JP2009114402A - 射出成形用ポリエステル樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性と流動性に優れ、実用的な耐衝撃性を有する大型〜超大型の成形品を射出成形により製造することのできる射出成形用ポリエステル樹脂組成物を提供すること。
【課題手段】ポリエステル樹脂(成分(A))84〜92質量%と、エポキシ基を含有するポリオレフィン樹脂(成分(B))0.07〜2.5質量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))5〜15質量%と、エポキシ樹脂(成分(D))0.2〜2質量%とを含有し(成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を100質量%とする)、成分(B)と成分(C)の質量比(B/C)が0.7/99.3〜28/72である樹脂成分を溶融混練してなり、水分含有量を500〜2000ppmに調整してなる射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、射出成形用ポリエステル樹脂組成物及び該組成物を射出成形加工してなる成形品に関するものである。さらに詳細には、射出加工時の流動性を向上させた射出成形加工用原料である射出成形用ポリエステル樹脂組成物とその射出成形品に関するものである。
従来から、ポリエステル樹脂を改質する方法として、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂を添加する方法等が知られている。
例えば、特開2002−206052号公報(特許文献1)には、ポリエステル樹脂の耐衝撃性を改良し得る手段として、ポリエステル樹脂(A1)とエチレン−α−オレフィン共重合体及びエチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体から選ばれる共重合体(B1)と、エポキシ基含有エチレン共重合体(C1)とからなり、前記成分(B1)の配合量と前記成分(C)の配合量が特定の関係にあるポリエステル樹脂組成物が記載されている。
また、特開2005−68205号公報(特許文献2)には、過度の反応を起因とする外観不良を生じることなくポリエステルの衝撃強度や耐加水分解性を改良し得る手段として、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂10〜99質量%及びエポキシ樹脂1〜90質量%を溶融混練してなるエンジニアリングプラスチック改質用組成物が記載されている。
しかし、上記特許文献1に記載されているポリエステル樹脂組成物や、上記特許文献2に記載されているエンジニアリングプラスチック改質用組成物を添加して得られるポリエステル樹脂組成物は、耐衝撃性は改良されるものの流動性が低下することがあり、さらなる改良が求められている。
特に、射出成形に適する耐衝撃性と流動性の改良が求められている。射出成形で製品を成形する場合、製品の大きさや形状などにより、樹脂組成物溶融物に要求される流動性の程度は異なり、例えば、大型製品を射出成形で製造する場合には、流動性のより高い組成物が必要とされる。流動性の低下抑制あるいは流動性の改良は、成形加工性の観点から要求されることが多く、加工目的等により種々の流動性のグレードが必要とされているのが現状である。
特開2002−206052号公報 特開2005−68205号公報
本発明の目的は、より高い流動性が要求される大型〜超大型の成形品の射出成形に用いることができる射出成形用ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意努力した結果、特定の組成を有する射出成形用ポリエステル樹脂組成物においては、射出成形加工機に投入する際の樹脂組成物の水分量によりその流動性が変化し、金型への樹脂流入状態が変化すること、所定の水分量に調整することで樹脂組成物の流動性が向上すること、及び成形品は実用的な衝撃強度が得られることを見出し、本発明を完成させた。
[1]ポリエステル樹脂(成分(A))84〜92質量%と、
エポキシ基を含有するポリオレフィン樹脂(成分(B))0.07〜2.5質量%と、
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))5〜15質量%と、
エポキシ樹脂(成分(D))0.2〜2質量%とを含有し(成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を100質量%とする)、
成分(B)と成分(C)の質量比(B/C)が0.7/99.3〜28/72である樹脂成分を溶融混練してなり、水分含有量を500〜2000ppmに調整してなる射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
[2]成分(A)の固有粘度(IV)値が0.6〜1.0(dl/g)であり、水分含有量が4000ppm以下である前記1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
[3]成分(A)が、リサイクルされた破砕品またはペレットである前記1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
[4]成分(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂である前記1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
[5]成分(B)が、下記単位(b1)及び下記単位(b2−1)を有するエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂、または下記単位(b1)及び下記単位(b2−2)を有するエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂である前記1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物;
単位(b1)エチレンから誘導される単位、
単位(b2−1)エチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸グリシジルエステルから誘導される単位、
単位(b2−2)エチレンと共重合可能な不飽和基を有するグリシジルエステルから誘導される単位。
[6]単位(b1)が50〜99.9質量%、単位(b2−1)または単位(b2−2)が0.1〜50質量%である前記5に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物(単位(b1)と単位(b2−1)または単位(b2−2)との合計量を100質量%とする。)。
[7]成分(C)が、エチレンから誘導される単位と、炭素数3〜12のα−オレフィンから誘導される単位とを含有し、かつ下記要件(c1)及び(c2)を充足するエチレン−α−オレフィン共重合体である前記1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物;
要件(c1)メルトフローレート(JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定)が0.5〜30g/10分であり、
要件(c2)密度が865〜895kg/m3である。
[8]α−オレフィンから誘導される単位が、1−ブテンまたはヘキサンから誘導される単位である前記7に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
[9]成分(B)、(C)及び(D)をあらかじめ溶融混練してなる前記1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
[10]前記1〜9のいずれかに記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物を射出成形加工して得られる成形品。
[11] ポリエステル樹脂(成分(A))84〜92質量%と、
エポキシ基を含有するポリオレフィン樹脂(成分(B))0.07〜2.5質量%と、
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))5〜15質量%と、
エポキシ樹脂(成分(D))0.2〜2質量%とを含有し(成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を100質量%とする)、
成分(B)と成分(C)の質量比(B/C)が0.7/99.3〜28/72である樹脂成分を溶融混練してなる樹脂組成物を、その水分含有量が500〜2000ppmである状態で射出成形機に投入し射出成形を行うことを特徴とするポリエステル樹脂組成物の射出成形方法。
本発明の射出成形用ポリエステル樹脂組成物は、射出加工時の流動性が非常に高いため大型〜超大型の成形品を容易に得ることができ、また得られる成形品は実用的な耐衝撃性を備える。
[1]成分A:ポリエステル樹脂
本発明で用いられるポリエステル樹脂(成分(A))としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられ、好ましくはポリエチレンテレフタレートである。
本発明で使用するポリエステル樹脂(成分(A))は、フェノール/テトラクロロエチレンの質量比が50/50の混合溶媒中にて25℃で測定した固有粘度(IV)が0.6〜1.0(dl/g)の範囲にある重合体が好ましく、0.65〜0.95(dl/g)の範囲にある重合体がさらに好ましい。
成分(A)のIV値が少なすぎると、得られる樹脂組成物の流動性は良好となるが、耐衝撃性が乏しくなる。また、IV値が大きすぎると得られる樹脂組成物は耐衝撃性に優れるが、流動性が不足する。
本発明で使用するポリエステル樹脂(成分(A))は、カールフィッシャー水分計(KF)にてサンプル加熱温度210℃で測定した水分量が4000ppm以下であることが好ましく、200〜3500ppmの範囲であることがさらに好ましい。
成分(A)の水分量が少ない場合には得られる樹脂組成物の流動性が不足し、また、水分量が多い場合には混練時の加水分解が促進され、耐衝撃性が乏しくなったり、混練時に発泡や流動性が過多となったり、流動性が低下し混練機内で固化してしまう場合があり、安定した混練が行えなかったり、ストランドの引取りが出来ずペレット化が行なえずにサンプルが得られない場合がある。
[2]成分(B):エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂
本発明で用いるエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(B))は、エチレンから誘導される単位(b1)とエポキシ基含有エチレンから誘導される単位(b2)とを含有してなる。エポキシ基含有エチレンから誘導される単位(b2)としては、具体的にはエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸グリシジルエステルから誘導される単位(b2−1)やエチレンと共重合可能な不飽和基を有するグリシジルエーテルから誘導される単位(b2−2)が挙げられる。
成分(B)中の単位(b1)と単位(b2)との割合、具体的には単位(b1)と単位(b2−1)または単位(b2−2)との割合との割合は、単位(b1)50〜99.9質量%、単位(b2−1)または単位(b2−2)0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは単位(b1)99.5〜80質量%、単位(b2−1)または単位(b2−2)0.5〜20質量%である。ここで、単位(b1)と単位(b2−1)または単位(b2−2)との合計は100質量%である。
エポキシ基含有エチレンから誘導される単位(b2)において、エチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸グリシジルエステルから誘導される単位(b2−1)のための単量体としては、例えば下記一般式(X)で示される不飽和グリシジルエステル類が挙げられ、エチレンと共重合可能な不飽和基を有するグリシジルエーテルから誘導される単位(b2−2)のための単量体としては、例えば下記一般式(Y)で示される不飽和グリシジルエーテル類が挙げられる
Figure 2009114402
式中、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜8個の炭化水素基を表し、具体的にはビニル基、アリル基等が挙げられる。
一般式(X)で示される化合物としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられ、一般式(Y)で示される化合物としては、例えばアリルグリシジルエーテルが挙げられる。
成分(B)は、例えば、以下の(i)または(ii)の方法により製造することができる。
(i)一般式(X)、(Y)等で示されるエポキシ基含有エチレン系単量体をポリオレフィンにグラフト反応させる方法。
(ii)一般式(X)、(Y)等で示されるエポキシ基含有エチレン系単量体とエチレン系単量体(例えば、エチレン、α−オレフィンもしくはエポキシ基を含まないエチレン系単量体)とを共重合する方法。
上記(i)のグラフト反応は、例えば、次の(i-1)〜(i-3)の方法により実施することができる。
(i-1)溶液グラフト:キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素化合物、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素化合物などの溶媒中でポリオレフィンと、エポキシ基を含有するエチレン系単量体と、ラジカル重合開始剤とを加熱混合させて製造する方法、
(i-2)懸濁グラフト:必要に応じて界面活性剤を用い、ポリオレフィンと、エポキシ基を含有するエチレン系単量体と、ラジカル重合開始剤とを水中に懸濁状態で分散させてグラフト重合する方法、
(i-3)溶融グラフト:ポリオレフィンと、エポキシ基を含有するエチレン系単量体とラジカル重合開始剤を、押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの一般に合成樹脂の分野で使われている混練機を使用し、溶融混合させて製造する方法。
上記(i-3)の溶融グラフト法におけるグラフト条件としては、ポリオレフィンの劣化、エポキシ基含有エチレン系単量体の分解、ラジカル重合開始剤の分解温度などを考慮して適宜選定され、グラフト重合の温度としては一般には80〜350℃であり、好ましくは100〜300℃である。
グラフト反応によって得られるエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂(成分(B))に含有されるエポキシ基含有エチレン系単量体単位の含有量は、得られるエンジニアリングプラスチック樹脂の改質効果を高めるという観点や、エポキシ基含有エチレン系単量体の単独重合がグラフト反応より優先的に進行することを抑えるという観点から、通常、0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%である。ここで、エポキシ基含有エチレン系単量体単位と、ポリオレフィン単位との合計を100質量%とする。
グラフト反応で使用されるラジカル重合開始剤は、通常、一分半減期温度が80℃以上のものが使用される。
上記(i-1)の溶液グラフト法に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルヒドローオキシド、ジクミルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
上記(i-2)の懸濁グラフト法に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルヒドローオキシド、ジクミルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。また必要に応じて用いられる界面活性剤としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース化合物、アクリル酸系化合物、無機塩及びアルキレンオキサイド等が挙げられる。
上記(i-3)の溶融グラフト法に用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−第3級−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチル−パーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、グラフト反応を十分に進行させるという観点や、ポリオレフィンの分解反応及び架橋反応の顕著な進行を抑えるという観点から、ポリオレフィン100質量部に対して一般に0.001〜5質量部である。
上記(ii)の共重合反応は、一般式(X)、(Y)等で示されるエポキシ基含有エチレン系単量体とエチレン系単量体(例えば、エチレン、α−オレフィンもしくはエポキシ基を含まないエチレン系単量体)とを共重合する方法である。
また、前記エポキシ基含有エチレン系単量体及び前記エチレン系単量体の他に、他のコモノマーを共重合させてもよく、このような他のコモノマーとしては、不飽和カルボン酸エステルやビニルエステルが挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、通常、炭素数3〜30個のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくは、炭素数4〜20個のアルキル(メタ)アクリレートである。中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタアクリレート等が好ましい。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、通常、炭素数4〜35個のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくは、炭素数4〜20個のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートである。中でも、メトキシアクリレート、エトキシアクリレート、ブトキシアクリレート、メトキシメタアクリレート等が好ましい。
ビニルエステルとしては、通常、炭素数が20個以下のビニルエステルが挙げられ、好ましくは、炭素数4〜16個のビニルエステルである、中でも酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート等が好ましく、特に酢酸ビニルが好ましい。
共重合反応による製造方法は特に制限されず、公知の種々の重合方法が利用できるが、高圧法低密度ポリエチレンの製造設備を使用して共重合反応を行う方法が好ましく、具体的には、次の製造方法(ii-1)及び(ii-2)が挙げられる。
(ii-1):エチレンと、前記式(X)または(Y)で示される化合物とをラジカル発生剤の存在下、50〜400MPaの圧力下で、100〜300℃の温度で、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に、共重合させる方法。
(ii-2):エチレンと、α−オレフィンと、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル等のコモノマーと、前記式(X)または(Y)で示される化合物とを、ラジカル発生剤の存在下、50〜400MPaの圧力下で、100〜300℃の温度で、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に、共重合させる方法。
共重合反応によって得られるエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂(成分(B))に含有されるエポキシ基含有エチレン系単量体単位の含有量は、通常、0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜20質量%である。ここで、エポキシ基含有エチレン系単量体単位と、ポリオレフィン単位との合計を100質量%とする。また、エポキシ基含有エチレン系単量体単位と、ポリオレフィン単位のモル比で言うと、エポキシ基含有単量体単位のモル比は、好ましくは0.2〜20モル%であり、より好ましくは0.5〜15モル%である。なお、共重合体に含有するエポキシ基含有単量体単位と、オレフィン単位との合計を100モル%とし、ここで言う「単位」とは、重合されたモノマーの単位を意味する。
共重合反応で使用されるラジカル発生剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−第3級−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3級−ブチル−パーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物が挙げられる。
本発明で用いられるエポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(B))は、エンジニアリングプラスチックの改質用に用いられることから、熱安定性に優れるエチレンとグリシジルメタクリレートとの共重合体が特に好ましい。
エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(B))は、作業性の観点から、常温でペレット状で互着などがないものが好ましい。
[3]成分(C):エチレン−α−オレフィン共重合体
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))は、エチレンから誘導される単位と、炭素数3〜12のα−オレフィンから誘導される単位とを含有し、下記要件(c1)及び(c2)を充足するものである。
要件(c1)メルトフローレート(MFR)が0.5〜30g/10分(JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定)であり、
要件(c2)密度が865〜895kg/m3である。
MFRが0.5g/10分未満だと他の成分との溶融混練の際に分散不良となり、粗大な分散粒子を生じ、30g/10分を超えるとペレットが軟化し互着を生じ作業性が低下する。
密度が865kg/m3未満だと他の成分との溶融混練の際に分散不良となり、粗大な分散粒子を生じ、895kg/m3を超えるとペレットが軟化し互着を生じ作業性が低下する。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))のα−オレフィンとしては、炭素数3〜12のα−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。好ましいα−オレフィンは炭素数5〜12のものであり、より好ましくは1−ブテンまたはヘキサンである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))の具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))におけるエチレンから誘導される単量体単位の含有量は、成分(C)に含有される単量体単位の合計量を100質量部としたとき、70〜85質量部であることが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))は、衝撃強度を改良するという観点から、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))と同程度のガラス転移温度を持つものが好ましく、エポキシ基含有ポリオレフィン系樹脂(成分(A))よりも低いガラス転移温度を持つものがさらに好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))の製造方法は、例えば、メタロセン系重合触媒やバナジウム化合物を有する重合触媒を用いたスラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))は、作業性の観点から、常温でペレット状で互着のないものが好ましい。
[4]成分(D):エポキシ樹脂
本発明で用いられるエポキシ樹脂(成分(D))は、分子中に平均して少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物である。
中でも、本発明の効果を十分に発現させるという観点から、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂が好ましい。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、グリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂であり、フェノール類やアルコールとエピクロルヒドリンを強アルカリ存在下で反応させて合成されるエポキシ樹脂である。
このようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられ、また、ハイドロキノン、レゾルシン等の二価フェノール類を用いて得られるエポキシ樹脂も挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、エピコート828、825、1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製,商品名)、エポミックR−140P、R−304(三井化学株式会社製,商品名)、エピクロン855(大日本インキ化学工業株式会社製,商品名)、DER331(ダウケミカル社製,商品名)等が挙げられる。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、スミエポキシESCN220HH(住友化学株式会社製,商品名)、スミエポキシESCN195XHH(住友化学株式会社製,商品名)等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、フタル酸誘導体や合成脂肪族酸のカルボニル基とエピクロルヒドリンを反応させて合成されるエポキシ樹脂である。
このようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂は、1級あるいは2級アミン類と、エピクロルヒドリンを反応させて合成されるエポキシ樹脂である。
このようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン等から誘導される芳香族アミン系エポキシ樹脂等が挙げられる。
環状脂肪族型エポキシ樹脂は、炭素−炭素2重結合を持つ相当する化合物を過酢酸のような過酸化物で酸化する工程と、エポキシ化する工程からなる製造方法によって製造することができる。
このような環状脂肪族型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、EHPE 3150(ダイセル化学工業株式会社製,商品名)が挙げられる。
エポキシ樹脂を配合することで、樹脂組成物の流動性を向上させる他、エポキシ基含有ポリオレフィン樹脂との溶融混練物がポリエステル樹脂を改質する際の分散性を改善し、分散不良による大粒子の発生を防止しすることで、ポリエステル樹脂の強度や伸び及び衝撃強度の改質効果をより向上することができる。
上述したエポキシ樹脂(成分(D))は、作業性の観点から常温で固体状のものが好ましく用いられる。
[5]成分(A)〜(D)の配合割合
本発明で用いられる射出成形用ポリエステル樹脂組成物は、前述した成分(A)〜(D)を含有する樹脂成分を以下の割合で溶融混練して製造される。
成分(A)ポリエステル樹脂84〜92質量%
成分(B)エポキシ基を含有するポリオレフィン樹脂0.07〜2.5質量%
成分(C)エチレン−α−オレフィン共重合体5〜15質量%
成分(D)エポキシ樹脂0.2〜2質量%
なお、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を100質量%とする。
また、本発明においては成分(B)と成分(C)との配合比が特定の範囲内にあることが必要である。具体的には、成分(B)と成分(C)との質量比(B/C)が0.7/99.3〜28/72であり、0.9/99.1〜27/73であることが好ましい。
成分(B)が多すぎると(成分(C)が少なすぎると)、流動性の低下が著しく、成分(B)が少なすぎると(成分(C)が多すぎると)、耐衝撃強度が不十分となる。また、成分(B)と成分(C)の比率が適正でない場合には、流動性や耐衝撃強度の改質効果が低下するほか、射出成形加工時に層剥離を生じる場合がある。
成分(D)が過少の場合には、熱安定性、耐加水分解性の改質効果が低下する場合があり好ましくない場合がある。
本発明の射出成形用ポリエステル樹脂組成物には、種々の添加剤、例えば難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、耐候剤を、本発明の効果が損なわれない範囲内で配合することもできる。特に、改質のためのエンジニアリングプラスチックの添加剤として知られている添加剤を配合した場合には、得られるポリエステル樹脂組成物の物性が更に改良されることがある。
[6]射出成形用ポリエステル樹脂組成物
本発明の射出成形用ポリエステル樹脂組成物は、上記の各組成成分を溶融混練し、射出成形加工前に所定の水分量となるように調整されることにより製造される。そのままで所定の水分量の範囲内にあれば特に水分量の調整は不要である。
本発明の射出成形用ポリエステル樹脂組成物の水分含有量は、500〜2000ppmが好ましく、600〜1200ppmがさらに好ましい。水分含有量が500ppm未満だと流動性が十分ではなく、成形品の充填不良やバリが生じる場合がある。2000ppmを超えると射出成形機での成形の際に加水分解が生じ、得られる成形体の強度が低下したり破損しやすくなったりする可能性がある。
水分量の調整は、熱可塑性樹脂や樹脂組成物に対して一般的に適用される乾燥方法、例えば、加熱乾燥、加熱真空乾燥、加熱した除湿空気を循環させるなどの乾燥方法、ホッパードライヤー、ロータリー式乾燥機などによるバッチ式や連続式の乾燥方法により行うことができる。また、加湿した空気や大気中の水分を吸湿させることでも水分量調整を行うことができる。これらの中では、熱風オーブンによる加熱乾燥やホッパードライヤーで加熱した除湿空気を循環させる方法が好ましく使用できる。
乾燥温度としては、短時間で水分量を減少させることができ、劣化や互着が起こらない温度であればよく、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。
射出成形用ポリエステル樹脂組成物の射出成形加工原料としての流動性、及び成形品の耐衝撃性の関係としては、成分(A)のIV(固有粘度)値が過少であると流動性は良好であるが耐衝撃性に乏しくなる。成分(A)のIV値が過大である場合、もしくは成分(A)の水分量が少ない場合には流動性が不足する。
各組成成分は、溶融混練前に公知の方法で乾燥し水分量を調整してもよい。成分(A)その他の各成分の水分量の調整は、加熱乾燥としてバッチ式の乾燥機を用いる熱風乾燥や真空乾燥、ロータリー式連続乾燥機などを用いる乾燥により行なうことができる。
成分(A)の水分量が少ない場合には得られる樹脂組成物の流動性が不足し、また、水分量が多い場合には混練時の加水分解が促進され、耐衝撃性が乏しくなったり、混練時に発泡や流動性が過多となったり、流動性が低下し混練機内で固化してしまう場合があり、安定した混練が行えなかったり、ストランドの引取りが出来ずペレット化が行なえずにサンプルが得られない場合がある。
溶融混練に際しての成分の配合順序や溶融混練順序は任意であり、例えば、全成分を一括して配合し溶融混練する方法、全成分のうちの幾つかの成分とその残りの成分とをそれぞれ別々に配合し溶融混練した後、得られた複数の混練物を一括して更に溶融混練する方法、押出機の上流側から下流側に沿ってフィード口を複数個有する一台の押出機において、各フィード口から各成分を順次にフィードして該押出機中で溶融混練する方法などが挙げられる。
本発明の射出成形用ポリエステル樹脂組成物においては、成分(B)、(C)及び(D)をあらかじめ溶融混練しておき、それに成分(A)を添加して溶融混練することにより製造することが好ましく、場合によっては、2個のフィード口を有する押出機の上流側のフィード口から成分(B)、(C)及び(D)をフィードし、下流側のフィード口から成分(A)をフィードするひとつの連続した溶融混練方法を用いることも可能である。
本発明の溶融混練の方法は、バッチ式でも連続式でもよいが、連続式が経済的には有利である。
バッチ式混練機としては、バンバリーミキサーやラボプラストミル、連続式混練としては、単軸押出機、二軸混練機等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
混練温度は、用いる各原料成分が溶融する温度以上であれば良く、好ましくは150〜350℃である。350℃以上では、劣化等が起こる場合があり、150℃以下では溶融混練により各成分が充分に分散せず、充分な改良効果が得られない。
[7]射出成形加工
本発明で用いられる射出成形加工とは、熱可塑性樹脂や樹脂組成物に一般的に適用される成形法であり、シリンダー内で樹脂を加熱することで可塑化した樹脂を金型内の空間に射出充填し、金型内に充填した樹脂を冷却し固化後に取り出すことで、金型内の空間形状の成形品を得る成形方法であり、各種形状の成形品を容易に製造することができる。
射出成形加工機の加工温度としては、射出成形用ポリエステル樹脂組成物が可塑化し、金型内の空間に射出充填できるシリンダー温度であればよく、好ましくは250〜300℃であり、さらに好ましくは260〜290℃である。該温度が350℃以上では、樹脂組成物の劣化等が起こる場合があり、150℃以下では溶融混練により各成分が充分に分散せず、充分な改良効果が得られない。
本発明の射出成形用ポリエステル樹脂組成物は、射出加工時の流動性が向上し、流動性の向上により、射出成形加工における成形加工性として樹脂の金型内流動長が増加することから、より大型の成形品を容易に得られ、実用的な耐衝撃性を備えた成形品は、自動車、家電、産業分野で広く用いることができる。
作用
本発明によれば、射出成形加工用原料である射出成形用ポリエステル樹脂組成物の射出加工時の流動性を向上させ、実用的な耐衝撃性を備えた大型の成形品を容易に得ることができる。
以下に代表的な例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。本例中で使用した成分は以下の通りである。
・成分(A):ポリエステル樹脂として、以下のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を用いた。
・成分(A−1):末端酸価15mg当量/kg、固有粘度(IV)0.71dl/gのホモポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG6C、鐘紡株式会社製)を80℃の温度で3時間熱風乾燥しカールフィッシャー水分計(KF)で測定した水分量が2987ppmとしたもの。
・成分(A−2):末端酸価15mg当量/kg、固有粘度(IV)0.71dl/gのホモポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG6C、鐘紡株式会社製)を120℃の温度で8時間真空乾燥しカールフィッシャー水分計(KF)で測定した水分量が289ppmとしたもの。
・成分(A−3):末端酸価13mg当量/kg、固有粘度(IV)0.9dl/gのホモポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG85A、鐘紡株式会社製)を80℃の温度で3時間熱風乾燥しカールフィッシャー水分計(KF)で測定した水分量が2673ppmとしたもの。
・成分(A−4):末端酸価25mg当量/kg、固有粘度(IV)0.54dl/gのホモポリエチレンテレフタレート(ベルペットEFG00、鐘紡株式会社製)を80℃の温度で3時間熱風乾燥しカールフィッシャー水分計(KF)で測定した水分量が1721ppmとしたもの。
・成分(B):BF(住友化学株式会社製 ボンドファーストE)
グリシジルメタクリレート含量が12質量%、エチレン含量が88質量%、メルトフローレート(190℃、21.18N荷重)が10g/10分、ガラス転移温度(Tg)が−26℃である、エチレンとグリシジルメタクリレートとの共重合体。
・成分(C):エラストマー(住友化学株式会社製 エクセレンFX CX5015)
エチレン−1−ヘキセン共重合体であって、エチレン含量が76質量%、密度が0.870g/cm3(870kg/m3)、メルトインデックスが12g/10分(190℃、21.18N荷重)、ガラス転移温度(Tg)が−26℃。
・成分(D):エポキシ樹脂(住友化学株式会社製 スミエポキシESCN220HH)
エポキシ当量が200〜230(g/eq)、軟化点が84℃以上、粘度が18ポイズ(150℃)であるオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂。
[実施例1〜7、比較例1〜6]
表1〜2に示す配合割合(質量)で成分(B)、(C)及び(D)を一括して二軸混練押出機(東芝機械(株)製,TEM50)の上流の1stフィード口より投入し、溶融混練した。スクリュー回転数は200rpm、シリンダー温度は表3に示す通りである。続いて、下流のシリンダー(C5)に設けられた2ndフィード口より成分(A)を表1〜2に示す配合割合(質量)で投入し、溶融混練した。その後、ダイスより押出した溶融樹脂のストランドを水槽にて冷却した後、ストランドカッターによりペレット化した。
実施例1と実施例2〜6は、成分(B)と成分(C)の量比と成分(A)の特性と水分量が異なるのみで、他は同じである。実施例7は、成分(A)が多く成分(C)が少ない他は実施例1と同じである。比較例1は、成分(B)と成分(C)の量比における成分(B)量比が過少なことと、水分量の調整に真空乾燥機を用いて水分量を過少とした以外は実施例1と同様に行った例である。比較例2は、水分量の調整に真空乾燥機を用いて水分量を過少とした以外は実施例1と同様に行った例である。比較例3は、水分量の調整において乾燥時間を長くし水分量を過少とした以外は実施例2と同様に行った例である。比較例4は、水分量の調整において乾燥時間を短くし水分量を過多とした以外は実施例4と同様に行った例である。比較例5は、成分(A)のIV値が過少なものを用いた以外は実施例2と同様に行った例である。比較例6は、成分(A)が過少で成分(B)、成分(C)、成分(D)が過多である以外は、実施例3と同様に行った例である。
[実施例1〜7及び比較例1〜6の評価]
得られた各ペレットをカールフィッシャー水分計(KF)にてサンプル加熱温度210℃で測定した水分量が所定の値となるように乾燥(乾燥条件は、熱風オーブンの場合は60〜80℃で2〜6時間、真空乾燥の場合は120℃で5時間で調整)し、所定の水分量の射出成形用ポリエステル樹脂組成物を得、これを射出成形用原料とし、射出成形時の流動性と衝撃強度の評価を行った。
流動性は、JIS K7210に準拠し、温度280℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR)により評価した。衝撃強度は、東芝機械株式会社製の射出成形機(IS100E)により、シリンダー温度270℃、金型温度50℃で射出成形して得られた試験片を用い、ASTM D648に準拠し、厚み3.2mmt、ノッチ付き、温度23℃で測定したアイゾッド(IZOD)衝撃強度により評価した。
結果を表1〜2に示す。
Figure 2009114402
Figure 2009114402
Figure 2009114402
一般的に、射出成形加工で大型〜超大型クラスの成形品を容易に加工し得るのに必要な良好な流動性は、MFR(280℃、21.18N)が200(g/10min)以上であり、実用的な使用に耐え得るための衝撃強度としてはIZOD(3.2mmt、23℃、ノッチ付き)が3KJ/m2以上であり、本発明にかかる実施例の組成物はいずれもこの物性を満足する。

Claims (11)

  1. ポリエステル樹脂(成分(A))84〜92質量%と、
    エポキシ基を含有するポリオレフィン樹脂(成分(B))0.07〜2.5質量%と、
    エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))5〜15質量%と、
    エポキシ樹脂(成分(D))0.2〜2質量%とを含有し(成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を100質量%とする)、
    成分(B)と成分(C)の質量比(B/C)が0.7/99.3〜28/72である樹脂成分を溶融混練してなり、水分含有量を500〜2000ppmに調整してなる射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
  2. 成分(A)の固有粘度(IV)値が0.6〜1.0(dl/g)であり、水分含有量が4000ppm以下である請求項1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
  3. 成分(A)が、リサイクルされた破砕品またはペレットである請求項1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
  4. 成分(A)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
  5. 成分(B)が、下記単位(b1)及び下記単位(b2−1)を有するエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂、または下記単位(b1)及び下記単位(b2−2)を有するエポキシ基含有ポリオレフィン樹脂である請求項1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物;
    単位(b1)エチレンから誘導される単位、
    単位(b2−1)エチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸グリシジルエステルから誘導される単位、
    単位(b2−2)エチレンと共重合可能な不飽和基を有するグリシジルエステルから誘導される単位。
  6. 単位(b1)が50〜99.9質量%、単位(b2−1)または単位(b2−2)が0.1〜50質量%である請求項5に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物(単位(b1)と単位(b2−1)または単位(b2−2)との合計量を100質量%とする。)。
  7. 成分(C)が、エチレンから誘導される単位と、炭素数3〜12のα−オレフィンから誘導される単位とを含有し、かつ下記要件(c1)及び(c2)を充足するエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物;
    要件(c1)メルトフローレート(JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定)が0.5〜30g/10分であり、
    要件(c2)密度が865〜895kg/m3である。
  8. α−オレフィンから誘導される単位が、1−ブテンまたはヘキサンから誘導される単位である請求項7に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
  9. 成分(B)、(C)及び(D)をあらかじめ溶融混練してなる請求項1に記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の射出成形用ポリエステル樹脂組成物を射出成形加工して得られる成形品。
  11. ポリエステル樹脂(成分(A))84〜92質量%と、
    エポキシ基を含有するポリオレフィン樹脂(成分(B))0.07〜2.5質量%と、
    エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))5〜15質量%と、
    エポキシ樹脂(成分(D))0.2〜2質量%とを含有し(成分(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量を100質量%とする)、
    成分(B)と成分(C)の質量比(B/C)が0.7/99.3〜28/72である樹脂成分を溶融混練してなる樹脂組成物を、その水分含有量が500〜2000ppmである状態で射出成形機に投入し射出成形を行うことを特徴とするポリエステル樹脂組成物の射出成形方法。
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