JP6094049B2 - 充填材含有ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents
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ポリプロピレン樹脂と変性ポリオレフィン樹脂と充填剤との合計重量を100重量部として、
ポリプロピレン樹脂と変性ポリオレフィン樹脂との含有量の合計が40〜95重量部であり、
充填剤の含有量が5〜60重量部であり、
アルカリ土類金属の水酸化物の含有量が0.001〜1重量部であり、
重金属不活性化剤の含有量が0.001〜1重量部であり、
ポリプロピレン樹脂と変性ポリオレフィン樹脂との含有量の合計100重量%に対する変性ポリオレフィン樹脂の含有量が0.1〜40重量%である
充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物に係るものである。
本発明で用いたポリプロピレン樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体が挙げられる。プロピレンランダム共重合体としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体、およびプロピレンとエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体が挙げられる。プロピレンブロック共重合体は、プロピレンを単独重合した後にエチレンとプロピレンを共重合して得られる共重合体である。これらの重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
そして、ポリプロピレン樹脂の製造方法としては、例えば、“新ポリマー製造プロセス”(佐伯康治編集、工業調査会(1994年発行))、特開平4−323207号公報、特開昭61−287917号公報等に記載されている重合法が挙げられる。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン樹脂は、
(1)本発明で用いられるポリプロピレン樹脂とは異なるオレフィンの単独重合体、少なくとも2種のオレフィンの共重合体、または、オレフィンを単独重合した後に少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られるブロック共重合体に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合したもの、または、
(2)少なくとも1種のオレフィンと、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を共重合したもの
である。
また、クエン酸やリンゴ酸のように、ポリプロピレンにグラフトする工程で脱水して不飽和カルボン酸を生じるものを用いてもよい。
不飽和カルボン酸および/またはその誘導体として、好ましくは無水マレイン酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルである。
(1)エチレンおよびプロピレンから選択される1以上のオレフィンに由来する単量体単位を70重量%以上、好ましくは80重量%以上含有するポリオレフィン樹脂に、無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂、
(2)エチレンおよびプロピレンから選択される1以上のオレフィンと、メタクリル酸グリシジルエステルまたは無水マレイン酸とを共重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂
である。
本発明で用いられる充填材は、ポリプロピレン樹脂を強化できるものであり、例えば、繊維、ガラスフレーク、マイカ、ガラス粉、ガラスビーズ、タルク、クレー、アルミナ、シリカ、ウォルスナイト、カオリン、ペントナイト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、砂、珪藻土、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、カーボンブラック、硫化モリブテン、磁石粉、硫化カドミウム、ウィスカー、木粉、竹紛、メラミンパウダー等が挙げられる。充填材は、単独で用いてもよく、少なくとも2種類を併用してもよい。
本発明に用いられるアルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムが挙げられる。好ましくは水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムであり、より好ましくは水酸化カルシウムである。これらのアルカリ土類金属の水酸化物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いる重金属不活性化剤は、金属イオンをキレート化する機能を有し、高分子材料が金属と接触する環境下で、金属による高分子材料の熱酸化劣化が進行するのを防止する作用を持つ化合物であり、ベンゾトリアゾール誘導体、−CO−NH−で表される基を1つ以上有する化合物類(例えば、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、ヒドロキシ安息香酸アニリド誘導体)、硫黄含有ホスファイト類等が挙げられる。
(化合物1)3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール
(化合物2)デカメチレンジカルボキシリックアシッド−ビス(N’−サリチロイルヒドラジド)
(化合物3)オキサリックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)
(化合物4)2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド
(化合物5)2,2’−オキサミドビス[エチル3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(化合物6)トリス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチル)フェニル−5−メチル]−フェニルホスファイト
本発明の充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物は、好ましくは、中和剤として、カルボン酸の金属塩を含有する。カルボン酸の金属塩としては、高級脂肪酸の金属塩、安息香酸の金属塩、多価カルボン酸の金属塩などが挙げられる。中でも高級脂肪酸の金属塩が好ましい。高級脂肪酸としては、例えば、炭素原子数が10〜30個の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは、炭素原子数が12〜18個のものである。金属塩としては、例えば、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩が好ましく、さらに好ましくはカルシウム塩である。カルボン酸の金属塩として、好ましくは、高級脂肪酸のカルシウム塩であり、より好ましくはステアリン酸のカルシウム塩である。これらのカルボン酸の金属塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物は、
ポリプロピレン樹脂と変性ポリオレフィン樹脂と充填剤との合計重量を100重量部として、
ポリプロピレン樹脂と変性ポリオレフィン樹脂との含有量の合計が40〜95重量部であり、
充填剤の含有量が5〜60重量部であり、
アルカリ土類金属の水酸化物の含有量が0.001〜1重量部であり、
重金属不活性化剤の含有量が0.001〜1重量部であり、
ポリプロピレン樹脂と変性ポリオレフィン樹脂との含有量の合計100重量%に対する変性ポリオレフィン樹脂の含有量が0.1〜40重量%である。
フィード方法は、材料を一括で投入する方法、材料の一部をサイドフィードする方法、予備混練物をフィードする方法が挙げられ、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とを予め溶融混練して、そののちに充填材を追加して溶融混練する方法である。
(1)ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、充填材と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを予め単軸または二軸の押出機で溶融混練して冷却固化しカットしてペレットを得、その後、当該ペレットと追加の充填材とをブレンドして単軸または二軸の押出機に一括で供給して溶融混練する方法、
(2)ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、充填材と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを予め単軸または二軸の押出機で溶融混練して冷却固化しカットしてペレットを得、その後、複数のフィード口を有する押出機を用い、当該押出機に、上流側のフィード口から前記ペレットを供給し、下流側のフィード口から追加の充填材を供給して溶融混練する方法、
(3)ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを予め単軸または二軸の押出機で溶融混練して冷却固化しカットしてペレットを得、その後、複数のフィード口を有する押出機を用い、当該押出機に、上流側のフィード口から前記ペレットを供給し、下流側のフィード口から充填材を供給して溶融混練する方法、
(4)ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、充填材と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを予め単軸または二軸の押出機で溶融混練して冷却固化しカットしてペレットを得、その後、複数のフィード口を有する押出機を用い、上流側のフィード口から前記ペレットを前記の複数のフィード口を有する押出機に供給し、さらに、追加のポリプロピレン樹脂および/または変性ポリオレフィン樹脂と追加の充填材とを予めブレンドして任意のフィード口から前記の複数のフィード口を有する押出機に一括で供給して溶融混練する方法、
(5)ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、充填材と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを予め単軸または二軸の押出機で溶融混練して冷却固化し、カットしてペレットを得、その後、複数のフィード口を有する押出機を用い、上流側のフィード口から前記ペレットを前記の複数のフィード口を有する押出機に供給し、さらに、任意のフィード口から、追加のポリプロピレン樹脂および/または変性ポリオレフィン樹脂と追加の充填材とを個別に前記の複数のフィード口を有する押出機に供給して溶融混練する方法、
(6)複数のフィード口を有する押出機を用い、ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、充填材と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを上流側のフィード口から前記押出機に供給し、追加の充填材を下流側のフィード口から前記押出機に供給して溶融混練する方法、
(7)複数のフィード口を有する押出機を用い、ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、充填材と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを上流側のフィード口から前記押出機に供給し、さらに、追加のポリプロピレン樹脂および/または変性ポリオレフィン樹脂と、追加の充填材とを予めブレンドして任意のフィード口から前記押出機に一括で供給して溶融混練する方法、
(8)複数のフィード口を有する押出機を用い、ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、充填材と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを上流側のフィード口から前記押出機に供給し、さらに、任意のフィード口から、追加のポリプロピレン樹脂および/または変性ポリオレフィン樹脂と、追加の充填材とを個別に前記押出機に供給して溶融混練する方法、
(9)複数のフィード口を有する押出機を用い、ポリプロピレン樹脂と、変性ポリオレフィン樹脂と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを上流側のフィード口から前記押出機に供給し、充填材を下流側のフィード口から前記押出機に供給して溶融混練する方法を挙げることができる。
連続繊維に樹脂を含浸させる温度は、好ましくは150〜300℃であり、さらに好ましくは180〜280℃であり、より好ましくは、200〜250℃である。
本発明の成形品は、本発明の充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物からなる成形品である。成形品の形状、大きさは、目的に応じて適宜決めればよい。
本発明の充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物および成形品は、機械的強度、耐久性および良好な外観が必要とされるフェンダー、オーバーフェンダー、グリルガード、カウルルーバー、ホイールキャップ、サイドプロテクター、サイドモール、サイドロアスカート、フロントグリル、サイドステップ、ルーフレール、リアスポイラー、バンパー等の外装部品や、耐熱剛性の要求されるインパネロア、トリム等の内装部品や、バンパービーム、クーリングファン、ファンシュラウド、ランプハウジング、カーヒーターケース、ヒューズボックス、エアクリーナーケース、フロントエンドモジュール等のエンジンルーム内部品等の自動車用プラスチック部品に使用することができる。
また、電動工具、カメラ、ビデオカメラ、電子レンジ、電気釜、ポット、掃除機、パーソナルコンピューター、複写機、プリンター、FDD、CRTの機械ハウジング等の各種電気製品の部品、ポンプケーシング等の各種機械の部品、タンク、パイプ、建築用型枠等の構造物等の部品にも使用することができる。
実施例または比較例で用いた評価用サンプルの製造方法を以下に示した。
(1)ペレットの製造方法
温度コントロール可能なシリンダーバレル11個からなり、最上流側に第一原料フィード口と下流側のC5バレルに第二原料フィード口、C8バレルに第三原料フィード口を有し、且つ各原料投入口の下流側にニーディングディスクで構成される混練部を有する東芝機械製TEM50Aを用い、ガラス繊維以外の原料を第一原料フィード口から、ガラス繊維を第三原料フィード口から投入し、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練を行った。
(2)評価用サンプルの製造方法
評価用サンプルは下記条件で成形した。評価用サンプルの射出成形は、住友重機械工業社製サイキャップ S110/50成形機を使用した。
シリンダー温度:240℃
金型温度:50℃
(1)比重(単位:−)
ASTM D792に従って、23℃で測定した。
(2)メルトマスフローレイト(MFR、単位:g/10min.)
ASTM D1238に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :230℃
荷重 :2.16kg
(3)曲げ強度および曲げ弾性率(単位:MPa)
ASTM D790に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:6.4mm
スパン :100mm
変形速度 :2mm/分
(4)IZOD衝撃強度(単位:KJ/m2)
ASTM D256に従って、下記条件で測定した。
測定温度 :23℃
サンプル厚み:6.4mm[Vノッチあり]
(5)老化時間(銅板接触下)(単位:h)
射出成形法で作製した耐熱老化性試験用サンプル(厚み:1mm)を直径25mmの円形状に打ち抜いて試験片とし、該試験片を直径15mmの円形状銅板(厚さ:1mm)2枚で両側から挟み、固定することによって銅板と試験片とを接触させ、160℃のギヤーオーブン中に入れ、銅板接触下での耐熱老化性試験を実施した。老化時間(単位:時間)は、試験片の円形状銅板接触部周辺が変色劣化し始める時間とした。上記方法で得られた老化時間の大小を、耐熱老化性試験用サンプルの原料である充填材含有ポリプロピレン樹脂組成物成形体の耐久性の指標とした。この値が大きいほど、金属接触下における耐久性に優れる。
(6)疲労強度(単位:回)
ASTM D671−71T METHOD B に従い、TYPE A試験片を使用して、23℃における繰り返し曲げ応力42MPaでの破断までの繰り返し回数を測定した。測定は、東洋精機(株)製繰り返し振動試験機B70型を使用し、繰り返し速度30Hzで行った。
(A−1)プロピレン単独重合体
MFR(230℃、荷重2.16kg)が25g/10分であるプロピレン単独重合体。
(B−1)無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂
下記の方法により製造された、MFRが60g/10分であり、マレイン酸グラフト量が0.6重量%(変性前のポリプロピレン樹脂の重量を100重量%とする。)である無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂。
<無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(B−1)の製造方法>
ブロックプロピレン共重合体の樹脂([η]=2.8dl/g、エチレン−プロピレン共重合体部含量21重量%)100重量部に対して、無水マレイン酸2.0重量部、ジセチルパーオキシジカルボネート0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(B−1)を得た。
(C−1)ガラス繊維 商品名:チョップドストランド ESC03T−480H/PL(日本電気硝子社製、アミノシランカップリング剤により変性され、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系収束剤に極少量のウレタン系収束剤を併用した収束剤を用いて収束された、繊維径10μm、繊維長3mmのガラス繊維。)。
(D−1)水酸化カルシウム 商品名:カルテックLT(鈴木工業社製、平均粒子径1.3μmの水酸化カルシウム。)。
(E−1)重金属不活性化剤 商品名:イルガノックスMD1024(BASF社製、化合物名:2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド)。
表1に記載した配合比で、プロピレン単独重合体(A−1)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(B−1)およびガラス繊維(C−1)とを混合し、成分(A−1)、成分(B−1)と成分(C−1)との合計量100重量部に対して、水酸化カルシウム(D−1)0.015重量部、重金属不活性化剤(E−1)0.10重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂株式会社製)0.05重量部、スミライザーGA80(住友化学社製)0.1重量部、ウルトラノックス626(GEスペシャリティケミカルズ社製)0.05重量部、スミライザーTPM(住友化学社製)0.1重量部を添加、均一混合した後、上記の方法で溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFRを表1に示した。さらに得られたペレットを上記方法で射出成形した。得られた成形体の比重、曲げ強度、IZOD衝撃強度、老化時間、及び疲労強度を表1に示した。
実施例1において用いていた水酸化カルシウム(D−1)の配合量を0.03重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において用いていた水酸化カルシウム(D−1)と重金属不活性化剤(E−1)の配合量を、それぞれ0.03重量部、0.075重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
水酸化カルシウム(D−1)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
B−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(MFR=60g/10分、マレイン酸グラフト量=0.6重量%)
C−1:ガラス繊維 (チョップドストランド ESC03T−480H/PL(日本電気硝子社製)、繊維径10μm、繊維長3mm、カップリング剤:アミノシラン系カップリング剤、収束剤:無水マレイン酸変性ポリオレフィン系収束剤に極少量のウレタン系収束剤を併用した収束剤)
D−1:水酸化カルシウム(商品名:カルテックLT(鈴木工業社製))
E−1:重金属不活性化剤イルガノックスMD1024(BASF社製)
これに対して、成分(D)の含有量が本発明の要件を満足しない比較例1は、金属接触下の耐久性が不充分であることが分かる。
Claims (5)
- ポリプロピレン樹脂と、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と、充填剤と、アルカリ土類金属の水酸化物と、重金属不活性化剤とを含有し、
ポリプロピレン樹脂と無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂と充填剤との合計重量を100重量部として、
ポリプロピレン樹脂と無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂との含有量の合計が40〜95重量部であり、
充填剤が無機繊維であり、
充填剤の含有量が5〜60重量部であり、
アルカリ土類金属の水酸化物の含有量が0.001〜0.03重量部であり、
重金属不活性化剤の含有量が0.001〜1重量部であり、
ポリプロピレン樹脂と無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂との含有量の合計100重量%に対する無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量が0.1〜20重量%である
充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物。 - ポリプロピレン樹脂が、プロピレン単独重合体とプロピレンランダム共重合体とプロピレンブロック共重合体とからなる群より選択される少なくとも1種のポリプロピレン樹脂である請求項1記載の充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物。
- アルカリ土類金属の水酸化物が水酸化カルシウムである請求項1又は2記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の充填材含有ポリプロピレン樹脂組成物からなる成形品。
- 自動車エンジンルーム内部品である請求項4の成形品。
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