JP3651864B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性に優れた成形体を提供することができ、しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリアミド樹脂は、その優れた物性によりエンジニアリングプラスチックとして大きな需要が期待されている。しかしながら、ポリアミド樹脂は、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性、耐塩水性などの性能が十分とはいえず、これらの性能の改良が種々検討されている。ポリアミド樹脂は、その柔軟性、耐低温衝撃性を改良することができれば、スキー靴、運動靴等のスポーツ用品から自動車部品、オイルチューブ、フレキシブルチューブ、エアーホース等の産業部品に至るまで広い用途があり、その需要は大きい。
【0003】
ポリアミド樹脂の柔軟性、吸水性などの耐水性あるいは耐塩水性を向上させる方法として、エチレン・α,β- 不飽和モノカルボン酸共重合体中和物(アイオノマー樹脂)をポリアミド樹脂に配合する方法が、特開昭53−80014号公報、特開昭56−167751号公報、特開昭56−109247号公報、特開昭56−157451号公報において提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの公報に提案されているポリアミド樹脂組成物は、耐吸水性、耐塩水性などの耐水性を改善することはできても、アイゾット衝撃強度などの耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性の改良効果が劣るという問題がある。
【0005】
また、ポリアミド樹脂のアイゾット衝撃強度などの耐衝撃性を改良する方法として、たとえば特公昭42−12546号公報、特公昭55−44108号公報、特開昭55−9662号公報には、α,β- 不飽和カルボン酸をグラフトしたエチレン・α- オレフィン共重合体をポリアミド樹脂に配合する方法が提案されている。
【0006】
しかしながら、これらの公報に提案されているポリアミド樹脂組成物は、柔軟性が不十分であり、また低温での耐衝撃性が不十分であるという問題がある。さらに、これらのポリアミド樹脂組成物は、成形法によっては成形性が低下するという問題もある。
【0007】
さらに、ポリアミド樹脂の柔軟性を特に改良する方法として、たとえば特公昭62−13379号公報には、ポリアミド樹脂に、α,β- 不飽和カルボン酸をグラフトした、エチレン・プロピレン共重合体またはエチレン・1-ブテン共重合体を、ポリアミド樹脂の使用量の2/3を超え、かつ、6重量倍以下の割合で配合する方法が提案されている。
【0008】
しかしながら、この公報に提案されているポリアミド樹脂組成物は、柔軟性は十分であるが、未だ低温での耐衝撃性が不十分であり、また成形性が低下するという重大な問題がある。
【0009】
したがって、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性に優れた成形体を提供することができ、しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物の出現が従来より望まれている。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性に優れた成形体を付与することができ、しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、
[I]ポリアミド樹脂(A)100重量部と、
[II]エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとからなるエチレン・α - オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト量が0.01〜10重量%のグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)5〜200重量部と
からなり、
グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、
(a) 炭素原子数6〜20のα- オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである
エチレン・α- オレフィンランダム共重合体のグラフト変性物であることを特徴としている。
【0012】
前記グラフト変性前のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体としては、メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとを共重合させたエチレン・α- オレフィンランダム共重合体が好ましい。
【0013】
また、前記グラフト変性前のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体としては、下記のような特性を有する直鎖状または長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体が好ましい。
【0014】
この直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、以下の特徴を有する。
(a) 炭素原子数6〜20のα- オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gであり、
(c) ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、
(d) X線回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(e) GPCより求めた分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、
(f) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から算出して求めたB値が、1.0〜1.4であり、
(g) 上記(b) で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blankとの比[gη*(=[η]/[η]blank)]が0.95を超える値である。
【0015】
B=POE/(2PO・PE)
[式中、PEおよびPOは、それぞれ未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体中に含有される、エチレン成分のモル分率およびα- オレフィン成分のモル分率であり、
POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレン・α- オレフィン交互連鎖数の割合である。]
また、長鎖分岐型エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、
(a) 炭素原子数6〜20のα- オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gであり、
(c) ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、
(d) X線回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(e) GPCより求めた分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、
(f) 13C−NMRスペクトルおよび上記の式から算出して求めたB値が、1.0〜1.4であり、
(g) 上記(b) で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blankとの比[gη*(=[η]/[η]blank)]が0.2〜0.95である。
【0016】
上記のような特性を有する直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体としては、下記式[C-a] または[B-a]で示されるメタロセン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させた共重合体が好ましい。
【0017】
【化5】
【0018】
[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、
R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、
R13およびR14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基であり、
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)]、
【0019】
【化6】
【0020】
[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、
R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基)であり、
R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそれらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく、X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基であり、
Zは、
【0021】
【化7】
【0022】
=BR29、=AIR29、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR29、=CO、=PR29または=P(O)R29である。(ただし、R29およびR30は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30とは、それぞれそれらの結合する原子とともに環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズの原子である。)]。
【0023】
また、上記のような特性を有する長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体としては、下記式[II]で示されるメタロセン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させた共重合体が好ましい。
【0024】
【化8】
【0025】
[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、
R1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、
R2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、
R3 は、炭素原子数6〜16のアリール基であり、このアリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。
【0026】
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。]。
【0027】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリアミド樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と特定のグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)とを特定の割合で含有してなる。
【0028】
ポリアミド樹脂(A)
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)は、特に限定はなく、アミノ酸ラクタム、あるいはジアミンとカルボン酸とから構成される、溶融重合および溶融成形可能なポリマー全般を意味する。
【0029】
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)としては、具体的には、以下のような樹脂が挙げられる。
(1)炭素原子数4〜12の有機ジカルボン酸と炭素原子数2〜13の有する有機ジアミンとの重縮合物、たとえばヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンアジパミド[6,6ナイロン]、ヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンアゼラミド[6,9ナイロン]、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンセバカミド[6,10ナイロン]、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジオン酸との重縮合物であるポリヘキサメチレンドデカノアミド[6,12ナイロン]、ビス-p- アミノシクロヘキシルメタンとドデカンジオン酸との重縮合物であるポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカン、
(2)ω- アミノ酸の重縮合物、たとえばω- アミノウンデカン酸の重縮合物であるポリウンデカンアミド[11ナイロン]、
(3)ラクタムの開環重合物、たとえばε- アミノカプロラクタムの開環重合物であるポリカプラミド[6ナイロン]、ε- アミノラウロラクタムの開環重合物ポリラウリックラクタム[12ナイロン]
などが挙げられる。中でも、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,6ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(6,9ナイロン)、ポリカプロラミド(6ナイロン)が好ましく用いられる。
【0030】
また、本発明では、たとえばアジピン酸とイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから製造されるポリアミド樹脂なども使用することもできるし、さらに、6ナイロンと6,6ナイロンとの混合物のように2種以上のポリアミド樹脂を配合したブレンド物を用いることもできる。
【0031】
上記ポリアミド樹脂(1)は、たとえば炭素原子数4〜12の有機ジカルボン酸と炭素原子数2〜13の有する有機ジアミンとを等モル量重縮合させることによって調製することができる。また、必要に応じて、ポリアミド樹脂中のカルボキシ基がアミノ基より過剰となるように有機ジカルボン酸を有機ジアミンよりも多量に使用することもできるし、逆に、ポリアミド樹脂中のアミノ基がカルボキシ基よりも過剰となるように有機ジカルボン酸を有機ジアミンよりも少量で使用することもできる。
【0032】
上記有機ジカルボン酸としては、具体的には、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などが挙げられる。
上記有機ジアミンとしては、具体的には、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどが挙げられる。
【0033】
また、上記ポリアミド樹脂(1)は、上記方法と同様にして、エステル、酸塩化物等のカルボン酸を生成しうる誘導体と、アミン塩等のアミンを生成しうる誘導体とから調製することもできる。
【0034】
上記ポリアミド樹脂(2)は、たとえばω- アミノ酸を少量の水の存在下に加熱して重縮合させることによって調製することができる。多くの場合、酢酸などの粘度安定剤を少量加える。
【0035】
上記ポリアミド樹脂(3)は、たとえばラクタムを少量の水の存在下に加熱して開環重合させることによって調製することができる。多くの場合、酢酸などの粘度安定剤を少量加える。
【0036】
グラフト変性エチレン・α - オレフィンランダム共重合体(B)
本発明で用いられるグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体(以下、未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体と称する場合がある)に、特定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされてなる。
【0037】
上記の炭素原子数6〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テトラデセン、およびこれらの組合わせが挙げられる。
【0038】
上記未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、α- オレフィン含量が6〜25モル%、好ましくは8〜22モル%、さらに好ましくは10〜20モル%である。α- オレフィン含量が上記のような範囲にある未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を用いると、柔軟性が良好で取扱いが容易なグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を得ることができる。しかも、このグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を用いると、耐低温衝撃性および柔軟性に優れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0039】
また、この未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、0.5〜5.0dl/g、好ましくは1.5〜3.0dl/gである。極限粘度[η]が上記のような範囲にある未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体から得られるグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、ポリアミド樹脂(A)とのブレンド性が良好である。しかも、このグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を用いると、成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0040】
上記のような特性を有する未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、後述するように、可溶性バナジウム化合物とアルキルアルミニウムハライド化合物とからなるバナジウム系触媒、またはジルコニウムのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物とからなるジルコニウム系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとをランダムに共重合させることによって調製することができる。
【0041】
上記のような特性を有する未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体の中でも、下記のような特性を有する直鎖状および長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体が好ましく用いられる。
【0042】
本発明で好ましく用いられる直鎖状のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体のα- オレフィン含有量、極限粘度については、上述した通りである。
さらに、この直鎖状のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、DSC(示差走査熱量計)で求めたガラス転移点(Tg)が−50℃以下である。ガラス転移点(Tg)が上述した範囲である未変性の直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体から得られるグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を用いると、耐低温衝撃性および低温柔軟性に優れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0043】
また、この未変性の直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体の融点は、90℃以下である。
さらにまた、この未変性の直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、X線回折法により測定された結晶化度が30%未満、好ましくは20%以下である。結晶化度が30%未満の未変性の直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体から得られるグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を用いると、成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0044】
また、この未変性の直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、GPCより求めた分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下で、13C−NMR法により求めた、共重合体中のモノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータ(B値)が1.0〜1.4であることが好ましい。
【0045】
このような未変性の直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体におけるB値は、共重合体中の連鎖中における各モノマーから誘導される構成単位の組成分布状態を表わす指標であり、下式により算出することができる。
【0046】
B=POE/(2PO・PE)
[式中、PEおよびPOは、それぞれ未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体中に含有される、エチレン成分のモル分率およびα- オレフィン成分のモル分率であり、
POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレン・α- オレフィン交互連鎖数の割合である。]
このようなPE、POおよびPOE値は、具体的には、下記のようにして求められる。
【0047】
10mmφの試験管中で約200mgの未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させて試料を調製し、この試料の13C−NMRスペクトルを下記の測定条件下で測定して得る。
測定条件
測定温度:120℃
測定周波数:20.05MHz
スペクトル幅:1500Hz
フィルタ幅:1500Hz
パルス繰り返し時間:4.2sec
パルス幅:7μsec
積算回数:2000〜5000回
PE、POおよびPOE値は、上記のようにして得られる13C−NMRスペクトルから、G.J.Ray (Macromolecules, 10,773(1977))、J.C.Randall(Macro-molecules, 15,353(1982))、K.Kimura (Polymer,25,4418(1984)) らの報告に基づいて求めることができる。
【0048】
なお、上記式より求められるB値は、未変性エチレン・α- オレフィン共重合体中で両モノマーが交互に分布している場合には2となり、両モノマーが完全に分離して重合している完全ブロック共重合体の場合には0となる。
【0049】
B値が上記範囲にある未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体から得られるグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を用いると、耐低温衝撃性に特に優れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0050】
上記のような直鎖状のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体の極限粘度[η]から求められるgη* 値は、0.95を超えている。
このgη* 値は、次式により定義される。
【0051】
gη* =[η]/[η]blank
(ここで、[η]は、上記(b) で測定される極限粘度であり、
[η]blank は、その極限粘度[η]のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体と同一重量平均分子量(光散乱法による)を有し、かつエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度である。)
上記のような特性を有する直鎖状のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体からは、機械強度、耐候性、耐オゾン性に優れ、しかも耐寒性(低温柔軟性)および耐熱性のいずれにも優れたポリアミド樹脂組成物およびその成形体を得ることができる。
【0052】
また、本発明で好ましく用いられる長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体のα- オレフィン含有量、極限粘度、ガラス転移温度、結晶化度、分子量分布およびB値については、既に上述した直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体と同様である。
【0053】
長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体のgη* 値は、0.2〜0.95、好ましくは0.4〜0.9、さらに好ましくは0.5〜0.85である。このgη* 値は、上述した方法により求められる。
【0054】
エチレン・α- オレフィンランダム共重合体のgη* 値が0.95以下であると、分子中に長鎖分岐が形成されていることを示す。
本発明で好ましく用いられる上記直鎖状および長鎖分岐状のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、それぞれ特定のメタロセン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させることによって調製することができる。
【0055】
未変性エチレン・α - オレフィンランダム共重合体の調製
本発明で用いられる未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、上述したように、可溶性バナジウム化合物とアルキルアルミニウムハライド化合物とからなるバナジウム系触媒、またはジルコニウムのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物とからなるジルコニウム系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとをランダムに共重合させることによって調製することができる。
【0056】
上記バナジウム系触媒で用いられる可溶性バナジウム化合物としては、具体的には、四塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、モノエトキシ二塩化バナジウム、バナジウムトリアセチルアセトネート、オキシバナジウムトリアセチルアセトネートなどが挙げられる。
【0057】
また、このバナジウム系触媒で用いられるアルキルアルミニウムハライド化合物としては、具体的には、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。
【0058】
上記ジルコニウム系触媒で用いられるジルコニウムのメタロセン化合物としては、具体的には、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、
ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0059】
また、このジルコニウム系触媒で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては、アルミノオキサンまたはベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物がある。
【0060】
ジルコニウム系触媒は、ジルコニウムのメタロセン化合物および有機アルミニウムオキシ化合物とともに、有機アルミニウム化合物を含有していてもよい。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。
【0061】
上記のようなバナジウム系触媒またはジルコニウム系触媒を用いたエチレンとα- オレフィンとの共重合は、溶液状または懸濁状あるいはこの中間領域で行なうことができ、いずれの場合にも不活性溶剤を反応媒体として用いるのが好ましい。
【0062】
本発明で好ましく用いられる上記直鎖状および長鎖分岐状のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、上述したように、それぞれ特定のメタロセン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させることによって調製することができる。
【0063】
ここで用いられるメタロセン系触媒は、メタロセン化合物[a]を含有すること以外は特に限定されず、たとえばメタロセン化合物[a]と、有機アルミニウムオキシ化合物[b]および/またはメタロセン化合物[a]と反応してイオン対を形成する化合物[c]とから形成されてもよい。また、メタロセン化合物[a]と、有機アルミニウムオキシ化合物[b]および/またはイオン対を形成する化合物[c]とともに有機アルミニウム化合物[d]とから形成されてもよい。
【0064】
メタロセン化合物[a]
まず、上記直鎖状のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体の調製に際して用いられるメタロセン化合物[a]としては、下記の一般式[I]で示される化合物が挙げられる。
【0065】
MLx ・・・[I]
式[I]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属であり、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0066】
Lは、遷移金属に配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
【0067】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、たとえば、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基、さらに
インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0068】
これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
これらのうちでは、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ましい。
【0069】
式[I]で示される化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレンなどの置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0070】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のL(以下単に他のLということもある)としては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、水素原子またはスルホン酸含有基(−SO3Ra)[ここで、Raはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で置換されたアリール基である。]などが挙げられる。
【0071】
炭素原子数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、より具体的には、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどのアルキル基、
シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基、
フェニル、トリルなどのアリール基、
ベンジル、ネオフィルなどのアラルキル基が挙げられる。
【0072】
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基などが挙げられる。
【0073】
アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられ、
スルホン酸含有基(−SO3Ra)としては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンスルホナト基などが挙げられる。
【0074】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記式で表わされるメタロセン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には、下記式[I-a]で表わされる。
【0075】
R2 kR3 lR4 mR5 nM ・・・[I-a]
式[I-a]中、Mは上記遷移金属であり、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3、R4およびR5は、それぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有する基または上記一般式[I]中の他のLと同様である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
【0076】
以下に、Mがジルコニウムであり、かつ、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物を例示する。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェノキシモノクロリド、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(sec-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、
ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3- エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3- プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-エチル-3- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(メチルベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを例示することができる。
【0077】
上記の1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換えた化合物を本発明で用いることもできる。
また上記式[I-a]において、R2、R3、R4およびR5の少なくとも2個すなわちR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を例示することもできる。このとき、R4およびR5はそれぞれ独立に式[I]中で説明した他のLと同様である。
【0078】
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-クロルベンゼンスルホナト)、
エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル- メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ジメチルシリレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0079】
さらに、下記式[A]で示される特開平4−268307号公報に記載のメタセン化合物が挙げられる。
【0080】
【化9】
【0081】
[式[A]中、M1は、周期律表の第IVB族の金属であり、具体的には、例えば、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを挙げることができる。
R1およびR2は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、またはハロゲン原子、好ましくは塩素原子である。
【0082】
R3およびR4は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、−NR10 2 、−SR10、−OSiR10 3 、−SiR10 3 または−PR10 2 基であり、その際R10はハロゲン原子、好ましくは塩素原子、または炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。
【0083】
R3およびR4は、特に水素原子であることが好ましい。
R5およびR6は、互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じであり、R5およびR6は、R3およびR4と同じであるが水素原子でない。R5およびR6は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基またはトリフルオロメチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
【0084】
R7は、下記式で表される:
【0085】
【化10】
【0086】
=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR11、=CO、=PR11または=P(O)R11であり、その際、R11、R12およびR13は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、さらに好ましくはメチル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、好ましくはCF3基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、または炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基であるか、またはR11とR12またはR11とR13とは、それぞれそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成してもよい。
【0087】
M2は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ましくは珪素またはゲルマニウムでる。
R7は、=CR11R12、=SiR11R12、=GeR11R12、−O−、−S−、=SO、=PR11または=P(O)R11であることが好ましい。
【0088】
R8およびR9は、互いに同じであっても異なっていてもよく、R11と同じである。
mおよびnは、互いに同じであっても異なっていてもよく、0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
【0089】
上記条件を充たす特に好ましいメタロセン化合物を下記(i)〜(iii)に示す。
【0090】
【化11】
【0091】
[上記式(i)、(ii)及び(iii)中、M1はZrまたはHfであり、R1およびR2はメチル基または塩素原子であり、R5およびR6はメチル基、エチル基またはトリフルオロメチル基であり、R8、R9、R11およびR12が上記の意味を有する。]
このような式(i)、(ii)及び(iii)で示される化合物の内でも、下記の化合物が特に好ましい。
【0092】
rac-エチレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジメチル、
rac-エチレン-(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジメチル、
rac-フェニル(メチル)シリレン-(2‐メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-ジフェニル-シリレン-(2‐メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-メチルエチレン-(2‐メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-ジメチルシリレン-(2‐エチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド。
【0093】
このようなメタロセン化合物の製造方法については、従来より公知の方法にて製造することができる(例:特開平4−268307号公報参照)。
本発明では、下記式[B]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもできる。
【0094】
【化12】
【0095】
式[B]中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属原子を示し、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムである。
R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示し、具体的には、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリルなどのアリール基などの炭素原子数1〜20の炭化水素基;
前記炭化水素基にハロゲン原子が置換したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル基、ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル基、トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル基、トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などのケイ素含有置換基;
ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などの酸素含有基;
前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基などのイオウ含有基;
アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素含有基;
ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ基などのリン含有基である。
【0096】
これらのうちR1 は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水素、炭化水素基が好ましく、特に水素あるいは、メチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
【0097】
R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが結合している炭素原子と一緒になって単環の芳香族環を形成していてもよい。
【0098】
また芳香族環を形成する基以外の基は、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。
【0099】
ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基として、具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
【0100】
R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含む、Mに配位する配位子としては以下に示すようなものが挙げられる。
【0101】
【化13】
【0102】
これらのうち上記式(1)で示される配位子が好ましい。
前記芳香族環は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
【0103】
前記芳香族環に置換するハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
【0104】
X1 およびX2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示し、具体的には、
前記R1 およびR2 と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基が例示できる。
【0105】
イオウ含有基としては、前記R1 、R2 と同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が例示できる。
【0106】
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7)−、−P(O)(R7)−、−BR7 −または−AlR7 −[ただし、R7 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基]を示し、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;
クロロメチレンなどの上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリレン基、テトラフェニル-1,2- ジシリレン基などのアルキルジシリレン基、アルキルアリールジシリレン基、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有基置換基などであり、
R7 は、前記R1 、R2 と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0107】
このうち2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好ましく、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、このうち特にアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基であることが好ましい。
【0108】
以下に上記式[B]で表される遷移金属化合物の具体的な例を示す。
【0109】
【化14】
【0110】
【化15】
【0111】
【化16】
【0112】
本発明では、上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
前記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0113】
このような遷移金属化合物のインデン誘導体配位子は、たとえば下記の反応ルートで、通常の有機合成手法を用いて合成することができる。
【0114】
【化17】
【0115】
本発明で用いられるこの遷移金属化合物は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特開平4−268307号公報に記載されている方法により合成することができる。
【0116】
本発明においては、また下記式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもできる。
【0117】
【化18】
【0118】
式[C]中、M、R1、R2、R3、R4、R5およびR6としては、前記式[B]の場合と同様なものが挙げられる。
R3 、R4 、R5 およびR6 のうち、R3 を含む2個の基が、アルキル基であることが好ましく、R3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。また、このアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R1 、R2 で例示した置換基が挙げられる。
【0119】
R3 、R4 、R5 およびR6 で示される基のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。
アルキル基(炭素原子数1〜20の炭化水素基)としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの鎖状アルキル基および環状アルキル基;
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、トリルメチルなどのアリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
【0120】
またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。
ハロゲン原子として、具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
【0121】
X1、X2、YおよびR7としては、前記式[B]の場合と同様のものが挙げられる。
以下に上記式[C]で示されるメタロセン化合物(遷移金属化合物)の具体的な例を示す。
【0122】
rac-ジメチルシリレン- ビス(4,7-ジメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,5,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,4,5,6-テトラメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,4,5,6,7-ペンタメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-n- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(4-i-プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- メチル-6-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-5- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-7-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-sec- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(sec- ブチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-tert-ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- シクロヘキシル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- ベンジル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニルエチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニルジクロルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- クロロメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- トリメチルシリルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- トリメチルシロキシメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i- プロピル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n- ブチル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ( シクロヘキシル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p- トリル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p- クロロフェニル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(メタンスルホナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド。
【0123】
本発明では、上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
上記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0124】
このような遷移金属化合物のインデン誘導体配位子は、たとえば前記と同様の反応ルートで、通常の有機合成手法を用いて合成することができる。
また上記の式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特開平4−268307号公報に記載の方法により合成することができる。
【0125】
本発明においては、上記のようなメタロセン化合物のうち、特に下記の一般式[C-a]または[B-a]で示される化合物が好ましく用いられる。一般式[C-a]で示されるメタロセン化合物は、上記式[C]で示される化合物の一部であり、また、一般式[B-a]で示されるメタロセン化合物は、上記式[B]で示される化合物の一部である。
【0126】
【化19】
【0127】
式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
R 11 およびR 12
R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、
炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、たとえば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチル等のアルキル基、
ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル基、
フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α- またはβ- ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリル等のアリール基などが挙げられる。
【0128】
これらの炭化水素基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などの有機シリル基で置換されていてもよい。
【0129】
酸素含有基としては、具体的には、
ヒドロオキシ基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、
フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリーロキシ基、
フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキシ基
などが挙げられる。
【0130】
イオウ含有基としては、具体的には、
前記酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、
メチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基、
メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート等のスルフィネート基
などが挙げられる。
【0131】
窒素含有基としては、具体的には、
アミノ基、
メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ等のアルキルアミノ基、
フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノ等のアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0132】
リン含有基としては、具体的には、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基などが挙げられる。
R11は、これらのうちでも炭化水素基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
【0133】
またR12は、水素原子、炭化水素基であることが好ましく、特に水素原子あるいは、メチル基、エチル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
【0134】
R 13 およびR 14
R13およびR14は、上記に例示したような炭素原子数1〜20のアルキル基である。
【0135】
R13は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。
R14は、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
X 1 およびX 2
X1 およびX2 は、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、上記に例示したような炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
【0136】
Y
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR15−、−P(R15)−、−P(O)(R15)−、−BR15−または−AlR15−[ただし、R15は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基]であり、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレン等のアリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;
クロロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレン等のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリル、テトラフェニル-1,2- ジシリル等のアルキルジシリル基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基などが挙げられる。
【0137】
R15は、前記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
これらのうち、Yは、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0138】
以下に上記一般式[C-a]で表わされるメタロセン化合物の具体的な例を示す。
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-sec- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ペンチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルジクロルメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- クロロメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシリルメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシロキシメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-sec- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ペンチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシリルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシロキシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- フェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- フェニルジクロルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- クロルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(メタンスルホナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)チタニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ハフニウムジクロリドなど。
【0139】
これらの中で、4位にi-プロピル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基などの分岐アルキル基を有する化合物が、特に好ましい。
本発明では、通常、前記遷移金属化合物のラセミ体がオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0140】
上記のような遷移金属化合物は、インデン誘導体から既知の方法たとえば特開平4−268307号公報に記載されている方法により合成することができる。
本発明で好ましく用いられる下記式[B-a]で示される化合物は、EP−549900号およびカナダ−2084017号の明細書に記載されている。
【0141】
【化20】
【0142】
式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、
水素原子、
ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子または塩素原子、
ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3または−PR2基(ただし、Rはハロゲン原子、好ましくは塩素原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基)である。
【0143】
R22〜R28は、同一でも異なっていてもよく、R21と同様の原子または基であり、これらR22〜R28のうち隣接する少なくとも2個の基は、それらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。
【0144】
X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、
水素原子、ハロゲン原子、OH基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ基、
炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基、
炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基である。
【0145】
Zは、
【0146】
【化21】
【0147】
=BR29、=AIR29、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR29、=CO、=PR29または=P(O)R29である。
ただし、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、
水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、特に好ましくはメチル基、
炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、好ましくはCF3 基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基、
炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基である。
【0148】
またR29とR30とは、それぞれ、それらの結合する原子とともに環を形成してもよい。
M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズである。
【0149】
上述のアルキル基は、直鎖状のまたは枝分かれしたアルキル基であり、ハロゲン(ハロゲン化)はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、特に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
【0150】
このような式[B-a]で示される化合物のうちでも、
Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
R21は、互いに同じであり、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
R22〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
X3 およびX4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜3のアルキル基またはハロゲン原子であり、
Zは、
【0151】
【化22】
【0152】
(M2 はケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基である。)
である化合物が好ましく、
置換基R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がより好ましい。
【0153】
さらには、Mは、ジルコニウムであり、
R21は、互いに同一で炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
R22およびR28は、水素原子であり、
R23〜R27は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であり、
X3 およびX4 は、いずれも塩素原子であり、
Zは、
【0154】
【化23】
【0155】
(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基である。)
である化合物が好ましく、特に、
Mは、ジルコニウムであり、
R21は、メチル基であり、
R22〜R28は、水素原子であり、
X3 およびX4 は、塩素原子であり、
Zは、
【0156】
【化24】
【0157】
(M2は、ケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもく、メチル基またはフェニル基である)である化合物が好ましい。
以下にこのような式[B-a]で示されるメタロセン化合物を数例示す。
【0158】
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,6-ジメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0159】
また、上記のような化合物中のジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物を挙げることもできる。
本発明では、通常式[C-a]または[B-a]で示されるメタロセン化合物のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0160】
上記のようなメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。
次に、本発明で好ましく用いられる長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体の調製に際して用いられるメタロセン化合物[a]としては、下記の一般式[II]で示される化合物が挙げられる。
【0161】
【化25】
【0162】
式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
置換基R 1
R1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、具体的には、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル基等のアルキル基、
ビニル、プロペニル等のアルケニル基
などが挙げられる。
【0163】
これらのうち、インデニル基に結合した炭素が1級のアルキル基が好ましく、さらに炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチル基が好ましい。
【0164】
置換基R 2 、R 4 、R 5 、R 6
R2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1 と同様の炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
【0165】
ここでハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
置換基R 3
R3 は、炭素原子数6〜16のアリール基である。このアリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。
【0166】
アリール基としては、具体的には、フェニル基、α- ナフチル基、β- ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒドロナフチル基、インダニル基、ビフェニリル基などが挙げられる。これらのうち、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基が好ましい。
【0167】
また、このアリール基の置換基である炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、たとえば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチル等のアルキル基、
ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、
ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル基、
上記例示のアリール基、および
トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、メチルナフチル、ベンジルフェニル等のアリール基
などが挙げられる。
【0168】
また、有機シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。
X 1 およびX 2
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。具体的には、前記と同様のハロゲン原子および炭化水素基が挙げられる。
【0169】
また、酸素含有基としては、具体的には、
ヒドロオキシ基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、
フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリーロキシ基、
フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキシ基
などが挙げられる。
【0170】
イオウ含有基としては、具体的には、
前記酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、
メチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基、
メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート等のスルフィネート基
などが挙げられる。
【0171】
これらのうち、X1 およびX2 は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
Y
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −(ただし、R7 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)であり、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1 ,2-エチレン等のアリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;
クロロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレン等のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリル、テトラフェニル-1,2- ジシリル等のアルキルジシリル基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基などが挙げられる。
【0172】
R7 は、前記と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
これらのうち、Yは、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0173】
以下に上記一般式[II]で表わされるメタロセン化合物の具体例を示す。
rac-ジメチルシリレン- ビス(4-フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(2-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(9-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(9-フェナントリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o,p-ジクロロフェニル)フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-トリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m-トリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o-トリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-エチルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-i-プロピルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-ベンジルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-ビフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m-ビフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-p-トリメチルシリレンフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m-トリメチルシリレンフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ-(i-プロピル)シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ-(n-ブチル)シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジシクロヘキシルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルスタニレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムクロリドSO2Me、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムクロリドOSO2Me、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(o-メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(m-メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(p-メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,3-ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,4-ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,5-ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,4,6-トリメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(o-クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(m-クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(p-クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,3-ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,6-ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(3,5-ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2-ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(3-ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-ブロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-ビフェニリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-トリメチルシリルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(8-メチル-9-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4‐(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ペンチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-ネオペンチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-ネオペンチル-4‐(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ヘキシル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ヘキシル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-ビフェリニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミル-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミル-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミル-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0174】
また、上記のような化合物中のジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに代えた化合物を挙げることもできる。
本発明では、通常、上記メタロセン化合物のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
【0175】
本発明では、上記のようなメタロセン化合物を2種以上組合わせて用いることができる。
このようなメタロセン化合物は、Journal of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許出願公開第0,320,762 号明細書に準じて製造することができる。
【0176】
また、上記一般式[II]で示されるメタロセン化合物のほかに、下記一般式[III]で示されるメタロセン化合物が挙げられる。
LaMX2 ・・・[III]
(Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属であり、
La は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または20以下の炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を含有する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。)
このような式[III]で示される化合物のうちでも、具体的に、下記式[III-a]で示される化合物が好ましい。
【0177】
【化26】
【0178】
Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、Xは、上記と同様である。
Cpは、Mにπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基またはその誘導体である。
【0179】
Zは、酸素、イオウ、ホウ素または周期率表第IVA族の元素 (例えば、シリコン、ゲルマニウム、スズ) であり、
Yは、窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、
ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0180】
このような式[III-a]で表わされる化合物としては、具体的には、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、
((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)チタンジクロリド、
(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジメチルチタン、
((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジベンジルチタン、
((メチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジネオペンチルチタン、
((フェニルホスフィド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニルチタン、
(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、
(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、
(ジメチル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、
((テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジベンジルチタン、
(2-η5-(テトラメチル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタノレート(2-))ジベンジルチタン、
(2-η5-(テトラメチル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタノレート(2-))ジメチルチタン、
(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H- フルオレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))ジメチルチタン、
(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H- フルオレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジルチタンなどが挙げられる。
【0181】
本発明では、上記のような式[III]で表わされるメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。
上記説明においては、メタロセン化合物としてチタン化合物について例示したが、チタンを、ジルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物を例示することもできる。
【0182】
これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体の調製に際し、上述したメタロセン化合物の中でも、上記一般式[II]で示されるメタロセン化合物が好ましく用いられる。
【0183】
有機アルミニウムオキシ化合物[b]
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物[b]は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0184】
従来公知のアルミノオキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接、水、氷または水蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0185】
なお、このアルミノオキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノオキサン溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
【0186】
アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的には、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0187】
これらの中では、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
また、アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、式(i-C4H9)xAly(C5H10)z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)で示されるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
【0188】
上記の有機アルミニウム化合物は、2種以上組合せて用いることもできる。
アルミノオキサンの製造の際に用いられる溶媒としては、たとえば
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、
ガソリン、灯油、軽油などの石油留分、および
上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物、とりわけ塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒が挙げられる。
【0189】
さらに、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。
メタロセン化合物[a]と反応してイオン対を形成する化合物[c]
本発明で用いられるメタロセン化合物[a]と反応してイオン対を形成する化合物[c]としては、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、US−5321106号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化合物、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0190】
ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、Al含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、これらのうちB含有ルイス酸が好ましい。
ホウ素原子を含有するルイス酸としては、具体的には、下記一般式で表わされる化合物を例示することができる。
【0191】
BR1 R2 R3
(式中、R1 R2 およびR3 は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を示す。)
上記一般式で表わされる化合物としては、具体的には、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。これらのうちでは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンが特に好ましい。
【0192】
本発明で用いられるイオン性化合物は、カチオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩である。アニオンは前記メタロセン化合物[a]と反応することによりメタロセン化合物[a]をカチオン化し、イオン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、有機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高で遷移金属カチオン種を安定化させるアニオンが好ましい。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウムカチオン、フェロセニウムカチオンなどを例示することができる。
【0193】
本発明においては、有機ホウ素化合物アニオンを有するイオン性化合物が好ましい。具体的には、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(4-フルオロフェニル)ホウ素等のトリアルキル置換アンモニウム塩、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のN,N-ジアルキルアニリニウム塩、
ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のジアルキルアンモニウム塩、
トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のトリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。
【0194】
本発明では、ホウ素原子を含有するイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートも挙げることができる。
【0195】
また、以下のようなホウ素原子を含有するイオン性化合物も例示できる。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、これに限定されない。)
アニオンの塩、たとえば
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ノナボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]デカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ウンデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ドデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]デカクロロデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバドデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- トリメチルシリル-1- カルバデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムブロモ-1- カルバドデカボレートなど、さらには下記のようなボラン化合物、カルボラン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、ルイス酸、イオン性化合物として用いられる。
【0196】
ボラン化合物、カルボラン錯化合物、およびカルボランアニオンの塩としては、たとえば
デカボラン(14)、
7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、
2,7-ジカルバウンデカボラン(13)、
ウンデカハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボラン、
ドデカハイドライド-11-メチル-2,7- ジカルバウンデカボラン、
トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカボレート(13)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8- メチル7,9-ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド8-エチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- アリル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-9- トリメチルシリル-7,8- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-4,6- ジブロモ-7- カルバウンデカボレートなどが挙げられる。
【0197】
カルボラン化合物、およびカルボランの塩としては、たとえば
4-カルバノナボラン(14)、
1,3-ジカルバノナボラン(13)、
6,9-ジカルバデカボラン(14)、
ドデカハイドライド-1- フェニル-1,3- ジカルバノナボラン、
ドデカハイドライド-1- メチル-1,3- ジカルバノナボラン、
ウンデカハイドライド-1,3- ジメチル-1,3- ジカルバノナボランなどが挙げられる。
【0198】
さらに、以下のような化合物も例示できる。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、これに限定されない。)
金属カルボランの塩および金属ボランアニオン、たとえば
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-1,3- ジカルバノナボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレート(鉄酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)ニッケレート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)キュブレート(銅酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)アウレート(金属塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボレート)クロメート(クロム酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドジカルバドデカボレート)コバルテート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケレート(III)、
トリス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)クロメート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)マンガネート(IV)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)ニッケレート(IV)などが挙げられる。
【0199】
上記のような化合物[c]は、2種以上組合わせて用いることもできる。
有機アルミニウム化合物[d]
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物[d]は、たとえば下記一般式(a) で示すことができる。
【0200】
R5 nAlX3-n ・・・(a)
(式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
上記式(a) において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0201】
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニム、
イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0202】
また、有機アルミニウム化合物[d]として、下記の式(b) で表わされる化合物を用いることもできる。
R5 nAlY3-n ・・・(b)
(式中、R5は、上記式(a) におけるR5と同様であり、
Yは、−OR6 基、−OSiR7 3基、−OAlR8 2基、−NR9 2基、
−SiR10 3基または−N(R11)AlR12 2 基であり、
nは1〜2であり、
R6 、R7 、R8 およびR12は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、
R9 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、
R10およびR11は、メチル基、エチル基などである。)
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
【0203】
(i) R5 nAl(OR6)3-n で表わされる化合物、たとえば
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど。
【0204】
(ii)R5 n Al(OSiR7 3)3-n で表わされる化合物、たとえば
(C2H5)2 Al(OSi(CH3)3 )、
(iso-C4H9)2 Al(OSi(CH3)3)、
(iso-C4H9)2 Al(OSi(C2H5)3)など。
【0205】
(iii) R5 nAl(OAlR8 2)3-n で表わされる化合物、たとえば
(C2H5)2Al(OAl(C2H5)2)、
(iso-C4H9)2Al(OAl(iso-C4H9)2)など。
【0206】
(iv)R5 nAl(NR9 2)3-n で表わされる化合物、たとえば
(CH3)2Al(N(C2H5)2)、
(C2H5)2Al(NH(CH3))、
(CH3)2Al(NH(C2H5))、
(C2H5)2Al[N(Si(CH3)3)2]、
(iso-C4H9)2Al[N(Si(CH3)3)2]など。
【0207】
(v) R5 nAl(SiR10 3)3-n で表わされる化合物、たとえば
(iso-C4H9)2Al(Si(CH3)3)など。
本発明では、これらのうちでもR5 3Al、R5 nAl(OR6)3-n 、R5(OAlR8 2)3-n で表わされる有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げることができ、R5 がイソアルキル基であり、n=2である化合物が特に好ましい。これらの有機アルミニウム化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。
【0208】
本発明で用いられる特定のメタロセン系触媒は、上記のようなメタロセン化合物[a]を含んでおり、たとえば上記したようにメタロセン化合物[a]と、有機アルミニウムオキシ化合物[b]とから形成することができる。また、メタロセン化合物[a]と、メタロセン化合物[a]と反応してイオン対を形成する化合物[c]とから形成されてもよく、さらにメタロセン化合物[a]とともに、有機アルミニウムオキシ化合物[b]とメタロセン化合物[a]とが反応してイオン対を形成する化合物[c]とを併用することもできる。また、これらの態様において、さらに有機アルミニウム化合物[d]を併用することが特に好ましい。
【0209】
本発明では、上記メタロセン化合物[a]は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算して、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好ましくは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられる。
【0210】
また有機アルミニウムオキシ化合物[b]は、遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子が、通常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜5,000モルとなるような量で用いることができる。
【0211】
メタロセン化合物[a]と反応してイオン対を形成する化合物[c]は、遷移金属原子1モルに対して、ボロン原子が、通常、約0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルとなるような量で用いられる。
【0212】
さらに有機アルミニウム化合物[d]は、有機アルミニウムオキシ化合物[b]中のアルミニウム原子またはイオン対を形成する化合物[c]中のボロン原子1モルに対して、通常、約0〜1,000モル、好ましくは約0〜500モルとなるような量で必要に応じて用いられる。
【0213】
上記のようなメタロセン系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数6〜20のα- オレフィンとを共重合させると、優れた重合活性で直鎖状または長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体を得ることができる。
【0214】
なお、バナジウム系触媒などの第VB族遷移金属化合物系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数6〜20のα- オレフィンとを共重合させても十分な重合活性で直鎖状または長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体を得ることができない。
【0215】
本発明では、エチレンと、炭素原子数6〜20のα- オレフィンとを共重合させる際に、メタロセン系触媒を構成する上記メタロセン化合物[a]、有機アルミニウムオキシ化合物[b]、イオン対を形成する化合物[c]、さらには有機アルミニウム化合物[d]をそれぞれ別々に重合反応器に供給してもよいし、また予めメタロセン化合物[a]を含有するメタロセン系触媒を調製してから共重合反応に供してもよい。
【0216】
またメタロセン系触媒を調製する際には、触媒成分と反応不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を用いることができる。これらの炭化水素溶媒は、単独で、あるいは組合わせて用いることができる。
【0217】
上記メタロセン化合物[a]、有機アルミニウムオキシ化合物[b]、イオン対を形成する化合物[c]および有機アルミニウム化合物[d]は、通常−100〜200℃、好ましくは−70〜100℃で混合接触させることができる。
【0218】
本発明では、エチレンと、炭素原子数6〜20のα- オレフィンとの共重合は、通常40〜200℃、好ましくは50〜150℃、特に好ましくは60〜120℃で、大気圧〜100kg/cm2 、好ましくは大気圧〜50kg/cm2 、特に好ましくは大気圧〜30kg/cm2 の条件下で行なうことができる。
【0219】
この共重合反応は、種々の重合方法で実施することができるが、溶液重合により行なうことが好ましい。この際重合溶媒としては、上記のような炭化水素溶媒を用いることができる。
【0220】
共重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行なうことができるが、連続式で行なうことが好ましい。さらに重合を反応条件を変えて2段以上に分けて行なうこともできる。
【0221】
また、本発明で好ましく用いられる直鎖状および長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、上述したような方法により得られるが、これらの共重合体の分子量は、重合温度などの重合条件を変更することにより調節することができ、また水素(分子量調節剤)の使用量を制御することにより調節することもできる。
【0222】
グラフト変性エチレン・α - オレフィンランダム共重合体
上述したように、本発明で用いられるグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、上記のような未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体が特定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性されてなる。
【0223】
上記グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)における不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量は、未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体100重量%に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0224】
このグラフト量が上記範囲にあるグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、ポリアミド樹脂組成物中において分散性に優れるとともに、熱安定性に優れ、溶融時に樹脂が着色することもない。しかも、このようなグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を用いると、機械的強度に優れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0225】
ここで使用される不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびナジック酸TM(エンドシス- ビシクロ[2,2,1] ヘプト-5-エン-2,3- ジカルボン酸)などが挙げられる。
【0226】
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、たとえば上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物およびエステル化合物などを挙げることができる。具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が好適である。
【0227】
なお、上記未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体にグラフトされる不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト位置に特に限定はなく、このグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を構成するエチレン・α- オレフィンランダム共重合体の任意の炭素原子に、不飽和カルボン酸またはその誘導体が結合していればよい。
【0228】
上記のようなグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、従来公知の種々の方法、たとえば次のような方法を用いて調製することができる。
(1)上記未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を溶融させて不飽和カルボン酸等を添加してグラフト共重合させる方法。
(2)上記未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を溶媒に溶解させて不飽和カルボン酸等を添加してグラフト共重合させる方法。
【0229】
いずれの方法も、上記不飽和カルボン酸等のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行なうのが好ましい。
【0230】
上記ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、アゾ化合物などが使用される。このようなラジカル開始剤としては、具体的には、
ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ‐tert‐ブチルペルオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン‐3、1,4‐ビス(tert‐ ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert‐ ブチルペルアセテート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ ジ‐(tert‐ ブチルペルオキシド)ヘキシン‐3、2,5‐ジメチル‐2,5- ジ(tert‐ ブチルペルオキシド)ヘキサン、tert‐ ブチルペルベンゾエート、tert‐ ブチルペルフェニルアセテート、tert‐ ブチルペルイソブチレート、tert‐ ブチルペル‐sec‐ オクトエート、tert‐ ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、tert‐ ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペルオキシド;
アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物
などが挙げられる。これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジ‐tert‐ブチルペルオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5‐ジメチル‐2,5‐ ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4‐ビス(tert‐ ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
【0231】
これらのラジカル開始剤は、未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体100量部に対して、通常は0.001〜1重量部、好ましくは0.003〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜0.3重量部の量で用いられる。
【0232】
上記のようなラジカル開始剤を使用したグラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行なうグラフト反応における反応温度は、通常60〜350℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定される。
【0233】
本発明においては、上記グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、上記ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは10〜60重量部の割合で用いられる。
【0234】
上記グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を上記のような割合で用いると、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性に優れた成形体を提供することができ、しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0235】
その他の添加剤
本発明に係るポリアミド樹脂組成物には、上記のポリアミド樹脂(A)およびグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)の他に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光保護剤、亜燐酸塩系熱安定剤、過酸化物分解剤、塩基性補助安定剤、増核剤、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、充填剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。また、本発明に係るポリアミド樹脂組成物には、他の重合体を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することもできる。
【0236】
上記充填剤の例としては、カーボンブラック、アスベスト、タルク、シリカ、シリカアルミナなどが挙げられる。
ポリアミド樹脂組成物の調製
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、上記のポリアミド樹脂(A)と、グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)と、必要に応じて配合される添加剤とを、種々の従来公知の方法で溶融混合することにより調製される。
【0237】
すなわち、本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、上記各成分を同時に、または逐次的に、たとえばヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーミキサー、リボンブレンダー等に装入して混合した後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練することによって得られる。
【0238】
これらの混練装置の内でも、多軸押出機、ニーダー、バンンバリーミキサー等の混練性能に優れた装置を使用すると、各成分がより均一に分散された高品質のポリアミド樹脂組成物が得られる。
【0239】
また、これらの任意の段階で必要に応じて前記添加剤、たとえば酸化防止剤などを添加することもできる。
上記のようにして得られる本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、従来公知の種々の溶融成形法、たとえば射出成形、押出成形、圧縮成形などの方法により、種々の形状に成形することができる。
【0240】
【発明の効果】
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト変性したグラフト量が0.01〜10重量%のグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)とを特定の割合で含有してなり、このグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)が、α- オレフィン含量および極限粘度が特定の範囲にあるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体のグラフト変性物であるので、溶融流動性に優れ、すなわち成形性に優れ、しかも柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性に優れた成形体を提供することができる。
【0241】
【実施例】
次に、本発明を実施例より具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定されるものではない。
【0242】
【実施例1】
エチレン・ 1- オクテンランダム共重合体の調製
(触媒溶液の調製)
充分に窒素置換したガラス製フラスコにビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリドを0.5mg入れ、さらにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al;1.1モル/リットル)1.57ml、およびトルエン2.76mlを添加することにより触媒溶液を得た。
【0243】
(重合)
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン600mlおよび1-オクテン300mlを挿入し、系内の温度を60℃に昇温した。引き続き、トリイソブチルアルミニウム1ミリモルおよび上記の調製した触媒溶液0.5ml(Zrとして0.001ミリモル)をエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3.0Kg/cm2-Gに保ち、70℃で60分間重合を行なった。少量のエタノールを系内にパージして重合を停止させた後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマーを大過剰のメタノール中に投入することによりポリマーを析出させた。このポリマーを濾過により分離し、減圧下で一晩乾燥し、直鎖状エチレン・1-オクテンランダム共重合体を得た。
【0244】
このようにして得られた共重合体は、1-オクテン含量が17モル%であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が2.2dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)が−60℃であり、X線回折法により測定した結晶化度が2%であり、GPCより求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.5であり、B値が1.1であり、gη*値が1.0であった。
無水マレイン酸グラフト変性エチレン・ 1- オクテンランダム共重合体の調製
上記の直鎖状エチレン・1-オクテンランダム共重合体10kgと、
無水マレイン酸50gおよびジ-tert-ブチルペルオキシド3gを30gのアセトンに溶解させた溶液と
をヘンシェルミキサー中でブレンドした。
【0245】
次いで、上記のようにして得られたブレンド物をスクリュー径40mm、L/D=26の1軸押出機のホッパーより投入し、樹脂温度280℃、押出量6kg/時間でストランド状に押し出して水冷した後、ペレタイズして無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-オクテンランダム共重合体を得た。
【0246】
得られたグラフト変性エチレン・1-オクテンランダム共重合体から未反応の無水マレイン酸をアセトンで抽出後、このグラフト変性エチレン・1-オクテンランダム共重合体中における無水マレイン酸グラフト量を測定したところ、このグラフト量は0.48重量%であった。
ポリアミド樹脂組成物の調製
6ナイロン[東レ(株)製、アミランCM1017、MFR(235℃、2.16kg荷重):33g/10分]100重量部と、上記ペレット状の無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-オクテンランダム共重合体25重量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合してドライブレンド物を調製した。
【0247】
次いで、このドライブレンド物を245℃に設定した2軸押出機(L/D=40、30mmφ)に供給し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを調製した。
得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを80℃で1昼夜乾燥した後、下記条件で射出成形を行ない、物性試験用試験片を作製した。
【0248】
(射出成形条件)
シリンダー温度 : 245℃
射出圧力 : 400kg/cm2
金型温度 : 80℃
続いて、下記の方法により、ポリアミド樹脂組成物の物性評価を行なった。
(1) 曲げ試験
厚み1/8”の試験片を用い、ASTM D 790に従って、曲げ弾性率(FM;kg/cm2)を測定した。なお、試験片の状態調製は、乾燥状態で23℃の温度で2日行なった。
(2) アイゾット衝撃試験
厚み1/8”の試験片を用い、ASTM D 256に従って、−40℃でノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。なお、試験片の状態調製は、乾燥状態で23℃の温度で2日行なった。
【0249】
結果を第1表に示す。
【0250】
【実施例2】
実施例1において、実施例1の無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-オクテンランダム共重合体の配合量を100重量部とした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を調製し、曲げ弾性率およびノッチ付き衝撃強度を測定した。
【0251】
結果を第1表に示す。
【0252】
【実施例3】
実施例1において、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリドの代わりにrac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドを用いた以外は、実施例1と同様にして、触媒溶液の調製した。以下、この触媒溶液を用いて実施例1と同様にして、長鎖分岐型のエチレン・1-オクテンランダム共重合体を得た。
【0253】
このようにして得られた共重合体は、1‐オクテン含量が17モル%であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.9dl/gであり、ガラス転移温度が−60℃であり、X線回折法により測定した結晶化度が2%であり、GPCより求めた分子量分布(Mw/Mn)が2.5であり、B値が1.0であり、gη*値が0.86であった。
【0254】
この長鎖分岐型のエチレン・1-オクテンランダム共重合体に実施例1と同様にして無水マレイン酸をグラフトして、グラフト変性エチレン・1-オクテンランダム共重合体を得た。
【0255】
以下、このグラフト変性エチレン・1-オクテンランダム共重合体を用いて実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを調製し、曲げ弾性率およびノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
【0256】
結果を第1表に示す。
【0257】
【比較例1】
エチレン・ 1 ‐ブテンランダム共重合体の調製
重合器中で、オキシ三塩化バナジウムとエチルアルミニウムセスキクロリドを重合触媒とし、重合溶媒ヘキサン中にエチレンと1‐ブテンの混合ガスおよび水素ガスを供給し、40℃、5kg/cm2、滞留時間1時間の条件下で連続的にエレンと1‐ブテンとを重合した。次いで、得られた反応溶液から、溶媒を分離し、目的とするエチレン・1‐ブテンランダム共重合体を得た。
【0258】
このようにして得られた共重合体は、1‐ブテン含量が19モル%であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が2.2dl/gであり、ガラス転移温度が−65℃であり、X線回折法により測定した結晶化度が2%であり、B値が1.1であった。
無水マレイン酸グラフト変性エチレン・ 1- ブテンランダム共重合体の調製
上記のエチレン・1-ブテンランダム共重合体10kgと、
無水マレイン酸50gおよびジ-tert-ブチルペルオキシド3gを50gのアセトンに溶解させた溶液と
をヘンシェルミキサー中でブレンドした。
【0259】
次いで、上記のようにして得られたブレンド物をスクリュー径40mm、L/D=26の1軸押出機のホッパーより投入し、樹脂温度260℃、押出量6kg/時間でストランド状に押し出して水冷した後、ペレタイズして無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体を得た。
【0260】
得られたグラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体から未反応の無水マレイン酸をアセトンで抽出後、このグラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体中における無水マレイン酸グラフト量を測定したところ、このグラフト量は0.43重量%であった。
ポリアミド樹脂組成物の調製
6ナイロン[東レ(株)製、アミランCM1017、MFR(235℃、2.16kg荷重):33g/10分]100重量部と、上記ペレット状の無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体25重量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合してドライブレンド物を調製した。
【0261】
次いで、このドライブレンド物を245℃に設定した2軸押出機(L/D=40、30mmφ)に供給し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを調製した。
得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを80℃で1昼夜乾燥した後、下記条件で射出成形を行ない、物性試験用試験片を作製した。また、スパイラルフローは、3.8mmφ、半円のスパイラル状の溝を持った金型を用い、下記条件で射出し、その流動距離を測定した。
【0262】
(射出成形条件)
シリンダー温度 : 245℃
射出圧力 : 1000kg/cm2
金型温度 : 80℃
以下、この試験片を用いて実施例1と同様にして、曲げ弾性率およびノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
【0263】
結果を第1表に示す。
【0264】
【表1】
Claims (6)
- [I]ポリアミド樹脂(A)100重量部と、
[II]エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフ ィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト 量が0.01〜10重量%のグラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合 体(B)5〜200重量部と
からなり、
グラフト変性前のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、下記の一般式[I]で示されるメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとをランダム共重合させたエチレン・α−オレフィンランダム共重合体であり、
グラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、
(a) 炭素原子数6〜20のα−オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体のグラフト変性物であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物;
MLx・・・[I]
[式[I]中、Mはジルコニウム、チタンまたはハフニウムから選ばれる遷移金属であり、xは遷移金属の原子価であり、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する。]。 - [I]ポリアミド樹脂(A)100重量部と、
[ II ]エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフ ィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト 量が0.01〜10重量%のグラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合 体(B)5〜200重量部と
からなり、
グラフト変性前のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、下記の一般式[II]で示されるメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとをランダム共重合させたエチレン・α−オレフィンランダム共重合体であり、
グラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、
(a) 炭素原子数6〜20のα−オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体のグラフト変性物であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物;
R 1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、
R 2 、R 4 、R 5 、R 6 は、それぞれ同一または相異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、
R 3 は、炭素原子数6〜16のアリール基であり、このアリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。
X 1 およびX 2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO 2 −、−NR 7 −、−P(R 7 )−、−P(O)(R 7 )−、−BR 7 −または−AlR 7 −である。(ただし、R 7 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。]。 - [I]ポリアミド樹脂(A)100重量部と、
[ II ]エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフ ィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト 量が0.01〜10重量%のグラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合 体(B)5〜200重量部と
からなり、
グラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、
(a) 炭素原子数6〜20のα−オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体のグラフト変性物であって、
グラフト変性前のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体が、
(a) 炭素原子数6〜20のα−オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gであり、
(c) ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、
(d) X線回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(e) GPCより求めた分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、
(f) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から算出して求めたB値が、1.0〜1.4 であり、
(g) 上記(b) で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法によ る)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度 [η]blank との比[gη*(=[η]/[η]blank)]0.95を超える値である
直鎖状エチレン・α−オレフィンランダム共重合体であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物;
B=POE/(2PO・PE)
[式中、PE およびPO は、それぞれ未変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合体中に含有される、エチレン成分のモル分率およびα−オレフィン成分のモル分率であり、
POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレン・α−オレフィン交互連鎖数の割合である。]。 - 前記直鎖状エチレン・α−オレフィンランダム共重合体が、下記式[C-a]または[B-a]で示されるメタロセン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとをランダム共重合させたエチレン・α−オレフィンランダム共重合体であることを特徴とする請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物;
R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、
R13およびR14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基であり、
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)]、
R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原子、
炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基)であり、
R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそれらの結合する炭素原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく、
X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基であり、
Zは、
互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30とは、それぞれそれらの結合する原子とともに環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズの原子である。)]。 - [I]ポリアミド樹脂(A)100重量部と、
[ II ]エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフ ィンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト 量が0.01〜10重量%のグラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合 体(B)5〜200重量部と
からなり、
グラフト変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、
(a) 炭素原子数6〜20のα−オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体のグラフト変性物であって、
グラフト変性前のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体が、
(a) 炭素原子数6〜20のα−オレフィン含量が6〜25モル%であり、
(b) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gであり、
(c) ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、
(d) X線回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(e) GPCより求めた分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、
(f) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から算出して求めたB値が、1.0〜1.4 であり、
(g) 上記(b) で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法によ る)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度 [η]blank との比[gη*(=[η]/[η]blank)]0.2〜0.95である
長鎖分岐型エチレン・α−オレフィンランダム共重合体であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物;
B=POE/(2PO・PE)
[式中、PE およびPO は、それぞれ未変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合体中に含有される、エチレン成分のモル分率およびα−オレフィン成分のモル分率であり、
POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレン・α−オレフィン交互連鎖数の割合である。]。 - 前記長鎖分岐型エチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、下記式[II]で示されるメタロセン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとをランダム共重合させたエチレン・α−オレフィンランダム共重合体であることを特徴とする請求項5に記載のポリアミド樹脂組成物;
R1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、
R2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、
R3 は、炭素原子数6〜16のアリール基であり、このアリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。
X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。]。
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