JP3571028B2 - 熱可塑性架橋ゴム組成物 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、熱可塑性架橋ゴム組成物に関するものである。更に詳しくは、外観、感触、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度に優れた熱可塑性架橋ゴム組成物に関するものである。
従来技術
ラジカル架橋性エラストマーとポリプロピレン(PP)等のラジカル架橋性のない樹脂とをラジカル開始剤の存在下、押出機中で溶融混練させながら架橋する、いわゆる動的架橋による熱可塑性エラストマー組成物は、既に公知の技術であり、自動車部品等の用途に広く使用されている。
このようなゴム系組成物として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)により製造されたオレフィン系エラストマー(特開平8−120127号公報、特開平9−137001号公報)を用いる動的架橋技術を用いて得られたものが知られているが、耐傷つき性に劣り、必ずしも市場では満足されていない。
一方、飽和ゴムを用いた動的架橋技術として例えば、オレフィン系共重合ゴムを主体として、水添ジエン系ゴムを補助的に使用し、更に結晶性α−オレフィン系重合体、エチレン系重合体、軟化剤を配合した動的架橋エラストマー組成物(特開平9−302156号公報)、ポリオレフィン系樹脂、共役ジエン−芳香族ビニル単量体のランダム共重合体又はブロック共重合体を架橋剤の存在下に溶融混合して得られた熱可塑性エラストマー組成物(特開平3−2240号公報)が知られている。上記組成物は機械的強度、耐傷つき性、外観及び熱・光安定性が必ずしも充分でないために、実用的使用に耐えるゴム組成物が求められている。
発明の開示
本発明は、このような現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち外観、感触、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度に優れた熱可塑性架橋ゴム組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者等はゴム組成物の改良を鋭意検討した結果、特定の結晶性を有する水素添加ゴムを用いることにより、驚くべきことに外観、感触、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度が飛躍的に向上することを見出した。
即ち本発明は、(A)少なくとも一種の共役ジエン系単量体の単独重合体ゴム、又は共役ジエン系単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とからなるランダム共重合体ゴムの全二重結合の50%以上が水素添加されてなる水素添加ゴム 1〜99重量部、及び(B)熱可塑性樹脂 1〜99重量部[(A)と(B)の合計量が100重量部]を架橋してなる熱可塑性架橋ゴム組成物であって、示差走査熱量測定法(DSC法)での該(A)の結晶化温度が、−50〜70℃の範囲にあり、かつ結晶化ピーク熱量が3〜100J/gの範囲にある上記熱可塑性架橋ゴム組成物を提供するものである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明の組成物は、(A)特定の結晶性を有する水素添加ゴムと(B)熱可塑性樹脂とを架橋してなる熱可塑性架橋ゴム組成物である。
ここで、(A)は全二重結合の50%以上が水素添加されていることが重要である。水素添加率が50%未満では熱安定性、光安定性が低下する。
また、共役ジエン系単量体単位を水素添加して生成したエチレン、芳香族ビニル単量体単位又はその他の構成単位の連鎖構造はランダムであることが好ましく、(A)が例えば芳香族ビニルブロック単位と水素添加された共役ジエンブロック単位からなる場合は、芳香族ビニルブロック単位のために架橋反応が抑制され、得られたエラストマ−組成物の機械的強度が劣る。また水素添加された共役ジエンの中で、連続したエチレン連鎖が多量に存在する場合には、架橋反応が急激に進行し、架橋ゴムの凝集が発生するために、得られた熱可塑性架橋ゴムの外観及び機械的強度が低下する。
そして、示差走査熱量測定法(DSC法)において、(A)の結晶化温度が−50〜70℃の範囲にあり、好ましくは−30〜50℃の範囲にあり、更に好ましくは20〜50℃の範囲にある。そして、(A)の結晶化ピーク熱量が3〜100J/gの範囲にあり、好ましくは3〜50J/gの範囲にあり、更に好ましくは5〜40J/gの範囲にある。上記範囲の結晶化温度と結晶化ピーク熱量を有する水素添加ゴムの場合は、感触に優れ、かつ外観、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度が向上することを見出し、本発明を完成した。
以下に本発明の各成分について詳細に説明する。
本発明において、(A)は、少なくとも一種の共役ジエン単独重合体、又は共役ジエン系単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とからなるランダム共重合体ゴムの水素添加ゴムであり、必要に応じて、例えば、オレフィン系、メタクリル酸、エステル系、アクリル酸エステル系、不飽和ニトリル系、塩化ビニル系単量体等の、共役ジエンと共重合可能な単量体の単位を含ませることができる。
上記共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等を挙げることができ、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンが最も好ましい。
また前記芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等を挙げることができ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。上記芳香族単量体は一種又は二種以上併用することができる。
(A)中の芳香族ビニル単量体の量は、0〜80重量%が好ましく、更に好ましくは0〜50重量%、最も好ましくは0〜30重量%である。
本発明において、水素添加前の(A)の共役ジエン単量体部分のビニル結合は、分子内に均一に存在していても、分子鎖に沿って増減又は減少してもよいし、又はビニル結合含有量の異なった複数個のブロックを含んでいてもよい。芳香族ビニル単量体単位又は前記共役ジエン単量体と共重合可能な単量体の単位を含む場合は、これらの単量体単位は上記共役ジエン単量体部分の中でランダムに結合するが、本発明のDSCによる結晶性に関する要件を満足する範囲内で、ブロック状の芳香族ビニル単量体単位又はその他の単量体単位を含んでもよい。ブロック状の芳香族ビニル重合体単位の含有率は、全芳香族ビニル単量体単位中20重量%以下が好ましく、更に好ましくは10重量%以下である。
前記(A)水素添加ゴムの水素添加前のゴムの全二重結合は、その50%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上が水素添加され、そして主鎖の残存二重結合が5%以下、側鎖の残存二重結合が5%以下であることが好ましい。このようなゴムの具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等のジエン系ゴム、又はポリ(スチレン−ブタジエン)等の共重合ジエン系ゴムを部分的又は完全に水素添加したゴム状重合体を挙げることができ、特に水素添加ブタジエン系、水素添加ポリ(スチレン−ブタジエン)系、又は水素添加イソプレン系ゴムが好ましい。
本発明における二重結合の水素添加は、共役ジエン系単量体単位についてであり、芳香族ビニル単量体単位については適用されない。
このような水素添加ゴム(A)は、上述のゴムを公知の水素添加方法で部分水素添加することにより得られる。例えば、F.L.Ramp,etal,J.Amer.Chem.Soc.,83,4672(1961)記載のトリイソブチルボラン触媒を用いて水素添加する方法、Hung Yu Chen,J.Polym.Sci.Polym.Letter Ed.,15,271(1977)記載のトルエンスルホニルヒドラジドを用いて水素添加する方法、あるいは特公昭42−8704号公報に記載の有機コバルト−有機アルミニウム系触媒または有機ニッケル−有機アルミニウム系触媒を用いて水素添加する方法等を挙げることができる。ここで、特に好ましい水素添加の方法は、低温、低圧の温和な条件下で水素添加が可能な触媒を用いる特開昭59−133203号、特開昭60−220147号公報、あるいは不活性有機溶媒中にて、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物と、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子又はセシウム原子を有する炭化水素化合物とからなる触媒の存在下に水素と触媒させる特開昭62−207303号公報に示される方法である。
また、(A)の結晶性の指標である結晶化温度又は結晶化ピーク熱量の制御は、テトラヒドロフラン等の極性化合物の添加又は重合温度の制御により行う。結晶化ピーク熱量の低下は、極性化合物を増量するか、又は重合温度を低下させて、1,2−ビニル結合を増大させることにより達成される。
そして、水素添加ゴム(A)の100℃で測定したムーニー粘度(ML)は20〜150、25℃における5重量%スチレン溶液粘度(5%SV)は、20〜300センチポイズ(cps)の範囲にあることが好ましい。特に好ましい範囲は25〜150cpsである。
本発明において、複数の水素添加ゴムを用いることが好ましい。特に芳香族ビニル単量体単位の量が5重量%以下である水素添加ゴム(A−1)と芳香族ビニル単量体単位の量が5重量%以上、90重量%以下である水素添加ゴム(A−2)とからなり、(A−1)及び(A−2)中の芳香族ビニル単量体単位の両者の差が5重量%以上である場合には、外観、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度の向上効果が高くなる。(A−1)と(A−2)からなる水素添加ゴム中の(A−2)は、1〜99重量%が好ましく、更に好ましくは10〜99重量%、最も好ましくは20〜80重量%である。
本発明において(B)熱可塑性樹脂は、(A)と均一分散し得るものであれば特に制限はない。たとえば、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用することができる。特に熱可塑性樹脂としてプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂及び/又はスチレン系樹脂が好ましい。
本発明で最も好適に使用されるプロピレン系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのアイソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含む)等が挙げられる。
本発明において、(B)の中でも、(B−1)エチレンとプロピレンとのランダム共重合樹脂等のプロピレン系ランダム共重合樹脂単独又は、(B−1)と(B−2)プロピレン系ブロック共重合樹脂又はホモポリプロピレン系樹脂との組み合わせが好ましい。このような(B−1)架橋型オレフィン系樹脂と(B−2)分解型オレフィン系樹脂の二種のオレフィン系樹脂を組み合わせることにより、外観と機械的強度が更に向上する。
(B−1)として、例えばエチレンとプロピレンのランダム共重合樹脂を挙げることができ、エチレン成分がポリマー主鎖中に存在する場合は、それが架橋反応の架橋点となり、架橋型オレフィン系樹脂の特性を示す。
(B−2)はα−オレフィンが主成分であり、ポリマー主鎖中にエチレン単位を含まないことが好ましい。但し、プロピレン系ブロック共重合樹脂のようにエチレン−αオレフィン共重合体が分散相として存在する場合は、分解型オレフィン系樹脂の特性を示す。
(B)は複数個の(B−1)、(B−2)成分の組み合わせでもよい。
(B−1)の中で最も好ましいプロピレン単位を主体としたα−オレフィンとのランダム共重合樹脂は、高圧法、スラリー法、気相法、塊状法、溶液法等で製造することができ、重合触媒としてZiegler-Natta触媒、シングルサイト、メタロセン触媒が好ましい。特に狭い組成分布、分子量分布が要求される場合には、メタロセン触媒を用いたランダム共重合法が好ましい。
ランダム共重合樹脂の具体的製造法は、欧州特許0969043A1又は米国特許5198401に開示されており、液状プロピレンを攪拌機付き反応器に導入した後に、触媒をノズルから気相又は液相に添加する。次で、エチレンガス又はα−オレフィンを反応器の気相又は液相に導入し、反応温度、反応圧力をプロピレンが還流する条件に制御する。重合速度は触媒濃度、反応温度で制御し、共重合組成はエチレン又はα−オレフィンの添加量により制御する。
また、本発明にて好適に用いられるオレフィン系樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g/10分(230℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ましく用いられる。100g/10分を超えると、熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度が不十分であり、また0.1g/10分より小さいと流動性が悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
本発明において、(A)と(B)の合計量100重量部の中で、(B)は、1〜99重量部であり、好ましくは10〜90重量部、更に好ましくは20〜80重量部であり、最も好ましくは30〜70重量部である。1重量部未満では組成物の流動性、加工性が低下傾向にあり、一方、99重量部を超えると組成物の柔軟性が低下傾向にある。
本発明において、(B)の中で好ましい熱可塑性樹脂の一つのスチレン系樹脂は、ゴム非変性スチレン系樹脂及び/又はゴム変性スチレン系樹脂である。
上記ゴム非変性スチレン系樹脂は、(A)の中で記載した芳香族ビニル単量体の単独重合体又は二種以上の共重合体であり、更に必要に応じて、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体、炭素数が1〜8のアルキル基からなるアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、あるいはアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量体の共重合体である。
また、ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム非変性スチレン系樹脂よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなる樹脂をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体及び必要に応じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の重合に付すことにより得られる。
このようなゴム変性スチレン系樹脂の例としては、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げられる。
(B)としての好ましい組み合わせとして、ポリエチレン単独、ポリプロピレン単独、ポリスチレン単独、ポリプロピレンとポリエチレンとの併用、ポリプロピレンとポリスチレンとの併用、ポリプロピレンとポリスチレンとのブレンド体を主体に相溶化剤として水素添加スチレン−共役ジエン単量体ブロック共重合体をブレンドした熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明の水素添加ゴム組成物は、(C)架橋剤で架橋されることが好ましい。(C)は、(C−1)架橋開始剤を必須成分とし、必要に応じて(C−2)多官能単量体、(C−3)単官能単量体を含有する。
上記(C)は、(A)と(B)の合計量100重量部に対し0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜3重量部の量で用いられる。0.01重量部未満では架橋が不十分であり、10重量部を超えると組成物の外観、機械的強度が低下する傾向にある。
ここで、(C−1)架橋開始剤は、有機過酸化物、有機アゾ化合物等のラジカル開始剤等が挙げられ、その具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類;ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルペルオキシド類;
アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド及びm−トリオイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウリレート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシマレイン酸、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、及びクミルペルオキシオクテート等のペルオキシエステル類;
ならびに、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド及び1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類を挙げることができる。
これらの化合物の中では、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン−3が好ましい。
上記(C−1)は、(C)成分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%の量で用いられる。1重量%未満では架橋が不十分であり、80重量%を超えると機械的強度が低下する。
本発明において、(C)架橋剤の一つの(C−2)多官能単量体は、官能基としてラジカル重合性の官能基が好ましく、とりわけビニル基が好ましい。官能基の数は2以上であるが、(C−3)との組み合わせで特に3個以上の官能基を有する場合には有効である。具体例としては、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、p−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好ましく用いられる。特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。これらの多官能単量体は複数のものを併用して用いてもよい。
上記(C−2)は、(C)成分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%の量が用いられる。1重量%未満では架橋が不十分であり、80重量%を超えると機械的強度が低下する。
本発明において用いられる前記(C−3)は、架橋反応速度を制御するために加えるビニル系単量体であり、ラジカル重合性のビニル系単量体が好ましく、芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体、アクリル酸エステル単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸単量体、メタクリル酸単量体、無水マレイン酸単量体、N−置換マレイミド単量体等を挙げることができる。
上記(C−3)は、(C)成分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%の量が用いられる。1重量%未満では架橋が不十分であり、80重量%を超えると機械的強度が低下する。
上記(D)は、パラフィン系、ナフテン系などのプロセスオイルが好ましい。これらは組成物の硬度、柔軟性の調整用に、(A)と(B)の合計量100重量部に対して、5〜500重量部、好ましくは10〜150重量部用いる。5重量部未満では柔軟性、加工性が不足し、500重量部を超えるとオイルのブリードが顕著となり望ましくない。
本発明において、(A)を主体に必要に応じて(A)以外のゴム状重合体を配合することができ、その配合量は、(A)と(B)との合計100重量部に対して、1〜100重量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜50重量部、最も好ましくは5〜50重量部である。
上記ゴム状重合体の配合方法として、(A)及び(B)と同時に混合し、架橋する方法、又は(A)及び(B)の架橋反応の後に、(A)以外のゴム状重合体を配合する方法等がある。
このようなゴム状重合体は、例えば、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを含有するエチレンとα−オレフィンの共重合体であり、炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、オクテン−1等が挙げられる。このようなエチレン・α−オレフィン共重合体は、公知のメタロセン系触媒を用いて製造することが好ましい。
本発明において、必要に応じて配合できる(A)以外のゴム状重合体として、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位からなるブロック共重合体、又は上記共役ジエン単位部分が部分的に水素添加又はエポキシ変性されたブロック共重合体等が挙げられる。
上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
また、上記ブロック共重合体を構成する共役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。
そして、ブロック共重合体のブロック構造は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表示し、共役ジエン及び/又はその部分的に水素添加された単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合物等のカップリング剤残基。)で示され、B部分を結合中心とする星状(スター)ブロック共重合体であることが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3型、SBSBの4型のリニアーブロック共重合体が好ましい。
本発明において、耐磨耗性が要求される場合、必要に応じて、JIS−K2410規定の25℃における動粘度が5000センチストークス以上であるポリオルガノシロキサンを添加することができる。
上記ポリオルガノシロキサンは、粘調な水飴状からガム状の態様であり、アルキル、ビニル及び/又はアリール基置換シロキサン単位を含むポリマーであれば特に制約されない。その中でもポリジメチルシロキサンが最も好ましい。
本発明に用いられるポリオルガノシロキサンの動粘度(25℃)は、5000CS以上であり、更に好ましくは、1万CS以上10万未満、最も好ましくは5万CS以上10万未満である。
本発明において、ポリオルガノシロキサンの添加量は、(A)と(B)との合計100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部である。
また、本発明の組成物には、その特徴を損ねない程度に無機フィラー及び可塑剤を含有させることが可能である。ここで用いる無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレー、マイカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタル酸エステル等が挙げられる。また、その他の添加剤、例えば、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用される。
本発明の組成物の製造には、通常の樹脂組成物、エラストマー組成物の製造に用いられるバンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機等の一般的な方法を採用することが可能である。とりわけ効率的に動的架橋を達成するためには2軸押出機が好ましく用いられる。2軸押出機は、(A)と(B)とを均一かつ微細に分散させ、さらに他の成分を添加させて、架橋反応を生じせしめ、本発明の組成物を連続的に製造するのにより適している。
本発明の組成物は、好適な具体例として、次のような加工工程を経由して製造することができる。すなわち、(A)と(B)とをよく混合し、押出機のホッパーに投入する。(C)架橋剤を、(A)と(B)とともに当初から添加してもよいし、押出機の途中から添加してもよい。また(D)を押出機の途中から添加してもよいし、当初と途中とに分けて添加してもよい。(A)と(C)の一部を押出機の途中から添加してもよい。押出機内で加熱溶融し混練される際に、前記(A)と(C)架橋剤とが架橋反応し、さらに(D)等を添加して溶融混練することにより架橋反応と混練分散とを充分させたのち押出機から取り出すことにより、本発明の組成物のペレットを得ることができる。
また特に好ましい溶融押出機としては、原料添加部を基点としてダイ方向に長さLを有し、かつL/Dが5から100(但しDはバレル直径)である二軸押出機を用いる場合である。二軸押出機は、その先端部からの距離を異にするメインフィード部とサイドフィード部の複数箇所の供給用部を有し、複数の上記供給用部の間及び上記先端部と上記先端部から近い距離の供給用部との間にニーティング部分を有し、上記ニーディング部分の長さが、それぞれ3D〜10Dであることが好ましい。
二軸押出機は、二軸同方向回転押出機でも、二軸異方向回転押出機でもよい。また、スクリューの噛み合わせについては、非噛み合わせ型、部分噛み合わせ型、完全噛み合わせ型があり、いずれの型でもよい。低いせん断力をかけて低温で均一な樹脂を得る場合には、異方向回転・部分噛み合わせ型スクリューが好ましい。やや大きい混練を要する場合には、同方向回転・完全噛み合わせ型スクリューが好ましい。さらに大きい混練を要する場合には、同方向回転・完全噛み合わせ型スクリューが好ましい。
本発明において、特に外観と機械的強度の向上のためには、(A)と(B)成分からなる組成物のモルフォロジーも重要であり、(A)の重量平均粒子径が0.01〜3μmであり、かつ粒子長径d1と粒子短径d2との比d1/d2の数平均が1〜3であることが好ましい。(A)成分が独立粒子として存在し、かつ(B)成分が連続相となることが必要であり、そのためには、例えば、高せん断力下で、かつ架橋速度を抑制することが重要である。具体的には、架橋開始剤又は架橋助剤を減量し、かつ架橋開始剤の分解温度以上の、できるだけ低温・長時間反応を行うことにより達成される。また架橋助剤として多官能単量体と単官能単量体の併用によっても達成することができる。架橋開始剤、架橋助剤の過度の添加、又は、過度に高活性な架橋開始剤、架橋助剤、又は高温反応条件は、ゴム状重合体の凝集が発生し、本願の要件を満足しない。そして、(A)に前もって少量の(D)軟化剤を吸収させながら、架橋開始剤、架橋助剤を(A)に配合することにより、架橋反応が穏和に進行するために、小粒子で均一粒子を生成させることができる。
本発明において、添加成分、特に(D)軟化剤のブリードを抑制するためには、(A)の架橋度が1〜95%であり、かつ膨潤度が3〜100であることが好ましく、更に好ましくは膨潤度が3〜20であり、最も好ましくは、3〜10である。そして、モルフォロジーとしては、(A)の0.01〜3μmの粒子の全体積が全粒子体積中で10%以下であることが好ましく、更に好ましくは5%以下、最も好ましくは3%以下である。
このようなモルフォロジーの達成には、(A)が大粒子であり、かつ不均一粒子であり、そのためには、(A)と(B)の溶融粘度比を大きくすることが重要である。また架橋速度を高めることによっても達成することができる。具体的には、(A)の分子量に比較して低分子量の(B)を用いることである。また、架橋開始剤又は架橋助剤を増量し、かつ架橋開始剤の分解温度以上の、できるだけ高温・長時間反応を行うことにより達成される。また架橋助剤として多官能単量体を用い、2官能単量体よりも3官能単量体がより好ましい。但し、架橋開始剤、架橋助剤の過度の添加、若しくは過度に高活性な架橋開始剤、架橋助剤の添加、又は高温反応条件は、ゴム状重合体の凝集を発生させ、本願の要件を満足しない場合がある。
優れた機械的強度の向上を達成する製造方法として、以下の混練度を満足することがより好ましい。
M=(π2/2)(L/D)D3(N/Q)
10×106≦M≦1000×106
但し、L:原料添加部を基点としてダイ方向の押出機長(mm)、D:押出機バレル内径(mm)、Q:吐出量(kg/h)、N:スクリュー回転数(rpm)
混練度M=(π2/2)(L/D)D3(N/Q)が10×106≦M≦1000×106であることが重要である。Mが10×106未満ではゴム粒子が肥大化、凝集するために外観が低下し、一方Mが1000×106を超えると過度のせん断力のために、機械的強度が低下する。
そして、更に良好な機械的強度を達成するためには、以下の関係式の溶融温度を満足することが好ましい。即ち、溶融温度T2(℃)で、まず溶融混練を行い、次いで溶融温度T3(℃)で溶融混練を行い、とりわけ原料添加口を基点としてダイ方向に長さLを有する溶融押出機において、原料添加口から0.1L〜0.5Lの長さの押出機ゾーンを溶融温度T2(℃)で、まず溶融混練を行い、次いでその後の押出機ゾーンを溶融温度T3(℃)で溶融混練を行う。
ここで、特にT1が150〜250℃であることが好ましく、溶融押出機の各ゾーンのT1又はT2は均一温度であってもよいし、又は温度勾配を有していてもよい。
1:(C−1)の1分間半減期温度(℃)
1−100<T2<T1+40
2+1<T3<T2+200
こうして得られたゴム組成物は任意の成形方法で各種成型品の製造が可能である。射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡成形等が好ましく用いられる。
実施例
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これら実施例及び比較例において、各種物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。
1.共役ジエン系ゴムの分析
1)水素添加率(%)
NMRで以下の手順で測定した。
まず、水素添加前のポリブタジエンゴムを重クロロホルムに溶解し、FT−NMR(270メガ、日本電子製)にて化学シフト4.7〜5.2ppm(シグナルC0とする)の1,2−ビニルによるプロトン(=CH−)と、化学シフト5.2〜5.8ppm(シグナルD0とする)のビニルプロトン(=CH2−)の積分強度から、次式で計算した。
(V)=〔0.5C0/{0.5C0+0.5(D0−0.5CO)}〕×100
次に、部分水素添加後のポリブタジエンゴムを重クロロホルムに溶解し、同様にFT−NMRにて、化学シフト0.6〜1.0ppm(シグナルA1とする)の水素添加された1,2結合によるメチル基プロトン(−CH3)、化学シフト4.7〜5.2ppm(シグナルC1とする)の水素添加されていない1,2−ビニルによるプロトン(=CH−)、化学シフト5.2〜5.8ppm(シグナルD1とする)の水素添加されていないビニルプロトン(=CH−)の積分強度から次式により計算した。
まず、p=0.5C0/(0.5C1+A1/3)
A11=pA1,C11=pC1,D11=pD1とし、1,2−ビニル結合部分の水素添加率(B)
(B)=〔(A11/3)/{A11/3+C11/2}〕×100
1,4−二重結合部分の水素添加率(C)
(C)=[{0.5(D0−0.5C0)−0.5(D11−0.5C11)}/0.5(D0−0.5C0)]×100
ブタジエン部全体の水素添加率(A)
(A)=(V)×(B)/100+〔100−(V)〕×(C)×100
2)ミクロ構造
上記で定義した記号で以下に記載した。
水素添加前の1,2−ビニル結合=(V)×(B)/100 (%)
水素添加前の1,4結合={100−(V)}×(C)/100 (%)
水素添加後の1,2−ビニル結合=(V)×{100−(B)}/100(%)水素添加後の1,4−結合={100−(V)}×{100−(B)}/100 (%)
2.(A)の結晶化温度、結晶化ピーク熱量
示差走査熱量測定法(DSC法)により測定した。具体的には、日本国(株)マックサイエンス(MAK SCIENCE)製、熱分析装置システムWS002を用いて、10mg試料を窒素気流下、室温から10℃/分で昇温し、100℃に到達した後、直ちに10℃/分で−100℃まで降温し、この段階で検出された結晶化ピークから、本願では結晶化温度及び結晶化ピーク熱量を求めた。
ここで、結晶化温度はピークトップ温度(℃)であり、結晶化ピーク熱量(J/g)は、ベースラインに対して変化した熱量変化を示す曲線に囲まれたピーク面積から算出した。上記曲線はブロードな曲線又は鋭利な曲線のいずれをも含む。また、ピークトップ温度とは、ベースラインと平行に直線を引き、熱量変化を示す曲線との接線との交点を言う。
3.(A)の架橋度、膨潤度
前もって組成物中の(A)の重量W0を測定した後に、組成物をキシレン200ml中で20時間還流させ、溶液をフィルターで濾過し、膨潤組成物の重量(W1)を測定する。次いで、上記膨潤組成物を100℃で真空乾燥後、再度重量(W2)を測定する。このようにして、架橋度、膨潤度は以下のように算出される。
架橋度=(W2/W0)×100 (%)
膨潤度=W1/W2
4.ゴム状重合体の粒子径及び粒子体積
ゴム状重合体の粒子径及び粒子体積は、組成物の超薄切片法により撮影した透過型電子顕微鏡写真中の500個のゴム状重合体の各粒子を以下の方法で算出することにより得られる。すなわち、各粒子の粒子径は各粒子の面積Sを求め、Sを用いて、(4S/π)0.5を各粒子の粒子径とする。平均粒子径は重量平均粒子径を用い、粒子形状は粒子長径d1と粒子短径d2との比d1/d2で表される。また、粒子体積は粒子面積Sの3/2乗のS1.5で定義し、全粒子体積は各粒子体積の和で表される。
たとえ0.01〜3μmの粒子が存在していても、それが凝集して互いに接触している場合は、凝集粒子を1つの粒子として扱う。
5.(B)の融点及び融点ピーク熱量
示差走査熱量測定法(DSC法)により測定した。具体的には、日本国(株)マックサイエンス(MAK SCIENCE)製、熱分析装置システムWS002を用いて、10mg試料を窒素気流下、室温から10℃/分で昇温し、200℃に到達した後に、直ちに10℃/分で0℃まで降温した。次いで、0℃から200℃まで10℃/分で昇温し、この段階で検出された融点ピークを、本願では融点及び融点ピーク熱量と定義した。
ここで、融点はピークトップ温度(℃)であり、融点熱量(J/g)は、ベースラインに対して変化した熱量変化を示す曲線に囲まれたピーク面積から算出した。上記曲線はブロードな曲線又は鋭利な曲線のいずれをも含む。また、ピークトップ温度とは、ベースラインと平行に直線を引き、熱量変化を示す曲線との接線との交点を言う。
6.(B)の架橋型、分解型の判定
東洋精機製作所製ラボプラストミルを用いて、重量比がポリオレフィン系樹脂/POX/DVB=100/0.67/1.33の組成物を、設定温度200℃で回転数100rpmの条件で、10分間溶融混練する。ペレット状態の樹脂をラボプラストミルに投入すると、ペレット状態から半溶融状態、そして最終的には形状を留めずに溶融状態になるが、溶融状態になる直後のトルクM0に対して、溶融直後以降にM0より高いトルクが存在する特性を有するポリプロピレン系樹脂を架橋型と定義し、一方、溶融直後以降にM0以下のトルク状態にある特性を有するポリプロピレン系樹脂を分解型と定義する。
7.光安定性
光安定性試験機として米国ATLAS Electric Devices Co.製ATLAS CI35W Weatherometerを用い、JIS K7102に基づいた方法で行った。照射条件としては、試験機内部温度、55℃、湿度55%、雨無し、キセノン光(波長340nm エネルギー0.30W/m2)300時間照射とした。スガ試験機(株)製SMカラーコンビューター型式SM−3を用い、L.a.b.法により試験前後での成形体の色差ΔEをもとめて、色調変化を評価した。色調変化が小さいほど、光安定性(耐光性)が高い。
8.熱安定性(熱重量天秤試験:TGA法)
島津製作所製の島津熱分析装置DT−40を用いて、窒素気流下、200℃で1時間保持し、初期の重量に対する保持率(%)を熱安定性の尺度とした。
9.外観
押出シート肌又は射出成形体表面から以下の基準で外観評価を行った。
◎ 極めて良好
○ 良好
△ 良好であるが、ややざらつく
× 全体的にざらつく。光沢無し
10.引張破断強度[MPa]
JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。
11.耐傷つき性
先端が長さ10mm、幅1mmの長方形で、重さが300gのくさびを高さ5cmからシートに落下させてできた、シートの傷をレーザー光で走査して傷深さを測定した。
12.耐油性
前もって2mm厚さの組成物シートの重量W0を測定した後に、組成物シートを80℃の流動パラフィン中で20時間静置した後に、組成物シートの重量(W1)を測定し、以下のように重量変化率を算出する。ここで、数値が小さいほど耐油性が優れていることを示す。
重量変化率=(W1−W0)/W0×100 (%)
13.耐ブリード性
120℃雰囲気下にて、100時間放置後、成形品表面を観察し評価した。
◎ 極めて良好。
○ 良好
△ 成形品表面に少しオイル状物質が付着している。
× 成形品表面にオイル状物質が多量に付着し、べたつき感が著しい。
14.耐摩耗性
評価は学振型摩耗試験機を用いて行った。評価条件は以下の通り。
温度条件 :23℃雰囲気下
ストローク:120mm
周波数 :1往復/2秒
荷重 :200g
摩耗物 :綿布100% かなきん3号(JIS L 0803準拠)
三つ折りにして装着
接触面積 :1平方cm
評価は、成形品表面皮シボが消滅するまでの摩擦往復回数
15.感触
23℃雰囲気下にて、実際に手で触ってそのさらっと感(べたつきの無いこと)と指紋跡が成形品表面に残るか否かを評価した。
◎:極めて手触り感が良好かつさらっとしており、指紋跡も残らない。
○:成形品表面に指紋の跡が残るが、べたつきは感じられない。
×:指紋跡が残り、べたつき感や、ぬめり感がある。
16.真空成形性
底面が15cmの正方形で深さか5cmの直方体の金型に1mm厚さのシートを接触させて、赤外線ヒーターにてシート表面が140℃になるまで加熱した後に、真空下で成形体を作製した。得られた成形体の型再現性、転写性を目視で以下の基準で評価した。
◎ 極めて型再現性、転写性が良好
○ 良好
△ 良好であるが、ややコーナー部の型再現性、転写性が悪い。
× 不良
実施例、比較例で用いる各成分は以下のものを用いた。
(イ)水素添加共役ジエン系ゴムの製造
内容積10リットルの攪拌機付き、ジャケット付きオートクレーブを反応器として用いて、ブタジエン/n−ヘキサン溶液(ブタジエン濃度20重量%)を20リットル/hrの速度で、n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液(濃度5重量%)を70ミリリットル/hrで導入し、重合温度110℃でブタジエンの連続重合を実施した。得られた活性重合体をメタノールで失活させ、別の内容積10リットルの攪拌機付き、ジャケット付きの反応器に重合体溶液8リットルを移し、温度60℃にて水素添加触媒としてジ−p−トリルビス(1−シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘキサン溶液(濃度1ミリリットル/リットル)250ミリリットルと、n−ブチルリチウム溶液(濃度5ミリリットル/リットル)50ミリリットルとを、0℃、2kg/cm2の水素圧下で混合したものを添加し、水素分圧3kg/cm2にて30分間反応させた。得られた水素添加重合体溶液は、酸化防止剤として2,6−ジ−ターシャリーブチルヒドロキシトルエンを重合体1部当たり、0.5部添加して、溶剤を除去した。この際にブタジエン重合体を水素添加反応条件(水素添加圧力、水素添加温度、時間及び触媒量)を変えて水素添加して水素添加重合体を得た。その結果を表1、2に示す。また結晶化ピーク熱量の制御は、極性化合物テトラヒドロフラン(THF)の添加又は重合温度の制御により行う。結晶化ピーク熱量の低下は、極性化合物を増量するか、又は重合温度を低下させることにより達成される。そして、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体は、前記製造法において、スチレンを更に添加し同様に重合を行うことにより得られる。
(ロ)(A)以外のゴム状重合体
(1)エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−1)
特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/28(重量比)である(TPE−1と称する)。
(2)エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−2)
通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/28(重量比)である(TPE−2と称する)。
(3)エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン(ENB)共重合体(TPE−3)
特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プロピレン/ENBの組成比は、72/24/4(重量比)である(TPE−3と称する)。
(4)スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)
旭化成工業(株)製〔商品名 タフテック(SEBSと称する)〕
(ハ)熱可塑性樹脂
(1)ホモポリプロピレン
日本ポリオレフィン(株)製、アイソタクチックホモポリプロピレン(PP−1と称する)
曲げ弾性率:18000kgf/cm2;DSC法の融点:162℃;融点熱量:81J/g
(2)ブロックポリプロピレン
日本ポリオレフィン(株)製、(PP−2と称する)
曲げ弾性率:12000kgf/cm2;DSC法の融点:163℃;融点熱量:67J/g
(3)ランダムポリプロピレン(エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂)
日本ポリオレフィン(株)製、(PP−3と称する)
曲げ弾性率:6000kgf/cm2;DSC法の融点:130℃;融点熱量:45J/g
(4)低密度ポリエチレン
旭化成工業(株)製、サンテックLD(LDPEと称する)
曲げ弾性率:5500kgf/cm2;DSC法の吸熱ピーク:128℃;融点熱量:230J/g
(5)ゴム非変性ポリスチレン
旭化成工業(株)製、スタイロン(PSと称する)
(ニ)パラフィン系オイル
出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−380(MOと称する)
(ホ)架橋剤
1)架橋開始剤(C−1)
日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25B)(POX−1と称する)
2)架橋開始剤(C−1)
日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(商品名パーヘキシン25B)(POX−2と称する)
3)多官能単量体(C−2)
和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称する)
4)多官能単量体(C−2)
日本化成(株)製、トリアリルイソシアヌレート(TAICと称する)
5)多官能単量体(C−2)
大内新興化学(株)製、N,N−m−フェニレンビスマレイミド(PMIと称する)
6)単官能単量体(C−3)
旭化成工業(株)製、メタクリル酸メチル(MMAと称する)
(ヘ)ポリオルガノシロキサン
公知の技術、例えば『シリコーンハンドブック』〔日刊工業新聞社 伊藤邦雄編集(1990)〕の第17章 シリコーン製造法に従って、異なった動粘度ポリオルガノシロキサンを得た。
実施例1〜30、比較例1〜13
表1〜3記載の、(A)/PP−1/POX−1/TAIC/MO(=50/50/80/0.3/0.6/30重量比)からなる組成物を、バレル中央部に注入口を有した2軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いて以下の条件で製造した。スクリューとしては注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを用いた。
このようにして得られた組成物からTダイ押出機を用いて、200℃で2mm厚のシートを作製し、各種評価を行った。その結果を表1〜3に示す。
(押出条件)
1)溶融押出温度 220℃一定
2)吐出量Q=12kg/h
3)押出機 バレル内径D=25mm
4)押出機長さをL(mm)とした時のL/D=47
5)スクリュー回転数N=280rpm
表1〜3によると、水素添加率50%以上で、光・熱安定性が飛躍的に向上し、かつ本発明の要件の結晶性に関する特性を満足することにより、外観、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度が向上することが分かる。
実施例31〜42
実施例4において、(A)と(B)熱可塑性樹脂の種類、及び配合組成を表4に記載の通りに変更すること以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表4に示す。
表4によると、熱可塑性樹脂としてPS又はPS/PPを用いることにより、特に耐傷つき性が向上することが分かる。
実施例43〜52
実施例4において、POX−1,TAICを表5の(C−1)〜(C−3)に変更し、更に以下の定義に従って、溶融温度T2(℃)で、まず溶融混練し、次いで溶融温度T3(℃)で溶融混練すること以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表5に示す。なお、(C−2)及び(C−3)を併用する場合は、両者を等量使用した。
表5によると、以下の溶融条件で製造することにより、引張破断強度、外観及び耐傷つき性が向上することが分かる。
1:(C−1)の1分間半減期温度(℃)
1−100<T2<T1+40
2+1<T3<T2+200
実施例53〜64
実施例4において、表6の(A)を用い、かつPOX−1,TAICの量比を変更することにより、架橋度、膨潤度を制御すること以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表6に示す。
実施例65〜74
実施例4において、表7の(A)(B)を用い、かつ(A)以外のゴム状重合体を添加すること以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表7に示す。
表7によると、(A)以外のゴム状重合体が(A)と同量以下の場合には、外観、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度が優れていることが分かる。
実施例75〜78
実施例4において、表8の二種の(A)成分の(A−1)(A−2)を用いること以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表8に示す。
表8によると、異なった構造の二種の(A)成分が同時に架橋反応の際に存在する場合には、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度が飛躍的に向上することが分かる。
実施例79〜92
実施例4において、表9、10の(A)成分を用い、(A)のゴム粒子形状を制御すること以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表9、10に示す。
実施例93〜100
実施例4において、表11のポリジメチルシロキサンを用いること以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表11に示す。
表11によると、ポリジメチルシロキサンの動粘度が5万から10万cSの場合には、耐磨耗性と外観のバランス特性が優れていることが分かる。
産業上の利用可能性
本発明の熱可塑性架橋ゴム組成物は、優れた外観、感触、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機械的強度を有しており、自動車用部品、自動車用内装材、エアバッグカバー、機械部品、電気部品、ケーブル、ホース、ベルト、玩具、雑貨、日用品、建材、シート、フィルム等を始めとする用途に幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。
Figure 0003571028
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Claims (15)

  1. (A)少なくとも一種の共役ジエン系単量体の単独重合体ゴム、又は共役ジエン系単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とからなるランダム共重合体ゴムの全二重結合の50%以上が水素添加されてなる水素添加ゴム 1〜99重量部、及び(B)熱可塑性樹脂 1〜99重量部[(A)と(B)の合計量が100重量部]を架橋してなる熱可塑性架橋ゴム組成物であって、示差走査熱量測定法(DSC法)での該(A)の結晶化温度が、−50〜70℃の範囲にあり、かつ結晶化ピーク熱量が3〜100J/gの範囲にある上記熱可塑性架橋ゴム組成物。
  2. (A)の全二重結合の90%以上が水素添加されているか、又は側鎖の残存二重結合が5%以下である請求項1記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  3. (A)の結晶化温度が、−30〜50℃の範囲にあり、かつ結晶化ピーク熱量が30〜50J/gの範囲にある請求項1又は2記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  4. (A)が芳香族ビニル単量体単位の量が5重量%以下である水素添加ゴム(A−1)と芳香族ビニル単量体単位の量が5重量%以上、90重量%以下である水素添加ゴム(A−2)とからなり、(A−1)及び(A−2)中の芳香族ビニル単量体単位の量の両者の差が5重量%以上である請求項1〜3のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  5. (A)の架橋度が1〜95%であり、かつ膨潤度が3〜100である請求項1〜4のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  6. (A)の重量平均粒子径が0.01〜3μmであり、かつ粒子長径d1と粒子短径d2との比d1/d2の数平均が1〜3である請求項1〜5のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  7. (A)の0.01〜3μm粒子の全体積が全粒子体積中で10%以下である請求項1〜5のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  8. (B)がオレフィン系樹脂であり、かつ(C)架橋剤で架橋され、更に(D)軟化剤を含有する請求項1〜7のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  9. (B)が架橋型ポリプロピレン系樹脂であり、かつJIS K6758規定の曲げ弾性率が100から10000kgf/cm2であり、示差走査熱量測定法(DSC法)において、100〜150℃の温度範囲に融点ピークが存在し、上記融点ピーク熱量が10〜600J/gの範囲にある請求項1〜8のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  10. (B)がスチレン系樹脂単独、又はスチレン系樹脂とオレフィン系樹脂である請求項1〜9のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  11. (A)を主として含むが、更に(A)以外のゴム状重合体を含有してなる請求項1〜10のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  12. 更にJIS−K2410規定の25℃における動粘度が5000センチストークス以上であるポリオルガノシロキサンを含有してなる請求項1〜11のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物。
  13. (A)少なくとも一種の共役ジエン系単量体の単独重合体ゴム、又は共役ジエン系単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とからなるランダム共重合体ゴムの全二重結合の50%以上が水素添加されてなる水素添加ゴム 1〜99重量部、及び(B)熱可塑性樹脂 1〜99重量部[(A)と(B)の合計量が100重量部]、必要に応じて(C)架橋剤を混合して、溶融押出機を用いて、以下に定義される混練度Mで溶融混練して動的架橋することを含む請求項1〜12のいずれか一項記載の熱可塑性架橋ゴム組成物の製造法:
    M=(π2/2)(L/D)D3(N/Q)
    10×106≦M≦1000×106
    (但し、L:原料添加部を基点としてダイ方向の押出機長(mm)、D:押出機バレル内径(mm)、Q:吐出量(kg/h)、N:スクリュー回転数(rpm))。
  14. 先端部からの距離を異にする一箇所のメインフィード部と複数箇所のサイドフィード可能な供給用部を有する溶融押出機を用い、前記(A)、前記(B)、及び(C)架橋剤を溶融混練して動的架橋する際に、(C)を複数箇所のフィード供給用部に分割してフィードする請求項13記載の熱可塑性架橋ゴム組成物の製造法。
  15. 以下に定義する溶融温度T2(℃)でまず溶融混練を行い、次いで溶融温度T3(℃)で溶融混練する請求項13又は14記載の熱可塑性架橋ゴム組成物の製造法:
    1:(C)の構成成分の一つの架橋開始剤(C−1)の1分間半減期温度(℃)
    1−100<T2<T1+40
    2+1<T<T2+200。
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