JP2019210376A - Pc/abs樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂成形体 - Google Patents

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宏樹 新井
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Abstract

【課題】静音化特性(軋み音の抑制効果)を有しながらも、優れた耐衝撃性を有する樹脂成形体が得られるPC/ABS樹脂組成物を提供すること。【解決手段】PC/ABS樹脂(X)と、共重合体(Y)と、スチレン系エラストマー(Z)を含むPC/ABS樹脂組成物であって、前記共重合体(Y)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、スチレン(b−1)、並びに(メタ)アクリロニトリルおよびエポキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる1つ以上の単量体(b−2)を含むモノマー成分(B)と、t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)を反応して得られるグラフト共重合体であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニルの含有率が1〜20重量部であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と前記モノマー成分(B)の重量比((A)/(B))が55/45〜98/2であり、前記PC/ABS樹脂(X)100重量部に対して、前記共重合体(Y)が1〜25重量部であるPC/ABS樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、PC/ABS樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂成形体に関する。
熱可塑性樹脂は、耐衝撃性、加工性、寸法安定性、機械特性に優れていることから、電気・電子機器の筐体、自動車内装品・外装部品、建材、家具、楽器、雑貨類などの幅広い分野で使用されている。また押出成形品はコーティング処理、積層体、表面修飾などの付加的な二次加工を施すことにより、自動車内装の各種表示装置、保護用部品として広く使用されている。
熱可塑性樹脂のなかでもPC(ポリカーボネート)樹脂とABS樹脂の混合樹脂(以下、PC/ABS樹脂とも称す)は難燃性にも優れており、その使用領域が増えている。また、近年では、PC/ABS樹脂において、各種部材樹脂同士の接触時の軋み音を低減(抑制)できる静音化特性が要求されている。
PC/ABS樹脂の静音化特性(軋み音の抑制効果)を改善する方法として、特許文献1では、オレフィン系グラフト共重合体を添加したPC/ABS樹脂組成物が記載されている。
特開2017−14447号公報
他方、例えば、自動車内装品として、PC/ABS樹脂を使用する場合、良好な耐衝撃性が要求されるが、上記の特許文献1で開示されたPC/ABS樹脂組成物から得られる樹脂成形体は、耐衝撃性に改善の余地があることが分かった。
以上のような事情に鑑み、本発明は、静音化特性(軋み音の抑制効果)を有しながらも、優れた耐衝撃性を有する樹脂成形体が得られるPC/ABS樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、PC/ABS樹脂(X)と、共重合体(Y)と、スチレン系エラストマー(Z)を含むPC/ABS樹脂組成物であって、前記共重合体(Y)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、スチレン(b−1)、並びに(メタ)アクリロニトリルおよびエポキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる1つ以上の単量体(b−2)を含むモノマー成分(B)と、t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)を反応して得られるグラフト共重合体であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニルの含有率が1〜20重量部であり、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と前記モノマー成分(B)の重量比((A)/(B))が55/45〜98/2であり、前記PC/ABS樹脂(X)100重量部に対して、前記共重合体(Y)が1〜25重量部であるPC/ABS樹脂組成物、に関する。
また、本発明は、前記PC/ABS樹脂組成物から得られる樹脂成形体、に関する。
本発明のPC/ABS樹脂組成物は、PC/ABS樹脂(X)に、添加剤として、共重合体(Y)(主にエチレン−酢酸ビニル共重合体を主鎖、ポリ(スチレン−(メタ)アクリロニトリルおよび/またはエポキシ基含有モノマー−MEC)共重合体を側鎖とする特定のグラフト共重合体)と、スチレン系エラストマー(Z)を含むものである。当該共重合体(Y)は、主鎖がオレフィン系、側鎖がビニル系ポリマーであることにより、スチレン系エラストマー(Z)との相容性に優れ、かつPC/ABS樹脂(X)に良好に分散できると推定されることから、静音化特性(軋み音の抑制効果)を有しながらも、PC/ABS樹脂(X)自体の耐衝撃性をより向上できる。さらに、当該共重合体(Y)は、高分子タイプであることから、PC/ABS樹脂(X)から脱離しにくいと推定されるため、当該樹脂成形体は、耐熱試験前後においても、静音化特性(軋み音の抑制効果)に優れる。また、本発明のPC/ABS樹脂組成物は、射出成形や押出成形などにより、所定形状に成形した場合においても、外観の良好な樹脂成形体が得られる。
本発明のPC/ABS樹脂組成物は、PC/ABS樹脂(X)と、共重合体(Y)と、スチレン系エラストマー(Z)を含む。
<PC/ABS樹脂(X)>
前記PC/ABS樹脂(X)は、PC樹脂とABS樹脂の混合樹脂である。
<PC(ポリカーボネート)樹脂>
前記PC(ポリカーボネート)樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体の反応(ホスゲン法、あるいはエステル交換法)により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。原料となる前記二価フェノールおよびカーボネート前駆体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記二価フェノールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕などのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。これらのなかでも、ビスフェノールAが好ましい。また、前記カーボネート前駆体としては、例えば、カルボニルハライド、ハロホーメート、炭酸エステルなどが挙げられ、具体的には、ホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。前記PC(ポリカーボネート)樹脂は、多官能性芳香族化合物を二価フェノールと併用して得られる分岐型のポリカーボネート樹脂であってもよく、また、末端OH基が封止されていてもよい。
前記PC(ポリカーボネート)樹脂において、市販品としては、例えば、出光興産(株)製の「タフロンA2200」(標準グレード)などが挙げられる。
<ABS樹脂>
前記ABS系樹脂は、ジエン系ゴム、シアン化ビニル単量体、および芳香族ビニル単量体と、必要に応じて、任意の他の共重合し得る単量体を構成単位とする樹脂であり、例えば、前記ジエン系ゴムの存在下、上記の単量体成分をグラフト重合させる方法などで得られるものである。当該重合の方法としては、公知の方法、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられる。
前記ジエン系ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴムなどが挙げられ、これらの中でも、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが好適である。前記ジエン系ゴムは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、これらの中でも、アクリロニトリルが好適である。前記シアン化ビニル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、о−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、これらの中でもスチレン、α−メチルスチレンが好適である。前記芳香族ビニル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記他の共重合し得る単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類などが挙げられる。前記他の共重合し得る単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記ABS系樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体などが挙げられる。前記ABS系樹脂は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製の「スタイラック321」、東レ(株)製の「トヨラック700−314」などが挙げられる。
また、前記PC/ABS樹脂(X)は、市販品としては、例えば、Bayer製の「Bayblend T65XF」などが挙げられる。
前記PC/ABS樹脂(X)中、機械的物性および耐衝撃性を向上させる観点から、PC樹脂の割合が、50〜95重量%であることが好ましく、55〜90重量%であることがより好ましい。
<共重合体(Y)>
前記共重合体(Y)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、スチレン(b−1)、並びに(メタ)アクリロニトリルおよびエポキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる1つ以上の単量体(b−2)を含むモノマー成分(B)と、t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)を反応して得られる(構成単位とする)グラフト共重合体である。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、エチレンと酢酸ビニルから合成される共重合体であり、酢酸ビニル(酢酸ビニル残基単位)の含有率(含有量)が1〜20重量部である。前記酢酸ビニルの含有率は、スチレン系エラストマー(Z)と前記PC/ABS樹脂(X)に対する共重合体(Y)の相容性や分散性を高め、さらに押出成形性を高める観点から、3重量部以上であることが好ましく、そして、樹脂成形体の耐衝撃性と静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点、および共重合体(Y)の耐熱性を向上させる観点から、15重量部以下であることが好ましい。なお、前記酢酸ビニルの含有率は、JIS K6924−1(1997年版)に準拠して測定できる。エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、メルトマスフローレート(以下、MFRとも称す)が、共重合体(Y)の製造プロセスにおける作業性を高める観点、および樹脂成形体の耐衝撃性を向上させる観点から、0.1〜25(g/10min)であることが好ましく、1.0〜10(g/10min)であることがより好ましい。なお、前記MFRは、JIS K6924−1(1997年版)に準拠して測定できる。
前記モノマー成分(B)は、スチレン(b−1)、並びに(メタ)アクリロニトリルおよびエポキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる1つ以上の単量体(b−2)を含む。
前記エポキシ基含有モノマーは、分子内にエチレン性二重結合およびエポキシ基を有するモノマーである。前記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどが挙げられる。これらの中でも、共重合体(Y)の耐熱性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましく、メタクリル酸グリシジルがより好ましい。
前記スチレン(b−1)と前記単量体(b−2)の重量比((b−1)/(b−2))は、樹脂成形体の静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、50/50〜90/10であることが好ましく、60/40〜80/20であることがより好ましい。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と前記モノマー成分(B)の重量比((A)/(B))は、55/45〜98/2である。前記重量比((A)/(B))は、樹脂成形体の耐擦傷性と静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、60/40〜95/5であることが好ましく、70/30〜90/10であることがより好ましい。
前記t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)は、下記一般式(1)で表される化合物(MEC)である。
Figure 2019210376
前記共重合体(Y)の製造方法は、前記t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)(ラジカル重合性有機過酸化物)を用いた重合法である。
前記ラジカル重合性有機過酸化物を用いた重合法は、前記エチレン系重合体(A)を、水を主成分とする媒体に懸濁した溶液(エチレン系重合体(A)濃度:10〜30重量部)に、スチレン(b−1)、並びに(メタ)アクリロニトリルおよびエポキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる1つ以上の単量体(b−2)を含むモノマー成分(B)と、前記t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)と、重合開始剤を加え、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)(−酢酸ビニル共重合体(A)の粒子)中に、前記モノマー成分(B)と前記t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)と前記重合開始剤を含浸させて、前記モノマー成分(B)を重合して前駆体を得る工程と、当該前駆体を溶融して混練(溶融混練)して、グラフト共重合体(Y)を製造する工程を含む方法である。なお、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)を懸濁する際、必要に応じ、懸濁剤(例えば、ポリビニルアルコール)を前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜1重量部程度使用してもよい。また、上記の含浸の際、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)中にモノマー成分(B)などを十分に含浸させるため、加温(例えば、60〜80℃程度)しながら、攪拌してもよい。
前記重合開始剤は、熱によりラジカルを発生するものであれば、特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ系重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記重合開始剤は、重合開始剤の急激な分解を抑制し、重合開始剤や前記モノマー成分の残存を抑制する観点から、10時間半減期温度(以下、T10とも称す)が、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、そして、130℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることがさらに好ましい。なお、前記10時間半減期温度(T10)は、前記重合開始剤を、例えば、0.05から0.1モル/リットルになるようにベンゼンに溶解させた溶液を熱分解させた際に、当該重合開始剤が10時間で半減期を迎える温度のことを意味する。
前記重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(T10=51℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(T10=53℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(T10=55℃)、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(T10=59℃)、ジラウロイルパーオキサイド(T10=62℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(T10=65℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(T10=66℃)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキシルヘキサノエート(T10=70℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド(T10=71℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(T10=72℃)、ベンゾイルパーオキサイド(T10=74℃)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(T10=95℃)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(T10=97℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(T10=98℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(T10=99℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(T10=99℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(T10=99℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(T10=100℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(T10=102℃)、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン(T10=103℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(T10=104℃)、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート(T10=105℃)、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(T10=119℃)、ジクミルパーオキサイド(T10=116℃)、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド(T10=116℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(T10=118℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(T10=120℃)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(T10=124℃)などの有機過酸化物;2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(T10=51℃)、2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)(T10=65℃)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(T10=67℃)などのアゾ系重合開始剤などが挙げられる。
前記前駆体を製造する工程において、重合温度は、原料(特に、前記重合開始剤の10時間半減期温度)などによって異なるので一概には決定できないが、通常、65℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、そして、90℃以下であることが好ましく、85℃以下であることがより好ましい。また、重合時間は、原料や反応温度などによって異なるので一概には決定できないが、通常、目的物の収率性を高める観点から、1.5時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましく、そして、6時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましい。
前記前駆体を製造する工程において、前記t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)は、前記モノマー成分(B)100重量部に対し、0.5重量部以上であることが好ましく、1重量部以上であることがより好ましく、3重量部以上であることがさらに好ましく、そして、10重量部以下であることが好ましく、8重量部以下であることがより好ましく、6重量部以下であることがさらに好ましい。
前記前駆体を製造する工程において、前記重合開始剤は、モノマー成分(B)100重量部に対し、0.3重量部以上であることが好ましく、0.5重量部以上であることがより好ましく、そして、3重量部以下であることが好ましく、2重量部以下であることがより好ましい。
前記溶融混練としては、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどの混練機を用いて、前記前駆体を溶融して混練りする方法が挙げられる。混練りする回数は、1回または複数回であってもよい。混練りする時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、3〜10分程度とすればよい。また、混練機の排出温度は、150〜350℃とすることが好ましく、180〜250℃とすることがより好ましい。
前記共重合体(Y)は、前記PC/ABS樹脂(X)100重量部に対して、1〜25重量部である。前記共重合体(Y)は、樹脂成形体の静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、前記PC/ABS樹脂(X)100重量部に対して、3重量部以上であることが好ましく、そして、耐衝撃性と耐熱試験後の樹脂成形体の静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、20重量部以下であることが好ましい。
<スチレン系エラストマー(Z)>
前記スチレン系エラストマー(Z)は、ポリスチレンを主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを含むブロック共重合体である。前記スチレン系エラストマー(Z)は、例えば、A−B 、A−B−A、B−A−B−A、およびA−B−A−B−Aなどの構造を有するブロック共重合体が挙げられる。前記スチレン系エラストマー(Z)は、機械的強度、成形加工性の観点から、分子中の重合体ブロックAが2個以上であることが好ましい。また、前記重合体ブロックBにおいて、共役ジエン化合物と共役ジエン化合物との結合様式は、特に制限されず、任意である。分子中に、重合体ブロックBが2個以上ある場合、これらは同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
前記スチレン系エラストマー(Z)は、ポリスチレンに由来する構造単位の割合が、耐熱性の観点から、5〜60重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
前記スチレン系エラストマー(Z)は、水素添加率(ポリスチレンと水素添加前共役ジエン化合物とのブロック共重合体中の炭素と炭素の二重結合の数に対する、水素添加により炭素と炭素の単結合となった結合の数の割合)が、特に制限されないが、耐熱性の観点から、通常、50モル%以上であり、70モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることが好ましい。
前記スチレン系エラストマー(Z)としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブテンブロック共重合体(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体ブロック(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、及びスチレン−ビニル(エチレン−プロピレン)−スチレン共重合体(V−SEPS)などが挙げられる。これらの中でも、耐衝撃性の観点から、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)が好ましい。
前記スチレン系エラストマー(Z)は、樹脂成形体の耐衝撃性を向上させる観点から、前記PC/ABS樹脂(X)100重量部に対して、1重量部以上であることが好ましく、2重量部以上であることがより好ましく、3重量部以上であることがさらに好ましく、そして、25重量部以下であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましく、15重量部以下であることがさらに好ましい。
また、前記共重合体(Y)と前記スチレン系エラストマー(Z)の重量比((Y)/(Z))は、静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、40/60〜90/10であることが好ましく、45/55〜80/20であることがより好ましい。
なお、本発明のPC/ABS樹脂組成物は、各種配合剤を用いることができる。配合剤としては、例えば、セラミックファイバー(CF)、ガラス繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、鉱物破砕繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、石コウ繊維、水酸化マグネシウム繊維、炭化ケイ素繊維、ジルコニア繊維などの繊維強化材;球状シリカ、マイカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、ベントナイト、セリサイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、アルミナ、硅酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、グラファイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン、超高密度ポリエチレンなどの各形状の有機または無機の充填剤;鉱油、炭化水素、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、アルコール、金属石けん、天然ワックス、シリコーンなどの滑剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機の難燃剤;ハロゲン系、リン系などの有機の難燃剤;ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテルなどのエンジニアプラスチック;酸化防止剤、紫外線防止剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、着色剤などが挙げられる。
本発明のPC/ABS樹脂組成物は、前記PC/ABS樹脂(X)、前記共重合体(Y)、前記スチレン系エラストマー(Z)、任意の前記各種配合剤を混合することによって得られる。混合の方法は、とくに制限はなく、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどの混練機を用いて、溶融して混練りする方法などが挙げられる。また、上記の各成分を、任意の順序で添加し混練りしてもよく、同時に添加して混練りしてもよい。混練りする回数は、1回または複数回であってもよい。混練りする時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、3〜10分程度とすればよい。また、混練機の排出(押出)温度は、150〜350℃とすることが好ましく、180〜250℃とすることがより好ましい。
本発明の樹脂成形体は、前記PC/ABS樹脂組成物を所定の形状に成形することにより得られる。成形方法としては、何ら限定されるものではないが、例えば、射出成形、押出成形などが挙げられ、成形の加熱温度、圧力、時間などは適宜設定できる。当該樹脂成形体は、機械物性、外観品質、耐衝撃性、および静音化特性(軋み音の抑制効果)に優れるため、電気部品、電子部品、機械部品、精密機器部品、自動車部品などの広い分野で利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
<共重合体(Y)の製造>
内容積5Lのステンレス製オートクレーブに、純水2500重量部を入れ、更に懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5重量部を溶解させた。この中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン510」、酢酸ビニル含有率(含有量)が6重量部、MFRが2.5(g/10min))800重量部を入れ、攪拌して分散させた。
さらに、重合開始剤として、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(日油(株)製、商品名「パーロイル355」、10時間半減期温度=59℃)3.0重量部と、t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)(以下、MECとも称す)10.0重量部を、スチレン(以下、Stとも称す)140重量部とメタクリル酸グリシジル(以下、GMAとも称す)60重量部からなるモノマー成分(B)に溶解させた溶液を調製し、この溶液を上記のオートクレーブ中に投入し攪拌した。
次いで、上記のオートクレーブを60〜65℃に昇温し、3時間攪拌することによって、ラジカル重合開始剤、t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)、およびモノマー成分(B)をエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)中に含浸させた。続いて、上記のオートクレーブを80〜85℃に昇温し、当該温度で7時間保持して重合させて前駆体(ポリ(St/GMA/MEC)共重合体が含浸したエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物)を得た。得られた前駆体を冷却後、水洗および乾燥した。得られた前駆体を酢酸エチルに浸漬し、ポリ(St/GMA/MEC)共重合体を抽出し、以下のGPC条件にて当該ポリ(St/GMA/MEC)共重合体の重量平均分子量を求めたところ、400,000であった。
<GPC条件>
分析装置:HLC‐8320GPC(東ソー社製)
カラム:TSK gel SuperH−RC(東ソー社製)、TSK gel SuperMP(HZ−M)(東ソー社製)、TSK gel SuperMultiporeHZ−M(東ソー社製)の直列接続
カラムサイズ:4.6×150mm
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.5mL/min
検出器:示差屈折計
カラム温度:40℃
標準試料:ポリスチレン
さらに、得られた前駆体を、ラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)を用い、200℃にて溶融混練して、グラフト化反応させることにより製造例1の共重合体(Y)(グラフト共重合体)を製造した。得られた共重合体(Y)を走査型電子顕微鏡(「JEOL JSM T300」、日本電子株式会社製)で観察したところ、粒径0.1〜0.2μmの真球状樹脂が均一に分散していることが確認された。
<PC/ABS樹脂組成物の製造>
前記PC/ABS樹脂(X)成分として、PC樹脂(商品名「タフロンA2200」、標準グレード、出光興産(株)製)70重量部と、ABS樹脂(商品名「スタイラック321」、標準グレード、旭化成ケミカルズ(株)製)30重量部と、前記(Y)成分として、上記で得られた製造例1の共重合体(Y)10重量部と、スチレン系エラストマー(Z)成分として、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体(商品名「Kraton G1652」、クレイトンポリマー(株)製、表2中で「Z3」と示す)10重量部を、二軸押出機(PCM−30:池貝製)を用いて、溶融混練(押出温度:230〜250℃)した。次いで、ストランド状のPC/ABS樹脂組成物を得た後、これをカッティングしてペレット状のPC/ABS樹脂組成物を得た。
上記で得られたPC/ABS樹脂組成物を用いて、静音化特性(軋み音の抑制効果)および耐衝撃性を以下の方法にて評価した。結果を表2に示す。
<静音化特性(軋み音の抑制効果)の評価>
上記で得られたペレットを射出成形(バレル温度:240〜250℃、金型温度:80℃)し、評価用試験片(長さ:60mm×幅:100mm×厚み:2mm)を作製した。次いで、当該試験片(評価材)を、静音化特性の試験用のプレート(55mm×80mm×2mm)に切り出してバリ取りを行った後、温度25℃、湿度50%RHで12時間放置した。また、相手材は相手材用のプレート(50mm×25mm×2mm)として、(1)炭素鋼(S45C)のプレート、および(2)PC/ABS樹脂組成物の製造に用いたPC/ABS樹脂(X)樹脂のみ(ニート樹脂)(前記(Y)成分および(Z)成分を含まないもの)のプレートを使用した。
静音化特性は、上記の静音化特性の試験用のプレートと、相手材用のプレートをZiegler社のスティックスリップ測定装置SSP−04に固定し、荷重=40N、速度=1mm/sの条件でそれぞれ擦り合わせた時の軋み音リスク値を測定して、評価した。なお、軋み音リスク値は、値が小さいほど軋み音発生のリスクが低いことを示す。軋み音リスク値の判断基準は以下に示す通りである。
軋み音リスク値1〜3:軋み音発生のリスクが低い
軋み音リスク値4〜5:軋み音発生のリスクがやや高い
軋み音リスク値6〜10:軋み音発生のリスクが高い
<耐熱試験後の静音化特性(軋み音の抑制効果)の評価>
樹脂成形体の経年変化を想定した試験として、上記の静音化特性の試験用のプレートを80℃の送風機能付き恒温槽に300時間静置した。続いて、25℃、50%RHの恒温槽に24時間放置した後、上記の相手材用のプレートを用いて、上記同様に、軋み音リスク値を測定した。なお、軋み音リスク値判断基準は、上記と同様である。
本発明の樹脂成形体は、上記の静音化特性の評価において、相手材が上記(1)である場合、軋み音リスク値が3以下を良好とした。また、本発明の樹脂成形体は、上記の静音化特性の評価において、相手材が上記(2)である場合、軋み音リスク値が3以下を良好とした。
<耐衝撃性の評価>
上記で得られたペレットを射出成形(バレル温度:240〜250℃、金型温度:80℃)し、Izod衝撃試験評価用ノッチ付き試験片(長さ:63.3mm×幅:9.8mm×厚み:3.8mm)を作製した。ASTM D256に準拠して温度25℃で当該試験片のIzod衝撃強度を測定した。
本発明の樹脂成形体は、上記の耐衝撃性の評価において、Izod衝撃強度(kJ/m)が50.0(kJ/m)以上を良好とした。
<実施例2〜14、比較例1〜12>
<共重合体(Y)およびPC/ABS樹脂組成物の製造>
各原料の種類とその配合量を表1〜表5に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、共重合体(Y)およびPC/ABS樹脂組成物を製造した。なお、比較製造例1の共重合体(Y)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)をそのまま用いたことを示す。
上記で得られた実施例2〜14、比較例1〜12のPC/ABS樹脂組成物を用い、上記の評価方法により、静音化特性(軋み音の抑制効果)、耐熱試験後の静音化特性、および耐衝撃性を評価した。結果を表2〜5に示す。
Figure 2019210376
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Figure 2019210376
Figure 2019210376
Figure 2019210376
表1中、
EVA1は、酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン510」、酢酸ビニル含有率(含有量)が6重量部、MFRが2.5(g/10min));
EVA2は、酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン537」、酢酸ビニル含有率(含有量)が15重量部、MFRが3.0(g/10min));
EVA3は、酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン750」、酢酸ビニル含有率(含有量)が32重量部、MFRが30(g/10min));
Stは、スチレン;
ANは、アクリロニトリル;
GMAは、メタクリル酸グリシジル;
R355は、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(日油(株)製、商品名「パーロイル355」、10時間半減期温度=59℃);
BWは、ベンゾイルパーオキサイド(日油(株)製、商品名「ナイパーBW」、10時間半減期温度=74℃);を示す。
表2〜表5中、
PCは、ポリカーボネート(出光興産(株)製、商品名「タフロンA2200」、標準グレード);
ABSは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「スタイラック321」);
PC/ABSは、PC/ABS樹脂(Bayer製、商品名「Bayblend T65XF」);
Z1は、スチレン−エチレン−プロピレン(SEP)ブロック共重合体(クラレ(株)製、商品名「セプトン 1001」);
Z2は、スチレン−エチレン−ブテン(SEB)ブロック共重合体(クレイトンポリマー(株)製、商品名「Kraton G1650」);
Z3は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体(クレイトンポリマー(株)製、商品名「Kraton G1652」);
Z4は、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体(クラレ(株)製、商品名「セプトン 2002」);
Z5は、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEEPS)ブロック共重合体(クラレ(株)製、商品名「セプトン 4044」);を示す。
実施例1〜14のPC/ABS樹脂組成物では、静音化特性(軋み音の抑制効果)、耐熱試験後の静音化特性、およびIzod衝撃強度について何れの項目の目標値を満たす評価結果が得られた。
共重合体(Y)を含まない比較例1、3、8、10の樹脂組成物は、耐熱試験後の軋み音発生リスク値が8以上だった。
スチレン系エラストマー(Z)を含まない比較例2、9の樹脂組成物は、Izod衝撃強度が50.0(kJ/m)未満であった。
PC/ABS樹脂(X)100重量部に対して、共重合体(Y)を30重量部含有する比較例4、11の樹脂組成物は、軋み音発生リスク値が4以上であり、Izod衝撃強度が50.0(kJ/m)未満であった。
共重合体(Y)の替わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)をそのまま用いた比較例5、12の樹脂組成物は、耐熱試験後の軋み音発生リスク値が8以上であり、Izod衝撃強度が50.0(kJ/m)未満であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有率が25重量部である共重合体(Y)を用いた比較例6は、耐熱試験後の軋み音発生リスク値が5以上であり、Izod衝撃強度が50.0(kJ/m)未満であった。
共重合体(Y)中、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)とモノマー成分(B)の重量比が50/50である共重合体(Y)を用いた比較例7は、耐熱試験後の軋み音発生リスク値が6以上であり、Izod衝撃強度が50.0(kJ/m)未満であった。

Claims (6)

  1. PC/ABS樹脂(X)と、共重合体(Y)と、スチレン系エラストマー(Z)を含むPC/ABS樹脂組成物であって、
    前記共重合体(Y)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、スチレン(b−1)、並びに(メタ)アクリロニトリルおよびエポキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる1つ以上の単量体(b−2)を含むモノマー成分(B)と、t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート(C)を反応して得られるグラフト共重合体であり、
    前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニルの含有率が1〜20重量部であり、
    前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と前記モノマー成分(B)の重量比((A)/(B))が55/45〜98/2であり、
    前記PC/ABS樹脂(X)100重量部に対して、前記共重合体(Y)が1〜25重量部であることを特徴とするPC/ABS樹脂組成物。
  2. 前記PC/ABS樹脂(X)100重量部に対して、前記スチレン系エラストマー(Z)が1〜25重量部であることを特徴とする請求項1記載のPC/ABS樹脂組成物。
  3. 前記共重合体(Y)と前記スチレン系エラストマー(Z)の重量比((Y)/(Z))が40/60〜90/10であることを特徴とする請求項1または2記載のPC/ABS樹脂組成物。
  4. 前記PC/ABS樹脂(X)中、PC樹脂の割合が、50〜95重量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のPC/ABS樹脂組成物。
  5. 前記スチレン系エラストマー(Z)は、スチレン−エチレン−ブテンブロック共重合体(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、およびスチレン−ビニル(エチレン−プロピレン)−スチレンブロック共重合体(V−SEPS)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のPC/ABS樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のPC/ABS樹脂組成物から得られることを特徴とする樹脂成形体。
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