JP2020059827A - 樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物、および熱可塑性樹脂成型体 - Google Patents

樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物、および熱可塑性樹脂成型体 Download PDF

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宏樹 新井
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Abstract

【課題】本発明は、熱可塑性樹脂成型体と皮革が接触した際に生じる軋み音を低減(抑制)することができる(静音化特性を有する)樹脂組成物を提供すること。【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)と、スチレン系エラストマー(C)を含有し、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニルの含有率が10〜50重量%であり、前記ブロック共重合体(B)は、ポリオキシエチレンの含有率が40〜90重量%である樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物、および熱可塑性樹脂成型体に関する。
熱可塑性樹脂は、耐衝撃性、加工性、寸法安定性、機械特性に優れていることから、電気・電子機器の筐体、自動車内装品・外装部品、建材、家具、楽器、雑貨類などの幅広い分野で使用されている。また押出成形品はコーティング処理、積層体、表面修飾などの付加的な二次加工を施すことにより、自動車内装の各種表示装置、保護用部品として広く使用されている。
熱可塑性樹脂のなかでもPC(ポリカーボネート)樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂や、それらの混合樹脂(以下、PC/ABS樹脂、PC/ASA樹脂とも称す)は、難燃性にも優れており、その使用領域が増えるに伴い、各種部材の樹脂同士の接触時の軋み音を低減(抑制)できる静音化特性が要求されている。
PC/ABS樹脂の静音化特性(軋み音の抑制効果)を改善する方法として、特許文献1では、オレフィン系グラフト共重合体を添加したPC/ABS樹脂組成物が記載されている。
特開2017−14447号公報
近年では、樹脂同士の接触時の軋み音の低減(抑制)だけでなく、樹脂と皮革(人工皮革(軟質塩化ビニル)や天然皮革など)が接触した際に生じる軋み音の低減(抑制)といった、静音化特性(軋み音の抑制効果)に対して更なる要求がある。しかしながら、上記の特許文献1で開示されたPC/ABS樹脂組成物から得られる樹脂成形体は、樹脂同士の接触時の軋み音を低減(抑制)できているが、樹脂と皮革が接触した際に生じる軋み音の低減(抑制)に対して改善の余地があることが分かった。
以上のような事情に鑑み、本発明は、熱可塑性樹脂成型体と皮革が接触した際に生じる軋み音を低減(抑制)することができる(静音化特性を有する)樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)と、スチレン系エラストマー(C)を含有し、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニルの含有率が10〜50重量%であり、前記ブロック共重合体(B)は、ポリオキシエチレンの含有率が40〜90重量%であることを特徴とする樹脂組成物、に関する。
また、本発明は、前記樹脂組成物と、熱可塑性樹脂(X)を含有し、前記熱可塑性樹脂(X)は、ゴム質重合体、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体を構成単位とする樹脂、およびポリカーボネート樹脂から選ばれる1種以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、に関する。
さらに、本発明は、前記熱可塑性樹脂組成物から得られることを特徴とする熱可塑性樹脂成型体、に関する。
本発明の樹脂組成物における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本発明の樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)と、スチレン系エラストマー(C)とを含有するものである。当該樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有率が10〜50重量%であることによって、前記ブロック共重合体(B)との相容性に優れる。また、前記ブロック共重合体(B)は、ポリオキシエチレンの含有率が40〜90重量%であることによって、成型体(熱可塑性樹脂成型体)表面の潤滑性が向上する。また、前記スチレン系エラストマー(C)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と熱可塑性樹脂(X)との相容性を向上させることができる。よって、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(X)に良好に分散できるため、当該樹脂組成物を熱可塑性樹脂(X)に添加した熱可塑性樹脂組成物の成型体(熱可塑性樹脂成型体)は、当該成形体と皮革が接触した際に生じる軋み音を低減(抑制)することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、前記ブロック共重合体(B)が良好に分散するので、良好な押出加工性を有するため、生産性に優れている。
本発明の樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)と、スチレン系エラストマー(C)を含有する。
<エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)>
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、エチレンと酢酸ビニルから合成される共重合体であり、酢酸ビニル(酢酸ビニル残基単位)の含有率(含有量)が10〜50重量%である。前記酢酸ビニルの含有率は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)との相容性を向上させる観点から、25重量%以上であることが好ましく、そして、熱可塑性樹脂成型体の静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、45重量%以下であることが好ましい。なお、前記酢酸ビニルの含有率は、JIS K6924−1(1997年版)に準拠して測定できる。エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、メルトマスフローレート(以下、MFRとも称す)が、樹脂組成物の製造プロセスにおける作業性を高める観点から、1.0〜100(g/10min)であることが好ましく、1.5〜80(g/10min)であることがより好ましい。なお、前記MFRは、JIS K6924−1(1997年版)に準拠して測定できる。
<ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)>
前記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)は、通常、下記一般式(1)で表されるブロックポリマーである。
一般式(1):HO−(CO)−(CO)−(CO)−H
(一般式(1)中、a、b、cは独立して1〜200の整数を表す。)
前記ブロック共重合体(B)は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記ブロック共重合体(B)は、数平均分子量が、作業性を向上させる観点から、3,000以上であることが好ましく、7,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましく、そして、熱可塑性樹脂成型体の静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、20,000以下であることが好ましく、19,000以下であることがより好ましく、18,000以下であることがさらに好ましい。なお、当該数平均分子量は、ブロック共重合体(B)の水酸基価を測定して次式により求めることができる。
数平均分子量=水酸基価×N×1,000/56.11
水酸基価:JIS K−1577の6.4に準じて測定した値
N:ブロック共重合体(B)の平均官能基数(ブロック共重合体(B)1分子中の水酸基の数平均数)
前記ブロック共重合体(B)は、ポリオキシエチレンの含有率が40〜90重量%である。前記ポリオキシエチレンの含有率は、熱可塑性樹脂成型体の静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、45重量%以上であることが好ましく、そして、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)との相容性を高める観点から、85重量%以下であることが好ましい。なお、前記ポリオキシエチレンの含有率は、例えば、1H−NMR測定から測定できる。
前記ブロック共重合体(B)は、市販品としては、BASFジャパン(株)製の「プルロニック」シリーズ、三洋化成工業(株)製の「ニューポールPE」シリーズ、旭電化工業(株)製の「アデカプルロニックL」シリーズ、「アデカプルロニックF」シリーズ、第一工業製薬(株)製の「エパン」シリーズ、日油(株)製の「プロノン」シリーズ、「ユニルーブ」シリーズなどが挙げられる。
<スチレン系エラストマー(C)>
前記スチレン系エラストマー(C)は、ポリスチレンを有する重合体ブロックと共役ジエン化合物を有する重合体ブロック(ポリスチレンを主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB)を含むブロック共重合体である。前記スチレン系エラストマー(C)は、例えば、A−B 、A−B−A、B−A−B−A、およびA−B−A−B−Aなどの構造を有するブロック共重合体が挙げられる。前記スチレン系エラストマー(C)は、機械的強度、成形加工性の観点から、分子中の重合体ブロックAが2個以上であることが好ましい。また、前記重合体ブロックBにおいて、共役ジエン化合物と共役ジエン化合物との結合様式は、特に制限されず、任意である。分子中に、重合体ブロックBが2個以上ある場合、これらは同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。前記スチレン系エラストマー(C)は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記スチレン系エラストマー(C)は、ポリスチレンに由来する構造単位の割合が、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と熱可塑性樹脂(X)の相容性を向上させる観点から、5〜60重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
前記スチレン系エラストマー(C)は、水素添加率(ポリスチレンと水素添加前共役ジエン化合物とのブロック共重合体中の炭素と炭素の二重結合の数に対する、水素添加により炭素と炭素の単結合となった結合の数の割合)が、特に制限されないが、耐熱性の観点から、通常、50モル%以上であり、70モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることが好ましい。
前記スチレン系エラストマー(C)としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブテンブロック共重合体(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体ブロック(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、及びスチレン−ビニル(エチレン−プロピレン)−スチレン共重合体(V−SEPS)などが挙げられる。これらの中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と熱可塑性樹脂(X)の相容性を向上させる観点から、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、及びスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)が好ましい。
前記樹脂組成物中、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の含有割合は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)との相容性を向上させる観点から、30〜90重量%であることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましく、そして、85重量%以下であることがより好ましい。
前記樹脂組成物中、前記ブロック共重合体(B)の含有割合は、樹脂成型体の静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、5〜50重量%であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、そして、30重量%以下であることがより好ましい。
前記樹脂組成物中、前記スチレン系エラストマー(C)の含有割合は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と熱可塑性樹脂(X)との相容性を向上させる観点から、5〜50重量%であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、そして、30重量%以下であることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記樹脂組成物と、熱可塑性樹脂(X)を含有する。
<熱可塑性樹脂(X)>
前記熱可塑性樹脂(X)は、ゴム質重合体と、シアン化ビニル系単量体と、芳香族ビニル系単量体を構成単位とする樹脂、およびポリカーボネート(PC)樹脂から選ばれる1種以上である。
前記ゴム質重合体と、シアン化ビニル系単量体と、芳香族ビニル系単量体を構成単位とする樹脂は、例えば、前記ゴム質重合体の存在下、前記シアン化ビニル系単量体、前記芳香族ビニル系単量体、必要に応じて、任意の他の共重合し得る単量体を含む単量体成分をグラフト重合させる方法などで得られるものである。当該重合の方法としては、公知の方法、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられる。
前記ゴム質重合体としては、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン−プロピレン系ゴムなどが挙げられる。前記ジエン系ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴムなどが挙げられる。また、前記アクリル系ゴムとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸を構成単位に有するアクリル系ゴム;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステルを構成単位に有するアクリル系ゴムなどが挙げられる。前記エチレン−プロピレン系ゴムとしては、EPR、EPDMなどが挙げられる。前記ゴム質重合体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、これらの中でも、アクリロニトリルが好適である。前記シアン化ビニル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、о−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、これらの中でもスチレン、α−メチルスチレンが好適である。前記芳香族ビニル単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記他の共重合し得る単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類などが挙げられる。前記他の共重合し得る単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記ゴム質重合体と、シアン化ビニル系単量体と、芳香族ビニル系単量体を構成単位とする樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂などが挙げられる。
前記ABS系樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体などが挙げられる。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製の「スタイラック321」、東レ(株)製の「トヨラック700−314」などが挙げられる。
前記ASA系樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体などが挙げられる。市販品としては、例えば、日本エイアンドエル(株)製の「ユニブライトUA1300」などが挙げられる。
前記ポリカーボネート(PC)樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体の反応(ホスゲン法、あるいはエステル交換法)により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。原料となる前記二価フェノールおよびカーボネート前駆体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記二価フェノールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕などのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。これらのなかでも、ビスフェノールAが好ましい。また、前記カーボネート前駆体としては、例えば、カルボニルハライド、ハロホーメート、炭酸エステルなどが挙げられ、具体的には、ホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。前記PC(ポリカーボネート)樹脂は、多官能性芳香族化合物を二価フェノールと併用して得られる分岐型のポリカーボネート樹脂であってもよく、また、末端OH基が封止されていてもよい。
前記PC(ポリカーボネート)樹脂において、市販品としては、例えば、出光興産(株)製の「タフロンA2200」(標準グレード)などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂(X)が、ゴム質重合体と、シアン化ビニル系単量体と、芳香族ビニル系単量体を構成単位とする樹脂、およびポリカーボネート(PC)樹脂の混合樹脂の場合、機械的物性および耐衝撃性を向上させる観点から、混合樹脂中、PC樹脂の割合が、50〜95重量%であることが好ましく、55〜90重量%であることがより好ましい。
前記PC樹脂とABS樹脂の混合樹脂(PC/ABS樹脂)において、市販品としては、例えば、Bayer製の「Bayblend T65XF」などが挙げられる。
前記樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂(X)100重量部に対して、1〜25重量部であることが好ましい。前記樹脂組成物は、樹脂成型体の静音化特性(軋み音の抑制効果)を向上させる観点から、前記熱可塑性樹脂(X)100重量部に対して、2重量部以上であることがより好ましく、5重量部以上であることがさらに好ましく、そして、20重量部以下であることがより好ましく、18重量部以下であることがさらに好ましい。
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種配合剤を用いることができる。配合剤としては、例えば、セラミックファイバー(CF)、ガラス繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、鉱物破砕繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、石コウ繊維、水酸化マグネシウム繊維、炭化ケイ素繊維、ジルコニア繊維などの繊維強化材;球状シリカ、マイカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、ベントナイト、セリサイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、アルミナ、硅酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、グラファイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン、超高密度ポリエチレンなどの各形状の有機または無機の充填剤;鉱油、炭化水素、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、アルコール、金属石けん、天然ワックス、シリコーンなどの滑剤;PTFE系、アクリル系などの加工助剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機の難燃剤;ハロゲン系、リン系などの有機の難燃剤;ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテルなどのエンジニアプラスチック;酸化防止剤、紫外線防止剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤、分散剤、カップリング剤、発泡剤、着色剤などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記樹脂組成物、前記熱可塑性樹脂(X)、任意の前記各種配合剤を混合することによって得られる。混合の方法は、とくに制限はなく、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどの混練機を用いて、溶融して混練りする方法などが挙げられる。また、上記の各成分を、任意の順序で添加し混練りしてもよく、同時に添加して混練りしてもよい。混練りする回数は、1回または複数回であってもよい。混練りする時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、3〜10分程度とすればよい。また、混練機の排出(押出)温度は、150〜350℃とすることが好ましく、180〜250℃とすることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂成型体は、前記熱可塑性樹脂組成物を所定の形状に成形することにより得られる。成形方法としては、何ら限定されるものではないが、例えば、射出成形、押出成形などが挙げられ、成形の加熱温度、圧力、時間などは適宜設定できる。当該熱可塑性樹脂成型体は、樹脂部材と皮革が擦れた際の静音化特性(軋み音の抑制効果)に優れるため、シート部材やコンソールボックスといった、人工皮革(軟質塩化ビニル)または天然皮革と樹脂部材とが接するような、機械部品、自動車部品などの広い分野で利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<樹脂組成物の製造>
<実施例1−1>
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)(商品名「ウルトラセン750」、東ソー(株)製)70重量部と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)(商品名「ユニルーブ70DP−950B」、日油(株)製)20重量部と、スチレン系エラストマー(C)として、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体(商品名「Kraton G1652」、クレイトンポリマー(株)製)10重量部と、加工助剤(商品名「メタブレンA−3000」、三菱ケミカル(株)製)2重量部をドライブレンドした。その後、二軸押出機(PCM−30:池貝製)を用いて、溶融混練(押出温度:140〜160℃)した。次いで、ストランド状の樹脂組成物を得た後、これをカッティングしてペレット状の樹脂組成物を得た。
<押出加工性の評価>
上記の樹脂組成物の製造において、二軸押出機で溶融混練する際の押出ストランドの安定性を下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:ストランド切れには至らない
×:頻繁にストランド切れが発生し、連続した引取りが困難
上記の押出加工性の評価において、○を良好とした。
<実施例1−2〜1−7、比較例1−1〜1−4>
各原料の種類とその配合量を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1−1と同様の方法により、樹脂組成物を製造した。なお、比較例1−3の樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)をそのまま用いたことを示す。得られた樹脂組成物について、上記の評価方法により、押出加工性を評価した。結果を表1に示す。
<熱可塑性樹脂組成物の製造>
<実施例2−1>
熱可塑性樹脂(X)として、PC/ABS樹脂(商品名「Bayblend T65XF」、Bayer製)100重量部と、前記樹脂組成物成分として、上記で得られた製造例1−1の樹脂組成物5重量部を、二軸押出機(PCM−30:池貝製)を用いて、溶融混練(押出温度:230〜250℃)した。次いで、ストランド状の熱可塑性樹脂組成物を得た後、これをカッティングしてペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、静音化特性(軋み音の抑制効果)を以下の方法にて評価した。結果を表2、3に示す。
<静音化特性(軋み音の抑制効果)の評価>
上記で得られたペレットを射出成形(バレル温度:240〜250℃、金型温度:80℃)し、評価用試験片(長さ:60mm×幅:100mm×厚み:2mm)を作製した。次いで、当該試験片(評価材)を、静音化特性の試験用のプレート(55mm×80mm×2mm)に切り出してバリ取りを行った後、温度25℃、湿度50%RHで12時間放置した。また、相手材はポリ塩化ビニル(PVC)皮革(シンコー(株)製、「PVCメリヤス生地 巾1250mm オールマイティ生地カット出し」)を使用した。
静音化特性は、上記の静音化特性の試験用のプレートと、相手材用のポリ塩化ビニル(PVC)皮革をZiegler社のスティックスリップ測定装置SSP−04に固定し、荷重=40N、速度=1mm/sの条件でそれぞれ擦り合わせた時の軋み音リスク値を測定して、評価した。なお、軋み音リスク値は、値が小さいほど軋み音発生のリスクが低いことを示す。軋み音リスク値の判断基準は以下に示す通りである。
軋み音リスク値1〜3:軋み音発生のリスクが低い
軋み音リスク値4〜5:軋み音発生のリスクがやや高い
軋み音リスク値6〜10:軋み音発生のリスクが高い
本発明の熱可塑性樹脂成型体は、上記の静音化特性の評価において、軋み音リスク値が3以下を良好とした。
<実施例2−2〜2−9、比較例2−1〜2−5>
各原料の種類とその配合量を表2および3に示すように変えたこと以外は、実施例2−1と同様の方法により、熱可塑性樹脂組成物を製造した。得られた熱可塑性樹脂組成物を用い、上記の評価方法により、静音化特性(軋み音の抑制効果)を評価した。結果を表2および3に示す。
Figure 2020059827
Figure 2020059827
Figure 2020059827
表1中、
A1は、酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン750」、酢酸ビニル含有率(含有量)が32重量%、MFRが30(g/10min));
A2は、酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン760」、酢酸ビニル含有率(含有量)が42重量%、MFRが70(g/10min));
A3は、酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン625」、酢酸ビニル含有率(含有量)が15重量%、MFRが14(g/10min));
A4は、酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン510」、酢酸ビニル含有率(含有量)が6重量%、MFRが2.5(g/10min));
B1は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(日油(株)製、商品名「ユニルーブ70DP−950B」);
B2は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(日油(株)製、商品名「プロノン#208」);
B3は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(三洋化成(株)製、商品名「ニューポールPE−75」);
B4は、ポリエチレングリコール(日油(株)製、商品名「PEG#11000」);
C1は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体(クレイトンポリマー(株)製、商品名「Kraton G1652」);
C2は、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体(クラレ(株)製、商品名「セプトン 2006」);
C3は、);スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEEPS)ブロック共重合体(クラレ(株)製、商品名「セプトン 4045」);
C4は、スチレン−エチレン−プロピレン(SEP)ブロック共重合体(クラレ(株)製、商品名「セプトン 1001」);を示す。
表2〜表3中、
PC/ABSは、PC/ABS樹脂(Bayer製、商品名「Bayblend T65XF」);
PCは、出光興産(株)製、商品名「タフロンA2200」;
ABSは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「スタイラック321」);
ASAは、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体(日本エイアンドエル(株)製、商品名「ユニブライトUA1300」);
PC/ASAは、PC/ASA樹脂(PC(ポリカーボネート):出光興産(株)製の「タフロンA2200」と、ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体)(日本エイアンドエル(株)製、商品名「ユニブライトUA1300」)との混合品であり、混合比はPC/ASA=70/30である);
Y1は、オレフィン系グラフト共重合体(特開2017−14447号公報、表1製造例1−7に相当);を示す。
実施例2−1〜2−9の熱可塑性樹脂組成物では、静音化特性(軋み音の抑制効果)について目標値を満たす評価結果が得られた。
ポリエチレングリコール(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)のポリオキシエチレン含有率が100重量%)を含む樹脂組成物を用いた比較例2−1は、軋み音発生リスク値が9であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有率が6重量%である樹脂組成物を用いた比較例2−2は、軋み音発生リスク値が7であった。
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)および/またはスチレン系エラストマー(C)を含有しない樹脂組成物を用いた比較例2−3および2−4は、軋み音発生リスク値が8以上であった。
樹脂組成物としてオレフィン系グラフト共重合体(Y1)を用いた比較例2−5は、軋み音発生リスク値が7であった。

Claims (7)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)と、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロック共重合体(B)と、スチレン系エラストマー(C)を含有し、
    前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニルの含有率が10〜50重量%であり、
    前記ブロック共重合体(B)は、ポリオキシエチレンの含有率が40〜90重量%であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記ブロック共重合体(B)は、数平均分子量が3,000〜20,000であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)が30〜90重量%であり、前記ブロック共重合体(B)が5〜50重量%であり、前記スチレン系エラストマー(C)が5〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記スチレン系エラストマー(C)は、ポリスチレンを有する重合体ブロックと共役ジエン化合物を有する重合体ブロックを含むブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物と、熱可塑性樹脂(X)を含有し、
    前記熱可塑性樹脂(X)は、ゴム質重合体と、シアン化ビニル系単量体と、芳香族ビニル系単量体を構成単位とする樹脂、およびポリカーボネート樹脂から選ばれる1種以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂(X)100重量部に対して、前記樹脂組成物が1〜25重量部であることを特徴とする請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項5または6記載の熱可塑性樹脂組成物から得られることを特徴とする熱可塑性樹脂成型体。
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