JP4791258B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
自動車外装部品には、自動車の金属で作られているボデー部との意匠性の一体感が重要であることから、通常、自動車外装部品には、金属で作られているボデー部と同色の塗装が施される。
そして、近年は、揮発性有機化合物(Volatil organic compounds、VOC)の低減やエネルギー削減の見地から、プライマー工程の削除や削減が求められている。
かかる状況の下、本発明の目的は、プライマーを塗布しなくても良いという優れた塗装密着性を有し、延性に優れるポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体を提供することにある。
すなわち、本発明は、
(A)下記の(A−1)結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体または、下記の(A−2)重合体混合物 10〜68重量%と、
(B)下記の変性ポリオレフィン樹脂 1〜30重量%と、
(C−1)プロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種のオレフィンとエチレンとの共重合体ゴム 15〜25重量%と、
(C−2)ビニル芳香族化合物含有ゴム 1〜10重量%と、
(D)無機充填剤15〜25重量%と
を含むポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである(ただし、成分(A)、成分(B)、成分(C−1)、成分(C−2)、成分(D)の各成分の重量の合計量を100重量%とする)。
(A−1)結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体は、13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率が97%以上であるプロピレン単独重合体部80〜95重量%と、プロピレン−エチレンランダム共重合体部5〜20重量%とを含み(ただし、プロピレン単独重合体部とプロピレン−エチレンランダム共重合体部の各成分の重量の合計量を100重量%とする)、メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が70〜130g/10分の結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体である。
(A−2)重合体混合物は、前記の(A−1)ブロック共重合体50〜99重量%と下記の(A−3)結晶性プロピレン単独重合体1〜50重量%とを含む重合体混合物である(ただし、成分(A−1)、成分(A−3)の各成分の重量の合計量を100重量%とする)。
(A−3)結晶性プロピレン単独重合体は、アイソタクチックペンタッド分率が97%以上、メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が100〜400g/10分の結晶性プロピレン単独重合体である。
(B)変性ポリオレフィン樹脂は、下記の(a1)非晶性オレフィン共重合体または、下記の(a2)非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物と、
前記共重合体(a1)または前記樹脂組成物(a2)100重量部に対して、
少なくとも一種の不飽和基(i)および少なくとも一種の極性基(ii)を有する少なくとも一種の化合物(b)0.01〜20重量部と、
有機過酸化物(c)0.001〜20重量部と
を反応させて得られる変性ポリオレフィン樹脂である。
(a1)非晶性オレフィン共重合体は、エチレンとプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとからなる群から選ばれ、炭素数の合計が6以上となる少なくとも二種のオレフィンを共重合させて得られ、
分子量分布が1〜4、テトラリン中135℃で測定される極限粘度が0.5〜10dl/g、結晶の融解に基づく融解熱量が1J/g以上であるピーク、および、結晶化に基づく結晶化熱量が1J/g以上であるピークのいずれもが、示差走査熱量計によって検出されない非晶性オレフィン共重合体である。
(a2)非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物は、前記の非晶性オレフィン共重合体(a1)1〜99重量%と結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)99〜1重量%とを含む非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物である(ただし、成分(a1)と成分(a3)の各成分の重量の合計量を100重量%とする)。
また、本発明は、上記のポリプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体に係るものである。
ブロック共重合体(A−1)には、必要に応じて、各種の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤等が挙げられる。これらの添加剤の中でも、耐熱性、耐候性、耐酸化安定性を向上させるためには、酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
前記共重合体(a1)または前記樹脂組成物(a2)100重量部に対して、
少なくとも一種の不飽和基(i)および少なくとも一種の極性基(ii)を有する少なくとも一種の化合物(b)0.01〜20重量部と、
有機過酸化物(c)0.001〜20重量部と
を反応させて得られる変性ポリオレフィン樹脂である。
分子量分布が1〜4、テトラリン中135℃で測定される極限粘度が0.5〜10dl/g、結晶の融解に基づく融解熱量が1J/g以上であるピーク、および、結晶化に基づく結晶化熱量が1J/g以上であるピークのいずれもが、示差走査熱量計(DSC)によって検出されない非晶性オレフィン共重合体である。
非晶性オレフィン共重合体(a1)は、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
非晶性オレフィン共重合体成分(a1)に用いられる少なくとも二種のオレフィンの炭素数の合計が6未満であると、変性ポリオレフィン樹脂(B)を安定に製造できないことがある。
直鎖状のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、および1−エイコセン等が挙げられる。
分岐状のα−オレフィンとしては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、および2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等が挙げられる。
エチレンと1−ブテンとの組合せ、エチレンと1−ヘキセンとの組合せ、エチレンと1−オクテンとの組合せ、エチレンと1−デセンとの組合せ、エチレンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、プロピレンと1−ブテンとの組合せ、プロピレンと1−ヘキセンとの組合せ、プロピレンと1−オクテンとの組合せ、プロピレンと1−デセンとの組合せ、プロピレンと1−オクタデセンとの組合せ、プロピレンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−ブテンと1−ヘキセンとの組合せ、1−ブテンと1−オクテンとの組合せ、1−ブテンと1−デセンとの組合せ、1−ブテンと1−オクタデセンとの組合せ、1−ブテンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−ヘキセンと1−オクテンとの組合せ、1−ヘキセンと1−デセンとの組合せ、1−ヘキセンと1−オクタデセンとの組合せ、1−ヘキセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−オクテンと1−デセンとの組合せ、1−オクテンと1−オクタデセンとの組合せ、1−オクテンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−デセンと1−オクタデセンとの組合せ、1−デセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−オクタデセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ブテンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ヘキセンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−オクテンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−デセンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンとプロピレンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの組合せ、エチレンと1−ブテンと1−オクテンとの組合せ、エチレンと1−ブテンと1−デセンとの組合せとの組合せ、エチレンと1−ブテンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンと1−ブテンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンと1−ヘキセンと1−オクテンとの組合せ、エチレンと1−ヘキセンと1−デセンとの組合せ、エチレンと1−ヘキセンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンと1−ヘキセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンと1−オクテンと1−デセンとの組合せ、エチレンと1−オクテンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンと1−オクテンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンと1−デセンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンと1−デセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンと1−オクタデセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、プロピレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの組合せ、プロピレンと1−ブテンと1−オクテンとの組合せ、プロピレンと1−ブテンと1−デセンとの組合せ、プロピレンと1−ブテンと1−オクタデセンとの組合せ、プロピレンと1−ブテンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、プロピレンと1−ヘキセンと1−オクテンとの組合せ、プロピレンと1−ヘキセンと1−デセンとの組合せ、プロピレンと1−ヘキセンと1−オクタデセンとの組合せ、プロピレンと1−ヘキセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、プロピレンと1−オクテンと1−デセンとの組合せ、プロピレンと1−オクテンと1−オクタデセンとの組合せ、プロピレンと1−オクテンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、プロピレンと1−デセンと1−オクタデセンとの組合せ、プロピレンと1−デセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、プロピレンと1−オクタデセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−ブテンと1−ヘキセンと1−オクテンとの組合せ、1−ブテンと1−ヘキセンと1−デセンとの組合せ、1−ブテンと1−ヘキセンと1−オクタデセンとの組合せ、1−ブテンと1−ヘキセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−ブテンと1−オクテンと1−デセンとの組合せ、1−ブテンと1−オクテンと1−オクタデセンとの組合せ、1−ブテンと1−オクテンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−ブテンと1−デセンと1−オクタデセンとの組合せ、1−ブテンと1−デセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、1−ブテンと1−オクタデセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ブテンと1−オクテンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ブテンと1−デセンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ブテンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ブテンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンと1−オクテンとの組合せ、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンと1−デセンとの組合せ、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ヘキセンと1−オクテンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ヘキセンと1−デセンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ヘキセンと1−オクタデセンとの組合せ、エチレンとプロピレンと1−ヘキセンと4−メチル−1−ペンテンとの組合せ等の組合せが挙げられる。
環状オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、4−メチルシクロペンテン、4,4−ジメチルシクロペンテン、シクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、4,4−ジメチルシクロヘキセン、1,3−ジメチルシクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3,5−シクロヘプタトリエン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、シクロドデセン等が挙げられる。
示差走査熱量計(DSC)による測定において、昇温速度および降温速度は、それぞれ10℃/分である。示差走査熱量計(DSC)としては、例えばセイコー電子工業社製 DSC220Cが挙げられる。
(1)GPC装置として、Waters社製の商品名150C/GPCを用いる。
(2)カラムとして、昭和電工社製の商品名Sodex Packed ColumnA−80Mを用いる。
(3)上記溶液400μlを注入する。
(4)溶出温度を140℃とする。
(5)溶出溶媒流速を1.0ml/分とする。
(6)検出器として、屈折率検出器を用いる。
(7)分子量標準物質として、東ソー社製の分子量が68〜8,400,000であるポリスチレンを用いる。
(8)ポリスチレンの分子量に換算された値として、該共重合体(a1)の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を得て、Mw/Mnを算出する。
メタロセン触媒としては、少なくとも1個のシクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族〜第6族の遷移金属錯体を含む触媒が挙げられる。
メタロセン触媒としては、例えば、特開平9−151205号公報(対応欧州特許708117A公報)、特開昭58−19309号公報(対応米国特許4542199A公報)、特開昭60−35005号公報(対応米国特許4536484A公報)、特開昭60−35006号公報(対応米国特許4937299A公報)、特開昭60−35007号公報(対応米国特許5324800A公報)、特開昭60−35008号公報(対応米国特許4530914A公報)、特開昭61−130314号公報(対応米国特許4769510A公報)、特開平3−163088号公報(対応米国特許5703187A公報)、特開平4−268307号公報(対応米国特許5243001A公報)、特開平9−12790号公報(対応欧州特許751182A公報)、特開平9−87313号公報(対応米国特許6329478A公報)、特開平11−193309号公報(対応米国特許6084048A公報)、特開平11−80233号公報(対応米国特許6121401A公報)および特表平10−508055号公報(対応米国特許5986029A公報)に記載されたメタロセン触媒が挙げられる。
上式[I]〜[III]において、M1は元素の周期律表の第4族の遷移金属原子であり;Aは元素の周期律表の第16族の原子であり;Jは元素の周期律表の第14族の原子であり;Cp1はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基であり;X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、置換シリル基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基または2置換アミノ基であって、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、任意に相互に結合して環を形成してもよく;X3は元素の周期律表の第16族の原子であり;上式[II]または[III]における二つの、M1、A、J、Cp1、X1、X2、X3、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ、相互に同じであっても異なっていてもよい、
(e2):式{−Al(E2)−O−}bで表される構造を有する環状のアルミノキサン
(e3):式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で表される構造を有する線状のアルミノキサン
(e1)〜(e3)において、E1、E2及びE3はそれぞれ炭化水素基であって、E1が複数個の場合、それぞれのE1は同じであっても異なっていてもよく、それぞれのE2やE3は同じであっても異なっていてもよく;Zは水素原子またはハロゲン原子であって、Zが複数個の場合、それぞれのZは同じであっても異なっていてもよく;aは0<a≦3を満足する整数であり;bは2以上の整数であり;cは1以上の整数である
(f2):式 G+(BQ4Q5Q6Q7)-で表されるホウ素化合物、
(f3):式 (L−H)+(BQ8Q9Q10Q11)-で表されるホウ素化合物
Bはホウ素原子であり;Q1〜Q11はハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、置換シリル基、アルコキシ基または2置換アミノ基であって、Q1〜Q11は同じであっても異なっていてもよく、G+は無機または有機のカチオンであり;Lは中性ルイス塩基であり;(L−H)+はブレンステッド酸である。
非晶性オレフィン共重合体(a1)の製造に用いられる触媒として、成分(f)を用いない場合(つまり、成分(d)と成分(e)とを用いる場合)、成分(e)として好ましくは成分(e2)、成分(e3)または両者の組合せである。
溶媒重合またはスラリー重合に用いられる溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。脂肪族炭化水素としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられ、芳香族炭化水素としては、例えばベンゼン、トルエン等が挙げられ、ハロゲン化炭化水素としては、例えばメチレンジクロライド等が挙げられる。
(1)プロピレン単独重合体、
(2)プロピレン単位51〜99.99重量%と、エチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーの単位49〜0.01重量%とを含むランダム共重合体(プロピレン単位とエチレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーの単位の合計を100重量%とする)、
(3)プロピレン単位のみを含む第一ポリマーと、プロピレン単位20〜90重量%およびエチレン単位10〜80重量%を含む(プロピレン単位とエチレン単位との合計を100重量%とする)エチレン−プロピレンランダム共重合体である第二ポリマーとからなるエチレン−プロピレンブロック共重合体、
(4)プロピレン単位のみを含む第一ポリマーと、プロピレン単位20〜90重量%および炭素数4以上のα−オレフィンの単位10〜80重量%を含む(プロピレン単位と、炭素数4以上のα−オレフィンの単位との合計を100重量%とする)プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体である第二ポリマーとからなるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、または、
(5)前記の(1)〜(4)の少なくとも2種の混合物
が挙げられる。
また、前記(1)〜(4)のポリプロピレン樹脂の数平均分子量として、好ましくは10,000〜1,000,000である。
不飽和基(i)としては、炭素−炭素二重結合を有する基、または、炭素−炭素三重結合を有する基である。
極性基(ii)としては、ウレタン系塗料やメラミン系塗料等の塗料中に含まれる樹脂成分との親和性や化学反応性を示す官能基等が挙げられ、例えば、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、エポキシ基、水酸基、イソシアナート基、2−オキサ−1,3−ジオキソ−1,3−プロパンジイル基、ジヒドロオキサゾリル基等が挙げられ、またアミノ基から誘導されるアンモニウム塩の構造を有する基も挙げられる。
(1)マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、
(4)エポキシ化天然油脂類、
(6)上記(5)の不飽和カルボン酸のエステル化合物、アミド化合物または無水物、
(8)3−ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,6−オクタジエン−4,5−ジオール等の不飽和アルコール、
(9)上記(7)または(8)の不飽和アルコールの水酸基が、アミノ基に置換された不飽和アミン、
(11)ブタジエンやイソプレン等の分子量が高い重合体(例えば、数平均分子量が10000以上の重合体)に無水マレイン酸やフェノール類を付加したもの、
(13)ブタジエンやイソプレン等の分子量が高い重合体(例えば、数平均分子量が10000以上の重合体)にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基等を導入したもの、
(14)イソシアン酸アリル等が挙げられる。
そして、化合物(b)を単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
〔4−1〕非晶性オレフィン共重合体(a1)または非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物(a2)と化合物(b)と有機過酸化物(c)と、必要に応じて用いられるビニル芳香族化合物の全部を一括して溶融混練する方法、
〔4−2〕共重合体(a1)または樹脂組成物(a2)を予め溶融混練した後に、化合物(b)と有機過酸化物(c)を配合して再度溶融混練する方法、
〔4−3〕共重合体(a1)または樹脂組成物(a2)を予め溶融混練した後に、共重合体(a1)と化合物(b)と有機過酸化物(c)とを配合して再度溶融混練する方法、
〔4−4〕共重合体(a1)または樹脂組成物(a2)を予め溶融混練した後に、樹脂組成物(a2)と化合物(b)と有機過酸化物(c)とを配合して再度溶融混練する方法、
〔4−5〕共重合体(a1)または樹脂組成物(a2)を予め溶融混練した後に、共重合体(a1)と樹脂組成物(a2)と化合物(b)と有機過酸化物(c)とを配合して再度溶融混練する方法
等が挙げられる。好ましくは、互着を防ぐという観点から、方法〔4−2〕または方法〔4−4〕である。
溶融混練の時間は、グラフト量を充分に向上させるという観点から、通常0.1〜30分であり、好ましくは0.5〜5分である。
炭素数4以上のα−オレフィンとしては、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられ、好ましくはブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1である。
公知の触媒としては、例えば、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒系、チーグラーナッタ触媒系、メタロセン触媒系等が挙げられ、公知の重合方法としては、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、気相重合法等が挙げられる。
前記共重合体ゴム(C−1)の含有量が15重量%未満の場合、衝撃強度が低下することがあり、25重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
前記ビニル芳香族化合物含有ゴム(C−2)の含有量が1重量%未満の場合、衝撃強度が低下することがあり、10重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
無機充填剤(D)の含有量が15重量%未満の場合、剛性が低下することがあり、25重量%を超えた場合、衝撃強度が低下することがある。
(1)ブロック共重合体(A−1)を事前に溶融混練してペレット化し、該ペレットと変性ポリオレフィン樹脂(B)と共重合体ゴム(C‐1)とビニル芳香族化合物含有ゴム(C−2)と無機充填剤(D)とを一括して、溶融混練する方法。
(2)ブロック共重合体(A−1)を事前に混練してペレット化し、該ペレットと単独重合体(A−2)と変性ポリオレフィン樹脂(B)と共重合体ゴム(C‐1)とビニル芳香族化合物含有ゴム(C−2)と無機充填剤(D)とを一括して、溶融混練する方法。
(3)ブロック共重合体(A−1)と変性ポリオレフィン樹脂(B)とを溶融混練した後、共重合体ゴム(C‐1)とビニル芳香族化合物含有ゴム(C−2)と無機充填剤(D)を添加し、溶融混練する方法。
(4)ブロック共重合体(A−1)と変性ポリオレフィン樹脂(B)と無機充填剤(D)を溶融混練した後、共重合体ゴム(C‐1)とビニル芳香族化合物含有ゴム(C−2)を添加し、溶融混練する方法。
なお、上記(3)または(4)の方法において、任意に結晶性プロピレン単独重合体(A−2)を添加しても良い。
本発明の射出成形体の用途として、好ましくは自動車用射出成形体であり、より好ましくは、自動車外装部品であり、例えばバンパー、オーバーフェンダー、サイドモール、ロッカーモール等の部品である。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
ASTM D−1238に準拠し、230℃、荷重2160gで測定した。
ASTM D638に規定された方法に従って、測定した。射出成形により成形された厚みが2mmである試験片を用いて、引張速度を50mm/分とし、引張破断伸び(UE)を測定し、延性を評価した。
住友重機械工業製 SE180Dを用いて、100mm×400mm×3.0mmtの平板成形品を作成した。純水を含浸させた紙ウエスで、前記平板成形品を清拭し、次のとおり、塗料を塗布した。
日本ビーケミカル社製AR2000水性系塗料を乾燥膜厚が15μmになるようにエアガンで塗布した。焼き付けを80℃で10分間行ったのち、その上に日本ビーケミカル社製NP−1000クリア塗料を乾燥膜厚が30μmになるようにエアガンで塗布した。その後焼き付けを110℃で20分間行った。
JIS K5400に準拠し、前記の塗料が塗布された平板成形品に、カッター刃で碁盤目に切れ目を入れ、試験片を作成し、ニチバン社製セロハンテープを試験片に貼り付けた後、これを速やかに引張って剥離させ、塗膜が残っている碁盤目の数を数え、以下の分類を指標にして、塗装密着性を評価した。
○:剥離なし
△:一部剥離
×:全面剥離
(A)結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の重合
特開平10−212319号公報記載の触媒を用い、第一段階でプロピレン単独重合体部分を重合した後、第二段階でプロピレン−エチレンランダム共重合体部分を、連続的に二段階の溶媒重合プロセスにより重合した。系内の水素濃度、重合温度、エチレン/プロピレン濃度を制御して、下記構造のプロピレン−エチレンブロック共重合体を得た。
・MFR(230℃、2160g):88g/10分
・プロピレン単独重合体部:90重量%
アイソタクチックペンダット分率(mmmm分率):99%
・プロピレン−エチレンランダム共重合体部:10重量%
極限粘度[η]:6.7dl/g
エチレン含有量:40重量%
特開平10−212319号公報記載の触媒を用い、溶媒重合法によって、系内の水素濃度と、重合温度を制御することによって、下記構造の結晶性プロピレン単独重合体を得た。
・MFR(230℃、2160g):320g/10分
・アイソタクチックペンダット分率(mmmm分率):99%
(1)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。
(A−1a)結晶性プロピレン単独重合体部分の極限粘度:[η]P
結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体に含有される結晶性プロピレン単独重合体部分の極限粘度[η]Pは、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造時に、第1工程である結晶性プロピレン単独重合体部分の重合後に、重合槽内より重合体パウダーを取り出し、上記(1)記載の極限粘度の測定方法に従って求めた。
結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPは、プロピレン単独重合体部分の極限粘度[η]Pとプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度[η]Tを、それぞれ上記(1)記載の極限粘度の測定方法に従って求め、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率Xを用いて、次式から算出して求めた。(プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率Xは、下記(2)の測定方法によって求めた。)
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules,15,1150−1152(1982))に基づいて求めた。
10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
アイソタクチックペンタッド分率とは、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法によって、すなわち13C−NMRを使用する測定方法によって求められるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の分率、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。ただし、13C−NMRによって得られる吸収ピークの帰属は、その後、発行されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて行った。
参考例1
1.遷移金属錯体(ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド)(重合触媒成分)の製造
(1)1−ブロモ−3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノールの製造
撹拌機を備えた500ml4つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール20.1g(123mmol)をトルエン150mlに溶かし、続いてtert−ブチルアミン25.9ml(18.0g、246mmol)を加えた。この溶液を−70℃に冷却し、そこへ臭素10.5ml(32.6g、204mmol)を加えた。この溶液を−70℃に保ち、2時間撹拌した。その後、室温まで昇温し、1回につき、10%希塩酸100mlを加えて、3回洗浄した。洗浄後得られる有機層を、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、エバポレーターを使用して溶媒を除去した後、シリカゲルカラムを用いて精製し、無色のオイルである1−ブロモ−3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノール 18.4g(75.7mmol)を得た。収率は、62%であった。
撹拌機を備えた100ml4つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下、上記(1)で合成した1−ブロモ−3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノール13.9g(57.2mmol)をアセトニトリル40mlに溶かし、続いて水酸化カリウム3.8g(67.9mmol)を加えた。更に、ヨウ化メチル17.8ml(40.6g、286mmol)を加え、12時間撹拌を続けた。その後、エバポレーターで溶媒を除去し、残さにヘキサン40mlを加え、ヘキサン可溶分を抽出した。抽出は3回繰り返した。抽出分から溶媒を除去し、淡黄色のオイルである1−ブロモ−3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルベンゼン 13.8g(53.7mmol)を得た。収率は、94%であった。
テトラヒドロフラン(31.5ml)、ヘキサン(139ml)及び上記(2)で合成した1−ブロモ−3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルベンゼン(45g)からなる溶液に、−40℃で、n−ブチルリチウムの1.6モル/リットルのヘキサン溶液(115ml)を20分かけて滴下した。得られた混合物を−40℃にて1時間保温した後、該混合物にテトラヒドロフラン(31.5ml)を滴下し、混合物を得た。
ジクロロジメチルシラン(131g)及びヘキサン(306ml)からなる溶液中に、−40℃で、上で得た混合物を滴下した。得られた混合物を室温まで2時間かけて昇温し、更に室温にて12時間撹拌した。
反応混合物から減圧下にて溶媒及び余剰のジクロロジメチルシランを留去し、残さからヘキサンを用いてヘキサン可溶分を抽出し、得られたヘキサン溶液から溶媒を留去して、淡黄色オイル状の(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)クロロジメチルシラン 41.9gを得た。収率は、84%であった。
上記(3)で合成した(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)クロロジメチルシラン(5.24g)及びテトラヒドロフラン(50ml)からなる溶液中に、−35℃にて、テトラメチルシクロペンタジエニル リチウム(2.73g)を添加し、2時間かけて室温まで昇温し、更に室温にて10時間撹拌した。
得られた反応混合物から減圧下に溶媒を留去し、残さから、ヘキサンを用いてヘキサン可溶分を抽出し、得られたヘキサン溶液から減圧下に溶媒を留去して、黄色オイル状の(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン 6.69gを得た。収率は、97%であった。
上記(4)で合成した(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン(10.04g)とトルエン(100ml)とトリエチルアミン(6.30g)とからなる溶液に、−70℃で、n−ブチルリチウムの1.63モル/リットルのヘキサン溶液(19.0ml)を滴下し、その後、2時間かけて室温まで昇温し、更に室温で12時間保温し、混合物を得た。
窒素雰囲気下に0℃で、四塩化チタニウム(4.82g)のトルエン溶液(50ml)に、上で得られた混合物を滴下し、その後、1時間かけて室温まで昇温した後、10時間加熱還流した。
反応混合物を濾過し、濾液から溶媒を留去し、残さをトルエン−ヘキサン混合溶媒から再結晶して、橙色柱状結晶のジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド(下式)3.46gを得た。収率は、27%であった。
該化合物のスペクトルデータは次のとおりであった。
1H−NMR(CDCl3) δ 0.57(s,6H)、1.41(s,9H)、2.15(s,6H)、2.34(s,6H)、2.38(s,3H)、7.15(s,1H)、7.18(s,1H)
13C−NMR(CDCl3) δ 1.25、14.48、16.28、22.47、31.25、36.29、120.23、130.62、131.47、133.86、135.50、137.37、140.82、142.28、167.74
マススペクトル(CI、m/e)458
冷却水を循環させるためのジャケットを外部に取り付けた、攪拌機付の100L−SUS製重合器の下部から、重合溶媒としてヘキサンを100L/時間の速度で、プロピレンを24.00Kg/時間の速度で、1−ブテンを1.81Kg/時間の速度で、重合触媒成分として上記1項で合成されたジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の速度で、分子量調節剤としての水素を、それぞれ連続的に供給し、45℃で連続的に共重合させた。
重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に、少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマー及び水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体(a1)を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。該共重合体の生成速度は7.10Kg/時間であった。
得られたプロピレン−1−ブテン共重合体(a1)の諸物性を表1にまとめた。
上記2.で得られたプロピレン−1−ブテン共重合体(a1)85重量部と、ポリオレフィン樹脂(a3)として用いたプロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学(株)製、商品名ノーブレンS131、MFR=1.5g/10分)15重量部とを、バンバリー混練機で溶融混練し、非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物を得た。
該非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート1.5重量部を添加して十分に予備混合し、得られた混合物を、ベント付2軸混練機を用いてシリンダー温度180℃で溶融混練によるグラフト共重合変性を行ない変性ポリオレフィン樹脂(B)を得た。得られた変性ポリオレフィン樹脂(B)のMFRは14g/10分、赤外吸光分析にて算出したグラフト率は3.6重量%であった。
1.プロピレン−1−ブテン共重合体(a1)中のプロピレン単位および1−ブテン単位の含有量
Bruker社製の核磁気共鳴装置(商品名 AC−250)を用いて、以下のステップからなる方法で測定した。
(1)サンプルの13C−NMRスペクトルを測定する。
(2)該スペクトルから、プロピレン単位由来のメチル基炭素のスペクトル強度と、1−ブテン単位由来のメチル基炭素のスペクトルとの強度比を求める。
(3)該強度比から、プロピレン単位および1−ブテン単位のそれぞれの含有量(単位:モル%、両単位の合計を100モル%とする)を求める。
セイコー電子工業社製の示差走査熱量計(商品名 DSC220C、入力補償DSC)を用い、以下の条件で測定した。
(1)測定の標準物質としてインジウムを用いる。
(2)試料約5mgを、室温から200℃まで、30℃/分の速度で加熱し、200℃で5分間保持する。
(3)200℃から−100℃まで、10℃/分の速度で降温し、−100℃で5分間保持する。
(4)−100℃から200℃まで、10℃/分の速度で昇温する。
以下のステップからなる方法で測定する。
(1)サンプルの濃度(c)が0.6mg/ml、1.0mg/mlおよび1.5mg/mlのテトラリン溶液を、それぞれ調整する。
(2)各テトラリン溶液の135℃における極限粘度を、ウベローデ粘度計を用いて3回測定する。
(3)3回の測定値の平均値を、その濃度における比粘度(ηsp)とする。
(4)各濃度(c)に対して各比粘度(ηsp)をプロットする。
(5)濃度(c)をゼロに外挿して得られる比粘度(ηsp)を、極限粘度[η](dl/g)として求める。
JIS K7210に従って、230℃、荷重21.2Nで測定した。
5.変性ポリオレフィン樹脂(B)のグラフト量(単位:重量%)
以下のステップからなる方法で測定した。
(1)サンプル1.0gをキシレン10mlに溶解して、溶液を調製する。
(2)該溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下して変性ポリオレフィン樹脂を再沈殿させる。
(3)再沈殿させた変性ポリオレフィン樹脂を回収する。
(4)回収した変性ポリオレフィン樹脂を真空乾燥する(80℃、8時間)。
(5)乾燥された変性ポリオレフィン樹脂を熱プレスして、厚さ100μmのフィルムを作成する。
(6)フィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1730cm-1付近の吸収からグラフト量(重量%)を求める。
EOR−1
・メタロセン触媒を用いて製造したエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴム
・密度(JIS K7112)0.862g/cm3
・MFR(230℃、荷重2160g):2.7g/10分
EBR−1
・メタロセン触媒を用いて製造したエチレン−ブテン−1ランダム共重合体ゴム
・密度(JIS K7112)0.865g/cm3
・MFR(230℃、荷重2160g):2.5g/10分
・スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)
・MFR(230℃、荷重2160g):4.5g/10分
・スチレン含有量:18重量%
タルク
・平均粒子径(遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50):2.7μm
結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)31重量%、プロピレン単独重合体(A−3)5重量%、変性ポリオレフィン樹脂(B)20重量%、エチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴム(C−1、EOR−1)10重量%、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体ゴム(C−1、EBR−1)8重量%、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(C−2、SEBS)5重量%、平均粒子径2.7μmのタルク(無機充填材(D))21量%をタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS−30BW−2V型)を用いて、押し出し量を50kg/hrに、溶融温度を230℃に、スクリュー回転数を350rpmにして、溶融混練し、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。
表2に各成分の配合割合と造粒して得られたポリプロピレン系樹脂組成物のMFR、射出成形品の物性と塗装密着性の評価結果を示した。
結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1)41重量%、プロピレン単独重合体(A−3)10重量%、エチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴム(C−1、EOR−1)10重量%、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体ゴム(C−1、EBR−1)8重量%、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(C−2、SEBS)5重量%、平均粒子径2.7μmのタルク(無機充填材(D))21量%を、実施例1と同様の方法で溶融混練してポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。得られたポリプロピレン系樹脂組成物のMFR、射出成形品の物性と塗装密着性の評価結果を示した。
結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体(A−1)31重量%、プロピレン単独重合体(A−3)5重量%、水酸基含有低分子量ポリプロピレン[商標名 ユーメックス1210、三洋化成工業(株)製]20重量%、エチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴム(C−1、EOR−1)10重量%、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体ゴム(C−1、EBR−1)8重量%、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(C−2、SEBS)5重量%、平均粒子径2.7μmのタルク(無機充填材(D))21量%を、実施例1と同様の方法で溶融混練してポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。得られたポリプロピレン系樹脂組成物のMFR、射出成形品の物性と塗装密着性の評価結果を示した。
これに対して、本発明の要件である変性ポリオレフィン樹脂(B)を用いなかった比較例1および2は、塗装密着性と延性(引張破断伸び)が不十分であることが分かる。
Claims (6)
- (A)下記の(A−1)結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体または、下記の(A−2)重合体混合物10〜68重量%と、
(B)下記の変性ポリオレフィン樹脂1〜30重量%と、
(C−1)プロピレンおよび炭素数4以上のα−オレフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種のオレフィンとエチレンとの共重合体ゴム 15〜25重量%と、
(C−2)ビニル芳香族化合物含有ゴム 1〜10重量%と、
(D)無機充填剤15〜25重量%と
を含むポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、成分(A)、成分(B)、成分(C−1)、成分(C−2)、成分(D)の各成分の重量の合計量を100重量%とする)。
(A−1)結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体は、13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッド分率が97%以上であるプロピレン単独重合体部80〜95重量%と、プロピレン−エチレンランダム共重合体部5〜20重量%とを含み(ただし、プロピレン単独重合体部とプロピレン−エチレンランダム共重合体部の各成分の重量の合計量を100重量%とする)、メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が70〜130g/10分の結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体である。
(A−2)重合体混合物は、前記の(A−1)ブロック共重合体50〜99重量%と下記の(A−3)結晶性プロピレン単独重合体1〜50重量%とを含む重合体混合物である(ただし、成分(A−1)、成分(A−3)の各成分の重量の合計量を100重量%とする)。
(A−3)結晶性プロピレン単独重合体は、アイソタクチックペンタッド分率が97%以上、メルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が100〜400g/10分の結晶性プロピレン単独重合体である。
(B)変性ポリオレフィン樹脂は、下記の(a1)非晶性オレフィン共重合体または、下記の(a2)非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物と、
前記共重合体(a1)または前記樹脂組成物(a2)100重量部に対して、
少なくとも一種の不飽和基(i)および水酸基(ii)を有する少なくとも一種の化合物(b)0.01〜20重量部と、
有機過酸化物(c)0.001〜20重量部と
を反応させて得られる変性ポリオレフィン樹脂である。
(a1)非晶性オレフィン共重合体は、エチレンとプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとからなる群から選ばれ、炭素数の合計が6以上となる少なくとも二種のオレフィンを共重合させて得られ、
分子量分布が1〜4、テトラリン中135℃で測定される極限粘度が0.5〜10dl/g、結晶の融解に基づく融解熱量が1J/g以上であるピーク、および、結晶化に基づく結晶化熱量が1J/g以上であるピークのいずれもが、示差走査熱量計によって検出されない非晶性オレフィン共重合体である。
(a2)非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物は、前記の非晶性オレフィン共重合体(a1)1〜99重量%と結晶性ポリオレフィン樹脂(a3)99〜1重量%とを含む非晶性オレフィン共重合体含有樹脂組成物である(ただし、成分(a1)と成分(a3)の各成分の重量の合計量を100重量%とする)。 - 前記(B)変性ポリオレフィン樹脂が、前記(a2)非晶性オレフィン共重合体を含有する請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- (C−1)エチレンとα−オレフィンとの共重合ゴムのメルトフローレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)が0.5〜15g/10分である請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- (C−2)ビニル芳香族化合物含有ゴムが、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、またはスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体である請求項1〜3いずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- (D)無機充填剤が、タルクである請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体。
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