JPH10176085A - ガラス繊維強化樹脂組成物 - Google Patents

ガラス繊維強化樹脂組成物

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Publication number
JPH10176085A
JPH10176085A JP34160496A JP34160496A JPH10176085A JP H10176085 A JPH10176085 A JP H10176085A JP 34160496 A JP34160496 A JP 34160496A JP 34160496 A JP34160496 A JP 34160496A JP H10176085 A JPH10176085 A JP H10176085A
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JP
Japan
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propylene
glass fiber
component
weight
resin composition
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Pending
Application number
JP34160496A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Sato
藤 寛 樹 佐
Koichi Hashimoto
本 孝 一 橋
Takeshi Kuri
利 武 久
Takeshi Hiramatsu
松 剛 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON PORIKEMU KK
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
NIPPON PORIKEMU KK
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 極めて良好な外観と適度な機械的強度を有す
るガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 成分(A):プロピレン単独重合体及び
/又はプロピレン・エチレン共重合体 90〜
10重量%と、 成分(B):成分(a)+(b)の100重量部に、成
分(c)20〜570重量部からなる樹脂強化ガラス繊
維構造体からなり、該成分(c)は、構造体の長さ方向
に平行に配列され、構造体の長さと同じものであるプロ
ピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体
10〜90重量%とを溶融混練してガラ
ス繊維の重量平均繊維長さ/数平均繊維長さが5未満の
ものであることを特徴とするガラス繊維強化樹脂組成
物。 成分(a): プロピレン単独重合体及び/又はプロピ
レン・エチレン共重合体 成分(b): 無水マレイン酸グラフト変性プロピレン
系重合体 成分(c): シラン系カップリング剤で処理した繊維
径5〜25μmのガラス繊維

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度、耐久
性及び良好な外観が必要とされるフェンダー、オーバー
フェンダー、グリルガード、カウルルーバー、ホイール
キャップ、サイドプロテクター、サイドモール、サイド
ロアスカート、フロントグリル、サイドステップ、ルー
フレール、リアスポリラー等の外装部品、或いは、耐熱
剛性の要求されるインパネロア、トリム等の内装部品
や、バンパービーム、クーリングファン、ファンシュラ
ウド、ランプハウジング、カーヒーターケース、ヒュー
ズボックス、エアクリーナーケース等のエンジン内の部
品等の自動車用プラスチック部品、更には、各種電気製
品の部品、各種機械の部品、建築用型枠等の構造物等に
適したガラス繊維強化樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン系重合体は、ガラ
ス繊維との接着性が悪く、ガラス繊維強化ポリプロピレ
ン樹脂においては、成形品表面にガラス繊維の末端が突
出するために、外観が著しく低下し、良好な外観が要求
される部品には使われることが非常に少なかった。それ
故、この様なガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂の外観
を向上させるためには、ガラス短繊維強化ポリプロピレ
ン(ガラス繊維チョップドストランドとポリプロピレン
系樹脂を混練して得られるペレットを原料とする場合)
においては、高流動、広分子量分布を有するポリプロピ
レン樹脂を使用する発明(特開平2−77459号公
報、特開平3−137150号公報参照)や、顔料成分
とガラス繊維ストランドの集束材成分を適正化した発明
(特公昭64−9340号公報参照)が知られている
が、いずれも経済性や機械的強度というバランスでは十
分であるとは言えなかった。
【0003】また、ガラス長繊維強化ポリプロピレン
(構造体の長さ方向に実質的にガラス繊維が平行してい
るペレットを原料とする場合)においては、特開平3−
121146号公報、特開平4−298553号公報、
特開平8−259753号公報、特開平7−23232
4号公報を初めとして幅広く検討され、これらを適用す
ることにより成形品中の残存ガラス繊維長さ保持率を高
くすることができるために、繊維末端が少なく、従来の
ガラス短繊維系のものに比べると外観が優れているが、
ガラス繊維の残存平均繊維長さを長く保つことと、未分
散ガラス繊維束が多数存在していると言う互いに相反す
る現象が生ずるために、ガラス繊維との接着性が良好な
ポリアミド樹脂やポリアセタール樹脂等を用いるガラス
繊維強化樹脂と比較すると、未だ十分な外観のガラス繊
維強化ポリプロピレン樹脂を得ることができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の様な現状を鑑み
ると、現在、極めて良好な外観と適度な機械的強度を有
するガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物とそれを
用いた成形体について求められている。しかし、その為
には、ガラス繊維強化ポリプロピレン成形品のガラス長
繊維の保持を改良することと、ガラス繊維の分散性を改
良することの両者を成り立たせることを実現させること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この様な課
題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、下記の成
分(A)と、下記の成分(a)〜(c)からなるガラス
繊維強化樹脂(成分(B))とからなる配合で引き出し
成形して製造したガラス繊維強化樹脂構造体を用いて得
られるガラス繊維の重量平均繊維長さ/数平均繊維長さ
が5未満であるとの条件を満たす繊維長さ分布を有する
射出成形体が、機械的強度と表面外観が優れているとの
知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
【0006】すなわち、本発明のガラス繊維強化樹脂組
成物は、 成分(A): MFRが1〜500g/10分のプロピ
レン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレン共重合
体から選ばれたプロピレン系重合体90〜10重量%
と、 成分(B): 下記成分(a)及び(b)の合計100
重量部に対して、成分(c)20〜570重量部から構
成される樹脂強化ガラス繊維構造体からなり、該構造体
中の成分(c)は、構造体の長さ方向に配列され、かつ
構造体の長さ方向の長さと実質的に同じ長さを有したも
のであるプロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体
10〜90重量%とを溶融混練
して得られたガラス繊維の重量平均繊維長さ/数平均繊
維長さが5未満のものであることを特徴とするものであ
る。 成分(a): MFRが10〜500g/10分のプロ
ピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレン共重
合体から選ばれたプロピレン系重合体 成分(b): 無水マレイン酸グラフト量が0.5〜1
2重量%で、かつMFRが20〜3,000g/10分
の無水マレイン酸グラフト変性プロピレン系重合体 成分(c): シラン系のカップリング剤で処理した繊
維径5〜25μmのガラス繊維
【0007】
【発明の実施の形態】
[I] 構成成分 (A) プロピレン系重合体(成分(A)) (1) 組 成 本発明のガラス繊維強化樹脂組成物において成分(A)
として用いられるプロピレン系重合体としては、MFR
が1〜500g/10分、好ましくは5〜300g/1
0分、特に好ましくは8〜200g/10分のプロピレ
ン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレン共重合体
から選ばれるプロピレン系重合体である。上記プロピレ
ン系重合体のMFRが上記範囲未満では成形中のガラス
繊維の分散性が低下し、外観不良が見られるので不適当
である。また、上記範囲を超過すると曲げ弾性率等の材
料強度が低下するので不適当である。上記プロピレン単
独重合体又はプロピレン・エチレン共重合体は、結晶性
ポリプロピレン部分(X単位部)単独、又は、この結晶
性ポリプロピレン部分(X単位部)にプロピレン・エチ
レンランダム共重合体部分(Y単位部)を形成させて得
られるプロピレン・エチレンブロック共重合体、から選
ばれるプロピレン系重合体である。上記X単位部はプロ
ピレンの単独重合によって得られる重合体部分であり、
又、上記Y単位部はプロピレンとエチレンのランダム共
重合によって得られる共重合体部分である。上記X単位
部は耐熱剛性の観点から密度が0.907g/cm3
上が好ましく、特に0.9086g/cm3 以上である
ことが好ましい。なお、該プロピレン系重合体のY単位
部の含有量の測定は、2gの試料を沸騰キシレン300
g中に20分間浸漬して溶解させた後、室温まで冷却
し、それによって析出した固相をガラスフィルターで瀘
過、乾燥することにより求めた固相重量から逆算した値
である。
【0008】(2) 製 造 この様な成分(a)のプロピレン系重合体は、高立体規
則性触媒を用いてプロピレンをスラリー重合、気相重
合、或いは、液層塊状重合することにより製造されるも
のであり、該プロピレン系重合体を製造する重合方式と
しては、バッチ重合、連続重合のどちらの方式も採用す
ることができる。このプロピレン系重合体のうちプロピ
レン・エチレン共重合体を製造するに際しては、どちら
の部分を先に重合しても良いが、最初にプロピレンの単
独重合によって結晶性ポリプロピレン部分(X単位部)
を形成し、次にプロピレンとエチレンのランダム共重合
によってプロピレン・エチレンランダム共重合部分(Y
単位部)を形成したものが望ましい。具体的な方法とし
ては、塩化マグネシウムに四塩化チタン、有機ハライ
ド、及び、有機珪素化合物を接触させて形成した固相成
分に、有機アルミニウム化合物成分を組み合わせた触媒
を用いて、プロピレンの単独重合を行ない、次いで、プ
ロピレンとエチレンとのランダム共重合を行なうことに
よって製造することができる。また、このプロピレン・
エチレンブロック共重合体は、本発明の効果を著しく損
なわない範囲内で他の不飽和化合物、例えばブテン−1
等のα−オレフィン、酢酸ビニルのようなビニルエステ
ル等を含有する三元以上の共重合体であってもこれらの
混合物であっても良い。
【0009】(3) 配合量 成分(A)の配合量は、90〜10重量%であり、好ま
しくは80〜20重量%、特に好ましくは最終のガラス
繊維強化樹脂組成物中のガラス繊維濃度が2〜60重量
%、好ましくは5〜50重量%になるように成分(A)
を配合する。成分(A)の配合量が上記範囲未満では成
形品外観が悪くなり、また、上記範囲を超過するとガラ
ス繊維濃度が低下して、補強効果が少なくなるため不適
当である。
【0010】(B) プロピレン系樹脂強化ガラス繊維構
造体(成分(B)) (1) プロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体の構成成分 本発明のガラス繊維強化樹脂組成物において成分(B)
として用いられるプロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造
体は、以下に示す成分(a) のプロピレン系重合体と、成
分(b) の変性プロピレン系重合体と、成分(c) のガラス
繊維束とから、特公平8−25200号公報に記載の方
法で製造して得られるものである。
【0011】(a) 成分(a) :プロピレン系重合体組 成 上記成分(a) として用いられるプロピレン系重合体は、
結晶性ポリプロピレン部分(X単位部)単独、又は、こ
の結晶性ポリプロピレン部分(X単位部)にプロピレン
・エチレンランダム共重合体部分(Y単位部)を形成さ
せて得られるプロピレン・エチレンブロック共重合体か
ら選ばれるものである。上記X単位部はプロピレンの単
独重合によって得られる重合体部分であり、又、上記Y
単位部はプロピレンとエチレンのランダム共重合によっ
て得られる共重合体部分である。上記X単位部は耐熱剛
性の観点から密度が0.907g/cm3 以上が好まし
く、特に0.9086g/cm3 以上であることが好ま
しい。上記プロピレン系重合体のMFRは、一般に10
〜500g/10分、好ましくは20〜300g/10
分、特に好ましくは30〜200g/10分を示すもの
である。プロピレン系重合体のMFRが上記範囲未満で
あるとプロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体の生産性
が劣り、又、仮に生産できた場合でも成形品中のガラス
繊維の分散性が低下し、外観不良が見られるので不適当
である。また、上記範囲を超過すると曲げ弾性率等の材
料強度が低下するために不適当である。なお、該プロピ
レン系重合体のY単位部の含有量の測定は、2gの試料
を沸騰キシレン300g中に20分間浸漬して溶解させ
た後、室温まで冷却し、それによって析出した固相をガ
ラスフィルターで瀘過、乾燥することにより求めた固相
重量から逆算した値である。
【0012】製 造 この様な成分(a)のプロピレン系重合体は、高立体規
則性触媒を用いてプロピレンをスラリー重合、気相重
合、或いは、液層塊状重合することにより製造されるも
のであり、該プロピレン系重合体を製造する重合方式と
しては、バッチ重合、連続重合のどちらの方式も採用す
ることができる。このプロピレン系重合体のうちプロピ
レン・エチレン共重合体を製造するに際しては、どちら
の部分を先に重合しても良いが、最初にプロピレンの単
独重合によって結晶性ポリプロピレン部分(X単位部)
を形成し、次にプロピレンとエチレンのランダム共重合
によってプロピレン・エチレンランダム共重合部分(Y
単位部)を形成したものが望ましい。具体的な方法とし
ては、塩化マグネシウムに四塩化チタン、有機ハライ
ド、及び、有機珪素化合物を接触させて形成した固相成
分に、有機アルミニウム化合物成分を組み合わせた触媒
を用いて、プロピレンの単独重合を行ない、次いで、プ
ロピレンとエチレンとのランダム共重合を行なうことに
よって製造することができる。また、このプロピレン・
エチレンブロック共重合体は、本発明の効果を著しく損
なわない範囲内で他の不飽和化合物、例えばブテン−1
等のα−オレフィン、酢酸ビニルのようなビニルエステ
ル等を含有する三元以上の共重合体であってもこれらの
混合物であっても良い。
【0013】(b) 成分(b) :変性プロピレン系重合体組 成 上記変性プロピレン系重合体としては、無水マレイン酸
グラフト含量が0.5〜12重量%、好ましくは0.7
〜5重量%で、かつMFRが20〜3,000g/10
分、好ましくは50〜2,000g/10分、特に好ま
しくは70〜1,000g/10分の無水マレイン酸グ
ラフト変性プロピレン系重合体が用いられる。無水マレ
イン酸含量が上記範囲未満の場合は成分(a)と成分
(c)の界面接着に必要な成分(b)の添加量が多くな
り、曲げ弾性率等の機械的物性を低下させると言う問題
があり、また、無水マレイン酸含量が上記範囲を超過す
ると成分(b)の分子量の低下が起こり、成分(a)と
成分(c)を接着させる効果が低下し、曲げ弾性率等の
機械物性を低下させるので不適当である。また、MFR
が上記範囲未満では無水マレイン酸グラフト量が0.5
重量%以上変性することができず不適当であり、また、
MFRが上記範囲を超過する場合は成分(a)と成分
(c)を接着させる効果が低下し、曲げ弾性率等の機械
物性を低下させるので不適当である。成分(b)の添加
量は、本発明のガラス繊維強化樹脂組成物中のマレイン
酸含量がガラス1重量%に対して1×10-5重量%を超
えるように添加量を設定することが望ましい。また、得
られた無水マレイン酸変性プロピレン系重合体の変性率
については、未反応モノマーを溶媒に溶かし再沈後に、
13C核磁気共鳴スペクトル法及び赤外吸収スペクトル法
等により測定することができる。
【0014】製 造 プロピレン系重合体に無水マレイン酸をグラフトさせる
反応としては、溶液法、すなわち有機溶媒中で反応させ
る方法や、溶融法、すなわち押出機、ブラベンダープラ
ストグラフ、ニーダー及びバンバリーミキサーで行なう
方法、これらいずれの方法を採用しても良いが、経済的
な観点から工程の簡単な溶融法、特に押出機を用いた溶
融法を採用することが最も適している。
【0015】(c) 成分(c) :ガラス繊維束 本発明で使用するガラス繊維としては、アミノシラン、
エポキシシラン又はビニルシラン等でカップリング処理
したものが用いられる。ガラス繊維の平均繊維径は5〜
25μmが好ましく、特に8〜15μmが好ましい。繊
維径が上記範囲未満ではガラス繊維束自身の生産性、並
びに、ガラス繊維強化樹脂の生産性が著しく低下し、製
造コストが高くなるために不適当である。また、繊維径
が上記範囲を超過すると残存繊維長さの分布が幅広くな
り過ぎて、成形品の外観が悪くなり、更には、ガラス繊
維のアスペクト比が低下するので、曲げ弾性率等の機械
的強度向上度が小さくなり不適当である。ガラス繊維の
表面処理剤であるシラン系のカップリング剤としては、
例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のア
ミノシランや、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン等のエポキシシランやビニルトリクロロシラン等
のビニルシラン等を挙げることができる。
【0016】製 造 ガラス繊維の製造法については特に限定されないが、例
えば、ガラス繊維束については次のような方法を取るこ
とができる。先ず溶解したガラスをマーブルと称する所
定の大きさのガラス玉に成形し、それをブッシングと称
する採系炉にて加熱軟化せしめ、該炉テーブルの多数の
ノズルから流下させ、この素地を高速度で延伸しなが
ら、所定の表面処理薬剤を吹き付け、乾燥して回転ドラ
ムで巻き取る。この時のノズルの径寸法と引取り速度を
調節してガラス繊維の平均直径を所定の寸法にする。こ
の場合の集束本数は通常100〜5,000本が好まし
く、特に300〜3,000本、特に好ましくは500
〜2,000本が好ましい。原料ガラスの組成は無アル
カリのものが好ましく、その様なものの一つにEガラス
がある。
【0017】(2) プロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造
体の製造製 造 上記成分(a) のプロピレン系重合体と、成分(b) の変性
プロピレン系重合体とを加熱溶融して、成分(c) のガラ
ス繊維束に含浸し、脱泡し、冷却後、一定の長さに切断
してプロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体とする。具
体的には、特公平8−25200号公報に記載されてい
る様に、連続するガラス繊維束を分散させて帯状に拡幅
させ、拡幅させた状態を保持して、押出機から押し出さ
れ貯留される溶融プロピレン系樹脂中を通過させ、次い
で該溶融プロピレン系樹脂中で前記拡幅させた前記連続
ガラス繊維を集束させ、集束後の前記連続ガラス繊維束
をノズルを通して取り出し、冷却後、一定の長さに切断
することによりプロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体
を製造することができる。上記切断の長さは、一般に2
〜20mm、好ましくは3〜10mm、更に好ましくは
4〜9mm、特に好ましくは5〜8mmである。この様
にして製造したプロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体
はガラス繊維とプロピレン系樹脂との密着性に優れてお
り、使用時に構造体から遊離するガラス繊維が少ないと
言う特徴を有している。従って、上記成分(A)のプロ
ピレン系重合体と配合し溶融混練し各種成形体に成形し
た後でもプロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体中のガ
ラス繊維長さは長く保持されているので、大きな機械的
強度を付与することができる。
【0018】含有量 プロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体中の成分(c)
のガラス繊維の含有率は成分(a)と成分(b)の合計
100重量部に対して、20〜570重量部、好ましく
は50〜400重量部、特に好ましくは100〜300
重量部である。繊維含有率が上記範囲未満では構造体中
でのガラス繊維の分散が不均一になる傾向がある。ま
た、上記範囲を超過するとプロピレン系樹脂のガラス繊
維への含浸が不十分になる傾向があり、製造不能となる
場合がある。
【0019】形 状 ペレットの長さは好ましくは3〜10mm、更に好まし
くは4〜9mm、特に好ましくは5〜8mmに切断して
使用することが好ましい。ペレットの長さが上記範囲未
満では曲げ弾性が低下する傾向があり、また、上記範囲
を超過すると成形時に構造体と他のペレットの分級が起
こる傾向があり、又、成形品中でのガラス繊維の分散も
悪くなる傾向があり、安定した成形が困難である傾向が
あるので好ましくない。該ペレット中には成分(c)の
ガラス繊維束が構造体の長さ方向に配列され、かつ構造
体の長さ方向の長さとガラス繊維束とか実質的に同じ長
さを有している。構造体の長さ方向の長さとガラス繊維
束とが実質的に同じ長さでないと、成形品中のガラス繊
維長さが短くなり、曲げ弾性率等の低下を起こすと言う
問題が発生する。
【0020】(3) 配合量 成分(B)の配合量は、90〜10重量%であり、好ま
しくは80〜20重量%、特に好ましくは70〜30重
量%である。中でも最終のガラス繊維強化樹脂組成物中
のガラス繊維濃度が2〜60重量%、好ましくは5〜5
0重量%になるように配合する。
【0021】(C) 成分(C):顔料を含有する樹脂組
成物(任意成分) 成分(C)の顔料を含有する樹脂組成物としては、ポリ
オレフィン系樹脂ベースに顔料を一般に10〜50重量
%、好ましくは20〜40重量%の範囲で含有させた樹
脂組成物である。該顔料としては、種々の顔料を挙げる
ことができるが、具体的には、カーボンブラックを含有
する樹脂組成物を用いることが好ましい。カーボンブラ
ックの含量が上記範囲未満では製品中の最終顔料濃度を
維持するために多量の添加が必要となり非効率的であ
り、また、上記範囲を超過すると製造することが非常に
困難になるため不適当である。
【0022】カーボンブラック カーボンブラックの種類としては、不活性燃焼法による
チャンネルブラック、ファーネスブラック、及び、熱分
解法によるサーマルブラック等があり、これらいずれを
使用しても良いが、特に耐熱老化性と耐候安定性の点で
ファーネスブラックカーボンを用いることが好ましい。
【0023】ポリオレフィン系樹脂 また、ベースとなるポリオレフィン系樹脂は、ポリエチ
レン系樹脂でもポリプロピレン系樹脂のいずれでも良い
が、好ましくはポリプロピレン系樹脂をベースにするこ
とが材料の剛性の低下を防止することができるため好ま
しい。
【0024】添加量 本発明のガラス繊維強化樹脂組成物中に配合される顔料
を含有する樹脂組成物の添加量としては、1〜20重量
部の範囲、好ましくは成形品中での最終カーボンブラッ
ク濃度が0.5〜4重量部、特に好ましくは1〜3重量
部となるように顔料を含有する樹脂組成物の添加量を設
定することである。顔料を含有する樹脂組成物が上記範
囲未満では着色能力に欠けるため、材料の漆黒調が発現
されず、耐候安定性に欠けるため好ましくない。又、上
記範囲を超過すると耐候劣化試験後成形体表面に顔料が
ブリードして外観不良となり好ましくない。
【0025】(D) 成分(D):光安定剤を含有する樹
脂組成物(任意成分) 成分(D)の光安定剤を含有する樹脂組成物としては、
ポリオレフィン系樹脂ベースに光安定剤を一般に0.1
〜20重量%、好ましくは2〜15重量%の範囲で含有
させた樹脂組成物である。該光安定剤としては、種々の
光安定剤を挙げることができるが、具体的には、2,
2,6,6−テトラメチルピペリジル構造を有する光安
定剤を挙げることができる。光安定剤の含量が上記範囲
未満では耐候性に効果を発揮しないため好ましくなく、
また、上記範囲を超過すると樹脂組成物を製造するのが
困難となる。
【0026】上記構造を有する光安定剤としては、例え
ば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジニル)セバケート<商品名:三共サノールLS770
>、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジニル)セバケート<商品名:三共サノールL
S765>、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート
<チバガイギー社製、商品名:チヌビン144>、1,
2,3,4−ブタンカルボン酸と2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコール
との縮合物<旭電化社製LA67>、1,2,3,4−
ブタンカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジノールとトリデシルアルコーとの縮合物
<旭電化社製LA62>、テトラキス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−
ブタンテトラカルボキシレート<旭電化社製LA57
>、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシレート<旭電化社製LA52>、ポリ[[6−
(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミノ)−1,
3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,
6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチ
レン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イ
ミノ]]<チバガイギー社製、商品名:サイアトーブ9
44LD>、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール
とβ,β,β´,β´−テトラメチル−3,9−(2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン)ジエタノールとの縮合物<旭電化社製LA68>、
N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミ
ン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−ク
ロロ−1,3,5−トリアジン縮合物<チバガイギー社
製、商品名:サイアソーブ119LD>、4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエ
タノールと琥珀酸とのポリエステル<チバガイギー社
製、商品名:チヌビン622LD>、1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジノールとβ,β,β´,β´−テ
トラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合
物<旭電化社製LA63>等を挙げることができる。
【0027】これらの中で特に好ましいのは、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
セバケート<商品名:三共サノールLS770>、ビス
−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジニル)セバケート<商品名:三共サノールLS765
>、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキ
シレート<旭電化LA57>、テトラキス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート<旭電化L
A52>である。
【0028】ポリオレフィン系樹脂 また、ベースとなるポリオレフィン系樹脂は、ポリエチ
レン系樹脂でもポリプロピレン系樹脂のいずれでも良い
が、好ましくはポリプロピレン系樹脂をベースにするこ
とが材料の剛性の低下を防止することができるため好ま
しい。
【0029】添加量 本発明のガラス繊維強化樹脂組成物中に配合される光安
定剤を含有する樹脂組成物の添加量としては、1〜20
重量部の範囲、好ましくは成形品中での最終光安定剤濃
度が0.2〜2重量部、特に好ましくは0.4〜1重量
部となるように光安定剤を含有する樹脂組成物の添加量
を設定することである。光安定剤を含有する樹脂組成物
が上記範囲未満では耐候安定性に欠けるため好ましくな
く、また、上記範囲を超過すると耐候性は良好になる
が、成形時に光安定剤が成形品表面に移行し、金型に付
着して金型汚染を起こしたり、光安定剤が成形品表面に
ブリードアウトして外観不良を起こし、また、経済的に
も効率が悪いため好ましくない。なお、上記成分(C)
と成分(D)は、特に樹脂組成物である必要はなく、成
分(A)のプロピレン系重合体、又は、成分(B)のガ
ラス繊維強化プロピレン系樹脂の製造時に所定量の顔料
及び光安定剤を添加することも可能である。すなわち、
添加方法については特に制限されないものである。
【0030】(E) その他の添加剤(任意成分) 本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、或いは、更
に性能を向上させるために、上記成分(A)〜(D)以
外に、以下に示す任意の添加剤や配合剤成分を配合する
こともできる。具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、無機充填剤(タルク、マイカ、ワラス
トナイト)、難燃剤、分散剤、核剤、上記成分以外の各
種樹脂、エチレン・α−オレフィン共重合体等を挙げる
ことができる。エチレン・α−オレフィン共重合体の共
重合成分は、炭素数3以上のα−オレフィンであり、具
体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、
1−ウンデセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ヘキ
セン、4,4−ジメチル−1−ペンテン等である。エチ
レン・α−オレフィン共重合体を製造するための触媒と
しては、ハロゲンかチタンの様なチタン化合物、バナジ
ウム化合物、アルキルアルミニウム−マグネシウム錯
体、アルキルアルコキシアルミニウム−マグネシウム錯
体の様な有機アルミニウム−マグネシウム錯体や、アル
キルアルミニウム或いはアルキルアルミニウムクロリド
等のいわゆるチーグラー型やWO−91/04257号
公報等に示されているようなメタロセン化合物触媒を挙
げることができる。また、第三成分として非共役ジエン
を含んでも良い。他にはスチレン系ゴム等のエラストマ
ー等を挙げることができる。
【0031】[II] ガラス繊維強化樹脂組成物の製造溶融混練 上記成分(A)のMFRが1〜500g/10分のプロ
ピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレン共重
合体から選ばれたプロピレン系重合体と、成分(B)の
プロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体とをドライブレ
ンドして均一に混合したものを、射出成形、射出圧縮成
形(インジェクションコンプレッション)、圧縮成形、
押出成形(シート成形、ブロー成形)、ガイインジェク
ション等の各種成形工法により各種成形体に成形するこ
とができる。該ガラス繊維強化樹脂成形体中には、ガラ
ス繊維の重量平均繊維長さ/数平均繊維長さが5未満、
好ましくは3以下、特に好ましくは2.5以下であるこ
とが重要である。ガラス繊維の重量平均繊維長さ/数平
均繊維長さが上記範囲を超過すると成形品中の未分散ガ
ラス繊維が存在して外観不良を起こしたり、成形品の反
りや異方性が生じるので不適当である。また、本発明の
熱可塑性樹脂組成物の成形加工法は特に限定されるもの
ではないが、奏される発明の効果から見て射出成形法が
最も適している。
【0032】[III] ガラス繊維強化樹脂組成物の用途 上記の様な本発明のガラス繊維強化樹脂組成物は、フェ
ンダー、オーバーフェンダー、グリルガード、カウルル
ーバー、ホイールキャップ、サイドプロテクター、サイ
ドモール、サイドロアスカート、フロントグリル、サイ
ドステップ、ルーフレール、リアスポリラー等の、機械
的強度、耐久性及び良好な外観が必要とされる外装部品
や、インパネロア、トリム等の耐熱剛性の要求される内
装部品や、バンパービーム、クーリングファン、ファン
シュラウド、ランプハウジング、カーヒーターケース、
ヒューズボックス、エアクリーナーケース等のエンジン
内の部品等の自動車用プラスチック部品、或いは、各種
電気製品の部品、各種機械の部品、建築用型枠等の構造
物等として使用することができる。
【0033】
【実施例】以下に示す実験例によって、本発明を更に具
体的に説明する。 [I] 原材料 成分(a):いずれもペレット状 a−1: 密度が0.9090g/cm3 の結晶性ポリ
プロピレン部分(X単位部)90重量%、エチレン含量
が39重量%のプロピレン・エチレンランダム共重合部
分(Y単位部)10重量%を各々含有し、成分(a)全
体のMFR(230℃、2.16g荷重)が30g/1
0分のプロピレン・エチレンブロック共重合体 a−2: 密度が0.9090g/cm3 の結晶性ポリ
プロピレン部分(X単位部)90重量%、エチレン含量
が39重量%のプロピレン・エチレンランダム共重合部
分(Y単位部)10重量%を各々含有し、成分(a)全
体のMFRが100g/10分のプロピレン・エチレン
ブロック共重合体 a−3: 密度が0.9090g/cm3 の結晶性ポリ
プロピレン部分のみからなり、MFRが600g/10
分のプロピレン単独重合体
【0034】成分(b):ペレット又は粉砕物 b−1: プロピレン・エチレンブロック共重合体に無
水マレイン酸を0.3重量%の割合でグラフト変性した
MFR10g/10分のプロピレン系重合体 b−2: プロピレン・エチレンランダム共重合体に無
水マレイン酸を1.5重量%の割合でグラフト変性した
MFR300g/10分のプロピレン系重合体 b−3: プロピレン・エチレンランダム共重合体に無
水マレイン酸を15重量%の割合でグラフト変性したM
FR5000g/10分のプロピレン系重合体
【0035】成分(c):ガラス繊維束 c−1: 平均直径4μm、表面処理がγ−アミノプロ
ピルトリエトキシシランであるガラス繊維束 c−2: 平均直径13μm、表面処理がγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランであるガラス繊維束 c−3: 平均直径30μm、表面処理がγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランであるガラス繊維束
【0036】成分(B):ガラス繊維強化プロピレン系
樹脂:いずれも柱状ペレット 表1〜表5に記載の成分(a)〜(c)を用いて製造し
たA−1〜A−10 成分(A):いずれもペレット状 A−1:密度が0.9090g/cm3 の結晶性ポリプ
ロピレン部分のみからなり、MFRが0.5g/10分
のプロピレン系重合体 A−2:密度が0.9090g/cm3 の結晶性ポリプ
ロピレン部分のみからなり、MFRが15g/10分の
プロピレン系重合体 A−3:密度が0.9090g/cm3 の結晶性ポリプ
ロピレン部分のみからなり、MFRが600g/10分
のプロピレン系重合体
【0037】成分(C) C−1: 粒子径20〜25nmのファーネスカーボン
を30重量%と顔料分散剤としてステアリン酸マグネシ
ウムを含む、MFR4g/10分の低密度ポリエチレン
をベースとした樹脂組成物
【0038】成分(D):ペレット状 D−1: ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)セバケートを8重量%含む、MFR15
g/10分の結晶性ポリプロピレン樹脂組成物
【0039】[II] 評価方法 (1) ガラス繊維強化プロピレン系樹脂の生産性 ガラス繊維強化プロピレン系樹脂を生産するに当たり、
1時間以上連続運転が可能か否かを判断基準とした。可
能なものを「○」、特定の条件を選べば可能なものを
「△」、不可能なものを「×」とした。 (2) ガラス繊維強化プロピレン系樹脂中のガラス繊維
分散性 ガラス繊維強化プロピレン系樹脂の断面観察において、
ガラス繊維が樹脂中に均一に分散しているものを
「○」、ガラス繊維と樹脂成分が相分離しているものを
「×」とした。 (4) 曲げ応力及び曲げ弾性率 JIS−K7203に準拠して測定した。測定温度は1
10℃である。 (5) 三次元表面粗さ測定 JIS−B0601に準拠し、中心面平均荒さ(粗さ曲
面と中心面に囲まれた部分の体積を、単位面積当たりの
立方体に置き換えた際のZ方向高さ)パラメーターを測
定した。
【0040】(6) ガラス繊維長さの測定 成形体を灰化して、得られたガラス繊維を篩目が1mm
の篩で1mm以上のガラス繊維と1mm未満のガラス繊
維に分離し、それぞれ光学顕微鏡の視野には入る適した
倍率で拡大し、それをニレコ社製の画像解析装置で約
2,000〜3,000本の繊維長さを測定し、平均繊
維長さ(Ln)と重量平均繊維長さ(Lw)の比からL
w/Lnを算出した。 (7) 光沢の測定 JIS−Z8741により入射角、反射角ともに60度
の角度で光沢を測定した。 (8) ガラス繊維分散性評価 35cm×10cm×厚さ3mmの平板を径1mmのダ
イレクトゲートで成形し、未解繊ガラス繊維塊の有無を
目視して確認した。未解繊ガラス繊維塊が1個以上ある
ものは「×」、全くないものを「○」とした。 (9) 反り変形評価 上記 (8) ガラス繊維分散性評価で成形した平板ABC
D(AB=CD=10cm、BC=AD=35cm)の
辺ABを基準平面に固定した時の、反対側の辺CDの基
準平面からの浮きを測定した。 (10) 耐候性評価 厚さ3mmのテストピースをサンシャインウエザオメー
ターにて温度63℃、1時間当たり12分間降水、非降
水時湿度50%の条件で耐候性促進試験を実施し、外観
評価を行ないクラックの有無を確認した。
【0041】[III] 実施例及び比較例 実施例1〜6及び比較例1〜8 上記の成分(a)、(b)、(c)を表1に示す割合で
配合して、特公平8−25200号公報の図1に示され
る装置によって直径3.0mmの熱可塑性樹脂含浸連続
繊維プリプレグを製造し、そして、この熱可塑性樹脂含
浸連続繊維プリプレグをストランドカッターによって繊
維長さ8mmに切断してガラス繊維強化プロピレン系樹
脂ペレットとした。表1の結果から、成分(a)のMF
Rが低い場合(比較例B−1)や、成分(a)が多い場
合(比較例8)、成分(c)の繊維径が小さい場合(比
較例B−6)や、成分(c)が多い場合(比較例B−1
0)に対して、本発明の実施例では良好なガラス繊維の
分散で、生産性の良い構造体(ガラス繊維強化樹脂)を
得ることができた。得られたガラス繊維強化プロピレン
系樹脂ペレットを成分(A)、(C)、(D)と表3に
示す割合でドライブレンドした材料を射出成形機(東芝
IS100FB)を用いて物性測定用試験片(JIS)
を成形して、評価を行なった。評価結果を表3に示す。
表4には配合割合を変えた比較例を示す。表3の結果か
ら、実施例1〜6に示す組成を持った樹脂組成物は、表
4に示した比較例1〜8に示す樹脂組成物に比べて、い
ずれも良好な製品外観(表面荒さとガラス繊維分散
性)、機械的物性を示していることが理解できる。ま
た、いずれの実施例も良好な耐クリープ特性、成形加工
性を有し、かつコストパーフォーマンスも良好であるこ
とが理解できる。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】このような本発明のガラス繊維強化樹脂
組成物は、従来よりも優れたガラス繊維長さの保持とガ
ラス繊維分散性のバランスを実現し、その結果、極めて
良好な外観と適度な機械的強度を有するガラス繊維強化
樹脂組成物よりなる成形体が得られ、それらは各種の工
業部品としての適用が可能であるので、工業的に極めて
重要な素材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/26 C08L 23/26 (72)発明者 久 利 武 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 平 松 剛 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成分(A): MFRが1〜500g/1
    0分のプロピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エ
    チレン共重合体から選ばれたプロピレン系重合体90〜
    10重量%と、 成分(B): 下記成分(a)及び(b)の合計100
    重量部に対して、成分(c)20〜570重量部から構
    成される樹脂強化ガラス繊維構造体からなり、該構造体
    中の成分(c)は、構造体の長さ方向に配列され、かつ
    構造体の長さ方向の長さと実質的に同じ長さを有したも
    のであるプロピレン系樹脂強化ガラス繊維構造体
    10〜90重量%とを溶融混練
    して得られたガラス繊維の重量平均繊維長さ/数平均繊
    維長さが5未満のものであることを特徴とするガラス繊
    維強化樹脂組成物。 成分(a): MFRが10〜500g/10分のプロ
    ピレン単独重合体及び/又はプロピレン・エチレン共重
    合体から選ばれたプロピレン系重合体 成分(b): 無水マレイン酸グラフト量が0.5〜1
    2重量%で、かつMFRが20〜3,000g/10分
    の無水マレイン酸グラフト変性プロピレン系重合体 成分(c): シラン系のカップリング剤で処理した繊
    維径5〜25μmのガラス繊維
  2. 【請求項2】ガラス繊維強化樹脂組成物100重量部に
    対して、下記成分(C)及び/又は成分(D)を含有す
    る、請求項1に記載のガラス繊維強化樹脂組成物。 成分(C): カーボンブラック10〜50重量%を含
    有するポリオレフィンベースの樹脂組成物
    1〜20重量部 成分(D): 2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
    ル構造を有する光安定剤0.1〜20重量部を含有する
    ポリオレフィンベースの樹脂組成物1〜20重量部
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