JP3055345B2 - 着色用組成物 - Google Patents

着色用組成物

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JP3055345B2 JP5043983A JP4398393A JP3055345B2 JP 3055345 B2 JP3055345 B2 JP 3055345B2 JP 5043983 A JP5043983 A JP 5043983A JP 4398393 A JP4398393 A JP 4398393A JP 3055345 B2 JP3055345 B2 JP 3055345B2
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昌希 柳沼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂着色用組
成物(マスターバッチ)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系樹脂着色用組成
物には、顔料と分散剤とを混合した粉末状のドライカラ
ー、常温で液状の分散剤中に顔料を分散させたリキッド
カラーまたはペーストカラー、常温で固体の樹脂中に顔
料を分散させたペレット状、フレーク状あるいはビーズ
状のマスターバッチなどがある。これらの着色用組成物
は、用途によってその特徴を生かして使い分けられてい
るが、取扱いの容易さ、使用時の作業環境保全の面から
マスターバッチが好んで用いられている。ところが、ポ
リオレフィン系樹脂の成形の精密化、高速化にともな
い、マスターバッチの性能として、顔料濃度が高いこ
と、着色される熱可塑性樹脂の耐熱性や強度などの諸物
性に与える影響が小さいことなどと共に、以前にもまし
て顔料分散性や分配性が求められるようになった。
【0003】マスターバッチに顔料分散性を付与する分
散剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸カルシウム、エチレンビスアマイド、ポリエ
チレンワックス、ポリプロピレンワックス、およびこれ
らの誘導体、例えば酸変性体や酸変性体からなるワック
ス等の1種または2種以上が一般的に用いられている。
しかし、例えば、熱可塑性樹脂を10数ミクロン径で高速
紡糸したり、フィルム化するなど高度な顔料分散が求め
られる場合には、上述の分散剤では満足されないことが
ある。すなわち、顔料分散不良による紡糸時の糸切れ、
溶融紡糸機のフィルターの目詰まり、フィルムでの成形
不良などが発生する。これらの問題を解決するために、
マスターバッチの加工方法の改良や強力混練機により顔
料分散性を向上させる努力が行われてきたが、十分な顔
料分散能を発揮するものではなかった。
【0004】また、従来着色ペレットが使用されてきた
大型射出成形分野においてマスターバッチによる着色が
増えてきたことにともない、成形品の着色において色ム
ラやフローマークが問題となってきた。従来よりマスタ
ーバッチによる着色が施されてきたブロー成形やフィル
ム成形では、樹脂とマスターバッチの可塑化、混合及び
混練は成形機の押出機部分で行われるが、射出成形の場
合、可塑化、混合及び混練は、スクリューの後退するシ
リンダー内で行われ。しかし、混練力は押出機に比べ十
分ではなく、成形サイクルの短縮、成形樹脂の低粘度化
に伴い混練力は小さくなってきており、その結果、成形
品の表面に色ムラが発生しやすくなってきた。加えて、
着色のコストダウンを目的に推進されてきたマスターバ
ッチの顔料含有率を上げた、いわゆる高濃度マスターバ
ッチの出現による被着色樹脂へのマスターバッチの添加
量の減少化で、この色ムラやフローマークの発生はより
起こり易くなってきた。
【0005】この問題は各種熱可塑性樹脂で認められる
が、家電や自動車部品で使用量が増えてきたポリプロピ
レン系の樹脂で顕著であり、早急な解決が求められてき
た。この問題を解決するため、マスターバッチの主要3
成分(顔料、分散剤及びベースレジン)のうち、分散剤
の含有量を増やしたり、あるいはベースレジンを被着色
樹脂の粘度より小さいものを使用するなどマスターバッ
チの溶融粘度をより低くすることで色ムラを解消するこ
とが行われてきた。しかしながら、例えば、ポリプロピ
レン系の樹脂で無機フィラーを充填されたものや、薄肉
成形を目的にメルトフローレートが25を超えるものは、
色ムラやフローマークが発生し易く、問題の解決が待た
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の種々
の欠点を改良し、ポリオレフィン系樹脂を着色する場合
にも引張強度、曲げ強度および衝撃強度等の機械物性の
各強度値に対し5%以上の物性阻害を与えず、顔料分散
性に優れ色ムラのない均一な着色が可能な熱可塑性樹脂
着色用組成物(マスターバッチ)を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、不飽和二重結
合を有する極性官能基含有モノマーないしはその誘導体
(a)0.1〜80重量%と、その他の不飽和二重結合を有する
モノマー(b)1〜99.9重量%とを粘着付与樹脂(c)0.5〜95
重量%の存在下で共重合させて得られる共重合体樹脂
(A)0.1〜99重量%と、顔料(B)1〜90重量%からなる熱可
塑性樹脂着色用組成物および不飽和二重結合を有する極
性官能基含有モノマーないしはその誘導体(a)0.1〜80重
量%と、炭素数18以上のワックス状樹脂(d)1〜99.9重量
%とを粘着付与樹脂(c)0.5〜95重量%の存在下で共重合
させて得られる共重合体樹脂(A)0.1〜99重量%と、顔料
(B)1〜90重量%からなる熱可塑性樹脂着色用組成物を提
供する。
【0008】本発明において、不飽和二重結合を有する
極性官能基含有モノマーないしはその誘導体(a) と、そ
の他の不飽和二重結合を有するモノマー(b) または炭素
数18以上のワックス状樹脂(d) とを粘着付与樹脂(c) の
存在下で共重合させて得られる共重合体樹脂(A) は、分
子量が1000〜500000の範囲にあるもので、好ましくは、
2000〜200000の範囲の共重合体である。分子量が500000
以上ではマスターバッチの加工性が問題となり、成形樹
脂に色ムラが生じやすい。また、分子量が1000以下では
マスターバッチの造粒適性に問題が生じ、顔料分散性も
あまり良好とならない。
【0009】不飽和二重結合を有する極性官能基含有モ
ノマーないしはその誘導体(a) としては特に制限はな
く、例えば不飽和二重結合を有するカルボキシル基、グ
リシジル基、水酸基、アミノ基、アミド基、アジリジニ
ル基、イソシアネート基含有モノマーを挙げることがで
きる。より具体的には、カルボキシル基含有モノマーと
しては、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマ
ル酸,イタコン酸,テトラヒドロフタル酸,クロトン
酸,シトラコン酸,ハイミック酸,アリルコハク酸,メ
サコン酸,グルタコン酸,テトラヒドロフタール酸,メ
チルヘキサヒドロフタール酸,アコニット酸,無水マレ
イン酸,無水イタコン酸,無水シトラコン酸,無水ハイ
ミック酸,無水アリルコハク酸,無水グルタコン酸,無
水テトラヒドロフタール酸,無水メチルヘキサヒドロフ
タール酸,無水アコニット酸等が挙げられ、1種もしく
は2種以上が用いられるが、アクリル酸,無水マレイン
酸が工業的に有利である。
【0010】グリシジル基含有モノマーとしては、アク
リル酸グリシジル,メタクリル酸グリシジル,マレイン
酸ジグリシジルエステル,マレイン酸メチルグリシジル
エステル,マレイン酸イソプロピルグリシジルエステ
ル,マレイン酸−t-ブチルグリシジルエステル,フマル
酸ジグリシジルエステル,フマル酸イソプロピルグリシ
ジルエステル,イタコン酸ジグリシジルエステル、イタ
コン酸メチルグリシジルエステル,イタコン酸イソプロ
ピルグリシジルエステル,2-メチレングルタン酸ジグリ
シジルエステル,2-メチレングルタン酸メチルグリシジ
ルエステル,ブテンジカルボン酸モノグリシジルエステ
ル,3,4-エポキシブテン,3,4-エポキシ−3-メチル−1-
ブテン,ビニルシクロヘキセンモノオキシド,p-グリシ
ジルスチレン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種
以上が用いられる。水酸基含有モノマーとしては、アク
リル酸2-ヒドロキシエチル,アクリル酸2-ヒドロキシプ
ロピル,メタクリル酸2-ヒドロキシエチル,メタクリル
酸2-ヒドロキシプロピル,ポリエチレングリコールアク
リレート,ポリエチレングリコールメタクリレート,モ
ノ-(2-ヒドロキシエチル−α−クロロアクリレート)ア
シッドホスフェート等が挙げられ、これらの1種もしく
は2種以上が用いられる。
【0011】アミノ基あるいはアミド基含有モノマーと
しては、N-メチロールアクリルアミド,N-メチロールメ
タクリルアミド,N-メチルアミノエチルアクリレート、
N-トリブチルアミノエチルアクリレート,N,N-ジメチル
アミノエチルアクリレート,N,N-ジメチルアミノエチル
メタクリレート,N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート,アクリルアミド,メタクリルアミド,N-ブトキシ
メチルアクリルアミド,N-メトキシメチルアクリルアミ
ド,アリルアミン,ジメチルアミノプロピルメタクリル
アミド,ジアリルアミン,トリアリルアミン,4-ビニル
ピリジン,2-メチル−6-ビニルピリジン、4-ブテニルピ
リジン,ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が用いられる。アジリジニル基あるい
はイソシアネート基含有モノマーとしては、2-(1-アジ
リジニル)エチルメタクリレート,メタクリル酸イソシ
アネートエチル等が挙げられる。
【0012】その他の不飽和二重結合を有するモノマー
(b) としては特に制限はなく、例えばα−オレフィン,
ジオレフィン,アリルモノマー,N-ビニルモノマー,ビ
ニルエーテル,ビニルスルフィド,(メタ)アクリル酸
エステルモノマー及びその他の共重合可能なビニルモノ
マーまたはビニリデンモノマーが挙げられ、1種もしく
は2種以上が用いられる。より具体的には、α−オレフ
ィンとしては、エチレン,プロピレン,ブチレン,イソ
ブチレン,ペンテン,1-ヘキセン,1-ヘプテン,1-オク
テン,1-ノネン,1-デセン,1-ドデセン,1-テトラデセ
ン,1-ヘキサデセン,1-オクタデセン,1-エイコセン,
1-ドコセン,1-テトラコセン,1-ヘキサコセン,1-オク
タコセン,1-トリアコンテン,1-ドトリアコンテン,1-
テトラトアコンテン,1-ヘキサトリアコンテン,1-オク
タトリアコンテン,1-テトラコンテン等ならびにその混
合物が挙げられる。市販品としては、ダイアレン208 (C
20〜28) ,ダイアレン30(C30以上)(三菱化成
(株))、VYBAR#260(C30以上),VYBAR#604
1 (C30以上)(ペトロライト(株))等がある。
【0013】ジオレフィンとしては、共役もしくは非共
役のオレフィン系二重結合を2個以上有するポリエンモ
ノマーであり、ブタジエン,イソプレン,ネオプレン,
クロロプレン,1,4-ヘキサジエン,1,5-ヘキサジエン,
1,7-オクタジエン,1,9-デカジエン,2,4,6-オクタトリ
エン,1,3,7-オクタトリエン,1,5,9-デカトリエン,ジ
ビニルベンゼン,1,3-シクロペンタジエン,1,3-シクロ
ヘキサジエン,5-エチル−1,3-シクロヘキサジエン,ジ
シクロヘキサジエン,5-エチリデン−2-ノルボルネン,
5-メチレン−2-ノルボルネン,5-ビニル−2-ノルボルネ
ン,5-イソプロピリデン−2-ノルボルネン,メチルヒド
ロインデン,2,3-ジイソプロピリデン−5-ノルボルネ
ン,2-エチリデン−3-イソプロピリデン−5-ノルボルネ
ン,2-プロペニル−2,5-ノルボルナジエン等ならびにそ
の混合物が挙げられる。アリルモノマーとしては、酢酸
アリル,酢酸イソプロペニル,塩化アリル,塩化イソプ
ロペニル,trans-塩化プロペニル,cis-塩化プロペニル
等ならびにその混合物が挙げられる。N-ビニルモノマー
としては、N-ビニルカルバゾール,N-ビニル−2-ピロリ
ドン,N-ビニルフタルイミド等並びにその混合物が挙げ
られる。
【0014】ビニルエーテルとしては、エチルビニルエ
ーテル,プロピルビニルエーテル,イソブチルビニルエ
ーテル,ヘキシルビニルエーテル等の直鎖または分岐脂
肪族のアルキルビニルエーテルやp-ジオキセン等並びに
その混合物が挙げられる。ビニルスルフィドとしては、
エチルビニルスルフィド,フェニルビニルスルフィド等
並びにその混合物が挙げられる。(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アク
リル酸デシル、アクリル酸ドデシル等の直鎖または分岐
脂肪族アルコールのアクリル酸エステル及び対応するメ
タクリル酸エステル等並びにその混合物が挙げられる。
その他の共重合可能なビニルモノマーとしては、ビニル
エステル、ビニルピリジン、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、スチレン、α−メチルスチレン,β−メチルス
チレン,アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化
ビニリデン等並びにその混合物が挙げられる。
【0015】粘着付与樹脂(c) としては、ロジン酸エス
テル,テルペン系樹脂,クマロン系樹脂,スチレン系樹
脂,キシレン系樹脂,石油樹脂,タンマー等の樹脂が挙
げられるが、軟化点60〜180 ℃の範囲のものが好まし
い。ロジン酸エステルとは、ロジン成分とアルコール成
分とのエステル化物である。ロジン成分としては、アビ
エチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマー
ル酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸などの樹
脂酸を主成分とするガムロジン、トール油ロジン、ウッ
ドロジン、あるいはそれらの不均斉化ロジン、水添ロジ
ン、重合ロジン、マレイン酸またはアクリル酸変性ロジ
ン等が挙げられる。アルコール成分としては、n-オクチ
ルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、デシルア
ルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール
等の1価のアルコール類、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール等の2価のアルコ
ール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価
のアルコール類、ペンタエリスリトールジグリセリン等
の4価のアルコール類、ジペンタエリスリトール等の6
価のアルコール類が挙げられる。
【0016】テルペン系樹脂としては、αピネン、βピ
ネンを主成分としたガムテレピン油およびウッドテレピ
ン油等から重合して得られるテルペン系樹脂あるいはそ
れらのフェノール付化物等が挙げられる。石油系樹脂と
しては、ナフサ分解でのエチレン、プロピレン、ブタジ
エン等の炭素数2〜4のオレフィン類を除いた分解油の
うち、炭素数5以上の脂肪族系、脂環属系、芳香族系の
残留オレフィン類を重合させた樹脂が挙げられる。その
他、コールタールの留分であるクマロン及びインデンの
重合体からなるクマロン系樹脂、ダンマー、コーパル等
の樹脂が挙げられる。
【0017】炭素数18以上のワックス状樹脂(d) とは、
被着色樹脂と相溶性のあるものであり、例えば、ポリオ
レフィン系樹脂では、結晶性または非晶性ポリプロピレ
ン,ポリブテン-1,ポリペンテン-1,ポリ4-メチルペン
テン-1,低密度または高密度ポリエチレン,エチレン・
プロピレンのランダム、ブロックあるいはグラフト共重
合体,炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンあるい
はプロピレンの共重合体,エチレン・酢酸ビニル共重合
体,エチレン・アクリル酸メチル共重合体,エチレン・
アクリル酸エチル共重合体,エチレン・アクリル酸共重
合体等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用
いられる。また、ポリオレフィン系樹脂以外にラウリン
酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,パル
ミトレイン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレイン酸
等の長鎖アルコールエステルやグリセリンエステル等の
脂肪酸エステル、あるいはポリ塩化ビニル,ポリエチレ
ンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂,
アクリロニトリル−EPDM−スチレン(AES)樹
脂,アクリル系樹脂,ポリアミド,ポリカーボネート,
ポリアセタール,ポリウレタン等の熱可塑性樹脂等が挙
げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる
が、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0018】共重合体樹脂(A) は、溶液重合、塊状重
合、乳化重合、懸濁重合等により製造することができる
が、これら重合方法及び反応操作において特に制限され
るものではない。重合開始剤としては、ベンゾイルパー
オキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンパーオキ
サイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−
t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエ
ート等のパーオキサイド類、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビス−2,4-ジメチルバレロニトリル等のアゾ化
合物が挙げられる。
【0019】共重合体樹脂(A) は、共重合体樹脂中の極
性官能基を、分子内に少なくとも1つ以上のそれと反応
し得る反応基を持つ化合物により、エステル化、アミド
化あるいはイミド化またはキレート化等の変性を行って
もよい。変性することによって、官能基当量、分子量、
粘度、軟化点、強度、各種耐性、可撓性、相溶性及び顔
料分散性、分配性、発色性等の諸物性を自由に制御する
ことが可能となる。共重合体樹脂(A) のうち極性官能基
がカルボキシル基のものについては、水酸化物、アミノ
化合物、金属化合物を用いて変性することができる。ま
た、極性官能基がグリシジル基のものについては、例え
ばカルボキシル基,酸無水物,酸ハライド基あるいはア
ミノ基を持つ化合物を用いて、極性官能基が水酸基のも
のについては、例えばカルボキシル基,酸無水物,酸ハ
ライド基あるいはイソシアネート基を持つ化合物を用い
て変性することができる。さらに、極性官能基がアミノ
基あるいはアミド基のものについては、例えばカルボキ
シル基,酸無水物,酸ハライド基,アルデヒド基あるい
はグリシジル基を持つ化合物を用いて、極性官能基がア
ジリジニル基のものについては、例えばカルボキシル
基,酸無水物あるいは酸ハライド基を持つ化合物を用い
て、極性官能基がイソシアネート基のものについては、
例えば水酸基を持つ化合物を用いて変性することができ
る。
【0020】これらの反応は水系、無溶剤、溶剤併用で
行っても良いが、官能基当量のうち酸変性系の反応物の
酸価は 5〜500 、好ましくは20〜120 の範囲とすること
が望ましい。酸価が 5未満では良好な顔料分散性、発色
性が得られ難く、また着色成形品に色ムラやフローマー
クが生じ易い。一方、酸価が 500を越えると吸湿しやす
く成形品表面のシルバーストークや発泡の原因となるば
かりでなく、被着色樹脂の耐候性、耐熱性等に悪影響を
及ぼす。また、アミン変性系の反応物のアミン価は、 2
〜200 、好ましくは 4〜100 の範囲とすることが望まし
い。
【0021】顔料(B) としては、有機顔料および無機顔
料があり、従来から熱可塑性樹脂の着色に使用されてい
る公知の顔料が使用できる。このような顔料としては、
アゾ系,アントラキノン系,フタロシアニン系,キナク
リドン系,イソインドリノン系,ジオキサン系,ベリレ
ン系,キノフタロン系,ベリノン系,などの有機顔料、
硫化カドミウム,セレン化カドミウム,群青,二酸化チ
タン,酸化鉄,酸化クロム酸塩,カーボンブラックなど
の無機顔料がある。
【0022】本発明の着色用組成物には、さらにメルト
フローレートが 0.1〜400 、好ましくは10〜100 の範囲
にあり、被着色樹脂と相溶性のあるポリオレフィン系樹
脂(C) を90重量%以下の範囲内で含有させることができ
る。なお、本発明におけるメルトフローレート(以下M
FRという)とは、JIS K 7210に準拠して測定されたも
のである。ポリオレフィン系樹脂のMFRが 0.1未満の
時は、被着色樹脂との相溶性が悪くなり、色ムラなどを
生じると共に、着色された熱可塑性樹脂の諸物性にも悪
影響を生じる。MFRが 400を超える場合には、マスタ
ーバッチ自体の機械的強度や耐熱性が低くなり、マスタ
ーバッチの製造が困難になるとともに、着色された熱可
塑性樹脂の耐熱性や、強度などの諸物性に悪影響を与え
る。また、ポリオレフィン系樹脂は、官能基変性、架橋
変性、グラフト化およびブロック化変性を施したもので
もよい。さらに、配合に使用されるポリオレフィン系樹
脂は、粉体状であってもペレット状であっても良い。
【0023】本発明の着色用組成物には、本発明の効果
を阻害しない範囲で、少量の酸化防止剤,紫外線吸収剤
等の安定剤や界面活性剤などの各種の添加剤を添加する
こともできる。本発明の着色用組成物は、ほとんどすべ
てのポリオレフィン系樹脂の着色に供することができ、
物性の向上を目的に無機フィラーやガラス繊維、有機繊
維などの強化材を含むものであっても良い。例えば、従
来のマスターバッチを用いた着色では実現不可能であっ
た強度などの機械物性や耐熱性などへの影響なしに色ム
ラのない均一な着色が、無機充填剤や繊維強化材最大50
重量%程度含むポリオレフィン系樹脂組成物 100重量部
に対して本発明の着色用組成物 4重量部以下の少量添加
で実現可能となる。
【0024】本発明の着色用組成物は、ポリオレフィン
系樹脂以外にポリメチルペンテン,ポリスチレン,ポリ
塩化ビニル,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレ
ンテレフタレート,アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン(ABS)樹脂,アクリロニトリル−EPDM−
スチレン(AES)樹脂,アクリル系樹脂,ポリアミ
ド,ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリウレタン
等の熱可塑性樹脂にも配合することができる。
【0025】本発明の着色用組成物は、顔料の分散性及
び着色力の向上に極めて有効であるが、分散性及び着色
力の向上は共重合体中のカルボキシル基ないしその無水
物による顔料に対する親和性によるものであり、共重合
体中のカルボキシル基ないしその無水物と顔料中の塩基
性基等の間に極性的な結合が形成され、その回りがポリ
オレフィンで包まれた保護コロイド的な構造を取ってい
るものと考えられる。なお、本発明の着色用組成物は、
滑材、ホットメルト樹脂、インキ、塗料、接着剤などの
用途にも使用することが出来る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例を持って説明
する。例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ
表す。 〔製造例1〕ロジン酸エステル(理化ハーキュレス社製
「ペンタリンCJ」)901.4g、1-オクタデセン 189.4g、
ジt-ブチルパーオキサイド 0.7gおよびトルエン10gを
フラスコに仕込み、窒素置換した後 180℃で加熱、撹拌
しながら、無水マレイン酸73.6gを2分毎に 2.5gず
つ、ジt-ブチルパーオキサイド 0.5gを20分毎に 0.2g
ずつ添加した。添加終了後、系の温度を 200℃に保ち、
さらに6時間反応させた。反応終了後、内容物を熱時に
取り出して冷却、固化させた。酸価80の樹脂が得られ
た。 〔製造例2〕テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル社製
「クリアロン P-115」)450.7g、1-オクタデセン 757.4
g、ジt-ブチルパーオキサイド 2.7gおよびトルエン10
gをフラスコに仕込み、窒素置換した後 170℃で加熱、
撹拌しながら、ジエチルアミノエチルメタクリレート 4
41.3gを2分毎に14.7gずつ、ジt-ブチルパーオキサイ
ド 2.1gを20分毎に 0.7gずつ添加した。添加終了後、
系の温度を 160℃に保ち、さらに6時間反応させた。反
応終了後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させ
た。アミン価56.6の樹脂が得られた。
【0027】〔製造例3〕石油樹脂(三井石油化学工業
社製「FTR 6110」)450.7g、α−オレフィン(三菱化成
社製「ダイアレン208 」)1276g、ジt-ブチルパーオキ
サイド 3.6gおよびトルエン14gをフラスコに仕込み、
窒素置換した後 200℃で加熱、撹拌しながら、メタクリ
ル酸2-ヒドロキシエチル 535.6gを2分毎に17.8gず
つ、ジt-ブチルパーオキサイド 1.8gを20分毎に 0.9g
ずつ添加した。添加終了後、さらにジt-ブチルパーオキ
サイドを1g加え、系の温度を 220℃に保ち、さらに6時
間反応させた。反応終了後、内容物を熱時に取り出して
冷却、固化させた。ヒドロキシル価90.5の樹脂が得られ
た。 〔製造例4〕クマロン系樹脂(新日鉄化学社製「エスク
リスタル A-120」)450.7g、ダイアレン208 1276g、ジ
t-ブチルパーオキサイド 3.6gおよびトルエン14gをフ
ラスコに仕込み、窒素置換した後 180℃で加熱、撹拌し
ながら、アクリル酸 302.6gを2分毎に10.1gずつ、ジ
t-ブチルパーオキサイド 1.8gを20分毎に 0.9gずつ添
加した。添加終了後、さらにジt-ブチルパーオキサイド
を1g加え、系の温度を 200℃に保ち、さらに6時間反
応させた。反応終了後、内容物を熱時に取り出して冷
却、固化させた。酸価 118.2の樹脂が得られた。
【0028】〔製造例5〕製造例1で得られた樹脂 200
g、シクロヘキシルアミン 8.5gをフラスコに仕込み、
撹拌しながら窒素気流中で溶融し、反応温度 180℃で5
時間反応させた。反応終了後、内容物を熱時に取り出し
て冷却、固化させた。酸価20の樹脂が得られた。 〔製造例6〕製造例3で得られた樹脂 200g、12−ヒド
ロキシステアリン酸64.0g、パラトルエンスルフォン酸
ソーダ 0.5gをフラスコに仕込み、撹拌しながら窒素気
流中で溶融し、反応温度 240℃で5時間反応を行った。
反応終了後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させ
た。酸価22.6の樹脂が得られた。
【0029】〔製造例7〕キシレン系樹脂(三菱瓦斯化
学社製「ニカノール LLL」)900g、スチレン 312g、ジ
t-ブチルパーオキサイド 2.7gおよびトルエン10gをフ
ラスコに仕込み、窒素置換した後 150℃で加熱、撹拌し
ながら、無水マレイン酸 294.2gを2分毎に 9.8gず
つ、ジt-ブチルパーオキサイド 2.1gを20分毎に 0.7g
ずつ添加した。添加終了後、系の温度を 160℃に保ち、
さらに6時間反応させた。反応終了後、内容物を熱時に
取り出して冷却、固化させた。酸価 350の樹脂が得られ
た。 〔製造例8〕ロジン酸エステル(荒川化学社製「スーパ
ーエステル A-115」)900g、ダイアレン208 319g、メ
チルメタクリレート 100g、ジt-ブチルパーオキサイド
1.8gおよびトルエン14gをフラスコに仕込み、窒素置
換した後 150℃で加熱、撹拌しながら、無水マレイン酸
206gを2分毎に 6.8gずつ、ジt-ブチルパーオキサイ
ド 0.9gを20分毎に0.45gずつ添加した。添加終了後、
さらにジt-ブチルパーオキサイドを 0.5g加え系の温度
を 160℃に保ち、さらに6時間反応させた。反応終了
後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させた。酸価
71の樹脂が得られた。
【0030】〔製造例9〕スチレン系樹脂(東邦化学工
業社製「ハイレジンNX」)900g、N-ビニルカルバゾール
579g、ジt-ブチルパーオキサイド 2.7gおよびトルエ
ン10gをフラスコに仕込み、窒素置換した後 150℃で加
熱、撹拌しながら、無水マレイン酸 294.2gを2分毎に
9.8gずつ、ジt-ブチルパーオキサイド 2.1gを20分毎
に 0.7gずつ添加した。添加終了後、系の温度を 160℃
に保ち、さらに6時間反応させた。反応終了後、内容物
を熱時に取り出して冷却、固化させた。酸価 192の樹脂
が得られた。 〔製造例10〕ロジン酸エステル(播磨化成社製「ハリ
エスターDS-110」)900g、フェニルビニルスルフィド 5
04g、ジt-ブチルパーオキサイド 2.7gおよびトルエン
10gをフラスコに仕込み、窒素置換した後 150℃で加
熱、撹拌しながら、無水マレイン酸 294.2gを2分毎に
9.8gずつ、ジt-ブチルパーオキサイド 2.1gを20分毎
に0.7gずつ添加した。添加終了後、系の温度を 160℃
に保ち、さらに6時間反応させた。反応終了後、内容物
を熱時に取り出して冷却、固化させた。酸価 168の樹脂
が得られた。
【0031】〔製造例11〕テルペンフェノール(ヤス
ハラケミカル社製「YSポリスター T-115」)500g、酢酸
イソプロペニル 302g、ジt-ブチルパーオキサイド 2.7
gおよびトルエン10gをフラスコに仕込み、窒素置換し
た後 150℃で加熱、撹拌しながら、アクリル酸 216.1g
を2分毎に 7.2gずつ、ジt-ブチルパーオキサイド 2.1
gを20分毎に0.7gずつ添加した。添加終了後、系の温
度を 160℃に保ち、さらに6時間反応させた。反応終了
後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させた。酸価
118の樹脂が得られた。 〔製造例12〕石油樹脂(エッソ化学社製「エスコレッ
ツ1402」)500g、酢酸イソプロペニル302g、ジt-ブチ
ルパーオキサイド 2.7gおよびトルエン10gをフラスコ
に仕込み、窒素置換した後 150℃で加熱、撹拌しなが
ら、メタクリル酸グリシジル 316gを2分毎に12gず
つ、ジt-ブチルパーオキサイド 2.1gを20分毎に 0.7g
ずつ添加した。添加終了後、系の温度を 180℃に保ち、
さらに6時間反応させた。反応終了後、内容物を熱時に
取り出して冷却、固化させた。エポキシ価 178の樹脂が
得られた。
【0032】〔製造例13〕ロジン酸エステル(理化ハ
ーキュレス社製「ペンタリンH」)100g、ポリエチレン
ワックス(三洋化成社製「サンワックス131P」)858.7
g、2,5-ジメチル−2,5-ジ−t-ブチルパーオキシヘキシ
ン-3(日本油脂社製「パーヘキシン25B 」)43.9gおよ
びトルエン10gをフラスコに仕込み、窒素置換した後 2
00℃で加熱、撹拌しながら、アクリル酸41.3gを2分毎
に 1.4gずつ、パーヘキシン25B 0.6gを20分毎に 0.2
gずつ添加した。添加終了後、系の温度を 250℃に保
ち、さらに6時間反応させた。反応終了後、内容物を熱
時に取り出して冷却、固化させた。酸価30の樹脂が得ら
れた。 〔製造例14〕ロジン酸フェノール(荒川化学社製「タ
マノル 803」)300g、ポリエチレンワックス(三井石油
化学工業社製「ハイワックス320P」)700g、パーヘキシ
ン25B3.3gおよびトルエン10gをフラスコに仕込み、窒
素置換した後 200℃で加熱、撹拌しながら、無水マレイ
ン酸46.1gを2分毎に 1.6gずつ、パーヘキシン25B0.6
gを20分毎に 0.2gずつ添加した。添加終了後、系の温
度を 250℃に保ち、さらに6時間反応させた。反応終了
後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させた。酸価
48の樹脂が得られた。
【0033】〔製造例15〕石油樹脂(理化ハーキュレ
ス社製「リガライト R-100」)200g、エチレン−プロピ
レン共重合体 (宇部レキセン社製「APAO RT 2315」)76
3.3g、パーヘキシン25B 3.5gおよびトルエン10gを
フラスコに仕込み、窒素置換した後 200℃で加熱、撹拌
しながら、アクリル酸36.7gを2分毎に 1.2gずつ、パ
ーヘキシン25B0.6gを20分毎に 0.2gずつ添加した。添
加終了後、系の温度を 250℃に保ち、さらに6時間反応
させた。反応終了後、内容物を熱時に取り出して冷却、
固化させた。酸価25の樹脂が得られた。 〔製造例16〕テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル社製
「YSレジン PX-1150」)100g、エチレン−メタクリル酸
共重合体(三井デュポンポリケミカル社製「ニュクレル
1027C」)945.0g、パーヘキシン25B 2.0gおよびトル
エン10gをフラスコに仕込み、窒素置換した後 200℃で
加熱、撹拌しながら、アクリル酸2-ヒドロキシエチル3
8.3gを2分毎に 1.3gずつ、パーヘキシン25B 0.6g
を20分毎に 0.2gずつ添加した。添加終了後、系の温度
を 250℃に保ち、さらに6時間反応させた。反応終了
後、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させた。水酸
基価18の樹脂が得られた。
【0034】〔実施例1、3〕 製造例1、3で得られた樹脂 30% フタロシアニンブルー 50% (東洋インキ製造社製「リオノーブル−7110V 」) ポリプロピレン 20% (三井石油化学工業社製「三井ノーブレンJ4HG」MFR:30) 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化しマスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。ポリプロピレ
ン「三井ノーブレンJ4HG」 100部に、得られたマスター
バッチ3部を混合して、縦型テスト紡糸機(富士フィル
ター社製スピニングテスター)にて、ホッパー下 230
℃、混練部、ダイス部 230℃にて紡糸後3倍延伸を行
い、5デニールのポリプロピレン繊維を得た。紡糸性、
目詰まり性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。
【0035】〔比較例1、3〕製造例1で得られた樹脂
の代わりに、比較例1についてはポリエチレンワックス
(三洋化成社製「サンワックス171P」)を、比較例3に
ついてはポリエチレンワックス(三洋化成社製「サンワ
ックス151P」)10%および石油系粘着付与樹脂(三井石
油化学工業社製「FTR 6110」)20%を用いた以外は、実
施例1と同様にしてマスターバッチを得た。この際スト
ランド切れや脈流を生じることなしに順調にマスターバ
ッチを得ることができた。さらに、得られたマスターバ
ッチを用いて実施例1と同様に紡糸を行ったが、目詰ま
りによる糸切れが発生した。未分散顔料の目詰まり性を
比較するために、実施例1、3および比較例1、3で得
られたマスターバッチ10部を、それぞれポリプロピレン
「三井ノーブレンJ4HG」 100部に混合し、先端に 500メ
ッシュの金網を装着したスクリュー径が30mmの単軸押出
機で混合物を3kg押し出し、先端部での圧力上昇値を測
定した。また、顔料の分散発色性を比較するために、実
施例1、3および比較例1、3で得られたマスターバッ
チ1部を、それぞれポリプロピレン「三井ノーブレンJ4
HG」 100部および酸化チタン5部に配合したものを2本
ロールミルで混練し冷却プレスで2mm厚のプレートに成
形し、色差計(米国ハンター社製)にて 600nmの反射強
度を測定した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】〔実施例2、4〕 製造例2、4で得られた樹脂 30% 酸化チタン(石原産業社製「タイペーク CR-80」) 50% カーボンブラック(三菱化成工業社製「三菱カーボンMA-100」) 5% ポリエチレン(住友化学工業社製「スミカセン G-808」MFR:75) 15% 上記4成分をニーダーで混練し、スクリュー直径65mmの
押出成形機でペレット化しマスターバッチを得た。この
際ストランド切れや脈流を生じることなしに順調にマス
ターバッチを得ることができた。MFR:6.5 のポリエチレ
ン(三井石油化学社製「ハイゼックス 2100J」) 100部
に、得られたマスターバッチ3部を混合して、射出成形
機にて背圧0kg/cm2 でプレートに成形した。
【0038】〔比較例2、4〕製造例2で得られた樹脂
の代わりに、比較例2についてはテルペン系粘着付与樹
脂(ヤスハラケミカル社製「クリアロン P-115」)を、
比較例4についてはポリエチレンワックス(三井石油化
学工業社製「ハイワックス420P」)20%およびクマロン
系粘着付与樹脂(新日鉄化学社製「エスクルスタル A-1
20」)10%を用いた以外は、実施例2と同様にしてマス
ターバッチを得た。この際ストランド切れや脈流を生じ
ることなしに順調にマスターバッチを得ることができ
た。実施例2で用いたポリエチレン 100部に、得られた
マスターバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧0
kg/cm2 でプレートに成形した。
【0039】〔実施例5、6〕 製造例5、6で得られた樹脂 40% 酸化チタン(E.I.デュポン(株)製「タイピュア R-101」) 20% 弁柄(戸田工業(株)製「トダカラー 180ED」) 40% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。タルク20%を
含有するポリエチレン組成物 100部に、得られたマスタ
ーバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧0kg/cm
2 でプレートに成形した。
【0040】〔比較例5〕 ポリプロピレン(三井石油化学社製「三井ハイポールJ740」) 10% ポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製「ビスコール550P」) 30% 酸化チタン(E.I.デュポン社製「タイピュア R-101」) 20% 弁柄(戸田工業社製「トダカラー 180ED」) 40% 上記4成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
ようとしたが、この際ストランド切れや脈流を生じ、連
続して順調にペレット形状の良好なマスターバッチを得
ることができなかった。実施例5と同様に、タルク20%
を含有するポリエチレン組成物 100部に、得られたマス
ターバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧0kg/
cm2 でプレートに成形した。
【0041】〔実施例7〜16〕 製造例7〜16で得られた樹脂 40% 酸化チタン(E.I.デュポン社製「タイピュア R-101」) 20% 弁柄(戸田工業社製「トダカラー 180ED」) 40% 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得
た。この際ストランド切れや脈流を生じることなしに順
調にマスターバッチを得ることができた。タルク20%を
含有するポリエチレン組成物 100部に、得られたマスタ
ーバッチ3部を混合して、射出成形機にて背圧0kg/cm
2 でプレートに成形した。
【0042】実施例2、4〜16および比較例2、4、
5で得られた成形品の機械的物性、表面の色ムラおよび
顔料分散度を評価した結果およびマスターバッチの生産
性を表2にまとめる。
【0043】
【表2】
【0044】*1 無着色樹脂の機械的物性(100
%)に対する、マスターバッチで着色された樹脂の機械
的物性の保持率。 ○:96%以上 △:90〜96% ×:90%以
下 *2 成形品表面の色ムラを目視で評価した。 ○:色ムラなし △:色ムラ少々あり ×:色ムラ
顕著 *3 被着色樹脂 100部とマスターバッチ3部を配合し
た混練物をプレス温度170℃の条件下でプレス加工し、
0.1mm 厚さのフィルムを得た。得られたフィルム中の、
顔料の粗大粒子の大きさとその数を LUZEX450 画像処理
機(東洋インキ製造社製)で測定した。 5 : 50μ以下の粒子数 1.0*103 個/cm2 以下 4 : 50μ以下の粒子数 1.0*103 〜7.0*103 個/
cm2 3 : 50μ以下の粒子数 7.0*103 〜2.7*104 個/
cm2 2 : 50μ以下の粒子数 2.7*104 〜7.0*104 個/
cm2 1 : 50μ以下の粒子数 7.0*104 個/cm2 以上 *4 スクリュー直径65mmの押出成形機によるマスター
バッチの生産性。 ○:良好 ×:不良
【0045】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂着色用組成物は、
顔料含有率が非常に高いにもかかわらず、顔料分散性に
優れており、高度な顔料分散を要求される繊維製品の着
色において、その着色力及び加工性に大きな効果を発揮
するものである。また、従来、マスターバッチによる均
一な着色が困難であった機械的物性や耐熱性などの物性
が特に重視される無機フィラーや繊維強化材を高含有率
で含むポリオレフィン系樹脂組成物の着色に対しても極
めて有効であり、色ムラのない着色も可能となるもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/22 C09D 17/00 C08L 1/00 - 101/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和二重結合を有する極性官能基含有
    モノマーないしはその誘導体(a)0.1〜80重量%と、その
    他の不飽和二重結合を有するモノマー(b)1〜99.9重量%
    とを粘着付与樹脂(c)0.5〜95重量%の存在下で共重合さ
    せて得られる共重合体樹脂(A)0.1〜99重量%と、顔料
    (B)1〜90重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂
    着色用組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和二重結合を有する極性官能基含有
    モノマーないしはその誘導体(a)0.1〜80重量%と、炭素
    数18以上のワックス状樹脂(d)1〜99.9重量%とを粘着付
    与樹脂(c)0.5〜95重量%の存在下で共重合させて得られ
    る共重合体樹脂(A)0.1〜99重量%と、顔料(B)1〜90重量
    %からなることを特徴とする熱可塑性樹脂着色用組成
    物。
  3. 【請求項3】 さらに、メルトフローレートが 0.1〜40
    0 の範囲にあるポリオレフィン系樹脂(C) を含むことを
    特徴とする請求項1または2記載の着色用組成物。
  4. 【請求項4】 その他の不飽和二重結合を有するモノマ
    ー(b) が、共重合可能なα−オレフィン,スチレン,ビ
    ニルエーテル,ビニルスルフィド,ジオレフィンおよび
    それらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマー
    を含有することを特徴とする請求項1記載の着色用組成
    物。
  5. 【請求項5】 不飽和二重結合を有する極性官能基含有
    モノマー(a) が、オキシドもしくは活性水素を有するモ
    ノマーであることを特徴とする請求項1または2記載の
    着色用組成物。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン系樹脂およびこれらの誘
    導体(C) の密度が、0.90〜0.99の範囲にあることを特徴
    とする請求項3記載の着色用組成物。
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