JP2000248134A - 押出成形用スチレン系樹脂組成物および成形体 - Google Patents

押出成形用スチレン系樹脂組成物および成形体

Info

Publication number
JP2000248134A
JP2000248134A JP11055749A JP5574999A JP2000248134A JP 2000248134 A JP2000248134 A JP 2000248134A JP 11055749 A JP11055749 A JP 11055749A JP 5574999 A JP5574999 A JP 5574999A JP 2000248134 A JP2000248134 A JP 2000248134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wax
resin composition
weight
styrene
fatty acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11055749A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Takami
康彦 高見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP11055749A priority Critical patent/JP2000248134A/ja
Publication of JP2000248134A publication Critical patent/JP2000248134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molding Of Porous Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチレン系樹脂、充填材からなる樹脂組成物
とオレフイン系ワックスと官能基を有する滑剤または脂
肪酸金属塩を組み合わせた滑剤とからなるスチレン系樹
脂組成物および成形体。 【効果】 本発明によりメルトテンションと耐衝撃性が
高く、かつ押出成形、発泡押出成形が容易で、吐出の高
いスチレン系樹脂組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメルトテンションと
耐衝撃性が高い樹脂であり、かつ押出成形、発泡押出成
形が容易で吐出量の高いスチレン系樹脂組成物、ならび
に該組成物から形成される押出成形体および発泡押出成
形体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅内装部材として木材を使用す
る代わりに押出成形や発泡押出成形により成形された樹
脂製品や充填材を配合した樹脂製部材を使用する割合が
増えている。これらの樹脂としては成形性などの理由か
ら塩化ビニル樹脂が主として使用されている。しかし、
最近になりダイオキシン問題や塩化ビニル樹脂の焼却廃
棄による酸成分の飛散が原因とされる酸性雨等の問題に
より塩化ビニル樹脂より環境にやさしい代替樹脂の開発
が望まれていた。代替樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのオレフィン系樹脂や、ポリスチレ
ン、ABS樹脂などのスチレン系樹脂などが候補として
挙げられている。
【0003】上記代替樹脂のうちオレフィン系樹脂は、
結晶性であるため押出成形や発泡押出成形加工条件巾が
狭く成形が困難である。また、線膨張係数が高いことか
ら熱成形後に収縮したり、熱により変形したりするた
め、住宅内装部材として好ましくない。さらには成形体
表面は塗装密着性、接着性が乏しく住宅部材として加飾
する事が困難である。コロナ放電処理により接着性は向
上するが、二次処理のため操作が複雑になる。
【0004】一方、スチレン系樹脂は非晶性樹脂である
ため、オレフィン系樹脂に比べると押出成形性や発泡押
出成形性は比較的容易である。また押出成形時にダイス
から流れ出た樹脂溶融体が垂れや変形を起こさないよう
にするためや、発泡押出成形時に発泡セルを壊れにくく
するためには溶融樹脂のメルトテンションが高い方が良
いと考えられている。メルトテンションを上げるには高
分子量成分を樹脂に持たせることが良いことは周知の事
実である。例えば特開昭47−35040号公報では、
高分子量成分を添加することで加工性と成形品表面を改
良している。
【0005】しかしながら、メルトテンションを上げる
ために樹脂の分子量を上げたり、高分子量成分を多量に
添加すると流動性が低下し、成形時に押出機に過大な負
荷を掛けてしまうことになる。また負荷を掛けないよう
回転数を下げると吐出が低下し、生産性が落ちてしまう
という問題があった。また、住宅内装部材は長尺成形品
であるため線膨張係数が低い方が好ましい。しかしなが
ら成形品の線膨張係数を下げるために充填材を配合する
と、押出機の負荷はさらに大きくなることが問題とされ
ていた。また一般に樹脂の耐衝撃性を高めるためにも樹
脂の分子量を高くする事が材料設計として行われてい
る。これは高分子の絡み合いが増えることによって耐衝
撃性が高くなると考えられているが、このことも上記の
押出機の負荷の問題につながっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はメルト
テンションと耐衝撃性を高くすると押出機の負荷が高く
なる問題を解決し、押出成形、発泡押出成形が容易で吐
出の高いスチレン系樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの問
題を克服するために鋭意検討した結果、スチレン系樹脂
に特定のワックス、滑剤、脂肪酸金属塩および充填材を
組み合わせることにより、メルトテンションと耐衝撃性
のバランス優れ、押出成形または発泡押出成形時の吐出
が驚異的に向上することを突き止め、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち本発明は、スチレン系樹脂100
重量部と、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス、酸化型ポリエチレンワックスおよび酸化型ポリプ
ロピレンワックスから選ばれるワックス1種以上0.1
〜10重量部と、脂肪酸金属塩およびアミド基またはエ
ステル基を有する平均分子量が10000以下の滑剤か
ら選ばれる1種以上0.1〜10重量部を配合してな
り、5〜200gのメルトテンションを有することを特
徴とするスチレン系樹脂組成物である。
【0009】これらの樹脂組成物は押出成形、発泡押出
成形が容易で、かつ住宅部材やファニチャー部材等とし
て使用に値する物性をもつ成形体となる。以下に本発明
について詳しく説明する。本発明のスチレン系樹脂は、
ゴム状物質の存在下または非存在下でモノビニル芳香族
単量体単独、またはモノビニル芳香族単量体とシアン化
ビニル単量体を含んだ混合物またはこれらの単量体と共
重合可能な単量体との混合物から得られる重合体であ
り、90〜100重量%が用いられる。
【0010】本発明のゴム状物質は、天然ゴム、ポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロブレン、アク
リルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロ
ピレン−ジエンモノマーゴム、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等が挙げられる。好ましくはポリブタジエン、ブ
タジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体である。
【0011】本発明のモノビニル芳香族単量体は、スチ
レン、メチルスチレンのような置換スチレン、ビニルト
ルエン、m−クロロスチレンのような核置換スチレン等
を指し、これらの1種または2種以上が用いられ、好ま
しくはスチレンである。本発明のシアン化ビニル単量体
は、アクリロニトリル、メタクリロ二トリル等が挙げら
れ、アクリロニトリルが好適に用いられる。
【0012】共重合可能な単量体としてはアクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸エステル(MA、EA、B
A、i−BA等)、メタクリル酸エステル(MMA、E
MA、BMA等)、フェニルマレイミド等が挙げられ
る。本発明に好適に用いられるスチレン系樹脂の例とし
ては、ポリスチレン(GPPS、HIPS)、ポリスチ
レンとポリフェニレンエーテル(PPE)の混合体、A
S樹脂、ABS樹脂およびこれらの樹脂の混合体を示
す。好ましくはポリスチレンおよびABS樹脂であり、
最も好ましくはABS樹脂である。
【0013】本発明で用いられる充填材は金属酸化物、
金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属珪酸塩、
炭素、セルロースを主体とする有機物、金属繊維から選
ばれる1種以上である。金属酸化物としては、シリカ、
アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、
珪藻土等が挙げられる。水酸化物としては、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が
挙げられる。金属炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ハイドロタ
ルサイト等が挙げられる。金属硫酸塩としては、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。金属珪酸塩と
しては、珪酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトラ
イト)、タルク、マイカ、クレー、モンモリロナイト、
ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライ
ト、セリサリト、ガラス(ガラス繊維、ガラスビーズ、
シリカ系バルーン、ガラスフレーク等)等が挙げられ
る。炭素としては、カーボンブラック、ケッチェンブラ
ック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末
等が挙げられる。セルロースを主体とした有機物として
は、木粉、パルプ、もみがら粉、クルミ粉、ペーパース
ラッジ等が挙げられる。金属繊維としては銀、銅、ニッ
ケル、真鍮を主成分とする繊維状の金属が挙げられる。
好ましくは炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラス繊
維、木粉から選ばれる1種以上である。
【0014】スチレン系樹脂と充填材の配合比はスチレ
ン系樹脂/充填材=100〜90/0〜10(重量比)
である。充填材を用いることにより樹脂組成物は剛性
(弾性率)をさらに高めることができる。しかしなが
ら、この配合比から外れる領域では耐衝撃性が低下す
る。本発明で用いられるポリエチレンワックスは、低分
子量ポリエチレンを90重量%以上含むワックスを指
す。具体的には平均数分子量が1000〜10000、
140℃における粘度が100〜30000cps、軟
化点が90〜120℃であるポリエチレンを90重量%
以上含むワックスである。ポリプロピレンワックスとは
低分子量ポリプロピレンを90重量%以上含むワックス
を指す。具体的には平均数分子量2000〜2000
0、160℃における粘度が50〜5000cps、軟
化点が130〜160℃であるポリプロピレンを90重
量%以上含むワックスである。酸化型ポリエチレンワッ
クスは低分子量ポリエチレンを酸化剤等により部分的に
酸化させたものである。具体的には平均数分子量が10
00〜7000、140℃における粘度が100〜30
000cps、軟化点が90〜140℃である酸化型ポ
リエチレンである。酸化型ポリプロピレンワックスは低
分子量ポリプロピレンを酸化剤等により部分的に酸化さ
せたものである。具体的には平均数分子量が1000〜
20000、140℃における粘度が100〜3000
0cps、軟化点が90〜140℃である酸化型ポリプ
ロピレンである。
【0015】本発明ではポリエチレンワックス単独、ポ
リプロピレンワックス単独、酸化型ポリエチレンワック
ス単独、酸化型ポリプロピレン単独、またはポリエチレ
ンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピ
レンワックス、酸化型ポリプロピレンワックスから選ば
れる2種以上のワックスの併用のいずれにおいても効果
がある。好ましくはポリエチレンワックス単独、酸化型
ポリエチレンワックス単独、ポリエチレンワックスと酸
化型ポリエチレンワックスの併用、ポリプロピレンワッ
クスと酸化型ポリエチレンワックスの併用、ポリエチレ
ンワックスと酸化型ポリプロピレンワックスの併用であ
る。ワックスの添加量は、スチレン系樹脂および充填材
からなる樹脂組成物100重量部に対し、0.1〜10
重量部が好ましい。0.1重量部より少ない場合、滑性
が少なく、押出時や成形時に装置にかかる負荷が軽減さ
れない。また、10重量部を越えると樹脂中への分散が
悪くなり押出成形品の外観が悪くなるか、または成形が
非常に困難になる。
【0016】本発明で用いるアミド基またはエステル基
を有する平均分子量が10000以下の滑剤はエチレン
ビスステアリルアミド(EBS)、モンタン酸、モンタ
ン酸から誘導されるワックスである。モンタン酸から誘
導されるワックスとしてはモンタン酸エステルワック
ス、モンタン酸部分ケン化エステルワックス、モンタン
酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸リチ
ウム、モンタン酸亜鉛、およびこれらから選ばれるワッ
クスとモンタン酸との混合物を示す。
【0017】本発明で用いる脂肪酸金属塩は、含まれる
金属がNa、Mg、Ca、Al、Znのいずれかであ
り、これらの金属と脂肪酸の塩である。具体的にはステ
アリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム(モ
ノ、ジ、トリ)、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸ナトリ
ウム、モンタン酸カルシウム、リシノール酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム等が挙げられる。
【0018】これらのアミド基またはエステル基を有す
る平均分子量が10000以下の滑剤または脂肪酸金属
塩の添加量は、スチレン系樹脂および充填材からなる樹
脂組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部であ
る。0.1重量部より少ないと押出時や成形時に装置に
かかる負荷が軽減されず、10重量部より多いと樹脂組
成物との混練が非常に困難になる。
【0019】本発明においてはスチレン系樹脂またはス
チレン系樹脂組成物に、ポリエチレンワックスまたはポ
リプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、
酸化型ポリプロピレンワックスから選ばれたワックス
(オレフィン系ワックス)とアミド基またはエステル基
を有する平均分子量が10000以下の滑剤または脂肪
酸金属塩を併用することが重要である。スチレン系樹脂
組成物にオレフィン系ワックスもしくはアミド基または
エステル基を有する平均分子量が10000以下の滑
剤、または脂肪酸金属塩のいずれか単独を混合した場合
でも流動性を上げる効果はあるものの、押出成形におけ
る吐出量と外観良好性を兼ね備えることができない。併
用する場合にのみ本発明の効果が現れる。
【0020】本発明に用いるスチレン系樹脂は200℃
での測定における、巻き取り速度が20m/分、ピスト
ン押出速度20mm/分の時のメルトテンション(M
T)が5〜200gであることが必要である。5gより
小さい場合は押出成形時、ダイスから樹脂が垂れやすく
賦型しにくい。また発泡押出においては十分な発泡倍率
が得られない。200gを越える樹脂の場合、溶融粘度
が高過ぎるため押出機に負荷がかかることになる。
【0021】本発明の樹脂組成物は押出成形および発泡
押出成形で賦型する事により住宅部材として適する成形
体となる。一般に押出成形とは押出機、ダイ、サイジン
グダイ、冷却槽、引取機、巻取機または切断機からなる
一連の装置を用いた成形法である。ダイおよびサイジン
グダイの形状により所望の形の成形体が得られる。押出
成形により例えばシート、フィルム、パイプ、チュー
ブ、窓枠・住宅部材等の異形品、電線被覆、ラミネート
製品等を製造することができる。押出機は単軸、多軸を
問わない。通常、押出機のシリンダー温度を120℃〜
220℃に設定し、可塑化させた樹脂組成物をダイから
押出、サイジングダイ、冷却槽で冷却しながら引取機で
引き取りながら所望の形に賦型していく。この際、真空
サイジングを使用することで、より効果的な賦型と冷却
が可能である。本発明の樹脂組成物を押出成形すること
により、長尺物の成形体が得られ、戸当たり、縁材等の
住宅部材や縁材、ファニチャー部材に適する成形体が得
られる。
【0022】また、押出成形の際に樹脂組成物に発泡剤
を混ぜることにより発泡押出成形を行うことができる。
発泡押出の場合、ダイとサイジングダイの設計は発泡倍
率等を勘案して作成されなければならない。本発明にお
ける発泡成形体を作る際の発泡剤としては有機または無
機の化学発泡剤が好ましい。化学発泡剤として使われる
ものとしては一般に、アゾジカルボンアミド(ADC
A)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、N,
N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DP
T)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)(OBSH)、炭酸水素ナトリウム(重曹)、
炭酸アンモニウム等が挙げられる。または上記の発泡剤
を2種以上混合して発泡剤として用いても良い。また、
亜鉛化合物、尿素化合物、酸性物質、アミン類等の発泡
助剤を用いても良い。さらには取り扱い性を改良した発
泡剤のマスターバッチを用いても良い。本発明の樹脂組
成物を発泡押出成形して得られた成形体は、0.05〜
2mmのスキン層厚み、単独気泡/連続気泡=10〜5
0/90〜50(%)の構造を有しており、発泡倍率が
0.5〜3倍である。中でも発泡倍率が1.5〜2倍の
成形体は「釘打ち」が可能で、かつ表面が柔らかすぎな
いため、幅木、廻り縁等の住宅内装材として適する成形
体が得られる。
【0023】本発明においてスチレン系樹脂とオレフィ
ン系ワックス、脂肪酸金属塩、充填材の混合には、押出
機、プラストミル、二―ダー、ロールミキサー、バンバ
リーミキサー、ブラベンダー等の熱可塑性樹脂に一般的
に用いられる各種混合装置を用いることができる。これ
らのうち押出機が好ましく、さらに好ましくはベント付
き押出機を用いることである。混合方法はそれぞれの原
料を一括に配合して押出機等により混合しても良い。混
合する順番は全く問わない。例えば、オレフィン系ワッ
クスまたは脂肪酸金属塩、滑剤と充填材をあらかじめ混
合・熱処理等を行って粒状化した後、さらにスチレン系
樹脂や残りの原材料とを混合して、押出機等を使うこと
により本発明のスチレン系樹脂組成物を得ることもでき
る。
【0024】また必要に応じ、本発明のスチレン系樹脂
や樹脂組成物に、目的とする特徴を阻害しない範囲で、
他の熱可塑性樹脂や添加剤を添加することも可能であ
る。熱可塑性樹脂としては、塩素化ポリエチレン、ポリ
カーボネート、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、
アクリル樹脂等が挙げられる。添加剤としては帯電防止
剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、
滑剤、漂白剤等が挙げられる。
【0025】
【発明の実施の形態】下記の実施例および比較例は、本
発明をさらに具体的に説明するためのものであり、以下
の例に限定されるものではない。尚、実施例中の評価、
各種測定は以下の方法で行った。また、組成および配合
は、特にことわらない限り重量単位を示す。
【0026】(評価方法) (1)MFR(メルトフローレート) JIS K7210に準拠した。((株)テクノセブン
製メルトインデクサー使用:キャピラリー径2.09m
m) (2)MT(メルトテンション) 200℃において、巻き取り速度20m/分、ピストン
押出速度20mm/分で流れ出るストランドの張力を測
定した。(東洋精機(株)製キャピログラフ1B使用:
キャピラリー径2mm、キャピラリー長さ10mm) (3)耐衝撃性 射出成形により厚み1/4インチの短冊状の成形品を得
た。ASTMのD256に準じてIZOD衝撃強さを測
定した。(成形温度240℃、金型温度45℃) (4)押出成形性 単軸押出機においてスクリューを14rpm一定とした
時、各樹脂を押し出した時の吐出で判断した。 <使用押出機> NV型40mmSG(フリージアマクロス(株)製) ・単軸、L/D=36 ・モーター:三菱電機(株)製 MODEL GM−L
J <押出条件> シリンダー温度:C1/C2/C3/C4/C5/AD
/D=120/170/190/205/220/20
0/190(℃) (5)押出成形品外観 コの字(1mm厚、1辺2cm)のダイスを用いて押出
成形を行い、その成形品の外観を評価した。 <成形条件>押出条件は(3)と同じ、引き取り速度
1.0m/分 問題なし : ◎ わずかにざらつきあり : ○ 少しざらつきあり : △ ざらつき多い : × (6)発泡押出評価 上記の単軸押出機においてスクリューを14rpm一定
とした時、各樹脂組成物に発泡剤を混ぜて押し出した時
の成形体の外観および発泡倍率を評価した。 <発泡押出条件> シリンダー温度:C1/C2/C3/C4/C5/AD
/D=170/180/190/210/190/16
0/150(℃) <発泡剤> ポリスレンEB−106(永和化成(株)製、分解温度
200℃)を3phr用いた。 <成形体形状>厚み3.5mm、幅40mmの平板 <外観評価> 問題なし : ◎ わずかに表面に荒れあり: ○ 少し荒れがあり : △ 荒れが多い : × <発泡倍率>発泡させない押出成形体の比重を発泡させ
た成形体の比重で割った値を発泡倍率とした。
【0027】ベース樹脂の調整は以下のように行った。
塊状重合によって得られたアクリロニトリル含有量34
重量%のAS樹脂(平均重量分子量20万)と乳化重合
によって得られたブタジエン含有量30重量%、アクリ
ロニトリル/スチレン=30/70(重量比)のABS
樹脂を2軸押出機により混練し、ブタジエン含有量を1
3.5重量%になるように調整した。(これをABS−
Aとする)ABS−Aの200℃におけるメルトテンシ
ョンは41であった。
【0028】乳化重合によって得られたアクリロニトリ
ル含有量34wt%のAS樹脂(平均重量分子量5万)
と乳化重合によって得られたブタジエン含有量30wt
%、アクリロニトリル/スチレン=30/70(重量
比)のABS樹脂を2軸押出機により混練し、ブタジエ
ン含有量を13.5wt%になるように調整した。(こ
れをABS−Bとする)ABS−Bの200℃における
メルトテンションは4であった。
【0029】
【実施例1〜9】ABS−Aを用いて表1の通り配合お
よび混練を行った。用いた原料を以下に示す。 炭酸カルシウム:備北粉化工業(株)製 ホワイトン
S.B(赤) タルク:キハラ化成(株)製 タルクSP−GB ポリエチレンワックス:三洋化成工業(株)製 サンワ
ックス165−P ポリプロピレンワックス:三洋化成工業(株)製 ビス
コール660−P 酸化型ポリエチレンワックス:三洋化成工業(株)製
サンワックスE−310 酸化型ポリプロピレンワックス:三洋化成工業(株)製
ユーメックス2000 EBS:日本油脂(株)製 アルフロー H−50S モンタン酸ワックス:クラリアントジャパン製 Hoe
−Wax OP ステアリン酸カルシウム:日本油脂(株)製 カルシウ
ムステアレートG
【0030】
【比較例1〜6】ABS−A、ABS−Bと上記充填
材、滑剤等を表2のように配合し、混練を行った。上記
のように混練した樹脂のMFR、MT、IZOD、押出
成形性(吐出、外観)、発泡押出成形性(外観、発泡倍
率)の測定結果を表3に示す。表3に示すように本発明
で規定する条件を満たさないものは吐出が低い、外観が
悪い、IZODが低い等のいずれかの短所を持つ。しか
しながらスチレン系樹脂組成物(充填材入りの系を含
む)、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワック
ス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型プロピレンワ
ックスから選ばれる1種以上のワックスおよびアミド基
またはエステル基を有する平均分子量が10000以下
の滑剤または脂肪酸金属塩からなるスチレン系樹脂組成
物は、規定量を配合することにより本発明の効果が現れ
ることがわかる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂組成物は、メル
トテンションと耐衝撃性が高く、押出成形に適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/24 C08K 3/26 3/26 3/34 3/34 5/098 5/098 5/10 5/10 5/20 5/20 7/06 7/06 C08L 51/04 C08L 51/04 55/02 55/02 B29C 67/22 //(C08L 25/00 91:06 1:00) B29K 25:00 105:04 Fターム(参考) 4F207 AA04 AA11 AA13 AA49 AB07 AB11 AB16 AB25 AE10 AG02 AG20 AH48 KA01 KA11 KA17 KF01 4F212 AA04 AA11 AA13 AB07 AB11 AB16 AB25 AE10 AG20 AH48 UA10 UB02 UF06 4J002 AE033 AH004 BB032 BB122 BB252 BC031 BC061 BN021 BN061 BN071 BN121 BN141 BN151 BN161 CH071 DA016 DA026 DA036 DA076 DA086 DC006 DE076 DE086 DE096 DE106 DE116 DE126 DE136 DE146 DE236 DE246 DE286 DG046 DG056 DJ006 DJ016 DJ036 DL006 EF057 EG027 EG037 EG047 EP027 FA016 FA046 FA086 FA106 FD014 FD016 FD173 FD177

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂100重量部と、ポリエ
    チレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリ
    エチレンワックスおよび酸化型ポリプロピレンワックス
    から選ばれるワックス1種以上0.1〜10重量部と、
    脂肪酸金属塩およびアミド基またはエステル基を有する
    平均分子量10000以下の滑剤から選ばれる1種以上
    0.1〜10重量部を配合してなり、5〜200gのメ
    ルトテンションを有することを特徴とするスチレン系樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂90重量%以上、充填材
    10重量%以下の組成を有す100重量部と、ポリエチ
    レンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエ
    チレンワックスおよび酸化型ポリプロピレンワックスか
    ら選ばれるワックス1種以上0.1〜10重量部とアミ
    ド基またはエステル基を有する平均分子量10000以
    下の滑剤および/または脂肪酸金属塩から選ばれる1種
    以上0.1〜10重量部を配合してなり、5〜200g
    のメルトテンシヨンを有することを特徴とするスチレン
    系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該充填材が金属酸化物、金属水酸化物、
    金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属珪酸塩、炭素、セルロー
    スを主体とする有機物、金属繊維から選ばれてなる1種
    以上であることを特徴とする請求項2記載の樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 アミド基またはエステル基を有する平均
    分子量が10000以下の滑剤がエチレンビスステアリ
    ルアミド、モンタン酸またはモンタン酸から誘導される
    ワックスから選ばれてなる1種以上であることを特徴と
    する請求項1〜3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 該脂肪酸金属塩がNa、Mg、Ca、A
    l、Znから選ばれる金属と脂肪酸との塩から選ばれて
    なる脂肪酸金属塩で、これらを1種以上含有することを
    特徴とする請求項1〜4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載のスチレン系樹脂組成
    物を押出成形して形成した成形体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5記載のスチレン系樹脂組成
    物を発泡押出成形して形成した発泡成形体。
JP11055749A 1999-03-03 1999-03-03 押出成形用スチレン系樹脂組成物および成形体 Pending JP2000248134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11055749A JP2000248134A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 押出成形用スチレン系樹脂組成物および成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11055749A JP2000248134A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 押出成形用スチレン系樹脂組成物および成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000248134A true JP2000248134A (ja) 2000-09-12

Family

ID=13007516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11055749A Pending JP2000248134A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 押出成形用スチレン系樹脂組成物および成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000248134A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239823A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Nippon A & L Kk 熱板融着用樹脂組成物および車両用灯具のランプハウジング成形品
JP2005298820A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Clariant Gmbh フィラー含有プラスチックのための変性剤としてワックスを使用する方法
JP2009091400A (ja) * 2007-10-04 2009-04-30 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 強化ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物および成形品
JP2012041502A (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリフェニレンエーテル/スチレン系樹脂組成物及びその成形品
JP2016150979A (ja) * 2015-02-17 2016-08-22 フクビ化学工業株式会社 Abs樹脂発泡体、及びその製造方法
WO2019093196A1 (ja) * 2017-11-09 2019-05-16 共栄社化学株式会社 アミド化合物を含有するワックス材料

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239823A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Nippon A & L Kk 熱板融着用樹脂組成物および車両用灯具のランプハウジング成形品
JP2005298820A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Clariant Gmbh フィラー含有プラスチックのための変性剤としてワックスを使用する方法
JP2009091400A (ja) * 2007-10-04 2009-04-30 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 強化ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物および成形品
JP2012041502A (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリフェニレンエーテル/スチレン系樹脂組成物及びその成形品
JP2016150979A (ja) * 2015-02-17 2016-08-22 フクビ化学工業株式会社 Abs樹脂発泡体、及びその製造方法
WO2019093196A1 (ja) * 2017-11-09 2019-05-16 共栄社化学株式会社 アミド化合物を含有するワックス材料
JPWO2019093196A1 (ja) * 2017-11-09 2020-09-24 共栄社化学株式会社 アミド化合物を含有するワックス材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4582871A (en) Thermoplastic resin composition
US4914155A (en) Thermoplastic resin composition
JP2000248134A (ja) 押出成形用スチレン系樹脂組成物および成形体
JP4447236B2 (ja) スチレン系樹脂組成物および成形体
JPWO2020138222A1 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びその製造方法、マスターバッチペレット、並びに成形体
JPH11293071A (ja) 押出し成形用スチレン系樹脂組成物および成形体
JPH09262920A (ja) 硬質ポリ塩化ビニル樹脂系多層シートおよびその製造方法
JP2017088748A (ja) 発泡成形用エラストマー組成物及び発泡成形体
JPH10231377A (ja) 押出発泡用abs樹脂組成物および発泡成形体
JP2009214372A (ja) ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート及びその成形体
JP2004051875A (ja) スチレン系樹脂組成物
JP3300442B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形物の耐衝撃強度の改良方法及びそのための組成物
JP2000212355A (ja) スチレン系樹脂組成物
JP2001131308A (ja) 熱可塑性樹脂組成物シート
JP3519912B2 (ja) 発泡性塩化ビニル系樹脂組成物
JP4475611B2 (ja) スチレン系樹脂組成物
JP3514551B2 (ja) 低発泡成形用樹脂組成物
KR100349738B1 (ko) 폴리프로필렌 수지 조성물
JP2011026555A (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡成形体
JPH10231429A (ja) 抗菌性に優れた樹脂組成物
JP7333722B2 (ja) 樹脂発泡シート及び該樹脂発泡シートを用いてなる容器
JPH11293070A (ja) スチレン系樹脂組成物
JP4721548B2 (ja) 樹脂組成物およびその成形体
JP3269856B2 (ja) 発泡シート
JP2020059827A (ja) 樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物、および熱可塑性樹脂成型体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090901