JP3269856B2 - 発泡シート - Google Patents

発泡シート

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JP3269856B2
JP3269856B2 JP20256092A JP20256092A JP3269856B2 JP 3269856 B2 JP3269856 B2 JP 3269856B2 JP 20256092 A JP20256092 A JP 20256092A JP 20256092 A JP20256092 A JP 20256092A JP 3269856 B2 JP3269856 B2 JP 3269856B2
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晴彦 近藤
光博 今泉
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無架橋発泡シートに関
するものであり、カップ、トレー等の食品包装材料や簡
易容器の分野の他、断熱材、緩衝材、包装梱包材等にも
利用される。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂発泡シート(以下PSP
と略す)は、加熱二次発泡成形等によって容易に所望の
形状に成形でき、かつ得られた成形物は軽量で、機械的
強度に優れ、外観が美しく、疎水性に富み、断熱に優れ
ているために、箱、トレー、カップ等の食品包装材料や
簡易容器に使用されている。しかし、PSPは耐油性、
耐溶剤性、耐熱性、柔軟性、弾性回復性、繰り返しの緩
衝性能等に劣るため、用途が限定されている。
【0003】これらPSPの欠点を改良することを目的
にスチレン系樹脂にオレフィン系樹脂を添加した混合樹
脂の発泡が検討されている。例えば、特公昭52−34
662号公報には、低級脂肪族ケトン類等の特定の媒体
の存在下で低密度ポリエチレンとスチレン系樹脂を混合
することが、特開昭57−105428号公報には、ポ
リエチレンとスチレン系樹脂のメルトインデックス(M
I)比及びスチレン系樹脂のブレンド量を限定した技術
が開示されている。さらに、特公平2−18692号公
報には、ポリエチレンの分岐の抑制によりスチレン系樹
脂との溶融粘度差を小さくしたブレンド物の発泡材料が
開示されている。しかしながら、いずれも基本的な両樹
脂の相溶性は改善されていないため発泡後の材料物性、
特に耐衝撃性や引裂特性が著しく劣る材料となり、利用
分野が大幅に限定されてしまう。
【0004】また、本来混ざり難いスチレン系樹脂とオ
レフィン系樹脂の相溶性を改善し発泡体を得る試みもな
されている。例えば、特開昭52−121669号公報
には、ポリエチレンに含有させたスチレンを重合した後
に発泡体を得る試みがなされているが、含浸重合操作の
煩雑性やそれに伴うコストアップなどの他、両樹脂間の
相溶性は十分に改善されているとは言えない。
【0005】特開昭50−32263号公報には、スチ
レン系樹脂とオレフィン系樹脂の他に水素化されたスチ
レン−ブタジエンブロック重合体を添加することにより
相溶性を改善し発泡体を得る方法が開示されている。さ
らにこの技術は特開昭62−174237号公報によっ
てさらに具体的な限定を加えられた技術として開示され
ている。しかし、発泡シートの物性としては耐熱性、機
械物性、成形加工性に劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スチレン系
樹脂とプロピレン系樹脂の相溶性を改善し、耐油性、耐
熱性に優れた発泡シートを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にしたがえばこれ
らの課題は、 (a)ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体から選ばれるいずれか1種の
スチレン系樹脂5〜80重量%、(b)プロピレン系樹
脂20〜95重量%の合計100重量部に対して、
(c)スチレン−イソプレンブロック共重合体水素添加
樹脂3〜20重量部、(d)揮発性有機発泡剤3〜60
重量部を配合してなる樹脂組成物を押出発泡させて得ら
れる発泡シートによって解決することができる。以下、
本発明を具体的に説明する。
【0008】(a)スチレン系樹脂 本発明におけるスチレン系樹脂とは、下記の一般式で示
される構造単位を樹脂中に少なくとも25重量%以上含
有する樹脂である。
【化1】 (ここでRは水素原子またはメチル基を、Zはハロゲン
原子またはメチル基を、pは0または1〜3の整数であ
る。) 具体的には、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体などで例示されるスチ
レンおよびその誘導体の単独重合体および共重合体が挙
げられる。
【0009】スチレン系樹脂の分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ(以下GPCと略す)等の一般
的手法により求めた値で、数平均分子量(以下Mnと略
す)は、通常5,000〜400,000であり、1
0,000〜300,000のものが望ましく、とりわ
け30,000〜200,000のものが好適である。
また、重量平均分子量(以下Mwと略す)は、通常1
0,000〜1,000,000であり、50,000
〜800,000のものが望ましく、とりわけ100,
000〜500,000のものが好適である。Mnが
5,000未満か、あるいはMwが10,000未満の
スチレン系樹脂を使用すると発泡シート成形時にダイス
より押出された溶融樹脂が垂れてしまい成形が困難であ
る。また、Mnが400,000以上か、あるいはMw
が1,000,000以上のスチレン系樹脂を使用する
と、流動性が悪いために、押出成形ができず、発泡シー
ト成形が困難である。また、分子量分布の尺度として使
用されるMw/Mnは、通常1.0〜20であり、好ま
しくは1.5〜10である。
【0010】スチレン系樹脂のメルトインデックス(J
IS K7210にしたがい、条件が8で測定、以下
「MI(2)」と云う)は、通常0.005〜100g
/10分であり、0.01〜80g/10分のものが望まし
く、とりわけ0.02〜50g/10分のものが好適であ
る。MI(2)が0.005g/10分未満のスチレン系
樹脂を使用すると、流動性が悪いために押出成形ができ
ず、発泡シートの層を作ることができない。一方、10
0g/10分を超えたスチレン系樹脂を使うならば、これ
らの押出発泡シートを製造するさいにドローダウンが大
きく良好な製品を得ることができない。
【0011】(b)プロピレン系樹脂 本発明において使われるプロピレン系樹脂としては、プ
ロピレン単独重合体、プロピレンと多くとも20重量%
(好ましくは、18重量%以下、好適には15重量%以
下)のエチレンおよび/もしくは炭素数が多くとも12
個(望ましくは多くとも8個)の他のα−オレフィンを
ランダムまたはブロック共重合させることによって得ら
れる共重合体があげられる。さらに、これらプロピレン
系樹脂とエチレンの単独重合体、エチレンと炭素数が3
〜12個のα−オレフィンとの共重合体、炭素数が4〜
6個のα−オレフィンの単独重合体などとの混合物およ
び前記プロピレン系重合体どうしの混合物も含まれる。
さらに、本発明においてはこれらのプロピレン系樹脂に
少なくとも1個の二重結合を有する化合物(たとえば、
不飽和のカルボン酸、ビニルシラン化合物)をグラフト
重合することによって得られる変性プロピレン系樹脂も
含まれる。これらのプロピレン系樹脂および変性プロピ
レン系樹脂は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以
上併用してもよい。また、これらのプロピレン系樹脂お
よび変性プロピレン系樹脂のうち、2種以上を任意の割
合で樹脂ブレンドとして用いてもよい。
【0012】プロピレン系樹脂のMnは通常5,000
〜200,000であり、10,000〜150,00
0のものが望ましく、とりわけ15,000〜120,
000のものが好適である。また、Mwは通常10,0
00〜1,000,000であり、50,000〜80
0,000のものが望ましく、とりわけ100,000
〜600,000のものが好適である。Mnが5,00
0未満か、あるいはMwが10,000未満のプロピレ
ン系樹脂を使用すると、発泡シート成形の際、ダイスよ
り押出された発泡シートが自重により垂れてしまい冷却
できないため発泡シート成形自体が困難であるととも
に、他の成形法によって得られた成形品も実用的な物性
を有するものが得られない。また、Mnが200,00
0以上か、あるいはMwが1,000,000以上のプ
ロピレン系樹脂を使用すると、溶融時の流動性が悪いた
めに、押出成形ができず、組成物の混練状態も悪くな
る。さらに、Mw/Mnは、通常1.0〜20であり、
好ましくは2〜10である。
【0013】プロピレン系樹脂のメルトインデックス
(JIS K7210にしたがい、条件が14で測定、
以下「MI(1)」と云う)は、通常0.005〜10
0g/10分であり、0.01〜80g/10分のものが望
ましく、とりわけ0.02〜50g/10分のものが好適
である。MI(1)が0.005g/10分未満のプロピ
レン系樹脂を使用すると、流動性が悪いために押出成形
ができず、発泡シートの層を作ることができない。一
方、100g/10分を超えたプロピレン系樹脂を使うな
らば、これらの押出発泡シートを製造するさいにドロー
ダウンが大きく、良好な製品を得ることができない。
【0014】本発明における組成物中のスチレン系樹脂
とプロピレン系樹脂合計量中のスチレン系樹脂は5〜8
0重量%である。表面硬度と剛性はスチレン系樹脂量が
多い程高くなり、目的に合わせて量を選定することがで
きる。スチレン系樹脂の割合が5重量%未満では、発泡
シートの物性、特に剛性が低く実用に供さない。一方、
80重量%を超えると、発泡シートの耐衝撃性が低下す
るとともに耐油性も劣る。
【0015】(c)スチレン−イソプレンブロック共重
合体水素添加樹脂 本発明で用いる(c)スチレン−イソプレンブロック共
重合体水素添加樹脂はビニル芳香族化合物からなる重合
体ブロックAを少なくとも1個とイソプレン系化合物か
らなる重合体ブロックBを少なくとも1個有するブロッ
ク共重合体を水素添加することによって得られる水素添
加ブロック共重合体である。
【0016】ビニル芳香族化合物ブロックAは、スチレ
ン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等
のスチレン系化合物かまたはこれらの混合体よりなる重
合体である。イソプレン系化合物ブロックBは、イソプ
レン及びイソプレン−ブタジエン共重合体かまたはこれ
らの混合体よりなる重合体である。上記ブロック共重合
体のブロック構造は、ビニル芳香族化合物からなる重合
体ブロックAを少なくとも1個と、イソプレン系化合物
重合体ブロックBを少なくとも1個有するものであれば
特に限定されるものではない。ブロック共重合体の分子
量は、特に限定されるものではないが、一般的には5,
000〜1,000,000である。
【0017】また該ブロック共重合体のビニル芳香族化
合物含有量は、15〜90重量%である。15重量%未
満あるいは90重量%を超えるとプロピレン系樹脂とス
チレン系樹脂間の相溶性改善効果がほとんど発現せず、
組成物の成形品の物性も実用に供さないものとなってし
まう。さらに本発明のブロック共重合体は水素添加する
ことによってB成分の二重結合の70%以上が飽和され
たものであるが、70%未満ではブレンド発泡シートの
耐衝撃性が低下し、実用上好ましくない。
【0018】スチレン−イソプレンブロック共重合体水
素添加樹脂の配合量は、(a)スチレン系樹脂と(b)
プロピレン系樹脂の合計100重量部に対して3〜20
重量部である。ブロック共重合体水素添加物の配合量が
3重量部未満では、発泡シートの耐衝撃性の向上効果が
得られず、また発泡自体も独立気泡が得られないため、
外観も劣るシートしか得られない。また、20重量部を
超えると、剛性を始め機械的強度、加工性が低下するの
で好ましくない。
【0019】(d)揮発性有機発泡剤 揮発性有機発泡剤は樹脂の軟化点より低い沸点を有する
脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、フッ素化塩素化炭化
水素、脂肪族アルコール、エーテル、エステル又はこれ
らの混合物などであって、例えばブタン、塩化メチル、
塩化メチレン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリク
ロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロ
ロジフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、クロロ
ジフルオロエタン又はこれらの混合物などが好ましく用
いられる。
【0020】本発明の発泡シート成形に用いられる樹脂
組成物における前記揮発性有機発泡剤の混合割合は、
(a)スチレン系樹脂と(b)プロピレン系樹脂の合計
100重量部当り3〜60重量部の範囲で目標の密度及
び発泡倍率に対し自由に選択することができる。
【0021】本発明の発泡シート成形に用いられる樹脂
組成物には必要に応じて通常使用される気泡核形成剤を
含ませることができる。この気泡核形成剤としては、例
えばタルク、酸化ケイ素のような無機微粉末や、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムのような有機質微
粉末や、クエン酸、炭酸水素ナトリウムのような加熱に
よりガスを発生する微粉末などが用いられる。
【0022】(e)添加剤 本発明の発泡シート成形に用いられる樹脂組成物には、
必要に応じて通常スチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂
に添加される各種の添加剤たとえば造核剤、酸化防止
剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、重金属安定
剤(銅害防止剤)、着色剤などを適宜併用することがで
きる。また、本発明の組成物には、本発明の目的を著し
く損なわない範囲で、他の付加的成分たとえば無機充填
剤、難燃剤、難燃助剤などを添加することができる。
【0023】たとえば、無機充填剤としては一般に剛性
樹脂およびゴムの分野において広く使われているものが
使用できる。これらの無機充填剤としては、酸素および
水と反応しない無機化合物であり、混練時および成形時
において分解しないものが好んで用いられる。該無機充
填剤としては、アルミニウム、銅、鉄、鉛、ニッケル、
マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニ
ウム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの
金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸
塩、ケイ酸塩のごとき化合物、これらの複塩ならびにこ
れらの混合物に大別される。該無機充填剤の代表例とし
ては、前記の酸化アルミニウム(アルミナ)、その水和
物、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム(マグネシ
ア)、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、鉛丹
および鉛白のごとき鉛の酸化物、炭酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ホワイトカー
ボン、アスベスト、マイカ、タルク、ガラス繊維、ガラ
ス粉末、ガラスビーズ、クレー、ケイソウ土、シリカ、
ワラストナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン
(チタニア)、リトポン、軽石粉、硫酸アルミニウム
(石膏など)、ケイサンジルコニウム、酸化ジルコニウ
ム、炭酸バリウム、ドロマイト、二硫化モリブデンおよ
び砂鉄があげられる。これらの無機充填剤のうち、粉末
状のものはその径が20μm以下(好適には10μm以
下)のものが好ましい。また繊維状のものでは、径が1
〜500μm(好適には1〜300μm)であり、長さ
が0.1〜6mm(好適には0.1〜5mm)のものが望ま
しい。さらに、平板状のものは径が30μm以下(好適
には10μm以下)のものが好ましい。これらの無機充
填剤のうち、特に平板状(フレーク状)のものおよび粉
末状のものが好適である。
【0024】なお、無機充填剤を配合する場合、樹脂組
成物と無機充填剤との合計量中に占める無機充填剤の配
合割合は、一般には多くとも80重量%であり、70重
量%以下が好ましく、特に60重量%以下が好適であ
る。これらの合計量中に占める無機充填剤の配合割合が
80重量%を超えるならば、発泡シートに成形する押出
成形が難しく良好なシートが得られない。
【0025】(f)製造方法 本発明の発泡シート成形に用いられる樹脂組成物の製造
方法は特に制限はないが、例えば揮発性有機発泡剤以外
の各配剛性分の所定量をヘンシェルミキサー(商品
名)、スーパーミキサーなどの混合装置にいれて、数分
間撹拌混合し、該混合物をロール、バンバリーミキサ
ー、コニーダー、単軸もしくは2軸の押出機などで溶融
混練温度180〜300℃、より好ましくは190〜2
50℃で溶融混練しペレット化し、揮発性有機発泡剤を
高温、高圧下に混合することによって製造される。
【0026】このとき、スチレン系樹脂とスチレン−イ
ソプレン共重合体水素添加樹脂の2成分のみあらかじめ
溶融ブレンドし、その後、プロピレン系樹脂をドライブ
レンドしたものに揮発性有機発泡剤を混合してもよい。
【0027】さらに、揮発性有機発泡剤以外の各配合成
分を押出成形機の樹脂供給口より供給し、揮発性有機発
泡剤は押出成形機の先端に取りつけた発泡剤注入口より
供給し、押出成形機内部で樹脂組成物を形成し、そのま
ま押出成形してもよい。
【0028】発泡シートを製造するには、上記樹脂組成
物を押出成形機からシート状に押出発泡させることによ
り行うことができる。
【0029】以上のようにして得られた発泡シートを加
熱二次発泡成形するには、発泡シートを加熱炉に入れ
て、軟化、二次発泡させた後、加熱炉から出し、直ちに
金型でプレス成形して成形品にするのが一般的である
が、特に限定されるものではない。
【0030】各発泡シートの発泡倍率は、見掛け密度で
原料樹脂の密度を割ることで求めることができる。本発
明の発泡シートの発泡倍率は1.1〜50倍の広範囲で
の実施が可能であり、この範囲はPSPと同等レベルに
ある。発泡シートの風合いは発泡倍率により制御可能で
あり、PSPとは異なる独特のものが得られる。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例等により限定され
るものではない。なお、実施例及び比較例において用い
た評価方法は以下の通りである。
【0032】1)見掛け密度 JIS K6767に準拠して発泡シートの密度を求め
た。
【0033】2)耐油性 各発泡シートをサラダ油中に浸漬(23℃、3日間)し
た後、外観、特にクラックの発生や膨潤状態を○、×に
て評価した。○はクラックの発生が全く見られず、膨潤
していないものとし、×は少しでもクラックや膨潤が観
察されたものとした。
【0034】3)耐熱性 各発泡シートを100℃に保持された鉛/錫=90/1
0(重量比)であるハンダ浴に60秒浮べて外観変化及
び収縮状態を○、×にて評価した。○は外観変化はな
く、収縮も全く見られないものとし、×は収縮等の変形
や変色が観察されたものとした。
【0035】また、実施例及び比較例において使用した
樹脂の混合物は下記のものである。スチレン系樹脂とし
てMFR(200℃、荷重5kgf)が1.5g/10分
のスチレン単独重合体を40重量%と、プロピレン系樹
脂としてMFR(230℃、荷重2.16kgf)が
2.5g/10分のプロピレン単独重合体を60重量%と
の100重量部に対して、スチレン−イソプレン共重合
体水素添加樹脂としてスチレン−イソプレントリブロッ
ク共重合体水素添加物(スチレン量40重量%)を7重
量部を配合した混合物〔以下、「混合物(1)」と言
う〕。
【0036】スチレン系樹脂としてMFR(200℃、
荷重5kgf)が1.5g/10分のスチレン単独重合体
を40重量%と、プロピレン系樹脂としてMFR(23
0℃、荷重2.16kgf)が3.5g/10分のエチレ
ン−プロピレンブロック共重合体(エチレン量5重量
%)を60重量%との100重量部に対して、スチレン
−イソプレン共重合体水素添加樹脂としてスチレン−イ
ソプレントリブロック共重合体水素添加物(スチレン量
40重量%)を7重量部を配合した混合物〔以下、「混
合物(2)」と言う〕。
【0037】スチレン系樹脂としてMFR(200℃、
荷重5kgf)が1.5g/10分のスチレン単独重合体
を40重量%と、プロピレン系樹脂としてMFR(23
0℃、荷重2.16kgf)が2.5g/10分のプロピ
レン単独重合体を60重量%との混合物〔以下、「混合
物(3)」と言う〕。
【0038】「混合物(1)」において、スチレン−イ
ソプレン共重合体水素添加樹脂の代わりにスチレン−ブ
タジエントリブロック共重合体水素添加物(スチレン量
40重量%)を使用した他は全く同様にして作成した混
合物〔以下、「混合物(4)」と言う〕。
【0039】実施例1,2、比較例1〜3 前記混合物(1)〜(4)にそれぞれタルクを1.0重
量部をあらかじめ混合し、40mmφの押出機に供給
し、210℃で溶融混練しながら、押出機の先端に取り
付けた発泡剤注入口よりシクロロジルフオロメタンと塩
化メチレンを7対3のモル比からなる混合発泡剤を連続
的に注入して、サーキュラー状ダイスより押出して発泡
シートを成形した。得られた発泡シート及び市販のPS
Pの見掛け密度、耐油性、耐熱性を評価した。それらの
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によって得られる発泡シートは下
記のごとき効果(特徴)を発揮する。 (1)PSP並の発泡倍率の発泡シートが得られる。 (2)プロピレン系樹脂成分の存在により、PSPの短
所であった耐油性や耐熱性が大幅に改善される。 (3)スチレン系樹脂成分の量により、任意の硬度が得
られ、風合いが優れかつ剛性の高い発泡シートが得られ
る。
【0042】本発明の発泡シートはあらゆる産業分野で
利用することができる。代表的な利用分野(用途)を下
記に示す。 (1)包装材として耐熱・耐油性が要求される食品包装
用カップ、トレー、容器。 (2)断熱材として、建築分野、自動車、電車、船舶な
どの内装材、冷凍食品容器、各種パイプカバー。 (3)構造材として、建築物の壁、間仕切り、サンダ
ル、靴底など。 (4)その他として、浮揚材、布紙代用材、各種容器の
パッキング材、ケーブルなどの被覆材、各種スポーツ用
品、玩具などの雑貨物。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/14 C08L 23/10,25/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレ
    ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
    ブタジエン−アクリロニトリル共重合体から選ばれるい
    ずれか1種のスチレン系樹脂5〜80重量%、(b)プ
    ロピレン系樹脂20〜95重量%の合計100重量部に
    対して、(c)スチレン−イソプレンブロック共重合体
    水素添加樹脂3〜20重量部、(d)揮発性有機発泡剤
    3〜60重量部を配合してなる樹脂組成物を押出発泡さ
    せて得られる発泡シート。
JP20256092A 1992-07-29 1992-07-29 発泡シート Expired - Lifetime JP3269856B2 (ja)

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