JP5367279B2 - ポリエステル系樹脂発泡体およびそれを用いた光反射板 - Google Patents

ポリエステル系樹脂発泡体およびそれを用いた光反射板 Download PDF

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Description

本発明は、内部に微細な孔を有するポリエステル系樹脂発泡体に関する。本発明のポリエステル系樹脂発泡体は、高い光反射率および輝度を有するため、電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどの光反射板として好適に用いることができる。
従来、電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどに使用される光反射板として、光を反射する合成樹脂製のフィルムまたはシートを立体的な形状に加工した光反射板が提案されている(例えば特許文献1参照)。
光を反射する合成樹脂製のフィルムまたはシートとしては、内部に微細な気泡または気孔を多数有する熱可塑性樹脂発泡体のフィルムまたはシート(例えば特許文献2参照)や、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムであって、フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルム(例えば特許文献3参照)が知られている。
前者の微細な気泡または気孔を多数有する熱可塑性樹脂発泡体は、溶融状態または固体状態の熱可塑性樹脂に、加圧下で不活性ガスを接触させた後、除圧し、常圧下でその樹脂の軟化温度以上に加熱して発泡させることにより得られる。得られた熱可塑性樹脂発泡体のフィルムまたはシートは、平均気泡径が50μm以下と微細であるため、高い光反射率を有するとともに、厚さを200μm以上とすることが可能であるため、優れた形状保持性を有しており、熱可塑性樹脂発泡体のフィルムまたはシート単独で立体的な形状に加工することが可能である。なお、熱可塑性樹脂発泡体のフィルムまたはシートの光反射率は、一般に単位体積当たりの気泡数が多いほど高い値を示す傾向がある。このとき、気泡径を小さくすればするほど樹脂の単位体積当たりに多くの気泡を含有させることができるため、高い光反射率を達成することができる。その結果、フィルムまたはシートの薄型化も可能となるため、より微細な気泡または気孔を多数有する熱可塑性樹脂発泡体が求められている。
一方、後者のフィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムは、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどのフィラーを含有する未延伸フィルムを成形し、この未延伸フィルムを延伸することにより、フィラーを核として多数のボイドを形成させることにより得られる。しかしながら、延伸処理を施すため、得られたフィルムの厚さが200μm未満と薄くなり、フィルム単独では形状保持性を有さないとともに、フィルム背面へ漏洩する光も多くなる。よって、フィルムの背面に十分な強度と遮光性を有する板を配置して用いられる。
ところで、熱可塑性ポリエステル系樹脂に、エラストマーが混合されてなる熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体が知られている(例えば特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4には、ポリエステルにエラストマーを混合することで、耐衝撃性が向上する旨が記載されているにすぎず、得られる発泡体の気泡径については何ら記載も示唆もない。特許文献4に記載されている押出発泡法では、気泡の微細化および均一分散化を達成することは困難であり、実際に、ポリエステルにエラストマーを混合し、押出発泡して作製したシートは、気泡径が大きく、この押出発泡シートで反射板を作っても、光反射率が低いため、光反射板としての十分な機能を有していなかった。
特開2002−122863号公報 WO 2006/068009 A1号公報 特開平4−296819号公報 特開平11−49883号公報
近年、省電力化が求められており、より高い光反射率を有する樹脂のフィルムまたはシートが要求されている。特に、電飾看板やディスプレイの分野では、省スペース化のニーズが高まっており、光を反射する樹脂のフィルムまたはシートの薄型化が要求されている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、微細な気泡を有し、高い光反射率および輝度を有するポリエステル系樹脂発泡体およびそれを用いた光反射板を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述した課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性ポリエステル樹脂に対し、ポリエステル系エラストマーを特定の割合で添加して発泡させることにより、内部に孔径8μm以下の微細な孔を有するポリエステル系樹脂発泡体が得られることを見出した。
なお、前述した特許文献2には、熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性樹脂Aと親和性を持つ官能基を有する熱可塑性樹脂Bとからなる樹脂シートが記載されている。特許文献2の段落0017には、熱可塑性樹脂Bとしてポリエステル系エラストマーを用いることが記載されているが、特許文献2の実施例で挙げられている熱可塑性樹脂Bは変性SEBS(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンコポリマー)や変性ポリエチレン等の変性ポリオレフィンのみであり、熱可塑性樹脂Bとしてポリエステル系エラストマーを用いた実施例は特許文献2には示されていない。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記(1)〜(4)のポリエステル系樹脂発泡体および(5)の光反射板を提供するものである。
(1)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、ポリエステル系エラストマー0.1〜10重量部が添加された樹脂からなり、延伸多孔化によらない方法で内部に平均気泡径8μm以下の複数の孔を形成したことを特徴とするポリエステル系樹脂発泡体。
(2)前記ポリエステル系エラストマーが、分子中にフェニレン骨格およびエステル結合を有するモノマーのブロック共重合体であることを特徴とする(1)のポリエステル系樹脂発泡体。
(3)比重が0.65以下であることを特徴とする(1)または(2)のポリエステル系樹脂発泡体
(4)光の全反射率が98%以上であることを特徴とする(1)〜(3)のポリエステル系樹脂発泡体。
(5)(1)〜(4)のポリエステル系樹脂発泡体を用いたことを特徴とする光反射板。
以下に、本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂へのポリエステル系エラストマー(TPEE)の添加効果を述べる。発泡体の気泡を微細にするには、気泡の元となる気泡核を多く生成する必要がある。気泡核生成数が多ければ、その後の気泡成長時にお互いの気泡の成長を阻害しあい、気泡径の増大を抑えることができるからである。気泡核生成数を増やすためには、ベース樹脂に対して添加剤を微分散させる必要がある。気泡核は、まずベース樹脂と添加剤との界面で発生するため、界面面積が大きいほど生じる気泡核数が増えるからである。添加剤を微分散させるためには、ベース樹脂と添加剤の相互作用を増やす必要がある。相互作用が多ければ多いほど、ベース樹脂の分子鎖間に添加剤が入り込むことができ、微分散することができる。
ベース樹脂が極性基を多く持った樹脂(以下、極性樹脂と呼ぶ。ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド等。)の場合には、次の様な理論が成り立つ。上述した相互作用を増やすためには、分子間水素結合を多くする必要がある。分子間水素結合を増やすためには、極性基を多く導入する必要がある。その理由は以下による。極性基は電気陰性度の高い原子と低い原子が結合してできているため、電気陰性度の高い原子側に電子が集中し、この原子は負の電荷を持つことになる。逆に電気陰性度の低い原子は電子を奪われ、正の電荷を持つ。すると、負の電荷を持った原子と別の分子中にある正電荷を持つ原子とが水素結合するようになる。
変性SEBSは、スチレン−エチレン−ブチレンのブロック共重合体の一部部位に極性官能基を導入したオレフィン系エラストマーであり、その極性官能基が極性樹脂と親和性を有するため、極性基を導入しないオレフィン系エラストマーよりも分散性が高い。しかし、大多数は無極性の官能基で構成されているため、極性樹脂に対して分子間水素結合をする能力は比較的低い。一方でTPEEは、極性官能基を数多く有しているため、分子間水素結合が可能な部位が数多くある。そのため、極性樹脂と相互作用が強く、分散性も高いため、気泡の微細化が可能になったと考えられる。以上の事項を示したフロー図を図1に示す。
本発明により得られるポリエステル系樹脂発泡体は、平均気泡径が微細であるため、光反射率および輝度が高く、シートの薄型化も可能であり、光反射板として好適に用いることができる。すなわち、本発明では、熱可塑性ポリエステル樹脂に対する添加剤としてポリエステル系エラストマーを用いることで、添加剤として変性ポリオレフィンを用いた特許文献2の熱可塑性樹脂発泡体よりも気泡の微細化が可能となり、例えば特許文献2の熱可塑性樹脂発泡体よりも光反射率が1%以上または輝度が3%以上向上するものである。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明において用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等を適宜選択することができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、特にポリエチレンテレフタレートが発泡性、耐熱性の面で好適である。
本発明において用いられるポリエステル系エラストマーとしては、限定されるものではないが、光反射率および輝度の向上の点で、分子中にフェニレン骨格およびエステル結合を有するモノマーのブロック共重合体を好適に用いることができる。上記ブロック共重合体としては、例えば下記式(1)に示すものを挙げることができる。式(1)において、mは2以上、nは2以上、pは2〜20、qは10〜200である。
Figure 0005367279
また、上記ブロック共重合体としては、式(1)に示すものの他、ハードセグメントが芳香族ポリエステルからなり、ソフトセグメントがポリエーテルからなるポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体、ハードセグメントが芳香族ポリエステルからなり、ソフトセグメントが脂肪族ポリエステルからなるポリエステル・ポリエステルブロック共重合体を用いることができる。上記ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体は、芳香族ポリエステルとポリエーテルとを公知の方法により共縮合させることにより得られ、上記ポリエステル・ポリエステルブロック共重合体は、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとを公知の方法により共縮合させることにより得られる。
上記ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体およびポリエステル・ポリエステルブロック共重合体を形成する芳香族ポリエステルセグメントは、芳香族ジカルボンから導かれる単位と、ジヒドロキシ化合物から導かれる単位とからなっている。芳香族ジカルボン酸として、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらは、2種以上の組み合わせであってもよい。また、ジヒドロキシ化合物として、具体的には、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物;p−キシレングリコールなどの芳香族ジヒドロキシ化合物;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。これらは、2種以上の組み合わせであってもよい。
芳香族ポリエステルセグメントは、芳香族ジカルボン酸成分およびジヒドロキシ化合物成分1種ずつからなるホモポリエステルであってもよく、いずれか一方が2種以上からなるか、あるいは両成分がそれぞれ2種以上からなる共重合ポリエステルであってもよい。
また、ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体のソフトセグメントであるポリエーテルとしては、具体的にポリブタンジオール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
ポリエステル・ポリエステルブロック共重合体のソフトセグメントである脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジカルボン酸から導かれる単位と、ジヒドロキシ化合物から導かれる単位とからなる。脂肪族ジカルボン酸としては、具体的にアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸およびこれらの誘導体などが挙げられ、これらの組み合わせであってもよい。ジヒドロキシ化合物は、芳香族ポリエステル(ハードセグメント)で示したものと同様のものが挙げられる。
本発明において、ポリエステル系樹脂発泡体の比重が大きくなる、つまり発泡倍率が小さくなると、結果として気泡率の低下による反射率の低下や成形性の低下、軽量化効果の減少につながるので、得られたポリエステル系樹脂発泡体の比重は0.7以下であることが好ましい。上記比重は、より好ましくは、0.65以下、さらに好ましくは0.5以下である。
本発明においては、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、ポリエステル系エラストマーを0.1〜10重量部を添加する。ポリエステル系エラストマーの添加量が0.1重量部未満であると、得られる発泡体の気泡径が大きくなる傾向があり、分散も不均一となる傾向にある。ポリエステル系エラストマーの添加量が10重量部を超えると、コストの面で不利である。上記添加量は、より好ましくは1〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部である。
本発明においては、得られるポリエステル系樹脂発泡体の特性に影響を及ぼさない範囲で、発泡前の熱可塑性ポリエステル樹脂に、結晶化核剤、結晶化促進剤、気泡化核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。また、得られたポリエステル系樹脂発泡体に上記添加剤を含有する樹脂を積層してもよいし、上記添加剤を含有する塗料をコーティングしてもよい。紫外線防止剤などを含む層をポリエステル系樹脂発泡体の少なくとも一方の表面に付与することは、熱可塑性ポリエステル樹脂やポリエステル系エラストマーに紫外線劣化しやすいものを用いた場合でも十分な耐紫外線劣化防止能を付与できるので、特に好ましい。
本発明のポリエステル系樹脂発泡体を製造する方法は特に限定されないが、量産性を考慮すると、例えば以下のような方法を用いることが好ましい。すなわち、熱可塑性ポリエステル樹脂とポリエステル系エラストマーとからなる樹脂シートを作製し、この樹脂シートとセパレータとを重ねて巻くことによりロール形成し、このロールを加圧不活性ガス雰囲気中に保持して樹脂シートに不活性ガスを含有させ、さらに不活性ガスを含有させた樹脂シートを常圧下で熱可塑性ポリエステル樹脂の軟化温度以上に加熱して発泡させる、という方法を用いることが好ましい。
上記不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられる。樹脂シートが飽和状態になるまでの不活性ガス浸透時間および不活性ガス浸透量は、発泡させる樹脂の種類、不活性ガスの種類、浸透圧力およびシートの厚さによって異なる。樹脂へのガス浸透性(速度、溶解度)を考慮すると、二酸化炭素がより好ましい。
なお、上記方法では、樹脂シートとセパレータとからなるロールを加圧不活性ガス雰囲気中に保持して樹脂シートに不活性ガスを含有させる前に、樹脂シートに有機溶剤を含有させてもよい。有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、ギ酸エチル、アセトン、酢酸、ジオキサン、m−クレゾール、アニリン、アクリロニトリル、フタル酸ジメチル、ニトロエタン、ニトロメタン、ベンジルアルコールなどが挙げられる。これらのうち、取り扱い性および経済性の観点からアセトンがより好ましい。
本発明のポリエステル系樹脂発泡体は、平均気泡径が8μm以下であることが好ましい。平均気泡径が8μmを超えると反射が不均一かつ全反射率が98%未満となり、十分な反射が得られない。8μm以下であれば面内に均一に反射でき、全反射率が98%以上となる。平均気泡径は、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
本発明のポリエステル系樹脂発泡体は、光の全反射率が98%以上であることが好ましい。全反射率は、より好ましくは99.5%以上、さらに好ましくは100%以上である。なお、ここで述べる全反射率とは、分光光度計(UV−3101PC:島津製作所製)を用いて、硫酸バリウムの微粉末を固めた白板の550nmの波長における反射率を100%とし、相対値で示したものである。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでない。実施例および比較例で得られたポリエステル系樹脂発泡体の各種特性の測定および評価は以下の通りとした。
(比重)
発泡体シートの比重(ρf)を水中置換法により測定した。
(発泡倍率)
発泡体シートの比重(ρf)と、発泡前の樹脂の比重(ρs)との比ρs/ρfとして算出した。ただし、ρsは1.34として計算した。
(平均気泡径)
ASTM D3576−77に準じて求めた。すなわち、シートの断面のSEM写真を撮影し、SEM写真上に水平方向と垂直方向に直線を引き、直線が横切る気泡の弦の長さtを平均した。写真の倍率をMとして、下記式に代入して平均気泡径dを求めた。
d=t/(0.616×M)
(全反射率)
分光光度計(UV−3101PC:島津製作所製)を用いて、550nmの波長における反射率を測定した。表1においては、硫酸バリウムの微粉末を固めた白板の全反射率を100%として、各々のポリエステル系樹脂発泡体の拡散反射率を相対値で示している。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:SA−1206、ユニチカ製、ρs=1.34)100重量部に、ポリエステル系エラストマー(グレード:ハイトレル2551、東レ・デュポン製)2重量部を添加して混練した後、0.5mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形した。この樹脂シートと、160μm厚さ×290mm幅×60m長さ、目付量55g/mのオレフィン系不織布のセパレータ(グレード:FT300、日本バイリーン製)を重ねて、樹脂シートの表面同士が接触する部分がないように巻いてロール状にした。
その後、上記ロールを圧力容器に入れ、炭酸ガスで6MPaに加圧し、樹脂シートに炭酸ガスを浸透させた。樹脂シートへの炭酸ガスの浸透時間は72時間とした。次に、圧力容器からロールを取り出し、セパレータを取り除きながら樹脂シートだけを220℃に設定した熱風循環式発泡炉に発泡時間が1分となるように連続的に供給して発泡させた。
得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径が0.9μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は101%と非常に高い値を示した。
(実施例2)
ポリエステル系エラストマー(グレード:ハイトレル2551、東レ・デュポン製)の添加量を3重量部としたこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径が0.9μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は100.5%と非常に高い値を示した。
(実施例3)
ポリエステル系エラストマー(グレード:ハイトレル2551、東レ・デュポン製)の添加量を1重量部としたこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径が0.7μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は100.7%と非常に高い値を示した。
(実施例4)
ポリエステル系エラストマー(グレード:ハイトレル2551、東レ・デュポン製)の添加量を5重量部としたこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径が0.9μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は100.8%と非常に高い値を示した。
(実施例5)
ポリエステル系エラストマー(グレード:ハイトレル2551、東レ・デュポン製)の添加量を10重量部としたこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径が0.9μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は100.1%と非常に高い値を示した。
(実施例6)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:SA−1206、ユニチカ製、ρs=1.34)に、ポリエステル系エラストマー(グレード:ハイトレル4057、東レ・デュポン製)を2重量部添加して混練した後、0.5mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形したこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径が0.6μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は101%と非常に高い値を示した。
(実施例7)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:SA−1206、ユニチカ製、ρs=1.34)に、ポリエステル系エラストマー(グレード:プリマロイB1910N、三菱化学製)を2重量部添加して混練した後、0.5mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形したこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径が0.8μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は100.2%と非常に高い値を示した。
(実施例8)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:SA−1206、ユニチカ製、ρs=1.34)に、ポリエステル系エラストマー(グレード:プリマロイB1942N、三菱化学製)を2重量部添加して混練した後、0.5mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形したこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径が0.8μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は100.7%と非常に高い値を示した。
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:SA−1206、ユニチカ製、ρs=1.34)に、官能基を有するSEBS(ダイナロン8630P、JSR製)を3重量部添加して混練した後、0.5mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形したこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体の平均気泡径は1.3μmであった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は99.5%であった。
(比較例2)
官能基を有するSEBS(ダイナロン8630P、JSR製)の添加量を5重量部としたこと以外は比較例1と同条件とした。得られた発泡体の平均気泡径は2.5μmであった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は99.1%であった。
(比較例3)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:SA−1206、ユニチカ製、ρs=1.34)に、官能基を有するSEBC(ダイナロン4630P、JSR製)1重量部を添加して混練した後、0.5mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形したこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体の平均気泡径は2.1μmであった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は99.2%であった。
(比較例4)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:SA−1206、ユニチカ製、ρs=1.34)に、官能基を有するポリエチレン(ボンドファーストE、住友化学製)4重量部を添加して混練した後、0.5mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形したこと以外は実施例1と同条件とした。得られた発泡体の平均気泡径は1μmであった。発泡体の厚さは0.8mmとなり、発泡体シートの全反射率は99%であった。
上記実施例および比較例で使用した添加剤、実施例および比較例で得られた発泡体の特性の測定結果を表1に示す。
Figure 0005367279
本発明の作用効果を示すフロー図である。

Claims (5)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、ポリエステル系エラストマー0.1〜10重量部が添加された樹脂からなり、延伸多孔化によらない方法で内部に平均気泡径8μm以下の複数の孔を形成したことを特徴とするポリエステル系樹脂発泡体。
  2. 前記ポリエステル系エラストマーが、分子中にフェニレン骨格およびエステル結合を有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂発泡体。
  3. 比重が0.65以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル系樹脂発泡体
  4. 光の全反射率が98%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂発泡体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂発泡体を用いたことを特徴とする光反射板。
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