JPWO2019093196A1 - アミド化合物を含有するワックス材料 - Google Patents
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Abstract
成形加工する樹脂に添加され、低融点のため幅広い加工温度域で使用でき、離型性、流動性を改善し、フィラーの分散性の向上や異物対策に効果があり、高い温度でその樹脂の組成物を成形加工する際に熱分解せず、金型汚れ等を防止し、その組成物に優れた流動性、離型性を付与するワックス成分となるアミド化合物、及びそれが含有されたワックス材料を提供する。アミド化合物は、炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類及び炭素数2〜14の多塩基酸類と炭素数2〜21のジアミン類との脱水縮合物である。ワックス材料は、このアミド化合物を含むアミドワックス成分が含有され、又はこのアミド化合物と、炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸及び炭素数2〜14の多塩基酸類と炭素数2〜21のジアミン類との脱水縮合物であるアミド化合物との少なくとも何れかを含むアミドワックス成分と、それ以外の共存ワックス成分を含有する。
Description
本発明は、成形加工する熱可塑性樹脂に添加されるものであって、低融点のため幅広い加工温度域で使用でき、且つ非常に耐熱性が高い特性を持ち、熱可塑性樹脂の溶融粘度を低くし、それの成形加工性を高め、さらに成型時の金型からの離型性を高めるのに効果のあるワックス成分となり得るアミド化合物、及びアミド化合物が含有されているワックス材料に関する。また、そのワックス材料を含有する、熱可塑性樹脂成形加工用滑剤又は離型剤、及び熱可塑性樹脂成形加工用樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂は、加熱溶融させた後、所定形状に成形するプラスチックであり、様々な分野の成形品を製造するのに汎用されている。従来、熱可塑性樹脂として、ポリエチレンやポリスチレンのように、比較的低温で加熱溶融して成形加工できるものが用いられてきた。近年では、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルファイド等のエンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチック、強化充填剤を含有させた強化プラスチック、プラスチックアロイ等のように、比較的高温で加熱溶融して成形加工できる熱可塑性樹脂が、金属に代替し得る材料として広い分野で用いられるようになってきている。
熱可塑性樹脂の成形には、その用途に合わせてプレス成形、真空成形、シートやフィルムの押し出し成形、射出成形、ブロー成形等の成形加工が施される。熱可塑性樹脂は、溶融粘度が高く成形加工性が悪い欠点を有するため、低分子ポリエチレンワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸やその金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミドのような滑剤が添加されて成形加工される。
しかし、これら従来の滑剤では、その滑剤自体の耐熱温度が低い。そのため、比較的高温で成形加工する熱可塑性樹脂、特に成形加工温度が180〜350℃にも達するエンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックにこれらの滑剤を添加し加熱して成形加工する際、滑剤が熱分解して劣化してしまい、流動性、離型性が低下するばかりか、滑剤の劣化に起因する異物発生、発煙、着色及び金型汚れによる生産性低下や品質低下を引き起してしまう。
特許文献1は、飽和脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸とジアミンとを反応させたアミド化合物に酸化防止剤を混合させることで、優れた耐熱性を得られることを開示している。また、酸化防止剤によって、アミド化合物の着色や、アミド化合物を添加した樹脂の着色を防止することを開示している。しかし、特許文献1で得られるアミド化合物のうち、窒素雰囲気下での分解温度が340℃を超える高耐熱のアミド化合物は、融点が200℃以上と高融点であるため、使用できる加工温度域が限られている。また、上記アミド化合物であっても、熱分解を起こしてしまうようなさらなる高温成形が必要な樹脂においては、さらに高い耐熱性が要求される。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、成形加工する熱可塑性樹脂に添加されるものであって、低融点のため幅広い加工温度域で使用でき、且つ離型性、流動性を改善するのみではなくフィラーの分散性の向上や異物(目ヤニ)対策にも効果がある。その中で、特に高い温度でその熱可塑性樹脂の組成物を成形加工する際に熱分解せず、金型汚れ等を防止し、その組成物に優れた流動性、離型性を付与することができるワックス成分となり得るアミド化合物、及びアミド化合物が含有されているワックス材料を提供することを目的とする。また、そのワックス材料を含有する熱可塑性樹脂成形加工用滑剤又は離型剤、及び熱可塑性樹脂成形加工用樹脂組成物を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲に記載されたアミド化合物Aは、炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)とする酸類と炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)との脱水縮合物である。
このアミド化合物Aは、前記飽和脂肪族モノカルボン酸類と、脂環式、直鎖式及び/又は分岐鎖式、中でも脂環式の構造を含むジカルボン酸類である前記多塩基酸類と、脂環式、直鎖式及び/又は分岐鎖式、中でも脂環式の構造を含む前記アミン類との前記脱水縮合物であってもよい。
前記の目的を達成するためになされたワックス材料は、前記アミド化合物Aを含むアミドワックス成分が、ワックス成分として含有されているというものである。
また、このワックス材料は、炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)とする酸類と炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)とするアミン類との脱水縮合物であるアミド化合物Aと、炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)とする酸類と炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)とするアミン類との脱水縮合物であるアミド化合物Bとの少なくとも何れかのアミド化合物を含むアミドワックス成分の99.5〜50質量部、及びアミドワックス成分以外の共存ワックス成分の0.5〜50質量部が、ワックス成分として含有されているというものであってもよい。
このワックス材料は、前記アミド化合物Aが、前記飽和脂肪族モノカルボン酸類と、脂環式のジカルボン酸類である前記多塩基酸類と、脂環式の前記アミン類との前記脱水縮合物であってもよい。
前記ワックス材料は、前記ワックス成分と酸化防止剤とが99.98〜95:0.02〜5の質量比で含有されているものであってもよい。
また、前記ワックス材料は、前記ワックス成分のアミン価が1以下であることが好ましい。
さらに、前記ワックス材料は、前記共存ワックス成分が、ポリオレフィン類又は炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類であることが好ましい。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲に記載された熱可塑性樹脂成形加工用滑剤は、例えば熱可塑性樹脂成形加工用添加剤として用いられるもので、前記ワックス材料を含有するものである。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲に記載の熱可塑性樹脂成形加工用離型剤は、例えば熱可塑性樹脂成形加工用添加剤として用いられるもので、前記ワックス材料を含有するものである。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲に記載の熱可塑性樹脂成形加工用樹脂組成物は、前記ワックス材料の0.02〜5質量部と、樹脂の100質量部とを、含有するというものである。
本発明のアミド化合物Aは、炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類と、炭素数2〜14の多塩基酸類と、炭素数2〜21のジアミン類とを用いて脱水縮合された脱水縮合物とするアミド化合物である。このアミド化合物Aは、優れた耐熱性を有しており、炭素数23〜50の長鎖の飽和脂肪族モノカルボン酸類を有する場合や、特に脂環式ジカルボン酸類や脂環式ジアミン類などの環状基を有する場合、その立体障害に起因して、酸化や加水分解等により分解され難くなる結果、高温環境下でも分解され難い優れた耐熱性を有するだけでなく、低融点のため幅広い加工温度域で使用できるという性質を奏することとなる。
本発明のワックス材料は、とりわけこのアミド化合物Aが配合されていることにより、優れた耐熱性を示し、高温での熱可塑性樹脂の成型加工においても熱分解せず、目ヤニ等の異物の発生や、発煙・着色・金型汚れを防止し、その組成物に優れた流動性を付与することができる。また、樹脂の極性によっては、表面に配向することで離形性を付与することもできる。さらに、融点が150℃近辺と高すぎないため、幅広い加工温度域で使用することが可能となる。
また、ワックス材料は、ワックス成分に酸化防止剤を混合することで、アミド化合物A等のワックス成分や微量の未反応のカルボン酸やアミンが酸化、分解されることを一層防止することができる。さらに、この酸化防止剤がアミド化合物A等のワックス成分の着色を防止し、熱可塑性樹脂と混合して成形加工用樹脂組成物とした際、その熱可塑性樹脂の着色を一層防止する効果を発揮することができる。
また、ワックス材料は、炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)とする酸類と、炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)との脱水縮合物であるアミド化合物Bが配合されていてもよい。
ワックス材料は、アミド化合物A又はアミド化合物B、若しくはアミド化合物Aとアミド化合物Bの混合物に、一般にワックスと呼ばれるその他の共存ワックス成分を反応させることで、これらアミド化合物の末端の配向成分を低SP値化でき、樹脂表面への配向性が良くなるため、離型性が向上する。さらに、アミン類中のアミン成分と反応性があるこれらのワックスを反応し尽くせないアミン成分より過剰に入れることで、アミド化合物中の未反応の残存アミン成分を潰し、残存アミン成分による樹脂への悪影響を防ぐこともできる。残存アミン成分と反応させるものが短鎖のモノカルボン酸である場合、残留モノカルボン酸成分が耐熱性を悪くしてしまう場合があるが、ポリオレフィンや長鎖のモノカルボン酸成分であれば、完全に反応できなくても、それ自体が滑剤又は離型剤として働き、且つ耐熱性も良くなる。しかも、この合成されたワックス材料は耐熱性が高い割に融点が低いため、幅広い加工温度に対応することができる。
前記の残存アミン成分に関しては、アミン価を測定することで確認が可能である。残存アミン成分による樹脂への悪影響を低減できる目安として、残存アミン成分に由来のアミン価は1以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。
また、ワックス材料は、優れた表面配向性を発現し、熱可塑性樹脂に添加することで、その熱可塑性樹脂を含有する成形加工用樹脂組成物の溶融粘度を低下させ、流動性、離型性を向上させることができ、またこの成形加工用樹脂組成物が有機又は無機のフィラーを含有するときにフィラーの分散性を向上させることができる。
しかも、このワックス材料は、比較的低温で加熱溶融して成形加工するポリエチレンやポリスチレンのような汎用の熱可塑性樹脂の他、比較的高い温度で加熱溶融して成形加工できるエンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックやプラスチックアロイ等のような熱可塑性樹脂に添加されても、安定である。またこのワックス材料を含む熱可塑性樹脂組成物が成形加工されても、熱分解せず、耐熱性に優れている。そのため、このワックス材料は、目ヤニ等の異物の発生や金型汚れを防止するので、そのワックス材料を含有する熱可塑性樹脂成形加工用滑剤又は離型剤のような添加剤に優れた流動性、離型性を付与することができる。
さらに、成形加工用樹脂組成物を用いた樹脂成形加工時に、ワックス材料の分解によるアウトガスを生じず、樹脂の着色を引き起こさない。また、その金型から離型し易くさせることができ、樹脂成形加工の連続生産時に金型リップや冷却ロールに、ワックス材料由来のブツ状付着物を生じさせない。そのため、得られる成形物の外観を損ねることがなく、その付着物を除去するような面倒な手間をかける必要がない。このことから生産性の向上に資するだけでなく、製品化した成形物からの経時での分解物の脱落による周辺の汚染を防ぐことが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のアミド化合物Aは、ワックス材料のワックス成分として用いられるものである。アミド化合物Aは、炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類及び炭素数2〜14の多塩基酸類からなる酸類と、炭素数2〜21のジアミン類との脱水縮合物である。ワックス材料の一態様は、アミド化合物Aを、有効な主成分として含有している。このアミド化合物A及びそれを含有するワックス材料は、例えば次のようにして調製される。
炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類の2モル当量と、炭素数2〜14の多塩基酸類の2モル当量と、炭素数2〜21のジアミン類の3モル当量とを、無溶媒で、160〜300℃に加熱しながら2〜10時間、脱水縮合反応させる。すると、飽和脂肪族モノカルボン酸類と、多塩基酸類及びジアミン類とが脱水縮合してアミド化合物Aが生成する。得られたアミド化合物Aは淡黄色〜褐色の固体で、その融点は110〜180℃であり、その酸価及びアミン価は20以下である。
飽和脂肪族モノカルボン酸類として、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、その他市販品として炭素数23〜50の直鎖アルキル基に一級カルボキシル基を有する化合物のような無置換飽和脂肪族モノカルボン酸類が挙げられる。ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸類、例えばこれらの無置換飽和脂肪族モノカルボン酸類がモノ−若しくはジ−ヒドロキシ基置換されたヒドロキシ基置換飽和脂肪族モノカルボン酸類であってもよい。これらの無置換飽和脂肪族モノカルボン酸類及びヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸類のような飽和脂肪族モノカルボン酸類は、アミド化合物Aやそれを含むワックス材料の耐熱性の関係で単独が好ましいが、純度が約100%のものが入手困難であり多少の長短の飽和脂肪族モノカルボン酸類も混入し易いので入手原料の関係上又は工業的生産性の関係上、本発明の特長を奏する限り2種以上が混合していてもよい。例えば、脂肪族モノカルボン酸類は、質量比でその純度を60%以上、より好ましくは95%以上とする主成分と総計で40%未満、より好ましくは5%未満の副成分であって炭素数の異なる脂肪族モノカルボン酸(主に炭素23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸)との混合物であってもよい。一層好ましくは質量比でその純度を97%以上とする主成分と総計で3%未満の前記副成分との混合物であってもよい。
多塩基酸類は、脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸であることが好ましく、脂環式ジカルボン酸であるとより好ましい。脂肪族ジカルボン酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。脂環式ジカルボン酸として、飽和又は不飽和の環状で側鎖を有していても良い脂環式ジカルボン酸が挙げられ、中でも脂環式ジカルボン酸として、1,1−シクロプロパンジカルボン酸、1,2−シクロプロパンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、3,4−ジフェニル−1,2−シクロブタンジカルボン酸、2,4−ジフェニル−1,3−シクロブタンジカルボン酸、3,4−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,2−シクロブタンジカルボン酸、2,4−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−シクロブタンジカルボン酸、1−シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロブテン−3,4−ジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1,4−(2−ノルボルネン)ジカルボン酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジカルボン酸、1,1−シクロヘキサン二酢酸、1,4−シクロヘキサン二酢酸、cis−1,2,2−トリメチル−1,3−シクロペンタンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸、2,5−ジオキソ−1,4−ビシクロ[2.2.2]オクタンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、4,8−ジオキソ−1,3−アダマンタンジカルボン酸、2,6−デカリンジカルボン酸、1,5−デカリンジカルボン酸、1,6−デカリンジカルボン酸、2,3−デカリンジカルボン酸、2,7−デカリンジカルボン酸、1,3−アダマンタン二酢酸が挙げられる。これらの多塩基酸類は単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。中でも、3員環〜10員環の単環・縮環・架橋環・スピロ環からカルボキシル基(−COOH)及び/又はアルキレンカルボキシル基(−(CH2)n1−COOH;n1は1〜3)が二つ結合したものが好ましい。
また、アミド化合物Aは、アミド化合物Aやそれを含むワックス材料の本来の物性を損なわない限り、芳香族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸成分を含んでいてもよい。
ジアミン類として、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジイルジメタンアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、2,2’−ジメチル−4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−1−イルアミン)が挙げられる。中でも脂環式ジアミン類がより好ましく、脂環式ジアミンとして、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジイルジメタンアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、2,2’−ジメチル−4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−1−イルアミン)が挙げられる。これらのジアミン類は単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。中でも、単環・縮環・架橋環・スピロ環からアミノ基(−NH2)及び/又はアルキレンアミノ基(−(CH2)n2−NH2;n2は1〜3)が二つ結合したものが好ましい。
ジアミン類の使用量は、脂肪族モノカルボン酸類2モルに対する多塩基酸類のモル数に従って、カルボン酸基の総数とアミノ基の総数とが当量となるように、調整する。例えば、脂肪族モノカルボン酸類2モルに対して、ジカルボン酸類nモル(n=1〜5)を使用する場合、ジアミン類を(n+1)モル使用すると、酸とアミンとが当量となる。なお、炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)からなる酸類を、炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)に脱水縮合させたアミド化合物Aを合成するよう、適宜モル比を、調整してもよい。
このアミド化合物Aは、単一の化合物であってもよいが、通常、分子量の異なる化合物の混合物として得られるものである。アミド化合物Aは、その混合物中の各化合物が、下記化学式
A−C−(B−C)m−A
(式中、Aは飽和脂肪族モノカルボン酸類の脱水酸基残基、Bは多塩基酸類の脱水酸基残基、Cはジアミン類の脱水素残基、m=1〜20)
で示されるものであることが、好ましい。
A−C−(B−C)m−A
(式中、Aは飽和脂肪族モノカルボン酸類の脱水酸基残基、Bは多塩基酸類の脱水酸基残基、Cはジアミン類の脱水素残基、m=1〜20)
で示されるものであることが、好ましい。
ワックス材料として、アミド化合物Aを含有するワックス成分の例を示したが、アミド化合物Aと、炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)とする酸類と炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)とするアミン類との脱水縮合物であるアミド化合物Bとの少なくとも何れかのアミド化合物を含むアミドワックス成分と、アミドワックス成分以外の共存ワックス成分を含有するものであってもよい。例えばアミドワックス成分の99.5〜50質量部、及びアミドワックス成分以外の共存ワックス成分の0.5〜50質量部が、ワックス成分として含有されているというものである。
アミド化合物Bを成す炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸類として、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸のような無置換飽和脂肪族モノカルボン酸類が挙げられる。ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸類、例えばこれらの無置換飽和脂肪族モノカルボン酸類がモノ−若しくはジ−ヒドロキシ基置換されたヒドロキシ基置換飽和脂肪族モノカルボン酸類であってもよい。ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸類として、12−ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸が挙げられる。これらの無置換飽和脂肪族モノカルボン酸類及びヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸類のような飽和脂肪族モノカルボン酸類は、ワックス材料の耐熱性の関係で単独が好ましいが、アミド化合物Aを成す飽和脂肪族モノカルボン酸類と同様に、副成分との混合物であってもよい。アミド化合物Bを成す多塩基酸類やアミン類は前記のものが用いられる。
ワックス材料は、アミド化合物A又はアミド化合物B,及びアミド化合物Aとアミド化合物Bの混合物に一般にワックスと呼ばれるその他の共存ワックス成分を反応させる場合、一般にワックスと呼ばれるその他のワックスとしては、カスターワックスやシリコーンワックス、ポリオレフィンや長鎖モノカルボン酸等が挙げられ、ポリオレフィン又は炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類を使用することが好ましい。さらに、これらの共存ワックス成分は耐熱性の高いものが好ましく、特に共存ワックス成分がポリオレフィンである場合、酸化、又は酸と共重合したものであることがより好ましい。その理由として、ポリオレフィンに含まれる酸成分が、アミド化合物中の未反応のアミン成分と反応し、残存アミン成分を大幅に減少させることができるため、残存アミン成分による樹脂への悪影響を低減することができる。
より具体的なポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレンワックス、高密度ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸エチレン共重合ワックス等が挙げられる。
また、アミド化合物Aとアミド化合物Bの混合物に一般にワックスと呼ばれるその他の共存ワックス成分を反応させる場合、99.5〜50質量部のアミド化合物Aに、0.5〜50質量部のアミド化合物Bを混合していることが好ましく、90〜70質量部のアミド化合物Aに、10〜30質量部のアミド化合物Bを混合していることがより好ましい。
アミド化合物Aを含有するワックス成分、若しくは、アミド化合物Aとアミド化合物Bの少なくとも何れかのアミド化合物を含むアミドワックス成分とその他の共存ワックス成分とを含有するワックス成分を、以下、アミド化合物A等のワックス成分と表記する。
ワックス材料中、アミド化合物A等のワックス成分に酸化防止剤を配合する場合、この酸化防止剤は、アミド化合物A等のワックス成分との相溶性が良くなければならない。その理由として、この酸化防止剤は熱可塑性樹脂の熱安定性を目的とするのではなく、アミド化合物A等のワックス成分の熱安定性を高めるもので、分離してはその目的を達成しない。さらに、この酸化防止剤は、熱可塑性樹脂の物性及び加工安定性を著しく損なわないことが好ましい。酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
より具体的な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤として、ブチル化ヒドロキシトルエン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、トコフェロール、2,4,ビス(オクチルチオメチル)−6−t−メチルフェノール、2,4−ビス[(ドデシルチオ)メチル]−6−メチルフェノール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−メチレンビス(2,6一ジ−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)又は1,1−ビス(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチル−フェニル)ブタン、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)又は4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォン酸モノエチルエステルカルシウム塩、ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、トリエチレングリコールビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2'−オキサミドビス〔エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2'−5エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、N,N'−1,3−プロパンジイルビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン)、2−t−ブチル−6-(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3',5)ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート〕メタン、2,2'−メチレンビス〔6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール〕、ビス〔3,3−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブタン酸〕グリコールエステル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス〔2−(1,1−ジメチルエチル)−6−〔〔3−(1,1−ジメチルエチル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕メチル〕−4−メチルフェニル〕エステル、N,N,−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル}ヒドラジン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4'−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、1,3,5−トリス(3',5−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−t−ブチル−4−{4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ}フェノール、1,3,5−トリス(2−プロペニル)1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2−〔4,6−ジ(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−5−オクチルオキシフェノール、2,2−メチレンビス(4−メチル6−ノニルフェノール)と2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ノニル−5−メチルベンジル)−P−クレゾールとの混合物、4−メチルフェノールとイソブチレンとジシクロペンタジエンの反応生成物、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートがある。
フォスファイト系酸化防止剤としては、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(ミックスド,モノ及びジノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファト又はサイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルフォスファイト)、4,4'−イソプロピリデンジフェノールアルキル(C12〜C15)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルフォスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタンとジフェニルフォスファイトとの混合物、4,4'−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルフォスファイト)、トリス(シクロヘキシルフェニル)フォスファイト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−P−クメニルビス(P−ノニルフェニル)フォスファイト、トリス−[2−(2,4,8,10−テトラブチル−5,7−ジオキサ−6−ホスホ−ジベンゾ−{a,c}シクロヘプテン−6−イル−オキシ)エチル]アミン、ビス−[2−メチル−4,6−ビス−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エチルフォスファイト、3,9−ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノキシ}−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、(三塩化リンとビフェニール)のフリーデルクラフツ付加物と4,6−ジ−t−ブチル−m−クレゾ−ルとの縮合により製造されるビフェニールを有する4,6−ジ−t−ブチル−m−クレジルホスホナイト縮合物、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン、2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)−6−(2−エチルヘキシロキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、カルベトキシメチルジエチルフオスフォネートがある。
硫黄系酸化防止剤としては、3,3'−チオジプロピオン酸ジラウリル、3,3'−チオジプロピオン酸ジミリスチル、3,3'−チオジプロピオン酸ジステアリル、ジオクタデシルジサルファイドがある。
特にアミド化合物A等のワックス成分との相溶性に優れる酸化防止剤としては、フォスファイト系酸化防止剤を使用するのが好ましく、より好ましい酸化防止剤としては、トリス(ミックスド,モノ及びジノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、3,9−ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノキシ}−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカンがある。
また、アミド化合物A等のワックス成分とのSP値が近い酸化防止剤であれば、フェノール系酸化防止剤を使用することも好ましく、より好ましい酸化防止剤としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン)、4,4'−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1−ビス(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチル−フェニル)ブタン、又はn−オクタデシル−β−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートがある。
これらの酸化防止剤を、アミド化合物A等のワックス成分の合成後に、99.98〜95質量部のアミド化合物A等のワックス成分に0.02〜5質量部添加して混合してもよいが、合成の前、又は合成前後に分けて、添加して、調製するというものであってもよい。例えば、酸類とジアミン類とに、前記酸化防止剤を添加してから、前記アミド化合物A等のワックス成分を合成することによって、酸化防止剤の総量0.02〜5質量部とが含有されているアミド化合物A等のワックス成分を、調製するというものであってもよい。また、アミド化合物A等のワックス成分の合成前に、飽和脂肪族モノカルボン酸類及び多塩基酸類からなる酸類とジアミン類へ0.01〜1質量部の酸化防止剤を添加して合成し、さらに、得られたアミド化合物A等のワックス成分へ0.01〜4.99質量部の酸化防止剤を添加してもよい。このとき、アミド化合物A等のワックス成分の99.98〜95質量部に相溶している酸化防止剤が、総量で0.02〜5質量部であると好ましい。
酸化防止剤をアミド化合物A等のワックス成分の合成前に、飽和脂肪族モノカルボン酸類及び多塩基酸類からなる酸類とジアミン類とに合わせて混合することで、アミド化合物A等のワックス成分の合成時のそれらの分解防止の効果を発揮し、アミド化合物A等のワックス成分の着色防止にも効果を発揮することができる。そのため、このアミド化合物A等のワックス成分を熱可塑性樹脂に添加した際に、熱可塑性樹脂組成物の着色を防止することができる。一方、アミド化合物A等のワックス成分の合成後に酸化防止剤を混合することで、熱可塑性樹脂に添加した際にアミド化合物A等のワックス成分の分解防止としての効果を発揮することができる。公知の技術として、酸化防止剤を熱可塑性樹脂に添加することが知られているが、これは熱可塑性樹脂の酸化防止を主たる目的としており、これに共存する添加剤に対する分解防止を目的とするものでない。
本発明の成形加工用樹脂組成物は、ワックス材料の0.02〜5質量部と、樹脂、特に熱可塑性樹脂の100質量部とを、含有するものである。
ワックス材料を添加し得る熱可塑性樹脂は、成形加工温度が低くても高くてもよく、特に限定されない。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート樹脂、超高分子ポリエチレン樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリシクロヘキシレン−ジメチレン−テレフタレート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、スチレン系樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリケトン樹脂、熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上からなるポリマーアロイとして使用してもよい。
より具体的には、ポリオレフィン樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン等が挙げられる。ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロン10T、ナイロンM5T、ナイロンMXD6、ナイロン610、ナイロン612(ナイロンは登録商標)等が挙げられ、芳香族系ポリアミドであってもよい。ポリエステル樹脂としては、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられ、芳香族ポリエステルであってもよい。ポリフェニレンオキサイド樹脂としては、2,6−ジメチルフェノールの重合体、2,6−ジフェニルフェノールの重合体、及びこれらの重合体にスチレン系樹脂又は他の樹脂をグラフトした重合体が挙げられる。スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリレート−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレン−プロピレンゴム強化スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられる。ABS樹脂は、α−メチル変性及びN−フェニルマレイミド変性等の耐熱性ABS樹脂を含む。熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体のようなスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂成形加工用滑剤又は離型剤は、ワックス材料を含有するものである。ワックス材料は、アミド化合物Aを含有していてもよく、1種類の化合物からなるアミド化合物A又はアミド化合物B、若しくはそれらの混合物と、共存ワックス成分とを含有していてもよく、複数種の化合物からなるアミド化合物A又はアミド化合物B、若しくはそれらの混合物と、共存ワックス成分を含有していてもよい。
また滑剤としての性能は溶融粘度の高い樹脂に無機フィラーや有機フィラーを練り込む場合、その見かけの溶融粘度を低下させることでフィラーとの混ざりが良くなる、また分散性を向上させることができる効果も期待できる。
本発明を適用するアミド化合物及びそれを含有するワックス材料を作製した例を実施例1a〜5bに、本発明を適用外のアミド化合物及びそれを含有するワックス材料を作製した例を比較例1a〜5bにそれぞれ示す。
(実施例1a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸878.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,1−シクロヘキサン二酢酸200.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン284.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価3.7、アミン価0.2のアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸878.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,1−シクロヘキサン二酢酸200.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン284.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価3.7、アミン価0.2のアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
(実施例1b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸878.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,1−シクロヘキサン二酢酸200.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン284.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価3.9、アミン価0.2のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸878.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,1−シクロヘキサン二酢酸200.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン284.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価3.9、アミン価0.2のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
(実施例2a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸848.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸172.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン284.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.8、アミン価2.1のアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸848.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸172.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン284.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.8、アミン価2.1のアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
(実施例2b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸848.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸172.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン284.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.2、アミン価2.5のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸848.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸172.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン284.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.2、アミン価2.5のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
(実施例3a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸848.0質量部と、脂環式ジアミンである4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン210.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価6.2、アミン価2.3のアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸848.0質量部と、脂環式ジアミンである4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン210.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価6.2、アミン価2.3のアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
(実施例3b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸848.0質量部と、脂環式ジアミンである4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン210.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.5、アミン価2.1のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であるモンタン酸848.0質量部と、脂環式ジアミンである4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン210.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.5、アミン価2.1のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
(実施例4a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、芳香族ジアミンであるメタキシレンジアミン136.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.9、アミン価3.8のアミド化合物を得た。そこに、酸化ポリエチレンワックスであるA−C629(Honeywell社製:商品名)25.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で1〜2時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸化5.5、アミン価0.2のワックス成分を室温まで冷却し、目的とするワックス成分を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、芳香族ジアミンであるメタキシレンジアミン136.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.9、アミン価3.8のアミド化合物を得た。そこに、酸化ポリエチレンワックスであるA−C629(Honeywell社製:商品名)25.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で1〜2時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸化5.5、アミン価0.2のワックス成分を室温まで冷却し、目的とするワックス成分を得た。
(実施例4b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって98%という高純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、芳香族ジアミンであるメタキシレンジアミン136.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.2、アミン価3.5のアミド化合物を得た。そこに、酸化ポリエチレンワックスであるA−C629(Honeywell社製:商品名)25.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で1〜2時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸化5.7、アミン価0.2のワックス成分を室温まで冷却し、目的とするワックス成分を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって98%という高純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、芳香族ジアミンであるメタキシレンジアミン136.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.2、アミン価3.5のアミド化合物を得た。そこに、酸化ポリエチレンワックスであるA−C629(Honeywell社製:商品名)25.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で1〜2時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸化5.7、アミン価0.2のワックス成分を室温まで冷却し、目的とするワックス成分を得た。
(実施例5a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、実施例1aに記載のアミド化合物100質量部と、実施例2aに記載のアミド化合物100質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃に加熱し、それぞれのアミド化合物が溶融混合しているのを確認した後、得られたアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、実施例1aに記載のアミド化合物100質量部と、実施例2aに記載のアミド化合物100質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃に加熱し、それぞれのアミド化合物が溶融混合しているのを確認した後、得られたアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
(実施例5b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、実施例1bに記載のアミド化合物100質量部と、実施例2bに記載のアミド化合物100質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃に加熱し、それぞれのアミド化合物が溶融混合しているのを確認した後、得られたアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、実施例1bに記載のアミド化合物100質量部と、実施例2bに記載のアミド化合物100質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃に加熱し、それぞれのアミド化合物が溶融混合しているのを確認した後、得られたアミド化合物を室温まで冷却し、目的とするアミド化合物を得た。
(比較例1a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン142.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.3、アミン価3.3のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン142.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.3、アミン価3.3のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例1b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン142.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価3.9、アミン価2.5のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、脂環式ジアミンである1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン142.0質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価3.9、アミン価2.5のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例2a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、多塩基酸であるセバシン酸202.0質量部と、ジアミンであるエチレンジアミン120.0質量部を加え、窒素雰囲気下、200〜280℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価6.0、アミン価2.3のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、多塩基酸であるセバシン酸202.0質量部と、ジアミンであるエチレンジアミン120.0質量部を加え、窒素雰囲気下、200〜280℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価6.0、アミン価2.3のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例2b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、多塩基酸であるセバシン酸202.0質量部と、ジアミンであるエチレンジアミン120.0質量部を加え、窒素雰囲気下、200〜280℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価6.5、アミン価2.1のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、多塩基酸であるセバシン酸202.0質量部と、ジアミンであるエチレンジアミン120.0質量部を加え、窒素雰囲気下、200〜280℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価6.5、アミン価2.1のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例3a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,1−シクロヘキサン二酢酸200.0質量部と、ジアミンであるエチレンジアミン120.0質量部を加え、窒素雰囲気下、200〜280℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.0、アミン価2.3のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,1−シクロヘキサン二酢酸200.0質量部と、ジアミンであるエチレンジアミン120.0質量部を加え、窒素雰囲気下、200〜280℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.0、アミン価2.3のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例3b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,1−シクロヘキサン二酢酸200.0質量部と、ジアミンであるエチレンジアミン120.0質量部を加え、窒素雰囲気下、200〜280℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.7、アミン価2.2のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、脂環式ジカルボン酸である1,1−シクロヘキサン二酢酸200.0質量部と、ジアミンであるエチレンジアミン120.0質量部を加え、窒素雰囲気下、200〜280℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価4.7、アミン価2.2のアミド化合物を得た。そこに、酸化防止剤である3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン3.5質量部を加えアミド化合物と溶融していることを確認後、室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例4a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、芳香族ジアミンであるメタキシレンジアミン136.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.1、アミン価3.7のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって約60%という純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、芳香族ジアミンであるメタキシレンジアミン136.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.1、アミン価3.7のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例4b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって98%という高純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、芳香族ジアミンであるメタキシレンジアミン136.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.4、アミン価3.3のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、脂肪族モノカルボン酸であって98%という高純度のステアリン酸(残余はステアリン酸以外の炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸)568.0質量部と、芳香族ジアミンであるメタキシレンジアミン136.0質量部を加え、窒素雰囲気下、170〜210℃で3〜5時間、脱水しながら縮合反応を行ってアミド化させ、酸価5.4、アミン価3.3のアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例5a)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、比較例1aに記載のアミド化合物100質量部と、比較例2aに記載のアミド化合物100質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃に加熱し、それぞれのアミド化合物が溶融混合しているのを確認した後、得られたアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、比較例1aに記載のアミド化合物100質量部と、比較例2aに記載のアミド化合物100質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃に加熱し、それぞれのアミド化合物が溶融混合しているのを確認した後、得られたアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(比較例5b)
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、比較例1bに記載のアミド化合物100質量部と、比較例2bに記載のアミド化合物100質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃に加熱し、それぞれのアミド化合物が溶融混合しているのを確認した後、得られたアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
攪拌器、温度計、分水器を備えた反応装置に、比較例1bに記載のアミド化合物100質量部と、比較例2bに記載のアミド化合物100質量部を加え、窒素雰囲気下、180〜220℃に加熱し、それぞれのアミド化合物が溶融混合しているのを確認した後、得られたアミド化合物を室温まで冷却し、本発明を適用外のアミド化合物とした。
(耐熱温度測定)
高感度示差走査熱量計Thermo Plus 2/TG8120(株式会社リガク製;商品名)を用いて、窒素雰囲気下又はair雰囲気下で、昇温速度5℃/分におけるサンプルの質量変化を、温度(時間)に対して記録した。サンプルの質量の10%が分解した時の温度を分解温度として、実施例1a〜5bと、比較例1a〜5bとの分解温度を比較した際に、分解温度が基準値(窒素雰囲気下:330℃、air雰囲気下:300℃)よりも高い場合を○、同等及び低い場合を×とした。
高感度示差走査熱量計Thermo Plus 2/TG8120(株式会社リガク製;商品名)を用いて、窒素雰囲気下又はair雰囲気下で、昇温速度5℃/分におけるサンプルの質量変化を、温度(時間)に対して記録した。サンプルの質量の10%が分解した時の温度を分解温度として、実施例1a〜5bと、比較例1a〜5bとの分解温度を比較した際に、分解温度が基準値(窒素雰囲気下:330℃、air雰囲気下:300℃)よりも高い場合を○、同等及び低い場合を×とした。
(融点測定)
高感度示差走査熱量計Thermo Plus 2/DSC8230(株式会社リガク製;商品名)を用いて、窒素雰囲気下で、昇温速度5℃/分におけるサンプルの吸熱量を測定し、融解による吸熱ピークの温度を融点とした。
高感度示差走査熱量計Thermo Plus 2/DSC8230(株式会社リガク製;商品名)を用いて、窒素雰囲気下で、昇温速度5℃/分におけるサンプルの吸熱量を測定し、融解による吸熱ピークの温度を融点とした。
耐熱温度測定結果、融点測定結果を下記表1にまとめて示す。
(ポリアミド9T樹脂を用いた流動性及びアウトガス評価)
実施例1a〜5b及び比較例1a〜5bで得られたアミド化合物をワックス成分とするワックス材料の粉末0.3質量部とポリアミド9T樹脂100質量部とをドライブレンドして成型加工用樹脂組成物とし、同方向回転二軸押出機(スクリュ径:φ25mm、L/D=41、ノズル:φ3mm×2穴)(株式会社パーカーコーポレーション製)により、押出温度:310℃、供給量:8.0kg/h、スクリュ回転数:150rpmの押出条件にて溶融混練した。樹脂混練時に押出機内にかかる負荷であるトルク値(Nm)に関して、樹脂単体を混練した時のトルク値と比較して、数値が下がれば流動性が良くなっていることを示すため、トルク値が下がったサンプルを○、トルク値に変化が無いサンプルを×として、流動性を評価した。また、押出機の出口部分から生じるアウトガスは、量が多ければアミド化合物等のワックス成分が熱分解していることを示すため、樹脂単体を混練した時と比較して、アウトガス量を評価した。
実施例1a〜5b及び比較例1a〜5bで得られたアミド化合物をワックス成分とするワックス材料の粉末0.3質量部とポリアミド9T樹脂100質量部とをドライブレンドして成型加工用樹脂組成物とし、同方向回転二軸押出機(スクリュ径:φ25mm、L/D=41、ノズル:φ3mm×2穴)(株式会社パーカーコーポレーション製)により、押出温度:310℃、供給量:8.0kg/h、スクリュ回転数:150rpmの押出条件にて溶融混練した。樹脂混練時に押出機内にかかる負荷であるトルク値(Nm)に関して、樹脂単体を混練した時のトルク値と比較して、数値が下がれば流動性が良くなっていることを示すため、トルク値が下がったサンプルを○、トルク値に変化が無いサンプルを×として、流動性を評価した。また、押出機の出口部分から生じるアウトガスは、量が多ければアミド化合物等のワックス成分が熱分解していることを示すため、樹脂単体を混練した時と比較して、アウトガス量を評価した。
(ポリアミド9T樹脂へ添加した際の離型性及び金型汚れ評価)
実施例1a〜5b及び比較例1a〜5bで得られたアミド化合物をワックス成分とするワックス材料の粉末0.3質量部とポリアミド9T樹脂100質量部とをドライブレンドして成型加工用樹脂組成物とし、310℃の押出条件に設定した同方向回転二軸押出機により溶融混練した後、ペレスタライズした。得られたペレットを乾燥後、電動式射出成形機NEX140(株式会社日精樹脂工業製)を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度140℃の条件で、1/8インチの厚みの試験片を100ショット成形し、変形状態等の成形品外観と金型からの離型性を評価した。離型性評価に関しては、成形品外観が良好で金型からの型離れが良好なサンプルを○、成形品外観が不良、及び金型からの型離れが不良なサンプルが1ショット以上みられた場合を×とした。金型汚れ評価に関しては、金型表面に白粉ないし、にごりが見えないサンプルを○、面積で0〜0.01cm2の白粉ないし、にごりが見えるサンプルを△、面積で0.01cm2以上の白粉ないし、にごりが見えるサンプルを×とした。
実施例1a〜5b及び比較例1a〜5bで得られたアミド化合物をワックス成分とするワックス材料の粉末0.3質量部とポリアミド9T樹脂100質量部とをドライブレンドして成型加工用樹脂組成物とし、310℃の押出条件に設定した同方向回転二軸押出機により溶融混練した後、ペレスタライズした。得られたペレットを乾燥後、電動式射出成形機NEX140(株式会社日精樹脂工業製)を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度140℃の条件で、1/8インチの厚みの試験片を100ショット成形し、変形状態等の成形品外観と金型からの離型性を評価した。離型性評価に関しては、成形品外観が良好で金型からの型離れが良好なサンプルを○、成形品外観が不良、及び金型からの型離れが不良なサンプルが1ショット以上みられた場合を×とした。金型汚れ評価に関しては、金型表面に白粉ないし、にごりが見えないサンプルを○、面積で0〜0.01cm2の白粉ないし、にごりが見えるサンプルを△、面積で0.01cm2以上の白粉ないし、にごりが見えるサンプルを×とした。
表1から明らかな様に、本発明を適用外の比較例よりも、本発明を適用した実施例のアミド化合物A等のワックス成分を含むワックス材料が耐熱分解性に優れていた。特に、本発明を適用したアミド化合物A等をワックス成分とするワックス材料は、一般的な成形条件であるair雰囲気下において、優れた耐熱分解性を示した。また、本発明を適用したアミド化合物A等をワックス成分とするワックス材料は、融点が低いにも拘らず優れた耐熱分解性を有することが示された。
また、表2から明らかな様に、本発明を適用した実施例のアミド化合物A等のワックス成分を含むワックス材料を含有する組成物は樹脂成形加工時の流動性、アウトガス、離型性、金型汚れにも優れていた。加えて、押出時の出口部分に蓄積してくる目ヤニの量に関しても、樹脂単体と比較して低減していた。
従って、実施例のアミド化合物A等のワックス成分を含むワックス材料を含有する組成物は幅広い加工温度域で熱可塑性樹脂に添加することが可能であり、熱可塑性樹脂に添加した成形加工用樹脂組成物の高温での成形加工時に、このアミド化合物A等のワックス成分を含むワックス材料を含有する組成物が耐熱分解性に優れることより、アミド化合物A等のワックス成分の分解による発煙や着色の発生が抑制され、アミド化合物A等のワックス成分の分解物の付着による成形加工品の外観を損なわない。その結果、成形物の外観が損なわれず、付着物を除去する必要がないので生産性の低下の恐れがないことが、示された。
本発明のアミド化合物A等のワックス成分を含むワックス材料は耐熱性、耐熱分解性に非常に優れているため、加工温度の低い熱可塑性樹脂だけでなく、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックのような加工温度の高い熱可塑性樹脂を成形加工する際の滑剤や離型剤や熱可塑性樹脂成形加工用樹脂組成物の有効成分として好適に用いられる。また、顔料やフィラーの分散剤としても利用できる。
Claims (9)
- 炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)とする酸類と炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)とするアミン類との脱水縮合物であることを特徴とするアミド化合物。
- 請求項1に記載のアミド化合物を含むアミドワックス成分が、ワックス成分として含有されていることを特徴とするワックス材料。
- 炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)とする酸類と炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)とするアミン類との脱水縮合物であるアミド化合物Aと、炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸をモル比で2モル以上及び炭素数2〜14の多塩基酸類をモル比でaモル(aは0≦a≦5)とする酸類と炭素数2〜21のジアミン類をモル比でbモル(bは1≦b≦6)とするアミン類との脱水縮合物であるアミド化合物Bとの少なくとも何れかのアミド化合物を含むアミドワックス成分の99.5〜50質量部、及びアミドワックス成分以外の共存ワックス成分の0.5〜50質量部が、ワックス成分として含有されていることを特徴とするワックス材料。
- 請求項2〜3の何れかに記載のワックス成分と酸化防止剤とが99.98〜95:0.02〜5の質量比で含有されていることを特徴とするワックス材料。
- 前記ワックス成分のアミン価が1以下であることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のワックス材料。
- 前記共存ワックス成分が、ポリオレフィン類及び/又は炭素数23〜50の飽和脂肪族モノカルボン酸類であることを特徴とする請求項3〜5に記載のワックス材料。
- 請求項2〜6の何れかに記載のワックス材料を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂成形加工用滑剤。
- 請求項2〜6の何れかに記載のワックス材料を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂成形加工用離型剤。
- 請求項2〜6の何れかに記載のワックス材料の0.02〜5質量部と、樹脂の100質量部とを、含有することを特徴とする熱可塑性樹脂成形加工用樹脂組成物。
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