JP2006160937A - プロピレン系重合体組成物 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物 Download PDF

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浩善 中嶋
Shuichi Kimata
修一 木全
Susumu Kanzaki
進 神崎
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Abstract

【課題】 塗装密着性、伸び、剛性および衝撃強度に優れるプロピレン系重合体組成物を提供する。
【解決手段】 プロピレン系重合体(成分(A))と、当該成分(A)100重量部に対して、以下の変性オレフィン系重合体(成分(B))5〜400重量部を含有するプロピレン系重合体組成物。
成分(B):オレフィン系重合体パウダー(成分(B1))と、当該成分(B1)100重量部に対して、エチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))0.1〜20重量部と、有機過酸化物(成分(B3))0.1〜20重量部と、有機多孔質パウダー(成分(B4))0.1〜20重量部とを加熱処理して得られる変性オレフィン系重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プロピレン系重合体組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、塗装密着性、伸び、剛性および衝撃強度に優れるプロピレン系重合体組成物に関するものである。
プロピレン系樹脂組成物は、自動車用部品や家電製品等の種々の用途に広く用いられており、これらの製品の表面を塗装する方法も知られている。
例えば、WO95/21215号公報には、ポリオレフィン系樹脂成形物の表面を洗浄せずに、しかも直接一回の塗装仕上げで塗装膜を形成することを目的として、プロピレン系重合体とエラストマーに、オレフィン系重合体からなる主鎖とビニル系モノマーから誘導される側鎖とからなるグラフト共重合体を配合してなるポリプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
また、特開2004−83886号公報には、水性塗料のプライマーレス塗装を前提として、塗装性と機械物性のバランスを改良することを目的として、アイソタクチックペンタッド分率が特定の範囲にあるプロピレン単独重合体部分と、ガラス転移温度および固有粘度のそれぞれが特定の範囲にあるプロピレン・エチレン共重合体部分とからなるプロピレン・エチレンブロック共重合体に対して、極性官能基のグラフト率と重量平均分子量が特定の関係にある変性ポリプロピレンを含有するプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
WO95/21215号公報 特開2004−83886号公報
しかし、上記の公報等に記載されているプロピレン系樹脂組成物を用いたとしても、塗装密着性、伸び、剛性および衝撃強度については、十分ではないことがあり、さらなる改良が求められていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、塗装密着性、伸び、剛性および衝撃強度に優れるプロピレン系重合体組成物を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
プロピレン系重合体(成分(A))と、当該成分(A)100重量部に対して、以下の変性オレフィン系重合体(成分(B))5〜400重量部を含有するプロピレン系重合体組成物に係るものである。
成分(B):オレフィン系重合体パウダー(成分(B1))と、当該成分(B1)100重量部に対して、エチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))0.1〜20重量部と、有機過酸化物(成分(B3))0.1〜20重量部と、有機多孔質パウダー(成分(B4))0.1〜20重量部とを加熱処理して得られる変性オレフィン系重合体。

また、本発明は、
上記のプロピレン系重合体組成物と、さらにエラストマー(成分(C))を含有するプロピレン系重合体組成物であって、プロピレン系重合体(成分(A))100重量部に対して、エラストマー(成分(C))5〜300重量部を含有するプロピレン系重合体組成物に係るものである。
本発明によれば、塗装密着性、伸び、剛性および衝撃強度に優れるプロピレン系重合体組成物を得ることができる。
本発明で用いられるプロピレン系重合体(成分(A))としては、
(A−1)プロピレンの単独重合体、
(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体、
(A−3)プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、
(A−4)プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、
(A−5)プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなるモノマーを重合して得られる共重合体成分と、エチレンおよびα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のモノマーと、プロピレンとの共重合体成分とからなるポリプロピレン共重合体(以下、プロピレンブロック共重合体と呼ぶ。)
等が挙げられる。
成分(A)として、好ましくは、剛性、耐熱性または硬度の観点から、プロピレン単独重合体であり、より好ましくは、13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率が0.95以上であるプロピレン単独重合体、より好ましくは0.98以上であるプロピレン単独重合体である。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に発表されている方法、すなわち13C−NMRによって測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である(ただし、NMR吸収ピークの帰属に関しては、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて決定する)。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定する。この方法によって測定された英国 NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率は、0.944であった。
(A−3)プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、(A−4)プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、(A−5)プロピレンブロック共重合体で用いられるα−オレフィンとしては、炭素数が4〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
(A−3)プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体等が挙げられる。
(A−4)プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテンランダム共重合体等が挙げられる。
(A−5)プロピレンブロック共重合体における主にプロピレンからなるモノマーを重合して得られる共重合体成分としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分等が挙げられ、エチレンおよびα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のモノマーと、プロピレンとの共重合体成分としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分等が挙げられる。
(A−5)プロピレンブロック共重合体としては、例えば、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ヘキセン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体等が挙げられる。
(A−5)プロピレンブロック共重合体として、好ましくは、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体である。
上記(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体は、プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下であるエチレンまたは炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分とプロピレン−エチレンランダム共重合体部分から構成される。
上記(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体の結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度[η]Pは、通常、0.7〜5dl/g、好ましくは0.9〜4dl/gであり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布Q値(Mw/Mn)として、好ましくは3以上7未満である。
上記(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量は25〜65wt%である。
上記(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPは、通常、2.5〜9dl/gであり、好ましくは3〜9dl/gである。
上記(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体のメルトフローレート(MFR)は、通常、5〜120g/10分であり、好ましくは5〜100g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。
本発明で用いられるオレフィン系重合体パウダー(成分(B1))は、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、ジエン化合物から誘導される部分を含む重合体または水素添加ブロック共重合体からなるパウダーである。
成分(B1)として用いられるエチレン系重合体としては、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−α−オレフィン系共重合体等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体で用いられるα−オレフィンとしては、炭素数が4〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
成分(B1)として用いられるプロピレン系重合体としては、前述の本発明で用いられるプロピレン系重合体(成分(A))と同様の重合体が挙げられ、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンからなるモノマーを重合して得られる共重合体成分と、エチレンおよびα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のモノマーと、プロピレンとの共重合体成分とからなるポリプロピレン共重合体(以下、プロピレンブロック共重合体と呼ぶ。)等が挙げられる。
また、成分(B1)として用いられるプロピレン系重合体として、好ましい重合体も、前述の本発明で用いられるプロピレン系重合体(成分(A))として、好ましい重合体と同様の重合体である。
成分(B1)として用いられるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体で用いられるα−オレフィンとしては、
前述の本発明で用いられるプロピレン系重合体(成分(A))で用いられるα−オレフィンと同様のα−オレフィンが挙げられる。
成分(B1)として用いられるブテン系重合体としては、1−ブテン単独重合体等が挙げられる。
成分(B1)として用いられるジエン化合物から誘導される部分を含む重合体で用いられるジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンメチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。
ジエン化合物から誘導される部分を含む重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体等が挙げられる。
成分(B1)として用いられる水素添加ブロック共重合体としては、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物重合体ブロック(L)と、少なくとも1個の共役ジエン重合体ブロック(M)とを有し、芳香族ビニル化合物の含有量が15〜85重量%であり、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも70%が水素添加されており、下記の構造式(1)で表される構造を有する水素添加ブロック共重合体である。
(L−M)n−L−(M−L)n (1)
(構造式(1)において、nは1〜10の整数である。)
芳香族ビニル化合物重合体ブロック(L)は、スチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンからなる芳香族ビニル化合物類から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル化合物からなる重合体であり、好ましくはスチレンおよびα−メチルスチレンから選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル化合物からなる重合体であり、より好ましくはスチレンからなる重合体である。
共役ジエン重合体ブロック(M)は、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンおよび4−エチル−1,3−へキサジエンからなる共役ジエン類から選ばれる少なくとも1種の共役ジエンからなる重合体、または、上記の共役ジエン類と上記の芳香族ビニル化合物類からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体である。好ましくは、1,3−ブタジエンおよびイソプレンから選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体である。
共役ジエン重合体ブロック(M)が、1,3−ブタジエンからなる重合体である場合、1,3−ブタジエンからなる重合体を水素添加すると、1,4結合で重合した部分からはエチレンが生成し、1,2結合で重合した部分からはブチレンが生成し、エチレンブチレン共重合体になる(SEBS)。エチレンブチレン共重合体におけるエチレンに対するブチレンの比や、エチレンブチレン共重合体の重合方法や製造方法は、適宜、決定すれば良い。
オレフィン系重合体パウダー(成分(B1))として、好ましくは、プロピレン単独重合体、(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体、(プロピレン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体またはプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなるパウダーである。
また、成分(B1)に用いられるオレフィン系重合体は、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
本発明で用いられるエチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))は、同一分子内に少なくとも一種の不飽和基を持つ化合物、および/または、製造工程内で脱水反応等により構造が変化し、同一分子内に少なくとも一種の不飽和基を持つ構造に変化する化合物である。
成分(B2)として、好ましくは、25℃、1気圧下において、液状である化合物である。
成分(B2)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの芳香族ビニルモノマー;メチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
成分(B2)として、好ましくは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、イミダゾリル基、ピリジリル基、ピペリジリル基、シリル基、シアノ基、イソシアネート基、オキサゾリル基から選ばれる少なくとも1種の極性基を有するエチレン性不飽和結合含有極性モノマーである。
成分(B2)として、好ましいエチレン性不飽和結合含有極性モノマーとしては、
ヒドロキシル基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、イミダゾリル基含有化合物、ピリジリル基含有化合物、ピペリジリル基含有化合物、シリル基含有化合物、シアノ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、オキサゾリル基含有化合物などが挙げられる。
ヒドロキシル基含有化合物としては、下記の構造式(2)または(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006160937
(構造式(2)または(3)において、R1は水素原子または炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜20個のアルキレン基および/またはシクロアルキレン基を表し、R3は(Cn2nO)mを表す。nおよびmは、それぞれ、独立に1以上の整数を表す。)
上記の構造式(2)または(3)で表される化合物としては、例えば、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、等の(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記構造式(2)または(3)で表される化合物以外のヒドロキシル基含有化合物としては、例えば、アリルアルコール、9−デセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、プロパギルアルコール等の不飽和アルコール;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のアリルエーテル;p−ビニルフェノール、2−プロペニルフェノール等のアルケニルフェノールなどが挙げられる。
カルボキシル基含有化合物とは、例えば、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、ハイミック酸、シトラコン酸、イタコン酸等のα、β−不飽和ジカルボン酸;アクリル酸、ブタン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、ドデセン酸、リノール酸、アンゲリカ酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸;無水マレイン酸、無水ハイミック酸、アクリル酸無水物等の前記α、β−不飽和ジカルボン酸または不飽和モノカルボン酸の酸無水物、および、それらのアルキルエステルが挙げられる。
エポキシ基含有化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
アミノ基含有化合物としてはジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの3級アミノ基含有(メタ)アクリレート;4−ビニルモルホリン、2−メチル−4−ビニルモルホリン、4−アリルモルホリン等のビニルモルホリン;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物とアミン化合物との反応生成物である3級アミノ基含有不飽和イミド化合物;ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド;3級アミノ基含有芳香族ビニル化合物;N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライドなどの3級アミノ基含有不飽和化合物を、カチオン化剤でカチオン化した4級アンモニウム塩基含有不飽和化合物などが挙げられる。
カチオン化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化ブチル、塩化オクチル、塩化ラウリル、塩化ステアリル、塩化シクロヘキシル、塩化ベンジル、塩化フェネチル、塩化アリル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ブチル、臭化オクチル、臭化ラウリル、臭化ステアリル、臭化ベンジル、臭化アリル、沃化メチル、沃化エチル、沃化ブチル、沃化オクチル、沃化ラウリル、沃化ステアリル、沃化ベンジル等のハロゲン化アルキル誘導体類、モノクロル酢酸メチル、モノクロル酢酸エチル、ブロモ酢酸エチル等のハロ酢酸アルキル類、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸類、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸等の無機酸類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、N−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の3級アミン鉱酸塩エピハロヒドリン付加物などが挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
イミダゾリル基含有化合物としては、例えば、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、4−メチル−1−ビニルイミダゾール、5−メチル−1−ビニルイミダゾール、2−ラウリル−1−ビニルイミダゾール、4−t−ブチル−1−ビニルイミダゾール等のビニルイミダゾールなどが挙げられる。
ピリジリル基含有化合物としては、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−メチル−5−ビニルピリジン、4−メチル−5−ビニルピリジン、6−メチル−5−ビニルピリジン、2−メチル−4−ビニルピリジン、3−メチル−4−ビニルピリジン、2−ラウリル−4−ビニルピリジン、2−ラウリル−5−ビニルピリジン、2−t−ブチル−4−ビニルピリジン、2−t−ブチル−5−ビニルピリジン等のビニルピリジンなどが挙げられる。
ピペリジリル基含有化合物としては、1−ビニルピペリジン、4−メチル−4−ビニルピペリジン等のビニルピペリジン、2−ラウリル−1−ビニルピペラジン、4−メチルピペラジノエチル(メタ)アクリレート等のビニルピペラジンなどが挙げられる。
シリル基含有化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
シアノ基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
イソシアネート基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルイソシアナート、クロトイルイソシアナート、クロトン酸イソシアナートエチルエステル、クロトン酸イソシアナートブチルエステル、クロトン酸イソシアナートエチルエチレングリコール、クロトン酸イソシアナートエチルジエチレングリコール、クロトン酸イソシアナートエチルトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートオクチルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートラウリルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートヘキサデシルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチレングリコール、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチルジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチルトリエチレングリコール等が挙げられる。
オキサゾリル基含有化合物としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−オキサゾリン等が挙げられる。
成分(B2)として、好ましくは、ヒドロキシル基含有化合物であり、より好ましくは2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミドである。
本発明で用いられる有機過酸化物(成分(B3))としては、従来公知の有機過酸化物が挙げられ、例えば、半減期が1分となる分解温度が120℃未満である有機過酸化物を挙げることができる。例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカボネート化合物(分子骨格中に下記構造式(4)で表される構造を有する化合物(I)やアルキルパーエステル化合物(下記構造式(5)で表される構造を有する化合物(II))などが挙げられる。
Figure 2006160937
構造式(4)で表される構造を有する化合物(I)としては、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、t−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート等があげられる。構造式(5)で表される構造を有する化合物(II)としては、1,1,3,3−テトラメチル ブチル ネオデカノエート、α―クミル パーオキシ ネオデカノエート、t−ブチル パーオキシ ネオデカノエート等が挙げられる。
また、半減期が1分となる分解温度が120℃以上である有機過酸化物も挙げられる。例えば、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ベルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
本発明で用いられる有機多孔質パウダー(成分(B4))は、通常、1〜7000μmの粒径、0.1〜1000m2/gの比表面積、0.05〜10μmの細孔径、5〜90%の空隙率を有する粉状もしくは粒状のポリマーである。
成分(B4)の粒径として、好ましくは1〜7000μmである。
また、成分(B4)の比表面積として、好ましくは10〜800m2/gであり、より好ましくは30〜300m2/gである。
そして、成分(B4)の有機多孔質パウダーの空隙率として、好ましくは30〜85%であり、より好ましくは50〜85%である。
有機多孔質パウダー(成分(B4))は、エチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))、有機過酸化物(成分(B3))のいずれにも溶解しないものである。
成分(B4)としては、例えば、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−ジビニルベンゼン共重合体等のα−オレフィン重合体;ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の芳香族不飽和炭化水素重合体;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の極性基含有重合体等が挙げられる。
成分(B4)の製造方法としては、例えば、ポリマーに対して適度の溶解能を持つ溶媒によって、ポリマー粒子を処理して細孔を形成させる製造方法が挙げられる。
また、成分(B4)としては、市販品を用いても良く、例えば、MEMBRANA社製の各種グレード(商品名Accurel(日本名:アキュレル))等が挙げられる。
本発明で用いられる変性オレフィン系重合体(成分(B))は、オレフィン系重合体パウダー(成分(B1))と、当該成分(B1)100重量部に対して、エチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))0.1〜20重量部と、有機過酸化物(成分(B3))0.1〜20重量部と、有機多孔質パウダー(成分(B4))0.1〜20重量部とを加熱処理して得られる変性オレフィン系重合体である。
エチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))の含有量が、過少であると変性オレフィン系重合体(成分(B))にグラフトされる成分(B2)のグラフト量が低下することがある。また、成分(B2)の含有量が、過多であると変性オレフィン系重合体(成分(B))中に、未反応の成分(B2)が多く残留することがあり、例えば接着用途で使う場合に十分な接着強度は得られないことがある。
有機過酸化物(成分(B3))の含有量が、過少であると変性オレフィン系重合体(成分(B))にグラフトされる成分(B2)のグラフト量が低下することがある。また、成分(B2)の含有量が過多であると変性オレフィン系重合体の製造中に、有機多孔質パウダー(成分(B4))の分解が促進されることがある。
有機多孔質パウダー(成分(B4))の含有量が、過少であるとオレフィン系重合体パウダーにベタツキ感が生じ操作性が低下することがある。また、成分(B4)の含有量が過多であると、成分(B4)が余剰になるだけ、不経済になり、好ましくない。
エチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))の含有量として、好ましくは、成分(B1)100重量部に対して0.5〜15重量部であり、より好ましくは1〜15重量部である。
有機過酸化物(成分(B3))の含有量として、好ましくは、成分(B1)100重量部に対して0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
有機多孔質パウダー(成分(B4))の含有量として、好ましくは、成分(B1)100重量部に対して0.5〜15重量部であり、より好ましくは1〜10重量部である。
変性オレフィン系重合体(成分(B))において、オレフィン系重合体パウダー(成分(B1))にグラフトされるエチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))のグラフト量は、通常、0.05〜20重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%であり、さらに好ましくは1〜12重量%である。ただし、変性オレフィン系重合体(成分(B))の全重量を100重量%とする。
変性オレフィン系重合体(成分(B))の135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]は、通常、0.5〜3dl/gであり、好ましくは0.7〜2dl/gである。
成分(B)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Q値:Mw/Mn)は、通常、2〜8であり、好ましくは2.5〜6であり、より好ましくは3〜6である。
成分(B)の示差走査熱量計によって測定される昇温サーモグラムの融解ピーク温度Tmは、通常、130〜170℃であり、好ましくは140〜165℃であり、より好ましくは150〜165℃である。
本発明で用いられる変性オレフィン系重合体(成分(B))の製造方法としては、従来公知の方法が挙げられる。オレフィン系重合体パウダー(成分(B1))と、エチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))と、有機過酸化物(成分(B3))と、有機多孔質パウダー(成分(B4))とを、例えば、有機溶媒の溶液中で加熱処理する溶液法や、押出機等の溶融混練装置を用いて加熱処理する溶融混練法等が挙げられる。
成分(B))の製造方法として、好ましくは、成分(B1)と、成分(B2)と、成分(B3)と、成分(B4)とを溶融混練する方法である。溶融混練の方法としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸押出機または二軸押出機等の公知の溶融混練装置を用いる溶融混練方法が挙げられる。
より好ましくは、一軸押出機または二軸押出機を用いて、成分(B1)と、成分(B2)と、成分(B3)と、成分(B4)とを押出機の供給口から供給して溶融混練を行う方法である。
押出機の混練を行う部分の温度(例えば、押出機ならシリンダー温度)は、通常、50〜300℃であり、好ましくは100〜250℃である。押出機の混練を行う部分の温度は、混練を前半と後半の二段階に分け、前半より後半の温度を高めに設定しても良い。
混練時間は、通常、0.1〜30分間であり、好ましくは0.5〜5分間である。
本発明のプロピレン系重合体組成物は、プロピレン系重合体(成分(A))と、当該成分(A)100重量部に対して、変性プロピレン系重合体(成分(B))5〜400重量部を含有するプロピレン系重合体組成物である。
成分(B)の含有量として、好ましくは、成分(A)100重量部に対して、8〜350重量部であり、より好ましくは10〜350重量部である。
また、本発明のプロピレン系重合体組成物として、好ましくは、前述のプロピレン系重合体組成物と、さらにエラストマー(成分(C))を含有するプロピレン系重合体組成物であって、プロピレン系重合体(成分(A))100重量部に対して、エラストマー(成分(C))5〜300重量部を含有するプロピレン系重合体組成物である。
エラストマー(成分(C))の含有量として、好ましくは、成分(A)100重量部に対して、10〜300重量部であり、より好ましくは50〜300重量部である。
エラストマー(成分(C))として、好ましくは、ゴム成分を含有するエラストマーであり、例えば、モノビニル置換芳香族炭化水素化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックとを含有するブロック共重合体の水素添加物、エチレン−プロピレンランダム共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体ゴム、または、これらの混合物からなるエラストマー等が挙げられる。
モノビニル置換芳香族炭化水素化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックとを含有するブロック共重合体の水素添加物としては、下記の式(6)または式(7)で表されるブロック共重合体のY部を水素添加して得られた水素添加物である。
X−Y 式(6)
X(−Y−X)n 式(7)
(式中、Xはモノビニル置換芳香族炭化水素の重合体ブロック、Yは共役ジエン重合体ブロックを表し、nは1〜5の整数を表し、nとして、好ましくは1または2である。)
前記式(6)または(7)のXで表される重合体ブロックを構成するモノビニル置換芳香族炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、低級アルキル置換スチレン、ビニルナフタレン等のスチレンまたはその誘導体等が挙げられる。これらモノビニル置換芳香族炭化水素は、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。好ましくは、スチレンである。
前記式(6)または(7)のYで表される重合体ブロックを構成する共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。これらは、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。好ましくは、ブタジエンまたはイソプレンである。
共役ジエンとしてブタジエンが用いられる場合、ポリブタジエンブロックにおける1,2−結合の割合は、通常、20〜80重量%であり、好ましくは30〜60重量%である。
前記式(6)または(7)で表されるブロック共重合体の水素添加物において、共役ジエン重合体ブロック(Y部)の水素添加率は、通常、90モル%以上であり、好ましくは95モル%以上である。また、X部の含有量は、通常、1〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%である。
前記式(6)または(7)で表されるブロック共重合体の水素添加物のメルトフローレート(MFR、ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)は、通常、好ましくは15g/10分以下であり、より好ましくは1〜10g/10分である。
前記式(6)または(7)で表されるブロック共重合体の水素添加物としては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体の水素添加によって得られるスチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体の水素添加によって得られるスチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・イソプレンジブロック共重合体の水素添加によって得られるスチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)等のスチレン系ブロック共重合体が挙げられる。
水素添加前のブロック共重合体の製造方法としては、例えば、不活性溶媒中で、リチウム触媒またはチーグラー触媒の存在下に、各モノマーのブロック共重合を行わせる方法等が挙げられる。詳細な製造方法としては、例えば、特公昭40−23798号公報等に記載されている製造方法が挙げられる。
前記式(6)または(7)で表されるブロック共重合体の水素添加処理の方法としては、例えば、前記のブロック共重合体を不活性溶媒中で公知の水素添加触媒の存在下に行う方法が挙げられる。詳細な方法としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭46−20814号公報等に記載されている方法が挙げられる。
前記式(6)または(7)で表されるブロック共重合体の水素添加物としては、市販品を用いても良く、例えば、クレイトンG1657(クレイトンポリマーズジャパン(株)製品、商標)、セプトン2004(クラレ(株)製品、商標)、タフテックH1052、タフテックH1062(旭化成ケミカルズ(株)製品、商標)等が挙げられる。
成分(C)として用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合ゴムとしては、例えば、エチレンとプロピレンとの共重合割合が、重量比(エチレン/プロピレン)で表して、20/80〜95/5であるエチレン−プロピレンランダム共重合ゴムが挙げられ、重量比(エチレン/プロピレン)として、より好ましくは30/70〜70/30である。
また、成分(C)として用いられるエチレン−α−オレフィンランダム共重合ゴムとしては、例えば、エチレンとα−オレフィンとの共重合割合が、重量比(エチレン/α−オレフィン)で表して、20/80〜95/5であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合ゴムが挙げられ、重量比(エチレン/α−オレフィン)として、より好ましくは30/70〜70/30である。
前記エチレン−プロピレンランダム共重合ゴムまたは前記エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムのメルトフローレート(MFR、ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)は、通常、0.5〜30g/10分であり、好ましくは1〜13g/10分である。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムに用いられるα−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。α−オレフィンとして、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレフィンである。
上記のエチレン−プロピレンランダム共重合ゴム、または、上記のエチレン−α−オレフィンランダム共重合ゴムの製造方法としては、オレフィン立体規則性重合触媒を用いて、エチレンとプロピレンとを共重合させる方法、または、エチレンとα−オレフィンとを共重合させる方法が挙げられる。
好ましくは、本発明のプロピレン系重合体組成物の低温での衝撃強度を向上させるという観点から、分子量分布および組成分布が狭いエチレン−プロピレンランダム共重合ゴム、または、エチレン−α−オレフィンランダム共重合ゴムが得られるシングルサイト触媒を用いる製造方法である。
シングルサイト触媒としては、例えば、シクロペンタジエン骨格を有する化合物がジルコニウム金属等の遷移金属原子に配位したメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物等とを含むメタロセン系触媒が挙げられる。
本発明で用いられるエラストマー(成分(C))には、必要に応じて、エチレン−プロピレン−非共役ポリエン共重合ゴム、または、エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムを含有させても良い。
エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムで用いられるα−オレフィンとしては、前述のエチレン−α−オレフィンランダム共重合ゴムで用いられる炭素数4〜20のα−オレフィンと同様のα−オレフィンが挙げられる。
また、非共役ポリエンとしては、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−5−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの非環状ジエン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状の非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネンなどのトリエン等があげられる。これらの非共役ポリエンは、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
非共役ポリエンとして、好ましくは、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
エチレン−プロピレン−非共役ポリエン共重合ゴム、または、エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムのメルトフローレート(MFR、ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)としては、通常、1g/10分以下であり、より好ましくは0.1〜0.5g/10分である。
エチレン−プロピレン−非共役ポリエン共重合ゴムのエチレンとプロピレンとの共重合割合は、モル比(エチレン/プロピレン)で表して、通常、90/10〜40/60であり、好ましくは85/15〜50/50である。
エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムのエチレンとα−オレフィンとの共重合割合は、モル比(エチレン/α−オレフィン)で表して、通常、90/10〜40/60であり、好ましくは85/15〜50/50である。
また、エチレン−プロピレン−非共役ポリエン共重合ゴム、または、エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムの非共役ポリエン成分の割合は、共重合ゴムのヨウ素価で表して、通常、1〜40であり、好ましくは2〜35である。
エチレン−プロピレン−非共役ポリエン共重合体ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)が挙げられ、エチレン−α−オレフィン−非共役ポリエン共重合ゴムとしては、例えば、エチレン−1−ブテン−ジエン三元共重合体が挙げられる。
本発明のプロピレン系重合体組成物には、必要に応じて、導電性カーボンを含有させても良い。
導電性カーボンは、表面層がグラファイト構造を有する導電性カーボンである。導電性カーボンの形状は、ストラクチャーを形成していても良く、チューブ状であっても良い。
また、導電化効率を高めるという観点から、好ましくは、断面径に対する長さの比が大きく、細孔が多く非表面積が大きい導電性カーボンである。
導電性カーボンとしては、一次粒子径が10〜100nm、比表面積が100〜1500m2/g、細孔率を示すDBP吸油量が50〜600cm3/100gのカーボンブラックや、直径10〜100nm、管長0.1〜1000μmのカーボンナノチューブ、炭素数60〜540のフラーレンから選ばれた少なくとも1種の導電性カーボンが挙げられ、好ましくはカーボンブラックである。
カーボンブラックの粒子径として、好ましくは10〜100nmであり、より好ましくは15〜60nmである。なお、粒子径は、透過型電子顕微鏡によって測定する。
カーボンブラックのDBP吸収量として、好ましくは50〜600ml/100gである。なお、DBP吸収量は、ジブチルフタレートアブソーブドメーターによって、JIS K6221に準拠して測定する。
カーボンブラックの比表面積として、好ましくは100〜1500m2/gであり、より好ましくは150〜1500m2/gであり、さらに好ましくは200〜1500m2/gである。なお、比表面積は、液体窒素吸着法(ASTM D3037)に準拠して測定する。
上記のカーボンブラックは、市販品を用いても良く、例えば、ライオン社製「ケッチェンブラックEC」や「ケッチェンブラックEC600JD」等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
本発明のプロピレン系重合体組成物に導電性カーボンを含有させる場合、その含有量は、プロピレン系重合体(成分(A))100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部であり、好ましくは1〜15重量部である。
本発明のプロピレン系重合体組成物は、必要に応じて、無機充填剤を含有させても良く、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、ベントナイト、スメクタイト、セピオライト、ワラストナイト、アロフェン、イモゴライト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、硫酸バリウム、ガラスフレーク等が挙げられる。
上記の無機充填剤の平均粒子径としては、通常、0.01〜50μmであり、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは0.1〜5μmである。ここで無機充填剤の平均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
上記の無機充填剤は、無処理のまま使用しても良く、または、プロピレン系重合体組成物との界面接着性または分散性を向上させるために、公知の各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類あるいは他の界面活性剤で表面を処理して使用しても良い。
本発明の無機充填剤の含有量は、プロピレン系重合体(成分(A))100重量部に対して、通常、5〜400重量部であり、好ましくは10〜300重量部であり、より好ましくは30〜200重量部である。
本発明のプロピレン系重合体組成物は、必要に応じて、添加剤を含有させても良く、例えば、酸化防止剤、中和剤、耐候剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、分散剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、造核剤、難燃剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、着色剤、顔料等が挙げられる。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を説明する。
実施例および比較例で用いた変性オレフィン系重合体およびプロピレン系重合体重合体の諸物性は、下記の方法に従って測定した。
(1)変性オレフィン系重合体中のグラフト量(水酸基含有モノマー単位含有量、単位:重量%)
サンプルを沸騰キシレンに溶解し、得られたサンプルの溶液を大量のメタノールに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収した。回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μm程度のフィルムを作成した。この作成したフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1730cm-1付近の吸収からグラフト量を定量した。または13C−NMRにて測定した。
(2)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて測定した。プロピレン単独重合体については、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で測定した。
(3)分子量分布(Q値、Mw/Mn)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、下記条件で測定した。
機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製)
カラム:Shodex M/S 80
測定温度:145℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン
サンプル濃度:5mg/8mL
検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。この条件で測定された標準ポリスチレン(NBS706:Mw/Mn=2.0)のMw/Mnは1.9〜2.0であった。
(4)融解ピーク温度(Tm、単位:℃)
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7)を用い、ポリマーを220℃で5分間熱処理後、降温速度300℃/分で150℃まで冷却して150℃において1分間保温し、さらに降温速度5℃/分で50℃まで冷却して50℃において1分間保温し、さらに50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱した際の融解ピーク温度をTmとして求めた。
(5)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従って、測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgで測定した。
(6)引張破断伸び(UE、単位:%)
JIS−K−7161に規定された方法に従って、測定した。射出成形によって成形された厚みが2.0mmである試験片を用いて測定した。引張速度は50mm/分であり、破断伸び(UE)を評価した。測定温度は23℃であった。
(7)曲げ弾性率(FM、単位:MPa)
JIS−K−7171に規定された方法に従って、測定した。射出成形によって成形された厚みが4.0mmであり、スパン長さが64mmである試験片を用いて、荷重速度は2.0mm/分で、測定温度は23℃であった。
(8)Izod衝撃強度(Izod、単位:kJ/m2
JIS−K−7110に規定された方法に従って、測定した。射出成形によって成形された厚みが4.0mmであり、成形の後にノッチ加工されたノッチ付きの試験片を用いて、測定温度は23℃であった。
(9)荷重撓み温度(HDT、単位:℃)
JIS−K−7191−2に規定された方法に従って、測定した。ファイバーストレスは0.45MPaで測定した。
(10)塗装密着試験
射出成形機(東洋機械金属社製 TU−15)を用いて、成形温度220℃で、金型温度50℃で、幅480×長さ480×厚み2mm平板を成形した。その後、平板表面を純水もしくはイソプロパノール(IPA)で処理(ガーゼ拭き)した後、風乾し、中塗り(関西ペイント(株)製ソフレツクスカラーベース)を30μm施し、トップコート(関西ペイント(株)製ソフレックスクリヤーコート)を25μm上塗りした。次に、焼き付け温度70℃で20分間保持または90℃で20分間保持して塗装成形品を得た。密着テストはニチバン社製24mm幅セロテープ(登録商標)による1mm口ゴバン目テストでの残率(%)評価(90°剥離)で行った。
製造例で用いた各種材料を、下記に示した。
(B1)オレフィン系重合体パウダー
プロピレン単独重合体(PP−1)、[η]=3dl/g、特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法によって製造した。
(B2)エチレン性不飽和結合含有モノマー
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、東京化成工業社製)
(B3)有機過酸化物
t−ブチルパーオキシベンゾエート(Kb−B、化薬アクゾ社製 カヤブチルB)
(B4)有機多孔質パウダー
MEMABRANA社製 MP−1000
(B5)ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート(旭電化工業社製 アデカスタブ NA−11)
〔製造例〕
PP−1 100重量部、HEMA 12重量部、Kb−B 1.5重量部、MP−1000 5重量部、NA−11 0.3重量部および各種安定剤(チバ・スペシャルティケミカルズ社製 IRGANOX1010、チバ・スペシャルティケミカルズ社製 IRGAFOS168)を均一混合し、二軸混練押出機(商品名 KZW15−45MG、同方向回転型スクリュー15mm×45L/D、テクノベル社製)を用いて、設定温度180℃、スクリュー回転速度500rpmの条件で溶融混練して、水酸基含有プロピレン系重合体(B−(1))を得た。得られた変性プロピレン系重合体のグラフト率は1.9wt%、極限粘度[η]は0.9dl/g、Tmは159℃であった。
実施例および比較例で用いた各種材料を、下記に示した。
(A)(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体(PP−2、ノーブレン AW564、住友化学(株)製、MFR=7.5g/10分)
(B)水酸基含有プロピレン系重合体:表1に示した。
Figure 2006160937
(C)エラストマー:エチレン−ブテン共重合体ゴムを表2に示した。
Figure 2006160937
実施例1〜3、比較例1
各成分(A)〜(C)を表3に示した通りに配合し、その後二軸混練押出機(商品名 KZW15−45MG、同方向回転型スクリュー15mm×45L/D、テクノベル社製)を用いて、設定温度220℃、スクリュー回転速度500rpmの条件で溶融混練して、プロピレン系重合体組成物のペレットを得た。このペレットを用い、射出成形機(東洋機械金属社製 TU−15)を用いて、シリンダー設定温度220℃、金型設定温度50℃の条件で射出成形を行い、成形体を得た。得られたプロピレン系重合体組成物射出成形体の物性評価結果を表3に示した。
本発明の要件を満足する実施例1〜3は、塗装密着性、伸び、剛性および衝撃強度に優れていることが分かる。
これに対して、本発明の要件である変性オレフィン系重合体(成分(B))を用いなかった比較例1は、塗装密着性が不十分であることが分かる。
Figure 2006160937

Claims (3)

  1. プロピレン系重合体(成分(A))と、当該成分(A)100重量部に対して、以下の変性オレフィン系重合体(成分(B))5〜400重量部を含有するプロピレン系重合体組成物。
    成分(B):オレフィン系重合体パウダー(成分(B1))と、当該成分(B1)100重量部に対して、エチレン性不飽和結合含有モノマー(成分(B2))0.1〜20重量部と、有機過酸化物(成分(B3))0.1〜20重量部と、有機多孔質パウダー(成分(B4))0.1〜20重量部とを加熱処理して得られる変性オレフィン系重合体。
  2. 成分(B2)が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、イミダゾリル基、ピリジリル基、ピペリジリル基、シリル基、シアノ基、イソシアネート基、オキサゾリル基から選ばれる少なくとも1種の極性基を有するエチレン性不飽和結合含有モノマーである請求項1記載のプロピレン系重合体組成物。
  3. 請求項1または2に記載のプロピレン系重合体組成物と、さらにエラストマー(成分(C))を含有するプロピレン系重合体組成物であって、プロピレン系重合体(成分(A))100重量部に対して、エラストマー(成分(C))5〜300重量部を含有するプロピレン系重合体組成物。
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