JP3389744B2 - ポリオレフィン系樹脂着色用マスターバッチ - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂着色用マスターバッチInfo
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Description
樹脂着色用マスターバッチに関する。
物には、顔料と分散剤とを混合した粉末状のドライカラ
ー、常温で液状の分散剤中に顔料を分散させたリキッド
カラーまたはペーストカラー、常温で固体の樹脂中に顔
料を分散させたペレット状、フレーク状あるいはビーズ
状のマスターバッチなどがある。これらの着色用組成物
は、用途によって、その特徴を生かして使い分けられて
いるが、これらのうち、取扱いの容易さ、使用時の作業
環境保全の面からマスターバッチが好んで用いられてい
る。そして、マスターバッチとして要求される性能も、
顔料濃度が高いこと、着色される熱可塑性樹脂の耐熱性
や強度などの諸物性に与える影響が小さいことなどと共
に、ポリオレフィン系樹脂の成形の精密化、高速化にと
もない以前にもまして顔料分散性や分配性が求められる
ようになった。
する分散剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウ
ム、エチレンビスアマイド、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス、およびこれらの誘導体、例えば
酸変性体や水酸基変性体からなるワックス等の1種また
は2種以上が一般的に用いられている。また、分散剤樹
脂としては、被着色樹脂がポリエチレン系樹脂の場合に
は、ポリエチレン系樹脂にカルボキシル基あるいはその
誘導体を含有せしめた低酸価から高酸価のポリエチレン
系樹脂が用いられているが、被着色樹脂がポリプロピレ
ン系樹脂の場合には、ポリプロピレン系樹脂にカルボキ
シル基あるいはその誘導体を含有せしめた酸価10mg
KOH/g未満の低酸価樹脂に限られ用いられている。
クロン径で高速紡糸したり、フィルム化する場合など高
度な顔料分散が求められる場合には、上述の分散剤や分
散樹脂では満足されないことがある。すなわち、顔料分
散不良による紡糸時の糸切れ、溶融紡糸機のフィルター
の目詰まり、フィルムでの成形不良などである。これら
の問題を解決するために、マスターバッチの加工方法の
改良や強力混練機により顔料分散性を向上させる努力が
行われてきた。しかし、上述の分散剤や分散樹脂は、上
記の問題を解決するために十分な顔料分散能を発揮する
ものではなかった。
大型射出成形分野において、マスターバッチによる着色
が増えてきたことに伴い、成形品の着色において色ムラ
やフローマークが問題となってきた。従来より、マスタ
ーバッチによる着色が施されてきたブロー成形やフィル
ム成形では樹脂とマスターバッチの可塑化、混合及び混
練は成形機の押出機部分で行われる。射出成形機の場
合、この可塑化、混合、混練工程は、スクリューの後退
するシリンダー内で行われるが、混練力は押出機に比べ
十分ではなく、成形サイクルの短縮、成形樹脂の低粘度
化に伴い混練力は小さくなってきており、その結果、成
形品の表面に色ムラが発生しやすくなってきた。加え
て、着色のコストダウンを目的に推進されてきたマスタ
ーバッチの顔料含有率を上げた、いわゆる高濃度マスタ
ーバッチの出現による被着色樹脂へのマスターバッチの
添加量の減少化で、この色ムラやフローマークの発生は
より起こり易くなってきた。
るが、家電や自動車部品で使用量が増えてきたポリプロ
ピレン系の樹脂で顕著であり、早急な解決が求められて
きた。この問題を解決するため、マスターバッチの主要
3成分(顔料、分散剤や分散樹脂、及びベースレジン)
のうち、分散剤や分散樹脂の含有量を増やしたり、ある
いはベースレジンを被着色樹脂の粘度より小さいものを
使用するなどマスターバッチの溶融粘度をより低くする
ことで色ムラを解消しようとすることが試みられてき
た。しかしながら、まだ十分な問題解決にはいたらず、
成形品の着色において色ムラやフローマークの生じない
ような、ポリプロピレン系用の高濃度マスターバッチの
出現が待たれていた。
の欠点を改良し、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロ
ピレン系樹脂を着色する場合においても引張強度や曲げ
強度、衝撃強度等の機械物性の各強度値に対し5%以上
の物性阻害を与えず、顔料分散性に優れ色ムラのない均
一な着色が可能なポリオレフィン系樹脂着色用マスター
バッチを提供するものである。
は、酸価が10〜200mgKOH/gである極性基含
有ポリプロピレン樹脂(a)0.5〜95重量%、ポリ
オレフィン系樹脂(b) 0.5〜95重量%、顔料
(c)0.01〜90重量%、数平均分子量が500〜
30000の範囲であるポリオレフィンワックス(d)
0.5〜95重量%からなるポリオレフィン系樹脂着色
用マスターバッチである。
樹脂(a)がポリプロピレン樹脂に不飽和カルボン酸も
しくはその無水物をグラフト重合した酸変性樹脂、また
はその酸変性樹脂の誘導体であることを特徴とする第1
の発明に記載のポリオレフィン系樹脂着色用マスターバ
ッチである。
載のポリオレフィン系樹脂着色用マスターバッチを用い
て得られる成形品である。
〜200mgKOH/gである極性基含有ポリプロピレ
ン樹脂(a)(以下、極性基含有ポリプロピレン樹脂
(a)と略す。)としては、ポリプロピレン樹脂に不飽
和カルボン酸もしくはその酸無水物をグラフト重合した
ものが好適であり、さらに変性した樹脂中のカルボン酸
またはその酸無水物の誘導体も用いることができる。
ホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体
樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プ
ロピレン−αオレフィンブロック共重合体樹脂、プロピ
レン−αオレフィンランダム共重合体、プロピレン−ブ
テンブロック共重合体樹脂、プロピレン−ブテンランダ
ム共重合体樹脂等が挙げられる。
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン
酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、ナジック酸、ハイミック酸、アンゲリカ酸、テトラ
ヒドロフタル酸、ソルビン酸、メサコン酸、アリルコハ
ク酸、メサコン酸、グルタコ酸、メチルヘキサヒドロフ
タル酸、アコニット酸等がある。不飽和カルボン酸の酸
無水物の代表例としては、無水マレイン酸,無水イタコ
ン酸,無水シトラコン酸,無水ハイミック酸、無水アリ
ルコハク酸,無水グルタコン酸,無水テトラヒドロフタ
ール酸,無水メチルヘキサヒドロフタール酸,無水アコ
ニット酸等がある。これら不飽和カルボン酸またはその
酸無水物は、1種もしくは2種以上が用いられるが、ア
クリル酸,無水マレイン酸が工業的に有利である。
しくはその酸無水物をグラフト重合せしめる方法として
は公知のいくつかの方法を採用することができる。一般
的には、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等で
製造することができるが、これら重合方法および反応操
作において特に限定されるものではない。例えば、有機
過酸化物の存在下に、ポリプロピレン樹脂および前記不
飽和カルボン酸またはその酸無水物を、ポリプロピレン
樹脂の融点以上の温度(通常は150〜300℃)で溶
融混練することによって行われる。
キサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチル−
アセテート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル−ジ−パーアジペ
ート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチル
ヘキサノエート、メチル−エチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド等、特に2,5−ジ−メチル−2,5−
ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3が好ましい。添
加量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して0.
001〜1.0重量部が一般的である。
は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、グラフ
ト後ないし後述するようにグラフト物をさらに変性する
場合には変性後の極性基含有ポリプロピレン樹脂(a)
の酸価が10〜200mgKOH/gになるような量を
用いる。例えばアクリル酸で変性する場合はポリプロピ
レン樹脂100重量部に1.3〜34.6重量部程度、
無水マレイン酸で変性する場合はポリプロピレン樹脂1
00重量部に0.9〜21.2重量部程度配合すること
が目安となる。
ピレン樹脂に不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物を
グラフト重合したものをそのまま用いることもできる
し、あるいは変性した樹脂中のカルボン酸またはその無
水物に基づくカルボキシル基を、分子内に少なくとも1
つ以上の水酸基を持つ化合物によりエステル化、分子内
に少なくとも1つ以上のアミノ基を持つ化合物によりア
ミド化あるいはイミド化、または金属化合物によりキレ
ート化等により変性した誘導体も用いることができる。
樹脂中のカルボン酸またはその酸無水物に基づくカルボ
キシル基をさらに変性することにより、酸価、分子量、
粘度、軟化点、融点、強度、各種耐性、可とう性、被着
色樹脂との相溶性および顔料分散等の諸物性の制御の自
由度が増す。
ば、エステル化の場合に用いられるものとしては、分子
内に1つ以上の水酸基を持つ化合物であれば特に限定さ
れるものではなく、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノ
ール、tert−ブタノール、ペンタノール、アミルア
ルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカ
ノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、
セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルア
ルコール、その他の高級アルコール、α−オキシ酪酸、
12−ヒドロキシステアリン酸、ポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノ
メチルエーテル等から一種または二種以上が用いられ
る。また、アミド化およびイミド化の場合は、分子内に
1つ以上のアミノ基を持つものであれば特に限定される
ものではなく、メチルアミン、エチルアミン、プロピル
アミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルア
ミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミ
ン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミ
リスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オ
レイルアミンン、アニリン、o−トルイジン、2−エチ
ルアニリン、2−フルオロアニリン、o−アニシジン、
m−トルイジン、m−アニシジン、m−フェネチジン、
p−トルイジン、2,3−ジメチルアニリン、5−アミ
ノインダン、アスパラギン酸、グルタミン酸、γ−アミ
ノ酪酸等から一種または二種以上が用いられる。更に、
キレート化に用いられる金属化合物としては、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウ
ム、亜鉛、ニッケル、鉄、コバルト、マンガン及び銅等
の酢酸塩、アセチルアセトン塩、金属アルコキシドで代
表される有機金属化合物や酸化物で代表される無機金属
化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。
ン樹脂(a)の酸価は、10〜200mgKOH/gで
あり、10〜150mgKOH/gの範囲が更に好まし
い。極性基含有ポリプロピレン樹脂の酸価が10mgK
OH/g未満では、顔料との濡れが悪く良好な顔料分散
性、発色性が得られ難く、また着色成形品に色ムラやフ
ローマークが生じる。また酸価が200mgKOH/g
を越えると、被着色樹脂との相溶性が悪く、成形物の外
観不良、被着色樹脂の耐熱性や、強度などの諸物性に悪
影響を与えたり、さらに、吸湿しやすく成形品表面のシ
ルバーストークや発泡の原因ともなる。
た場合に顔料の分散性及び着色力の向上に極めて大きな
効果を生ずるものであるが、分散性及び着色力の向上
は、前記した極性基含有ポリプロピレン樹脂(a)中の
カルボキシル基ないしその酸無水物等によって顔料
(c)に対する親和性が富むようになったものである。
すなわち、極性基含有ポリプロピレン樹脂(a)中のカ
ルボキシル基ないしその酸無水物等と顔料(c)との間
に極性的な結合を形成し、その回りが後述するポリオレ
フィン系樹脂(b)で包まれた保護コロイド的な構造を
取ることによって、顔料(c)の凝集を防ぎ、分散性に
優れるようになったものと考えられる。
晶性または非晶性ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポ
リペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、低密度
または高密度ポリエチレン、エチレンとプロピレンのラ
ンダム、ブロックまたはグラフト共重合体、αオレフィ
ンとエチレンあるいはプロピレンの共重合体、EPDM
樹脂、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−
アクリル酸エチル共重合体等が挙げられ、被着色樹脂と
相溶性のあるものであれば良い。ポリオレフィン系樹脂
(b)としては、メルトフローレート(MFR)が0.
1〜400にあるものが好ましく、さらに好ましくはM
FRが10〜100のものである。MFRとはJIS
K−7210に準拠して測定されたMFRである。MF
Rが0.1未満の時は、着色されるポリオレフィン系樹
脂との相溶性が悪くなり、色ムラなどを生じ易くなると
共に、着色されたポリオレフィン系樹脂の諸物性にも悪
影響を生じ易い。MFRが400を越える場合には、マ
スターバッチ自体の機械的強度や耐熱性が低くなり、マ
スターバッチの製造が困難になるとともに、着色される
ポリオレフィン系樹脂の耐熱性や、強度などの諸物性に
悪影響を与える。
機顔料および無機顔料があり、従来からポリオレフィン
系樹脂の着色に使用されている公知の顔料が使用でき
る。このような顔料としては、アゾ系,アントラキノン
系,フタロシアニン系,キナクリドン系,イソインドリ
ノン系,ジオキサン系,ぺリレン系,キノフタロン系,
ベリノン系等の有機顔料、硫化カドミウム,セレン化カ
ドミウム,群青,二酸化チタン,酸化鉄,酸化クロム酸
塩,カーボンブラック等の無機顔料がある。顔料(c)
は、0.01重量%未満では着色力が弱く、90重量%
を越えると着色用組成物が脆くなり取り扱いし難くな
る。
に、さらにポリオレフィンワックス(d)を用いること
によって、混練・溶融時の粘度を低下させ、組成物の流
動性を向上させることにより、顔料(c)の分散性を向
上せしめる。このような目的で用いられるポリオレフィ
ンワックス(d)としては、数平均分子量が500〜3
0000の範囲にあるものが好ましく、モノマーの重合
による製造、または樹脂の分解あるいは変性等により製
造されるものである。ポリオレフィンワックスとして
は、結晶性または非晶性ポリプロピレン、ポリブテン−
1、ポリペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、
低密度または高密度ポリエチレン、エチレンとプロピレ
ンのランダム、ブロックまたはグラフト共重合体、αオ
レフィンとエチレンあるいはプロピレンの共重合体、E
PDM樹脂、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定
剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、補強剤、界
面活性剤、カップリング剤、造核剤等の各種の添加剤を
添加することもできる。
は、ポリオレフィン系樹脂の着色以外にポリメチルペン
テン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリエチレンテ
レフタレート,ポリブチレンテレフタレート,アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂,アク
リロニトリル−EPDM−スチレン(AES)樹脂,ア
クリル系樹脂,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリア
セタール,ポリウレタン等の熱可塑性樹脂の着色にも用
いることができる。また、顔料分散樹脂として用いられ
る本発明の極性基含有ポリプロピレン樹脂(a)は、滑
剤、ホットメルト樹脂、インキ、塗料、接着剤などの用
途にも使用することが出来る。
する。極性基含有ポリプロピレン樹脂(a)の製造例に
ついては7例示したが、これに限定されるものではな
く、国内外の市販品であってもよい。例文中、MFRの
単位はg/10min、酸価の単位はmgKOH/gで
ある。
850Y」(MFR:20、三井石油化学工業社製)5
000g、無水マレイン酸370g、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3を1
0.0gをヘンシェルミキサーにより混合して、これを
二軸押出機PCM−30(池貝社製)を用いて温度22
0゜C、回転数350rpmの条件において溶融混練
し、酸価68の極性基含有ポリプロピレン樹脂を得た。
二軸押出機PCM−30(池貝社製)を用いて温度20
0゜C、回転数350rpmの条件で混練してペレット
化しマスターバッチを得た。この際ストランド切れや脈
流を生じることなしに順調にマスターバッチを得ること
ができた。得られたマスターバッチ3重量部とプロピレ
ンホモポリマー「ハイポールJ800P」100重量部
を混合して、縦型テスト紡糸機(富士フィルター社製ス
ピニングテスター)にて、ホッパー下温度230℃、混
練部、ダイス部温度230℃にて紡糸後3倍延伸を行
い、5デニールのポリプロピレン繊維を得た。紡糸性、
目詰まり性、延伸性とも問題なく良好な分散性を示し
た。
りにマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂「アドマーQE
810」(酸価3.3、MFR:70、三井石油化学工
業社製)を35重量%用い、さらにポリプロピレンワッ
クスを除いた以外は実施例1と同様にしてマスターバッ
チを得た。この際ストランド切れや脈流を生じることな
しに順調にマスターバッチを得ることができた。実施例
1と同様にして紡糸を行ったが、目詰まりによる糸切れ
が発生した。
得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに
順調にマスターバッチを得ることができた。得られたマ
スターバッチを実施例1と同様にして、5デニールのポ
リプロピレン繊維を得た。紡糸性、目詰まり性、延伸性
とも問題なく良好な分散性を示した。
わりにプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂「J
850Y」を用いた以外は実施例2と同様にしてマスタ
ーバッチを得た。この際ストランド切れや脈流を生じる
ことなしに順調にマスターバッチを得ることができた。
実施例1と同様にして紡糸を行ったが、目詰まりによる
糸切れが発生した。
り性を比較した。実施例および比較例で得られたマスタ
ーバッチをそれぞれプロピレンポリマー「ハイポールJ
800P」100重量部に10重量部を混合し、先端に
500メッシュの金網を装着したスクリュー径が30m
mの単軸押出機でそれぞれの混合物を3kg押し出し、
先端部での圧力上昇値を表1に示した。圧力上昇値が小
さいほど顔料分散性が良好であることを示す。
この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順調に
マスターバッチを得ることができた。得られたマスター
バッチ3重量部とプロピレンホモポリマー「ハイポール
J800P」100重量部を混合して、射出成形機にて
背圧0kg/cm 2 でプレートを作成した。
代わりに、エチレン−メタクリル酸共重合体「ESCO
R5070」(酸価70、MFR:27、エクソン社
製)用いた以外は実施例11と同様にしてマスターバッ
チを得た。この際ストランド切れや脈流を生じることな
しに順調にマスターバッチを得ることができた。得られ
たマスターバッチを実施例3と同様にしてプレートを成
形した。
いた成形プレートの物性の比較を行った。機械物性の保
持率(無着色樹脂の機械的物性(100%)に対する、
マスターバッチで着色された樹脂の機械的物性の保持
率)を表2に示した。
フィン系樹脂の引張強度や曲げ強度、衝撃強度等の機械
物性の各強度値に対し5%以上の物性阻害を与えず、顔
料分散性に優れ色ムラのない均一な着色が可能となっ
た。更に高度な顔料分散を要求される繊維製品の着色に
おいて、その着色力及び加工性に大きな効果を発揮する
ものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸価が10〜200mgKOH/gであ
る極性基含有ポリプロピレン樹脂(a)0.5〜95重
量%、ポリオレフィン系樹脂(b)0.5〜95重量
%、顔料(c)0.01〜90重量%、数平均分子量が
500〜30000の範囲であるポリオレフィンワック
ス(d)0.5〜95重量%からなるポリオレフィン系
樹脂着色用マスターバッチ。 - 【請求項2】 極性基含有ポリプロピレン樹脂(a)が
ポリプロピレン樹脂に不飽和カルボン酸もしくはその無
水物をグラフト重合した酸変性樹脂、またはその酸変性
樹脂の誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の
ポリオレフィン系樹脂着色用マスターバッチ。 - 【請求項3】請求項1または2記載のポリオレフィン系
樹脂着色用マスターバッチを用いて得られる成形品 。
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JPH0931206A (ja) | 1997-02-04 |
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