JP3460374B2 - 着色用樹脂組成物 - Google Patents

着色用樹脂組成物

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JP3460374B2
JP3460374B2 JP10522895A JP10522895A JP3460374B2 JP 3460374 B2 JP3460374 B2 JP 3460374B2 JP 10522895 A JP10522895 A JP 10522895A JP 10522895 A JP10522895 A JP 10522895A JP 3460374 B2 JP3460374 B2 JP 3460374B2
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克行 植木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂着色用の
樹脂組成物(マスターバッチ)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系樹脂着色用樹脂
組成物には、顔料と分散剤とを混合した粉末状のドライ
カラー、常温で液状の分散剤中に顔料を分散させたリキ
ッドカラーまたはペーストカラー、常温で固体の樹脂中
に顔料を分散させたペレット状、フレーク状あるいはビ
ーズ状のマスターバッチなどがある。これらの着色用樹
脂組成物は、用途によってその特徴を生かして使い分け
られているが、これらのうち取扱いの容易さや使用時の
作業環境保全の面からマスターバッチが好んで用いられ
ている。そしてマスターバッチとして要求される性能
も、顔料濃度が高いこと、着色される熱可塑性樹脂の耐
熱性や強度などの諸物性に与える影響が小さいことなど
と共に、ポリオレフィン系樹脂の成形の精密化および高
速化にともない以前にもまして顔料の高分散性や高分配
性が求められるようになった。
【0003】マスターバッチに顔料分散性を付与する分
散剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸カルシウム、エチレンビスアマイド、ポリエ
チレンワックス、ポリプロピレンワックス、およびこれ
らの誘導体、例えば酸変性体や水酸基変性体からなるワ
ックス等の1種または2種以上が一般的に用いられてい
る。しかし、例えば、熱可塑性樹脂を10数ミクロン径
で高速紡糸したり、フィルム化する場合など高度な顔料
分散が求められる場合には、上述の分散剤では満足され
ないことがある。すなわち、顔料分散不良による紡糸時
の糸切れ、溶融紡糸機のフィルターの目詰まり、フィル
ムでの成形不良などである。これらの問題を解決するた
めに、マスターバッチの加工方法の改良や混練機の強力
化により顔料分散性を向上させる努力が行われてきたが
十分な顔料分散能を発揮するものではなかった。
【0004】また、従来着色ペレットが使用されてきた
大型射出成形分野において、マスターバッチによる着色
が増えてきたことに伴い、成形品の着色において色ムラ
やフローマークが問題となってきた。従来より、マスタ
ーバッチによる着色が施されてきたブロー成形やフィル
ム成形では、樹脂とマスターバッチの可塑化、混合及び
混練は成形機の押出機部分で行われる。射出成形機の場
合、この可塑化、混合、混練工程は、スクリューの後退
するシリンダー内で行われるが、混練力は押出機に比べ
十分ではなく、成形サイクルの短縮、成形樹脂の低粘度
化に伴い混練力は小さくなってきており、その結果、成
形品の表面に色ムラが発生し易くなってきた。加えて、
着色のコストダウンを目的に推進されてきたマスターバ
ッチの顔料含有率を上げた、いわゆる高濃度マスターバ
ッチの出現による被着色樹脂へのマスターバッチの添加
量の減少化で、この色ムラやフローマークの発生はより
起こり易くなってきた。
【0005】この問題は、各種熱可塑性樹脂で認められ
るが、家電や自動車部品で使用量が増えてきたポリプロ
ピレン系の樹脂で顕著であり、早急な解決が求められて
きた。この問題を解決するため、マスターバッチの主要
3成分(顔料、分散剤及びベースレジン)のうち、分散
剤の含有量を増やしたり、あるいはベースレジンを被着
色樹脂の粘度より小さいものを使用するなどマスターバ
ッチの溶融粘度をより低くすることで色ムラを解消する
ことが行われてきた。しかしながら、例えば、ポリプロ
ピレン系の樹脂に無機フィラーを充填したものや、薄肉
成形を目的にMFRが25を超えるものは、色ムラやフ
ローマークが発生し易く、この問題の解決が待たれてい
た。この解決方法として特開平5−202234号公報
には二塩基酸との共重合体からなる樹脂組成物を用いる
ことが極めて有効であることが示されている。しかし、
更に高度な顔料分散性を要求されるに至って、更なる改
良が求められるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の種々
の欠点を改良し、ポリオレフィン系樹脂を着色する場合
にも引張強度や曲げ強度および衝撃強度等の機械物性の
各強度値に対し5%以上の物性阻害を与えず、顔料分散
性に優れ色ムラのない均一な着色が可能な熱可塑性樹脂
着色用樹脂組成物(マスターバッチ)を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、α,β不飽和二重結合を有するモノマーと不飽和二
重結合を有する二塩基酸ないしはその無水物との共重合
体(a)を、二塩基酸ないしその無水物と反応し得る官
能基を有するポリアルキレンオキサイド化合物(b)で
反応してなる樹脂(A)(以下、樹脂(A)と略す)、
および顔料(B)からなる熱可塑性樹脂着色用樹脂組成
物である。第2の発明は、さらにメルトフローレートが
0.1以上のポリオレフィンまたはその誘導体(C)
(以下、ポリオレフィンまたはその誘導体(C)と略
す)を含有してなる熱可塑性樹脂着色用樹脂組成物であ
る。特にポリオレフィンまたはその誘導体(C)を含有
する場合においては、該熱可塑性樹脂着色用樹脂組成物
が、樹脂(A)5〜80重量%,顔料(B)0.01〜
70重量%,およびポリオレフィンまたはその誘導体
(C)5〜94重量%からなることが好ましい。
【0008】本発明において、α,β不飽和二重結合を
有するモノマーと不飽和二重結合を有する二塩基酸ない
しはその無水物との共重合体(a)(以下、共重合体
(a)と略す)は、酸価が50〜700mgKOH/g
(以下「mgKOH/g」は省略する)の範囲の共重合
体であることが好ましい。酸価が50未満では良好な顔
料分散性,発色性が得られ難く、また着色成形品に色ム
ラやフローマークが生じやすい。また酸価が700以上
では吸湿しやすく成形品表面のシルバーストークや発泡
の原因となるばかりではなく、被着色樹脂の耐候性,耐
熱性に悪影響を及ぼし易い。
【0009】α,β不飽和二重結合を有するモノマーと
しては特に制限はなく、例えばα−オレフィン,ジオレ
フィン,アリルモノマー,N−ビニルモノマー,ビニル
エーテル,ビニルスルフィド,(メタ)アクリル酸エス
テルモノマー及びその他の共重合可能なビニルモノマー
またはビニリデンモノマーが挙げられ、1種もしくは2
種以上が用いられる。
【0010】より具体的には、例えばα−オレフィンと
しては、エチレン,プロピレン,ブチレン,イソブチレ
ン,ペンテン,1−ヘキセン,1−ヘプテン,1−オク
テン,1−ノネン,1−デセン,1−ドデセン,1−テ
トラデセン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1
−エイコセン,1−ドコセン,1−テトラコセン,1−
ヘキサコセン,1−オクタコセン,1−トリアコンテ
ン,1−ドトリアコンテン,1−テトラトアコンテン,
1−ヘキサトリアコンテン,1−オクタトリアコンテ
ン,1−テトラコンテン等ならびにその混合物が挙げら
れる。市販品としては、ダイアレン128(C 12〜1
8),ダイアレン208(C20〜28),ダイアレン
30(C30以上)(三菱化学社製),バイパー260
0(分子量2600),バイパー2800(分子量28
00)(東洋ペトロライト社製)等がある。
【0011】ジオレフィンとしては、ブタジエン,イソ
プレン,ネオプレン,クロロプレン等ならびにその混合
物が挙げられる。
【0012】アリルモノマーとしては、酢酸アリル,酢
酸イソプロペニル,塩化アリル,塩化イソプロペニル,
trans −塩化プロペニル,cis −塩化プロペニル等並び
にその混合物が挙げられる。
【0013】N−ビニルモノマーとしては、N−ビニル
カルバゾール,N−ビニル−2−ピロリドン,N−ビニ
ルフタルイミド等並びにその混合物が挙げられる。
【0014】ビニルエーテルとしては、エチルビニルエ
ーテル,プロピルビニルエーテル,イソブチルビニルエ
ーテル,ヘキシルビニルエーテル等の直鎖または分岐脂
肪族のアルキルビニルエーテルやp−ジオキセン等並び
にその混合物が挙げられる。
【0015】ビニルスルフィドとしては、エチルビニル
スルフィド,フェニルビニルスルフィド等並びにその混
合物が挙げられる。
【0016】(メタ)アクリル酸エステルモノマーとし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、ア
クリル酸ドデシル等の直鎖または分岐脂肪族アルコール
のアクリル酸エステル及び対応するメタクリル酸エステ
ル等並びにその混合物が挙げられる。
【0017】その他の共重合可能なビニルモノマーとし
ては、ビニルエステル、ビニルピリジン、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン,
β−メチルスチレン,アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、塩化ビニリデン等並びにその混合物が挙げられ
る。
【0018】不飽和二重結合を有する二塩基酸ないしは
その無水物としては、マレイン酸,フマル酸,イタコン
酸,クロトン酸,シトラコン酸,無水マレイン酸,無水
イタコン酸,無水シトラコン酸等が挙げられ、1種もし
くは2種以上が用いられるが、無水マレイン酸が工業的
に有利である。
【0019】共重合体(a)は、溶液重合、塊状重合、
乳化重合、懸濁重合、分散重合等により製造することが
できるが、これら重合方法及び反応操作において特に制
限されるものではない。重合開始剤としては、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンパ
ーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート等のパーオキサイド類、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0020】二塩基酸ないしその無水物と反応しうる官
能基を有するポリアルキレンオキサイド化合物(b)
(以下、ポリアルキレンオキサイド化合物(b)と略
す)としては、分子量が10000以下のものが好まし
く、分子量が10000を越えるものを共重合体(a)
に付加せしめた場合には、得られる樹脂(A)がタッキ
ーとなり取り扱い上の問題が生じる他樹脂同士の凝集効
果により分散性が劣化する。ポリアルキレンオキサイド
化合物(b)は、共重合体(a)に含有されるカルボキ
シル基ないしその無水物を、分子内に少なくとも1つ以
上の水酸基を持つポリアルキレンオキサイド化合物によ
りエステル化、または少なくとも1つ以上のアミノ基を
持つポリアルキレンオキサイド化合物によりアミド化あ
るいはイミド化することにより共重合体(a)に導入さ
れる。
【0021】ポリアルキレンオキサイド化合物(b)と
しては、例えば、エチレンオキサイド,プロピレンオキ
サイド,イソブチレンオキサイド,1-ブテンオキサイ
ド,2-ブテンオキサイド,α- オレフィンオキサイド,
トリメチルエチレンオキサイド,テトラメチルエチレン
オキサイド,ブタジエンオキサイド,スチレンオキサイ
ド,α- メチルスチレンオキサイド,1,1-ジフェニルエ
チレンオキサイド,エピフルオロヒドリン,エピクロロ
ヒドリン,エピブロモヒドリン,グリシドール,ブチル
グリシジルエーテル,ヘキシルグリシジルエーテル,ア
リルグリシジルエーテル,フェニルグリシジルエーテ
ル,2-クロロエチルグリシジルエーテル,o-クロロフェ
ニルグリシジルエーテル,エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル,ビスフェノールA ジグリシジルエーテ
ル,メタクリルクロリドエポキシド,シクロヘキセンオ
キサイド,ジハイドロナフタリンオキサイド,ビニルシ
クロヘキセンモノオキサイド,オキセタン,テトラヒド
ロピラン,1,4-エポキシシクロヘキサン,トリオキサ
ン,テトラオキサン,ペントオキサン,ヘキソキサン,
ジオキソラン,1,3-ジオキサン,ジオキサン,ブチレン
グリコールホマール等のアルキレンオキサイドないしホ
ルムアルデヒドを単独で重合あるいは複数を共重合して
得られる分子内に水酸基ないしアミノ基を有する化合物
およびその誘導体、C1〜C20のアルキル1 価アルコ
ールないしC1〜C20のアルキルフェノールないしエ
チレングリコールやプロピレングリコール,グリセリ
ン,トリメチロールプロパン,ソルビタン等の多価アル
コールに上記アルキレンオキサイドを重合させた化合物
でその分子内に少なくとも1 つ以上の水酸基ないしアミ
ノ基を有する化合物およびその誘導体、C1〜C20の
脂肪酸ないし(メタ)アクリル酸ないしマレイン酸,フ
タル酸,コハク酸,アジピン酸等の多塩基酸およびその
無水物に上記アルキレンオキサイドを重合させた化合物
でその分子内に少なくとも1つ以上の水酸基ないしアミ
ノ基を有する化合物およびその誘導体、1-プロパンアミ
ン,2-メチル-1- プロパンアミン,ステアリルアミン,
1,3-プロパンジアミン,ベンゼンメタンアミン等のアミ
ン類に上記アルキレンオキサイドを重合させた化合物で
その分子内に少なくとも1つ以上の水酸基ないしアミノ
基を有する化合物およびその誘導体が挙げられ、これら
のうち1種ないし2種以上を用いることができる。
【0022】共重合体(a)に導入するポリアルキレン
オキサイド化合物(b)の量および種類は、本発明の着
色用樹脂組成物の他の成分との相溶性および所望物性に
応じて適宜選択できる。
【0023】共重合体(a)とポリアルキレンオキサイ
ド化合物(b)との反応は、公知の方法により行うこと
ができ、触媒としては、硫酸,塩酸,ベンゼンスルホン
酸,パラトルエンスルホン酸,メタンスルホン酸,リン
酸カルシュウム,塩化第二鉄,塩化亜鉛,スズやチタン
の有機金属塩等が挙げられるが、これら重合方法及び反
応操作において特に制限されるものではない。ただし、
得られる樹脂(A)の酸価は前述したように5〜70
0、好ましくは20〜500の範囲のものが望ましい。
酸価が5未満では良好な顔料分散性,発色性が得られ難
く、また着色成形品に色ムラやフローマークが生じやす
い。
【0024】本発明の着色用樹脂組成物は、成形品等に
用いた場合に顔料の分散性及び着色力の向上に極めて大
きな効果を生ずるものであるが、分散性及び着色力の向
上は、前記した共重合体(a)中のカルボキシル基ない
しその無水物、ならびにポリアルキレンオキサイド化合
物(b)中のポリアルキレンオキサイドに含有されるエ
ーテル基によって顔料に対する親和性が富むようになっ
たものである。すなわち、共重合体(a)中のカルボキ
シル基ないしその無水物、ならびにエーテル基と顔料中
の塩基性基等との間に極性的な結合が形成され、その回
りにポリオレフィンで包まれた保護コロイド的な構造を
取ることによって、顔料の凝集を防ぎ、分散性に優れる
ようになったものと考えられる。さらにポリアルキレン
オキサイドの導入により、樹脂(A)が可塑化し、顔料
との混和性が増したことや、ポリアルキレンオキサイド
のような長鎖の基を導入したことによって、カルボキシ
ル基ないしその無水物に由来する樹脂−樹脂間の凝集が
抑制されたことも顔料の分散性及び着色力の向上に寄与
していると考えられる。
【0025】上記のようにして得られる樹脂(A)は、
着色用樹脂組成物中に5〜80重量%含有せしめること
が望ましい。5重量%未満だと、分散性および着色力に
おいて効果が弱く、80重量%を越えると被着色樹脂中
で凝集傾向にありフローマークの要因となりやすい。
【0026】なお、本発明の共重合体(a)をポリアル
キレンオキサイド化合物(b)で変性してなる樹脂
(A)は、滑材、ホットメルト樹脂、インキ、塗料、接
着剤などの用途にも使用することが出来る。
【0027】本発明において、顔料(B)としては、有
機顔料および無機顔料があり、従来から熱可塑性樹脂の
着色に使用されている公知の顔料が使用できる。このよ
うな顔料としては、アゾ系,アントラキノン系,フタロ
シアニン系,キナクリドン系,イソインドリノン系,ジ
オキサン系,ベリレン系,キノフタロン系,ベリノン
系,などの有機顔料、硫化カドミウム,セレン化カドミ
ウム,群青,二酸化チタン,酸化鉄,酸化クロム酸塩,
カーボンブラックなどの無機顔料がある。顔料(B)
は、0.01重量%未満では着色力が弱く、70重量%
以上では着色用樹脂組成物が脆くなり取り扱い難くなり
やすい。
【0028】ポリオレフィンまたはその誘導体(C)
は、被着色樹脂との相溶性を増加させるため、または引
張強度,曲げ強度等の機械物性を補強するため、あるい
は着色用樹脂組成物に可とう性を付与させるため等の目
的で配合される。ポリオレフィンまたはその誘導体
(C)は、そのMFRが0.1以上であり、また被着色
樹脂と相溶性のあるものであれば良く、特に限定される
ものではない。MFRとはJIS K−7210に準拠
して測定されたMFRである。なお配合に使用されるポ
リオレフィンまたはその誘導体は、MFRが0.1未満
の時は、被着色樹脂との相溶性が悪くなり、色ムラなど
を生じると共に、着色された熱可塑性樹脂の諸物性にも
悪影響を生じる場合がある。配合に使用されるポリオレ
フィンまたは官能基変性、架橋変性、グラフト化及びブ
ロック化変性による誘導体は、粉体状であってもペレッ
ト状であっても良い。ポリオレフィンまたはその誘導体
(C)は、5〜94重量%用いることが好ましい。5重
量%未満では配合しても効果が乏しく94重量%を越え
ると相対的に他の成分が少なくなり、配合においてバラ
ンスがとれない。
【0029】本発明の着色用樹脂組成物は、ほとんどす
べてのポリオレフィン系樹脂の着色に供することがで
き、物性の向上を目的に無機フィラーやガラス繊維、有
機繊維などの強化材を含むものであっても良い。例え
ば、従来のマスターバッチを用いた着色では実現不可能
であった強度などの機械物性や耐熱性などへの悪影響な
しに色ムラのない均一な着色が実現可能となる。
【0030】本発明の着色用樹脂組成物は、ポリオレフ
ィン系樹脂以外にポリメチルペンテン,ポリブテン−
1,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリエチレンテレ
フタレート,ポリブチレンテレフタレート,アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂,アクリ
ロニトリル−EPDM−スチレン(AES)樹脂,アク
リル系樹脂,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリアセ
タール,ポリウレタン等の熱可塑性樹脂にも配合するこ
とができる。
【0031】本発明の着色用樹脂組成物には、本発明の
効果を阻害しない範囲で、少量の酸化防止剤,紫外線吸
収剤等の安定剤や界面活性剤,抗菌剤,静電防止剤など
の各種の添加剤を添加することもできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ示す。
【0033】
【製造例1】ダイアレン124(三菱化学社製α- オレ
フィン:C12〜14混合物)64.9部を反応釜に仕
込み、撹拌しながら窒素置換した後、160℃に加熱
し、ジt- ブチルパーオキサイド0.44部を20分毎
に0.11部ずつ、また無水マレイン酸37.2部を5
分毎に3.1部ずつ添加した。添加終了後、系の温度を
180℃に昇温して1時間後と3時間後にジt- ブチル
パーオキサイド0.22部を添加した。その後さらに3
時間反応せしめ、酸価410の樹脂を得た。
【0034】
【製造例2】1−オクタデセン757.4部を反応釜に
仕込み、撹拌しながら窒素置換した後、150℃に加熱
し、無水マレイン酸294.2部を5分毎に24.5部
ずつ、またジt−ブチルパーオキサイド3.6部を20
分毎に0.9部ずつ添加した。添加終了後、系の温度を
160℃に昇温して1時間後と3時間後にジt- ブチル
パーオキサイド1.8部を添加した。その後さらに3時
間反応せしめ、酸価320の樹脂を得た。
【0035】
【製造例3】製造例1で得られた樹脂400部,ポリエ
チレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量75
0)220部を反応釜に仕込み、窒素気流下180℃に
加熱し、パラトルエンスルフォン酸ナトリウム0.4部
を添加した。そして、真空ポンプで減圧下5時間反応せ
しめ、酸価235の樹脂を得た。
【0036】
【製造例4】製造例2で得られた樹脂400部,ポリプ
ロピレングリコールモノメタクリレート(平均分子量8
06)9部を反応釜に仕込み、窒素気流下140℃に加
熱し、パラトルエンスルフォン酸ナトリウム0.4部を
添加した。そして、真空ポンプで減圧下4時間反応せし
め、酸価310の樹脂を得た。
【0037】
【製造例5】N−ビニルカルバゾール579部を反応釜
に仕込み、撹拌しながら窒素置換した後、160℃に加
熱し、ジt- ブチルパーオキサイド2.72部を20分
毎に0.68部ずつ、また無水マレイン酸294部を5
分毎に24.5部ずつ添加した。添加終了後、系の温度
を180℃に昇温して1時間後と3時間後にジt- ブチ
ルパーオキサイド1.36部を添加した。その後さらに
3時間反応せしめた後(この時点での酸価385)、ポ
リ(プロピレングリコール- b- エチレングリコール)
(Aldrich 社製:平均分子量2800)838部,パラ
トルエンスルフォン酸ナトリウム0.873部を添加し
た。そして、真空ポンプで減圧下4時間反応せしめ、酸
価183の樹脂を得た。
【0038】
【製造例6】ダイアレン208(三菱化学社製α- オレ
フィン:C20〜28混合物)638部、メチルメタク
リレート200部を反応釜に仕込み、撹拌しながら窒素
置換した後、160℃に加熱し、ジt−ブチルパーオキ
サイド2.12部を20分毎に0.53部ずつ、また、
無水マレイン酸412部を5分毎に34.3部ずつ添加
した。添加終了後、系の温度を180℃に昇温して1時
間後と3時間後にジt- ブチルパーオキサイド1.06
部を添加した。その後さらに3時間反応せしめた後(こ
の時点での酸価217)、ポリ(プロピレングリコー
ル)ビス(2-アミノプロピルエーテル)(平均分子量4
00)96.6部を添加し、5時間反応せしめ、酸価1
91.4樹脂を得た。
【0039】
【製造例7】フェニルビニルスルフィド504部を反応
釜に仕込み、撹拌しながら窒素置換した後、160℃に
加熱し、ジt- ブチルパーオキサイド2.72部を20
分毎に0.68部ずつ、また無水マレイン酸294部を
5分毎に24.5部ずつ添加した。添加終了後、系の温
度を180℃に昇温して1時間後と3時間後にジt-ブ
チルパーオキサイド1.36部を添加した。その後さら
に3時間反応せしめた後(この時点での酸価422)、
ポリオキシメチレンモノメチルエーテル(平均分子量5
00)600部,パラトルエンスルフォン酸ナトリウム
0.798部を添加した。そして、真空ポンプで減圧下
4時間反応せしめ、酸価190の樹脂を得た。
【0040】
【製造例8】酢酸イソプロペニル302部を反応釜に仕
込み、撹拌しながら窒素置換した後、160℃に加熱
し、ジt- ブチルパーオキサイド2.72部を20分毎
に0.68部ずつ、また無水マレイン酸294部を5分
毎に24.5部ずつ添加した。添加終了後、系の温度を
180℃に昇温して1時間後と3時間後にジt- ブチル
パーオキサイド1.36部を添加した。その後さらに3
時間反応せしめた後(この時点での酸価500)、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸エステル
(東邦化学工業社製:RE960 平均平均分子量2502)
295部,パラトルエンスルフォン酸ナトリウム0.5
96部を添加した。そして、真空ポンプで減圧下4時間
反応せしめ、酸価325の樹脂を得た。
【0041】
【製造例9】ブタジエン- 無水マレイン酸共重合体「B
MA」(日本石油化学社製:酸価700)400部,ポ
リエチレングリコールモノメチルエーテル(平均平均分
子量5000)250部を反応釜に仕込み、窒素気流下
180℃に加熱し、パラトルエンスルフォン酸ナトリウ
ム0.4部を添加し、真空ポンプで減圧下5時間反応せ
しめ、酸価430の樹脂を得た。
【0042】
【製造例10】ダイアレン124(三菱化学社製α- オ
レフィン:C12〜14混合物)18.1部,バイパー
260(東洋ペトロライト社製α−オレフィン:分子量
2600)938.13部を反応釜に仕込み、撹拌しな
がら窒素置換した後、160℃に加熱し、ジt- ブチル
パーオキサイド0.524部を20分毎に0.131部
ずつ、また無水マレイン酸43.68部を同じく5分毎
に3.64部ずつ添加した。添加終了後、系の温度を1
80℃に昇温して1時間後と3時間後にジt- ブチルパ
ーオキサイド0.262部を添加した。その後さらに3
時間反応せしめた後(この時点での酸価50)、ジェフ
ァーミンM600(三石テキサコケミカル社製末端アミ
ン変性アルキレンオキサイド:平均分子量600)16
0.4部を添加し、真空ポンプで減圧下5時間反応せし
め、酸価30.2の樹脂を得た。
【0043】
【製造例11】ダイアレン30(三菱化学社製α- オレ
フィン:C30以上混合物)300部,バイパー260
(東洋ペトロライト社製α−オレフィン:分子量260
0)612.56部を反応釜に仕込み、撹拌しながら窒
素置換した後、160℃に加熱し、ジt- ブチルパーオ
キサイド1.064部を20分毎に0.266部ずつ、
また無水マレイン酸87.48部を同じく5分毎に7.
29部ずつ添加した。添加終了後、系の温度を180℃
に昇温して1時間後と3時間後にジt- ブチルパーオキ
サイド0.266部を添加した。その後さらに3時間反
応せしめた後(この時点での酸価100)、ジェファー
ミンM1000(三石テキサコケミカル社製末端アミン
変性アルキレンオキサイド:平均分子量1000)8
9.11部を添加し、真空ポンプで減圧下5時間反応せ
しめ、酸価89の樹脂を得た。
【0044】
【製造例12】製造例1で得られた樹脂400部,ユニ
リン700(東洋ペトロライト社製高級アルキルアルコ
ール:平均分子量700)204.6部を反応釜に仕込
み、窒素気流下180℃に加熱し、パラトルエンスルフ
ォン酸ナトリウム0.4部を添加した。そして、真空ポ
ンプで減圧下5時間反応せしめ、酸価240の樹脂を得
た。
【0045】
【製造例13】製造例1で得られた樹脂400部,ポリ
エチレングリコール(Aldrich 社製,平均分子量100
00)146.1部を反応釜に仕込み、窒素気流下18
0℃に加熱し、パラトルエンスルフォン酸ナトリウム
0.4部を添加した。そして、真空ポンプで減圧下5時
間反応せしめ、酸価295の樹脂を得た。
【0046】
【製造例14】スチレン312部,トルエン1000部
を反応釜に仕込み、撹拌しながら窒素置換した後、12
0℃に加熱し、1,1−ビス(t −ブチルパーオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン9.8部を20
分毎に2.45部ずつ、また無水マレイン酸294.2
部を同じく5分毎に24.52部ずつ添加した。添加終
了後、系の温度を150℃に昇温して1時間後と3時間
後に1,1−ビス(t −ブチルパーオキシ)3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン4部を添加した。その後さ
らに3時間反応せしめた後(この時点での酸価55
5)、エポライト400E(共栄社化学社製:ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル,平均分子量52
7)15.8部を添加し、5時間反応せしめ、酸価53
6の樹脂を得た。
【0047】
【実施例1】 製造例3で得られた樹脂 30% フタロシアニンブルー「リオノールブル−FG7330」 (東洋インキ製造社製) 50% ポリプロピレン「三井ノーブレンJH−G」 (三井東圧化学社製,MFR:3) 20% 上記3成分をニーダーで混練し、スクリュー直径65m
mの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロピレ
ン「三井ノーブレンJH−G」100部に、得られたマ
スターバッチ2部を混合して、縦型テスト紡糸機(富士
フィルター社製スピニングテスター)にて、ホッパー下
230℃、混練部、ダイス部230℃にて紡糸後3倍延
伸を行い、5デニールのポリプロピレン繊維を得た。紡
糸性、目詰まり性、延伸性共問題なく良好な分散性を示
した。得られたマスターバッチ23.3部をポリプロピ
レン「三井ノーブレンJH−G」100部に混合し、先
端に500メッシュの金網を装着したスクリュー径が3
0mmの単軸押出機で混合物を3Kg押し出し、先端部
での圧力上昇値を測定し、未分散顔料の目詰まり性を評
価した。結果を表1に示す。さらに、MFR:6.5の
ポリエチレン「ハイゼックス2100J」(三井石油化
学工業社製)100部に、得られたマスターバッチ3部
を混合して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレ
ートに成形した。得られた成形品の機械的物性,表面の
色ムラおよび顔料分散性度を評価した結果およびマスタ
ーバッチの生産性を表2にまとめる。
【0048】
【実施例2】製造例3で得られた樹脂の代わりに製造例
4で得られた樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして
マスターバッチを得た。この際ストランド切れや脈流を
生じることなしに順調にマスターバッチを得ることがで
き、さらに得られたマスターバッチを用いて実施例1と
同様に紡糸を行ったが、紡糸性、目詰まり性、延伸性共
問題なく良好な分散性を示した。実施例1と同様に各種
評価をし、結果を表1、2に示す。
【0049】
【比較例1〜2】製造例3で得られた樹脂の代わりに製
造例1(比較例1)、製造例2(比較例2)で得られた
樹脂を用いた以外は実施例1と同様にしてマスターバッ
チを得た。この際ストランド切れや脈流を生じることな
しに順調にマスターバッチを得ることができ、さらに得
られたマスターバッチを用いて実施例1と同様に紡糸を
行ったところ、紡糸性、目詰まり性、延伸性共に問題な
かったが、色の濃度は実施例1や2に比べ薄かった。実
施例1と同様に各種評価をし、結果を表1、2に示す。
【0050】
【比較例3】製造例3で得られた樹脂の代わりに製造例
12で得られた樹脂を用いた以外は実施例1と同様にし
てマスターバッチを得た。この際ストランド切れや脈流
を生じることなしに順調にマスターバッチを得ることが
できた。さらに得られたマスターバッチを用いて実施例
1と同様に紡糸を行ったところ目詰による糸切れが発生
した。実施例1と同様に各種評価をし、結果を表1、2
に示す。
【0051】
【比較例4】製造例3で得られた樹脂の代わりにポリプ
ロピレンワックス「ビスコール550」(三洋化成工業
社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてマスターバ
ッチを得た。この際ストランド切れや脈流を生じること
なしに順調にマスターバッチを得ることができた。さら
に得られたマスターバッチを用いて実施例1と同様に紡
糸を行ったところ、目詰まりによる糸切れが発生した。
実施例1と同様に各種評価をし、結果を表1、2に示
す。
【0052】
【実施例3】 製造例5で得られた樹脂 30% 酸化チタン「タイペークCR−80」(石原産業社製) 50% カーボンブラック「三菱カーボンMA−100」 (三菱化学社製) 5% ポリエチレン「スミカセンG−808」 (住友化学工業社製,MFR:50) 15% 上記4成分をニーダーで混練し、スクリュー直径65m
mの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。実施例1と同
様にプレートを成形し、各種評価をし、結果を表2に示
す。
【0053】
【比較例5】製造例5で得られた樹脂の代わりにポリエ
チレンワックス「サンワックス165P」(三洋化成工
業社製)を用いた以外は実施例2と同様にしてマスター
バッチを得た。この際ストランド切れや脈流を生じるこ
となしに順調にマスターバッチを得ることができた。実
施例1と同様にプレートを成形し、各種評価をし、結果
を表2に示す。
【0054】
【実施例4】 製造例6で得られた樹脂 40% 酸化チタン「タイピュアR−101」 (E.I.デュポン社製) 20% 弁柄「トダカラー180ED」(戸田工業社製) 40% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。タルク2
0%を含有するポリエチレン組成物100部に、得られ
たマスターバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧
0Kg/cm2 でプレートを成形し、実施例1と同様に
各種の評価をした。結果を表2にまとめる。
【0055】
【実施例5】 製造例7で得られた樹脂 5% キナクリドンレッド 「ファストゲン スーパー マゼンタ RE03」 (大日本インキ化学工業社製) 20% ポリエチレン「MH40G] (三菱化学社製,MFR:50) 60% ポリエチレンワックス「NL500」 (三井石油化学工業社製) 15% 上記4成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。実施例4
と同様にして、プレートを得、各種の評価をした。結果
を表2にまとめる。
【0056】
【比較例6】 ポリプロピレン「三井ハイポールJ740」 (三井石油化学工業社製,MFR:25) 10% ポリプロピレンワックス「ビスコール550P」 (三洋化成工業社製) 30% 酸化チタン「タイピュアR−101」 (E.I.デュポン社製) 20% 弁柄「トダカラー180ED」(戸田工業社製) 40% 上記4成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得ようとしたが、この際ストランド切れや脈流を生
じ、連続して順調にペレット形状の良好なマスターバッ
チを得ることができなかった。実施例4〜5と同様にし
て、プレートを得、各種の評価をした。結果を表2にま
とめる。
【0057】
【実施例6】 製造例8で得られた樹脂 5% フタロシアニングリーン「リオノールグリーン Y−102」 (東洋インキ製造社製) 1% ポリエチレン「ミラソン68」 (三井石油化学工業社製,MFR:23) 94% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリエチ
レン「ミラソン11P」(三井石油化学工業社製)10
0部に、得られたマスターバッチ5部を混合して、射出
成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレートを成形し、実
施例1と同様にして、各種の評価をした。結果を表2に
まとめる。
【0058】
【実施例7】 製造例9で得られた樹脂 29% 縮合アゾイエロー「クロモフタルイエロー GR] (チバガイギー社製) 1% ポリエチレン「MH40G」 (三菱化学社製,MFR:50) 70% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。タルク2
0%を含有するポリエチレン組成物100部に、得られ
たマスターバッチ5部を混合して、射出成形機にて背圧
0Kg/cm2 でプレートを成形し、実施例1と同様に
して、各種の評価をした。結果を表2にまとめる。
【0059】
【実施例8】 製造例10で得られた樹脂 60% 縮合アゾイエロー「クロモフタルイエロー GR] (チバガイギー社製) 35% ポリプロピレン「三井ハイポールJ900P」 (三井化学工業社製,MFR:40) 5% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロ
ピレン「三井ハイポールJ800」(三井石油化学工業
社製)100部に、得られたマスターバッチ3部を混合
して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレートに
成形し、実施例1と同様にして、各種の評価をした。結
果を表2にまとめる。
【0060】
【実施例9】 製造例11で得られた樹脂 20% フタロシアニンブルー「リオノールブルー7110V」 (東洋インキ製造社製) 70% ポリエチレン「スミカセンG801」 (住友化学工業社製,MFR:20) 10% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロ
ピレン系樹脂「三井ハイポールJ850」(三井石油化
学工業社製)100部に、得られたマスターバッチ3部
を混合して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレ
ートに成形し、実施例1と同様にして、各種の評価をし
た。結果を表2にまとめる。
【0061】
【実施例10】 製造例13で得られた樹脂 30% フタロシアニンブルー「リオノールブルー7110V」 (東洋インキ製造社製) 50% ポリエチレン「スミカセンG801」 (住友化学工業社製,MFR:20) 20% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロ
ピレン系樹脂「三井ハイポールJ850」(三井石油化
学工業社製)100部に、得られたマスターバッチ3部
を混合して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプレ
ートに成形し、実施例1と同様にして、各種の評価をし
た。結果を表2にまとめる。
【0062】
【実施例11】 製造例14で得られた樹脂 5.99% フタロシアニングリーン「リオノールグリーン 2Y−301」 (東洋インキ製造社製) 0.01% ポリエチレン「ペトロセン 356」 (東ソー社製,MFR:100) 94% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
を得た。この際ストランド切れや脈流を生じることなし
に順調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロ
ピレン系樹脂「三井ハイポールJ740」(三井石油化
学工業社製)100部に、得られたマスターバッチ10
部を混合して、射出成形機にて背圧0Kg/cm2 でプ
レートに成形し、実施例1と同様にして、各種の評価を
した。結果を表2にまとめる。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂着色用樹脂組成物
は、顔料含有率が非常に高いにもかかわらず、顔料分散
性に優れており、高度な顔料分散を要求される繊維製品
の着色において、その着色力及び加工性に大きな効果を
発揮するものである。また、従来、マスターバッチによ
る均一な着色が困難であった機械的物性や耐熱性などの
物性が特に重視される無機フィラーや繊維強化材を高含
有率で含むポリオレフィン系樹脂組成物の着色に対して
も極めて有効であり、色ムラのない着色も可能となるも
のである。
フロントページの続き (72)発明者 井口 昭義 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋 インキ製造株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−256702(JP,A) 特開 平5−202234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/22 C09D 1/00 - 201/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β不飽和二重結合を有するモノマー
    と不飽和二重結合を有する二塩基酸ないしはその無水物
    との共重合体(a)を、二塩基酸ないしその無水物と反
    応し得る官能基を有するポリアルキレンオキサイド化合
    物(b)で反応してなる樹脂(A)、および顔料(B)
    からなることを特徴とする熱可塑性樹脂着色用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 メルトフローレートが0.1以上のポリ
    オレフィンまたはその誘導体(C)を含有することを特
    徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂着色用樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 α,β不飽和二重結合を有するモノマー
    と不飽和二重結合を有する二塩基酸ないしはその無水物
    との共重合体(a)を、二塩基酸ないしその無水物と反
    応しうる官能基を有するポリアルキレンオキサイド化合
    物(b)で反応してなる樹脂(A)5〜80重量%,顔
    料(B)0.01〜70重量%,およびメルトフローレ
    ートが0.1以上のポリオレフィンまたはその誘導体
    (C)5〜94重量%からなることを特徴とする請求項
    2記載の熱可塑性樹脂着色用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 α,β不飽和二重結合を有するモノマー
    が共重合可能なα−オレフィン,スチレン,ビニルエー
    テル,ビニルスルフィド,ジオレフィンおよびそれらの
    誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマーを含有し
    てなることを特徴とする請求項1または3いずれか記載
    の熱可塑性樹脂着色用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 不飽和二重結合を有する二塩基酸ないし
    はその無水物が無水マレイン酸であることを特徴とする
    請求項1ないし4いずれか記載の熱可塑性樹脂着色用樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 α,β不飽和二重結合を有するモノマー
    と不飽和二重結合を有する二塩基酸ないしはその無水物
    との共重合体(a)の酸価が50〜700mgKOH/
    gの範囲にあることを特徴とする請求項1ないし5いず
    れか記載の熱可塑性樹脂着色用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 二塩基酸ないしその無水物と反応しうる
    官能基を有するポリアルキレンオキサイド化合物(b)
    の分子量が10000以下であることを特徴とする請求
    項1ないし6いずれか記載の熱可塑性樹脂着色用樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 二塩基酸ないしその無水物と反応しうる
    官能基を有するポリアルキレンオキサイド化合物(b)
    が、分子内に少なくとも1つ以上の水酸基ないしアミノ
    基を有し、かつポリオキシメチレン鎖ないしポリオキシ
    エチレン鎖ないしポリオキシプロピレン鎖を有する化合
    物であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記
    載の熱可塑性樹脂着色用樹脂組成物。
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