JP3042241B2 - 着色用組成物 - Google Patents

着色用組成物

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JP3042241B2 JP5043984A JP4398493A JP3042241B2 JP 3042241 B2 JP3042241 B2 JP 3042241B2 JP 5043984 A JP5043984 A JP 5043984A JP 4398493 A JP4398493 A JP 4398493A JP 3042241 B2 JP3042241 B2 JP 3042241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂着色用組
成物(マスターバッチ)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系樹脂着色用組成
物には、顔料と分散剤とを混合した粉末状のドライカラ
ー、常温で液状の分散剤中に顔料を分散させたリキッド
カラーまたはペーストカラー、常温で固体の樹脂中に顔
料を分散させたペレット状、フレーク状あるいはビーズ
状のマスターバッチなどがある。これらの着色用組成物
は、用途によってその特徴を生かして使い分けられてい
るが、取扱いの容易さ、使用時の作業環境保全の面から
マスターバッチが好んで用いられている。ところが、ポ
リオレフィン系樹脂の成形の精密化、高速化にともな
い、マスターバッチの性能として、顔料濃度が高いこ
と、着色される熱可塑性樹脂の耐熱性や強度などの諸物
性に与える影響が小さいことなどと共に、以前にもまし
て顔料分散性や分配性が求められるようになった。
【0003】マスターバッチに顔料分散性を付与する分
散剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸カルシウム、エチレンビスアマイド、ポリエ
チレンワックス、ポリプロピレンワックス、およびこれ
らの誘導体、例えば酸変性体や酸変性体からなるワック
ス等の1種または2種以上が一般的に用いられている。
しかし、例えば、熱可塑性樹脂を10数ミクロン径で高速
紡糸したり、フィルム化するなど高度な顔料分散が求め
られる場合には、上述の分散剤では満足されないことが
ある。すなわち、顔料分散不良による紡糸時の糸切れ、
溶融紡糸機のフィルターの目詰まり、フィルムでの成形
不良などが発生する。これらの問題を解決するために、
マスターバッチの加工方法の改良や強力混練機により顔
料分散性を向上させる努力が行われてきたが、十分な顔
料分散能を発揮するものではなかった。
【0004】また、従来着色ペレットが使用されてきた
大型射出成形分野においてマスターバッチによる着色が
増えてきたことにともない、成形品の着色において色ム
ラやフローマークが問題となってきた。従来よりマスタ
ーバッチによる着色が施されてきたブロー成形やフィル
ム成形では、樹脂とマスターバッチの可塑化、混合及び
混練は成形機の押出機部分で行われるが、射出成形の場
合、可塑化、混合及び混練は、スクリューの後退するシ
リンダー内で行われ。しかし、混練力は押出機に比べ十
分ではなく、成形サイクルの短縮、成形樹脂の低粘度化
に伴い混練力は小さくなってきており、その結果、成形
品の表面に色ムラが発生しやすくなってきた。加えて、
着色のコストダウンを目的に推進されてきたマスターバ
ッチの顔料含有率を上げた、いわゆる高濃度マスターバ
ッチの出現による被着色樹脂へのマスターバッチの添加
量の減少化で、この色ムラやフローマークの発生はより
起こり易くなってきた。
【0005】この問題は各種熱可塑性樹脂で認められる
が、家電や自動車部品で使用量が増えてきたポリプロピ
レン系の樹脂で顕著であり、早急な解決が求められてき
た。この問題を解決するため、マスターバッチの主要3
成分(顔料、分散剤及びベースレジン)のうち、分散剤
の含有量を増やしたり、あるいはベースレジンを被着色
樹脂の粘度より小さいものを使用するなどマスターバッ
チの溶融粘度をより低くすることで色ムラを解消するこ
とが行われてきた。しかしながら、例えば、ポリプロピ
レン系の樹脂で無機フィラーを充填されたものや、薄肉
成形を目的にメルトフローレートが25を超えるものは、
色ムラやフローマークが発生し易く、問題の解決が待た
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の種々
の欠点を改良し、ポリオレフィン系樹脂を着色する場合
にも引張強度、曲げ強度および衝撃強度等の機械物性の
各強度値に対し5%以上の物性阻害を与えず、顔料分散
性に優れ色ムラのない均一な着色が可能な熱可塑性樹脂
着色用組成物(マスターバッチ)を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、不飽和二重結
合を有する極性官能基含有モノマーないしはその誘導体
(a)1〜80重量%と、その他の不飽和二重結合を有するモ
ノマー(b)1〜80重量%と、不飽和二重結合を有する粘着
付与樹脂(c)0.1〜50重量%とを共重合させて得られる共
重合体樹脂(A)0.1〜99重量%と顔料(B)1〜90重量%から
なる熱可塑性樹脂着色用組成物を提供する。
【0008】本発明において、不飽和二重結合を有する
極性官能基含有モノマーないしはその誘導体(a)1〜80重
量%と、その他の不飽和二重結合を有するモノマー(b)1
〜80重量%と、不飽和二重結合を有する粘着付与樹脂
(c)0.1〜50重量%とを共重合させて得られる共重合体樹
脂(A) は、分子量が1000〜500000の範囲にあるもので、
好ましくは、2000〜200000の範囲の共重合体である。分
子量が500000を越えるとマスターバッチの加工性が問題
となり、成形樹脂に色ムラが生じやすい。また、分子量
が1000未満ではマスターバッチの造粒適性に問題が生
じ、顔料分散性もあまり良好とならない。
【0009】不飽和二重結合を有する極性官能基含有モ
ノマーないしはその誘導体(a) としては特に制限はな
く、例えば不飽和二重結合を有するカルボキシル基、グ
リシジル基、水酸基、アミノ基、アミド基、アジリジニ
ル基、イソシアネート基含有モノマーを挙げることがで
きる。より具体的には、カルボキシル基含有モノマーと
しては、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマ
ル酸,イタコン酸,テトラヒドロフタル酸,クロトン
酸,シトラコン酸,ハイミック酸,アリルコハク酸,メ
サコン酸,グルタコン酸,テトラヒドロフタール酸,メ
チルヘキサヒドロフタール酸,アコニット酸,無水マレ
イン酸,無水イタコン酸,無水シトラコン酸,無水ハイ
ミック酸,無水アリルコハク酸,無水グルタコン酸,無
水テトラヒドロフタール酸,無水メチルヘキサヒドロフ
タール酸,無水アコニット酸等が挙げられ、1種もしく
は2種以上が用いられるが、アクリル酸,無水マレイン
酸が工業的に有利である。
【0010】グリシジル基含有モノマーとしては、アク
リル酸グリシジル,メタクリル酸グリシジル,マレイン
酸ジグリシジルエステル,マレイン酸メチルグリシジル
エステル,マレイン酸イソプロピルグリシジルエステ
ル,マレイン酸−t-ブチルグリシジルエステル,フマル
酸ジグリシジルエステル,フマル酸イソプロピルグリシ
ジルエステル,イタコン酸ジグリシジルエステル、イタ
コン酸メチルグリシジルエステル,イタコン酸イソプロ
ピルグリシジルエステル,2-メチレングルタン酸ジグリ
シジルエステル,2-メチレングルタン酸メチルグリシジ
ルエステル,ブテンジカルボン酸モノグリシジルエステ
ル,3,4-エポキシブテン,3,4-エポキシ−3-メチル−1-
ブテン,ビニルシクロヘキセンモノオキシド,p-グリシ
ジルスチレン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が用いられる。水酸基含有モノマーとしては、アク
リル酸2-ヒドロキシエチル,アクリル酸2-ヒドロキシプ
ロピル,メタクリル酸2-ヒドロキシエチル,メタクリル
酸2-ヒドロキシプロピル,ポリエチレングリコールアク
リレート,ポリエチレングリコールメタクリレート,モ
ノ-(2-ヒドロキシエチル−α−クロロアクリレート)ア
シッドホスフェート等が挙げられ、これらの1種もしく
は2種以上が用いられる。
【0011】アミノ基あるいはアミド基含有モノマーと
しては、N-メチロールアクリルアミド,N-メチロールメ
タクリルアミド,N-メチルアミノエチルアクリレート、
N-トリブチルアミノエチルアクリレート,N,N-ジメチル
アミノエチルアクリレート,N,N-ジメチルアミノエチル
メタクリレート,N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート,アクリルアミド,メタクリルアミド,N-ブトキシ
メチルアクリルアミド,N-メトキシメチルアクリルアミ
ド,アリルアミン,ジメチルアミノプロピルメタクリル
アミド,ジアリルアミン,トリアリルアミン,4-ビニル
ピリジン,2-メチル−6-ビニルピリジン、4-ブテニルピ
リジン,ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が用いられる。アジリジニル基あるい
はイソシアネート基含有モノマーとしては、2-(1-アジ
リジニル)エチルメタクリレート,メタクリル酸イソシ
アネートエチル等が挙げられる。
【0012】その他の不飽和二重結合を有するモノマー
(b) としては特に制限はなく、例えばα−オレフィン,
ジオレフィン,アリルモノマー,N-ビニルモノマー,ビ
ニルエーテル,ビニルスルフィド,(メタ)アクリル酸
エステルモノマー及びその他の共重合可能なビニルモノ
マーまたはビニリデンモノマーが挙げられ、1種もしく
は2種以上が用いられる。より具体的には、α−オレフ
ィンとしては、エチレン,プロピレン,ブチレン,イソ
ブチレン,ペンテン,1-ヘキセン,1-ヘプテン,1-オク
テン,1-ノネン,1-デセン,1-ドデセン,1-テトラデセ
ン,1-ヘキサデセン,1-オクタデセン,1-エイコセン,
1-ドコセン,1-テトラコセン,1-ヘキサコセン,1-オク
タコセン,1-トリアコンテン,1-ドトリアコンテン,1-
テトラトアコンテン,1-ヘキサトリアコンテン,1-オク
タトリアコンテン,1-テトラコンテン等ならびにその混
合物が挙げられる。市販品としては、ダイアレン208 (C
20〜28) ,ダイアレン30(C30以上)(三菱化成
(株))、VYBAR#260(C30以上),VYBAR#604
1 (C30以上)(ペトロライト(株))等がある。
【0013】ジオレフィンとしては、共役もしくは非共
役のオレフィン系二重結合を2個以上有するポリエンモ
ノマーであり、ブタジエン,イソプレン,ネオプレン,
クロロプレン,1,4-ヘキサジエン,1,5-ヘキサジエン,
1,7-オクタジエン,1,9-デカジエン,2,4,6-オクタトリ
エン,1,3,7-オクタトリエン,1,5,9-デカトリエン,ジ
ビニルベンゼン,1,3-シクロペンタジエン,1,3-シクロ
ヘキサジエン,5-エチル−1,3-シクロヘキサジエン,ジ
シクロヘキサジエン,5-エチリデン−2-ノルボルネン,
5-メチレン−2-ノルボルネン,5-ビニル−2-ノルボルネ
ン,5-イソプロピリデン−2-ノルボルネン,メチルヒド
ロインデン,2,3-ジイソプロピリデン−5-ノルボルネ
ン,2-エチリデン−3-イソプロピリデン−5-ノルボルネ
ン,2-プロペニル−2,5-ノルボルナジエン等ならびにそ
の混合物が挙げられる。アリルモノマーとしては、酢酸
アリル,酢酸イソプロペニル,塩化アリル,塩化イソプ
ロペニル,trans-塩化プロペニル,cis-塩化プロペニル
等ならびにその混合物が挙げられる。N-ビニルモノマー
としては、N-ビニルカルバゾール,N-ビニル−2-ピロリ
ドン,N-ビニルフタルイミド等並びにその混合物が挙げ
られる。
【0014】ビニルエーテルとしては、エチルビニルエ
ーテル,プロピルビニルエーテル,イソブチルビニルエ
ーテル,ヘキシルビニルエーテル等の直鎖または分岐脂
肪族のアルキルビニルエーテルやp-ジオキセン等並びに
その混合物が挙げられる。ビニルスルフィドとしては、
エチルビニルスルフィド,フェニルビニルスルフィド等
並びにその混合物が挙げられる。(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アク
リル酸デシル、アクリル酸ドデシル等の直鎖または分岐
脂肪族アルコールのアクリル酸エステル及び対応するメ
タクリル酸エステル等並びにその混合物が挙げられる。
その他の共重合可能なビニルモノマーとしては、ビニル
エステル、ビニルピリジン、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、スチレン、α−メチルスチレン,β−メチルス
チレン,アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化
ビニリデン等並びにその混合物が挙げられる。
【0015】不飽和二重結合を有する粘着付与樹脂(c)
は、ラジカル重合、UV,EBキュアリングが可能とな
った反応性粘着付与樹脂であり、例えば粘着付与樹脂骨
格中にアクリロイル基が付加されたものが挙げられる。
具体的には、ロジン酸エステル,テルペン系樹脂,クマ
ロン系樹脂,スチレン系樹脂,キシレン系樹脂,石油樹
脂,タンマー等の樹脂のアクリロイル基付加物が挙げら
れ、軟化点60〜180 ℃の範囲のものが好ましい。ロジン
酸エステルとは、ロジン成分とアルコール成分とのエス
テル化物であり、ロジン成分の具体例としては、アビエ
チン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマール
酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸などの樹脂
酸を主成分とするガムロジン、トール油ロジン、ウッド
ロジンあるいはそれらの不均斉化ロジン、水添ロジン、
重合ロジン、マレイン酸またはアクリル酸変性ロジン等
が挙げられる。アルコール成分の具体例としては、n-オ
クチルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、デシ
ルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコ
ール等の1価のアルコール類、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価のア
ルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等の
3価のアルコール類、ペンタエリスリトールジグリセリ
ン等の4価のアルコール類、ジペンタエリスリトール等
の6価のアルコール類が挙げられる。
【0016】テルペン系樹脂としては、αピネン、βピ
ネンを主成分としたガムテレピン油およびウッドテレピ
ン油等から重合して得られるテルペン系樹脂あるいはそ
れらへのフェノール付化物等が挙げられる。石油系樹脂
としては、ナフサ分解でのエチレン、プロピレン、ブタ
ジエン等の炭素数2〜4のオレフィン類を除いた分解油
のうち、炭素数5以上の脂肪族系、脂環属系、芳香族系
の残留オレフィン類を重合させた樹脂が挙げられる。そ
の他、コールタールの留分であるクマロン及びインデン
の重合体からなるクマロン系樹脂、ダンマー、コーパル
等の樹脂が挙げられる。
【0017】共重合体樹脂(A) は、溶液重合、塊状重
合、乳化重合、懸濁重合等により製造することができる
が、これら重合方法及び反応操作において特に制限され
るものではない。重合開始剤としては、ベンゾイルパー
オキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンパーオキ
サイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−
t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエ
ート等のパーオキサイド類、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビス−2,4-ジメチルバレロニトリル等のアゾ化
合物が挙げられる。
【0018】共重合体樹脂(A) は、共重合体樹脂中の極
性官能基を、分子内に少なくとも1つ以上のそれと反応
し得る反応基を持つ化合物により、エステル化、アミド
化あるいはイミド化またはキレート化等の変性を行って
もよい。変性することによって、官能基当量、分子量、
粘度、軟化点、強度、各種耐性、可撓性、相溶性及び顔
料分散性、分配性、発色性等の諸物性を自由に制御する
ことが可能となる。共重合体樹脂(A) のうち極性官能基
がカルボキシル基のものについては、水酸化物を用いて
エステル化することができる。水酸化物としては、分子
内に1つ以上の水酸基を持つものであれば特に限定され
るものではなく、例えば、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec-ブタ
ノール、tert- ブタノール、ペンタノール、アミルアル
コール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、
2-エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチ
ルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコ
ール、α−オキシ酪酸、12−ヒドロキシステアリン酸等
並びにその混合物が挙げられる。
【0019】また、アミノ化合物を用いてアミド化およ
びイミド化することができる。アミノ化合物としては、
分子内に1つ以上のアミノ基を持つものであれば特に限
定されるものではなく、例えば、メチルアミン、エチル
アミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチル
アミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラ
ウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステ
アリルアミン、オレイルアミンン、アニリン、o-トルイ
ジン、2-エチルアニリン、2-フルオロアニリン、o-アニ
シジン、m-トルイジン、m-アニシジン、m-フェネチジ
ン、p-トルイジン、2,3-ジメチルアニリン、5-アミノイ
ンダン、アスパラギン酸、グルタミン酸、γ−アミノ酪
酸等並びにその混合物が挙げられる。更に、金属化合物
を用いてキレート化することができる。金属化合物とし
ては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、鉄、コバ
ルト、マンガン及び銅等の酢酸塩、アセチルアセトン
塩、金属アルコキシドで代表される有機金属化合物や酸
化物で代表される無機金属化合物等が挙げられるが特に
これらに限定されるものではない。
【0020】共重合体樹脂(A) のうち極性官能基がグリ
シジル基のものについては、例えば分子内に1つ以上の
カルボキシル基,酸無水物,酸ハライド基あるいはアミ
ノ基を持つ化合物を用いて変性することができる。極性
官能基が水酸基のものについては、例えば分子内に1つ
以上のカルボキシル基,酸無水物,酸ハライド基あるい
はイソシアネート基を持つ化合物を用いて変性すること
ができる。極性官能基がアミノ基あるいはアミド基のも
のについては、例えば分子内に1つ以上のカルボキシル
基,酸無水物,酸ハライド基,アルデヒド基あるいはグ
リシジル基を持つ化合物を用いて変性することができ
る。極性官能基がアジリジニル基のものについては、例
えば分子内に1つ以上のカルボキシル基,酸無水物ある
いは酸ハライド基を持つ化合物を用いて変性することが
できる。極性官能基がイソシアネート基のものについて
は、例えば分子内に1つ以上の水酸基を持つ化合物を用
いて変性することができる。
【0021】これらの反応は水系、無溶剤、溶剤併用で
行っても良いが、官能基当量のうち酸変性系の反応物の
酸価は 5〜500 、好ましくは20〜120 の範囲とすること
が望ましい。酸価が 5未満では良好な顔料分散性、発色
性が得られ難く、また着色成形品に色ムラやフローマー
クが生じ易い。一方、酸価が 500を越えると吸湿しやす
く成形品表面のシルバーストークや発泡の原因となるば
かりでなく、被着色樹脂の耐候性、耐熱性等に悪影響を
及ぼす。また、アミン変性系の反応物のアミン価は 2〜
200 、好ましくは 4〜100 の範囲とすることが望まし
い。
【0022】顔料(B) としては、有機顔料および無機顔
料があり、従来から熱可塑性樹脂の着色に使用されてい
る公知の顔料が使用できる。このような顔料としては、
アゾ系,アントラキノン系,フタロシアニン系,キナク
リドン系,イソインドリノン系,ジオキサン系,ベリレ
ン系,キノフタロン系,ベリノン系,などの有機顔料、
硫化カドミウム,セレン化カドミウム,群青,二酸化チ
タン,酸化鉄,酸化クロム酸塩,カーボンブラックなど
の無機顔料がある。
【0023】本発明の着色用組成物には、さらにメルト
フローレートが 0.1〜400 、好ましくは10〜250 の範囲
にあり、被着色樹脂と相溶性のある熱可塑性樹脂(C) を
90重量%以下の範囲内で含有させることができる。な
お、本発明におけるメルトフローレート(以下MFRと
いう)は、 JIS K 7210 に準拠して測定されたものであ
る。熱可塑性樹脂(C) のMFRが 0.1未満の時は、被着
色樹脂との相溶性が悪くなり、色ムラなどを生じると共
に、着色された熱可塑性樹脂の諸物性にも悪影響を生じ
る。MFRが 400を超える場合には、マスターバッチ自
体の機械的強度や耐熱性が低くなり、マスターバッチの
製造が困難になるとともに、着色された熱可塑性樹脂の
耐熱性や、強度などの諸物性に悪影響を与える。
【0024】熱可塑性樹脂(C) としては、結晶性または
非晶性ポリプロピレン,ポリブテン-1,ポリペンテン-
1,ポリ4-メチルペンテン-1,低密度または高密度ポリ
エチレン,エチレン・プロピレンのランダム、ブロック
あるいはグラフト共重合体,α−オレフィンとエチレン
あるいはプロピレンの共重合体,エチレン・酢酸ビニル
共重合体,エチレン・アクリル酸メチル共重合体,エチ
レン・アクリル酸エチル共重合体,エチレン・アクリル
酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂が挙げられ、これ
らの1種もしくは2種以上が用いられる。また、ポリオ
レフィン系樹脂以外には、ポリメチルペンテン,ポリス
チレン,ポリ塩化ビニル,ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリブチレンテレフタレート,アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂,アクリロニトリ
ル−EPDM−スチレン(AES)樹脂,アクリル系樹
脂,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリアセタール,
ポリウレタン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が用いられるが、ポリオレフィン系樹脂が好まし
い。また、熱可塑性樹脂(C) は官能基変性、架橋変性や
グラフト化及びブロック化変性を施されていてもよい。
さらに、配合に使用される熱可塑性樹脂(C) は、粉体状
であってもペレット状であっても良い。
【0025】本発明の着色用組成物には、本発明の効果
を阻害しない範囲で、少量の酸化防止剤,紫外線吸収剤
等の安定剤や界面活性剤などの各種の添加剤を添加する
こともできる。本発明の着色用組成物は、ほとんどすべ
てのポリオレフィン系樹脂の着色に供することができ、
物性の向上を目的に無機フィラーやガラス繊維、有機繊
維などの強化材を含むものであっても良い。例えば、従
来のマスターバッチを用いた着色では実現不可能であっ
た強度などの機械物性や耐熱性などへの影響なしに色ム
ラのない均一な着色が、無機充填剤や繊維強化材最大50
重量%程度含むポリオレフィン系樹脂組成物 100重量部
に対して本発明の着色用組成物 4重量部以下の少量添加
で実現可能となる。
【0026】本発明の着色用組成物は、ポリオレフィン
系樹脂以外にポリメチルペンテン,ポリスチレン,ポリ
塩化ビニル,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレ
ンテレフタレート,アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン(ABS)樹脂,アクリロニトリル−EPDM−
スチレン(AES)樹脂,アクリル系樹脂,ポリアミ
ド,ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリウレタン
等の熱可塑性樹脂にも配合することができる。
【0027】本発明の着色用組成物は、顔料の分散性及
び着色力の向上に極めて有効であるが、分散性及び着色
力の向上は共重合体中のカルボキシル基ないしその無水
物による顔料に対する親和性によるものであり、共重合
体中のカルボキシル基ないしその無水物と顔料中の塩基
性基等の間に極性的な結合が形成され、その回りがポリ
オレフィンで包まれた保護コロイド的な構造を取ってい
るものと考えられる。なお、本発明の着色用組成物は、
滑材、ホットメルト樹脂、インキ、塗料、接着剤などの
用途にも使用することが出来る。
【0028】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例をもって説明
する。例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ
表す。 〔製造例1〕1-オクタデセン 901.4g、反応性ロジン酸
エステル(新中村化学社製「ユニレジンK-800A」)189.3
g、ジt-ブチルパーオキサイド 0.7gおよびトルエン10
gをフラスコに仕込み、窒素置換した後 180℃で加熱、
撹拌しながら、無水マレイン酸73.6gを2分毎に 2.5g
ずつ、ジt-ブチルパーオキサイド 0.5gを20分毎に 0.2
gずつ添加した。添加終了後、系の温度を 200℃に保
ち、さらに6時間反応させた。反応終了後、内容物を熱
時に取り出して冷却、固化させた。酸価95の樹脂が得ら
れた。 〔製造例2〕1-オクタデセン 757.4g、反応性ロジン酸
エステル(新中村化学社製「ユニレジン K-800AC」)45
0.7g、ジt-ブチルパーオキサイド 2.7gおよびトルエ
ン10gをフラスコに仕込み、窒素置換した後 170℃で加
熱、撹拌しながら、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト 441.3gを2分毎に14.7gずつ、ジt-ブチルパーオキ
サイド 2.1gを20分毎に 0.7gずつ添加した。添加終了
後、系の温度を 160℃に保ち、さらに6時間反応させ
た。反応終了後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化
させた。アミン価56.6の樹脂が得られた。
【0029】〔製造例3〕α−オレフィン(ペトロライ
ト社製「VYBER260」)1276g、ロジン変性エポキシアク
リレート(播磨化成社製「バンビ−ムUV-22C」)450.7
g、ジt-ブチルパーオキサイド 3.6gおよびトルエン14
gをフラスコに仕込み、窒素置換した後 200℃で加熱、
撹拌しながら、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル 535.6
gを2分毎に17.8gずつ、ジt-ブチルパーオキサイド
1.8gを20分毎に 0.9gずつ添加した。添加終了後、さ
らにジt-ブチルパーオキサイドを1g加え、系の温度を
220℃に保ち、さらに6時間反応させた。反応終了後、
内容物を熱時に取り出して冷却、固化させた。ヒドロキ
シル価30.5の樹脂が得られた。 〔製造例4〕α−オレフィン(三菱化成社製「ダイアレ
ン208 」)1276g、ロジン変性エポキシアクリレート
(播磨化成社製「バンビームUV-22A」)450.7g、ジt-ブ
チルパーオキサイド 3.6gおよびトルエン14gをフラス
コに仕込み、窒素置換した後180℃で加熱、撹拌しなが
ら、アクリル酸 302.6gを2分毎に10.1gずつ、ジt-ブ
チルパーオキサイド 1.8gを20分毎に 0.9gずつ添加し
た。添加終了後、さらにジt-ブチルパーオキサイドを1
g加え、系の温度を 200℃に保ち、さらに6時間反応さ
せた。反応終了後、内容物を熱時に取り出して冷却、固
化させた。酸価118.2の樹脂が得られた。
【0030】〔製造例5〕製造例1で得られた樹脂 200
g、シクロヘキシルアミン 8.5gをフラスコに仕込み、
撹拌しながら窒素気流中で溶融し、反応温度 180℃で5
時間反応させた。反応終了後、内容物を熱時に取り出し
て冷却、固化させた。酸価20の樹脂が得られた。 〔製造例6〕製造例2で得られた樹脂 200g、ステアリ
ン酸74.7gをフラスコに仕込み、撹拌しながら窒素気流
中で溶融し、反応温度 180℃で5時間反応を行った。反
応終了後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させ
た。アミン価11.9の樹脂が得られた。 〔製造例7〕製造例3で得られた樹脂 200g、12−ヒド
ロキシステアリン酸64.0g、パラトルエンスルフォン酸
ソーダ 0.5gをフラスコに仕込み、撹拌しながら窒素気
流中で溶融し、反応温度 240℃で5時間反応を行った。
反応終了後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させ
た。酸価22.6の樹脂が得られた。
【0031】〔製造例8〕製造例4で得られた樹脂 100
g、ステアリルプロピレンジアミン 1.5gをフラスコに
仕込み、撹拌しながら窒素気流中で溶融し、反応温度 1
80℃で3時間反応を行った。反応終了後、内容物を熱時
に取り出して冷却、固化させた。酸価15の樹脂が得られ
た。 〔製造例9〕製造例4で得られた樹脂 100g、ビス(2,
4)-ペンタジオナイト亜鉛 2.3gをフラスコに仕込み、
撹拌しながら窒素気流中で溶融し、反応温度 180℃で3
時間反応を行った。反応終了後、内容物を熱時に取り出
して冷却、固化させた。酸価36.5の樹脂が得られた。
【0032】〔実施例1、3〕 製造例1、3で得られた樹脂 30% フタロシアニンブルー 50% (東洋インキ製造社製「リオノーブル−7110V 」) ポリプロピレン 20% (三井石油化学工業社製「三井ノーブレンJ4HG」MFR:30) 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化しマスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロピレ
ン「三井ノーブレンJ4HG」 100部に、得られたマスター
バッチ3部を混合して、縦型テスト紡糸機(富士フィル
ター社製スピニングテスター)にて、ホッパー下 230
℃、混練部、ダイス部 230℃にて紡糸後3倍延伸を行
い、5デニールのポリプロピレン繊維を得た。紡糸性、
目詰まり性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。
【0033】〔比較例1、3〕製造例1で得られた樹脂
の代わりに、比較例1についてはポリエチレンワックス
(三洋化成社製「サンワックス151P」)を、比較例3に
ついてはポリプロピレンワックス(三洋化成社製「ビス
コール660P」)を用いた以外は、実施例1と同様にして
マスターバッチを得た。この際ストランド切れや脈流を
生じることなしに順調にマスターバッチを得ることがで
きた。さらに、得られたマスターバッチを用いて実施例
1と同様に紡糸を行ったが、目詰まりによる糸切れが発
生した。未分散顔料の目詰まり性を比較するために、実
施例1、3および比較例1、3で得られたマスターバッ
チ10部を、それぞれポリプロピレン「三井ノーブレンJ4
HG」 100部に混合し、先端に 500メッシュの金網を装着
したスクリュー径が30mmの単軸押出機で混合物を3kg押
し出し、先端部での圧力上昇値を測定した。また、顔料
の分散発色性を比較するために、実施例1、3および比
較例1、3で得られたマスターバッチ1部を、それぞれ
ポリプロピレン「三井ノーブレンJ4HG」 100部および酸
化チタン5部に配合したものを2本ロールミルで混練し
冷却プレスで2mm厚のプレートに成形し、色差計(米国
ハンター社製)にて 600nmの反射強度を測定した。結果
を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】〔実施例2、4〕 製造例2、4で得られた樹脂 30% 酸化チタン(石原産業(株)製「タイペーク CR-80」) 50% カーボンブラック 5% (三菱化成工業(株)製「三菱カーボンMA-100」) ポリエチレン(住友化学工業(株)製「スミカセン G-808」MFR:75)15% 上記4成分をニーダーで混練し、スクリュー直径65mmの
押出成形機でペレット化しマスターバッチを得た。この
際ストランド切れや脈流を生じることなしに順調にマス
ターバッチを得ることができた。MFR:6.5 のポリエ
チレン(三井石油化学(株)製「ハイゼックス 2100
J」) 100部に、得られたマスターバッチ3部を混合し
て、射出成形機にて背圧0kg/cm2 でプレートに成形し
た。
【0036】〔比較例2、4〕製造例2で得られた樹脂
の代わりに、比較例2については粘着付与樹脂(理化ハ
ーキュレス社製「ペンタリンCJ」)を、比較例4につい
てはポリエチレンワックス(三洋化成工業社製「サンワ
ックス131P」)20%および粘着付与樹脂(荒川化学社製
「スーパーエステル A-115」)10%を用いた以外は、実
施例2と同様にしてマスターバッチを得た。この際スト
ランド切れや脈流を生じることなしに順調にマスターバ
ッチを得ることができた。実施例2で用いたポリエチレ
ン組成物100部に、得られたマスターバッチ3部を混合
して、射出成形機にて背圧0kg/cm2 でプレートに成形
した。
【0037】〔実施例5〜7〕 製造例5〜7で得られた樹脂 40% 酸化チタン(E.I.デュポン(株)製「タイピュア R-101」) 20% 弁柄(戸田工業(株)製「トダカラー 180ED」) 40% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。タルク20%を
含有するポリエチレン組成物 100部に、得られたマスタ
ーバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧0kg/cm
2 でプレートに成形した。
【0038】〔比較例5〕 ポリプロピレン(三菱油化(株)製「三菱ポリプロ BC05B」MFR:50)10% ポリプロピレンワックス 30% (三洋化成工業(株)製「ビスコール550P」 ) 酸化チタン(E.I.デュポン(株)製「タイピュア R-101」) 20% 弁柄(戸田工業(株)製「トダカラー 180ED」) 40% 上記4成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
ようとしたが、この際ストランド切れや脈流を生じ、連
続して順調にペレット形状の良好なマスターバッチを得
ることができなかった。実施例5と同様に、タルク20%
を含有するポリエチレン組成物 100部に、得られたマス
ターバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧0kg/
cm2 でプレートに成形した。
【0039】〔実施例8〜9〕 製造例8〜9で得られた樹脂 40% 酸化チタン(E.I.デュポン(株)製「タイピュア R-101」) 20% 弁柄(戸田工業(株)製「トダカラー 180ED」) 40% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。タルク20%を
含有するポリエチレン組成物 100部に、得られたマスタ
ーバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧0kg/cm
2 でプレートに成形した。
【0040】実施例2、4〜9および比較例2、4、5
で得られた成形品の機械的物性、表面の色ムラおよび顔
料分散度を評価した結果およびマスターバッチの生産性
を表2にまとめる。
【0041】
【表2】
【0042】*1 無着色樹脂の機械的物性(100
%)に対する、マスターバッチで着色された樹脂の機械
的物性の保持率。 ○:96%以上 △:90〜96% ×:90%以
下 *2 成形品表面の色ムラを目視で評価した。 ○:色ムラなし △:色ムラ少々あり ×:色ムラ
顕著 *3 被着色樹脂 100部とマスターバッチ3部を配合し
た混練物をプレス温度170℃の条件下でプレス加工し、
0.1mm 厚さのフィルムを得た。得られたフィルム中の、
顔料の粗大粒子の大きさとその数を LUZEX450 画像処理
機(東洋インキ製造社製)で測定した。 5 : 50μ以下の粒子数 1.0*103 個/cm2 以下 4 : 50μ以下の粒子数 1.0*103 〜7.0*103 個/
cm2 3 : 50μ以下の粒子数 7.0*103 〜2.7*104 個/
cm2 2 : 50μ以下の粒子数 2.7*104 〜7.0*104 個/
cm2 1 : 50μ以下の粒子数 7.0*104 個/cm2 以上 *4 スクリュー直径65mmの押出成形機によるマスター
バッチの生産性。 ○:良好 ×:不良
【0043】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂着色用組成物は、
顔料含有率が非常に高いにもかかわらず、顔料分散性に
優れており、高度な顔料分散を要求される繊維製品の着
色において、その着色力及び加工性に大きな効果を発揮
するものである。また、従来、マスターバッチによる均
一な着色が困難であった機械的物性や耐熱性などの物性
が特に重視される無機フィラーや繊維強化材を高含有率
で含むポリオレフィン系樹脂組成物の着色に対しても極
めて有効であり、色ムラのない着色も可能となるもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/22 C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和二重結合を有する極性官能基含有
    モノマーないしはその誘導体(a)1〜80重量%と、その他
    の不飽和二重結合を有するモノマー(b)1〜80重量%と、
    不飽和二重結合を有する粘着付与樹脂(c)0.1〜50重量%
    とを共重合させて得られる共重合体樹脂(A)0.1〜99重量
    %と顔料(B)1〜90重量%からなることを特徴とする熱可
    塑性樹脂着色用組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、メルトフローレートが 0.1〜40
    0 の範囲にある熱可塑性樹脂(C) を含有することを特徴
    とする請求項1記載の着色用組成物。
  3. 【請求項3】 その他の不飽和二重結合を有するモノマ
    ー(b) が共重合可能なα−オレフィン,スチレン,ビニ
    ルエーテル,ビニルスルフィド,ジオレフィンおよびそ
    れらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマーを
    含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 不飽和二重結合を有する極性官能基含有
    モノマー(a) が、オキシドもしくは活性水素を有するモ
    ノマーであることを特徴とする請求項1記載の着色用組
    成物。
  5. 【請求項5】 共重合体樹脂(A) の分子量が、1000〜50
    0000の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂およびこれらの誘導体(C)
    の密度が0.90〜0.99の範囲にあることを特徴とする請求
    項1記載の樹脂組成物。
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