JP2005060678A - 繊維強化結晶性熱可塑性樹脂組成物およびそのペレット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 結晶性熱可塑性樹脂(成分(A))10〜99重量%と、前記成分(A)より結晶化温度が10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(成分(B))90〜1重量%とを含有する樹脂(I)と、樹脂(I)100重量部に対して、繊維(成分(C))5〜400重量部を含有する組成物、前記組成物から得られるペレット、および、前記組成物または前記ペレットから得られる成形品。
【選択図】 なし
Description
例えば、“界面制御と複合材料設計”(井出文雄著、シグマ出版(1995年発行))の第6章、第7章および第8章には、ガラス繊維、炭素繊維または有機繊維を用いて、機械的強度が強化された結晶性熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
すなわち、本発明は、結晶性熱可塑性樹脂(成分(A))10〜99重量%と、前記成分(A)より結晶化温度が10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(成分(B))90〜1重量%とを含有する樹脂(I)と、樹脂(I)100重量部に対して、繊維(成分(C))5〜400重量部を含有する組成物に関するものである。(但し、樹脂(I)の全量を100重量%とする。)
なお、結晶化度の測定は、“高分子化学序論”(岡村誠三他著、化学同人(1970年発行))“新版 高分子分析ハンドブック”(日本分析化学会/高分子分析研究懇親会編、紀伊国屋書店(1995年発行))等に記載されているように、X線法、密度法、赤外吸収法、NMR法、熱量的方法など、公知のいずれの方法を用いてもよい。
本発明で用いられる成分(A)として、好ましくはポリオレフィン樹脂であり、より好ましくはポリプロピレン樹脂である。
芳香族成分を含有する熱可塑性コポリアミドとして、具体的には、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)が挙げられる。
炭素数4以上のα−オレフィンを主な成分とするα−オレフィン樹脂としては、例えば、α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン−エチレンランダム共重合体等が挙げられる。
そして、成分(B)としては、通常、結晶化度が10%以上の熱可塑性樹脂である。結晶化度の測定は、成分(A)と同様に“高分子化学序論”(岡村誠三他著、化学同人(1970年発行))、“新版 高分子分析ハンドブック”(日本分析化学会/高分子分析研究懇親会編、紀伊国屋書店(1995年発行))等に記載されているように、X線法、密度法、赤外吸収法、NMR法、熱量的方法など、公知の方法によって行うことができる。
成分(B)として、好ましくはポリオレフィン樹脂であり、ポリオレフィン樹脂としてはポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等が挙げられ、より好ましくはポリプロピレン樹脂である。
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7型 急冷対応タイプ)を用いて、あらかじめ試片10mgを窒素雰囲気下で220℃で5分間溶融した。220℃で試片が溶解しない場合は、さらに昇温し、300℃で5分間融解した。試片が融解した後、5℃/分の降温速度で40℃まで降温して、結晶化発熱カーブを測定する。測定によって得られた結晶化発熱カーブにおいて、発熱量が最大であるピークのピーク温度を結晶化温度(Tc)とした。また、その後、5℃/分で昇温させて、得られた融解吸熱カーブにおいて、吸熱量が最大であるピークのピーク温度を融点(Tm)とした。なお、本測定機を用いて5℃/分の昇温速度で測定したインジウム(In)の融解が開始する点は、156.6℃であった。
ポリオレフィン樹脂の製造に用いられる触媒としては、好ましくはチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分を用いて得られるマルチサイト触媒、またはメタロセン錯体等を用いて得られるシングルサイト触媒が挙げられる。
ポリプロピレン樹脂の製造に用いられる触媒としては、好ましくはチタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する固体触媒成分を用いて得られるマルチサイト触媒、またはメタロセン錯体等を用いて得られるシングルサイト触媒が挙げられる。
また、シンジオタクチック構造であるポリプロピレン樹脂の製造方法は、特開平5−17589号公報、特開平5−131558号公報等に記載されている。
(1)オレフィンの単独重合体に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂、
(2)少なくとも二種のオレフィンの共重合体に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂、
(3)オレフィンを単独重合した後に少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られるブロック共重合体に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂、または、
(4)少なくとも1種のオレフィンと、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を共重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂である。
前記の変性ポリオレフィン樹脂(成分(D))は、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、前記の不飽和カルボン酸の酸無水物、エステル化合物、アミド化合物、イミド化合物、金属塩等が挙げられ、その具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、メタクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
また、クエン酸やリンゴ酸のように、ポリプロピレンにグラフトする工程で脱水して不飽和カルボン酸を生じるものを用いてもよい。
(5)エチレンおよび/またはプロピレンに由来する単位をポリマーの主な構成単位とするポリオレフィン樹脂に、無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂、または、
(6)エチレンおよび/またはプロピレンを主な成分とするオレフィンと、メタクリル酸グリシジルエステルまたは無水マレイン酸とを共重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂である。
変性ポリオレフィン樹脂(成分(D))が、(4)少なくとも1種のオレフィンと、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体とを、ランダム共重合またはブロック共重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂である場合には、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体に由来する単位の含有量として、好ましくは3〜10重量%である。
(1)オレフィンの単独重合体に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂である場合、
(2)少なくとも二種のオレフィンの共重合体に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂である場合、または、
(3)オレフィンを単独重合した後に少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られるブロック共重合体に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合して得られる変性ポリオレフィン樹脂である場合、
不飽和カルボン酸および/またはその誘導体に由来する単位の含有量として、好ましくは0.1〜10重量%である。
剛性や衝撃強度等の機械的強度を向上させるという観点や、成形品の外観の観点から、好ましくは、成分(A)が98〜10重量%であり、成分(B)が2〜90重量%であり、より好ましくは、成分(A)が96〜15重量%であり、成分(B)が4〜85重量%である。
(1)樹脂のエマルジョン、サスペンジョンあるいは溶液を入れた含浸槽の中に繊維束を通し、繊維束に樹脂を含浸させる方法、
(2)樹脂の粉末を繊維束に吹き付けたのち、または、粉末を入れた槽の中に繊維束を通し繊維に樹脂を付着させたのち、樹脂を溶融して繊維束に含浸させる方法、
(3)クロスヘッドの中に繊維束を通しながら、押出機等からクロスヘッドに樹脂を供給し、繊維束に含浸させる方法等が挙げられる。
好ましくは、上記(3)のクロスヘッドを用いる方法であり、特に好ましくは、特開平3−272830号公報等に記載されているクロスヘッドを用いる方法である。
本発明のペレットにおいて、含有される繊維(成分(C))とペレット長が等しいこととは、特開2002−5924号公報に記載されている方法によって測定されたペレットに含有された繊維(成分(C))の重量平均繊維長が、ペレット長の90〜110%であることをいう。
成形品中における繊維(成分(C))の重量平均繊維長が1〜10mmである成形品は、本発明の組成物またはペレットを、通常の加工条件下で、射出成形することによって製造することができる。好ましい加工条件としては、成形時の背圧を低くする、成形機のスクリューの溝を深くする、成形時の射出速度を低くする、金型内の流路を広くする、成形機のノズル径を大きくする等が挙げられる。
また、電動工具、カメラ、ビデオカメラ、電子レンジ、電気釜、ポット、掃除機、パーソナルコンピューター、複写機、プリンター、FDD、CRTの機械ハウジング等の各種電気製品の部品、ポンプケーシング等の各種機械の部品、タンク、パイプ、建築用型枠等の構造物等の部品に使用することができる。
実施例または比較例で用いた評価用サンプルの製造方法を以下に示した。
(1)長繊維強化ペレットの製造方法
特開平3−121146号公報に記載されている方法によって、表1に示した組成で長繊維強化ペレット(E−1)および表3に示した組成で長繊維強化ペレット(E−2)を製造した。なお、含浸温度は270℃、引取速度は13m/分で行い、用いたガラス繊維の繊維径は16μmであった。
(実施例1、3、4、比較例1、3、4)
光沢度(グロス)測定用サンプル、引張強度測定用およびIZOD衝撃強度測定用サンプルは、下記の日本製鋼所製成形機を用いて、下記の条件で、上記(1)で得られた長繊維強化ペレット(E−1)を表2に示した組成で配合した後、射出成形して評価用サンプルを製造した。なお、光沢用(グロス)測定用サンプルとしては、150mm×150mm、3mm厚の平板を成形し、評価した。なお、原料配合時に、原料100重量部に対して、顔料マスターバッチ(カーボンブラック濃度14重量%)を1重量部添加し、黒色に着色した。
成形機 :日本製鋼所製成形機J150E
型締力 :150t
スクリュー :長繊維用深溝スクリュー
スクリュー径 :46mm
スクリューL/D:20.3
成形条件
シリンダー温度 :250℃
金型温度 :50℃
背圧 :0MPa
下記の宇部興産機械製成形機を用いて、下記の条件で、上記(1)で得られた長繊維強化ペレット(E−2)を表4に示した組成で配合した後、射出成形して、光沢度(グロス)評価用サンプル(平板、130mm×120mm、3mm厚)を製造した。なお、原料配合時に、原料100重量部に対して、顔料マスターバッチ(カーボンブラック濃度14重量%)を1重量部添加し、黒色に着色した。
成形機 :宇部興産機械製成形機MD350S−III
型締力 :170t
スクリュー :汎用スクリュー
スクリュー径 :45mm
スクリューL/D:18
成形条件
シリンダー温度 :250℃
金型温度 :40℃
背圧 :20MPa
(1)MFR(単位:g/10分)
A.S.T.M D1238に従って、下記条件で測定した。
測定温度:230℃
荷重:21.2N
A.S.T.M D638に従って、下記条件で測定した。
測定温度:23℃
サンプル厚み:3.2mm
引張速度:10mm/分
A.S.T.M D256に従って、下記条件で測定した。
測定温度:23℃
サンプル厚み:6.4mm[Vノッチあり]
A.S.T.M. D523に従い、下記条件で測定した。
入射角:60°
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7型 急冷対応タイプ)を用いて、あらかじめ試片10mgを窒素雰囲気下で220℃で5分間溶融させた後、5℃/分の降温速度で40℃まで降温させて、得られた結晶化発熱カーブにおいて、発熱量が最大であるピークのピーク温度を結晶化温度(Tc)とした。その後、5℃/分で昇温させて、得られた融解吸熱カーブにおいて、吸熱量が最大であるピークのピーク温度を融点(Tm)とした。なお、本測定機を用いて5℃/分の昇温速度で測定したインジウム(In)の融解が開始する点は、156.6℃であった。
サンプルを1,2,4−トリクロロベンゼンに溶解し、135℃で13C−NMRの測定を行った。得られたスペクトルから、テトラメチルシランを基準として20.2ppmに観測されるピーク強度を、プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度の総和で割って、シンジオタクチックペンタッド分率[rrrr]を算出した。なお、必要なピークの帰属は、A. Zambelli et al, Macromolecules, 6, 925 (1973)に従った。
特開平3−121146号公報に記載されている方法によって、表1に記載した組成で、ガラス繊維の含有量が50重量%であり、ペレット長が9mmの長繊維強化ペレット(E−1)を作成した。用いた結晶性熱可塑性樹脂(A−1)は、プロピレン単独重合体(MFR=80g/10分、結晶化温度(Tc)=127℃)であり、用いた変性ポリオレフィン樹脂(D−1)は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=60g/10分、無水マレイン酸グラフト量=0.6重量%)であった。なお、用いた無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は、特開2002−308947公報に記載された方法により作成した。
実施例1において、長繊維強化ペレット(E−1)との混合に用いた成分(A−1)より結晶化温度Tcが10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(B−1)を、結晶性熱可塑性樹脂(A−3)に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを得た。なお、得られたサンプル中のガラス繊維の重量平均繊維長は、4mmであった。長繊維強化ペレットとの混合に用いた結晶性熱可塑性樹脂(成分(A−3))はプロピレン単独重合体(MFR=25g/10分、結晶化温度(Tc)=128℃)であった。
特開平3−121146号公報に記載されている方法により、表3に記載した組成で、ガラス繊維の含有量が60重量%であり、ペレット長が9mmの長繊維強化ペレット(E−2)を作成した。用いた結晶性熱可塑性樹脂(A−3)は、プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分、結晶化温度(Tc)=122℃)であり、用いた変性ポリオレフィン樹脂(D−2)は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=40g/10分、無水マレイン酸グラフト量=0.2重量%)であった。さらに得られた長繊維強化ペレット(E−2)と成分(A−3)より結晶化温度Tcが10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(B−1)を、表4に記載した組成で混合した後、射出成形した。得られたサンプルの光沢度(グロス)を表4に示した。なお、得られたサンプル中のガラス繊維の重量平均繊維長は、1.7mmであった。
実施例2において、長繊維強化ペレット(E−2)との混合に用いた、成分(A−3)より結晶化温度(Tc)が10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(B−1)を、結晶性熱可塑性樹脂(A−2)に変更した以外は、実施例2と同様にしてサンプルを得た。なお、得られたサンプル中のガラス繊維の重量平均繊維長は、1.7mmであった。
特開平3−121146号公報に記載されている方法によって、表1に記載した組成で、ガラス繊維の含有量が40重量%であり、ペレット長が9mmの長繊維強化ペレット(E−3)を作成した。用いた結晶性熱可塑性樹脂(A−3)は、プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分、結晶化温度(Tc)=127℃)であり、成分(A−3)より結晶化温度Tcが10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(B−1)は、アトフィナ社製FINAPLAS 1751(MFR=25g/10分、結晶化温度(Tc)=79℃、[rrrr]=0.77)であった。
さらに得られた長繊維強化ペレット(E−3)を射出成形した。得られたサンプルの引張強度、IZOD衝撃強度、光沢度(グロス)を表2に示した。なお、得られたサンプル中のガラス繊維の重量平均繊維長は、4mmであった。
実施例3において、成分(A−1)より結晶化温度Tcが10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(B−1)を、結晶性熱可塑性樹脂(A−2)に変更した以外は、実施例2と同様にしてサンプルを得た。なお、得られたサンプル中のガラス繊維の重量平均繊維長は、4mmであった。なお、用いた結晶性熱可塑性樹脂(成分(A−2))は、プロピレン単独重合体(MFR=25g/10分、結晶化温度(Tc)=128℃)であった。
特開平3−121146号公報に記載されている方法により、表1に記載した組成で、ガラス繊維の含有量が40重量%であり、ペレット長が9mmの長繊維強化ペレット(E−4)を作成した。さらに得られた長繊維強化ペレット(E−4)と成分(A)より結晶化温度Tcが10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(B−1)を、表5に記載した組成で混合した後、射出成形した。得られたサンプルの光沢度(グロス)を表5に示した。なお、得られたサンプル中のガラス繊維の重量平均繊維長は、4mmであった。
実施例4において、長繊維強化ペレット(E−4)との混合に用いた、成分(A)より結晶化温度(Tc)が10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(B−1)を、結晶性熱可塑性樹脂(A−2)に変更した以外は、実施例4と同様にしてサンプルを得た。なお、得られたサンプル中のガラス繊維の重量平均繊維長は、4mmであった。
A−2:プロピレン単独重合体(MFR=25g/10分、結晶化温度(Tc)=128℃)
A−3:プロピレン単独重合体(MFR=120g/10分、結晶化温度(Tc)=122℃)
C−1:ガラス繊維(繊維径:16μm)
D−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=60g/10分、無水マレイン酸グラフト量=0.6重量%)
B−1:アトフィナ社製FINAPLAS 1751(MFR=25g/10分、結晶化温度(Tc)=79℃)
E−1:長繊維強化ペレット(表1に記載した長繊維強化ペレット(E−1)を用いた。)
C−1:ガラス繊維(繊維径:16μm)
D−2:無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=40g/10分、無水マレイン酸グラフト量=0.2重量%)
A−2:プロピレン単独重合体(MFR=25g/10分、結晶化温度(Tc)=128℃)
E−4:長繊維強化ペレット(表1に記載した長繊維強化ペレット(E−4)を用いた。)
また、本発明の要件を満足する実施例2および実施例4のそれぞれは、本発明の要件である成分(A)より結晶化温度Tcが10℃以上低い成分(B)を含有しない比較例2および比較例4のそれぞれに比べて、光沢度(グロス)が向上しており、外観が大きく改良されていることが分かる。
Claims (11)
- 結晶性熱可塑性樹脂(成分(A))10〜99重量%と、前記成分(A)より結晶化温度が10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(成分(B))90〜1重量%とを含有する樹脂(I)と、樹脂(I)100重量部に対して、繊維(成分(C))5〜400重量部を含有する組成物。(但し、樹脂(I)の全量を100重量%とする。)
- 成分(A)および成分(B)のいずれか一方または両方が、それぞれの一部または全てが不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されている結晶性熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 結晶性熱可塑性樹脂(成分(A))と、前記成分(A)より結晶化温度が10℃以上低い結晶性熱可塑性樹脂(成分(B))および不飽和カルボン酸またはその誘導体で一部または全てが変性された変性ポリオレフィン樹脂(成分(D))を含有する樹脂(II)と、樹脂(II)100重量部に対して、繊維(成分(C))5〜400重量部を含有する組成物であって、樹脂(II)において、成分(A)と成分(B)の重量割合については、成分(A)が10〜99重量%であり、成分(B)90〜1重量%であり(但し、成分(A)と成分(B)の全量を100重量%とする。)、そして、成分(A)の重量と成分(B)の重量の合計に対する成分(D)の重量の比(成分(D)/[成分(A)+成分(B)])が0.1/99.9〜20/80である組成物。
- 成分(A)および成分(B)のいずれか一方または両方が、ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 成分(B)の結晶化温度が、100℃以下であることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかに記載の組成物。
- 成分(B)が、ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 成分(B)のメルトフローレート(230℃、21.2N)が1〜300g/10分であることを特徴とする請求項6記載の組成物。
- 成分(B)が、シンジオタクチック構造を有するポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項6または7記載の組成物。
- 繊維(成分(C))の重量平均繊維長が、2〜100mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載されている組成物から得られるペレットであり、ペレット長が2〜50mmであり、含有される繊維(成分(C))の重量平均繊維長とペレット長が等しいことを特徴とするペレット。
- 請求項1〜9記載のいずれかに記載の組成物または請求項10記載のペレットから得られる成形品であり、成形品中の繊維(成分(C))の重量平均繊維長が1mm以上である成形品。
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