JPH1192678A - 滴下防止性に優れた難燃樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

滴下防止性に優れた難燃樹脂組成物の製造方法

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JPH1192678A
JPH1192678A JP27494297A JP27494297A JPH1192678A JP H1192678 A JPH1192678 A JP H1192678A JP 27494297 A JP27494297 A JP 27494297A JP 27494297 A JP27494297 A JP 27494297A JP H1192678 A JPH1192678 A JP H1192678A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂、難燃剤及びフッ素系樹脂から
なり、高い難燃性を有する樹脂組成物の製造方法を提供
する。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂100重量部に対
し、(B)難燃剤0.1〜30重量部、(C)フッ素系
樹脂0.01〜5重量部を配合した樹脂組成物の製造に
おいて、10〜100重量部の(A)熱可塑性樹脂と3
0重量部以下の(B)難燃剤からなる組成物(M)の溶
融粘度が、キャピラリーレオメータの、シェアレート2
40sec-1で、粘度3000〜12000poise
になる温度範囲で該組成物(M)と0.01〜5重量部
の(C)フッ素系樹脂を溶融混練後、更に90重量部以
下の(A)熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃
剤を配合し、溶融混練することを特徴とする樹脂組成物
の製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い滴下防止性と
良好な表面外観を実現する熱可塑性樹脂組成物へのフッ
素系樹脂の配合方法と、その方法により得られる難燃性
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】難燃化規制の強化に伴い、樹脂の難燃化
技術は各分野で重要な技術となってきており、特にコン
ピュータやワープロ、複写機等のOA分野や、テレビ、
ゲーム機等の一般家電分野で欠くことのできない特性の
一つとなりつつある。米国アンダーライターズ・ラボラ
トリーズ(Underwriters Laborat
ories)規制によるUL燃焼試験(UL94)にお
いて樹脂が高い難燃レベルにランク付けされるには、試
験片がUL燃焼試験の過程で滴下しないことが重要であ
り、実際の火災時における延焼を防ぐためにも、樹脂の
滴下防止は重要な課題である。
【0003】こうした要請を受けて、熱可塑性樹脂にお
いては、燃焼時における樹脂の滴下を防ぐ目的で滴下防
止剤を添加している。例えば、特公昭59−36657
号公報、特開昭60−13844号公報に記載されてい
る樹脂組成物はポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の記載があり、さらに、特開昭61−89241号
公報、特開昭63−135442号公報、特開平4−2
49563号公報、特開平6−49311号公報では、
配合するPTFEの分子量、形状、粒度の規定はされて
いるが、組成物中での形状形態については何も述べられ
て無く、また、最適な製造方法についての記述はされて
おらず、滴下防止を少量のPTFEで安定的に達成する
のは困難であった。
【0004】また、特公平6−18979号公報には、
ABSの塩析時にPTFEのディスパージョンを配合
し、共塩析する方法が開示されているが、PTFEの分
散が十分でなく、高い滴下防止性能は達成されていな
い。すなわち、PTFEは樹脂との相溶性に劣るため、
分散が悪く、また、期待される滴下防止性能を充分に達
成できないため、大量に配合する必要があり、機械的特
性を低下させたり、押し出し加工時にストランド切れを
起こしたり、スクリーンメッシュの目詰まりの原因とな
ったりする等の問題点がある。また、近年こうしたOA
分野において、着色材の添加によるカラーリングが主で
塗装はあまり行われておらず、成形加工時において、フ
ローマーク、表面外観不良等の問題が生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、滴下防止効
果に卓越した効果を示し、しかも表面外観の優れた、フ
ッ素系樹脂の分散性に優れた、射出成形用難燃性樹脂組
成物の製造方法とその方法により得られる難燃性樹脂組
成物を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するに
あたって、鋭意検討の結果、燃焼時の滴下防止には樹脂
組成物中のフッ素系樹脂が特定の形態を持つことが必要
であり、それは通常の配合方法では達成されず、特定の
粘度領域にあるフッ素系樹脂を除く樹脂組成物に、フッ
素樹脂を特定の方法で溶融混練することにより、フッ素
系樹脂が特定の形態に制御され、滴下防止性能が大幅に
改良され、難燃性と、表面外観に優れることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、 1.(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)難
燃剤0.1〜30重量部、(C)フッ素系樹脂0.01
〜5重量部からなる樹脂組成物の製造において、10〜
100重量部の(A)熱可塑性樹脂と30重量部以下の
(B)難燃剤からなる組成物(M)の溶融粘度が、キャ
ピラリーレオメータの、シェアレート240sec
-1で、粘度3000〜12000poiseになる温度
範囲で該組成物(M)と0.01〜5重量部の(C)フ
ッ素系樹脂を溶融混練後、更に90重量部以下の(A)
熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃剤を配合
し、溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方
法。
【0008】2.(A)熱可塑性樹脂100重量部に対
し、(B)難燃剤0.1〜30重量部、(C)フッ素系
樹脂0.01〜5重量部を配合した樹脂組成物の製造に
おいて、10〜100重量部の(A)熱可塑性樹脂と3
0重量部以下の(B)難燃剤からなる組成物(M)の溶
融粘度が、キャピラリーレオメータの、シェアレート2
40sec-1で、粘度3000〜12000poise
になる温度範囲で該組成物(M)を溶融混練し、その溶
融混練した樹脂組成物に0.01〜5重量部の(C)フ
ッ素系樹脂を溶融混練後、更に90重量部以下の(A)
熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃剤を配合
し、溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方
法。 3.(C)フッ素系樹脂の配合を、テトラフルオロエチ
レン樹脂(PTFE)のディスパージョンを用いて実施
することを特徴とする1又は2に記載の樹脂組成物の製
造方法。
【0009】4.原料を溶融混練するにあたり、押し出
し機を使用し、押し出し機の途中に開口部を設け、そこ
よりテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のディス
パージョンを滴下し、同時にディスパージョンに含まれ
る水分等の揮発分を除去しながら、溶融混練することを
特徴とする3記載の樹脂組成物の製造方法。 5.(A)熱可塑性樹脂が、(D)ポリカーボネート系
樹脂5〜98重量部と、ゴム状重合体に、該ゴム状重合
体と共重合可能な1種以上のビニル化合物をグラフト重
合して得られるグラフト重合体と、ビニル重合体を含む
(E)ゴム強化樹脂95〜2重量部からなる、1〜4の
いずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。 6.(D)ポリカーボネート系樹脂が、芳香族ジヒドロ
キシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて
製造され、全末端に占める末端ヒドロキシ基の割合が5
〜50モル%である、1〜5のいずれかに記載の樹脂組
成物の製造方法。
【0010】7.UL燃焼試験片の引っ張り破断面の7
ミクロン×7ミクロンの範囲の観察で、フィブリルの総
延長の70%以上が0.5ミクロン以下の太さであり、
図1中aで示した2本以上のフィブリルが重なって観察
される部分、及び、フィブリルが相互に連結したネット
ワーク構造、bで示した1点より2本以上のフィブリル
が分かれた分岐構造が、合わせて10箇所以上存在する
部分が観察されうることを特徴とする、1〜6のいずれ
かに記載の方法で製造された樹脂組成物。 8.(B)難燃剤が、ハロゲン系、および/または、リ
ン酸エステル系、および/または、縮合リン酸エステル
系である請求項7記載の樹脂組成物。 9.7又は8記載の樹脂組成物からなることを特徴とす
る成形品に関する。
【0011】以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明について用いられる(A)熱可塑性樹脂として
は、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂や、ポ
リアミド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
エステル系樹脂等のエンジニアプラスチック類、ポリメ
チルメタクリレート系樹脂等がある。また、これらを単
独で使用しても、2種類以上混合してもよい。ここで、
特に熱可塑性樹脂として、ポリスチレン系樹脂とポリエ
ステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。ポ
リスチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂または、
ゴム非変性スチレン系樹脂である。
【0012】本発明に用いられる(D)ポリカーボネー
ト樹脂は、2価フェノールとホスゲンまたは、炭酸ジエ
ステルの反応により製造される。2価フェノールとして
は、ビスフェノール類が好ましく、特に2,2−ビス
(4ーヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノ
ールAと記す)が好ましい。また、ビスフェノールAの
一部または、全部を他の2価フェノール化合物で置換し
てもよい。ビスフェノールA以外の2価フェノール化合
物は、例えば、ハイドロキノン、4,4ジヒドロキシジ
フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどの化合物であ
る。これらの2価フェノールのホモポリマー、または、
2種以上のコポリマーあるいは、これらのブレンド品で
あってもよい。
【0013】本発明では(D)ポリカーボネート系樹脂
が、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとから
エステル交換法にて製造されたポリカーボネート系樹脂
が好ましく、例えば、米国特許5589564号明細
書、プラスチック材料講座・ポリカーボネート樹脂
(日刊工業新聞社 初版1刷発行昭和44.9.30、
初版4刷発行昭和56.3.1)等に記載の方法で製造
されることができる。本発明のポリカーボネートの分子
量は特に限定されないが、一般に重量平均分子量で通常
5000〜300000の範囲であり、好ましくは70
00〜100000の範囲であり、特に好ましくは10
000〜80000の範囲にある。
【0014】また、本発明に用いられるポリカーボネー
ト系樹脂は、該ポリカーボネート系樹脂の全末端に占め
るヒドロキシ基末端の割合が5〜50モル%が好まし
く、更に好ましくは、10〜40モル%の範囲、特に好
ましくは15〜35モル%の範囲にある。末端比率の測
定方法は、一般に用いられている方法で可能である。例
えば、NMRを用いて測定する方法や、チタン法や、U
VもしくはIR法で直接求めたOH末端量と粘度法もし
くはGPC法で得られた分子量とから計算で求める方法
等がある。
【0015】次に、本発明の(E)ゴム強化樹脂の組成
および製造方法について述べる。本ゴム強化樹脂はゴム
状重合体にグラフト重合可能なビニル化合物をグラフト
重合させて得ることができるが、この重合過程において
同時に重合されるビニル重合体が含まれてもかまわな
い。また、ビニル重合体を同時または別に重合して配合
してもよい。
【0016】本発明に使用するゴム状重合体としては、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、
ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体などの共役ジエン系ゴム、エチレン−
プロピレンゴム、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル
などのアクリル系ゴムなどであるが、好ましくは共役ジ
エン系ゴムのポリブタジエンとブタジエン−スチレン共
重合体およびブタジエン−アクリロニトリル共重合体で
ある。また、これらは2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0017】ゴム強化樹脂中のゴム状重合体の含有量は
3〜60重量%で、好ましくは5〜50重量%である。
5重量%未満では耐衝撃性が得られず、また60重量%
を越えると成形加工時の流動性や光沢が低下し好ましく
ない。ゴム強化樹脂中のゴム状重合体の好ましい粒子径
については、マトリックスになるビニル重合体の種類に
より異なるため特に限定されないが、例えばABS樹脂
の場合、粒子径が150〜600nmで、好ましくは2
00〜500nm、さらに好ましくは250〜450n
mである。粒子径が150nmより小さいと耐衝撃性が
得られず、また600nmを越えると光沢値が低下す
る。
【0018】本発明に用いるゴム状重合体粒子にグラフ
ト重合可能なビニル化合物としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、パラメチルスチレン等の芳香族ビニル化
合物、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、エチルアクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸等
の(メタ)アクリル酸類、アクリロニトリル、メタアク
リロニトリル等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン
酸等のα,β−不飽和カルボン酸、N−フェニルマレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒキシルマレ
イミド等のマレイミド系単量体、グリシジルメタクリレ
ート等のグリシジル基含有化合物があげられるが、好ま
しくは、芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリ
レート類、シアン化ビニル化合物、マレイミド系化合物
であり、更に好ましくは、スチレン、アクリロニトリ
ル、N−フェニルマレイミド、ブチルアクリレートであ
る。これらのビニル化合物は単独あるいは2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0019】(E)ゴム強化樹脂に含むことのできるビ
ニル重合体とは、スチレン、α−メチルスチレン、パラ
メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタク
リレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、
エチルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート
類、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸
類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシア
ン化ビニル化合物、無水マレイン酸等のα,β−不飽和
カルボン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド
系化合物、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基
含有化合物があげられるが、好ましくは、芳香族ビニル
化合物、アルキル(メタ)アクリレート類、シアン化ビ
ニル化合物、マレイミド系化合物であり、さらに好まし
くは、スチレン、アクリロニトリル、N−フェニルマレ
イミド、ブチルアクリレートからなる重合体である。
【0020】これらのビニル化合物は単独あるいは2種
以上を組み合わせたり、共重合して用いることができ
る。(E)ゴム強化樹脂の具体例としては、ハイインパ
クトポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、AAS樹脂等
があげられる。
【0021】本発明におけるゴム強化樹脂の製造方法と
しては、特に限定はされないが、乳化重合で製造された
ゴム状重合体ラテックスにビニル化合物をグラフト重合
させる乳化グラフト重合方式、および、乳化グラフト重
合と溶液重合や懸濁重合を組み合わせた、二段重合法な
どが例示される。これらは、連続式、バッチ式、セミバ
ッチ式いずれも可能である。また、上記の方法であらか
じめ高ゴム含量のグラフト重合体をつくり、後に塊状重
合、乳化重合や懸濁重合で製造したグラフト重合時に用
いたビニル化合物を主成分とする熱可塑性樹脂を配合し
て目的のゴム含有量にする方法もとられる。
【0022】本発明においては、乳化重合で製造された
ゴム状重合体にビニル化合物を開始剤、分子量調節剤等
とともに連続的に添加する乳化グラフト方式が好まし
い。また、重合時のpHにも特に限定はないが、中性付
近(pH7〜9)がグラフト反応の面から好ましい。
【0023】本発明における(B)難燃剤とは、いわゆ
る一般の難燃剤であり、リン系化合物やハロゲン系有機
化合物の他、メラミン等の窒素含有有機化合物、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物、酸
化アンチモン、酸化ビスマス、また、酸化亜鉛、酸化ス
ズなどの金属酸化物、赤リン、ホスフィン、次亜リン
酸、亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、無水リン酸な
どの無機系リン化合物、カーボンファイバー、グラスフ
ァイバーなどの繊維、膨張黒鉛、シリカ、シリカ系ガラ
ス溶融物などが用いられるが、好ましくはリン系化合
物、またはハロゲン系有機化合物および、ハロゲン系有
機化合物と酸化アンチモンの併用である。
【0024】ハロゲン系有機化合物としては、一般のハ
ロゲン系難燃剤および含ハロゲンリン酸エステル全般を
指す。例えば、ハロゲン系有機化合物としては、ヘキサ
クロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル、オクタ
ブロモジフェニルオキシド、トリブロモフェノキシメタ
ン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオキ
シド、オクタブロモジフェニルオキシド、テトラブロモ
ビスフェノールA、テトラブロモフタルイミド、ヘキサ
ブロモブテン、ヘキサブロモシクロドデカン等がある
が、好ましくは、下記式(1)の構造を有するハロゲン
系有機化合物であり、特に好ましいのは下記式(2)の
ハロゲン系有機化合物である。
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】一方、含ハロゲンリン酸エステルとして
は、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・ジク
ロロプロピルホスフェート、トリス・β−クロロプロピ
ルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフ
ェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、ト
リス(トリブロモネオペンチルホスフェート)およびこ
れらの縮合リン酸エステル等があるが、好ましくは、ト
リス(トリブロモネオペンチルホスフェート)、トリス
(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロ
モフェニル)ホスフェートである。これらのハロゲン系
有機化合物は1種類でも、2種類以上組み合わせて用い
ることもできる。
【0028】リン酸エステル系難燃剤としては、例え
ば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェ
ート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレ
ニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチ
ルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェー
ト、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェートなどの
リン酸エステルやこれらを各種置換基で変成した化合物
がある。本発明の組成物中における縮合リン酸エステル
系難燃剤は、下記式(5)
【0029】
【化3】 (式中、nは1〜10の整数であり、Ar1 〜Ar4
各々独立に、フェニル基、トリル基またはキシリル基で
ある。また、nが2以上の場合、複数あるAr4は各々
同一でも異なってもよい。)で表され、好ましくは、
【0030】
【化4】 (式中、Ar5 〜Ar7 は各々同一又は異なっており、
フェニル基、トリル基、又は、2,6−キシリル基以外
のキシリル基であり、Rは前記のA4である。)で表さ
れるリン酸エステル化合物であり、このリン酸エステル
化合物は難燃化効果、および、耐熱性が特によい。これ
らは単独または2種類以上を併用して用いることができ
る。
【0031】難燃剤の配合量は必要な難燃性のレベルに
応じて決められるが、樹脂組成物の合計が100重量部
に対して、0.1〜30重量部であることが必要であ
る。0.1重量部未満では必要な難燃効果が発揮されな
い。30重量部を超えると樹脂の機械的強度を低下させ
る。好ましくは1〜25重量部の範囲であり、特に好ま
しい範囲としては3〜22重量部である。難燃剤として
ハロゲン系化合物を用いる場合、難燃効果を高める為に
難燃助剤を用いることが出来る。
【0032】難燃助剤として好ましくは、元素周期律表
におけるVAに属する元素を含む化合物で、具体的に
は、窒素含有化合物、リン含有化合物、酸化アンチモ
ン、酸化ビスマス等がある。また、酸化鉄、酸化亜鉛、
酸化スズなどの金属酸化物も効果的である。この中でも
特に好ましくは、酸化アンチモンであり、具体的には三
酸化アンチモン、五酸化アンチモンがあげられる。これ
らの難燃助剤は樹脂中への分散を改善する目的および/
または樹脂の熱的安定性を改善する目的で表面処理を施
されているものを用いてもよい。
【0033】難燃助剤の添加量は、0.5〜20重量部
が好ましい、0.5部未満の場合、難燃助剤の効果が十
分でなく、20重量部を越える場合、樹脂の機械的強度
および加工流動性が低下する。より好ましくは1〜15
重量部で、特に好ましくは1〜10重量部である。
【0034】本発明において使用されるフッ素系樹脂
(C)とは、一般に、テトラフルオロエチレン(TF
E)樹脂等のパーフロロアルコキシ(PFA)樹脂、フ
ッ化エチレンプロピレン(FEP)樹脂のことを示し、
特に、TFE樹脂が好ましい。フッ素系樹脂の添加量
は、0.01〜5重量部が好ましい、0.01部未満の
場合、滴下防止の効果が十分でなく、5重量部を越える
場合、樹脂の機械的強度および加工流動性が低下する。
より好ましくは0.02〜2重量部で、特に好ましくは
0.1〜1重量部である。
【0035】フッ素系樹脂は、ディスパージョンを用い
るのが好ましい。ディスパージョンとは、例えば、フッ
素系樹脂を乳化重合して得られるラテックスに、界面活
性剤を加え、濃縮・安定化して製造される水性分散体の
ことを示す。ディスパージョン中のフッ素系樹脂の濃度
は、5〜80重量%が好ましく、より好ましくは20〜
80重量%である。5重量%未満の場合、配合量が多く
なり、水の処理が困難となり、80重量%を越える場
合、ディスパージョンの流動性が低下し、取り扱いが困
難となる。
【0036】次いで、本発明の樹脂組成物を製造する方
法について述べる。フッ素系樹脂の配合は、本発明の規
定する粘度範囲にある組成と温度で、溶融した樹脂組成
物に配合することが好ましい。このことによって、樹脂
組成物中にフッ素系樹脂のネットワーク構造、分岐構造
が形成され易くなる。
【0037】次に本発明において、好ましい樹脂組成物
の溶融粘度について説明する。本発明においては、フッ
素系樹脂を溶融混練する時に、(A)熱可塑性樹脂と
(B)難燃剤からなる樹脂組成物(M)の溶融粘度が、
キャピラリーレオメータの、シェアレート240sec
-1で、3000〜12000poiseにある必要があ
り、さらに、3000〜10000poiseにあるこ
とが好ましい。
【0038】すなわち、本発明において、フッ素系樹脂
が配合される時に、配合前の樹脂組成物が特定の溶融粘
度範囲にある組成、温度であることが重要であり、この
条件でフッ素系樹脂が溶融混練されることにより、難燃
性や表面外観に優れたフッ素系樹脂の形態が達成され
る。溶融粘度範囲が3000poise未満であれば、
フッ素系樹脂のフィブリル化が不十分となり、また、1
2000poiseを越える場合、フッ素系樹脂の分散
が不良となり、十分な滴下防止の効果が達成できない。
【0039】フッ素系樹脂を配合する前の樹脂組成物の
溶融粘度の測定は、以下の方法で行う。 キャピラリーレオメーター:キャピログラフ1B(東洋
精機社製) サンプルの調整:フッ素系樹脂を配合する時点の原料を
あらかじめ製造する設備で製造する温度で溶融混練した
ものを用いる。 キャピラリー長:10.00mm キャピラリー径:1.00mm 測定温度 :溶融混練する樹脂に適する温度で、実
際の製造する設備での樹脂温度 バレル径 :9.55mm 測定速度 :5、10、20、50、100、20
0、500mm/分にて測定し、Shear Rate
/Viscosityカーブより、シェアレート240
sec-1の溶融粘度を読みとる。
【0040】溶融混練温度は、用いる熱可塑性樹脂の種
類によって適当な温度が選択されるが、320℃以下で
あることが好ましく、更に好ましくは310℃以下であ
る。また、熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂であ
る場合には、240〜300℃の温度で溶融混練するこ
とが好ましく、樹脂の粘度、添加物等によって最適の温
度で溶融混練することが出来る。同様に、熱可塑性樹脂
が、PPE系樹脂、ゴム強化スチレン等ビニル重合体樹
脂、ポリカーボネート系樹脂とゴム強化スチレン等ビニ
ル重合体樹脂のアロイの場合には、それぞれ280〜3
10℃、210〜260℃、220〜280℃の温度で
溶融混練することが好ましく、樹脂の粘度、添加物等に
よって最適の温度で溶融混練することが出来る。
【0041】溶融混練方法は、上記条件を満たすなら、
従来から公知の方法で行うことが出来、特に限定されな
い。例えば、各成分をヘンシェルミキサー、スーパーミ
キサー、ターンブルミキサー、リボンブレンダー等で均
一に混合した後、単軸押出機や二軸押出機、バンバリー
ミキサー等で溶融混練する方法等がある。また、その
際、本発明の趣旨を妨げない範囲で、公知の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色
剤、フィラー等の添加剤を加えることは任意である。
【0042】具体的に配合方法について例示すると、溶
融混練に押し出し機を使用する場合、押し出し機の途中
に液添用のノズルを設け、ポンプにより注入する方法が
ある。この場合、押し出し機中に注入するために、ポン
プにチューブポンプ、ギアポンプ、プランジャーポンプ
等を用いることが出来る。
【0043】この他の好ましいフッ素系樹脂のディスパ
ージョンの配合方法としては、図2に示す略図のよう
に、押し出し機の途中にベント口等の開口部を設け、そ
こへ冷却用のジャケットを備えた配管を設置し、この配
管よりディスパージョンを滴下する方法等がある。この
方法を用いると、フッ素系樹脂のディスパージョンに圧
力をかける必要が無く、ポンプ部分でのフッ素系樹脂の
ディスパージョンの凝集を防止でき、さらに、滴下部分
の配管が押し出し機に接触していないためと、冷却用ジ
ャケットのために、この部分でのフッ素系樹脂のディス
パージョンの凝集を防止でき好ましい。さらに、フッ素
系樹脂のディスパージョン中の水分や揮発分を取り除く
ことができる。なお、図2は、フッ素系樹脂のディスパ
ージョンの滴下位置やスクリューデザイン等を規定した
ものではなく、この図によって制限はされない。
【0044】本発明において、好ましい樹脂組成物中の
フッ素系樹脂の形態は以下のとおりである。主に0.5
ミクロン以下の太さのフィブリル状の形態をなし、フィ
ブリルが、ネットワーク構造、及び/または、分岐状で
存在することが好ましい。本発明で言う、ネットワーク
構造、及び、または、分岐構造で存在するフッ素系樹脂
の一例を以下に図1(模式図)及び図3〜5(SEM写
真)で例示し、説明する。フッ素系樹脂の形態は、7ミ
クロン×7ミクロンの範囲を観察して、次の条件を満た
される部分が観察されること好ましい。フッ素系樹脂
は、図3〜5のSEM写真では白く見える部分、図1の
模式図では黒い実線で示した部分である。
【0045】フッ素系樹脂のフィブリルは、0.5ミク
ロン以下の太さのものが主に存在する必要がある。0.
5ミクロン以上の太さのフィブリルの存在は可能である
が、例えば図3に見られるように、7ミクロン×7ミク
ロンの範囲に観察されるフィブリルの総延長の70%以
上、好ましくは90%以上が0.5ミクロン以下で存在
している部分が存在することが好ましい。
【0046】また、本発明においては、図1の模式図で
示したaの部分で例示した様な2本以上のフィブリルが
重なって観察される部分、及び、フィブリルが相互に連
結した系をネットワーク構造と呼び、bの部分で例示し
た1点より2本以上のフィブリルが分かれた部分を分岐
構造と呼ぶ。ネットワーク構造、分岐構造とも3次元の
広がりを持つ。さらに、これらネットワーク構造、及び
/または、分岐構造は、7ミクロン×7ミクロンの範囲
に合わせて10箇所以上存在する部分が観察されること
が好ましい。
【0047】すなわち、SEMで観察されたネットワー
ク構造、分岐構造は必ずしも樹脂組成物中のネットワー
ク構造、分岐構造を示すものではないが、樹脂組成物中
のフィブリルの密な存在を反映しており、SEM観察に
おけるネットワーク構造、及び、分岐構造の存在をもっ
て、樹脂組成物中のネットワーク構造、及び、分岐構造
の存在とする。フッ素系樹脂のこの様な密なフィブリル
形態の存在により、燃焼時のフィブリルの収縮が3次元
的に生起し、効果的な滴下防止が達成されると推定され
る。
【0048】本発明の樹脂組成物中のフッ素系樹脂の形
態は具体的には以下の方法で観察される。すなわち、樹
脂組成物のUL94燃焼試験用テストピースを射出成形
で成形し、その引っ張り破断面を走査型電子顕微鏡(S
EM)観察することにより、上記記載のフィブリルの存
在を測定する。本発明において、他の条件は特に限定さ
れないが、下記の条件で測定した。
【0049】(1)射出成形 成型機 :M−JEC10(モダンマシナリー社
製) 成形温度 :240℃ 金型温度 :50℃ 射出速度 :500(設定値) テストピース:1/2×5×1/16inch (2)SEM観察用サンプルの作成 上記のテストピースを引っ張り試験器(オートグラフ5
000D、島津製作所製)を用いて、速度5mm/分で
破断するまで引っ張る。
【0050】(3)SEM観察 前処理 :サンプルに金蒸着を行う。 SEM :JSM−5300(日本電子社製) 加速電圧:15kV さらに、これらの熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の
成型方法は、押し出し成形、圧縮成型、射出成形、ガス
アシスト成形等があり、特に限定されない。成形品の例
としては、OA機器筐体、OA機器シャーシ、ホイール
キャップ、スポイラー、自動車のインパネ等が挙げられ
る。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の実施例における測定方法
は以下の通りである。 (1)形態観察方法 明細書に記載の方法で観察した。その結果、明細書記載
のネットワーク構造、及び/または、分岐状で存在する
フッ素系樹脂の形態が観察された樹脂組成物は○で示
し、観察されなかった樹脂組成物は×で示した。 (2)溶融粘度測定法 明細書に記載の方法で測定した。(単位、poise)
【0052】(3)樹脂温度の測定 混練ゾーンに樹脂温度計を設置し、直接測定した。(単
位、℃) (4)ヒドロキシ基末端比率の測定 NMRにて測定した。(単位、モル%) (5)難燃性 UL94規格垂直燃焼試験(厚み1/16インチ)に基
づく試験により測定した。
【0053】(6)燃焼時間 上記(5)の方法で測定したサンプルについて、その平
均時間を燃焼時間とした。(単位、秒) (7)光沢度 それぞれの樹脂組成物に適合した温度で射出成形した1
0cm×10cm×2mmの平板を成形し、ASTM−
D−523−62Tに基づき、光沢計(Glossme
ter)により、入射角、反射角を60度として表面光
沢を求めた。
【0054】(8)フローマーク それぞれの樹脂組成物に適合した温度で射出成形した1
0cm×10cm×2mmの平板を成形し、その表面を
目視によりフローマークまたはシルバーの有無を調べ
た。 ○:フローマーク、シルバーの発生が無し △:フローマーク、シルバーの発生が少し有り ×:フローマーク、シルバーの発生が多く有り
【0055】以下に実施例に用いる配合剤を説明する。
なお、部数は重量部とする。 (ポリカーボネート樹脂A−1)芳香族ジヒドロキシ化
合物として、ビスフェノールAを、炭酸ジエステルとし
てジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比
1.10)を、触媒としてビスフェノールAのジナトリ
ウム塩(対ビスフェノールAモル比2.8E−8)を用
いて、溶融エステル交換法でポリカーボネートを製造し
た。 Mw=22000 ヒドロキシ基末端量:23モル%
【0056】(ポリカーボネート樹脂A−2)ホスゲン
法で製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネート Mw=22000 ヒドロキシ基末端量:2モル% (ポリカーボネート樹脂A−3)ホスゲン法で製造され
た、ビスフェノールA系ポリカーボネート Mw=35000 ヒドロキシ基末端量:2モル% (ポリカーボネート樹脂A−4) ホスゲン法で製造された、ビスフェノールA系ポリカー
ボネート Mw=15000ヒドロキシ基末端量:3モル%
【0057】(ポリフェニレンエーテル樹脂A−5)ポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル
(以下PPEと略す)であり、米国特許4788277
号明細書(特願昭62−77570号)に記載されてい
る方法に従って、ジブチルアミンの存在下に、2,6−
キシレノールを酸化カップリング重合して製造する。こ
のPPEの粘度は280℃で140sec-1の剪断速度
で測定し、49000poiseである、PPE樹脂7
5重量部と重量平均分子量210000の一般ポリスチ
レン樹脂30重量部をあらかじめ溶融混練した、変性P
PE樹脂。 (ポリフェニレンエーテル樹脂A−6)A−4と同じP
PEと重量平均分子量380000の一般ポリスチレン
樹脂30重量部をあらかじめ溶融混練した、変性PPE
樹脂。
【0058】(ゴム強化樹脂A−7)ブタジエンゴムラ
テックス(透過型電子顕微鏡より求めたラテックスの重
量平均粒子径は0.28ミクロン)40部、イオン交換
水100部、ロジン酸カリウム0.3部を10リットル
反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、この初期溶液
を70℃に昇温した。重合前のpHの調整は炭酸ガスを
反応器内でバブルして調整した。次に以下に示す組成か
らなる水溶液1と単量体混合液3、さらに乳化剤として
ロジン酸カリウムを含んだ水溶液2を反応器に5時間に
わたり連続的に添加した。添加終了後、1時間温度を保
ち、反応を完結させた。
【0059】水溶液1の組成は次の通りである。硫酸第
一鉄0.005部、ソジウムフォルムアルデヒドスルホ
キシレート(SFS)0.1部、エチレンジアミンテト
ラ酢酸二ナトリウム(EDTA)0.04部、イオン交
換水50部。水溶液2の組成は次の通りである。ロジン
酸カリウム1.0部、イオン交換水20部。単量体混合
液3の組成は次の通りである。アクリロニトリル18
部、スチレン42部、t−ドデシルメルカプタン(t−
DM)0.6部、クメンハイドロパーオキサイド(CH
P)0.1部。
【0060】次に作成したグラフト重合体ラテックスに
酸化防止剤を添加した後、塩析し、水洗浄、脱水した後
加熱乾燥し、粉末を得た。さらに、アクリロニトリル成
分比27重量%のAS樹脂(アクリロニトリル−スチレ
ン樹脂)と得られた粉末を混合し、以下の割合のABS
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂を得
た。 ブタジエン成分比 33重量% スチレン成分比 49重量% アクリロニトリル成分比 18重量%
【0061】(難燃剤B−1)明細書記載の式(2)で
表され、n=0又は自然数、R3 とR4 は式(4)に記
載の基で表される化合物であって、軟化温度が105℃
である難燃剤。 (難燃剤B−2) トリフェニルホスフェート(大八化学社製)
【0062】(難燃剤B−3)以下の方法で合成した、
式(7)と(8)の混合物を主成分とする縮合リン酸エ
ステル系難燃剤。ビスフェノールA114g(0.5モ
ル)、オキシ塩化リン192g(1.25モル)、及び
無水塩化マグネシウム1.4g(0.015モル)を攪
拌機・還流管付きの500ml四つ口フラスコに仕込
み、窒素気流下70〜140℃にて4時間反応させた。
反応終了後、反応温度を維持しつつ、フラスコを真空ポ
ンプにて200mmHg以下に減圧し、未反応のオキシ塩化
リンをトラップにて回収した。ついでフラスコを室温ま
で冷却し、2,6キシレノール122g(1.0モ
ル)、及び無水塩化アルミニウム2.0g(0.015
モル)を加え、100〜150℃に加熱して4時間反応
させた。
【0063】ついでフラスコを室温まで冷却し、フェノ
ール94g(1.0モル)を加え、100〜150℃に
加熱して4時間保持し、反応を完結させた。そのままの
温度で1mmHgまで減圧し、未反応のフェノール類を
溜去した。反応時に発生する塩化水素ガスは水酸化ナト
リウム水溶液にて捕集し、中和滴定によりその発生量を
測定して反応の進行をモニターした。生成した粗リン酸
エステルを蒸留水で洗浄した後、濾紙(アドバンテック
社製#131)により固形分を除去した。真空乾燥して
淡黄色透明な精製物を得た。HPLC測定(島津製LC
−10A、カラム:東ソーTSKgel ODS−80
T、溶媒:メタノール/水 90/10)の結果、式
(7)と(8)成分の合計の純度は75重量%であっ
た。
【0064】(フッ素系樹脂C−1) ダイキン工業社製、ダイフロンD−1(PTFE60%
含有ディスパージョン)
【0065】
【実施例】
実施例1〜5、7、9〜11、比較例1〜11 以上のように調製したフッ素系樹脂(C−1)を除く樹
脂を、表1、2に記載した組成(単位は重量部)でブレ
ンドし、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶
融混練し、押出機のホッパー付近から難燃剤をポンプで
圧入し、その部分より後方の押出機の途中から図2の如
き冷却用ジャケット付配管により冷却(3℃)したフッ
素系樹脂(C−1)を溶融した樹脂組成物中に配合し、
造粒し、ペレットを得て、溶融粘度以外の評価を行っ
た。また、フッ素系樹脂(C−1)を除く樹脂を、表
1、2に記載した組成(単位は重量部)でブレンドし、
2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混練
し、押出機のホッパー付近から難燃剤をポンプで圧入
し、造粒し、ペレットを得て表1、2に記載した温度で
溶融粘度の測定を行った。結果を表1、2に示す。
【0066】実施例6 以上のように調製したフッ素系樹脂(C−1)を除く原
料を、表1に記載した組成(単位は重量部)でブレンド
し、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混
練し、押出機の途中から図2の如き冷却用ジャケット付
配管により冷却(3℃)したフッ素系樹脂(C−1)を
溶融した樹脂組成物中に配合し、造粒し、ペレットを得
て、溶融粘度以外の評価を行った。また、フッ素系樹脂
(C−1)を除く原料を、表1に記載した組成(単位は
重量部)でブレンドし、2軸押出機(ZSK−25、W
&P社製)で溶融混練し、造粒し、ペレットを得て表1
に記載した温度で溶融粘度の測定を行った。結果を表1
に示す。
【0067】実施例8 以上のように調製したフッ素系樹脂(C−1)を除く樹
脂を、表1に記載した組成(単位は重量部)でブレンド
し、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混
練し、途中から図2の如き冷却用ジャケット付配管によ
り冷却(3℃)したフッ素系樹脂(C−1)を溶融した
樹脂組成物中に配合し、その部分より後方の押出機の途
中から難燃剤をポンプで圧入し、造粒し、ペレットを得
て、溶融粘度以外の評価を行った。又、フッ素系樹脂
(C−1)と難燃剤を除く樹脂を、表1に記載した組成
(単位は重量部)でブレンドし、2軸押出機(ZSK−
25、W&P社製)で溶融混練し、造粒し、ペレットを
得て表1に記載した温度で溶融粘度の測定を行った。結
果を表1に示す。
【0068】実施例12 以上のように調製した熱可塑性樹脂(A−1)の全量を
2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で、表1に記
載の温度で溶融混練し、押出機のホッパー付近から難燃
剤(B−3)の全量をポンプで圧入し、その部分より後
方の押出機の途中から図2の如き冷却用ジャケット付配
管により冷却(3℃)したフッ素系樹脂(C−1)を溶
融した樹脂組成物中に配合し、分散が達成された後、押
出機の途中からサイドフィーダーを使用して熱可塑性樹
脂(A−7)の全量を配合し、造粒し、ペレットを得
て、溶融粘度以外の評価を行った。なお、それぞれの成
分の組成比(単位は重量%)は表1に記載した。また、
熱可塑性樹脂(A−1)を2軸押出機(ZSK−25、
W&P社製)で溶融混練し、押出機のホッパー付近から
難燃剤をポンプで圧入し、造粒し、熱可塑性樹脂(A−
1)80部、難燃剤(B−3)8部の組成物のペレット
を得て表1に記載した温度で溶融粘度の測定を行った。
結果を表1に示す。
【0069】これらの結果を表1、2にまとめた。実施
例および比較例の結果から次のことが明らかである。実
施例の樹脂組成物は、フッ素系樹脂を最適な溶融粘度で
混練することにより、フッ素系樹脂の分散が優れ、滴下
防止効果が高く、いずれも難燃性と表面外観に優れてい
る。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】特定の溶融粘度領域を有するフッ素系樹
脂を除く溶融した樹脂組成物に、フッ素系樹脂を配合し
混練することにより、フッ素系樹脂が、樹脂組成物中で
ネットワーク構造、及び/または、分岐状で存在させる
ことが可能になり、フッ素系樹脂の少量配合で、高い難
燃性と、優れた表面外観を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂組成物成形品の破断面のフッ素系樹脂のフ
ィブリル形態を表す模式図である。なお、図1において
黒い実線で示した部分がフッ素系樹脂である。
【図2】本発明に用いる押し出し機の一例の概略図であ
る。
【図3】実施例10の樹脂組成物成形品の破断面のフッ
素系樹脂のフィブリル形態を観察した走査型電子顕微鏡
写真である。
【図4】実施例11の樹脂組成物成形品の破断面のフッ
素系樹脂のフィブリル形態を観察した走査型電子顕微鏡
写真である。
【図5】比較例4の樹脂組成物成形品の破断面のフッ素
系樹脂のフィブリル形態を観察した走査型電子顕微鏡写
真である。なお、図3〜5の写真において、白く観察さ
れる部分がフッ素系樹脂である。
【符号の説明】
a ネットワーク構造 b 分岐構造
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 51/04 C08L 51/04 55/02 55/02 69/00 69/00 71/10 71/10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂100重量部に対
    し、(B)難燃剤0.1〜30重量部、(C)フッ素系
    樹脂0.01〜5重量部からなる樹脂組成物の製造にお
    いて、10〜100重量部の(A)熱可塑性樹脂と30
    重量部以下の(B)難燃剤からなる組成物(M)の溶融
    粘度が、キャピラリーレオメータの、シェアレート24
    0sec-1で、粘度3000〜12000poiseに
    なる温度範囲で該組成物(M)と0.01〜5重量部の
    (C)フッ素系樹脂を溶融混練後、更に90重量部以下
    の(A)熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃剤
    を配合し、溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 (A)熱可塑性樹脂100重量部に対
    し、(B)難燃剤0.1〜30重量部、(C)フッ素系
    樹脂0.01〜5重量部を配合した樹脂組成物の製造に
    おいて、10〜100重量部の(A)熱可塑性樹脂と3
    0重量部以下の(B)難燃剤からなる組成物(M)の溶
    融粘度が、キャピラリーレオメータの、シェアレート2
    40sec-1で、粘度3000〜12000poise
    になる温度範囲で該組成物(M)を溶融混練し、その溶
    融混練した樹脂組成物に0.01〜5重量部の(C)フ
    ッ素系樹脂を溶融混練後、更に90重量部以下の(A)
    熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃剤を配合
    し、溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 (C)フッ素系樹脂の配合を、テトラフ
    ルオロエチレン樹脂(PTFE)のディスパージョンを
    用いて実施することを特徴とする請求項1又は2記載の
    樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 原料を溶融混練するにあたり、押し出し
    機を使用し、押し出し機の途中に開口部を設け、そこよ
    りテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のディスパ
    ージョンを滴下し、同時にディスパージョンに含まれる
    水分等の揮発分を除去しながら、溶融混練することを特
    徴とする請求項3記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 (A)熱可塑性樹脂が、(D)ポリカー
    ボネート系樹脂5〜98重量部と、ゴム状重合体に、該
    ゴム状重合体と共重合可能な1種以上のビニル化合物を
    グラフト重合して得られるグラフト重合体と、ビニル重
    合体を含む(E)ゴム強化樹脂95〜2重量部からな
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 (D)ポリカーボネート系樹脂が、芳香
    族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル
    交換法にて製造され、全末端に占める末端ヒドロキシ基
    の割合が5〜50モル%である、請求項1〜5のいずれ
    かに記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 UL燃焼試験片の引っ張り破断面の7ミ
    クロン×7ミクロンの範囲の観察で、フィブリルの総延
    長の70%以上が0.5ミクロン以下の太さであり、図
    1中aで示した2本以上のフィブリルが重なって観察さ
    れる部分、及び、フィブリルが相互に連結したネットワ
    ーク構造、bで示した1点より2本以上のフィブリルが
    分かれた分岐構造が、合わせて10箇所以上存在する部
    分が観察されうることを特徴とする、請求項1〜6のい
    ずれかに記載の方法で製造された樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (B)難燃剤が、ハロゲン系、および/
    または、リン酸エステル系、および/または、縮合リン
    酸エステル系である請求項7記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の樹脂組成物からな
    ることを特徴とする成形品。
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