JP5281297B2 - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
マレイン酸誘導体がグラフトした変性プロピレン系重合体およびフイラーからなる組成物が開示されている(特許文献2参照)。該組成物は、具体的には、数平均分子量が7,0
00、エチレン含量が3重量%のプロピレン・エチレンランダム共重合体を熱酸化し、アゾ系ラジカル開始剤によって全体の10重量%の割合で無水マレイン酸をグラフトしたのち、エタノールアミンで2次変性した変性プロピレン重合体を配合してなる組成物である。しかし、実際にとりわけ高い剛性衝撃物性バランスと塗膜密着性を得るためには、依然として成形加工性が低下するという問題があった。
(1)(A)ポリプロピレン系重合体5〜55重量%、
(B)酸変性ポリプロピレン10〜45重量%、
(c−1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム15〜25重量%、
(c−2)芳香族含有ビニルモノマー・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物1〜10重量%、
(D)無機充填剤15〜30重量%
(ここで(A)、(B)、(c−1)、(c−2)及び(D)の合計は100重量%である)
からなるポリプロピレン樹脂組成物であって、
前記(B)酸変性ポリプロピレンが、酸基を含有するラジカル反応性モノマーと、酸基を含有しないラジカル反応性モノマーとによって変性された変性ポリプロピレンであり、ポリプロピレン樹脂組成物中の、酸基を含有するラジカル反応モノマーに由来する構成単位の含有量が0.3〜1.0重量%、かつ酸基を含有しないラジカル反応性モノマーに由来する構成単位の含有量が0.01〜0.5重量%であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
前記(a−1)結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体は、メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が10〜130g/10分であり、プロピレン単独重合体部における13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が97%以上であり、さらにプロピレン・エチレンランダム共重合体部の含有量が5〜25重量%であり、
前記(a−2)結晶性プロピレン単独重合体は、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が97%以上、メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が100〜300g/10分であることを特徴とする前記(1)に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
が、(メタ)アクリル酸エステルおよび/またはその誘導体であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
(A)ポリプロピレン系重合体
本発明のポリプロピレン樹脂組成物を構成する、(A)ポリプロピレン系重合体としては、ポリプロピレンから導かれる構成単位を80重量%以上、好ましくは90重量%以上含有する単独重合体または共重合体で、酸変性のなされていないものである。(A)ポリプロピレン系重合体は結晶性を有することが好ましく、共重合体である場合にはプロピレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
該重合体は、(a−1)結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体であるか、また
は(a−1)結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体と(a−2)結晶性プロピレン単独重合体との混合物であることが好ましい。
する(I. J. Gardner et al, Rubber Chem. And Tech., 44, 1015, 1971)。
本発明に用いられる(B)酸変性ポリプロピレンは、酸基を含有するラジカル反応性モノマーと、酸基を含有しないラジカル反応性モノマーとによってポリプロピレンが変性された変性ポリプロピレンであり、本発明のポリプロピレン樹脂組成物における(B)酸変性ポリプロピレンの割合は10〜45重量%、好ましくは25〜45重量%である。
方法としては、ポリプロピレン樹脂と酸基を含有するラジカル反応性モノマー、酸基を含有しないラジカル反応性モノマー、および有機過酸化物を含む混合物を溶融混練することによる製造方法が挙げられる。この溶融混練法で用いるポリプロピレン樹脂としては示差走査熱量計で測定される融点が150〜168℃、135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が1〜15dl/g、好ましくは3〜12dl/gである結晶性ポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。結晶性ポリプロピレン樹脂としては、特に限定されるものではないが、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体などが挙げられる。共重合体である場合のコモノマーとしては、エチレンや1−ブテンなどが挙げられる。これらの中でもプロピレン単独重合体が好ましく挙げられる。酸基を含有するラジカル反応性モノマー、酸基を含有しないラジカル反応性モノマー、および有機過酸化物は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、酸基を含有するラジカル反応性モノマーが0.6〜10重量部、酸基を含有しないラジカル反応性モノマーが0.01〜10重量部、および有機過酸化物が0.01〜10重量部の範囲で混合し、これらの混合物を溶融混練することが好ましい。
具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリル酸、マレイン酸、フマー
ル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸:商標)、メチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸、商標)等の不飽和カルボン酸;これらの不飽和カルボン酸の無水物;これらの不飽和カルボン酸塩;不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カルボン酸アミド、および不飽和カルボン酸イミドの誘導体などが挙げられる。
メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸コシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸グリセリンなどが挙げられる。
具体的には、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バラレート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン等のペルオキシケタール類;
ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルペルオキシド類;
アセチルペルオキシド、イソブチルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、2,5−ジクロロベンゾイルペルオキシド、m−トリオイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類;
t−ブチルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウリレート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシマレイックアシッド、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、クミルペルオキシオクテート等のペルオキシエステル類;
ジ(3−メチル−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート,ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジーnーブチルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジミリスチ
ルペルオキシカーボネート、ジセチルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類;
t−ブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロペルオキシド等のハイドロペルオキシド類などが挙げられる。これらの中ではベンゾイルペルオキシド、m−トリオイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシベンゾエートジミリスチルペルオキシジカーボネート、ジセチルペルオキシジカーボネートなどが好ましい。これらは1種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる(c−1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムは、エチレンと
、α−オレフィンとをモノマーの主成分とした共重合ゴムであればよく、その種類は特に限定されないが、好ましい態様として次の共重合体を挙げることができる。すなわち、エチレン含有量20〜95モル%、好ましくは30〜90モル%、炭素数3〜20のα−オレフィン含有量5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムがあげられる。(c−1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムは、MFR(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が0.5〜15g/10分
、好ましくは1〜15g/10分である。ポリプロピレン樹脂組成物における(c−1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムの割合は15〜25重量%、好ましくは18〜25重量%である。
くは90/10〜40/60、より好ましくは85/15〜50/50の範囲が望ましい。また非共役ポリエン成分の割合は、ランダム共重合体のヨウ素価で表して、好ましくは1〜40、より好ましくは2〜35が望ましい。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体の代表例として、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン・1−ブテン・ジエン三元共重合体を挙げることができる。
本発明に用いられる(c−2)芳香族ビニルモノマー・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は、下記に示す式(1)または式(2)で表されるブロック共重合体のY部を水素添加して得られた水素添加物である。
X(−Y−X)n・・・・・・・・(2)
式中、Xは芳香族ビニルモノマーの重合体ブロック、Yは共役ジエン重合体ブロック、nは1〜5の整数、好ましくは1または2である。ポリプロピレン樹脂組成物における(c−2)ブロック共重合体の水素添加物の割合は1〜10重量%、好ましくは1〜8重量%である。
ック共重合体(SEPS)、およびスチレン・イソプレンジブロック共重合体の水素添加によって得られるスチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)等のスチレン系ブロック共重合体を挙げることができる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物を構成する(D)無機充填剤としては、公知の無機充填剤をいずれも使用することができ、たとえば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、ケイ酸塩類、炭酸塩類、ガラス繊維等が挙げられる。これらの中で特にタルクが好ましい。タルクの中でも、レーザー解析法で測定した平均粒径が1〜10μm、好ましくは2〜6μmのものが望ましい。無機充填剤は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。ポリプロピレン樹脂組成物における(D)無機充填剤の割合は15〜30重量%、好ましくは20〜30重量%である。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、(A)ポリプロピレン系重合体5〜55重量%、(B)酸変性ポリプロピレン10〜45重量%、(c−1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム15〜25重量%、(c−2)芳香族含有ビニルモノマー・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物1〜10重量%、(D)無機充填剤15〜30重量%(ここで(A)、(B)、(c−1)、(c−2)及び(D)の合計は100重量%である)からなり、前記(B)酸変性ポリプロピレンが、酸基を含有するラジカル反応性モノマーと、酸基を含有しないラジカル反応性モノマーとによって変性された変性ポリプロピレンであり、ポリプロピレン樹脂組成物中の、酸基を含有するラジカル反応モノマーに由来する構成単位の含有量が0.3〜1.0重量%、好ましくは0.4〜0.8重量%、かつ酸基を含有しないラジカル反応性モノマーに由来する構成単位の含有量が0.01〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。酸基を含有するラジカル反応モノマーに由来する構成単位の含有量が0.3重量%未満、または酸基を含有しないラジカル反応モノマーに由来する構成単位の含有量が0.01〜0.5重量%の範囲外である場合、所定の塗膜密着性が発現せず、また酸基を含有するラジカル反応モノマーに由来する構成単位の含有量が1.0重量%を超える場合、剛性、耐熱性が不十分となることがある。
バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機等の混合装置を用いて混合または溶融混練する方法によって製造することができる。この際、(A)、(B)、(c−1)、(c−2)、および(D)の各成分および必要により配合する添加剤などの混合順序は任意であり、同時に混合してもよいし、一成分を混合した後、他の成分を混合する様な多段階の混合方法を採用することができる。
なお、実施例、比較例で用いたポリプロピレン樹脂組成物の諸特性は次のようにして測定した。
ASTM D−1238に準拠し、230℃、荷重2160gで測定した。
(2)曲げ弾性率
ASTM D−790に準拠し、1/4インチ厚みの試験片を使用して測定した。
ASTM D−256に準拠し、1/4インチ厚みの試験片にノッチ加工して測定に供した。
ASTM D−648に準拠し、0.45MPaの荷重で測定した。
(5)脆化温度
ASTM D−746に準拠して測定した。
日本製鋼社製J100−EP型射出成形機を用いて140mm×70mm×3mmの角板を作成した。純水を含浸させた紙ウエスでこの角板を清拭し、次の塗料を塗布した。
△ 一部剥離
× 全面剥離
実施例および比較例で用いた各種の原料について説明する。
(A)ポリプロピレン系重合体
(a−1)結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体
BCPP:
・MFR(230℃、2160g):100g/10分
・プロピレン単独重合体部:90重量%
アイソタクチックペンダット分率(mmmm分率);98%
・プロピレン・エチレンランダム共重合体部:10重量%
固有粘度[η];7.5dl/g
(135℃、デカリン溶媒中での測定値)
エチレン含有量;26重量%
(a−2)結晶性プロピレン単独重合体
HPP:
・MFR(230℃、2160g):220g/10分
・アイソタクチックペンダット分率(mmmm分率);98%
(B)酸変性ポリプロピレン
[MPP−1]:135℃デカリン溶媒中で測定される固有粘度[η]が7.5dl/gで、示差走査熱量計で検出される融点が164℃であるポリプロピレン単独重合体樹脂100重量部、無水マレイン酸3重量部、メタクリル酸メチル1.5重量部、およびT−ブチルペルオキシベンゾエート1重量部を配合し、あらかじめヘンシェルミキサーで混合し、得られた混合物をベント付2軸混練機を用いてシリンダー温度210℃で溶融混練によるグラフト共重合変性を行った。得られた酸変性ポリプロピレンは、135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が0.92dl/g、示差走査熱量計で検出される融点が158℃、赤外吸光分析にて算出した無水マレイン酸のグラフト量が1.3wt%、およびメタクリル酸メチルのグラフト量が0.5wt%であった。
[MPP−7]:135℃デカリン溶媒中で測定される固有粘度[η]が7.5dl/gで、示差走査熱量計で検出される融点が164℃であるポリプロピレン単独重合体樹脂100重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル6重量部、およびT−ブチルペルオキシベンゾエート2重量部を配合し、あらかじめヘンシェルミキサーで混合し、得られた混合物をベント付2軸混練機を用いてシリンダー温度190℃で溶融混練によるグラフト共重合変性を行った。得られた変性ポリプロピレンは、135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が1.0dl/g、示差走査熱量計で検出される融点が155℃、赤外吸光分析にて算出したメタクリル酸2−ヒドロキシエチル由来の水酸基のグラフト量が2.5wt%であった。
[EOR−1]:
・メタロセン触媒を用いて製造した共重合体
・1−オクテン含有量:45重量%
・MFR(230℃、荷重2160g):2.5g/10分、
[EOR−2]:
・メタロセン触媒を用いて製造した共重合体
・1−オクテン含有量:38重量%
・MFR(230℃、荷重2160g):10g/10分、
(c−2)スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体
[SEBS]:
・MFR(230℃、荷重2160g):4g/10分
・スチレン含有量:20重量%
(D)無機充填剤:タルク
・平均粒径:4μm
実施例1〜4、比較例1〜5として、各成分を表1に示した割合で混合し、テクノベル社製二軸押出機KZW−31にてバレル温度200℃、回転数250rpmで溶融混練した後、アンダーウォーターカットによりペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた組成物を日本製鋼所社製IS−100型射出成形機にてバレル温度190℃で成形し、試験片を作製した。
これに対して、比較例1は機械物性バランスには優れるが、酸変性ポリプロピレン樹脂
を添加していないため、塗装密着性が発現しない。
比較例3は、ポリプロピレン樹脂組成物中の酸変性ポリプロピレン由来の酸基を含有しないモノマー単位量を満足しないため、塗装密着性が不十分であり、かつ酸変性ポリプロピレンの135℃デカリン溶媒中で測定される固有粘度[η]が本発明の要件を満足していないため、ポリプロピレン樹脂組成物の衝撃強度が不十分であることが分る。
Claims (9)
- (A)ポリプロピレン系重合体5〜55重量%、
(B)酸変性ポリプロピレン10〜45重量%、
(c−1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴム15〜25重量%、
(c−2)芳香族含有ビニルモノマー・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物1〜10重量%、
(D)無機充填剤15〜30重量%
(ここで(A)、(B)、(c−1)、(c−2)及び(D)の合計は100重量%である)からなるポリプロピレン樹脂組成物であって、
前記(B)酸変性ポリプロピレンが、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸塩、不飽和カルボン酸ハライドから選ばれる少なくとも1種と、(メタ)アクリル酸エステルとによって変性された変性ポリプロピレンであり、ポリプロピレン樹脂組成物中の、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸塩、不飽和カルボン酸ハライドから選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位の含有量が0.3〜1.0重量%、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の含有量が0.01〜0.5重量%であり、135℃デカリン中で測定される固有粘度[η]が0.8〜2.0dl/gであり、示差走査熱量計により検出される融点が150℃〜168℃である
ことを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。 - (A)ポリプロピレン系重合体が(a−1)結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体、または(a−1)結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体50〜99重量%と(a−2)結晶性プロピレン単独重合体1〜50重量%との混合物(ここで(a−1)、(a−2)の合計は100重量%である)であり、
前記(a−1)結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体は、メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が10〜130g/10分であり、プロピレン単独重合体部における13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が97%以上であり、さらにプロピレン・エチレンランダム共重合体部の含有量が5〜25重量%であり、
前記(a−2)結晶性プロピレン単独重合体は、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が97%以上、メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が100〜300g/10分であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。 - (B)酸変性ポリプロピレンが、酸変性ポリプロピレン中の、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸塩、不飽和カルボン酸ハライドから選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位が0.6〜5.0重量%、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位が0.01〜3.0重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- (c−1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムのメルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が0.5〜15g/10分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- (c−1)エチレン・α−オレフィン共重合ゴムが、エチレンと炭素数6以上のα−オレフィンとの共重合ゴムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- (c−2)ブロック共重合体の水素添加物が、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体、またはスチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- (D)無機充填剤が、タルクであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- ポリプロピレン樹脂組成物からなる成形体表面の、溶剤洗浄・プライマー塗布等の前処理を施さずに塗装したメラミン系塗料の塗膜密着性が、碁盤目剥離試験の碁盤目残存率で100%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が20〜70g/10分、曲げ弾性率(ASTM D−790)が1800〜2500MPa、23℃で測定されるアイゾッド衝撃強度(ASTM D−256)が350J/m以上、および脆化温度(ASTM D−746)が−10〜−40℃であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
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