JP2005220152A - 変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び変性ポリオレフィン樹脂 - Google Patents

変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び変性ポリオレフィン樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】 原料として用いられるポリオレフィン樹脂の分子量に比べて、製造される変性ポリオレフィン樹脂の分子量の低下が少なく、グラフト量が多く、かつ塗装性、特に水系塗料での塗装性に優れる変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂を提供する。
【解決手段】 下記の(A)100重量部に対して、(B)0.1〜20重量部と(C)0.01〜20重量部とを配合し溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂。
(A)ポリオレフィン樹脂
(B)下記の構造式(1)で表される化合物
(C)半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物
Figure 2005220152

【選択図】 なし

Description

本発明は、変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂に関するものである。更に詳しくは、原料として用いられるポリオレフィン樹脂の分子量に比べて、製造される変性ポリオレフィン樹脂の分子量の低下が少なく、グラフト量が多く、かつ塗装性、特に水系塗料での塗装性に優れる変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂に関するものである。
ポリオレフィン樹脂は、比較的安価で、かつ良好な成形性、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性や外観を有することから、多くの分野で使用されており、例えば、ポリオレフィン樹脂と極性基を有する異種ポリマーとを配合したポリマーアロイとしても使用されている。
そして、ポリマーアロイの耐衝撃性や機械的強度を改良するため、ポリマーアロイからなる成形品の表面剥離を防止するため、また、接着性、塗装性、印刷性等を改良するために、有機過酸化物等のラジカル発生剤の存在下に、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体等をポリオレフィン樹脂にグラフト変性させて、ポリオレフィン樹脂を改質する方法が知られている。
例えば、特開平6−345829号公報には、機械的物性の低下が少なく、かつ塗装性、接着性などの優れた変性プロピレン系重合体を製造する方法として、プロピレン系重合体と、分子内に少なくとも1個の不飽和結合を有し、かつヒドロキシル基を含有する有機化合物と、スチレン系単量体と一般的な有機過酸化物の混合物を加熱処理する変性プロピレン系重合体の製造方法が記載されている。
また、特開平7−173229号公報には、ポリオレフィンの分解を抑えると共に不飽和カルボン酸のグラフト率を向上させることができる方法として、ポリオレフィンに、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体とジビニルベンゼンとを存在させる不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンの製造方法が記載されている。
そして、特開2002−308947号公報には、酸のグラフト量が多く、かつ生産性の優れた酸変性ポリプロピレン樹脂の製造方法として、ポリプロピレン樹脂に、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と半減期1分となる分解温度が異なる2種の有機過酸化物を配合して溶融混練する酸変性ポリプロピレン樹脂の製造方法が記載されている。
特開平6−345829号公報 特開平7−173229号公報 特開2002−308947号公報
上記の背景技術において、上記の各公報に記載されている変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂については、原料として用いられるポリオレフィン樹脂の分子量に比べて、製造される変性ポリオレフィン樹脂の分子量の低下が少なくし、グラフト量が多くし、かつ塗装性、特に水系塗料での塗装性を改良するということが求められていた。
そして、本発明の目的は、原料として用いられるポリオレフィン樹脂の分子量に比べて、製造される変性ポリオレフィン樹脂の分子量の低下が少なく、グラフト量が多く、かつ塗装性、特に水系塗料での塗装性に優れる変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、本発明が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
下記の(A)100重量部に対して、(B)0.1〜20重量部と(C)0.01〜20重量部とを配合し溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂に係るものである。
(A)ポリオレフィン樹脂
(B)下記の構造式(1)で表される化合物
(C)半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物
Figure 2005220152
(構造式(1)において、R1は水素原子または炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜20個のアルキレン基を表す。)
本発明によって、原料として用いられるポリオレフィン樹脂の分子量に比べて、製造される変性ポリオレフィン樹脂の分子量の低下が少なく、グラフト量が多く、かつ塗装性、特に水系塗料での塗装性に優れる変性ポリオレフィン樹脂の製造方法及び、該方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂を得ることができる。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(成分(A))としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、水素添加ブロック共重合体である。
エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体で用いられるα−オレフィンとしては、炭素数が4〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレンおよびα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とプロピレンとからなるプロピレン系共重合体(以下、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、またはプロピレン−エチレン−α−オレフィンブロック共重合体と呼ぶ。)等が挙げられる。また、プロピレン系重合体としては、上記の重合体をブレンドして得られる混合物であっても良い。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体またはプロピレン−エチレン−α−オレフィンブロック共重合体で用いられるα−オレフィンとしては、炭素数が4〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体としては、例えば、ブロピレン−1−ブテンランダム共重合体、ブロピレン−1−ブテンブロック共重合体等が挙げられる。
プロピレン−エチレン−α−オレフィンブロック共重合体としては、例えば、ブロピレン−エチレン−1−ブテンブロック共重合体等が挙げられる。
ブテン系重合体としては、1−ブテン単独重合体等が挙げられる。
水素添加ブロック共重合体としては、芳香族ビニル化合物重合体ブロック(L)を少なくとも1個と、共役ジエン重合体ブロック(M)を少なくとも1個とを有し、芳香族ビニル化合物含有量が15〜85重量%であり、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも70%が水素添加されており、下記の構造式(3)で表される構造を有する水素添加ブロック共重合体である。
(L−M)n−L−(M−L)n (3)
(構造式(3)において、nは1〜10の整数である。)
芳香族ビニル化合物重合体ブロック(L)は、スチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンからなる芳香族ビニル化合物類から選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル化合物からなる重合体であり、好ましくはスチレンおよびα−メチルスチレンから選ばれる少なくとも1種の芳香族ビニル化合物からなる重合体であり、より好ましくはスチレンからなる重合体である。
共役ジエン重合体ブロック(M)は、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンおよび4−エチル−1,3−へキサジエンからなる共役ジエン類から選ばれる少なくとも1種の共役ジエンからなる重合体、または、上記の共役ジエン類と上記の芳香族ビニル化合物類からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体である。好ましくは、1,3−ブタジエンおよびイソプレンから選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体である。
なお、共役ジエン重合体ブロック(M)が1,3−ブタジエンからなる重合体である場合、1,3−ブタジエンからなる重合体を水素添加すると、1,4結合で重合した部分からはエチレンが生成し、1,2結合で重合した部分からはブチレンが生成し、エチレンブチレン共重合体になる(SEBS)。エチレンブチレン共重合体におけるエチレンに対するブチレンの比や、エチレンブチレン共重合体の製造に用いられる重合形式については、特に制限はない。
本発明で用いられる成分(B)は、下記の構造式(1)で表される化合物である。
Figure 2005220152
(構造式(1)において、R1は水素原子または炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜20個のアルキレン基を表す。)
上記の構造式(1)で表される化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。
本発明で用いられる上記の構造式(1)で表される化合物(成分(B))の添加量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。
添加量が過少である場合、ポリオレフィン樹脂への上記の構造式(1)で表される化合物(成分(B))のグラフト量が低下することがある。また、添加量が過多である場合、変性ポリオレフィン樹脂中に含まれる未反応の上記の構造式(1)で表される化合物(成分(B))が多くなることがあり、例えば、水系塗料での塗装用途に使う場合に、濡れ性に関して十分な効果が得られないことがある。
本発明で用いられる成分(C)は、半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物であり、好ましくは該分解温度が70〜110℃である有機過酸化物である。また、この有機過酸化物(成分(C))としては、分解してラジカルを発生した後、ポリオレフィン樹脂からプロトンを引き抜く作用がある有機過酸化物が好ましい。
分解温度が低すぎる場合、ポリオレフィン樹脂への上記の構造式(1)で表される化合物(成分(B))のグラフト量が向上しないことがあり、分解温度が高すぎる場合、安定生産ができなくなることがある。
半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物(成分(C))としては、パーカボネート化合物(下記の構造式(2)で表される構造を分子骨格中に有する化合物(I))等が挙げられる。
Figure 2005220152
パーカボネート化合物(下記の構造式(2)で表される構造を分子骨格中に有する化合物(I))としては、例えば、ジセチル パーオキシジカルボネート、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、t−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート等が挙げられる。
本発明で用いられる半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物(成分(C))として、パーカボネート化合物(下記の構造式(2)で表される構造を分子骨格中に有する化合物(I))は、分解してラジカルを発生した後、ポリオレフィン樹脂からプロトンを引き抜く作用を有することから好ましい。
本発明で用いられる半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物(成分(C))の添加量は、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部である。添加量が過少である場合、ポリオレフィン樹脂への成分(B)のグラフト量が低下することがある。また、添加量が過多である場合、ポリオレフィン樹脂の分解が促進されることがある。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法において、必要に応じて、特に、ポリオレフィン樹脂への成分(B)のグラフト量を向上させるために、半減期が1分になる時の分解温度が150〜200℃である有機過酸化物(成分(D))を添加しても良い。さらに、ポリオレフィン樹脂への成分(B)のグラフト量を向上させるためには、半減期が1分になる時の分解温度が160〜195℃である有機過酸化物を添加することが好ましい。
半減期が1分になる時の分解温度が150〜200℃である有機過酸化物(成分(D))としては、例えば、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ベルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
半減期が1分になる時の分解温度が150〜200℃である有機過酸化物(成分(D))を用いる場合、その添加量として好ましくは、ポリオレフィン樹脂(A)100重量部に対して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.01〜1.0重量部である。上記の成分(D)の添加量が過多である場合、成分(C)の添加量が過多である場合と同様に、ポリオレフィン樹脂の分解が促進されることがある。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法においては、必要に応じて、スチレンやジビニルベンゼン等の電子供与性化合物を添加することが可能である。また、一般にポリオレフィン樹脂に添加される公知の物質、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、中和剤等を添加することも可能である。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法において採用される樹脂同士を混合する方法、または、樹脂と固体もしくは液体の添加物を混合する方法としては、公知の各種の方法を採用することが可能である。
好ましい混合方法の例としては、例えば、本発明で用いられる各成分の全部、または、いくつかを組み合わせて別々に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等によって十分に予備混合して均一な混合物とした後、該混合物を溶融混練する方法等が挙げられる。
溶融混練の手段としては、従来から公知の溶融混練の手段を広く採用することが可能であり、例えば、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸の押出機等によって溶融混練する手段が挙げられる。
特に好ましくは、連続生産が可能であり、生産性が向上するという観点から、一軸又は二軸の押出機を用い、予め十分に予備混合したポリオレフィン樹脂と成分(B)と有機過酸化物(成分(C))を(さらに、必要に応じて雄貴過酸化物(成分(D))を)押出機の供給口から供給して溶融混練を行う方法である。
押出機において混練が行われる部分の温度は(例えば、押出機の場合、シリンダー温度である。)、ポリオレフィン樹脂への成分(B)のグラフト量を向上させるという観点、また、ポリオレフィン樹脂の分解を抑えるという観点から、通常50〜300℃であり、好ましくは100〜270℃である。
特に、押出機において混練が行われる部分の温度としては、混練を前半と後半の二段階に分け、前半の温度より後半の温度を高く設定することが好ましい。前半の好ましい温度は50〜200℃であり、後半の好ましい温度は150〜300℃である。
混練時間は、ポリオレフィン樹脂への成分(B)の十分なグラフト量を得るという観点、または、ポリオレフィン樹脂の分解を抑えるという観点から、通常0.1〜30分間であり、特に好ましくは0.5〜5分間である。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
[評価用サンプルの調製法]
実施例及び比較例における評価用サンプルの製造には、東洋精機製二軸押出機2D25−S(L/D=25、シリンダー径=20mm)を用いた。シリンダー温度は前半と後半の二段階に分け、前半を180℃、後半を260℃に設定し、スクリュー回転数は70rpmで行った。
実施例及び比較例における評価方法を以下に示す。
(1)MI(メルトインデックス、単位:g/10分)
JIS K7210に従って、温度230℃、荷重21.2Nで測定した。
(2)グラフト量(単位:重量%)
サンプル1.0gをキシレン10mlに溶解した。サンプルの溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収した。回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μmのフイルムを作成した。この作成したフイルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1730cm-1付近の吸収からグラフト量を定量した。
(3)接触角(単位:°)
成形品上に0.4mlのイオン交換水を落とし、滴下して30秒後に接触角を界面張力計で測定した。
実施例1
MI=0.5のプロピレン単独重合体(A−1)100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B−1)3.0重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート(C)0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部、スチレン(E)3.0重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。更にこのサンプルを230℃でプレス成形して、本成形品で塗装性の指標となる濡れ性を見るため水との接触角測定を行った。評価結果を表1に示した。
実施例2
MI=0.4のエチレン−プロピレンブロック共重合体(A−2)100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B−1)3.0重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート(C)0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部、スチレン(E)3.0重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。更にこのサンプルを230℃でプレス成形して、本成形品で塗装性の指標となる濡れ性を見るため水との接触角測定を行なった。評価結果を表1に示した。
実施例3
MI=0.4のエチレン−プロピレンブロック共重合体(A−2)100重量部に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)3.0重量部、ジセチル パーオキシジカルボネート(C)0.50重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部、スチレン(E)3.0重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
実施例4
実施例3記載の2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)を2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(B−3)に変更した以外は、実施例3記載の方法と同じ方法でサンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
実施例5
実施例3記載の2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)を2−ヒドロキシプロピルアクリレート(B−4)に変更した以外は、実施例3記載の方法と同じ方法でサンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
実施例6
実施例3記載の2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)を2−ヒドロキシブチルメタクリレート(B−5)に変更した以外は、実施例3記載の方法と同じ方法でサンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
実施例7
実施例3記載の2−ヒドロキシエチルアクリレート(B−2)を2−ヒドロキシブチルアクリレート(B−6)に変更した以外は、実施例3記載の方法と同じ方法でサンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
比較例1
MI=0.5のプロピレン単独重合体(A−1)100重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(B−1)3.0重量部、1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(D)0.15重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量部、スチレン(E)3.0重量部を添加して十分に予備混合後、二軸押出機の供給口より供給して混練を行い、サンプルを得た。条件及び評価結果を表1に示した。
比較例2
MI=0.5のプロピレン単独重合体(A−1)を230℃でプレス成形して、本成形品で水との接触角測定を行なった。評価結果を表1に示した。
比較例3
MI=0.4のエチレン−プロピレンブロック共重合体(A−2)を230℃でプレス成形して、本成形品で水との接触角測定を行なった。評価結果を表1に示した。
実施例1〜7で用いた成分(C)および成分(D)としては、それぞれ、次の有機過酸化物を用いた。
C:ジセチル パーオキシジカルボネート(活性酸素量が2.8%、半減期が1分となる温度=99℃)
D:1,3−ビス(t−ブチル パーオキシイソプロピル)ベンゼン(活性酸素量が9.3%、半減期が1分となる温度=183℃)
Figure 2005220152
表1に示した結果から、実施例1〜7はいずれも、原料として用いられるポリオレフィン樹脂の分子量に比べて、製造される変性ポリオレフィン樹脂の分子量の低下が少なく、グラフト量が多く、かつ接触角が低下していることから親水性を示し、特に水系塗料での塗装性に優れる変性ポリオレフィン樹脂であることが分かる。

Claims (4)

  1. 下記の(A)100重量部に対して、(B)0.1〜20重量部と(C)0.01〜20重量部とを配合し溶融混練する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
    (A)ポリオレフィン樹脂
    (B)下記の構造式(1)で表される化合物
    (C)半減期が1分になる時の分解温度が50〜115℃である有機過酸化物
    Figure 2005220152
    (構造式(1)において、R1は水素原子または炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜20個のアルキレン基を表す。)
  2. (C)が下記の構造式(2)で表される構造を分子骨格中に有する有機過酸化物である請求項1記載の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
    Figure 2005220152
  3. 押出機を用いて溶融混練する請求項1または2に記載の変性ポリオレフィン樹脂の製造方法であって、溶融混練を行う部分を前半と後半の二段階に分け、前半の溶融混練の温度を50〜200℃に設定し、後半の溶融混練の温度を150〜300℃に設定し、前半より後半の溶融混練の温度を高く設定する変性ポリオレフィン樹脂の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって製造される変性ポリオレフィン樹脂。
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