JP3945543B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関し、さらに詳しくは、引張強度、破断伸度およびゴム弾性に優れた成形体を提供し得る架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、省エネルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫ゴムの代替として自動車部品、工業機械部品、電子・電気機器部品、建材等に広く使用されている。
【0003】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、架橋型と非架橋型に分けることができる。非架橋型熱可塑性エラストマーは、架橋反応を伴わないため品質のバラツキが少なくまた製造コストも安価である反面、性能面から両者を比較すると、引張強度や破断伸度、あるいはゴム的性質(たとえば永久伸び、圧縮永久歪)や耐熱性の点では、非架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマーに比べて架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマーの方が優れている。このことは、A.Y.Coran らの文献(Rubber Chemistry and Technology、53巻 (1980年)、 141ページ)に詳細に記されているように、広く知られている。
【0004】
非架橋型あるいは部分架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマーについては、たとえば、特公昭53−21021号公報、特公昭55−18448号公報、特公昭56−15741号公報、特公昭56−15742号公報、特公昭58−46138号公報、特公昭58−56575号公報、特公昭59−30376号公報、特公昭62−59139号公報などに記載されている。
【0005】
このように、オレフィン系熱可塑性エラストマーには、非架橋型熱可塑性エラストマーと架橋型熱可塑性エラストマーとがあるが、これらの熱可塑性エラスマーは、従来公知の加硫ゴム、たとえば天然ゴム、EPDM、SBR、NBR、CR等からなる加硫ゴムと比較すると、加工性とコストの面では優れているものの、引張強度、破断伸度等の引張特性の点では、加硫ゴムに劣っているのが実状である。
【0006】
したがって、従来公知の加硫ゴムよりも引張強度、破断伸度等の引張特性に優れた成形体を提供することができるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の出現が望まれている。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、従来の加硫ゴムよりも引張強度、破断伸度等の引張特性に優れた成形体を提供することができる部分的または完全に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を提供するを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜85重量部と、
エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)15〜90重量部
[(A)および(B)の合計量は100重量部である]と
からなる部分的または完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物であって、
該エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)は、
周期律表第IVB族メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとをランダム共重合させることにより得られ、
(1)(a)エチレンから導かれる単位と
(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを、
60/40〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有し、
(2) 密度が0.860〜0.900g/cm3 であり、
(3) メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜20g/10分であり、
(4) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、1.0〜5dl/gである
ことを特徴としている。
【0009】
上記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物としては、下記の組成物(1)と(2)が好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(1)は、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜85重量部と、
エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)15〜90重量部
[(A)および(B)の合計量は100重量部である]と
からなる部分的または完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物であって、
該エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)は、
周期律表第IVB族メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させることにより得られ、
(1)(a)エチレンから導かれる単位と
(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを、
60/40〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有し、
(2) 密度が0.860〜0.900g/cm3 であり、
(3) メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜20g/10分であり、
(4) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、1.0〜5dl/gであり、
(5) 上記(4) で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/[η]blank)]が0.95を超える値である
ことを特徴としている。
【0010】
この熱可塑性エラストマー組成物(1)を構成するエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、前記特性(1)〜(5)に加えて、さらに、
(6) 13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比D(Tαβ/Tαα)が0.3以下であり、
(7) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求められるB値が、1.00〜1.50であり;
B値=[POE]/(2・[PE]・[PO])
(式中、[PE]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エチレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α−オレフィンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[POE]は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)連鎖数に対するα−オレフィン・エチレン連鎖数の割合である)、
(8) DSCで求められるガラス転移温度(Tg)が−50℃以下である
ことが好ましい。
【0011】
また、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(2)は、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜85重量部と、
エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)15〜90重量部
[(A)および(B)の合計量は100重量部である]と
からなる部分的または完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物であって、
該エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)は、
周期律表第IVB族メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとをランダム共重合させることにより得られ、
(1)(a)エチレンから導かれる単位と
(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを、
60/40〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有し、
(2) 密度が0.860〜0.900g/cm3 であり、
(3) メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜20g/10分であり、
(4) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、1.0〜5dl/gであり、
(5) 上記(4) で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/[η]blank)]が0.4〜0.9である
ことを特徴としている。
【0012】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜85重量部と、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)15〜90重量部と、オレフィン系ゴム(C)1〜40重量部および/または軟化剤(D)1〜40重量部[成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計量は100重量部である]とからなっていてもよい。ただし、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計量に対する成分(A)、(B)および(C)の合計量の比率は60〜100重量%である。
【0013】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、従来の加硫ゴムよりも引張強度、破断伸度等の引張特性に優れた成形体を提供することができる。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物について具体的に説明する。
【0015】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、部分的または完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物であり、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)とから構成されている。
【0016】
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)としては、炭素原子数2〜20のα- オレフィンの単独重合体または共重合体が挙げられる。
【0017】
上記結晶性ポリオレフィン樹脂の具体的な例としては、以下のような重合体または共重合体が挙げられる。
(1)エチレン単独重合体
(製法は、低圧法、高圧法のいずれでもよい)
(2)エチレンと、10モル%以下の他のα- オレフィンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニルモノマーとの共重合体
(3)プロピレン単独重合体
(4)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィンとのランダム共重合体
(5)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィンとのブロック共重合体
(6)1-ブテン単独重合体
(7)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィンとのランダム共重合体
(8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体
(9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα- オレフィンとのランダム共重合体
上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0018】
上記の結晶性ポリオレフィン樹脂の中でも、プロピレン単独重合体、およびプロピレン含量が50モル%以上のプロピレン・α- オレフィン共重合体が特に好ましい。
【0019】
上記のような結晶性ポリオレフィン樹脂は、単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、メルトフローレート(MFR;ASTMD 1238、230℃、2.16kg荷重)が、好ましくは0.01〜100g/10分、さらに好ましくは0.3〜70g/10分の範囲にある。
【0020】
また、結晶性ポリオレフィン樹脂のX線法により求めた結晶化度は、通常5〜100%、好ましくは20〜80%の範囲にある。
上記のような結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)、オレフィン系ゴム(C)および軟化剤(D)の合計量100重量部に対して、10〜85重量部、好ましくは10〜75重量部、さらに好ましくは15〜70重量部の割合で用いられる。オレフィン系ゴム(C)および軟化剤は任意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場合がある。
【0021】
上記のような割合で結晶性ポリオレフィン樹脂(A)を用いると、耐熱性に優れた成形体を提供し得る、成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0022】
エチレン・α - オレフィン共重合体ゴム(B)
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、後述するような特定のメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させることにより得られる。
【0023】
上述した、本発明に係る好ましいオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(1)を構成するエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、直鎖状の分子構造を有しており、また、本発明に係る好ましいオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(2)を構成するエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、長鎖分岐型の分子構造を有している。
【0024】
[α- オレフィン]
上記炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テトラデセン、およびこれらの組合わせが挙げられる。
【0025】
これらのうち、直鎖状のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを構成するα- オレフィンとしては、炭素原子数4〜10のα- オレフィンが好ましく、特に1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンなどが好ましく用いられる。
【0026】
また、長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを構成するα- オレフィンとしては、炭素原子数3〜10のα- オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが好ましく用いられる。
【0027】
[直鎖状エチン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の特性]
本発明で好ましく用いられる直鎖状のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、下記のような特性を有している。
(1) エチレン/α- オレフィン成分比
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、(a) エチレンから導かれる単位と、(b) 炭素原子数3〜20のα- オレフィン(以下、単にα- オレフィンということもある)から導かれる単位とを、55/45〜98/2、好ましくは60/40〜95/5、さらに好ましくは60/40〜90/10[(a)/(b)〕のモル比で含有している。
【0028】
このようなエチレン成分/α- オレフィン成分比のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムは、耐熱性に優れている。
(2) 密度
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の密度は、0.860〜0.900g/cm3 、好ましくは0.862〜0.885g/cm3 、さらに好ましくは0.862〜0.880g/cm3 である。密度が上記範囲にあるエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを用いると、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、ペレットでの取扱いが容易であり、しかも柔軟性に優れた成形体を提供することができる。
(3) メルトフローレート
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.01〜20g/10分、好ましくは0.2〜10g/10分、さらに好ましくは0.2〜5g/10分の範囲にある。
(4) 極限粘度[η]
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]は、0.1〜10dl/g、好ましくは1.0〜5dl/gである。
(5)gη*
上記のような直鎖状のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の極限粘度[η]から求められるgη* 値は、0.95を超えている。このgη* 値は、次式により定義される。
【0029】
gη* =[η]/[η]blank
(ここで、[η]は、上記(3) で測定される極限粘度であり、
[η]blank は、その極限粘度[η]のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムと同一重量平均分子量(光散乱法による)を有し、かつエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度である。)
上記のような特性を有する直鎖状のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムからは、機械強度特性に優れ、しかも耐熱性に優れた熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体を得ることができる。
【0030】
さらに、この直鎖状のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、下記の特性(6) 〜(8) を満たしていることが好ましい。
(6) D値
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の13C−NMRスペクトルにおける、Tααに対するTαβの強度(面積)比D(Tαβ/Tαα)は、0.5以下、特に0.3以下であることが望ましい。
【0031】
なお、このランダム共重合体ゴムの強度比D値は、ランダム共重合体ゴムを構成するα- オレフィンの種類によって異なる。
ここで、13C−NMRスペクトルにおけるTαβおよびTααは、それぞれα- オレフィンから導かれる単位中のCH2 のピーク強度であり、下記に示すように第3級炭素に対する位置が異なる2種類のCH2を意味している。
【0032】
【化1】
Figure 0003945543
【0033】
ランダム共重合体ゴムの強度比Dは、下記のようにして求めることができる。ランダム共重合体ゴムの13C−NMRスペクトルを、たとえば日本電子(株)製 JEOL−GX270 NMR測定装置を用いて、試料濃度5重量%のヘキサクロロブタジエン/d6-ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を、67.8MHz、25℃にてd6-ベンゼン(128ppm )基準で測定する。
【0034】
13C−NMRスペクトルの解析は、基本的にリンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43, p1245(1971))、J.C.Randall(Review Macromolecular Chemistry Physics,C29, 201(1989))に従って行なった。
【0035】
ここで上記の強度比Dについて、エチレン・1-ブテン共重合体ゴムを例にとってより具体的に説明する。
このエチレン・1-ブテン共重合体ゴムの13C−NMRスペクトルでは、39〜40ppm に現われるピークがTααに、また31〜32ppm に現われるピークがTαβに帰属される。
【0036】
強度比Dは、それぞれのピーク部分の積分値(面積)比で算出される。
このようにして求められた強度比Dは、一般に1-ブテンの1,2付加反応に続いて2,1付加反応が起こる割合、または1-ブテンの2,1付加反応に続いて1,2付加反応が起こる割合を示す尺度と考えられている。したがって、この強度比D値が大きいほど、α- オレフィン(1-ブテン)の結合方向が不規則であること示している。逆にD値が小さいほど、α- オレフィンの結合方向が規則的であることを示しており、規則性が高いと分子鎖は集合しやすく、ランダム共重合体ゴムは強度などが優れる傾向にあって好ましい。
【0037】
なお、本発明では、後述するように特定の第IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレンとα- オレフィンとを共重合させることにより、上記強度比Dが0.5以下であるランダム共重合体ゴムを得ているが、たとえばバナジウムなどの第VB族メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと1-ブテンとを共重合させても、上記強度比Dが0.5以下であるエチレン・1-ブテン共重合体ゴムを得ることはできない。このことは、1-ブテン以外のα- オレフィンについても同様である。
(7) B値
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求められるB値が1.00〜1.50であることが望ましい。
【0038】
B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ])
(式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エチレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフィンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[POE]は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合である。)
このB値は、共重合体ゴム中におけるエチレンとα- オレフィンとの分布状態を表わす指標であり、J.C.Randall (Macromolecules, 15, 353(1982))、J.Ray(Macromolecules, 10,773 (1977)) らの報告に基づいて求めることができる。
【0039】
上記のB値が大きいほど、エチレンあるいはα- オレフィンのブロック的連鎖が短くなり、エチレンおよびα- オレフィンの分布が一様であり、共重合体ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が1.00よりも小さくなるほど共重合体ゴムの組成分布は広くなり、このような共重合体ゴムは、組成分布の狭い共重合体ゴムと比べて、たとえば架橋した場合には強度などの物性を充分に発現しないことがある。
【0040】
なお本発明では、後述するように特定の第IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレンとα- オレフィンとを共重合させることにより、上記B値が1.00〜1.50であるランダム共重合体ゴムを得ているが、たとえばチタン系非メタロセン系触媒の存在下に、エチレンとα- オレフィンとを共重合させても、上記範囲のB値を有するエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを得ることはできない。
(8) ガラス転移温度
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)のDSC(示差走査熱量計)で測定されるガラス転移温度(Tg)は、−50℃以下であることが望ましい。
【0041】
ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるランダム共重合体ゴムからは、低温柔軟性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
[長鎖分岐型エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の特性]
一方、本発明で好ましく用いられる長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、下記のような特性を有している。
(1) エチレン/α- オレフィン成分比
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、(a) エチレンから導かれる単位と、(b) 炭素原子数3〜20のα- オレフィン(以下、単にα- オレフィンと称することもある)から導かれる単位とを、55/45〜98/2、好ましくは60/40〜95/5、さらに好ましくは60/40〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有している。
(2) 密度
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の密度は、0.860〜0.900g/cm3 、好ましくは0.862〜0.885g/cm3 、さらに好ましくは0.862〜0.880g/cm3 である。密度が上記範囲にあるエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを用いると、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、ペレットでの取扱いが容易であり、しかも柔軟性に優れた成形体を提供することができる。
(3) メルトフローレート
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.01〜20g/10分、好ましくは0.2〜10g/10分、さらに好ましくは0.2〜5g/10分の範囲にある。
(4) 極限粘度[η]
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]は、0.1〜10dl/g、好ましくは1.0〜5dl/gである。
(5) gη*
長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)のgη* 値は、0.2〜0.95、好ましくは0.4〜0.9、さらに好ましくは0.5〜0.85である。このgη* 値は、上述した方法により求められる。
【0042】
エチレン・α- オレフィン共重合体ゴムのgη* 値が0.95以下であると、分子中に長鎖分岐が形成されていることを示す。
[エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の調製方法]
上記のような直鎖状または長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、特定のメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させることにより製造される。
【0043】
本発明で用いられるメタロセン系触媒は、メタロセン化合物[A]を含有すること以外は特に限定されず、たとえばメタロセン化合物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]および/またはメタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]とから形成されてもよい。また、メタロセン化合物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]および/またはイオン対を形成する化合物[C]とともに有機アルミニウム化合物[D]とから形成されてもよい。
【0044】
以下に本発明において、メタロセン系触媒を形成する際に用いられる各成分について説明する。
メタロセン化合物[A]
まず、上記直鎖状のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の調製に際して用いられるメタロセン化合物[A]としては、下記の一般式[I]で示される化合物が挙げられる。
【0045】
MLx ・・・[I]
式[I]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属であり、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0046】
Lは、遷移金属に配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
【0047】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、たとえば、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基、さらに
インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0048】
これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
これらのうちでは、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ましい。
【0049】
式[I]で示される化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレンなどの置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0050】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、水素原子またはスルホン酸含有基(−SO3a )[ここで、Ra はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で置換されたアリール基である。]などが挙げられる。
【0051】
炭素原子数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、より具体的には、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどのアルキル基、
シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基、
フェニル、トリルなどのアリール基、
ベンジル、ネオフィルなどのアラルキル基が挙げられる。
【0052】
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基などが挙げられる。
【0053】
アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられ、
スルホン酸含有基(−SO3a )としては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンスルホナト基などが挙げられる。
【0054】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記式で表わされるメタロセン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には、下記式[II]で表わされる。
【0055】
2 k3 l4 m5 nM ・・・[II]
式[II]中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有する基または上記一般式[I]中のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと同様である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
【0056】
以下に、Mがジルコニウムであり、かつ、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物を例示する。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェノキシモノクロリド、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(sec-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、
ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3- エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3- プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3- ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-エチル-3- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(メチルベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを例示することができる。
【0057】
上記の1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換えた化合物を本発明で用いることもできる。
また上記式[II]において、R2 、R3 、R4 およびR5 の少なくとも2個すなわちR2 およびR3 がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を例示することもできる。このとき、R4 およびR5 はそれぞれ独立に式[I]中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと同様である。
【0058】
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-クロルベンゼンスルホナト)、
エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル- メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ジメチルシリレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0059】
さらに、下記式[A]で示される特開平4−268307号公報に記載のメタロセン化合物が挙げられる。
メタロセンが式[A]:
【0060】
【化2】
Figure 0003945543
【0061】
[式[A]中、M1 は、周期律表の第IVB族の金属であり、具体的には、例えば、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを挙げることができる。
1 およびR2 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、またはハロゲン原子、好ましくは塩素原子である。
【0062】
3 およびR4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、−NR10 2 、−SR10、−OSiR10 3 、−SiR10 3 または−PR10 2 基であり、その際R10はハロゲン原子、好ましくは塩素原子、または炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。
【0063】
3 およびR4 は、特に水素原子であることが好ましい。
5 およびR6 は、互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じであり、R5 およびR6 は、水素原子でないという条件のもとでR3 およびR4 について記載した意味を有する。R5 およびR6 は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基またはトリフルオロメチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
【0064】
7は、下記:
【0065】
【化3】
Figure 0003945543
【0066】
=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR11、=CO、=PR11 または=P(O)R11であり、その際、R11、R12およびR13は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、さらに好ましくはメチル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、好ましくはCF3 基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、または炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基であるか、またはR11とR12またはR11とR13とは、それぞれそれらが結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。
【0067】
2 は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ましくは珪素またはゲルマニウムである。
7 は、=CR1112、=SiR1112、=GeR1112、−O−、−S−、=SO、=PR11または=P(O)R11であることが好ましい。
【0068】
8 およびR9 は、互いに同じであっても異なっていてもよく、R11について記載したと同じ意味を有する。
mおよびnは、互いに同じであっても異なっていてもよく、0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
【0069】
上記条件を充たす特に好ましいメタロセン化合物を下記(i)〜(iii) に示す。
【0070】
【化4】
Figure 0003945543
【0071】
[上記式(i)、(ii)及び(iii) 中、M1 はZrまたはHfであり、R1 およびR2 はメチル基または塩素原子であり、R5 およびR6 はメチル基、エチル基またはトリフルオロメチル基であり、R8 、R9 、R10およびR12が上記の意味を有する。]
このような式(i)、(ii)及び(iii) で示される化合物の内でも、下記の化合物が特に好ましい。
【0072】
rac- エチレン(2-メチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジクロライド、
rac- ジメチルシリレン(2-メチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジクロライド、
rac- ジメチルシリレン(2-メチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジメチル、
rac- エチレン- (2-メチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジメチル、
rac- フェニル(メチル)シリレン- (2ーメチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジクロライド、
rac- ジフェニル- シリレン- (2ーメチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジクロライド、
rac- メチルエチレン- (2ーメチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジクロライド、
rac- ジメチルシリレン- (2ーエチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジクロライド。
【0073】
このようなメタロセン化合物の製造方法については、従来より公知の方法にて製造することができる(例:特開平4-268307号公報参照)。
本発明では、下記式[B]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもできる。
【0074】
【化5】
Figure 0003945543
【0075】
式[B]中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属原子を示し、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムである。
1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示し、具体的には、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリルなどのアリール基などの炭素原子数1〜20の炭化水素基;
前記炭化水素基にハロゲン原子が置換したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル基、ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル基、トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル基、トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などのケイ素含有置換基;
ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などの酸素含有基;
前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基などのイオウ含有基;
アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素含有基;
ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ基などのリン含有基である。
【0076】
これらのうちR1 は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水素、炭化水素基が好ましく、特に水素あるいは、メチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
【0077】
3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが結合している炭素原子と一緒になって単環の芳香族環を形成していてもよい。
【0078】
また芳香族環を形成する基以外の基は、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。
【0079】
ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基として、具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
【0080】
3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含む、Mに配位する配位子としては以下に示すようなものが挙げられる。
【0081】
【化6】
Figure 0003945543
【0082】
これらのうち上記式(1)で示される配位子が好ましい。
前記芳香族環は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
【0083】
前記芳香族環に置換するハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
【0084】
1 およびX2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示し、具体的には、
前記R1 およびR2 と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基が例示できる。
【0085】
イオウ含有基としては、前記R1 、R2 と同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が例示できる。
【0086】
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7)−、−P(O)(R7)−、−BR7 −または−AlR7 −[ただし、R7 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基]を示し、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;
クロロメチレンなどの上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリレン基、テトラフェニル-1,2- ジシリレン基などのアルキルジシリレン基、アルキルアリールジシリレン基、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有基置換基などであり、
7 は、前記R1 、R2 と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0087】
このうち2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好ましく、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、このうち特にアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基であることが好ましい。
【0088】
以下に上記式[B]で表される遷移金属化合物の具体的な例を示す。
【0089】
【化7】
Figure 0003945543
【0090】
【化8】
Figure 0003945543
【0091】
【化9】
Figure 0003945543
【0092】
本発明では、上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
前記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0093】
このような遷移金属化合物のインデン誘導体配位子は、たとえば下記の反応ルートで、通常の有機合成手法を用いて合成することができる。
【0094】
【化10】
Figure 0003945543
【0095】
本発明で用いられるこの遷移金属化合物は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特開平4−268307号公報に記載されている方法により合成することができる。
【0096】
本発明においては、また下記式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもできる。
【0097】
【化11】
Figure 0003945543
【0098】
式[C]中、M、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 としては、前記式[B]の場合と同様なものが挙げられる。
3 、R4 、R5 およびR6 のうち、R3 を含む2個の基が、アルキル基であることが好ましく、R3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。また、このアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R1 、R2 で例示した置換基が挙げられる。
【0099】
3 、R4 、R5 およびR6 で示される基のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。
炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの鎖状アルキル基および環状アルキル基;
ベンジル、フェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチルなどのアリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
【0100】
またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。
ハロゲン原子として、具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
【0101】
1 、X2 、YおよびR7 としては、前記式[B]の場合と同様のものが挙げられる。
以下に上記式[C]で示されるメタロセン化合物(遷移金属化合物)の具体的な例を示す。
【0102】
rac-ジメチルシリレン- ビス(4,7-ジメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,5,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,4,5,6-テトラメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,4,5,6,7-ペンタメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-n- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(4-i-プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- メチル-6-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-5- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-7-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-sec- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(sec- ブチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-tert-ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- シクロヘキシル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- ベンジル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニルエチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニルジクロルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- クロロメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- トリメチルシリルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- トリメチルシロキシメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i- プロピル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n- ブチル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ( シクロヘキシル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p- トリル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p- クロロフェニル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(メタンスルホナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド。
【0103】
本発明では、上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
上記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0104】
このような遷移金属化合物のインデン誘導体配位子は、たとえば前記と同様の反応ルートで、通常の有機合成手法を用いて合成することができる。
また上記の式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特開平4−268307号公報に記載の方法により合成することができる。
【0105】
本発明においては、上記のようなメタロセン化合物のうち、特に下記の一般式[III] または[IV]で示される化合物が好ましく用いられる。一般式[III] で示されるメタロセン化合物は、上記式[C]で示される化合物の一部であり、また、一般式[IV]で示されるメタロセン化合物は、上記式[B]で示される化合物の一部である。
【0106】
【化12】
Figure 0003945543
【0107】
式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
11 およびR 12
11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、
炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、たとえば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチル等のアルキル基、
ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル基、
フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α- またはβ- ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリル等のアリール基などが挙げられる。
【0108】
これらの炭化水素基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などの有機シリル基で置換されていてもよい。
【0109】
酸素含有基としては、具体的には、
ヒドロオキシ基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、
フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、
フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキシ基
などが挙げられる。
【0110】
イオウ含有基としては、具体的には、
前記酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、
メチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基、
メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート等のスルフィネート基
などが挙げられる。
【0111】
窒素含有基としては、具体的には、
アミノ基、
メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ等のアルキルアミノ基、
フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノ等のアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0112】
リン含有基としては、具体的には、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基などが挙げられる。
11は、これらのうちでも炭化水素基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
【0113】
またR12は、水素原子、炭化水素基であることが好ましく、特に水素原子あるいは、メチル基、エチル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
【0114】
13 およびR 14
13およびR14は、上記に例示したような炭素原子数1〜20のアルキル基である。
【0115】
13は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。
14は、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
1 およびX 2
1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、上記に例示したような炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
【0116】

Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR15−、−P(R15)−、−P(O)(R15)−、−BR15−または−AlR15−[ただし、R15は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基]であり、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレン等のアリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;
クロロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレン等のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリル、テトラフェニル-1,2- ジシリル等のアルキルジシリル基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基などが挙げられる。
【0117】
15は、前記と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
これらのうち、Yは、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0118】
以下に上記一般式[III] で表わされるメタロセン化合物の具体的な例を示す。
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-sec- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ペンチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルジクロルメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- クロロメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシリルメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシロキシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-sec- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ペンチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシリルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシロキシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- フェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- フェニルジクロルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- クロルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(メタンスルホナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)チタニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ハフニウムジクロリドなど。
【0119】
これらの中で、4位にi-プロピル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基などの分岐アルキル基を有する化合物が、特に好ましい。
本発明では、通常、前記遷移金属化合物のラセミ体がオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0120】
上記のような遷移金属化合物は、インデン誘導体から既知の方法たとえば特開平4−268307号公報に記載されている方法により合成することができる。
本発明で好ましく用いられる下記式[IV]で示される化合物は、EP−549900号およびカナダ−2084017号の明細書に記載されている。
【0121】
【化13】
Figure 0003945543
【0122】
式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
21は、互いに同じでも異なっていてもよく、
水素原子、
ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子または塩素原子、
ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3 または−PR2 基(ただし、Rはハロゲン原子、好ましくは塩素原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基)である。
【0123】
22〜R28は、同一でも異なっていてもよく、R21と同様の原子または基であり、これらR22〜R28のうち隣接する少なくとも2個の基は、それらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。
【0124】
3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、
水素原子、ハロゲン原子、OH基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ基、
炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基、
炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基である。
【0125】
【化14】
Figure 0003945543
【0126】
−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR29、=CO、=PR29 または=P(O)R29である。
ただし、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、
水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、特に好ましくはメチル基、
炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、好ましくはCF3 基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基、
炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアリールアルキル基である。
【0127】
またR29とR30とは、それぞれ、それらの結合する原子とともに環を形成してもよい。
2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズである。
【0128】
上述のアルキル基は、直鎖状のまたは枝分かれしたアルキル基であり、ハロゲン(ハロゲン化)はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、特に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
【0129】
このような式[IV]で示される化合物のうちでも、
Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
21は、互いに同じであり、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
22〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
3 およびX4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜3のアルキル基またはハロゲン原子であり、
【0130】
【化15】
Figure 0003945543
【0131】
(M2 はケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基である。)
である化合物が好ましく、
置換基R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がより好ましい。
【0132】
さらには、Mは、ジルコニウムであり、
21は、互いに同一で炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
22およびR28は、水素原子であり、
23〜R27は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であり、
3 およびX4 は、いずれも塩素原子であり、
【0133】
【化16】
Figure 0003945543
【0134】
(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基である。)
である化合物が好ましく、特に、
Mは、ジルコニウムであり、
21は、メチル基であり、
22〜R28は、水素原子であり、
3 およびX4 は、塩素原子であり、
【0135】
【化17】
Figure 0003945543
【0136】
(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基またはフェニル基である)である化合物が好ましい。
以下にこのような式[IV]で示されるメタロセン化合物を数例示す。
【0137】
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,6-ジメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0138】
また、上記のような化合物中のジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物を挙げることもできる。
本発明では、通常式[III] または[IV]で示されるメタロセン化合物のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0139】
上記のようなメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。
次に、本発明で好ましく用いられる長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の調製に際して用いられるメタロセン化合物[A]としては、下記の一般式[V]で示される化合物が挙げられる。
【0140】
【化18】
Figure 0003945543
【0141】
式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
置換基R 1
1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、具体的には、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル基等のアルキル基、
ビニル、プロペニル等のアルケニル基
などが挙げられる。
【0142】
これらのうち、インデニル基に結合した炭素が1級のアルキル基が好ましく、さらに炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチル基が好ましい。
【0143】
置換基R 2 、R 4 、R 5 、R 6
2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1 と同様の炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
【0144】
ここでハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
置換基R 3
3 は、炭素原子数6〜16のアリール基である。このアリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。
【0145】
アリール基としては、具体的には、フェニル基、α- ナフチル基、β- ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒドロナフチル基、インダニル基、ビフェニリル基などが挙げられる。これらのうち、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基が好ましい。
【0146】
また、このアリール基の置換基である炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、たとえば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチル等のアルキル基、
ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル基、
上記例示のアリール基、および
トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、メチルナフチル、ベンジルフェニル等のアリール基
などが挙げられる。
【0147】
また、有機シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。
1 およびX 2
1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。具体的には、前記と同様のハロゲン原子および炭化水素基が挙げられる。
【0148】
また、酸素含有基としては、具体的には、
ヒドロオキシ基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、
フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、
フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキシ基
などが挙げられる。
【0149】
イオウ含有基としては、具体的には、
前記酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、
メチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基、
メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート等のスルフィネート基
などが挙げられる。
【0150】
これらのうち、X1 およびX2 は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。

Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −(ただし、R7 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)であり、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1 ,2-エチレン等のアリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;
クロロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレン等のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリル、テトラフェニル-1,2- ジシリル等のアルキルジシリル基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基などが挙げられる。
【0151】
7 は、前記と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
これらのうち、Yは、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0152】
以下に上記一般式[V]で表わされるメタロセン化合物の具体例を示す。
rac-ジメチルシリレン- ビス(4-フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(1- アントラセニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(2- アントラセニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(9- アントラセニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(9- フェナントリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- フルオロフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- (ペンタフルオロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- クロロフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- クロロフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o- クロロフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o,p- ジクロロフェニル)フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- ブロモフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o- トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- エチルフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-i- プロピルフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- ベンジルフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- ビフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- ビフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- トリメチルシリレンフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- トリメチルシリレンフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ-(i- プロピル)シリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ-(n- ブチル)シリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジシクロヘキシルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルスタニレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリドSO2Me、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリドOSO2Me、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(o- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(m- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(p- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,3- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,4- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,5- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,4,6- トリメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(o- クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(m- クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(p- クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,3- ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,6- ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(3,5- ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2- ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(3- ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ビフェニリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- トリメチルシリルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(8- メチル-9- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ペンチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-ネオペンチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-ネオペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ヘキシル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ヘキシル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ビフェリニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-n-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0153】
また、上記のような化合物中のジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに代えた化合物を挙げることもできる。
本発明では、通常、上記メタロセン化合物のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0154】
本発明では、上記のようなメタロセン化合物を2種以上組合わせて用いることができる。
このようなメタロセン化合物は、Journal of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許出願公開第0,320,762 号明細書に準じて製造することができる。
【0155】
また、上記一般式[V]で示されるメタロセン化合物のほかに、下記一般式[VI]で示されるメタロセン化合物が挙げられる。
aMX2 ・・・[VI]
(Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属であり、
a は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または20以下の炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を含有する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。)
このような式[VI]で示される化合物のうちでも、具体的に、下記式[VII] で示される化合物が好ましい。
【0156】
【化19】
Figure 0003945543
【0157】
Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、Xは、上記と同様である。
Cpは、Mにπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基またはその誘導体である。
【0158】
Zは、酸素、イオウ、ホウ素または周期率表第IVA族の元素であり、
Yは、窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、
ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0159】
このような式[VII] で表わされる化合物としては、具体的には、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、
((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)チタンジクロリド、
(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジメチルチタン、
((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジベンジルチタン、
((メチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジネオペンチルチタン、
((フェニルホスフィド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニルチタン、
(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、
(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、
(ジメチル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、
((テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジベンジルチタン、
(2-η5-(テトラメチル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタノレート(2-))ジベンジルチタン、
(2-η5-(テトラメチル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタノレート(2-))ジメチルチタン、
(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H- フルオレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))ジメチルチタン、
(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H- フルオレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジルジルチタンなどが挙げられる。
【0160】
本発明では、上記のような式[VI]で表わされるメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。
上記説明においては、メタロセン化合物としてチタン化合物について例示したが、チタンを、ジルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物を例示することもできる。
【0161】
これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の調製に際し、上述したメタロセン化合物の中でも、上記一般式[V]で示されるメタロセン化合物が好ましく用いられる。
【0162】
有機アルミニウムオキシ化合物[B]
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物[B]は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0163】
従来公知のアルミノオキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させて炭化水素の溶
液として回収する方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接、水、氷または水蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0164】
なお、このアルミノオキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノオキサン溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
【0165】
アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的には、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0166】
これらの中では、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
また、アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、式(i-C49xAly(C510z (式中、x、y、zは正の数であり、z ≧2x である。)で示されるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
【0167】
上記の有機アルミニウム化合物は、2種以上組合せて用いることもできる。
アルミノオキサンの製造の際に用いられる溶媒としては、たとえば
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、
ガソリン、灯油、軽油などの石油留分、および
上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物、とりわけ塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒が挙げられる。
【0168】
さらに、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。
メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]
本発明で用いられるメタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]としては、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、US−547718号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化合物、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0169】
ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、Al含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、これらのうちB含有ルイス酸が好ましい。
ホウ素原子を含有するルイス酸としては、具体的には、下記一般式で表わされる化合物を例示することができる。
【0170】
BR1 2 3
(式中、R1 2 およびR3 は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を示す。)
上記一般式で表わされる化合物としては、具体的には、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。これらのうちでは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンが特に好ましい。
【0171】
本発明で用いられるイオン性化合物は、カチオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩である。アニオンは前記メタロセン化合物[A]と反応することによりメタロセン化合物[A]をカチオン化し、イオン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、有機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高で遷移金属カチオン種を安定化させるアニオンが好ましい。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウムカチオン、フェロセニウムカチオンなどを例示することができる。
【0172】
本発明においては、有機ホウ素化合物アニオンを有するイオン性化合物が好ましい。具体的には、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(4-フルオロフェニル)ホウ素等のトリアルキル置換アンモニウム塩、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のN,N-ジアルキルアニリニウム塩、
ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のジアルキルアンモニウム塩、
トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のトリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。
【0173】
本発明では、ホウ素原子を含有するイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートも挙げることができる。
【0174】
また、以下のようなホウ素原子を含有するイオン性化合物も例示できる。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、これに限定されない。)
アニオンの塩、たとえば
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ノナボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]デカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ウンデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ドデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]デカクロロデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバドデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- トリメチルシリル-1- カルバデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムブロモ-1- カルバドデカボレートなど、さらには下記のようなボラン化合物、カルボラン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、ルイス酸、イオン性化合物として用いられる。
【0175】
ボラン化合物、カルボラン錯化合物、およびカルボランアニオンの塩としては、たとえば
デカボラン(14)、
7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、
2,7-ジカルバウンデカボラン(13)、
ウンデカハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボラン、
ドデカハイドライド-11-メチル-2,7- ジカルバウンデカボラン、
トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカボレート(13)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8- メチル7,9-ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド8-エチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- アリル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-9- トリメチルシリル-7,8- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-4,6- ジブロモ-7- カルバウンデカボレートなどが挙げられる。
【0176】
カルボラン化合物、およびカルボランの塩としては、たとえば
4-カルバノナボラン(14)、
1,3-ジカルバノナボラン(13)、
6,9-ジカルバデカボラン(14)、
ドデカハイドライド-1- フェニル-1,3- ジカルバノナボラン、
ドデカハイドライド-1- メチル-1,3- ジカルバノナボラン、
ウンデカハイドライド-1,3- ジメチル-1,3- ジカルバノナボランなどが挙げられる。
【0177】
さらに、以下のような化合物も例示できる。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、これに限定されない。)
金属カルボランの塩および金属ボランアニオン、たとえば
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-1,3- ジカルバノナボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレート(鉄酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)ニッケレート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)キュブレート(銅酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)アウレート(金属塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボレート)クロメート(クロム酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドジカルバドデカボレート)コバルテート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケレート(III)、
トリス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)クロメート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)マンガネート(IV)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)ニッケレート(IV)などが挙げられる。
【0178】
上記のような化合物[C]は、2種以上組合わせて用いることもできる。
有機アルミニウム化合物[D]
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物[D]は、たとえば下記一般式
(a) で示すことができる。
【0179】
5 nAlX3-n ・・・(a)
(式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
上記式(a) において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリ−ル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0180】
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニム、
イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0181】
また、有機アルミニウム化合物[D]として、下記の式(b) で表わされる化合物を用いることもできる。
5 nAlY3-n ・・・(b)
(式中、R5 は、上記式(a) におけるR5 と同様であり、
Yは、−OR6 基、−OSiR7 3 基、−OAlR8 2 基、−NR9 2 基、
−SiR10 3 基 または−N(R11)AlR12 2 基であり、
nは1〜2であり、
6 、R7 、R8 およびR12は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、
9 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、
10およびR11は、メチル基、エチル基などである。)
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
【0182】
(i) R5 n Al(OR63-n で表わされる化合物、たとえば
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど。
【0183】
(ii)R5 n Al(OSiR7 33-n で表わされる化合物、たとえば
(C252 Al(OSi(CH33 )、
(iso-C492 Al(OSi(CH33)、
(iso-C492 Al(OSi(C253)など。
【0184】
(iii) R5 nAl(OAlR8 23-n で表わされる化合物、たとえば
(C252Al(OAl(C252)、
(iso-C492Al(OAl(iso-C492)など。
【0185】
(iv)R5 nAl(NR9 23-n で表わされる化合物、たとえば
(CH32Al(N(C252)、
(C252Al(NH(CH3))、
(CH32Al(NH(C25))、
(C252Al[N(Si(CH332]、
(iso-C492Al[N(Si(CH332] など。
【0186】
(v) R5 nAl(SiR10 33-n で表わされる化合物、たとえば
(iso-C492Al(Si(CH33)など。
本発明では、これらのうちでもR5 3Al、R5 nAl(OR63-n 、R5 nAl(OAlR8 23-n で表わされる有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げることができ、R5 がイソアルキル基であり、n=2である化合物が特に好ましい。これらの有機アルミニウム化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。
【0187】
本発明で用いられる特定のメタロセン系触媒は、上記のようなメタロセン化合物[A]を含んでおり、たとえば上記したようにメタロセン化合物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]とから形成することができる。また、メタロセン化合物[A]と、メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]とから形成されてもよく、さらにメタロセン化合物[A]とともに、有機アルミニウムオキシ化合物[B]とメタロセン化合物[A]とが反応してイオン対を形成する化合物[C]とを併用することもできる。また、これらの態様において、さらに有機アルミニウム化合物[D]を併用することが特に好ましい。
【0188】
本発明では、上記メタロセン化合物[A]は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算して、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好ましくは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられる。
【0189】
また有機アルミニウムオキシ化合物[B]は、遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子が、通常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜5,000モルとなるような量で用いることができる。
【0190】
メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]は、遷移金属原子1モルに対して、ボロン原子が、通常、約0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルとなるような量で用いられる。
【0191】
さらに有機アルミニウム化合物[D]は、有機アルミニウムオキシ化合物[B]中のアルミニウム原子またはイオン対を形成する化合物[C]中のボロン原子1モルに対して、通常、約0〜1,000モル、好ましくは約0〜500モルとなるような量で必要に応じて用いられる。
【0192】
本発明では、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンとを共重合させる際に、メタロセン系触媒を構成する上記メタロセン化合物[A]、有機アルミニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物[C]、さらには有機アルミニウム化合物[D]をそれぞれ別々に重合反応器に供給してもよいし、また予めメタロセン化合物[A]を含有するメタロセン系触媒を調製してから共重合反応に供してもよい。
【0193】
またメタロセン系触媒を調製する際には、触媒成分と反応不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を用いることができる。これらの炭化水素溶媒は、単独で、あるいは組合わせて用いることができる。
【0194】
上記メタロセン化合物[A]、有機アルミニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物[C]および有機アルミニウム化合物[D]は、通常−100〜200℃、好ましくは−70〜100℃で混合接触させることができる。
【0195】
本発明では、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンとの共重合は、通常40〜250℃、好ましくは50〜200℃、特に好ましくは60〜160℃で、大気圧〜100kg/cm2 、好ましくは大気圧〜50kg/cm2 、特に好ましくは大気圧〜30kg/cm2 の条件下で行なうことができる。また、滞留時間(重合反応時間)は、通常0.1〜4時間、好ましくは0.2〜2時間である。
【0196】
この共重合反応は、種々の重合方法で実施することができるが、溶液重合により行なうことが好ましい。この際重合溶媒としては、上記のような炭化水素溶媒を用いることができる。
【0197】
共重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行なうことができるが、連続式で行なうことが好ましい。さらに重合を反応条件を変えて2段以上に分けて行なうこともできる。
【0198】
また、本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、上述したような方法により得られるが、この共重合体ゴム(B)の分子量は、重合温度などの重合条件を変更することにより調節することができ、また水素(分子量調節剤)の使用量を制御することにより調節することもできる。
【0199】
本発明においては、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)、オレフィン系ゴム(C)および軟化剤(D)の合計量100重量部に対して、15〜90重量部、好ましくは25〜90重量部、さらに好ましくは30〜85重量部の割合で用いられる。上述したように、オレフィン系ゴム(C)および軟化剤(D)は任意成分であるので0重量部となる場合がある。エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)を上記のような割合で用いると、引張強度、引張伸度等の引張特性に優れた成形体を提供し得る、成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0200】
オレフィン系ゴム(C)
本発明において必要に応じて用いられるオレフィン系ゴム(C)としては、炭素原子数2〜20のα- オレフィン含量が50モル%以上の無定形ランダムな弾性共重合体が挙げられる。また、本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、オレフィン系ゴム(C)と、オレフィン系ゴム(C)以外のゴム、たとえばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、ポリイソブチレンゴムなどとを組合わせて用いることもできる。
【0201】
上記の炭素原子数2〜20のα- オレフィン含量が50モル%以上の無定形ランダムな弾性共重合体としては、2種以上のα- オレフィンからなるα- オレフィン共重合体、2種以上のα- オレフィンと非共役ジエンとからなるα- オレフィン・非共役ジエン共重合体があり、具体的には、以下のようなゴムが挙げられる。
(1)エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(2)エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム
[エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(3)プロピレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[プロピレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(4)ブテン・α- オレフィン共重合体ゴム
[ブテン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
上記α- オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0202】
また、上記非共役ジエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどが挙げられる。
【0203】
このような非共役ジエンが共重合している上記(2)のエチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムのヨウ素価は、25以下が好ましい。
上記(1)〜(4)の共重合体ゴムのムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]は、10〜250であり、特に30〜150が好ましい。
【0204】
本発明においては、オレフィン系ゴム(C)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)、オレフィン系ゴム(C)および軟化剤(D)の合計量100重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは5〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。オレフィン系ゴム(C)を上記のような割合で用いると、柔軟性に優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0205】
軟化剤(D)
本発明で必要に応じて用いられる軟化剤(C)としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
【0206】
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物質;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;
トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩;
石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;
その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコールなどが挙げられる。
【0207】
本発明においては、軟化剤(D)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)の合計量100重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは5〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。軟化剤(D)を上記のような割合で用いると、成形時の流動性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0208】
その他の成分
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤、滑剤など添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0209】
従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤としては、フェノール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン安定剤などが挙げられる。
【0210】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物においては、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)、オレフィン系ゴム(C)および軟化剤(D)の合計量に対する重合体成分、すなわち結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)およびオレフィン系ゴム(C)の合計量の比率は、60〜100重量%である。
【0211】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の調製
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、上述した結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)と、さらに必要に応じて、オレフィン系ゴム(C)および/または軟化剤(D)とを、上述した特定の割合で配合し、有機過酸化物の存在下に動的に熱処理して部分的または完全に架橋することにより調製することができる。
【0212】
本発明で用いられる有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
【0213】
これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが好ましく、なかでも、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサンが最も好ましい。
【0214】
このような有機過酸化物は、被架橋処理物全体、すなわち結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)、オレフィン系ゴム(C)および軟化剤(D)の合計量100重量%に対して、0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜2重量%の割合で用いられる。
【0215】
本発明においては、上記有機過酸化物による部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0216】
上記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分である結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびオレフィン系ゴム(C)との相溶性が良好であり、かつ、有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれた熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0217】
上記のような架橋助剤あるいは多官能性ビニルモノマーなどの化合物は、上記被架橋処理物全体100重量%に対して、0.1〜3重量%、特に0.3〜2重量%の割合で用いるのが好ましい。
【0218】
上記の「動的に熱処理する」とは、上記のような各成分を溶融状態で混練することをいう。
動的な熱処理は、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等の混練装置を用いて行なわれるが、非開放型の混練装置中で行なうことが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0219】
また混練は、使用する有機過酸化物の半減期が1分未満となる温度で行なうのが望ましい。混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170℃〜240℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは1〜5分間である。また、混練の際に加えられる剪断力は、通常、剪断速度で10〜10,000sec-1、好ましくは100〜10,000sec-1の範囲内で決定される。
【0220】
上記のようにして、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)、さらにはオレフィン系ゴム(C)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)が部分的または完全に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0221】
なお、本発明において、熱可塑性エラストマー組成物が部分的に架橋されたとは、下記の方法で測定したゲル含量が10重量%以上、好ましくは20〜97重量%、特に好ましくは30〜97重量%の範囲内にある場合をいう。また、熱可塑性エラストマー組成物が完全に架橋されたとは、このゲル含量が97重量%を超える場合をいう。
[ゲル含量の測定法]
熱可塑性エラストマー組成物の試料を約100mg秤量し、これを0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片を密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬する。
【0222】
次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温で72時間以上、恒量になるまで乾燥する。
この乾燥残渣の重量から、ポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0223】
一方、試料の重量から、ポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量、およびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された初期重量(X)」とする。
【0224】
ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)は、次の式で求められる。
ゲル含量[重量%]
=[補正された最終重量(Y)/補正された初期重量(X)]×100
【0225】
【発明の効果】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)および特定のエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム(B)を特定の割合で含み、かつ、架橋されているので、従来の加硫ゴムと比較して引張強度、破断伸度等の引張特性に優れた成形体を提供することができる。
【0226】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例におけるオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造に際して用いた原材料を以下に記す。
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
(A−1)プロピレン・エチレン共重合体
1)エチレン含有量:3モル%
2)MFR(ASTM D 1238-65T、230℃、2.16kg荷重):25g/10分
オレフィン系ゴム(C)
(C−1)エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム
1)エチレン含有量:78モル%
2)ヨウ素価:8.2
3)ムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]:62
(C−2)ブチルゴム
1)不飽和度:0.7モル%
2)ムーニー粘度[ML1+8 (100℃)]:55
軟化剤(D)
(D−1)鉱物油系プロセスオイル
出光興産(株)製、商品名PW−380
なお、実施例および比較例のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物について行なった物性の測定方法は、下記の通りである。
【0227】
[物性の測定方法]
(1)硬度:JIS K 6301に準拠し、JIS A硬度を測定した。
(2)引張強度:JIS K 6301に準拠し、200mm/分の引張速度で、破断点の引張強度を測定した。
(3)破断伸度:JIS K 6301に準拠し、200mm/分の引張速度で、破断点の破断伸度を測定した。
【0228】
【参考例1】
[触媒溶液の調製]
下記に式で表わされるrac-ジメチルシリレン- ビス-{1- (2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド51gと、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(アルミニウム1.1モル/リットル)1.57リットルと、トルエン2.76リットルとを、暗所において室温下、30分間攪拌することにより混合して、触媒溶液を調製した。
【0229】
【化20】
Figure 0003945543
【0230】
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド
[重 合]
連続式溶液重合装置を用い、全圧6kg/cm-G 、重合温度90℃でエチレンと1-オクテンとの共重合を行なった。次いで、上記触媒溶液をジルコニウム原子換算で0.02mmol/h、トリイソブチルアルミニウム10mmol/hの割合で連続的に供給し、重合の間一定のモノマー組成を維持するためにエチレン、1-オクテン、水素を連続的に供給した。(ガス組成(モル比):エチレン/1-オクテン=0.83、水素/エチレン=0.002)
上記のようにして、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム(B−1)が毎時5kgの量で得られた。
【0231】
得られた共重合体ゴムは、エチレンから導かれる単位と1-オクテンから導かれる単位とのモル比(エチレン/1-オクテン)が83/17であった。
また、この共重合体ゴムは、密度が0.861g/cm3 であり、MFRが0.4g/10分であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が2.0dl/gであり、13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比D値が0.01であり、B値が1.1であり、ガラス転移温度(Tg)が−65℃であり、gη* 値が0.84であり、平均分子量分布(Mw/Mn)が2.2であり、流動性インデックス(FI)が125sec-1であった。
【0232】
この流動性インデックス(FI)は、190℃におけるずり応力が2.4×106dyne/cm2 に到達する時のずり速度で定義される。なお、流動性インデックス(FI)は、ずり速度を変えながら樹脂をキャピラリーから押出し、その時の応力を測定することにより決定される。すなわち、流動性インデックス(FI)は、ペレットを(株)東洋精機製作所製の毛細式流れ特性試験機で、樹脂温度190℃、ずり応力の範囲が5×104〜3×106dyne/cm2 程度の条件下で測定した。
【0233】
結果を第1表に示す。
【0234】
【参考例2】
参考例1において、重合条件を変えて共重合反応を行なった以外は、参考例1と同様にしてエチレン・1-ブテン共重合体ゴム(B−2)を製造した。
【0235】
これらの共重合体ゴムの、エチレンから導かれる単位と1-ブテンから導かれる単位とのモル比、ヨウ素価、極限粘度[η]、D値、B値、Tg、gη* 値、Mw/MnおよびFIを第1表に示す。
【0236】
【表1】
Figure 0003945543
【0237】
【実施例1】
プロピレン・エチレン共重合体(A−1)のペレット40重量部と、エチレン・1-オクテンランダム共重合体(B−1)のペレット60重量部とをバンバリーミキサーを用いて、窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した後、得られた混練物をロールに通してシート状にし、シートカッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0238】
次いで、この角ペレット100重量部と、2,5-ジ- (t-ブチルペルオキシ)ヘキサン0.3重量部と、ジビニルベンゼン0.4重量部とをヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、得られた混合物を、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0239】
さらに、この熱可塑性エラストマー組成物のペレットから射出成形機により、所定の試験片を作製し、その物性を上記測定方法に従って測定した。
その結果を第2表に示す。
【0240】
【実施例2】
実施例1において、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム(B−1)の代わりにエチレン・1-ブテン共重合体ゴム(B−2)を60重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0241】
次いで、この熱可塑性エラストマー組成物のペレットから、実施例1と同様に試験片を作製し、その物性を上記測定方法に従って測定した。
その結果を第2表に示す。
【0242】
【実施例3】
プロピレン・エチレン共重合体(A−1)のペレット20重量部と、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム(B−1)のペレット60重量部と、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(C−1)20重量部とを用いて、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0243】
次いで、この熱可塑性エラストマー組成物のペレットから、実施例1と同様に試験片を作製し、その物性を上記測定方法に従って測定した。
その結果を第2表に示す。
【0244】
【実施例4】
実施例3において、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(C−1)の代わりにブチルゴム(C−2)20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0245】
次いで、この熱可塑性エラストマー組成物のペレットから、実施例1と同様に試験片を作製し、その物性を上記測定方法に従って測定した。
その結果を第2表に示す。
【0246】
【実施例5】
プロピレン・エチレン共重合体(A−1)のペレット17重量部と、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム(B−1)のペレット50重量部と、ブチルゴム(C−2)17重量部と、鉱物油系プロセスオイル(D−1)16重量部とを用いて、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0247】
次いで、この熱可塑性エラストマー組成物のペレットから、実施例1と同様に試験片を作製し、その物性を上記測定方法に従って測定した。
その結果を第2表に示す。
【0256】
【表2】
Figure 0003945543
【0257】
【参考例3】
[エチレン・1-オクテン共重合体ゴムの調製]
(触媒溶液の調製)
充分に窒素置換したガラス製フラスコにビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを0.5mg入れ、さらにメチルアミノキサンのトルエン溶液(Al;1.1モル/リットル)1.57ml、およびトルエン2.76mlを添加することにより触媒溶液を得た。
【0258】
(重合)
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン600mlおよび1-オクテン400mlを挿入し、系内の温度を80℃に昇温した。引き続き、トリイソブチルアルミニウム1ミリモルおよび上記の調製した触媒溶液0.5ml(Zrとして0.001ミリモル)をエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を4.0Kg/cm2-G に保ち、90℃で30分間重合を行なった。少量のエタノールを系内にパージして重合を停止させた後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマーを大過剰のメタノール中に投入することによりポリマーを析出させた。このポリマーを濾過により回収し、減圧下で一晩乾燥し、直鎖状のエチレン・1-オクテン共重合体ゴム(B−3)を得た。
【0259】
このようにして得られた共重合体ゴム(B−3)は、エチレンから導かれる単位と1-オクテンから導かれる単位とのモル比(エチレン/1-オクテン)が90/10であり、密度が0.885g/cm3 であり、MFRが3.5g/10分であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.5dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)が−58℃であり、X線回折法により測定した結晶化度が14%であり、GPCより求めた平均分子量分布(Mw/Mn)が2.5であり、D値が0.01以下であり、B値が1.03であり、gη* 値が1.00であった。これらの物性値を第3表に示す。
【0260】
【参考例4】
参考例3において、1-オクテンの代わりに1-ブテンを使用し、重合圧力および重合温度をそれぞれ20Kg/cm2-G 、110℃にした以外は、参考例3と同様にして重合を行ない、エチレン・1-ブテン共重合体ゴム(B−4)を得た。
【0261】
得られた共重合体ゴム(B−4)は、エチレンから導かれる単位と1-ブテンから導かれる単位とのモル比(エチレン/1-ブテン)が88/12であり、密度が0.886g/cm3 であり、MFRが3.5g/10分であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.5dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)が−57℃であり、X線回折法により測定した結晶化度が10%であり、GPCより求めた平均分子量分布(Mw/Mn)が2.2であり、D値が0.01以下であり、B値が1.02であり、gη* 値が1.00であった。これらの物性値を第3表に示す。
【0262】
【表3】
Figure 0003945543
【0263】
【実施例6】
実施例1において、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム(B−1)の代わりに参考例3で調製したエチレン・1-オクテン共重合体ゴム(B−3)を60重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0264】
次いで、この熱可塑性エラストマー組成物のペレットから、実施例1と同様に試験片を作製し、その物性を上記測定方法に従って測定した。
その結果を第4表に示す。
【0265】
【実施例7】
実施例1において、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム(B−1)の代わりに参考例4で調製したエチレン・1-ブテン共重合体ゴム(B−4)を60重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0266】
次いで、この熱可塑性エラストマー組成物のペレットから、実施例1と同様に試験片を作製し、その物性を上記測定方法に従って測定した。
その結果を第4表に示す。
【0267】
【表4】
Figure 0003945543

Claims (5)

  1. 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜85重量部と、
    エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)15〜90重量部
    [(A)および(B)の合計量は100重量部である]と
    からなる部分的または完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物であって、
    該エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)は、
    周期律表第IVB族メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとをランダム共重合させることにより得られ、
    (1)(a)エチレンから導かれる単位と
    (b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを、
    60/40〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有し、
    (2) 密度が0.860〜0.900g/cm3 であり、
    (3) メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜20g/10分であり、
    (4) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、1.0〜5dl/gである
    ことを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜85重量部と、
    エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)15〜90重量部
    [(A)および(B)の合計量は100重量部である]と
    からなる部分的または完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物であって、
    該エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)は、
    周期律表第IVB族メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させることにより得られ、
    (1)(a)エチレンから導かれる単位と
    (b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを、
    60/40〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有し、
    (2) 密度が0.860〜0.900g/cm3 であり、
    (3) メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜20g/10分であり、
    (4) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、1.0〜5dl/gであり、
    (5) 上記(4) で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/[η]blank)]が0.95を超える値である
    ことを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)は、
    (6) 13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比D(Tαβ/Tαα)が0.3以下であり、
    (7) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求められるB値が、1.00〜1.50であり;
    B値=[POE]/(2・[PE]・[PO])
    (式中、[PE]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エチレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
    [PO]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α−オレフィンから導かれる単位の含有モル分率であり、
    [POE]は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)連鎖数に対するα−オレフィン・エチレン連鎖数の割合である)、
    (8) DSCで求められるガラス転移温度(Tg)が−50℃以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜85重量部と、
    エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)15〜90重量部
    [(A)および(B)の合計量は100重量部である]と
    からなる部分的または完全に架橋された熱可塑性エラストマー組成物であって、
    該エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)は、
    周期律表第IVB族メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとをランダム共重合させることにより得られ、
    (1)(a)エチレンから導かれる単位と
    (b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを、
    60/40〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有し、
    (2) 密度が0.860〜0.900g/cm3 であり、
    (3) メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜20g/10分であり、
    (4) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、1.0〜5dl/gであり、
    (5) 上記(4) で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/[η]blank)]が0.4〜0.9である
    ことを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜85重量部と、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B)15〜90重量部と、オレフィン系ゴム(C)1〜40重量部および/または軟化剤(D)1〜40重量部[成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計量は100重量部である]とからなり、かつ、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計量に対する成分(A)、(B)および(C)の合計量の比率が60〜100重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
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