JP6631123B2 - 着色樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、着色樹脂組成物およびそれを用いた成形体に関する。更に詳しくは、反りや変形、収縮が少なく、凝集物の発生が抑制された着色樹脂組成物およびそれを用いた成形体に関する。
着色されたプラスチック成形体の反りや変形を抑制するために、成形体に使用する樹脂組成物や、成形時の加工条件等、様々な面からの技術的検討がなされてきた。この内、プラスチック着色剤として使用されているフタロシアニン系顔料は、耐候性、耐熱性、耐移行性、鮮明な色相、高い着色力等の特性を有するが、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタラートなどの部分的に結晶性を有する熱可塑性樹脂の着色に用いた場合、プラスチック成形体に反りや変形を及ぼし易い着色剤であることが知られている。この反りや変形の原因は、フタロシアニン系顔料が、プラスチックとして使用する樹脂に対して、結晶化剤として作用するためと考えられている(以下、この現象を「造核効果」と称することがある)。
このような造核効果を抑制する方法としては、顔料を結晶核として働かないようにする方法が検討されており、顔料自体の結晶形、粒子径、形状等の物性を変える方法や、添加剤により樹脂の結晶性を制御する方法が知られている。
顔料自体の物性を変える方法としては、特許文献1〜3等が知られている。しかし、顔料自体の結晶形、粒子径、形状等の物性が変わると、成形体を作成した際に、所望とする色相が得られない、樹脂に対する分散性が低下する、成形体の着色力、耐熱性、耐候性等の特性が低下する、成形体の反りや歪みを十分抑制できないといった問題があった。
一方、添加剤により樹脂の結晶性を制御する方法としては、例えば、プロピレン共重合体とエチレン共重合体混合物に無機フィラーや金属塩を添加する方法(特許文献4)や、結晶性ポリプロピレンにタルクを高濃度に練りこむ方法(特許文献5)が知られている。しかし、これらの方法は、使用する樹脂の分子量や溶融粘度等が限定されてしまうことや、使用する着色剤の種類によっては、成形体の反りや歪みを抑制できないといった問題があった。従って、成形体の反りや歪みを抑制することができる着色樹脂組成物の開発が求められていた。
特開平4−376232号公報 特開昭57−155242号公報 特開昭58−125752号公報 特開2011−225663号公報 特開2002−69204号公報
本発明が解決しようとする課題は、着色剤の特性を損なわず、反りや変形、収縮が少なく、凝集物の発生を抑制することができる加工性に優れた着色樹脂組成物およびそれを用いた成形体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の実施態様は、着色剤と、カルボキシル基および/または酸無水物基を有するポリオレフィンワックス(A)と、カルボキシル基および酸無水物基を有さないポリオレフィンワックス(B)と、ポリエステル樹脂とを含んでなる着色樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、前記着色剤が、フタロシアニン系顔料である前記着色樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、前記ポリオレフィンワックス(A)の融点が、50〜180℃の範囲内である前記着色樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、前記ポリオレフィンワックス(B)の融点が、50〜180℃の範囲内である前記着色樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、前記ポリエステル樹脂の軟化点が、50〜200℃の範囲内である前記着色樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、さらに、ポリオレフィン(ただし、前記ポリオレフィンワックス(A)およびポリオレフィンワックス(B)を除く)を含んでなる前記着色樹脂組成物に関する。
また、本発明の実施態様は、前記着色樹脂組成物を用いて作成された成形体に関する。
本発明により、着色剤の特性を損なわず、反りや変形、収縮が少なく、凝集物の発生を抑制することができる加工性に優れた着色樹脂組成物およびそれを用いた成形体を提供することが可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。
<着色剤>
本発明に用いる着色剤としては、顔料や染料などが挙げられる。顔料としては、有機顔料や無機顔料が挙げられる。有機顔料としては、アゾ系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料などが挙げられる。
<フタロシアニン系顔料>
本発明で使用される着色剤の好ましい態様として、フタロシアニン系顔料が挙げられる。 フタロシアニン系顔料としてはC.I.Pigment Blue15:1、15:3などの銅フタロシアニン顔料、C.I.Pigment Green7、36、58などのハロゲン化銅フタロシアニン顔料を挙げることができ、フタロシアニン骨格中心の金属の有無、種類は特に制限されるものではない。尚、「C.I.」とは、カラーインデックスを意味する。
フタロシアニン系顔料の結晶形には制限はないが、造核剤としての働きを弱めるために、結晶形が無定形(アモルファス状態)であることが好ましい。また、フタロシアニン系顔料は、粉末状や水ペースト状のものを使用することができる。
着色樹脂組成物中のフタロシアニン系顔料の含有量は、着色樹脂組成物100質量部に対して、40〜60質量部、より好ましくは45〜55質量部である。
<カルボキシル基および/または酸無水物基を有するポリオレフィンワックス(A)>
次に、カルボキシル基および/または酸無水物基を有するポリオレフィンワックス(A)(以下、単に「ワックス(A)」と称することがある)について説明する。本明細書におけるワックス(A)とは、カルボキシル基および/または酸無水物基を有し、40℃未満で固体であり、40℃〜160℃の範囲内で溶融するポリオレフィンワックスを指す。尚、本明細書でいう「酸無水物基」とは、「−CO−O−CO−」を意味し、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸などの酸無水物の残基を意味する。
ワックス(A)は、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのオレフィンモノマーの重合体であり、ブロック、ランダムコポリマーまたはターポリマーであっても構わない。具体的には、低密度ポリエチレン(HDPE)、高密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)のようなα−オレフィン類の重合体や、そのグラフト変性物に、カルボキシル基や酸無水物基を導入したポリオレフィンワックスが挙げられる。ワックス(A)は、40℃未満で粉末状であることが好ましい。
ワックス(A)の融点は、示差走査熱量計「DSC6200」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて温度範囲:40〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定した融点が、好ましくは50〜180℃、より好ましくは80〜140℃の範囲内である。また、ワックス(A)の酸価は、好ましくは5〜60mgKOH/gであり、より好ましくは10〜40mgKOH/gである。
着色樹脂組成物中のワックス(A)の含有量は、着色樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは3〜15質量部であり、より好ましくは5〜10質量部である。
ワックス(A)の具体例としては、A−Cポリエチレン316A(Honeywell社製、カルボキシル基含有ワックス(A)、酸価16、融点134℃)、ハイワックスNP−50605A(三井化学社製、酸無水物基含有ワックス(A)、酸価11、融点132℃)、サンワックスE−250P(三洋化成工業社製、カルボキシル基含有ワックス(A)、酸価17、融点96℃)などが挙げられる。
<カルボキシル基または酸無水物基を有さないポリオレフィンワックス(B)>
次に、カルボキシル基および酸無水物基を有さないポリオレフィンワックス(B) (以下、単にワックス(B)と称することがある)について説明する。ワックス(B)は、カルボキシル基および酸無水物基を有さず、40℃未満で固体であり、40℃〜160℃の範囲内で溶融するポリオレフィンワックスを指す。ワックス(B)は、40℃未満で粉末状であることが好ましい。
ワックス(B)の数平均分子量は、JIS(日本工業規格)K2207:1996における数平均分子量が500〜20,000の範囲内が好ましく、900〜18,000の範囲内がより好ましい。
ワックス(B)の融点は、示差走査熱量計「DSC6200」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて温度範囲:40〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定した融点が好ましくは50〜180℃、より好ましくは80〜140℃の範囲内である。
ワックス(B)の具体例としては、サンワックス131−P(三洋化成工業社製、数平均分子量3500、融点105℃)、ハイワックスNL500(三井化学社製、数平均分子量4200、融点104℃)などが挙げられる。
着色樹脂組成物中のワックス(B)の含有量は、着色樹脂組成物100質量部に対して、10〜40質量部であり、より好ましくは15〜35質量部である。
<ポリエステル樹脂>
ポリエステル樹脂は、ジオール等のポリオール成分と、ジカルボン酸等のポリカルボン酸成分とを構成成分とし、必要によって触媒存在下、重縮合させて得られたものである。
ポリエステル樹脂を構成するジオール成分としては、ビスフェノールAの炭素数2〜3のアルキレンオキシド付加物や炭素数2〜6の低級アルキルジオールが挙げられる。炭素数2〜6の低級アルキルジオールとしてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,5−ペンタンジール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。これらのジオール成分は、2種以上を併用しても良い。
ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸としては、テレフタル酸、低級アルキルジカルボン酸、アルケニルジカルボン酸が挙げられる。低級アルキルジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸やセバシン酸などが挙げられる。アルケニルジカルボン酸としてはアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、グルタコン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、2種以上を併用しても良い。
ポリエステル樹脂の軟化点は、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜140℃の範囲内である。
ポリエステル樹脂は、CuKα線によるX線回折パターンのおけるブラック角2θが、10°〜45°の範囲内でピークを示さない結晶形が無定形であることが好ましい。尚、本明細書におけるCuKα線によるX線回折パターンは、リガク社製卓上型X線回折装置を用いて、ブラック角2θ=5°〜90°の範囲を、X線サンプリング間隔0.05°で測定を行った。
着色樹脂組成物中のポリエステル樹脂の含有量は、着色樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは7〜30質量部、より好ましくは10〜25質量部である。
ポリエステル樹脂の具体例としては、M−302(三洋化成工業社製、軟化点100℃、10°≦2θ≦45°の範囲内に回折ピークなし)M−325(三洋化成工業社製、軟化点130℃、10°≦2θ≦45°の範囲内に回折ピークなし)、M−412(三洋化成工業社製、軟化点140℃、10°≦2θ≦45°の範囲内に回折ピークなし)などが挙げられる。
<ポリオレフィン>
次に、前記ポリオレフィンワックス(A)およびポリオレフィンワックス(B)以外のポリオレフィンについて説明する。
ポリオレフィンは、JIS(日本工業規格)K7210:1999(ISO1133:1997)におけるMFR(メルトフローレート、溶融粘度ともいう)が、0.001〜30の範囲内のものが好ましい。ポリオレフィンは、粉末状またはペレット状のものを使用することができ、ペレット状であることが好ましい。
ポリオレフィンの具体例としては、ハイゼックス2208J(プライムポリマー社製、MFR5.0、HDPE)、プライムポリプロJ105G(プライムポリマー社製、MFR9.0、PP)などが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しないか、あるいは衛生上問題ない範囲で重金属不活性剤や、アルカリ金属やアルカリ土類金属または亜鉛の金属石けん、ハイドロタルサイト、ノニオン系界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などからなる帯電防止剤、ハロゲン系、リン系または金属酸化物等の難燃剤、エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤、加工助剤、充填剤、公知のポリマー用の各種添加剤などを含有させることができる。
<成形体>
着色樹脂組成物を成形加工して成形体を得る際の成形方法は、特に限定されるものではない。射出成形、ブロー成形、インフレーション成形、押出し成形、エンゲル成形、真空成形等、成形方法にかかわらず、反りや変形が抑制された成形体が得られる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、特に断りがない場合は、それぞれ、質量部および質量%を表す。
まず、着色樹脂組成物に使用した材料を以下に列挙する。
<着色剤>
VYNAMON BLUE515100(Heubach社製、C.I.Pigment Blue15:1、以下V.B.15:1と称する)
Lionol Blue FG7330(トーヨーカラー社製、C.I.Pigment Blue15:3、以下FG7330と称する)
Lionol Blue POG−TONNER(トーヨーカラー社製、C.I.Pigment Green7、以下POG−Tと称する)
<カルボキシル基および/または酸無水物基を有するポリオレフィンワックス(A)>
A−Cポリエチレン316A(Honeywell社製、カルボキシル基含有ワックス(A)、酸価16、融点134℃、以下ACと称する)
ハイワックスNP50605A(三井化学社製、無水マレイン酸基含有ワックス(A)、酸価11、融点132℃、以下NPと称する)
サンワックスE−250P(三洋化成工業社製、カルボキシル基含有ワックス(A)、酸価17、融点96℃、以下E−250Pと称する)
<カルボキシル基および酸無水物基を有さないポリオレフィンワックス(B)>
サンワックス131−P(三洋化成工業社製、数平均分子量3500、融点105℃、以下131Pと称する)
ハイワックスNL500(三井化学社製、数平均分子量4200、融点104℃、以下NL500と称する)
<ポリエステル樹脂>
M−302(三洋化成工業社製、軟化点100℃、10°≦2θ≦45°の範囲内に回折ピークなし)
M−325(三洋化成工業社製、軟化点130℃、10°≦2θ≦45°の範囲内に回折ピークなし)
M−412(三洋化成工業社製、軟化点140℃、10°≦2θ≦45°の範囲内に回折ピークなし)
<ポリオレフィン>
ハイゼックス2208J(プライムポリマー社製、MFR5.0、HDPE)
プライムポリプロJ105G(プライムポリマー社製、MFR9.0、PP)
(着色樹脂組成物の製造と評価)
<実施例1>
(着色樹脂組成物)
着色剤としてV.B.15:1 45部、ワックス(A)としてAC 5部、ワックス(B)として131P 30部、ポリエステル樹脂としてM‐302 20部を150℃で溶融混練した後、粉砕して着色樹脂組成物を得た。
<実施例2〜39、比較例1〜27>
表1に示す材料と質量部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法で、着色樹脂組成物をそれぞれ得た。尚、表1中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
(着色樹脂組成物の加工性評価)
材料を溶融混練した後の混練機への材料残り(着色樹脂組成物の金属密着性)の目視評価および得られた着色樹脂組成物の収率から着色樹脂組成物の加工性を評価した。混練機への材料残りがほとんどなく収率が95%以上のものを「A」(特に良好)、混練機への材料残りが確認され収率が90%以上95%未満のものを「B」(良好)、混練機への材料残りが著しく収率が90%未満のものを「C」(不良)とした。
(成形体(成形プレート)の製造と評価)
製造した各着色樹脂組成物2部と、HDPEまたはPP998部とを、表1に従って混
合し、単軸押出機(サーモプラスティックス工業社製)にて200℃で溶融混合して、それぞれ着色ペレットを得た。得られた着色ペレットを射出成形機(東芝機械社製)にて、プレート状に成形した成形プレート(成形体の一態様)を得た。得られた各成形プレートについて、収縮差率、反り、分散、造核効果を評価した。尚、成形プレートを作成する際の金型は、射出方向とその垂直方向に10.00cmの標線が設けられた縦150mm、横120mm、厚さ2mmのプレートを作成する金型を使用した。また、成形時の成形温度は220℃、金型温度40℃で連続15枚射出成形し、評価用にはこの内、9枚目から14枚目の6枚について、23℃、50RHの恒温室で24時間保存した後のものを用いた。尚、評価基準として、ポレオレフィン(HDPEまたはPP)のみを同じ条件で成形した成形プレート(「ナチュラル」と称することがある)を用いた。
(収縮差率、反りの評価)
射出方向とその垂直方向の収縮率の比で計算される収縮差率と、目視による反りの程度を評価した。収縮差率は、各成形プレートについて、射出方向とその垂直方向(射出方向および厚さ方向に対して直交する方向)の長さを精密ノギスにて計測し、下記式1、2に従って算出した。値は、9枚目から14枚目の6枚の成形プレートについての平均値とした。収縮差率の差(△SDR)が小さいものほど良好である。

収縮差率(SDR)=(射出方向の収縮率−垂直方向の収縮率)/射出方向の収縮率 (式1)
△SDR=|ナチュラルの収縮差率−着色樹脂の収縮差率| (式2)
反りの基準は、同じ種類のポレオレフィンを使用したナチュラルと比較して、目視によって反りが同程度であれば「A」(良好)、明らかに反りが認められるものは「C」(不良)とした。
(分散性の評価)
分散性の評価は、成形プレート中に観察される顔料凝集物の数によって評価した。成形プレートを光学顕微鏡「デジタル顕微鏡VHX‐100」(キーエンス社製)を用いて倍率1000倍の視野で観察し、視野の中に長さ15μm以上の顔料凝集物の数が10個以下観察されたものを「A」(良好)、11個以上観察されたものを「C」(不良)とした。
(造核効果の評価)
造核効果の評価は、成形プレートの結晶化温度によって評価した。成形プレートを示差走査熱量計「DSC6200」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて温度範囲:40〜200℃、昇降温速度:10℃/分の条件で結晶化温度(Tc)を測定した。ナチュラルとの結晶化温度差(△Tc)を式3に従って算出した。△Tcの値が小さいほど造核効果は弱く良好である。

△Tc=|ナチュラルのTc−着色樹脂のTc| (式3)
評価結果を表1に示す。
本発明の着色樹脂組成物は、加工性、収縮性、分散性のいずれの評価項目も、良好な結果であることが明らかとなった。これら実施例の内、ポリエステル樹脂の軟化点が、ワックス(B)の融点と最も近いM−302を用いた場合(実施例1〜3、5、6、9、10、13〜16、18、19、22、23、26〜29、31、32、35、36、39)、特に良好な加工性を示すことが明らかとなった。
これに対して、ワックス(A)、ワックス(B)、ポリエステル樹脂のいずれかを含まない場合(比較例1〜27)、加工性、収縮性、分散性のいずれか一つ以上の評価項目が不良な結果を与えることが明らかとなった。
表1
Figure 0006631123
表1(つづき)
Figure 0006631123

Claims (5)

  1. ポリオレフィン(ただし、ポリオレフィンワックス(A)およびポリオレフィンワックス(B)を除く)を着色するための着色樹脂組成物であって、
    着色剤と、カルボキシル基および/または酸無水物基を有するポリオレフィンワックス(A)と、カルボキシル基および酸無水物基を有さないポリオレフィンワックス(B)と、ポリエステル樹脂とを含み、
    前記ポリエステル樹脂の軟化点が、50〜200℃の範囲内であり、
    着色樹脂組成物100質量部中、着色剤は40〜60質量部、ポリオレフィンワックス(A)は3〜15質量部、ポリオレフィンワックス(B)は10〜40重量部、ポリエステル樹脂は7〜30質量部である、着色樹脂組成物。
  2. 前記着色剤が、フタロシアニン系顔料である、請求項1記載の着色樹脂組成物。
  3. 前記ポリオレフィンワックス(A)の融点が、50〜180℃の範囲内である請求項1または2記載の着色樹脂組成物。
  4. 前記ポリオレフィンワックス(B)の融点が、50〜180℃の範囲内である請求項1〜3いずれか記載の着色樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の着色樹脂組成物を用いて作成された成形体。
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