分(A)のメルトフローレート(MFR、230℃、21.2N荷重)が400g/10分以下であることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 繊維がガラス繊維であることを特徴とする請求項1または2記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 繊維の重量平均繊維長が2mm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  5. ポリオレフィン樹脂(成分(C))がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物を成形して得られる成形品。
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