JP2012255056A - 熱可塑性樹脂発泡体及び光反射材 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体及び光反射材 Download PDF

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稔 斉藤
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Abstract

【課題】内部に平均気泡径1μm以下の微細な気泡を有し、発泡倍率が3倍以上の熱可塑性樹脂発泡体及びそれを用いた光反射材を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、該熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)0.1〜10質量部を含む樹脂組成物を用いた発泡体であって、平均気泡径が1μm以下の気泡を内部に有し、発泡倍率が3倍以上である熱可塑性樹脂発泡体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電飾看板若しくは照明器具又は各種ディスプレイのバックライトに使用される熱可塑性樹脂発泡体及び光反射材に関する。
従来、合成樹脂製のフィルムまたはシートは、電飾看板、照明器具またはディスプレイなどのバックライトの光を反射する光反射材として用いられている。この光反射材として、平均気泡径が10μm程度の内部に微細な気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この発泡体は微細な気泡を有するため、高い光反射率を実現している。また、光反射材を特定の構造とすることにより、高輝度で薄型化した液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、近年、電飾看板や各種ディスプレイの薄型化及び軽量化を図るために、光反射材にも薄肉化が必要とされている。しかし、特許文献1記載の従来の平均気泡径が10μm程度の熱可塑性樹脂発泡体では、薄肉化した場合に、従来の光反射率を維持することが困難なことが判明した。また、平均気泡径を1μm程度まで微細化した発泡体では、3倍以上の高い発泡倍率を維持することができず、軽量化の点で問題があった。また、従来の光反射材を用いて特許文献2記載の特定の構造としても、液晶表示装置の薄型化及び軽量化を実現することは困難であった。
WO97/01117号パンフレット 特開2002−122863号公報
本発明は、内部に平均気泡径1μm以下の微細な気泡を有し、発泡倍率が3倍以上の熱可塑性樹脂発泡体及びそれを用いた光反射材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、薄肉化しても高い反射率を保つために平均気泡径を従来のものより微細化する方法について、鋭意検討を行った。その結果、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物を含む樹脂組成物を用いた発泡体であって、平均気泡径が1μm以下の気泡を内部に有し、発泡倍率が3倍以上の熱可塑性樹脂発泡体が、破泡のない均一な気泡構造を形成でき、上記の課題を解決できることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
すなわち本発明は、
<1>熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、該熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)0.1〜10質量部を含む樹脂組成物を用いた発泡体であって、平均気泡径が1μm以下の気泡を内部に有し、発泡倍率が3倍以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体、
<2>前記熱可塑性樹脂(A)がポリエステル樹脂であることを特徴とする<1>記載の熱可塑性樹脂発泡体、
<3>前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであり、かつIV値が0.75以上であることを特徴とする<2>記載の熱可塑性樹脂発泡体、
<4>前記熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)がスチレン系オキサゾリン基含有ポリマーであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂発泡体、
<5>可視光領域の全反射率が硫酸バリウム比で100%以上であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂発泡体、
<6>熱可塑性樹脂(A)と該熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)とを含む樹脂組成物シートを加圧不活性ガス雰囲気中に保持して不活性ガスを含有させる工程と、不活性ガスを含有させた樹脂組成物シートを常圧下で加熱発泡させる工程とを含む方法により製造することを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂発泡体、及び
<7><1>〜<6>のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂発泡体を用いて成形されていることを特徴とする光反射材、
を提供するものである。
本発明は、薄肉化しても内部に平均気泡径1μm以下の微細な気泡を有し、反射率が高く、発泡倍率が3倍以上の熱可塑性樹脂発泡体及びそれを用いた光反射材を提供することができる。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、該熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)0.1〜10質量部を含む樹脂組成物を用いた発泡体であって、平均気泡径が1μm以下の気泡を内部に有し、発泡倍率が3倍以上の熱可塑性樹脂発泡体である。
まず、本発明の熱可塑性樹脂発泡体のうち、熱可塑性樹脂(A)について説明する。
(A)熱可塑性樹脂
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A)は、熱可塑性樹脂であれば特に制限されることはないが、後述の化合物(B)が、熱可塑性樹脂(A)と反応して、化合物(B)を介して、該熱可塑性樹脂の網目構造を形成する必要がある。ここで、熱可塑性樹脂の網目構造を形成するとは、熱可塑性樹脂(A)と反応性を有する官能基を、化合物(B)中に有していることをいう。熱可塑性樹脂(A)は、前記化合物(B)と反応性を有する基を少なくとも1つ以上有することが好ましい。熱可塑性樹脂(A)は1種類でも、2種類以上のものを用いてもよい。熱可塑性樹脂の中でも結晶性樹脂が好ましい。例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等を適宜選択することができる。材料価格と物性のバランスを考えると、ポリエステル樹脂が特に好ましい。なお、本発明において、結晶性の熱可塑性樹脂は一種を単独で用いて二種以上を混合して用いてもよい。
ポリエステル樹脂の代表的な例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のほか、ポリエチレンイソフタレート・テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート・テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート・ナフタレート等のようなポリエステルの共重合体などが挙げられる。材料価格と物性のバランスを考えると、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
ポリエチレンテレフタレートの中でも、IV値が0.75以上であることが好ましい。IV値とは、下記式(1)で定義され、JIS K 7390に従い、測定される固有粘度のことをいい、後述の実施例に記載された条件で測定されたものをいう。IV値が大きければ測定された樹脂の分子量が大きく、IV値が小さければ測定された樹脂の分子量が小さいことを意味し、間接的に樹脂分子量を表す。IV値を0.75以上とすることにより、均一な気泡構造の発泡体を得ることができる。IV値が小さすぎると、気泡が破泡して微細な気泡の発泡体を得ることができない。IV値に上限はないが、通常、1.10以下である。IV値は好ましくは、0.84〜1.05、特に好ましくは、0.95〜1.05である。
Figure 2012255056
IV :IV値(dL/g)
ηsp :比粘度(=t/t−1)
:混合溶媒の流出時間(秒)
:試験溶液の流出時間(秒)
κ :ポリエチレンテレフタレートの固有係数(=0.3083)
C :濃度 (0.4g/dL)
(B)熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物
本発明に用いられる前記(A)成分の熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)は、この化合物(B)を介して、上記の熱可塑性樹脂との間に網目構造を形成できるものであれば特に制限されない。例えば、熱可塑性樹脂(A)にカルボキシル基やヒドロキシル基を有する場合、化合物(B)としては、グリシジル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基等から選ばれた少なくとも1種を多官能で有するポリマーやオリゴマーを用いることができる。
熱可塑性樹脂(A)として、ポリエチレンテレフタレートを用いた場合は、該樹脂(A)の末端に結合したカルボキシル基との反応性の観点から、化合物(B)として、グリシジルメタクリレート変性のアクリロニトリル−スチレン共重合体や、スチレン系オキサゾリン基含有ポリマー等を用いることができる。熱可塑性樹脂(A)として、ポリアミド樹脂を用いた場合は、該樹脂(A)の末端に結合したカルボキシル基との反応性の観点から、化合物(B)として、グリシジルメタクリレート変性のアクリロニトリル−スチレン共重合体や、スチレン系オキサゾリン基含有ポリマー等を用いることができる。
化合物(B)の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部である。化合物(B)の量が少なすぎると気泡を微細化する効果が低く、逆に化合物(B)の量が多すぎると樹脂マトリックスの剛直性が過大となり発泡させることが難しくなる。気泡微細化効果と架橋の均一性を考慮すると、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、化合物(B)は好ましくは、0.5〜1.5質量部、さらに好ましくは、0.7〜1.2質量部、特に好ましくは、0.95〜1.05質量部である。
(C)その他の配合剤
上記の(A)熱可塑性樹脂及び(B)熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物のほかに、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、必要に応じて、発泡剤、結晶化促進剤、気泡核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、蛍光増
白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤などの各種添加剤を配合したものを、(A)熱可塑性樹脂の結晶融点以上の温度で溶融混練することにより樹脂組成物を得ることができる。
(D)発泡体の製造方法
上記の樹脂組成物は、この溶融混練過程で、熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物
(B)が熱可塑性樹脂(A)と反応し、熱可塑性樹脂は前記化合物(B)を介して、網目構造を形成する。しかしこの網目構造は一般的な架橋構造に対して粗であるため、熱可塑性樹脂(A)を用いて架橋しない場合と比較しても、粘弾性等の物性に大きな違いは生じない。このため、従来の架橋剤を用いて発泡体を製造する場合と異なり、最終的に、平均気泡径が1μm以下の気泡を内部に有し、発泡倍率が3倍以上の熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。本発明の熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法は特に制限されず、バッチ発泡法、押出発泡法等を挙げることができる。バッチ発泡法とは、樹脂組成物を用いて、網目構造が形成された未発泡の発泡体母板を製造し、その後の処理をバッチ方式で行うことにより、発泡体を製造する方法である。
(D1)バッチ発泡法
混練温度や混練時間等の混練条件を、熱可塑性樹脂(A)の溶融する温度で適宜設定し、樹脂組成物を押出機などでシート状に成形し、網目構造が形成された樹脂シート(発泡体母板)を作製する。その後、当該樹脂シートとセパレータとを重ねて巻くことによりロール状にする。このロールを加圧不活性ガス雰囲気中に保持することにより当該樹脂シートに不活性ガスを含有させる。さらに、不活性ガスを含有させた当該樹脂シートを常圧下で熱可塑性樹脂(A)の軟化温度以上に加熱して発泡させる。こうして熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。
不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられる。樹脂シートが飽和状態になるまでの不活性ガス浸透時間および不活性ガス浸透量は、発泡させる樹脂の種類、不活性ガスの種類、浸透圧力およびシートの厚さによって異なる。その中でも、樹脂へのガス浸透性(速度、溶解度)の観点から、二酸化炭素がより好ましい。
なお、この方法では、樹脂シートとセパレータとからなるロールに加圧不活性ガス雰囲気中で不活性ガスを含有させる前に、樹脂シートに有機溶剤を含有させてもよい。
有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、ギ酸エチル、アセトン、酢酸、ジオキサン、m−クレゾール、アニリン、アクリロニトリル、フタル酸ジメチル、ニトロエタン、ニトロメタン、ベンジルアルコールなどが挙げられる。その中でも、取り扱い性および経済性の観点からアセトンがより好ましい。
(D2)押出発泡法
押出発泡法としては、(A)熱可塑性樹脂、(B)熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物のほかに、発泡剤を加えたものを、(A)熱可塑性樹脂の結晶融点以上の温度で溶融混練することにより樹脂組成物を得、混練温度や混練時間等の混練条件を、熱可塑性樹脂(A)の溶融する温度で適宜設定し、網目構造を形成させつつ、シートに成形し、押出機のダイから押出すと同時に発泡させて熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機系化学発泡剤の他、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アジド化合物、ホウ水素化ナトリウム、軽金属等の無機系発泡剤を適宜使用することができる。
(E)熱可塑性樹脂発泡体
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、平均気泡径が1μm以下の気泡を内部に有する。気泡の平均気泡径は0.75μm以下が好ましく、さらに好ましくは、0.5μm以下である。平均気泡径が大きすぎると、透過率が大きくなり反射板としての機能を減衰することとなる。
また、本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、発泡倍率は3倍以上である。発泡倍率は、ASTM D 3576−77に準じて求められた値をいい、後述の実施例に記載された条件で測定されたものをいう。発泡倍率は好ましくは、3.0倍以上であり、好ましい発泡倍率に上限はないが、通常、上限は40倍である。発泡倍率は好ましくは、3.0〜15.0倍、さらに好ましくは、4.0〜10.0倍である。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の光の全反射率は可視光領域において酸化アルミニウム比で99%以上であることが好ましく、特に100%以上であることが好ましい。なお、ここで述べる全反射率とは、分光光度計(U−4100:(株)日立ハイテクフィールディング製)の550nmの波長において酸化アルミニウム白板(210−0740:(株)日立ハイテクフィールディング製)の反射率を100%とし、反射材表面の反射率を相対値で示したものである。
発泡倍率は基本的には高ければ高いほど反射率が向上する。本発明の熱可塑性樹脂発泡体を光反射材として使用する場合には、光反射材としての機械的剛性、所望の反射率を得るための発泡体の厚さ等を考慮し適宜設計することができる。熱可塑性樹脂発泡体の反射率は高ければ高いほど照明装置、面光源装置等に設置された際の光の有効使用率をあげることが可能であり、装置の電力効率を改善することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂発泡体には、前記の各種添加剤を含有する樹脂を積層してもよいし、上記添加剤を含有する塗料をコーティングしてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、液晶テレビなどをはじめとする液晶表示装置や電飾看板などに用いられる反射板に用いた場合に、微細発泡かつ高反射率であるので、光源数を増やす、光源の消費エネルギーを増やすなどの手段によらずに面光源装置の正面輝度を向上させることができ、薄膜、例えば、厚さ0.6mm以下の厚さにしても光学特性を損なうことがない。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例について、下記の評価を行った。各試験とその評価は以下の方法で行った。
(1)平均気泡径
ASTMD3576−77に準じて求めた。シートの断面のSEM写真を撮影し、SEM写真上に水平方向と垂直方向に直線を引き、直線が横切る気泡の弦の長さtを平均した。写真の倍率をMとして、下記式に代入して平均気泡径dを求めた。
d=t/(0.616×M)
(2)発泡倍率
ASTM D 3576−77に準じて、水中置換法により測定された発泡体シートの比重(ρf)と発泡前の樹脂の比重(ρs)との比ρs/ρfとして算出した。
(3)反射率
0.8mm厚のサンプルの光線反射率を測定した。各サンプルを分光光度計(日立ハイテク社製U−4100)にて分光スリット4nmの条件にて光線波長550nmでの分光全反射率の測定を行った。リファレンスは酸化アルミニウム白板(210−0740:(株)日立ハイテクフィールディング製)を使用し、測定値はリファレンスに対する相対値とした。
(4)IV値(固有粘度)
シートの材料の熱可塑性樹脂のIV値(固有粘度)を測定した。IV値(固有粘度)の測定はJIS K 7390に記載の方法で行った。すなわち、毛細管径が0.8mmである常用測定範囲2〜10mm/s{cSt}のウベローデ粘度計を用い、0.2gのサンプルを50mLの60:40のフェノール:テトラクロロエタン混合溶媒中に溶解した試験溶液の流出時間t(秒)を測定することで行う。このとき混合溶媒の流出時間をtとすると、サンプルのIV値は以下の式によって算出される。
Figure 2012255056
IV :IV値(dL/g)
ηsp :比粘度(=t/t−1)
:混合溶媒の流出時間(秒)
:試験溶液の流出時間(秒)
κ :ポリエチレンテレフタレートの固有係数(=0.3083)
C :濃度 (0.4g/dL)
(5)比重
熱可塑性樹脂発泡体の比重を水中置換法により測定した。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ製NEH2070、IV値=0.84)100質量部に対して、該ポリエチレンテレフタレート樹脂の網目構造を形成する化合物として、スチレン系オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒株式会社製エポクロスRPS−10)を1.0質量部加え、235〜260℃に設定された同方向二軸押出機(テクノベル製KZW15−30MG)で溶融混錬した。混錬したシートを幅120mmのTダイから押し出し、70℃に設定されたロールで引き取り、母板となるシートを得た。
次に、前述の母板を圧力容器内に静置し、温度17℃のもと、容器内に5.5MPaの圧力で炭酸ガスを満たして48時間放置した。
所定時間経過後、母板を圧力容器から取り出し、母板のガス浸透量を測定したところ7.9重量%であった。次に235℃の温度に設定した恒温槽内で母板を1分間加熱し発泡させて、厚さ1.0mmの熱可塑性樹脂発泡体を得た。得られた発泡体の平均気泡径は1.0μm、発泡倍率は4.0倍、比重0.34、反射率は100.7%であった。
(実施例2)
実施例1で使用したポリエチレンテレフタレート樹脂の網目構造を形成する化合物として、グリシジルメタクリレート変性のアクリロニトリル−スチレン共重合体0.5質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ1.0mmの熱可塑性樹脂発泡体を得た。得られた発泡体の平均気泡径は1.0μm、発泡倍率は4.0倍、比重0.34、反射率は100.0%であった。
(比較例1)
熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物を使用しなかった以外は実施例1と同様の方法で、厚さ1.0mmの熱可塑性樹脂発泡体を得た。得られた発泡体の平均気泡径は20μm、発泡倍率は2.0倍、比重0.68、反射率は96.0%であった。
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(商品名:SA1206、ユニチカ製、IV値=1.05)100質量部に対して、該ポリエチレンテレフタレート樹脂の網目構造を形成する化合物を加えずに、ポリエステル系エラストマー(商品名:ハイトレル2551、東レ製)を2質量部添加した以外は実施例1と同様にして、厚さ1.0mmの熱可塑性樹脂発泡体を得た。得られた発泡体の平均気泡径は0.9μm、発泡倍率は2.5倍、比重0.55、反射率は100.5%であった。
(比較例3)
比較例2のポリエチレンテレフタレート樹脂に、該ポリエチレンテレフタレート樹脂の網目構造を形成する化合物を加えずに、変性SEBS(商品名:ダイナロン8630P、JSR製)を1質量部添加した以外は実施例1と同様にして、厚さ1.0mmの熱可塑性樹脂発泡体を得た。得られた発泡体の平均気泡径は1.3μm、発泡倍率は3.3倍、比重0.41、反射率は99.8%であった。
(比較例4)
比較例2のポリエチレンテレフタレート樹脂に、該ポリエチレンテレフタレート樹脂の網目構造を形成する化合物を加えずに、変性ポリエチレン(商品名:ボンドファーストE、東洋紡製)を3質量部添加した以外は実施例1と同様にして、厚さ1.0mmの熱可塑性樹脂発泡体を得た。得られた発泡体の平均気泡径は3.0μm、発泡倍率は3.3倍、比重0.41、反射率は99.0%であった。
(比較例5)
ポリエチレンテレフタレート(商品名:RE565、東洋紡製、IV値=0.75)に、該ポリエチレンテレフタレート樹脂の網目構造を形成する化合物を加えずに、変性SEBS(商品名:ダイナロン8630P、JSR製)を1質量部添加した以外は実施例1と同様にして、厚さ1.0mmの熱可塑性樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は破泡構造を有しており、発泡倍率は3.6倍、比重0.38、反射率は97.0%であった。
Figure 2012255056
表1の比較例からわかるように、熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物を加えなかった樹脂組成物を用いた発泡体は平均気泡径、発泡倍率及び反射率の少なくとも1つに問題を生じた。これに対して実施例では、平均気泡径、発泡倍率及び反射率のすべてに優れ、光反射材など多くの用途に使用できる発泡体を提供できることがわかった。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、該熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)0.1〜10質量部を含む樹脂組成物を用いた発泡体であって、平均気泡径が1μm以下の気泡を内部に有し、発泡倍率が3倍以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  3. 前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであり、かつIV値が0.75以上であることを特徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  4. 前記熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)がスチレン系オキサゾリン基含有ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  5. 可視光領域の全反射率が硫酸バリウム比で100%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  6. 熱可塑性樹脂(A)と該熱可塑性樹脂の網目構造を形成する化合物(B)とを含む樹脂組成物シートを加圧不活性ガス雰囲気中に保持して不活性ガスを含有させる工程と、不活性ガスを含有させた樹脂組成物シートを常圧下で加熱発泡させる工程とを含む方法により製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂発泡体を用いて成形されていることを特徴とする光反射材。
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