JP3948459B2 - 熱可塑性樹脂組成物の成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP3948459B2
JP3948459B2 JP2004030992A JP2004030992A JP3948459B2 JP 3948459 B2 JP3948459 B2 JP 3948459B2 JP 2004030992 A JP2004030992 A JP 2004030992A JP 2004030992 A JP2004030992 A JP 2004030992A JP 3948459 B2 JP3948459 B2 JP 3948459B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
thermoplastic resin
mass
resin composition
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004030992A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005220265A (ja
Inventor
文史雄 古城
肇 笹本
恭之 広本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ono Sangyo Co Ltd
Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Ono Sangyo Co Ltd
UMG ABS Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ono Sangyo Co Ltd, UMG ABS Ltd filed Critical Ono Sangyo Co Ltd
Priority to JP2004030992A priority Critical patent/JP3948459B2/ja
Publication of JP2005220265A publication Critical patent/JP2005220265A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3948459B2 publication Critical patent/JP3948459B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、耐傷付き性及び表面外観に優れる熱可塑性樹脂組成物の成形品に関する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形品は、電気、電子部品、携帯電話及び家電機器等に加え、自動車内外装品等にも好適である。
近年、パソコン、テレビ、オーディオ機器を始め、携帯電話などのハウジングは、デザイン上、薄肉化が進んだ結果、そのハウジング材料には良好な成形性と高い剛性が求められるようになってきている。一方で、コスト削減及び環境対策から塗装工程を省き、成形材料そのもので良好な製品外観を得ようとする動きもあるが、製品に傷が付き易い、耐候性に劣るなどの問題があり、満足な樹脂成形品は得られていない。
本出願人は、既に特開平11−1600号公報で耐傷付き性に優れる樹脂組成物を提案しているが、薄肉成形品に対応できる剛性を満足させることができなかった。また、例えば家電製品の場合には家電製品の掃除等、車輛用途の場合には洗車等に対する耐傷付き性が問題となり、深いシボ加工を施した成形品にあっては凸部の欠落等の問題が指摘されており、耐傷付き性においても、更なる改善が求められている。このように、各用途における耐傷付き性と衝撃強度を満足させることは高い技術力を要し、性能を満足することのできる組成物の開発は困難なものとなっていた。
一方、スチレン系樹脂に耐傷付き性を付与させる方法として、PMMA樹脂に代表されるメタクリル酸エステル等を混合することで、表面硬度を高めて耐傷付き性を発現させる方法や、樹脂にシリコーン等を添加することにより摺動性を付与して、耐傷付き性を向上させる方法等が広く知られている(特開平02−27474号公報、特開平04−50252号公報、特開平06−25507号公報、特開2000−119477号公報)。
また、熱可塑性樹脂組成物に無機質充填材を添加することで剛性が改良できることも知られている。
しかしながら、これらの組成物では耐傷付き性が十分ではなく、特に無機質充填材を配合したものにあっては、無機質充填材が成形品表面に突出した形で存在し、これが著しい外観不良となり、無塗装品においては無論のこと、塗装品においても外観を損なう原因となっていた。
特開平11−1600号公報 特開平02−27474号公報 特開平04−50252号公報 特開平06−25507号公報 特開2000−119477号公報
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来にない卓越した耐傷付き性及び優れた表面外観を兼ね備えた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することにある。
本発明の成形品は、熱可塑性樹脂成分として、ブタジエン系ゴム質重合体の存在下に1種以上のビニル系単量体をグラフト重合して得られるゴム含有グラフト共重合体成分(A)5〜45質量部と、メタクリル酸エステル系単量体、或いはメタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体及び/又は共重合可能なその他の単量体を重合してなる硬質(共)重合体であって、メタクリル酸エステル系単量体単位の占める割合が70〜100質量%である硬質(共)重合体(B)95〜55質量部とを合計で100質量部となるように含む熱可塑性樹脂組成物を、金型のキャビティ表面が交互に加熱冷却される射出成形金型を用いて、金型のキャビティ表面温度を繰り返し上下させるヒートサイクル射出成形法により成形してなることを特徴とする。
なお、本明細書において、「硬質(共)重合体」とは「硬質重合体及び/又は硬質共重合体」を意味する。
本発明の特定割合の熱可塑性樹脂組成物であれば、十分な耐傷付き性と優れた表面外観とを兼備することができる。
本発明熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂成分100質量部中に更に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及び必要に応じて用いられるこれらと共重合可能なその他の単量体から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる硬質(共)重合体(C)を40質量部以下含んでいても良い。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、更に無機質充填材(D)30質量部以下を含有していても良く、この無機質充填材(D)としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク、金属繊維及び酸化亜鉛ウィスカーからなる群より選択される1種又は2種以上が好ましい。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、更に難燃剤(E)1〜50質量部を含んでいても良い。
本発明の成形品は、このような本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形するに際し、金型のキャビティ表面が交互に加熱冷却される射出成形金型を用いて、金型のキャビティ表面温度を繰り返し上下させるヒートサイクル射出成形法を適用して得られるものであり、優れた耐傷付き性と表面外観とを兼備することができる。
即ち、本発明者らは、上記、特定配合の熱可塑性樹脂組成物の成形品を得る射出成形方法としてヒートサイクル射出成形法を適応すると、成形品の表層部にメタクリル酸エステル系樹脂の豊富な層が形成されることを見出した。そして、成形品の表層部に形成されたメタクリル酸エステル系樹脂の豊富な層が、優れた耐傷付き性と良好な表面外観を同時に達成できることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、従来では成し得なかった、耐傷付き性の向上と成形品外観の改良が達成され、これにより、無塗装化によるコストダウン、意匠性の向上による高級感の追求を図ることができ、その工業価値は極めて大きい。
以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明におけるゴム含有グラフト共重合体成分(A)について説明する。
本発明で使用するゴム含有グラフト共重合体成分(A)は、ブタジエン系ゴム質重合体の存在下、1種以上のビニル系単量体をグラフト重合して得られるものであり、該ブタジエン系ゴム質重合体とビニル系単量体とのグラフト共重合体を含み、更に、該ビニル系単量体の重合体及び/又は共重合体を含む混合物である。
本発明で使用されるゴム含有グラフト共重合体成分(A)に用いられるブタジエン系ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、アクリロニトリルーブタジエン共重合体ゴム、スチレンーブタジエン共重合体ゴム、などを挙げることができるが、特にポリブタジエンゴム及び/又はスチレンーブタジエン共重合体ゴムが好ましく用いられる。
ブタジエン系ゴム質重合体にグラフト重合するビニル系単量体としては、例えば、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物類、α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類等が挙げられる。これらのうち芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及びメタクリレート」を示す)、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。α,β−不飽和ジカルボン酸無水物類としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド等が挙げられる。これらのビニル系単量体は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明に係るゴム含有グラフト共重合体成分(A)の製造方法については特に制限はなく、いかなる重合方法、制御方法も採用できる。
例えば、まず、乳化重合にて製造されたブタジエン系ゴム質重合体を撹拌翼、ジャケット付き反応器内に仕込み、次にグラフト重合させるビニル系単量体の全量又は一部を数回に分けて、一括又は連続して滴下し、撹拌させながら、40〜70℃にて、5〜60分放置した後、更に開始剤を添加する。これにより、添加したビニル系単量体は、ブタジエン系ゴム質重合体に含浸し、ブタジエン系ゴム質重合体内にてグラフトしてグラフト共重合体となる。
ゴム含有グラフト共重合体成分(A)の製造に当たり、ブタジエン系ゴム質重合体に対するビニル系単量体の使用割合は、ブタジエン系ゴム質重合体20〜80質量部に対してビニル系単量体80〜20質量部、特にブタジエン系ゴム質重合体50〜70質量部に対してビニル系単量体50〜30質量部であることが好ましい。この範囲よりもビニル系単量体の割合が少ないと、グラフト率が低下して衝撃強度が出難く、多いと低ゴム含有率となり材料設計幅が狭まり目的とする物性が得られない。
本発明に係るゴム含有グラフト共重合体成分(A)中に含まれるブタジエン系ゴム質重合体とビニル系単量体とのグラフト共重合体の含有割合については、衝撃強度と表面外観の点から最適なグラフト構造を得ることが好ましく、例えば、グラフト率で示した場合、50〜120%であることが好ましい。このグラフト率が50%未満では、衝撃強度が低下し120%を超えるとウエルド部の色むらが発生し易くなる。
次に、本発明における硬質(共)重合体(B)について説明する。
本発明で使用する硬質(共)重合体(B)は、メタクリル酸エステル系単量体、或いはメタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体及び/又は共重合可能なその他の単量体を重合してなる。
メタクリル酸エステル系単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル及びこれらの誘導体等が挙げられ、この中でも特にメタクリル酸メチルが耐傷付き性の面から好ましい。アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル及びこれらの誘導体等が挙げられ、この中でも特にアクリル酸メチルが耐傷付き性の面から好ましい。共重合可能なその他の単量体としては、前記グラフト共重合体(A)にグラフトさせる単量体として例示した芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、マレイミド化合物等が挙げられ、マレイミド化合物としては、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、N−フェニルマレイミドが好ましい。上記単量体はそれぞれ、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
硬質(共)重合体(B)中の各単量体の比率としては、耐傷付き性の観点からは、メタクリル酸エステル系単量体単位の硬質重合体(B)中に占める割合が、70〜100質量%であり、特に80〜100質量%、とりわけ90〜100質量%であることが好ましい。メタアクリル酸エステル系単量体単位の硬質(共)重合体(B)中に占める割合が70質量%未満であると、流動性、熱安定性は良好となるが、耐熱性、剛性、耐衝撃性が低下する傾向にあり、100質量%に近づくにつれ、耐傷付き性は良好となるが、耐衝撃性、流動性が低下する傾向にあることから、使用用途に応じてメタアクリル酸エステル系単量体単位量を増減させることが望ましい。
次に本発明における硬質(共)重合体(C)について説明する。
本発明において必要に応じて使用される硬質(共)重合体(C)は、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及び必要に応じて用いられるこれらと共重合可能なその他の単量体から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる硬質重合体である。芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体としては、前記ゴム含有グラフト共重合体成分(A)のブタジエン系ゴム質重合体にグラフトさせる単量体として例示したものが挙げられる。また、共重合可能なその他の単量体としては、メタクリル酸エステル系単量体、アクリル酸エステル系単量体、マレイミド化合物等が挙げられ、メタクリル酸エステル系単量体、アクリル酸エステル系単量体としては、前記硬質(共)重合体(B)の単量体として例示したものが挙げられる。マレイミド化合物としては、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、特にN−フェニルマレイミドが好ましい。上記単量体はそれぞれ1種又は2種以上を選択して使用することができる。
硬質(共)重合体(C)の組成としては、好ましくは、シアン化ビニル系単量体15〜40質量%、芳香族ビニル系単量体60〜75質量%、メタクリル酸エステル系単量体0〜70質量%であり、衝撃性を必要とする場合はシアン化ビニル系単量体15〜30質量%、芳香族ビニル系単量体70〜85質量%が好ましく、傷付き性とのバランスが必要な場合は、シアン化ビニル系単量体15〜30質量%、芳香族ビニル系単量体20〜50質量%、メタクリル酸エステル系単量体20〜65質量%である。
本発明中の硬質(共)重合体(B)、(C)の製造方法としては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合及び乳化重合等の通常公知の重合方法も採用できるが、硬質(共)重合体(C)については、熱安定性の観点から、塊状重合、又は溶液重合が好ましい。
本発明において、熱可塑性樹脂成分中のゴム含有グラフト共重合体成分(A)、硬質(共)重合体(B)及び硬質(共)重合体(C)の配合割合(合計で100質量部)は、
ゴム含有グラフト共重合体成分(A):5〜45質量部、好ましくは5〜30質量部
硬質(共)重合体(B):95〜55質量部、好ましくは95〜70質量部
硬質(共)重合体(C):0〜40質量部
である。ゴム含有グラフト共重合体成分(A)の配合量が5質量部未満で硬質(共)重合体(B)の配合量が95質量部を超えると、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の衝撃性が低くなり実用に耐えないため好ましくない。また、ゴム含有グラフト共重合体成分(A)の配合量が45質量部を超え、硬質(共)重合体(B)の配合量が55質量部未満であると、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械強度、特に剛性が低下し、また、耐傷付き性も大幅に低下するため好ましくない。
硬質重合体(C)の配合量は0〜40質量部であり、耐傷付き性の観点から、好ましくは0〜10質量部であり、製品用途において、耐衝撃性、流動性が求められるものについては、5〜40質量部であることが好ましい。そうすることにより、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、流動性が向上する。
次に、本発明において必要に応じて使用される無機質充填材(D)について説明する。
本発明に用いられる無機質充填材(D)としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、中空ガラス、炭素繊維、タルク、マイカ、金属繊維、ワラストナイト、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化亜鉛ウィスカー、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、ロックフィラー等、好ましくは耐衝撃性の面からガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク、金属繊維、酸化亜鉛ウィスカー等が挙げられ、これらの1種を単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。これらの無機質充填材のうち、ガラス繊維や炭素繊維の形状としては、5〜60μmの繊維径と30μm以上の繊維長を有するものが好ましい。また、粒状のものは粒径0.05〜2μmのものが好ましい。
無機質充填材(D)は、本発明に係る熱可塑性樹脂成分100質量部に対し、0〜30質量部の範囲で配合される。この無機質充填材(D)の配合量が30質量部を超えると、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の衝撃強度が低下するため好ましくない。
次に、本発明において必要に応じて使用される難燃剤(E)について説明する。
本発明で使用される難燃剤(E)としては、ハロゲン含有化合物、リン含有化合物、窒素含有化合物、アンチモン含有化合物、金属水酸化物などが挙げられる。
ハロゲン含有化合物としては、特に制限はないが、臭素系難燃剤が好ましく利用でき、例えば、テトラブロモビスフェノールA及びその誘導体、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン、臭素化ジフェニルエーテル、臭素化ポリカーボネートオリゴマー及びその末端変性品、臭素化エポキシ樹脂(ビスフェノールAタイプ、ノボラックタイプ)及びその末端変性品、臭素化フェノキシ樹脂、トリスブロモフェニルフォスフェート、臭素化ポリスチレン、臭素化フェニレンエーテルオリゴマー等が好ましく用いられる。ハロゲン含有化合物は、用いられる臭素系難燃剤の種類によっても異なるが、臭素含有量が10質量%以上のものが好ましく、更には40〜85質量%程度のものが好ましい。このような臭素含有量の臭素系難燃剤を使用すると、樹脂組成物への難燃性付与効果が高いため好ましい。臭素含有量の割合が高いものほど、少ない添加量で難燃性以外の樹脂物性を損なうことなく難燃性を発現できる。
リン含有化合物としては、有機系リン含有化合物、赤リン、ホスファゼン系化合物、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。有機系リン酸含有化合物としては、トリフェニルホスフェートに代表されるホスフェート類、トリフェニルホスファイトに代表されるホスファイト類などが挙げられる。ホスフェート類としては、トリフェニルホスフェート、トリフェニルチオホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリキシレニルチオホスフェート、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシレニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)などが好ましい。特に金型汚染を防ぐために単分子型ホスフェート類よりもオリゴマー型のホスフェート類が好ましい。
難燃剤(E)の配合量としては、要求される難燃性の程度にもよるが、熱可塑性樹脂成分100質量部に対して1〜50質量部、特に5〜50質量部、とりわけ10〜50質量部であることが好ましい。この配合量が1質量部未満では樹脂組成物への難燃性付与効果が不十分となり、50質量部を超えると耐衝撃性や耐熱性が低下する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、樹脂組成物の難燃性を更に向上させるためにアンチモン化合物を添加しても良い。アンチモン化合物は公知のものが使用でき、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン及びアンチモン酸ソーダ等のアンチモン酸塩等が挙げられる。これらのアンチモン化合物としては、表面に処理を施したものも工業的に入手可能であり、表面処理を施したものを使用しても良い。アンチモン化合物の使用量は、樹脂成分100質量部に対し、0.1〜20質量部である。20質量部を超えると最終的に得られる難燃性樹脂組成物の耐衝撃性が低下する場合がある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に樹脂組成物の難燃性を向上させるために、ポリテトラフルオロエチレン、塩素化ポリエチレン、シリコーンオイルから選ばれる少なくとも1種が、熱可塑性樹脂成分100質量部に対して合計で0.0001〜0.5質量部の範囲で配合されていても良い。使用されるポリテトラフルオロエチレンの組成には特に制限はなく、公知のものを使用できるが、分子量が100万以上のポリテトラフルオロエチレンが好ましい。ポリテトラフルオロエチレンの分子量が100万未満では、高度の難燃性、例えば、UL94規格(米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ)試験を満足させるためには多量の添加を必要とし、その結果、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の成形性と機械的強度が低下する場合がある。ポリテトラフルオロエチレンは樹脂組成物に単独で配合添加されても、塩素化ポリエチレンやシリコーンオイルと組み合わせて配合されても良い。好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン単独で使用する方法である。
塩素化ポリエチレンは、その種類には特に制限はなく公知のものを使用できるが、塩素含有量が20〜70質量%であるものが好ましく、更には30〜50質量%のものがより好ましい。塩素化ポリエチレンは樹脂組成物に単独で配合添加されても、ポリテトラフルオロエチレンやシリコーンオイルと組み合わせて配合されても良い。
シリコーンオイルとして、例えばポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジエンシロキサン等が挙げられる。更には、アルキル基の炭素数が通常1〜18個であるポリジアルキルシロキサンのアルキル基を、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、及びアルコール変性して得られる変性シリコーンオイルも使用できる。使用されるシリコーンオイルの粘度は、25℃の温度において、通常1〜10000cStであり、好ましくは5〜5000cSt、より好ましくは5〜2000cStである。この粘度が1cSt未満では、目的である難燃性を向上させる効果が乏しく、一方、10000cStを超えると樹脂への相溶性が低下する。塩素化ポリエチレンは樹脂組成物に単独で配合添加されても、ポリテトラフルオロエチレンやシリコーンオイルと組み合わせて配合されても良い。
このようにポリテトラフルオロエチレン、塩素化ポリエチレン、シリコーンオイルはそれぞれ単独で使用しても、2種類以上を併用してもよく、熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、好ましくはこれらの合計が0.0001〜0.5質量部の範囲で配合される。この配合量が0.0001質量部未満では、燃焼時のドリップがしやすくなる等高度の難燃性付与が不十分となる傾向がある。一方、0.5質量部を超えると、成形性、成型品の外観、耐熱性、耐衝撃性が低下する傾向にある。特に、シリコーンオイルが使用された場合は、シリコーンオイルが樹脂表面にブリードアウトする場合がある。シリコーンオイルを単独で使用する場合は、樹脂成分100質量部に対して、0.005〜0.2質量部配合されることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に耐候性を向上させるためにベンゾトリアゾール系化合物及び/又はヒンダードアミン系化合物が、熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、0.01〜2.0質量部の範囲で配合されていても良い。使用されるベンゾトリアゾール系化合物としては特に制限はなく、公知のものが使用できるが、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−テトラブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられる。使用されるヒンダードアミン系化合物としては特に制限はなく、公知のものが使用できる。例えば、市販品として、旭電化工業(株)よりアデカスタブ(登録商標)LA−52、同LA−57、同LA−62、同LA−67、同LA−63P、同LA−77や、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)よりTINUVIN(登録商標)622、同770として入手できる。ベンゾトリアゾール系化合物及び/又はヒンダードアミン系化合物の熱可塑性樹脂成分100質量部に対する配合量が0.01質量部未満では、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の耐候性が悪化する傾向にあり、2質量部を超えると耐熱性が低下する傾向にある。ベンゾトリアゾール系化合物とヒンダードアミン系化合物とは各々単独で使用しても、また上記の配合量の範囲内で任意の比率で併用しても良い。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記ゴム含有グラフト共重合体成分(A)及び硬質(共)重合体(B)を、必要に応じて混合される硬質(共)重合体(C)、無機質充填材(D)及び難燃剤(E)、及び上記添加成分、更には、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、顔料等と共に混合し、例えば、押出し機、バンバリーミキサー、混練ロール等にて混練してペレット化することにより、容易に製造することができる。ただし、本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記製造方法により溶融混練することができるが、得られる樹脂の性能、特に剛性を低下させず混練する方法として、押出し機を使用することが好ましい。また、混練に際しては、本発明の目的を損なわない範囲内で、更に着色剤、滑剤、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、上記以外の難燃剤などの各種添加剤を必要に応じて配合しても良い。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、一般射出成形法、射出圧縮成形法、射出プレス成形法、ガスアシスト成形法等の、公知の様々な成形法を用いて成形し、耐傷付き性、表面外観に優れる成形品を得ることもできるが、特定な成形方法を採用することにより、本発明の熱可塑性樹脂組成物の性能を更に有効に引き出すことが可能である。即ち、本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形する際に、金型のキャビティ表面が交互に加熱冷却される射出成形金型を用いて、金型のキャビティ表面温度を繰り返し上下させるヒートサイクル射出成形法を適用して成形を行う。例えば特開2001−18229号公報(特願平11―375069号)で示すような、蒸気と水の組み合わせによりキャビティ表面を短時間で加熱冷却するヒートサイクル射出成形方法が適用される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて、上記特定成形条件を採用して射出成形した成形品は、光沢を必要とされる製品にも、表面がシボ加工された艶消し成形品にも適用することができる。特に高光沢な外観を有する成形品の場合、ウエルド部の色むら等を発生しやすいが、本法によれば、その問題が解決される。一方、艶消し成形品の場合、従来では得られなかったシボ形状として、高級感を出すための極めて深い溝を施したシボ加工に適用することも可能であり、深いシボ面形状による、凸部の磨耗等による削れ、割れ等が無く、長期使用に耐え得る、極めて高度な外観を呈する成形品を得ることができる。
なお、このヒートサイクル成形法のより具体的な条件としては、熱可塑性樹脂組成物の熱変形温度(HDT)T℃に対してT+(120〜200)℃高い樹脂温度で射出し、金型温度T℃はT+(5〜50)℃とし、冷却時の温度T℃はT−(10〜50)℃とし、T−T=15〜100℃の条件を採用することが好ましい。また、このヒートサイクルの周期としては、一般の射出成形の周期と同じか、一般の射出成形の周期+10%以内であることが好ましい。
以下に、合成例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、特に断わらない限り質量基準である。
合成例1:ゴム含有グラフト共重合体成分(A−1)の製造
脱イオン水240部、半硬化牛脂ソーダ石鹸1.5部、水酸化カリウム0.05部、ポリブタジエンラテックス60部(固形分として)、アクリロニトリル12部、スチレン28部、クメンハイドロパーオキサイド0.25部、硫酸第一鉄0.004部、ピロリン酸ナトリウム0.02部、結晶ブドウ糖0.3部を用い、まず、オートクレーブに脱イオン水、半硬化牛脂ソーダ石鹸、水酸化カリウム及びポリブタジエン・ラテックスを仕込み、60℃に加熱した。60℃に保持したままスチレン、アクリロニトリルを添加し、60分間放置した後、クメンハイドロパーオキサイド添加し、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム及び結晶ブドウ糖を2時間かけて連続添加し、その後70℃に昇温して1時間保って反応を完結した。かかる反応によって得た重合体を硫酸により凝固し、充分水洗後、乾燥してゴム含有グラフト共重合体成分(A−1)を得た。このもののグラフト率は○○%であった。
合成例2:硬質共重合体(B−1)(MMA/MA=98/2)の製造
窒素置換した反応器に水120部、ポリビニルアルコール0.5部、アゾビスイソブチルニトリル0.3部、ターシャリードデシルメルカプタン(t−DM)0.5部と、メタクリル酸メチル98部及びアクリル酸メチル2部からなる単量体混合物を加え、開始温度60℃として5時間加熱後、120℃に昇温し、4時間反応後、重合物を取り出した。転化率は94%で、重量平均分子量は150,000であった。
合成例3:硬質共重合体(C−1)(MMA/AN/ST=50/15/35)の製造
窒素置換した反応器に水120部、ポリビニルアルコール0.5部、アゾビスイソブチルニトリル0.3部、ターシャリードデシルメルカプタン(t−DM)0.5部と、メタクリル酸メチル50部、アクリロニトリル15部及びスチレン35部からなる単量体混合物を加え、開始温度60℃として5時間加熱後、120℃に昇温し、4時間反応後、重合物を取り出した。転化率は96%で、重量平均分子量は130,000であった。
合成例4:硬質共重合体(C−2)(AN/ST=20/80)の製造
窒素置換した反応器に蒸留水120部、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.002部、ポリビニルアルコール0.5部、アゾイソブチルニトリル0.3部と、アクリルニトリル20部及びスチレン80部からなる単量体混合物を加え、開始温度60℃として5時間加熱後、120℃に昇温し4時間反応後、重合物を取り出した。転化率は98%で、重量平均分子量は125,000であった。
実施例1〜7及び比較例1〜4
グラフト共重合体(A−1)、硬質共重合体(B−1)、硬質共重合体(C−1、C−2)を、表1に示す割合にて、日本製鋼所(株)製「TEX44二軸押出し機」にて混練し、必要に応じサイドフィード機構により無機質充填材としてガラス繊維(平均繊維径13μm、平均繊維長6mm)、タルク(平均粒径2μm)、又は炭素繊維(平均繊維径7μm、平均繊維長6mm)を表1に示す割合で添加し、溶融混練、押出ししてペレットを得た。得られたペレットを下記ヒートサイクル成形又は一般成形で成形した。
なお、実施例7及び比較例4では、熱可塑性樹脂成分100部に対して、難燃剤として、TBA(テトラブロモビスフェノールA)とエピクロルヒドリンを縮合させて得られる分子量5000の含臭素エポキシ重合体(臭素含有量54%)30部、更に、三酸化アンチモン10部、テトラフルオロエチレン重合体(分子量100万)である三井デュポン社製「6CJ」0.5部を配合した。
[ヒートサイクル成形]
得られたペレットを小野産業(株)製「高速ヒートサイクル成形ユニット」を取り付けた住友重機工業(株)製「SG150−SYCAPM IV成形機」を使用し、樹脂温度260℃にて射出し、金型への樹脂充填時の金型温度は110℃、冷却時の金型温度は40℃としてヒートサイクル成形を実施し、外観観察用サンプルとして、図1に示す様な、中央に開口部2を有し、図面(製品)左上及び左下にそれぞれ長方形開口部3と円形開口部4を有し、中央開口部2の4ヶ所にゲート2Aを有する4点ゲート成形品1を得た。
また、物性測定用のサンプルについては、上記と同様に小野産業(株)製「高速ヒートサイクル成形ユニット」を取り付けた東芝機械(株)製「IS55FP−1.5A成形機」を使用し、樹脂温度260℃にて射出し、金型への樹脂充填時の金型温度は110℃、冷却時の金型温度は40℃としてヒートサイクル成形を実施しサンプルを得た。
なお、金型温度の調整には、加熱媒体としてスチームを使用し、冷却媒体として水を使用した。
[一般成形]
得られたペレットを、東芝機械(株)製「IS55FP−1.5A成形機」を使用して金型温度60℃、樹脂温度260℃でそれぞれのサンプルを成形した。
得られたサンプルについて、以下の条件及び方法で諸特性を試験し、結果を表1に示した。
曲げ弾性率:ASTM D790(常温)
耐衝撃性:ASTM D256(常温 6.4mm)
鉛筆硬度:JIS K5400
成形後の外観:目視にて観察、下記判定基準に基づき判定した。
○:表面光沢があり、ウエルド部の色むらも無く、無機充填材を添加した場合、無
機質充填材が突出していない。
△:表面光沢はあるが、ウエルド部の色むらが若干あり、無機充填材を添加した場
合、無機充填材が若干突出している。
×:表面光沢が無く、ウエルド部の色むらが発生、無機充填材が突出している。
耐傷付き性試験:(株)大栄科学精器製作所製「平面磨耗試験機」にて、ガーゼを用
い、300g荷重で30回往復させた後、表面外観を目視にて観察
、下記判定基準に基づき判定した。
○:傷が全く付いていない。
△:極僅か、傷が付いており、若干の擦り傷が見られる。
×:傷が深く付いており、擦り傷の他、削り粉も見られる。
燃焼性:難燃剤を配合した実施例7と比較例4につき、UL94試験法
(V−0:2.5mm)に基き、評価を行った。
Figure 0003948459
表1から次のことが明らかである。
[実施例1〜7の説明]
本発明の特許請求範囲の組成で調製された熱可塑性樹脂組成物を用いてヒートサイクル成形した実施例1〜7の成形品は、耐傷付き性が良好であり、かつ表面外観にも優れている。更に、本発明の成形品は、上記特性の他に、ガラス繊維等の無機質充填材が配合されているにも拘らず、従来では無し得なかった、極めて高度な外観を呈する。特に、実施例7では、ガラス繊維と難燃剤を配合しているにも拘らず、耐傷付き性に優れ、高度な外観を呈する難燃V−0レベルの成形品が得られた。
[比較例1〜4の説明]
比較例1はグラフト共重合体の配合量が、本発明の特許請求の範囲を外れて多いため、鉛筆硬度が低く、耐傷付き性に劣る。また、成形後の外観に劣り各種ハウジング用途には適さない。
比較例2,3,4は、一般射出成形法により成形し、鉛筆硬度は比較的良好であるものの磨耗試験の結果から、実用上必要とされる耐傷付き性を有していないことがわかる。更に、成形後の外観も悪く、無塗装製品としての外観を満足することができない。
これらの結果から、本発明の特定配合によって、従来では成し得なかった耐傷付き性と成形外観の改良が達成され、本発明によれば、無塗装化によるコストダウン、意匠性の向上による高級感の追求を図ることができることが分かる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物をヒートサイクル成形法により射出成形して得られる本発明の成形品は、車輛分野として、ドアミラー、ラジエターガーニッシュ、リアガーニッシュ、内外装ピラー類等、家電分野として、液晶テレビ、ブラウン管テレビ、プラズマテレビ等の画面枠、液晶テレビのチルト台(スタンド)、携帯及び固定電話のハウジング、ゲーム機ハウジング等、事務機器分野として、パソコン、プリンターのハウジングや、携帯情報端末のハウジング等に好適であり、特に従来塗装されていた部品を無塗装化する際に、コストダウンの面からも有効に用いることができる。
実施例及び比較例で製造した4点ゲート成形品の斜視図である。
符号の説明
1 4点ゲート成形品
2,3,4 開口部
2A ゲート

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂成分として、
    ブタジエン系ゴム質重合体の存在下に1種以上のビニル系単量体をグラフト重合して得られるゴム含有グラフト共重合体成分(A)5〜45質量部と、
    メタクリル酸エステル系単量体、或いはメタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体及び/又は共重合可能なその他の単量体を重合してなる硬質(共)重合体であって、メタクリル酸エステル系単量体単位の占める割合が70〜100質量%である硬質(共)重合体(B)95〜55質量部
    とを合計で100質量部となるように含む熱可塑性樹脂組成物を、
    金型のキャビティ表面が交互に加熱冷却される射出成形金型を用いて、金型のキャビティ表面温度を繰り返し上下させるヒートサイクル射出成形法により成形してなる成形品。
  2. 請求項1において、該熱可塑性樹脂組成物が、前記熱可塑性樹脂成分100質量部中に、更に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及び必要に応じて用いられるこれらと共重合可能なその他の単量体から選ばれた1種以上の単量体を重合してなる硬質(共)重合体(C)を40質量部以下含む成形品
  3. 請求項1又は2において、該熱可塑性樹脂組成物が、前記熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、更に無機質充填材(D)を30質量部以下含有し、該無機質充填材(D)がガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク、金属繊維及び酸化亜鉛ウィスカーからなる群より選択される1種又は2種以上である成形品
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該熱可塑性樹脂組成物が、前記熱可塑性樹脂成分100質量部に対して、更に難燃剤(E)を1〜50質量部を含有する成形品
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記熱可塑性樹脂組成物の熱変形温度(HDT)T℃に対してT+(120〜200)℃高い樹脂温度で射出し、金型温度T ℃はT+(5〜50)℃とし、冷却時の温度T ℃はT−(10〜50)℃とし、T −T =15〜100℃の条件を採用するヒートサイクル射出成形法により得られる成形品。
JP2004030992A 2004-02-06 2004-02-06 熱可塑性樹脂組成物の成形品 Expired - Fee Related JP3948459B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004030992A JP3948459B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 熱可塑性樹脂組成物の成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004030992A JP3948459B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 熱可塑性樹脂組成物の成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005220265A JP2005220265A (ja) 2005-08-18
JP3948459B2 true JP3948459B2 (ja) 2007-07-25

Family

ID=34996155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004030992A Expired - Fee Related JP3948459B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 熱可塑性樹脂組成物の成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3948459B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100779159B1 (ko) * 2005-08-30 2007-11-28 주식회사 엘지화학 열가소성 수지 조성물 및 그 제조방법
JP4741939B2 (ja) * 2005-11-25 2011-08-10 日本エイアンドエル株式会社 射出成形品
JP2007153920A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Nippon A & L Kk 透明射出成形品
JP2013209513A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Asahi Kasei Chemicals Corp 無塗装高鮮映難燃耐衝撃射出成形品とその製造方法
JP6678449B2 (ja) * 2015-12-22 2020-04-08 テクノUmg株式会社 ヒートサイクル射出成形用熱可塑性樹脂組成物、成形品および成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005220265A (ja) 2005-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3461125B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びブロー成形品
JP5303027B2 (ja) 相溶性が改善された難燃性−耐スクラッチ性熱可塑性樹脂組成物
KR101293789B1 (ko) 난연성 열가소성 수지 조성물
WO2000032692A1 (fr) Composition de resine de polycarbonate pour moulage par injection a assistance gazeuse, production d'un article moule par injection, et article moule par injection ainsi obtenu
JP6565652B2 (ja) (メタ)アクリル系共重合体、樹脂組成物及びその成形体
JP2000103951A (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物および射出成形品
JP2000063649A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および射出成形品
JP5396681B2 (ja) 難燃ポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物およびその成形品
KR101134016B1 (ko) 고내열 내스크래치 난연성 열가소성 수지 조성물
WO2004003078A1 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JP3948459B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の成形品
JP4022324B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び射出成形品
JP4236964B2 (ja) 難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物
JP2001151974A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2001234040A (ja) 熱安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物
JP3769758B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP2004210891A (ja) 複合熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JP2003183490A (ja) ポリカーボネート系難燃樹脂組成物
JPH1192678A (ja) 滴下防止性に優れた難燃樹脂組成物の製造方法
JP2005068349A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形品
WO2019003981A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物並びにその樹脂成形品及び塗装加工品
JPH07228764A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3474319B2 (ja) 摺動性樹脂組成物及びこれから形成された成形品
JP4559986B2 (ja) ポリカーボネート系難燃性樹脂組成物
JP4522514B2 (ja) 耐薬品性難燃性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3948459

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100427

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140427

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees