JP5367367B2 - 熱可塑性樹脂発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂発泡体に関し、さらに詳しくは、表面に多数の微細な凹凸を有するシート状の熱可塑性樹脂発泡体に関する。本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、もともと紫外線劣化しやすい樹脂を用いた場合でも、大幅なコスト増を招くことなく耐紫外線特性を付与することができるため、電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどの光反射板として好適に用いることができる。
従来、電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどに使用される光反射板として、光を反射する合成樹脂製のフィルムまたはシートを立体的な形状に加工した光反射板が提案されている(例えば特許文献1参照)。
電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどに用いられる光源から出射する光には、エネルギーの高い紫外領域の光(紫外線)が含まれている。したがって、電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどに用いられる樹脂製部材のうち、紫外線によって劣化しやすいものは、長期使用において劣化が進んでしまうが、通常は光源自身に紫外線の照射強度を弱化する工夫が施されているため、屋外で暴露使用する樹脂製部材に比較してはるかに劣化速度は遅い。
しかしながら、電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどに用いられる樹脂製部材は、たとえ強度が十分使用に耐えうるものであっても、その用途ゆえに使用開始時に比較して表面の色目がわずかに変化しただけで品位が劣化したと評価され、使用限界を超えたと判断されることが多い。これは、通常の樹脂製品に要求される耐紫外線特性を考慮すると、はるかに厳しい要求である。
一方、電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどに用いられる樹脂製部材に対しても、コストダウンの要求は近年一層高まっており、大幅なコスト増を避けながら、上記のような厳しい耐紫外線特性を満たす必要がある。
これに対し、特許文献2には、樹脂反射板の表面に光安定剤を含有する塗布層を設けることにより、樹脂反射板に耐紫外線特性を付与する手法が開示されている。しかしながら、この方法では特殊な光安定剤を用いて耐紫外線特性を持たせるため、大幅なコスト増が避けられない。
特許文献3には、樹脂組成物の組成内容を工夫することで、紫外線吸収剤を添加することなく、樹脂製品に耐紫外線特性を付与する手法が開示されている。しかしながら、この手法は樹脂製容器に関するものであって、容器の内容物を紫外線劣化から守ることが目的である。すなわち、特許文献3の発明では、樹脂製品自体の紫外線による劣化速度が遅くなるわけではない。
特許文献4には、光反射板の表面に凹凸を形成したものが開示されている。しかし、特許文献4の発明の目的は、凹凸の形成による反射の均一化であって、凹凸による耐紫外線特性の向上にはなんら触れられていない。本発明の目的は、微細な凹凸による耐紫外線特性の向上であって、特許文献4の発明の目的とは全く異なる。
特開2002−122863号公報 特開2002−90515号公報 特開平12−85037号公報 特開2003−270415号公報
前述したように、近年、高反射率を有する樹脂のフィルムまたはシートに対し、優れた耐紫外線特性が要求されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高反射率と優れた耐紫外線特性を兼ね備えながらも、低コストで製造可能な熱可塑性樹脂発泡体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述した課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂発泡体の表面に多数の微細な凹凸を設けた場合、もともと紫外線劣化しやすい樹脂であっても、熱可塑性樹脂発泡体に低コストで耐紫外線特性を付与することができることを見出した。
本発明は、上述した知見に基づいてなされたもので、下記(1)〜()に示す熱可塑性樹脂発泡体を提供する。
(1)微細発泡体の少なくとも一方の表面部分を除去して内部の微細発泡部分を露出することにより、少なくとも一方の表面に多数の微細な凹凸を形成した熱可塑性樹脂発泡体であって、隣り合う凸部間の距離の平均値および隣り合う凹部間の距離の平均値のうち、少なくともいずれか一方の値をdとしたときに、0.01μm≦d≦20μmであることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
)熱可塑性樹脂発泡体が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする(1)の熱可塑性樹脂発泡体。
)熱可塑性樹脂発泡体の多数の微細な凹凸を有する表面上に塗布層が形成されていることを特徴とする(1)または(2)の熱可塑性樹脂発泡体。
)塗布層が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする()の熱可塑性樹脂発泡体。
)熱可塑性樹脂発泡体はポリエステル系樹脂発泡体であることを特徴とする(1)〜()のいずれかの熱可塑性樹脂発泡体。
)熱可塑性樹脂発泡体の比重が0.7以下であることを特徴とする(1)〜()のいずれかの熱可塑性樹脂発泡体。
)熱可塑性樹脂発泡体の多数の微細な凹凸を有する表面における400nm〜700nmの波長域の光の平均反射率が90%以上であることを特徴とする(1)〜()のいずれかの熱可塑性樹脂発泡体。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、光の反射率が高く、耐紫外線特性に優れながらも低コストで製造可能であり、もともと紫外線劣化しやすい樹脂を用いても、表面の微細な凹凸によって耐紫外線特性を強化させることができるため、電飾看板、照明器具、ディスプレイのバックライト、照明ボックスなどの光反射板として好適に用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体により上記効果が得られる理由は明らかでないが、表面に微細な凹凸が多数存在することで、上記表面で紫外線が反射・干渉・回折などの複雑な挙動を示すようになり、樹脂内部に入り込みにくくなるためと予想される。また、本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、表面に微細な凹凸がない樹脂発泡体に比べて表面近傍の樹脂体積が減るので、劣化する樹脂量も減ることになり、劣化による変色が見かけ上抑えられるようになることも考えられる。
発泡体表面において凸部のみ確認できる場合のdの評価を表す図である。 発泡体表面において凹部のみ確認できる場合のdの評価を表す図である。 発泡体表面において凸部および凹部の両方を確認できる場合のdの評価を表す図である。 微細発泡体の表面層をスライサーで裁断したときの概略断面図である。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明においては、熱可塑性樹脂発泡体の多数の微細な凹凸を有する表面における隣り合う凸部間の距離の平均値および隣り合う凹部間の距離の平均値のうち、少なくともいずれか一方の値をdとする。すなわち、図1に示す表面のように、凸部10は認識できるが凹部12は認識できない場合は、すべての隣り合う凸部10間の距離の平均値をdとする。図2に示す表面のように、凹部12は認識できるが凸部10は認識できない場合は、すべての隣り合う凹部12間の距離の平均値をdとする。図3に示す表面のように、凸部10および凹部12をいずれも認識できる場合は、すべての隣り合う凸部10間の距離の平均値をd1、すべての隣り合う凹部12間の距離の平均値をd2とし、これらd1およびd2をいずれもdとする。
本発明では、上述したdの値を0.01μm≦d≦20μmとする。さらに好ましくは0.01μm≦d≦10μm、最も好ましくは0.01μm≦d≦5μmである。dが小さいほど表面の凹凸構造が微細になり、耐紫外線特性強化の点で望ましい。しかし、dが0.01μmより小さいと、紫外線の波長に比べてdが小さすぎる構造になるため、紫外線が樹脂内部に入り込んでしまう。dが20μmより大きいと、良好な耐紫外線特性を得ることができない。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の主な構成成分となる樹脂の種類は特に限定されるものでなく、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリル樹脂などが用いられる。本発明では表面構造で耐紫外線特性を持たせるため、これらの中でもポリエステル系樹脂を好ましく用いることができる。ポリエステル系樹脂の種類は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどを適宜選択することができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。ポリエステル系樹脂の中でも、特にポリエチレンテレフタレートが発泡性、耐熱性の面で好適である。
本発明においては、大幅なコスト増とならない範囲で、かつ特性に影響を及ぼさない範囲で、発泡前の熱可塑性樹脂発泡材料に、結晶化核剤、結晶化促進剤、気泡化核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤などの各種添加剤を配合してもよく、特に紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが好ましい。紫外線吸収剤や光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系、ベンゾエート系、蓚酸アニリド系などの有機系の紫外線吸収剤や安定剤、あるいはゾルゲルや金属酸化物などの無機系の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。本発明においては、表面構造で耐紫外線特性を強化するが、使用環境によってはこれら紫外線吸収剤や光安定剤を適宜使用することが好ましい。ただし、有機系の紫外線吸収剤や光安定剤は配合量が多いと発泡体が黄色みを帯びてしまうので、配合量は0.01〜1重量%であることが好ましい。無機系の紫外線吸収剤や光安定剤はその限りではないが、発泡体の強度など他の特性の要請から、配合量は0.01〜10重量%であることが好ましい。また、得られた熱可塑性樹脂発泡体に上記添加剤を含有する樹脂層を積層してもよい。
本発明においては、熱可塑性樹脂発泡体の多数の微細な凹凸を有する表面上に塗布層を形成することができる。これは、使用環境によっては、上記凹凸が大気中のホコリを吸着してしまい、光反射板としての機能を損なう恐れがあるためである。また、この塗布層には、大幅なコスト増を招かない範囲で、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤などの各種添加剤を配合してもよく、特に紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが好ましい。
本発明においては、熱可塑性樹脂発泡体の比重が大きくなると、つまり熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率が小さくなると、結果として気泡率の低下による反射率の低下や成形性の低下、軽量化効果の減少につながるので、得られた熱可塑性樹脂発泡体の比重は0.7以下であることが好ましい。より好ましくは0.65以下、さらに好ましくは0.5以下である。
本発明において、樹脂発泡体の内部に含まれる気泡の気泡径は特に限定されないが、0.01〜20μmであることが好ましい。特に好ましくは0.01〜10μmである。気泡径が0.01μmより小さいと、可視光の波長に比べて気泡径が小さくなりすぎるため、光が樹脂発泡体を透過しやすくなり、光反射板としての特性が不十分となる。一方、気泡径が20μmを超えると、光反射板全体の反射率が低下するため、やはり結果的に光反射板としての特性が不十分となる。
本発明においては、熱可塑性樹脂発泡体の多数の微細な凹凸を有する表面における400nm〜700nmの波長域の光の平均反射率が90%以上であることが好ましい。より好ましくは94%以上、最も好ましくは98%以上である。上記平均反射率が90%より小さいと、光源から出た光エネルギーを十分利用できているとは言えず、所望の明るさや輝度を得るために必要以上のエネルギーを浪費することになる。一般に光反射板は光源からの光(一次光)だけでなく出射面から出ずに戻って来た光(二次光、戻り光)も反射させて利用することを想定して設計に組み込まれているため、実際の光源からの光エネルギー損失が大きくなってしまうためである。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法は特に限定されないが、量産性を考慮すると、例えば以下のような方法を用いることが好ましい。すなわち、熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂シートを作製し、この樹脂シートとセパレータとを重ねて巻くことによりロールを形成し、このロールを加圧不活性ガス雰囲気中に保持して樹脂シートに不活性ガスを含有させ、さらに不活性ガスを含有させた樹脂シートを常圧下で熱可塑性樹脂の軟化温度以上に加熱して発泡させる、という方法を用いることが好ましい。
上記不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられる。樹脂シートが飽和状態になるまでの不活性ガス浸透時間および不活性ガス浸透量は、発泡させる樹脂の種類、不活性ガスの種類、浸透圧力およびシートの厚さによって異なる。樹脂へのガス浸透性(速度、溶解度)を考慮すると、二酸化炭素がより好ましい。
また、上記方法では、樹脂シートとセパレータとからなるロールを加圧不活性ガス雰囲気中に保持して樹脂シートに不活性ガスを含有させる前に、樹脂シートに有機溶剤を含有させてもよい。有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、ギ酸エチル、アセトン、酢酸、ジオキサン、m−クレゾール、アニリン、アクリロニトリル、フタル酸ジメチル、ニトロエタン、ニトロメタン、ベンジルアルコールなどが挙げられる。これらのうち、取り扱い性および経済性の観点からアセトンがより好ましい。
上述した方法により得られた熱可塑性樹脂発泡体は、内部に微細気泡を多数含む。この発泡体の表面に微細な凹凸を設ける手法については、例えば以下のような手法を用いることができる。すなわち、鋭利な刃物で発泡体の表面を削ぐ、スライサーによって厚み方向に垂直な面で発泡体表面をカットする、あるいは発泡体表面を治具に接着してから発泡体表面部分ごと治具を剥ぎ取るなどの手法により、発泡体内部の気泡をむき出しにする。これらの方法で内部の微細気泡が表面にむき出しになるので、隣り合う凸部間の距離の平均値と、隣り合う凹部間の距離の平均値のうち、少なくともいずれか一方の値をdとしたとき、0.01μm≦d≦20μmであることを満たすような多数の凹凸を表面に容易に形成することができる
以下に、本発明を実施例によって説明する。なお、得られた熱可塑性樹脂発泡体の各種特性の測定および評価は以下の通りとした。
(比重)
発泡体シートの比重(ρf)を水中置換法により測定した。
(発泡倍率)
発泡体シートの比重(ρf)と、発泡前の樹脂の比重(ρs)との比ρs/ρfとして算出した。ただし、ρsはポリエチレンテレフタレートでは1.34として計算した。
(表面の微細な凹凸構造の評価方法)
発泡体シートの表面のSEM写真を撮影する。表面の写真において、図1のように凸部10が独立していて認識でき、凹部12が認識できない場合は、撮影した範囲内のすべての隣り合う凸部10間の距離を測定し、それらの平均値を得る。これをdとする。逆に図2のように、凸部10が認識できず、凹部12が独立していて認識できる場合は、撮影した範囲内のすべての隣り合う凹部12間の距離を測定し、それらの平均値を得る。これをdとする。図3のように凸部10と凹部12がいずれも独立していて認識できる場合は、すべての隣り合う凸部10間の平均距離をd1、すべての隣り合う凹部12間の平均距離をd2とする。これらの両方の値d1、d2をdとして評価する。また、塗布層がある場合や、他の物質が積層されている場合は、断面のSEM写真を撮影する。写真内で発泡体の表面構造を確認し、凸部と凹部がいずれも認識できる場合は、すべての隣り合う凸部間の平均距離をd1、すべての隣り合う凹部間の平均距離をd2とする。これらの両方の値d1、d2をdとして評価する。凸部と凹部の一方しか認識できない場合は、すべての隣り合う凸部間または凹部間の距離の平均値をdとして評価する。
(反射率)
分光光度計(UV−3101PC、島津製作所社製)を用いて、400〜700nmの波長範囲における反射率を測定した。この反射率は、硫酸バリウムの微粉末を固めた白板の拡散反射率を100%として相対値に換算し、この波長域で平均した。
(耐紫外線特性評価)
発泡体シートを試料とし、アイスーパーUVテスター(SUV−W151、岩崎電気社製)を用いて、300nm〜400nmの波長範囲、照射強度100mW/cm、試験温度63±3℃、湿度50±10%RH、照射時間15時間の条件で紫外線照射を行った。この試験の前後で色差計(CR−300、ミノルタ社製)を用いてJIS Z8730に準拠してL、a、b値を測定し、以下の式よりΔE値を算出した。この値ΔEが小さいほど耐紫外線特性に優れるものとした。
ΔE=(ΔL+Δa*2+Δb*20.5
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:C−0312、ユニチカ社製)を、0.6mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形した。この樹脂シートと、160μm厚さ×290mm幅×60m長さ、目付量55g/mのオレフィン系不織布のセパレータ(グレード:FT300、日本バイリーン社製)とを重ねて、樹脂シートの表面同士が接触する部分がないように巻いてロール状にした。その後、このロールを圧力容器に入れ、炭酸ガスで6MPaに加圧し、樹脂シートに炭酸ガスを浸透させた。樹脂シートへの炭酸ガスの浸透時間は72時間とした。次に、圧力容器からロールを取り出し、セパレータを取り除きながら、樹脂シートだけを220℃に設定した熱風循環式発泡炉に発泡時間が1分となるように連続的に供給して発泡させた。
得られた発泡体の断面は図1のようになっていた。得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径は10μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは1.0mmであり、発泡体の平均反射率は97.0%と高い値を示した。
また、得られた発泡体の表面をスライサー(商品名FORTUNA、リーダー社製)で厚み方向と垂直な面で裁断し、表面層を0.2mmだけ取り除いた。得られた発泡体の断面の概略図を図4に示す。図4において、14は発泡体、10は凸部、12は凹部、16は気泡を示す。この発泡体の表面の凹凸を確認してdを測定したところ、隣り合う凸部間の平均距離d1は11μmであった。また、この発泡体の耐紫外線特性を評価したところ、ΔEは24.4であった。
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:C−0312、ユニチカ社製)に、紫外線遮蔽特性をもつ無機酸化物フィラー(酸化亜鉛)入りのマスターバッチ(ナノマックスEZ153、昭和電工製)をフィラー含有量が0.5質量部になるように添加して混練した後、0.6mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形し、このシートを実施例1と同条件で発泡させた。
得られた発泡体は均一に発泡しており、平均気泡径は7μmと非常に微細であった。発泡体の厚さは1.0mmであり、発泡体の平均反射率は97.8%と高い値を示した。この発泡体の表面層を実施例1と同様の方法にて0.2mmだけ取り除いたものを作製した。この発泡体の表面の凹凸を確認してdを測定したところ、dは8μmであった。また、この発泡体の耐紫外線特性を評価したところ、ΔEは10.4であり、耐紫外線特性の改善ができていた。
(比較例1)
実施例1で得られた発泡体で、表面層を取り除かないままのものを比較例1とした。この発泡体は、表面が平坦であった。この発泡体の耐紫外線特性を評価したところ、ΔEは46.8であった。
(比較例2)
実施例2で得られた発泡体で、表面層を取り除かないままのものを比較例2とした。この発泡体の耐紫外線特性を評価したところ、ΔEは42.2であった。
(比較例3)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:C−0312、ユニチカ社製)に、無機酸化物フィラー(2種酸化亜鉛、正同化学工業製)をフィラー含有量が2.0質量部になるように添加して混練した後、0.6mm厚×300mm幅×60m長さのシートに成形し、このシートを実施例1と同条件で発泡させた。その結果、表面が大きくうねった発泡体が得られた。dを評価したところ500μmであり、ΔEは29.9であった。
以上の結果を表1に示す。表1における耐紫外線特性の評価基準は下記のとおりである。
◎:耐紫外線特性が非常に良い。
○:耐紫外線特性がに良い。
×:耐紫外線特性が悪い。
Figure 0005367367
以上のように、実施例1と比較例1とを比較すると、無機酸化物フィラーによる耐紫外線処方を行わなくても、表面の凹凸により紫外線劣化が少なくなることがわかる。また、実施例2に示すように、表面の凹凸効果と耐紫外線処方とにより、耐紫外線特性がより向上することがわかる。なお、比較例2は、実施例2の発泡体の表面を削らない例であるが、練り込んだ無機酸化物フィラーは発泡体表面近傍には分布しにくいため、その効果が生じないことが比較例2よりわかる。

Claims (7)

  1. 微細発泡体の少なくとも一方の表面部分を除去して内部の微細発泡部分を露出することにより、少なくとも一方の表面に多数の微細な凹凸を形成した熱可塑性樹脂発泡体であって、隣り合う凸部間の距離の平均値および隣り合う凹部間の距離の平均値のうち、少なくともいずれか一方の値をdとしたときに、0.01μm≦d≦20μmであることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
  2. 熱可塑性樹脂発泡体が紫外線吸収剤および/または光安定剤を含むことを特徴とする請求項に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  3. 熱可塑性樹脂発泡体の多数の微細な凹凸を有する表面上に塗布層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  4. 塗布層が紫外線吸収剤および/または光安定剤を含むことを特徴とする請求項に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  5. 熱可塑性樹脂発泡体はポリエステル系樹脂発泡体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  6. 熱可塑性樹脂発泡体の比重が0.7以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
  7. 熱可塑性樹脂発泡体の多数の微細な凹凸を有する表面における400nm〜700nmの波長域の光の平均反射率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
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