JPH0987475A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH0987475A
JPH0987475A JP17641296A JP17641296A JPH0987475A JP H0987475 A JPH0987475 A JP H0987475A JP 17641296 A JP17641296 A JP 17641296A JP 17641296 A JP17641296 A JP 17641296A JP H0987475 A JPH0987475 A JP H0987475A
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ethylene
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indenyl
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Yasuo Tanaka
中 泰 夫 田
Youji Hayakawa
川 用 二 早
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融流動性に優れ、すなわち成形性に優れ、
しかも柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性
に優れた成形体を提供する。 【解決手段】 本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリ
アミド樹脂(A)と、エチレンと炭素原子数6〜20の
α- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィンラ
ンダム共重合体に、不飽和カルボン酸塩またはその誘導
体をグラフト変性した際のグラフト量が0.01〜10
重量%のグラフト変性エチレン・α-オレフィンランダ
ム共重合体(B)とを特定の割合で含有し、かつ、この
グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B)がα- オレフィン含量および極限粘度が特定の
範囲にあるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体
のグラフト変性物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂組成物に
関し、さらに詳しくは、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水
性および耐塩水性に優れた成形体を提供することがで
き、しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリアミド樹脂は、その優れた物
性によりエンジニアリングプラスチックとして大きな需
要が期待されている。しかしながら、ポリアミド樹脂
は、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性、耐塩水性などの
性能が十分とはいえず、これらの性能の改良が種々検討
されている。ポリアミド樹脂は、その柔軟性、耐低温衝
撃性を改良することができれば、スキー靴、運動靴等の
スポーツ用品から自動車部品、オイルチューブ、フレキ
シブルチューブ、エアーホース等の産業部品に至るまで
広い用途があり、その需要は大きい。
【0003】ポリアミド樹脂の柔軟性、吸水性などの耐
水性あるいは耐塩水性を向上させる方法として、エチレ
ン・α,β- 不飽和モノカルボン酸共重合体中和物(ア
イオノマー樹脂)をポリアミド樹脂に配合する方法が、
特開昭53−80014号公報、特開昭56−1677
51号公報、特開昭56−109247号公報、特開昭
56−157451号公報において提案されている。
【0004】しかしながら、これらの公報に提案されて
いるポリアミド樹脂組成物は、耐吸水性、耐塩水性など
の耐水性を改善することはできても、アイゾット衝撃強
度などの耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性の改良効果が
劣るという問題がある。
【0005】また、ポリアミド樹脂のアイゾット衝撃強
度などの耐衝撃性を改良する方法として、たとえば特公
昭42−12546号公報、特公昭55−44108号
公報、特開昭55−9662号公報には、α,β- 不飽
和カルボン酸をグラフトしたエチレン・α- オレフィン
共重合体をポリアミド樹脂に配合する方法が提案されて
いる。
【0006】しかしながら、これらの公報に提案されて
いるポリアミド樹脂組成物は、柔軟性が不十分であり、
また低温での耐衝撃性が不十分であるという問題があ
る。さらに、これらのポリアミド樹脂組成物は、成形法
によっては成形性が低下するという問題もある。
【0007】さらに、ポリアミド樹脂の柔軟性を特に改
良する方法として、たとえば特公昭62−13379号
公報には、ポリアミド樹脂に、α,β- 不飽和カルボン
酸をグラフトした、エチレン・プロピレン共重合体また
はエチレン・1-ブテン共重合体を、ポリアミド樹脂の使
用量の2/3を超え、かつ、6重量倍以下の割合で配合
する方法が提案されている。
【0008】しかしながら、この公報に提案されている
ポリアミド樹脂組成物は、柔軟性は十分であるが、未だ
低温での耐衝撃性が不十分であり、また成形性が低下す
るという重大な問題がある。
【0009】したがって、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸
水性および耐塩水性に優れた成形体を提供することがで
き、しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物の出現
が従来より望まれている。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、柔軟性、耐低
温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性に優れた成形体を付
与することができ、しかも成形性に優れたポリアミド樹
脂組成物を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、 [I]ポリアミド樹脂(A)100重量部と、 [II]エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィン
とからなるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体
に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグ
ラフト量が0.01〜10重量%のグラフト変性エチレ
ン・α-オレフィンランダム共重合体(B)5〜200
重量部とからなり、グラフト変性エチレン・α- オレフ
ィンランダム共重合体(B)は、(a) 炭素原子数6〜2
0のα- オレフィン含量が6〜25モル%であり、(b)
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5
〜5.0dl/gであるエチレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体のグラフト変性物であることを特徴として
いる。
【0012】前記グラフト変性前のエチレン・α- オレ
フィンランダム共重合体としては、メタロセン系触媒の
存在下に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフ
ィンとを共重合させたエチレン・α- オレフィンランダ
ム共重合体が好ましい。
【0013】また、前記グラフト変性前のエチレン・α
- オレフィンランダム共重合体としては、下記のような
特性を有する直鎖状または長鎖分岐型のエチレン・α-
オレフィンランダム共重合体が好ましい。
【0014】この直鎖状エチレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体は、以下の特徴を有する。 (a) 炭素原子数6〜20のα- オレフィン含量が6〜2
5モル%であり、(b) 135℃デカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gであり、(c) ガ
ラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、(d) X線
回折法により測定した結晶化度が30%未満であり、
(e) GPCより求めた分子量分布(Mw/Mn)が3.
0以下であり、(f) 13C−NMRスペクトルおよび下記
の式から算出して求めたB値が、1.0〜1.4であ
り、(g) 上記(b) で測定される極限粘度[η]と、これ
と同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレ
ン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合
体の極限粘度[η]blankとの比[gη*(=[η]/
[η]blank)]が0.95を超える値である。
【0015】B=POE/(2PO・PE) [式中、PEおよびPOは、それぞれ未変性エチレン・α
- オレフィンランダム共重合体中に含有される、エチレ
ン成分のモル分率およびα- オレフィン成分のモル分率
であり、POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対す
るエチレン・α- オレフィン交互連鎖数の割合であ
る。] また、長鎖分岐型エチレン・α- オレフィンランダム共
重合体は、(a) 炭素原子数6〜20のα- オレフィン含
量が6〜25モル%であり、(b) 135℃デカリン中で
測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gであ
り、(c) ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であ
り、(d) X線回折法により測定した結晶化度が30%未
満であり、(e) GPCより求めた分子量分布(Mw/M
n)が3.0以下であり、(f) 13C−NMRスペクトル
および上記の式から算出して求めたB値が、1.0〜
1.4であり、(g) 上記(b) で測定される極限粘度
[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法によ
る)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・
プロピレン共重合体の極限粘度[η]blankとの比[g
η*(=[η]/[η]blank)]が0.2〜0.95で
ある。
【0016】上記のような特性を有する直鎖状エチレン
・α- オレフィンランダム共重合体としては、下記式
[C-a] または[B-a]で示されるメタロセン化合物を
含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子
数6〜20のα- オレフィンとをランダム共重合させた
共重合体が好ましい。
【0017】
【化5】
【0018】[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金
属であり、R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原
子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜2
0の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基またはリン含有基であり、R13および
14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基であ
り、X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基で
あり、Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、
炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O
−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR
7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR
7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7は水素
原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基であ
る。)]、
【0019】
【化6】
【0020】[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金
属であり、R21は、互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていても
よい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜
10のアリール基または−NR2、−SR、−OSi
3、−SiR3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数
6〜10のアリール基)であり、R22〜R28は、上記の
21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそ
れらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環
を形成していてもよく、X3 およびX4 は、互いに同じ
でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、O
H基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1
〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール
基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子
数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリー
ル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基であ
り、Zは、
【0021】
【化7】
【0022】=BR29、=AIR29、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO 2、=NR29、=
CO、=PR29または=P(O)R29である。(ただ
し、R29およびR30は、互いに同じでも異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の
アルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル
基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜
10のフルオロアリール基、炭素原子数1〜10のアル
コキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原
子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜4
0のアリールアルケニル基または炭素原子数7〜40の
アルキルアリール基であるか、またはR29とR 30とは、
それぞれそれらの結合する原子とともに環を形成しても
よく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズの原子で
ある。)]。
【0023】また、上記のような特性を有する長鎖分岐
型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体として
は、下記式[II]で示されるメタロセン化合物を含むメ
タロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜
20のα- オレフィンとをランダム共重合させた共重合
体が好ましい。
【0024】
【化8】
【0025】[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金
属であり、R1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であ
り、R2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭
素原子数1〜6の炭化水素基であり、R3 は、炭素原子
数6〜16のアリール基であり、このアリール基は、ハ
ロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、有機シ
リル基で置換されていてもよい。
【0026】X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜
20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ
含有基であり、Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化
水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水
素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有
基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO
2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)
(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。
(ただし、R7は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基)である。]。
【0027】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリアミド樹
脂組成物について具体的に説明する。本発明に係るポリ
アミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と特定のグ
ラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体
(B)とを特定の割合で含有してなる。
【0028】ポリアミド樹脂(A) 本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)は、特に限定
はなく、アミノ酸ラクタム、あるいはジアミンとカルボ
ン酸とから構成される、溶融重合および溶融成形可能な
ポリマー全般を意味する。
【0029】本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)
としては、具体的には、以下のような樹脂が挙げられ
る。 (1)炭素原子数4〜12の有機ジカルボン酸と炭素原
子数2〜13の有する有機ジアミンとの重縮合物、たと
えばヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合物
であるポリヘキサメチレンアジパミド[6,6ナイロ
ン]、ヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸との重縮
合物であるポリヘキサメチレンアゼラミド[6,9ナイ
ロン]、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重縮
合物であるポリヘキサメチレンセバカミド[6,10ナ
イロン]、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジオン酸
との重縮合物であるポリヘキサメチレンドデカノアミド
[6,12ナイロン]、ビス-p- アミノシクロヘキシル
メタンとドデカンジオン酸との重縮合物であるポリビス
(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカン、(2)ω
- アミノ酸の重縮合物、たとえばω- アミノウンデカン
酸の重縮合物であるポリウンデカンアミド[11ナイロ
ン]、(3)ラクタムの開環重合物、たとえばε- アミ
ノカプロラクタムの開環重合物であるポリカプラミド
[6ナイロン]、ε- アミノラウロラクタムの開環重合
物ポリラウリックラクタム[12ナイロン]などが挙げ
られる。中でも、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,
6ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(6,9
ナイロン)、ポリカプロラミド(6ナイロン)が好まし
く用いられる。
【0030】また、本発明では、たとえばアジピン酸と
イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから製造され
るポリアミド樹脂なども使用することもできるし、さら
に、6ナイロンと6,6ナイロンとの混合物のように2
種以上のポリアミド樹脂を配合したブレンド物を用いる
こともできる。
【0031】上記ポリアミド樹脂(1)は、たとえば炭
素原子数4〜12の有機ジカルボン酸と炭素原子数2〜
13の有する有機ジアミンとを等モル量重縮合させるこ
とによって調製することができる。また、必要に応じ
て、ポリアミド樹脂中のカルボキシ基がアミノ基より過
剰となるように有機ジカルボン酸を有機ジアミンよりも
多量に使用することもできるし、逆に、ポリアミド樹脂
中のアミノ基がカルボキシ基よりも過剰となるように有
機ジカルボン酸を有機ジアミンよりも少量で使用するこ
ともできる。
【0032】上記有機ジカルボン酸としては、具体的に
は、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸などが挙げられる。上記有機ジアミン
としては、具体的には、ヘキサメチレンジアミン、オク
タメチレンジアミンなどが挙げられる。
【0033】また、上記ポリアミド樹脂(1)は、上記
方法と同様にして、エステル、酸塩化物等のカルボン酸
を生成しうる誘導体と、アミン塩等のアミンを生成しう
る誘導体とから調製することもできる。
【0034】上記ポリアミド樹脂(2)は、たとえばω
- アミノ酸を少量の水の存在下に加熱して重縮合させる
ことによって調製することができる。多くの場合、酢酸
などの粘度安定剤を少量加える。
【0035】上記ポリアミド樹脂(3)は、たとえばラ
クタムを少量の水の存在下に加熱して開環重合させるこ
とによって調製することができる。多くの場合、酢酸な
どの粘度安定剤を少量加える。
【0036】グラフト変性エチレン・α- オレフィンラ
ンダム共重合体(B) 本発明で用いられるグラフト変性エチレン・α- オレフ
ィンランダム共重合体(B)は、エチレンと炭素原子数
6〜20のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オ
レフィンランダム共重合体(以下、未変性エチレン・α
- オレフィンランダム共重合体と称する場合がある)
に、特定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラ
フトされてなる。
【0037】上記の炭素原子数6〜20のα- オレフィ
ンとしては、具体的には、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-
オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデ
セン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセ
ン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセ
ン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1- ブテ
ン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-
メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメ
チル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチ
ル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、9-メチル-1-
デセン、11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テト
ラデセン、およびこれらの組合わせが挙げられる。
【0038】上記未変性エチレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体は、α- オレフィン含量が6〜25モル
%、好ましくは8〜22モル%、さらに好ましくは10
〜20モル%である。α- オレフィン含量が上記のよう
な範囲にある未変性エチレン・α- オレフィンランダム
共重合体を用いると、柔軟性が良好で取扱いが容易なグ
ラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体
(B)を得ることができる。しかも、このグラフト変性
エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を用
いると、耐低温衝撃性および柔軟性に優れた成形体を提
供し得るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0039】また、この未変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体は、135℃デカリン中で測定した
極限粘度[η]が、0.5〜5.0dl/g、好ましく
は1.5〜3.0dl/gである。極限粘度[η]が上
記のような範囲にある未変性エチレン・α- オレフィン
ランダム共重合体から得られるグラフト変性エチレン・
α- オレフィンランダム共重合体(B)は、ポリアミド
樹脂(A)とのブレンド性が良好である。しかも、この
グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B)を用いると、成形性に優れたポリアミド樹脂組
成物を得ることができる。
【0040】上記のような特性を有する未変性エチレン
・α- オレフィンランダム共重合体は、後述するよう
に、可溶性バナジウム化合物とアルキルアルミニウムハ
ライド化合物とからなるバナジウム系触媒、またはジル
コニウムのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ
化合物とからなるジルコニウム系触媒の存在下に、エチ
レンと炭素原子数6〜20のα−オレフィンとをランダ
ムに共重合させることによって調製することができる。
【0041】上記のような特性を有する未変性エチレン
・α- オレフィンランダム共重合体の中でも、下記のよ
うな特性を有する直鎖状および長鎖分岐型のエチレン・
α-オレフィンランダム共重合体が好ましく用いられ
る。
【0042】本発明で好ましく用いられる直鎖状のエチ
レン・α- オレフィンランダム共重合体のα- オレフィ
ン含有量、極限粘度については、上述した通りである。
さらに、この直鎖状のエチレン・α- オレフィンランダ
ム共重合体は、DSC(示差走査熱量計)で求めたガラ
ス転移点(Tg)が−50℃以下である。ガラス転移点
(Tg)が上述した範囲である未変性の直鎖状エチレン
・α- オレフィンランダム共重合体から得られるグラフ
ト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体
(B)を用いると、耐低温衝撃性および低温柔軟性に優
れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0043】また、この未変性の直鎖状エチレン・α-
オレフィンランダム共重合体の融点は、90℃以下であ
る。さらにまた、この未変性の直鎖状エチレン・α- オ
レフィンランダム共重合体は、X線回折法により測定さ
れた結晶化度が30%未満、好ましくは20%以下であ
る。結晶化度が30%未満の未変性の直鎖状エチレン・
α- オレフィンランダム共重合体から得られるグラフト
変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)
を用いると、成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を得
ることができる。
【0044】また、この未変性の直鎖状エチレン・α-
オレフィンランダム共重合体は、GPCより求めた分子
量分布(Mw/Mn)が3.0以下で、13C−NMR法
により求めた、共重合体中のモノマー連鎖分布のランダ
ム性を示すパラメータ(B値)が1.0〜1.4である
ことが好ましい。
【0045】このような未変性の直鎖状エチレン・α-
オレフィンランダム共重合体におけるB値は、共重合体
中の連鎖中における各モノマーから誘導される構成単位
の組成分布状態を表わす指標であり、下式により算出す
ることができる。
【0046】B=POE/(2PO・PE) [式中、PEおよびPOは、それぞれ未変性エチレン・α
- オレフィンランダム共重合体中に含有される、エチレ
ン成分のモル分率およびα- オレフィン成分のモル分率
であり、POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対す
るエチレン・α- オレフィン交互連鎖数の割合であ
る。] このようなPE、POおよびPOE値は、具体的には、下記
のようにして求められる。
【0047】10mmφの試験管中で約200mgの未
変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を1m
lのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させて試料を
調製し、この試料の13C−NMRスペクトルを下記の測
定条件下で測定して得る。測定条件 測定温度:120℃ 測定周波数:20.05MHz スペクトル幅:1500Hz フィルタ幅:1500Hz パルス繰り返し時間:4.2sec パルス幅:7μsec 積算回数:2000〜5000回 PE、POおよびPOE値は、上記のようにして得られる13
C−NMRスペクトルから、G.J.Ray (Macromolecule
s, 10,773(1977))、J.C.Randall(Macro-molecules, 1
5,353(1982))、K.Kimura (Polymer,25,4418(1984)) ら
の報告に基づいて求めることができる。
【0048】なお、上記式より求められるB値は、未変
性エチレン・α- オレフィン共重合体中で両モノマーが
交互に分布している場合には2となり、両モノマーが完
全に分離して重合している完全ブロック共重合体の場合
には0となる。
【0049】B値が上記範囲にある未変性エチレン・α
- オレフィンランダム共重合体から得られるグラフト変
性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)を
用いると、耐低温衝撃性に特に優れた成形体を提供し得
るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0050】上記のような直鎖状のエチレン・α- オレ
フィンランダム共重合体の極限粘度[η]から求められ
るgη* 値は、0.95を超えている。このgη*
は、次式により定義される。
【0051】gη* =[η]/[η]blank (ここで、[η]は、上記(b) で測定される極限粘度で
あり、[η]blank は、その極限粘度[η]のエチレン
・α- オレフィンランダム共重合体と同一重量平均分子
量(光散乱法による)を有し、かつエチレン含量が70
モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度
である。) 上記のような特性を有する直鎖状のエチレン・α- オレ
フィンランダム共重合体からは、機械強度、耐候性、耐
オゾン性に優れ、しかも耐寒性(低温柔軟性)および耐
熱性のいずれにも優れたポリアミド樹脂組成物およびそ
の成形体を得ることができる。
【0052】また、本発明で好ましく用いられる長鎖分
岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体のα
- オレフィン含有量、極限粘度、ガラス転移温度、結晶
化度、分子量分布およびB値については、既に上述した
直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム共重合体と同
様である。
【0053】長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィンラ
ンダム共重合体のgη* 値は、0.2〜0.95、好ま
しくは0.4〜0.9、さらに好ましくは0.5〜0.
85である。このgη* 値は、上述した方法により求め
られる。
【0054】エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体のgη* 値が0.95以下であると、分子中に長鎖分
岐が形成されていることを示す。本発明で好ましく用い
られる上記直鎖状および長鎖分岐状のエチレン・α- オ
レフィンランダム共重合体は、それぞれ特定のメタロセ
ン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレン
と炭素原子数6〜20のα- オレフィンとをランダム共
重合させることによって調製することができる。
【0055】未変性エチレン・α- オレフィンランダム
共重合体の調製 本発明で用いられる未変性エチレン・α- オレフィンラ
ンダム共重合体は、上述したように、可溶性バナジウム
化合物とアルキルアルミニウムハライド化合物とからな
るバナジウム系触媒、またはジルコニウムのメタロセン
化合物と有機アルミニウムオキシ化合物とからなるジル
コニウム系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数6〜
20のα- オレフィンとをランダムに共重合させること
によって調製することができる。
【0056】上記バナジウム系触媒で用いられる可溶性
バナジウム化合物としては、具体的には、四塩化バナジ
ウム、オキシ三塩化バナジウム、モノエトキシ二塩化バ
ナジウム、バナジウムトリアセチルアセトネート、オキ
シバナジウムトリアセチルアセトネートなどが挙げられ
る。
【0057】また、このバナジウム系触媒で用いられる
アルキルアルミニウムハライド化合物としては、具体的
には、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミ
ニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジイソブチル
アルミニウムモノクロリド、イソブチルアルミニウムジ
クロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリドなど
が挙げられる。
【0058】上記ジルコニウム系触媒で用いられるジル
コニウムのメタロセン化合物としては、具体的には、エ
チレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ジ
メチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジブロミド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0059】また、このジルコニウム系触媒で用いられ
る有機アルミニウムオキシ化合物としては、アルミノオ
キサンまたはベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物がある。
【0060】ジルコニウム系触媒は、ジルコニウムのメ
タロセン化合物および有機アルミニウムオキシ化合物と
ともに、有機アルミニウム化合物を含有していてもよ
い。このような有機アルミニウム化合物としては、具体
的には、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミ
ニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリドな
どが挙げられる。
【0061】上記のようなバナジウム系触媒またはジル
コニウム系触媒を用いたエチレンとα- オレフィンとの
共重合は、溶液状または懸濁状あるいはこの中間領域で
行なうことができ、いずれの場合にも不活性溶剤を反応
媒体として用いるのが好ましい。
【0062】本発明で好ましく用いられる上記直鎖状お
よび長鎖分岐状のエチレン・α- オレフィンランダム共
重合体は、上述したように、それぞれ特定のメタロセン
化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレンと
炭素原子数6〜20のα- オレフィンとをランダム共重
合させることによって調製することができる。
【0063】ここで用いられるメタロセン系触媒は、メ
タロセン化合物[a]を含有すること以外は特に限定さ
れず、たとえばメタロセン化合物[a]と、有機アルミ
ニウムオキシ化合物[b]および/またはメタロセン化
合物[a]と反応してイオン対を形成する化合物[c]
とから形成されてもよい。また、メタロセン化合物
[a]と、有機アルミニウムオキシ化合物[b]および
/またはイオン対を形成する化合物[c]とともに有機
アルミニウム化合物[d]とから形成されてもよい。
【0064】メタロセン化合物[a] まず、上記直鎖状のエチレン・α- オレフィンランダム
共重合体の調製に際して用いられるメタロセン化合物
[a]としては、下記の一般式[I]で示される化合物
が挙げられる。
【0065】MLx ・・・[I] 式[I]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属であり、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフ
ニウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0066】Lは、遷移金属に配位する配位子であり、
これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。
【0067】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、
i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシ
ルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエ
ニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチル
シクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジ
エニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチ
ルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシク
ロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニ
ル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチル
ベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基な
どのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジ
エニル基、さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロ
インデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0068】これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基などで置換されていてもよい。これらのうち
では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ま
しい。
【0069】式[I]で示される化合物が、配位子Lと
してシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有
する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨
格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアル
キレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなど
の置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレ
ン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレンなど
の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0070】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のL(以下単に他のLということもある)として
は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、ハロゲン原子、水素原子またはスルホ
ン酸含有基(−SO3a)[ここで、Raはアルキル
基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基
またはハロゲン原子またはアルキル基で置換されたアリ
ール基である。]などが挙げられる。
【0071】炭素原子数1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などが挙げられ、より具体的には、メチル、エ
チル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチ
ル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オク
チル、デシル、ドデシルなどのアルキル基、シクロペン
チル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基、フェニ
ル、トリルなどのアリール基、ベンジル、ネオフィルな
どのアラルキル基が挙げられる。
【0072】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブ
トキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基
などが挙げられる。
【0073】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どが挙げられ、スルホン酸含有基(−SO3a)として
は、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、ト
リフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンスル
ホナト基などが挙げられる。
【0074】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。上記式で表わされるメタロセ
ン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場
合、より具体的には、下記式[I-a]で表わされる。
【0075】 R2 k3 l4 m5 nM ・・・[I-a] 式[I-a]中、Mは上記遷移金属であり、R2はシクロペ
ンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3
4およびR5は、それぞれ独立にシクロペンタジエニル
骨格を有する基または上記一般式[I]中の他のLと同
様である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=
4である。
【0076】以下に、Mがジルコニウムであり、かつ、
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも
2個含むメタロセン化合物を例示する。 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリ
ドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムフェノキシモノクロリド、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イソプロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(t-
ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(sec-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イソブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ヘキ
シルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブ
ロミド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメ
トキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムエトキシクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナ
ト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメ
タンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(ヘキシルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンス
ルホナト)、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1-メチル-3- エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1-メチル-3- プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1-メチル-3- ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3- エチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メ
チル-3- プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(1-メチル-3- ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-
ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1-メチル-3- オクチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル-3- ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル
ベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチルシクロヘキシルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを例示
することができる。
【0077】上記の1,3−位置換シクロペンタジエニ
ル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換え
た化合物を本発明で用いることもできる。また上記式
[I-a]において、R2、R3、R4およびR5の少なくと
も2個すなわちR2およびR3がシクロペンタジエニル骨
格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の
基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基また
は置換シリレン基などを介して結合されているブリッジ
タイプのメタロセン化合物を例示することもできる。こ
のとき、R4およびR5はそれぞれ独立に式[I]中で説
明した他のLと同様である。
【0078】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(p-クロルベンゼンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル- メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0079】さらに、下記式[A]で示される特開平4
−268307号公報に記載のメタセン化合物が挙げら
れる。
【0080】
【化9】
【0081】[式[A]中、M1は、周期律表の第IVB
族の金属であり、具体的には、例えば、チタニウム、ジ
ルコニウム、ハフニウムを挙げることができる。R1
よびR2は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素
原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキ
ル基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコ
キシ基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリ
ール基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリ
ールオキシ基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4
のアルケニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜
10のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40、好ま
しくは7〜12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜
40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、ま
たはハロゲン原子、好ましくは塩素原子である。
【0082】R3およびR4は、互いに同じでも異なって
いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ
素原子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されてい
てもよい炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアル
キル基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリ
ール基、−NR10 2 、−SR10、−OSiR10 3 、−S
iR10 3 または−PR10 2 基であり、その際R10はハロ
ゲン原子、好ましくは塩素原子、または炭素原子数1〜
10、好ましくは1〜3のアルキル基、または炭素原子
数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。
【0083】R3およびR4は、特に水素原子であること
が好ましい。R5およびR6は、互いに同じでも異なって
いてもよく、好ましくは同じであり、R5およびR6は、
3およびR4と同じであるが水素原子でない。R5およ
びR6は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素
原子数1〜4のアルキル基、具体的には、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基またはトリフルオロメチル基等が挙げ
られ、メチル基が好ましい。
【0084】R7は、下記式で表される:
【0085】
【化10】
【0086】=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO 2、=NR11、=
CO、=PR11または=P(O)R11であり、その際、
11、R12およびR13は、互いに同じでも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜1
0、好ましくは1〜4のアルキル基、さらに好ましくは
メチル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、
好ましくはCF3基、炭素原子数6〜10、好ましくは
6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロア
リール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ基、特
に好ましくはメトキシ基、炭素原子数2〜10、好まし
くは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40、好ま
しくは7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数8〜
40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、ま
たは炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキ
ルアリール基であるか、またはR11とR12またはR11
13とは、それぞれそれらが結合する炭素原子と一緒に
なって環を形成してもよい。
【0087】M2は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ま
しくは珪素またはゲルマニウムでる。R7は、=CR11
12、=SiR1112、=GeR1112、−O−、−S
−、=SO、=PR11または=P(O)R11であること
が好ましい。
【0088】R8およびR9は、互いに同じであっても異
なっていてもよく、R11と同じである。mおよびnは、
互いに同じであっても異なっていてもよく、0、1また
は2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1ま
たは2、好ましくは0または1である。
【0089】上記条件を充たす特に好ましいメタロセン
化合物を下記(i)〜(iii)に示す。
【0090】
【化11】
【0091】[上記式(i)、(ii)及び(iii)中、
1はZrまたはHfであり、R1およびR2はメチル基
または塩素原子であり、R5およびR6はメチル基、エチ
ル基またはトリフルオロメチル基であり、R8、R9、R
11およびR12が上記の意味を有する。] このような式(i)、(ii)及び(iii)で示される化
合物の内でも、下記の化合物が特に好ましい。
【0092】rac-エチレン(2-メチル-1-インデニ
ル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジメチルシ
リレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジク
ロライド、rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-イン
デニル)2-ジルコニウム-ジメチル、rac-エチレン-
(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジメチル、
rac-フェニル(メチル)シリレン-(2-メチル-1-イ
ンデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジフ
ェニル-シリレン-(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコ
ニウム-ジクロライド、rac-メチルエチレン-(2-メ
チル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、r
ac-ジメチルシリレン-(2-エチル-1-インデニル)2-
ジルコニウム-ジクロライド。
【0093】このようなメタロセン化合物の製造方法に
ついては、従来より公知の方法にて製造することができ
る(例:特開平4−268307号公報参照)。本発明
では、下記式[B]で示される遷移金属化合物(メタロ
セン化合物)を用いることもできる。
【0094】
【化12】
【0095】式[B]中、Mは周期律表第IVB族の遷移
金属原子を示し、具体的には、チタニウム、ジルコニウ
ム、ハフニウムである。R1 およびR2 は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の
炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素
基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基またはリン含有基を示し、具体的には、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オ
クチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニ
ル、アダマンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニ
ル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、
フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアル
キル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメ
チルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビ
フェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニ
ル、フェナントリルなどのアリール基などの炭素原子数
1〜20の炭化水素基;前記炭化水素基にハロゲン原子
が置換したハロゲン化炭化水素基;メチルシリル、フェ
ニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル基、ジメチル
シリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル
基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピ
ルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシ
リル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリ
ル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ
炭化水素置換シリル基、トリメチルシリルエーテルなど
の炭化水素置換シリルのシリルエーテル基、トリメチル
シリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチル
シリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などのケイ
素含有置換基;ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキ
シ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキ
シなどのアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエ
トキシなどのアリールアルコキシ基などの酸素含有基;
前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基などの
イオウ含有基;アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミ
ノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、
フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、
ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリー
ルアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素
含有基;ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィ
ノなどのフォスフィノ基などのリン含有基である。
【0096】これらのうちR1 は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素原子
数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2
は水素、炭化水素基が好ましく、特に水素あるいは、メ
チル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素
基であることが好ましい。
【0097】R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20
の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水
素基を示し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン
化炭化水素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4
とR5 、R5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが
結合している炭素原子と一緒になって単環の芳香族環を
形成していてもよい。
【0098】また芳香族環を形成する基以外の基は、炭
化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場
合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよ
い。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素
原子であることが好ましい。
【0099】ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化
水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基と
して、具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例
示できる。
【0100】R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のう
ち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香
族環を含む、Mに配位する配位子としては以下に示すよ
うなものが挙げられる。
【0101】
【化13】
【0102】これらのうち上記式(1)で示される配位
子が好ましい。前記芳香族環は、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロ
ゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
【0103】前記芳香族環に置換するハロゲン原子、炭
素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20の
ハロゲン化炭化水素基としては、前記R1 およびR2
同様の基が例示できる。
【0104】X1 およびX2 は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素
含有基またはイオウ含有基を示し、具体的には、前記R
1 およびR2 と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜2
0の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化
水素基、酸素含有基が例示できる。
【0105】イオウ含有基としては、前記R1 、R2
同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメ
タンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジ
ルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメ
チルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼン
スルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペ
ンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネ
ート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が例
示できる。
【0106】Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水
素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素
基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、
2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO
−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7)−、−P
(O)(R7)−、−BR7 −または−AlR7 −[た
だし、R7 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭
化水素基]を示し、具体的には、メチレン、ジメチルメ
チレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-
トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシ
レン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフ
ェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリ
ールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭
化水素基;クロロメチレンなどの上記炭素原子数1〜2
0の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化
水素基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチル
シリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピ
ル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチル
フェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリ
ル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどの
アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、ア
リールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリレン基、
テトラフェニル-1,2-ジシリレン基などのアルキルジシ
リレン基、アルキルアリールジシリレン基、アリールジ
シリレン基などの2価のケイ素含有基;上記2価のケイ
素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲル
マニウム含有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素をス
ズに置換した2価のスズ含有基置換基などであり、R7
は、前記R1 、R2 と同様のハロゲン原子、炭素原子数
1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン
化炭化水素基である。
【0107】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン基、アルキルアリールシ
リレン基、アリールシリレン基であることが好ましい。
【0108】以下に上記式[B]で表される遷移金属化
合物の具体的な例を示す。
【0109】
【化14】
【0110】
【化15】
【0111】
【化16】
【0112】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。前
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重
合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用
いることもできる。
【0113】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば下記の反応ルートで、通常の有機
合成手法を用いて合成することができる。
【0114】
【化17】
【0115】本発明で用いられるこの遷移金属化合物
は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特
開平4−268307号公報に記載されている方法によ
り合成することができる。
【0116】本発明においては、また下記式[C]で示
される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いるこ
ともできる。
【0117】
【化18】
【0118】式[C]中、M、R1、R2、R3、R4、R
5およびR6としては、前記式[B]の場合と同様なもの
が挙げられる。R3 、R4 、R5 およびR6 のうち、R
3 を含む2個の基が、アルキル基であることが好まし
く、R3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル基である
ことが好ましい。このアルキル基は、2級または3級ア
ルキル基であることが好ましい。また、このアルキル基
は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよ
く、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R1 、R2
で例示した置換基が挙げられる。
【0119】R3 、R4 、R5 およびR6 で示される基
のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが
好ましい。アルキル基(炭素原子数1〜20の炭化水素
基)としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピ
ル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、
ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、
アダマンチルなどの鎖状アルキル基および環状アルキル
基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ト
リルメチルなどのアリールアルキル基などが挙げられ、
2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
【0120】またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ば
れる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環ある
いは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子として、
具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。
【0121】X1、X2、YおよびR7としては、前記式
[B]の場合と同様のものが挙げられる。以下に上記式
[C]で示されるメタロセン化合物(遷移金属化合物)
の具体的な例を示す。
【0122】rac-ジメチルシリレン- ビス(4,7-ジメチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,5,6-トリ
メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス(2,4,5,6-テトラメチル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,4,5,6,7-ペンタメチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2-メチル-4-n- プロピル-7- メチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(4-i-プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4- メチル-6-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-i- プロピル-5- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4,6- ジ(i- プロピル)-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4,6
- ジ(i- プロピル)-7-メチル-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4-i- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-sec- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4,6- ジ(sec- ブチル)-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-t
ert-ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-
シクロヘキシル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4- ベンジル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4
- フェニルエチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4- フェニルジクロルメチル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4- クロロメチル-7- メチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2-メチル-4- トリメチルシリルメチル-7- メチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス(2-メチル-4- トリメチルシロキシ
メチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プ
ロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジ(i- プロピル) シリレン- ビス(2-メチル
-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジ(n- ブチル) シリレン- ビス(2-
メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジ( シクロヘキシル) シリレ
ン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニル
シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-
1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p- ト
リル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メ
チル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(p- クロロフェニル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i-
プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i-
プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジブ
ロミド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i-
プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメ
チル、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プ
ロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチル
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム-
ビス(メタンスルホナト)、rac-ジメチルシリレン- ビ
ス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i
- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i
- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4
-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド。
【0123】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。上
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられる
が、R型またはS型を用いることもできる。
【0124】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば前記と同様の反応ルートで、通常
の有機合成手法を用いて合成することができる。また上
記の式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化
合物)は、これらインデン誘導体から既知の方法、たと
えば特開平4−268307号公報に記載の方法により
合成することができる。
【0125】本発明においては、上記のようなメタロセ
ン化合物のうち、特に下記の一般式[C-a]または[B-
a]で示される化合物が好ましく用いられる。一般式[C
-a]で示されるメタロセン化合物は、上記式[C]で示
される化合物の一部であり、また、一般式[B-a]で示
されるメタロセン化合物は、上記式[B]で示される化
合物の一部である。
【0126】
【化19】
【0127】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。11およびR12 11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基またはリン含有基であり、炭素原子数1〜20の炭
化水素基としては、たとえば、メチル、エチル、プロピ
ル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチ
ル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボ
ルニル、アダマンチル等のアルキル基、ビニル、プロペ
ニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジル、
フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキ
ル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチ
ルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフ
ェニル、α- またはβ- ナフチル、メチルナフチル、ア
ントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピ
レニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレ
ニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリ
ル等のアリール基などが挙げられる。
【0128】これらの炭化水素基は、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などの有機
シリル基で置換されていてもよい。
【0129】酸素含有基としては、具体的には、ヒドロ
オキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ
等のアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジ
メチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリーロキシ基、フ
ェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコ
キシ基などが挙げられる。
【0130】イオウ含有基としては、具体的には、前記
酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、メチルス
ルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェ
ニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トル
エンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネー
ト、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロル
ベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスル
フォネート等のスルフォネート基、メチルスルフィネー
ト、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネー
ト、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンス
ルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート
等のスルフィネート基などが挙げられる。
【0131】窒素含有基としては、具体的には、アミノ
基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシル
アミノ等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェ
ニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチ
ルフェニルアミノ等のアリールアミノ基またはアルキル
アリールアミノ基などが挙げられる。
【0132】リン含有基としては、具体的には、ジメチ
ルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基などが挙
げられる。R11は、これらのうちでも炭化水素基である
ことが好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基
の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好まし
い。
【0133】またR12は、水素原子、炭化水素基である
ことが好ましく、特に水素原子あるいは、メチル基、エ
チル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基で
あることが好ましい。
【0134】13およびR14 13およびR14は、上記に例示したような炭素原子数1
〜20のアルキル基である。
【0135】R13は、2級または3級アルキル基である
ことが好ましい。R14は、2重結合、3重結合を含んで
いてもよい。1 およびX2 1 およびX2 は、互いに同じでも異なってもよく、水
素原子、ハロゲン原子、上記に例示したような炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であ
り、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基で
あることが好ましい。
【0136】 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含
有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2
−、−NR15−、−P(R15)−、−P(O)(R15
−、−BR15−または−AlR15−[ただし、R15は、
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水
素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基]で
あり、具体的には、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-
エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレ
ン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-
シクロヘキシレン等のアルキレン基、ジフェニルメチレ
ン、ジフェニル-1,2- エチレン等のアリールアルキレン
基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;クロ
ロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水
素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;メチルシ
リレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-
プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ
(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレ
ン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ
(p-クロロフェニル)シリレン等のアルキルシリレン
基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン
基、テトラメチル-1,2- ジシリル、テトラフェニル-1,2
- ジシリル等のアルキルジシリル基、アルキルアリール
ジシリル基、アリールジシリル基などの2価のケイ素含
有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウム
に置換した2価のゲルマニウム含有基などが挙げられ
る。
【0137】R15は、前記と同様の水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1
〜20のハロゲン化炭化水素基である。これらのうち、
Yは、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基
であることが好ましく、2価のケイ素含有基であること
がより好ましく、アルキルシリレン基、アルキルアリー
ルシリレン基、アリールシリレン基であることが特に好
ましい。
【0138】以下に上記一般式[C-a]で表わされるメ
タロセン化合物の具体的な例を示す。rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,7-ジメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-
ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチ
ル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-sec
- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ペンチル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,7-ジメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,7-ジメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルエチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルジクロルメチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2,7-ジメチル-4- クロロメチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシリルメチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシロキシ
メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジエチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(i-
プロピル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(n-ブチル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロ
ピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i
- プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i-
プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t-
ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフ
ェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シ
リレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェ
ニル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- エチル-1
- インデニル)ジルコニウムジブロミドrac-ジメチルシ
リレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- プロピル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ブチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4-sec- ブチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,
3,7-トリメチル-4-n- ペンチル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,
7-トリメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-
トリメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,
7-トリメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシリルメチル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシロ
キシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- フ
ェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4
- フェニルジクロルメチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-ト
リメチル-4- クロルメチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジエチルシリレン- ビス(2,3,7-ト
リメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス(2,
3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジ(シクロヘキシル)シリ
レン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェ
ニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロ
ロフェニル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i-
プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、rac-
ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7-
メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル
-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(メタ
ンスルホナト)、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ
ウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-i- プロピル
-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル
-7- メチル-1- インデニル)チタニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ハフニウムジクロリドなど。
【0139】これらの中で、4位にi-プロピル基、sec-
ブチル基、tert- ブチル基などの分岐アルキル基を有す
る化合物が、特に好ましい。本発明では、通常、前記遷
移金属化合物のラセミ体がオレフィン重合用触媒成分と
して用いられるが、R型またはS型を用いることもでき
る。
【0140】上記のような遷移金属化合物は、インデン
誘導体から既知の方法たとえば特開平4−268307
号公報に記載されている方法により合成することができ
る。本発明で好ましく用いられる下記式[B-a]で示さ
れる化合物は、EP−549900号およびカナダ−2
084017号の明細書に記載されている。
【0141】
【化20】
【0142】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素
原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子または塩素
原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜1
0、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜1
0、好ましくは6〜8のアリール基、−NR2、−S
R、−OSiR3、−SiR3または−PR2基(ただ
し、Rはハロゲン原子、好ましくは塩素原子、炭素原子
数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基または炭素
原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基)であ
る。
【0143】R22〜R28は、同一でも異なっていてもよ
く、R21と同様の原子または基であり、これらR22〜R
28のうち隣接する少なくとも2個の基は、それらの結合
する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成して
いてもよい。
【0144】X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭
素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、炭
素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ
基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニ
ル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜
12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40、好ま
しくは8〜12のアリールアルケニル基である。
【0145】Zは、
【0146】
【化21】
【0147】=BR29、=AIR29、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO 2、=NR29、=
CO、=PR29または=P(O)R29である。ただし、
29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10、好
ましくは1〜4のアルキル基、特に好ましくはメチル
基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、好まし
くはCF3 基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8
のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール
基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、炭素原子数
1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ基、特に好ま
しくはメトキシ基、炭素原子数2〜10、好ましくは2
〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは
7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40、
好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、炭素原子
数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基
である。
【0148】またR29とR30とは、それぞれ、それらの
結合する原子とともに環を形成してもよい。M2 は、珪
素、ゲルマニウムまたはスズである。
【0149】上述のアルキル基は、直鎖状のまたは枝分
かれしたアルキル基であり、ハロゲン(ハロゲン化)は
フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であ
り、特に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
【0150】このような式[B-a]で示される化合物の
うちでも、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであ
り、R21は、互いに同じであり、炭素原子数1〜4のア
ルキル基であり、R22〜R28は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜4のアル
キル基であり、X3 およびX4 は、互いに同一でも異な
っていてもよく、炭素原子数1〜3のアルキル基または
ハロゲン原子であり、Zは、
【0151】
【化22】
【0152】(M2 はケイ素であり、R29およびR
30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数
1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリー
ル基である。)である化合物が好ましく、置換基R22
よびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素原子
数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がよ
り好ましい。
【0153】さらには、Mは、ジルコニウムであり、R
21は、互いに同一で炭素原子数1〜4のアルキル基であ
り、R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R
27は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4
のアルキル基または水素原子であり、X3 およびX
4 は、いずれも塩素原子であり、Zは、
【0154】
【化23】
【0155】(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30
は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1
〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール
基である。)である化合物が好ましく、特に、Mは、ジ
ルコニウムであり、R21は、メチル基であり、R22〜R
28は、水素原子であり、X3 およびX4 は、塩素原子で
あり、Zは、
【0156】
【化24】
【0157】(M2は、ケイ素であり、R29およびR30
は、互いに同一でも異なっていてもく、メチル基または
フェニル基である)である化合物が好ましい。以下にこ
のような式[B-a]で示されるメタロセン化合物を数例
示す。
【0158】rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5-
アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリ
メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル
-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-
(4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,6-ジメチル
-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメ
チル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ドなど。
【0159】また、上記のような化合物中のジルコニウ
ムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物を挙
げることもできる。本発明では、通常式[C-a]または
[B-a]で示されるメタロセン化合物のラセミ体が触媒
成分として用いられるが、R型またはS型を用いること
もできる。
【0160】上記のようなメタロセン化合物は、2種以
上組合わせて用いることもできる。次に、本発明で好ま
しく用いられる長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン
ランダム共重合体の調製に際して用いられるメタロセン
化合物[a]としては、下記の一般式[II]で示される
化合物が挙げられる。
【0161】
【化25】
【0162】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。置換基R1 1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、具体的
には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、n-ペ
ンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル基
等のアルキル基、ビニル、プロペニル等のアルケニル基
などが挙げられる。
【0163】これらのうち、インデニル基に結合した炭
素が1級のアルキル基が好ましく、さらに炭素原子数1
〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチ
ル基が好ましい。
【0164】置換基R2 、R4 、R5 、R6 2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異な
っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1
同様の炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
【0165】ここでハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素である。置換基R3 3 は、炭素原子数6〜16のアリール基である。この
アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。
【0166】アリール基としては、具体的には、フェニ
ル基、α- ナフチル基、β- ナフチル基、アントラセニ
ル基、フェナントリル基、ピレニル基、アセナフチル
基、フェナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒ
ドロナフチル基、インダニル基、ビフェニリル基などが
挙げられる。これらのうち、フェニル基、ナフチル基、
アントラセニル基、フェナントリル基が好ましい。
【0167】また、このアリール基の置換基である炭素
原子数1〜20の炭化水素基としては、たとえば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキ
シル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノル
ボルニル、アダマンチル等のアルキル基、ビニル、プロ
ペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジ
ル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールア
ルキル基、上記例示のアリール基、およびトリル、ジメ
チルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、
プロピルフェニル、メチルナフチル、ベンジルフェニル
等のアリール基などが挙げられる。
【0168】また、有機シリル基としては、トリメチル
シリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基
などが挙げられる。1 およびX2 1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
基、酸素含有基またはイオウ含有基である。具体的に
は、前記と同様のハロゲン原子および炭化水素基が挙げ
られる。
【0169】また、酸素含有基としては、具体的には、
ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキ
シ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリーロキシ
基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリール
アルコキシ基などが挙げられる。
【0170】イオウ含有基としては、具体的には、前記
酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、メチルス
ルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェ
ニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トル
エンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネー
ト、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロル
ベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスル
フォネート等のスルフォネート基、メチルスルフィネー
ト、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネー
ト、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンス
ルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート
等のスルフィネート基などが挙げられる。
【0171】これらのうち、X1 およびX2 は、ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが
好ましい。 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−
P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −また
は−AlR7 −(ただし、R7 は、水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1
〜20のハロゲン化炭化水素基)であり、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル
-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレ
ン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等の
アルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1 ,2-
エチレン等のアリールアルキレン基などの炭素原子数1
〜20の2価の炭化水素基;クロロメチレン等の上記炭
素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化した
ハロゲン化炭化水素基;メチルシリレン、ジメチルシリ
レン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、
ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリ
レン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、
ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリ
レン等のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレ
ン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリ
ル、テトラフェニル-1,2- ジシリル等のアルキルジシリ
ル基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル
基などの2価のケイ素含有基;上記2価のケイ素含有基
のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム
含有基などが挙げられる。
【0172】R7 は、前記と同様のハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基である。これらのうち、Yは、2価
のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であること
が好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ま
しく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン
基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0173】以下に上記一般式[II]で表わされるメタ
ロセン化合物の具体例を示す。 rac-ジメチルシリレン- ビス(4-フェニル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-メチル-4- フェニルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メ
チル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4
-(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(1-
アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(2-
アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(9-
アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(9-
フェナントリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-
フルオロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-
(ペンタフルオロフェニル)-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4-(p-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-(m-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4
-(o-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-
(o,p-ジクロロフェニル)フェニル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2-メチル-4-(p-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2-メチル-4-(p-トリル)-1-インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-(m-トリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o-ト
リル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o,o'-ジメチル
フェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-エチルフ
ェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-i-プロピル
フェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-ベンジル
フェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-ビフェニ
ル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m-ビフェニル)-
1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2-メチル-4-p-トリメチルシリレンフ
ェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m-トリメチル
シリレンフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-
フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4-フェニル-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ-(i-プロ
ピル)シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ-(n-ブチル)
シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジシクロヘキシルシリレ
ン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス
(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4-
フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジ(p-トリル)シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-
1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-ク
ロロフェニル)シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチレン-
ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-エチレン-ビス(2-メチル-4-フェニ
ル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルゲルミレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルスタニレ
ン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル
-1-インデニル)ジルコニウムジメチル、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)
ジルコニウムメチルクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウ
ムクロリドSO2Me、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-
メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムクロリ
ドOSO2Me、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エ
チル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α
-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(β-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2-メチル-1-
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(5-アセナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-アントラ
セニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-フェナン
トリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(o-メチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(m-メチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(p-メチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,3-ジメチ
ルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,4-ジ
メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,
5-ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-
(2,4,6-トリメチルフェニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-
エチル-4-(o-クロロフェニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-エチル-4-(m-クロロフェニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-エチル-4-(p-クロロフェニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-エチル-4-(2,3-ジクロロフェニル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-エチル-4-(2,6-ジクロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-エチル-4-(3,5-ジクロロフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(2-ブロモフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(3-ブロモフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-ブロモフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-ビフェニリル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-トリメチルシリルフェニ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(β-ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(2-メチル-1-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(5-アセナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9-アント
ラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9-フ
ェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(α-ナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(β-ナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(8-メチ
ル-9-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-
(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-
4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロ
ピル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s
-ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-
(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-
(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-
(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブ
チル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-
ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-s-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-n-ペンチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-
ペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-
ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-
(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-
(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-
(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブ
チル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-
ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-n-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-i-ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブ
チル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチ
ル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-
4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-
ブチル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i
-ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-i-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-ネオペンチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-
ネオペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-n-ヘキシル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ヘキ
シル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-
エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチ
ル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エ
チル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1
-(2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス
{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-
エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エ
チル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2
-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-
(2-エチル-4-(4-ビフェリニル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-メチレン-ビス{1-(2-エチ
ル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エチ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-エチレン-ビス{1-(2-エ
チル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-エチレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-
(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルゲルミル-ビス{1-(2-エチル-4-フェ
ニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルゲルミル-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
ゲルミル-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0174】また、上記のような化合物中のジルコニウ
ムをチタニウム、ハフニウムに代えた化合物を挙げるこ
ともできる。本発明では、通常、上記メタロセン化合物
のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型または
S型を用いることもできる。
【0175】本発明では、上記のようなメタロセン化合
物を2種以上組合わせて用いることができる。このよう
なメタロセン化合物は、Journal of Organometallic Ch
em.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許出願公開第
0,320,762 号明細書に準じて製造することができる。
【0176】また、上記一般式[II]で示されるメタロ
セン化合物のほかに、下記一般式[III]で示されるメ
タロセン化合物が挙げられる。 LaMX2 ・・・[III] (Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属で
あり、La は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または20以下
の炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を含有
する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。) このような式[III]で示される化合物のうちでも、具
体的に、下記式[III-a]で示される化合物が好まし
い。
【0177】
【化26】
【0178】Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニ
ウムであり、Xは、上記と同様である。Cpは、Mにπ
結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタ
ジエニル基またはその誘導体である。
【0179】Zは、酸素、イオウ、ホウ素または周期率
表第IVA族の元素 (例えば、シリコン、ゲルマニウム、
スズ) であり、Yは、窒素、リン、酸素またはイオウを
含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよ
い。
【0180】このような式[III-a]で表わされる化合
物としては、具体的には、(ジメチル(t-ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラ
ン)チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイ
ル)チタンジクロリド、(ジベンジル(t-ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラ
ン)チタンジクロリド、(ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)
ジベンジルチタン、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジメ
チルチタン、((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5
- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジベン
ジルチタン、((メチルアミド)(テトラメチル-η5-
シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジネオペ
ンチルチタン、((フェニルホスフィド)(テトラメチ
ル-η5- シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニル
チタン、(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチ
タン、(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペン
タジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、
(ジメチル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-
η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、((テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-
1,2- エタンジイル)ジベンジルチタン、(2-η5-(テ
トラメチル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタ
ノレート(2-))ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラメ
チル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタノレー
ト(2-))ジメチルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-
9H- フルオレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))
ジメチルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H- フル
オレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジ
ルチタンなどが挙げられる。
【0181】本発明では、上記のような式[III]で表
わされるメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用い
ることもできる。上記説明においては、メタロセン化合
物としてチタン化合物について例示したが、チタンを、
ジルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物を例示
することもできる。
【0182】これらの化合物は、単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。長鎖分岐型
のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体の調製に
際し、上述したメタロセン化合物の中でも、上記一般式
[II]で示されるメタロセン化合物が好ましく用いられ
る。
【0183】有機アルミニウムオキシ化合物[b] 本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物
[b]は、従来公知のアルミノオキサンであってもよ
く、また特開平2−78687号公報に例示されている
ようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
であってもよい。
【0184】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方
法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接、水、氷または水
蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0185】なお、このアルミノオキサンは、少量の有
機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のア
ルミノオキサン溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミ
ニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解して
もよい。
【0186】アルミノオキサンの製造の際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;トリシク
ロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニ
ウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアル
コキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0187】これらの中では、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
また、アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機ア
ルミニウム化合物としては、式(i-C49xAly(C
510z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2x
である。)で示されるイソプレニルアルミニウムを用い
ることもできる。
【0188】上記の有機アルミニウム化合物は、2種以
上組合せて用いることもできる。アルミノオキサンの製
造の際に用いられる溶媒としては、たとえばベンゼン、
トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水
素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族
炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガ
ソリン、灯油、軽油などの石油留分、および上記芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン
化物、とりわけ塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒が
挙げられる。
【0189】さらに、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類を用いることもできる。これらの溶
媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。メタロセン化合物[a]と反応してイオン対を形成する
化合物[c] 本発明で用いられるメタロセン化合物[a]と反応して
イオン対を形成する化合物[c]としては、特表平1−
501950号公報、特表平1−502036号公報、
特開平3−179005号公報、特開平3−17900
6号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−
207704号公報、US−5321106号公報など
に記載されたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化
合物、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0190】ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、A
l含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、これ
らのうちB含有ルイス酸が好ましい。ホウ素原子を含有
するルイス酸としては、具体的には、下記一般式で表わ
される化合物を例示することができる。
【0191】BR1 2 3 (式中、R1 2 およびR3 は、それぞれ独立して、フ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を
示す。) 上記一般式で表わされる化合物としては、具体的には、
トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-
フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフ
ェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)
ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ト
リス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、
トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられ
る。これらのうちでは、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロンが特に好ましい。
【0192】本発明で用いられるイオン性化合物は、カ
チオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩であ
る。アニオンは前記メタロセン化合物[a]と反応する
ことによりメタロセン化合物[a]をカチオン化し、イ
オン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定
化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、有
機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有
機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高
で遷移金属カチオン種を安定化させるアニオンが好まし
い。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオ
ン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキ
ソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウ
ムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。
具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ
ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウ
ムカチオン、フェロセニウムカチオンなどを例示するこ
とができる。
【0193】本発明においては、有機ホウ素化合物アニ
オンを有するイオン性化合物が好ましい。具体的には、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ
素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,
p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウム
テトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルア
ンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホ
ウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリ
ル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(4-
フルオロフェニル)ホウ素等のトリアルキル置換アンモ
ニウム塩、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテト
ラ(フェニル)ホウ素等のN,N-ジアルキルアニリニウム
塩、ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素等のジアルキルアンモニウム
塩、トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)ホ
ウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフ
ォニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のトリアリールホ
スフォニウム塩などが挙げられる。
【0194】本発明では、ホウ素原子を含有するイオン
性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレートも挙げることができる。
【0195】また、以下のようなホウ素原子を含有する
イオン性化合物も例示できる。(なお、以下に列挙する
イオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムであるが、これに限定されない。) アニオンの塩、たとえばビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ノナボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]デカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ウンデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム]ドデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)
アンモニウム]デカクロロデカボレート、ビス[トリ
(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバデカボレ
ート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバウンデ
カボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバ
ドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- ト
リメチルシリル-1- カルバデカボレート、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムブロモ-1- カルバドデカボレートな
ど、さらには下記のようなボラン化合物、カルボラン化
合物などを挙げることができる。これらの化合物は、ル
イス酸、イオン性化合物として用いられる。
【0196】ボラン化合物、カルボラン錯化合物、およ
びカルボランアニオンの塩としては、たとえばデカボラ
ン(14)、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,
7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドラ
イド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボラン、ド
デカハイドライド-11-メチル-2,7- ジカルバウンデカボ
ラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレ
ート(14)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバ
デカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
7-カルバウンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)
アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボ
レート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカ
ハイドライド-8- メチル7,9-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド8-エチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル
-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)ア
ンモニウムウンデカハイドライド-8- アリル-7,9- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-9- トリメチルシリル-7,8- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-4,6- ジブロモ-7- カルバウンデ
カボレートなどが挙げられる。
【0197】カルボラン化合物、およびカルボランの塩
としては、たとえば4-カルバノナボラン(14)、1,3-
ジカルバノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン
(14)、ドデカハイドライド-1- フェニル-1,3- ジカ
ルバノナボラン、ドデカハイドライド-1- メチル-1,3-
ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド-1,3- ジメ
チル-1,3- ジカルバノナボランなどが挙げられる。
【0198】さらに、以下のような化合物も例示でき
る。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対
向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、
これに限定されない。) 金属カルボランの塩および金属ボランアニオン、たとえ
ばトリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライ
ド-1,3- ジカルバノナボレート)コバルテート(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレー
ト(鉄酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボ
レート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)アン
モニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウ
ンデカボレート)ニッケレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジ
カルバウンデカボレート)キュブレート(銅酸塩)(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)アウレー
ト(金属塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバ
ウンデカボレート)フェレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチ
ル-7,8- ジカルバウンデカボレート)クロメート(クロ
ム酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(トリブロモオクタハイドライド-7,8- ジカルバウンデ
カボレート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)
アンモニウムビス(ドデカハイドライドジカルバドデカ
ボレート)コバルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ドデカハイドライドドデカボ
レート)ニッケレート(III)、トリス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カ
ルバウンデカボレート)クロメート(III)、ビス[ト
リ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドラ
イド-7- カルバウンデカボレート)マンガネート(I
V)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウ
ンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)コバ
ルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウ
ム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボ
レート)ニッケレート(IV)などが挙げられる。
【0199】上記のような化合物[c]は、2種以上組
合わせて用いることもできる。有機アルミニウム化合物[d] 本発明で用いられる有機アルミニウム化合物[d]は、
たとえば下記一般式(a) で示すことができる。
【0200】 R5 nAlX3-n ・・・(a) (式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記式(a) において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化
水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0201】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニム、イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロ
リド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルア
ルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアル
キルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
のアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられ
る。
【0202】また、有機アルミニウム化合物[d]とし
て、下記の式(b) で表わされる化合物を用いることもで
きる。 R5 nAlY3-n ・・・(b) (式中、R5は、上記式(a) におけるR5と同様であり、
Yは、−OR6 基、−OSiR7 3基、−OAlR8 2基、
−NR9 2基、−SiR10 3基または−N(R11)AlR12
2 基であり、nは1〜2であり、R6 、R7 、R8 およ
びR12は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソ
ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、
9 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、R10
およびR11は、メチル基、エチル基などである。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。
【0203】(i) R5 nAl(OR63-n で表わされる
化合物、たとえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニ
ウムメトキシドなど。
【0204】(ii)R5 n Al(OSiR7 33-n で表わさ
れる化合物、たとえば(C252 Al(OSi(C
33 )、(iso-C492 Al(OSi(C
33)、(iso-C492 Al(OSi(C253
など。
【0205】(iii) R5 nAl(OAlR8 23-n で表わ
される化合物、たとえば(C252Al(OAl(C2
52)、(iso-C492Al(OAl(iso-C
492)など。
【0206】(iv)R5 nAl(NR9 23-n で表わされる
化合物、たとえば(CH32Al(N(C252)、
(C252Al(NH(CH3))、(CH32Al
(NH(C25))、(C252Al[N(Si(CH
332]、(iso-C492Al[N(Si(C
332]など。
【0207】(v) R5 nAl(SiR10 33-n で表わされ
る化合物、たとえば(iso-C492Al(Si(C
33)など。 本発明では、これらのうちでもR5 3Al、R5 nAl(O
63-n 、R5(OAlR8 23-n で表わされる有機ア
ルミニウム化合物を好適な例として挙げることができ、
5 がイソアルキル基であり、n=2である化合物が特
に好ましい。これらの有機アルミニウム化合物は、2種
以上組合わせて用いることもできる。
【0208】本発明で用いられる特定のメタロセン系触
媒は、上記のようなメタロセン化合物[a]を含んでお
り、たとえば上記したようにメタロセン化合物[a]
と、有機アルミニウムオキシ化合物[b]とから形成す
ることができる。また、メタロセン化合物[a]と、メ
タロセン化合物[a]と反応してイオン対を形成する化
合物[c]とから形成されてもよく、さらにメタロセン
化合物[a]とともに、有機アルミニウムオキシ化合物
[b]とメタロセン化合物[a]とが反応してイオン対
を形成する化合物[c]とを併用することもできる。ま
た、これらの態様において、さらに有機アルミニウム化
合物[d]を併用することが特に好ましい。
【0209】本発明では、上記メタロセン化合物[a]
は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算し
て、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好まし
くは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられ
る。
【0210】また有機アルミニウムオキシ化合物[b]
は、遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子
が、通常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜
5,000モルとなるような量で用いることができる。
【0211】メタロセン化合物[a]と反応してイオン
対を形成する化合物[c]は、遷移金属原子1モルに対
して、ボロン原子が、通常、約0.5〜20モル、好ま
しくは1〜10モルとなるような量で用いられる。
【0212】さらに有機アルミニウム化合物[d]は、
有機アルミニウムオキシ化合物[b]中のアルミニウム
原子またはイオン対を形成する化合物[c]中のボロン
原子1モルに対して、通常、約0〜1,000モル、好
ましくは約0〜500モルとなるような量で必要に応じ
て用いられる。
【0213】上記のようなメタロセン系触媒を用いて、
エチレンと、炭素原子数6〜20のα- オレフィンとを
共重合させると、優れた重合活性で直鎖状または長鎖分
岐型のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体を得
ることができる。
【0214】なお、バナジウム系触媒などの第VB族遷
移金属化合物系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数
6〜20のα- オレフィンとを共重合させても十分な重
合活性で直鎖状または長鎖分岐型のエチレン・α- オレ
フィンランダム共重合体を得ることができない。
【0215】本発明では、エチレンと、炭素原子数6〜
20のα- オレフィンとを共重合させる際に、メタロセ
ン系触媒を構成する上記メタロセン化合物[a]、有機
アルミニウムオキシ化合物[b]、イオン対を形成する
化合物[c]、さらには有機アルミニウム化合物[d]
をそれぞれ別々に重合反応器に供給してもよいし、また
予めメタロセン化合物[a]を含有するメタロセン系触
媒を調製してから共重合反応に供してもよい。
【0216】またメタロセン系触媒を調製する際には、
触媒成分と反応不活性な炭化水素溶媒を用いることがで
き、不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等
の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を用いることが
できる。これらの炭化水素溶媒は、単独で、あるいは組
合わせて用いることができる。
【0217】上記メタロセン化合物[a]、有機アルミ
ニウムオキシ化合物[b]、イオン対を形成する化合物
[c]および有機アルミニウム化合物[d]は、通常−
100〜200℃、好ましくは−70〜100℃で混合
接触させることができる。
【0218】本発明では、エチレンと、炭素原子数6〜
20のα- オレフィンとの共重合は、通常40〜200
℃、好ましくは50〜150℃、特に好ましくは60〜
120℃で、大気圧〜100kg/cm2 、好ましくは大気
圧〜50kg/cm2 、特に好ましくは大気圧〜30kg/cm
2 の条件下で行なうことができる。
【0219】この共重合反応は、種々の重合方法で実施
することができるが、溶液重合により行なうことが好ま
しい。この際重合溶媒としては、上記のような炭化水素
溶媒を用いることができる。
【0220】共重合は、バッチ式、半連続式、連続式の
いずれの方法においても行なうことができるが、連続式
で行なうことが好ましい。さらに重合を反応条件を変え
て2段以上に分けて行なうこともできる。
【0221】また、本発明で好ましく用いられる直鎖状
および長鎖分岐型のエチレン・α-オレフィンランダム
共重合体は、上述したような方法により得られるが、こ
れらの共重合体の分子量は、重合温度などの重合条件を
変更することにより調節することができ、また水素(分
子量調節剤)の使用量を制御することにより調節するこ
ともできる。
【0222】グラフト変性エチレン・α- オレフィンラ
ンダム共重合体 上述したように、本発明で用いられるグラフト変性エチ
レン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、上記
のような未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重
合体が特定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体でグ
ラフト変性されてなる。
【0223】上記グラフト変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体(B)における不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体のグラフト量は、未変性エチレン・α-
オレフィンランダム共重合体100重量%に対して、
0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%で
ある。
【0224】このグラフト量が上記範囲にあるグラフト
変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B)
は、ポリアミド樹脂組成物中において分散性に優れると
ともに、熱安定性に優れ、溶融時に樹脂が着色すること
もない。しかも、このようなグラフト変性エチレン・α
- オレフィンランダム共重合体(B)を用いると、機械
的強度に優れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂組成
物を得ることができる。
【0225】ここで使用される不飽和カルボン酸の例と
しては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラ
ヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン
酸、イソクロトン酸およびナジック酸TM(エンドシス-
ビシクロ[2,2,1] ヘプト-5-エン-2,3- ジカルボン酸)
などが挙げられる。
【0226】また、不飽和カルボン酸の誘導体として
は、たとえば上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合
物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物およびエス
テル化合物などを挙げることができる。具体的には、塩
化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラ
コン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、
グリシジルマレエートなどが挙げられる。これらの中で
は、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であ
り、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無
水物が好適である。
【0227】なお、上記未変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体にグラフトされる不飽和カルボン酸
またはその誘導体のグラフト位置に特に限定はなく、こ
のグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重
合体(B)を構成するエチレン・α- オレフィンランダ
ム共重合体の任意の炭素原子に、不飽和カルボン酸また
はその誘導体が結合していればよい。
【0228】上記のようなグラフト変性エチレン・α-
オレフィンランダム共重合体(B)は、従来公知の種々
の方法、たとえば次のような方法を用いて調製すること
ができる。 (1)上記未変性エチレン・α- オレフィンランダム共
重合体を溶融させて不飽和カルボン酸等を添加してグラ
フト共重合させる方法。 (2)上記未変性エチレン・α- オレフィンランダム共
重合体を溶媒に溶解させて不飽和カルボン酸等を添加し
てグラフト共重合させる方法。
【0229】いずれの方法も、上記不飽和カルボン酸等
のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるた
めには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行な
うのが好ましい。
【0230】上記ラジカル開始剤としては、有機ペルオ
キシド、アゾ化合物などが使用される。このようなラジ
カル開始剤としては、具体的には、ベンゾイルペルオキ
シド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル
-2,5- ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3、1,
4-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルペルアセテ
ート、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert- ブチルペルオキシ
ド)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチル
ペルオキシド)ヘキサン、tert- ブチルペルベンゾエー
ト、tert- ブチルペルフェニルアセテート、tert- ブチ
ルペルイソブチレート、tert- ブチルペル-sec- オクト
エート、tert- ブチルペルピバレート、クミルペルピバ
レート、tert- ブチルペルジエチルアセテート等の有機
ペルオキシド;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル
アゾイソブチレート等のアゾ化合物などが挙げられる。
これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチ
ルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチル
ペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert
- ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(tert- ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキル
ペルオキシドが好ましく用いられる。
【0231】これらのラジカル開始剤は、未変性エチレ
ン・α- オレフィンランダム共重合体100量部に対し
て、通常は0.001〜1重量部、好ましくは0.00
3〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜0.3
重量部の量で用いられる。
【0232】上記のようなラジカル開始剤を使用したグ
ラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行な
うグラフト反応における反応温度は、通常60〜350
℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定され
る。
【0233】本発明においては、上記グラフト変性エチ
レン・α- オレフィンランダム共重合体(B)は、上記
ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、5〜20
0重量部、好ましくは10〜100重量部、さらに好ま
しくは10〜60重量部の割合で用いられる。
【0234】上記グラフト変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体(B)を上記のような割合で用いる
と、柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸水性および耐塩水性に
優れた成形体を提供することができ、しかも成形性に優
れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0235】その他の添加剤 本発明に係るポリアミド樹脂組成物には、上記のポリア
ミド樹脂(A)およびグラフト変性エチレン・α- オレ
フィンランダム共重合体(B)の他に、必要に応じて、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光保護剤、亜燐酸塩系熱安
定剤、過酸化物分解剤、塩基性補助安定剤、増核剤、可
塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、充填
剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配
合することができる。また、本発明に係るポリアミド樹
脂組成物には、他の重合体を、本発明の目的を損なわな
い範囲で配合することもできる。
【0236】上記充填剤の例としては、カーボンブラッ
ク、アスベスト、タルク、シリカ、シリカアルミナなど
が挙げられる。ポリアミド樹脂組成物の調製 本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、上記のポリアミ
ド樹脂(A)と、グラフト変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体(B)と、必要に応じて配合される
添加剤とを、種々の従来公知の方法で溶融混合すること
により調製される。
【0237】すなわち、本発明に係るポリアミド樹脂組
成物は、上記各成分を同時に、または逐次的に、たとえ
ばヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーミ
キサー、リボンブレンダー等に装入して混合した後、単
軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー
等で溶融混練することによって得られる。
【0238】これらの混練装置の内でも、多軸押出機、
ニーダー、バンンバリーミキサー等の混練性能に優れた
装置を使用すると、各成分がより均一に分散された高品
質のポリアミド樹脂組成物が得られる。
【0239】また、これらの任意の段階で必要に応じて
前記添加剤、たとえば酸化防止剤などを添加することも
できる。上記のようにして得られる本発明に係るポリア
ミド樹脂組成物は、従来公知の種々の溶融成形法、たと
えば射出成形、押出成形、圧縮成形などの方法により、
種々の形状に成形することができる。
【0240】
【発明の効果】本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、
ポリアミド樹脂(A)と、エチレンと炭素原子数6〜2
0のα- オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導
体をグラフト変性したグラフト量が0.01〜10重量
%のグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共
重合体(B)とを特定の割合で含有してなり、このグラ
フト変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体
(B)が、α- オレフィン含量および極限粘度が特定の
範囲にあるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体
のグラフト変性物であるので、溶融流動性に優れ、すな
わち成形性に優れ、しかも柔軟性、耐低温衝撃性、耐吸
水性および耐塩水性に優れた成形体を提供することがで
きる。
【0241】
【実施例】次に、本発明を実施例より具体的に説明する
が、本発明は、これら実施例によって限定されるもので
はない。
【0242】
【実施例1】エチレン・1-オクテンランダム共重合体の調製 (触媒溶液の調製)充分に窒素置換したガラス製フラス
コにビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムクロリドを0.5mg入れ、さらにメチルアルミ
ノキサンのトルエン溶液(Al;1.1モル/リット
ル)1.57ml、およびトルエン2.76mlを添加
することにより触媒溶液を得た。
【0243】(重合)充分に窒素置換した内容積2リッ
トルのステンレス製オートクレーブにヘキサン600m
lおよび1-オクテン300mlを挿入し、系内の温度を
60℃に昇温した。引き続き、トリイソブチルアルミニ
ウム1ミリモルおよび上記の調製した触媒溶液0.5m
l(Zrとして0.001ミリモル)をエチレンで圧入
することにより重合を開始した。その後、エチレンのみ
を連続的に供給することにより全圧を3.0Kg/cm
2-Gに保ち、70℃で60分間重合を行なった。少量の
エタノールを系内にパージして重合を停止させた後、未
反応のエチレンをパージした。得られたポリマーを大過
剰のメタノール中に投入することによりポリマーを析出
させた。このポリマーを濾過により分離し、減圧下で一
晩乾燥し、直鎖状エチレン・1-オクテンランダム共重合
体を得た。
【0244】このようにして得られた共重合体は、1-オ
クテン含量が17モル%であり、135℃デカリン中で
測定した極限粘度[η]が2.2dl/gであり、ガラ
ス転移温度(Tg)が−60℃であり、X線回折法によ
り測定した結晶化度が2%であり、GPCより求めた分
子量分布(Mw/Mn)が2.5であり、B値が1.1
であり、gη*値が1.0であった。無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-オクテンラン
ダム共重合体の調製 上記の直鎖状エチレン・1-オクテンランダム共重合体1
0kgと、無水マレイン酸50gおよびジ-tert-ブチル
ペルオキシド3gを30gのアセトンに溶解させた溶液
とをヘンシェルミキサー中でブレンドした。
【0245】次いで、上記のようにして得られたブレン
ド物をスクリュー径40mm、L/D=26の1軸押出
機のホッパーより投入し、樹脂温度280℃、押出量6
kg/時間でストランド状に押し出して水冷した後、ペ
レタイズして無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-
オクテンランダム共重合体を得た。
【0246】得られたグラフト変性エチレン・1-オクテ
ンランダム共重合体から未反応の無水マレイン酸をアセ
トンで抽出後、このグラフト変性エチレン・1-オクテン
ランダム共重合体中における無水マレイン酸グラフト量
を測定したところ、このグラフト量は0.90重量%で
あった。ポリアミド樹脂組成物の調製 6ナイロン[東レ(株)製、アミランCM1017、M
FR(235℃、2.16kg荷重):33g/10
分]100重量部と、上記ペレット状の無水マレイン酸
グラフト変性変性エチレン・1-オクテンランダム共重合
体25重量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合し
てドライブレンド物を調製した。
【0247】次いで、このドライブレンド物を245℃
に設定した2軸押出機(L/D=40、30mmφ)に供
給し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを調製した。得
られたポリアミド樹脂組成物のペレットを80℃で1昼
夜乾燥した後、下記条件で射出成形を行ない、物性試験
用試験片を作製した。
【0248】(射出成形条件) シリンダー温度 : 245℃ 射出圧力 : 400kg/cm2 金型温度 : 80℃ 続いて、下記の方法により、ポリアミド樹脂組成物の物
性評価を行なった。 (1) 曲げ試験 厚み1/8”の試験片を用い、ASTM D 790に従
って、曲げ弾性率(FM;kg/cm2)を測定した。なお、
試験片の状態調製は、乾燥状態で23℃の温度で2日行
なった。 (2) アイゾット衝撃試験 厚み1/8”の試験片を用い、ASTM D 256に従
って、−40℃でノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定
した。なお、試験片の状態調製は、乾燥状態で23℃の
温度で2日行なった。
【0249】結果を第1表に示す。
【0250】
【実施例2】実施例1において、実施例1の無水マレイ
ン酸グラフト変性エチレン・1-オクテンランダム共重合
体の配合量を100重量部とした以外は、実施例1と同
様にして、ポリアミド樹脂組成物を調製し、曲げ弾性率
およびノッチ付き衝撃強度を測定した。
【0251】結果を第1表に示す。
【0252】
【実施例3】実施例1において、ビス(1,3-ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムクロリドの代わりに
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4- フェニル
インデニル)}ジルコニウムジクロリドを用いた以外は、
実施例1と同様にして、触媒溶液の調製した。以下、こ
の触媒溶液を用いて実施例1と同様にして、長鎖分岐型
のエチレン・1-オクテンランダム共重合体を得た。
【0253】このようにして得られた共重合体は、1‐
オクテン含量が17モル%であり、135℃デカリン中
で測定した極限粘度[η]が1.9dl/gであり、ガ
ラス転移温度が−60℃であり、X線回折法により測定
した結晶化度が2%であり、GPCより求めた分子量分
布(Mw/Mn)が2.5であり、B値が1.0であ
り、gη*値が0.86であった。
【0254】この長鎖分岐型のエチレン・1-オクテンラ
ンダム共重合体に実施例1と同様にして無水マレイン酸
をグラフトして、グラフト変性エチレン・1-オクテンラ
ンダム共重合体を得た。
【0255】以下、このグラフト変性エチレン・1-オク
テンランダム共重合体を用いて実施例1と同様にしてポ
リアミド樹脂組成物ペレットを調製し、曲げ弾性率およ
びノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
【0256】結果を第1表に示す。
【0257】
【比較例1】エチレン・1‐ブテンランダム共重合体の調製 重合器中で、オキシ三塩化バナジウムとエチルアルミニ
ウムセスキクロリドを重合触媒とし、重合溶媒ヘキサン
中にエチレンと1‐ブテンの混合ガスおよび水素ガスを
供給し、40℃、5kg/cm2、滞留時間1時間の条
件下で連続的にエレンと1‐ブテンとを重合した。次い
で、得られた反応溶液から、溶媒を分離し、目的とする
エチレン・1‐ブテンランダム共重合体を得た。
【0258】このようにして得られた共重合体は、1‐
ブテン含量が19モル%であり、135℃デカリン中で
測定した極限粘度[η]が2.2dl/gであり、ガラ
ス転移温度が−65℃であり、X線回折法により測定し
た結晶化度が2%であり、B値が1.1であった。無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダ
ム共重合体の調製 上記のエチレン・1-ブテンランダム共重合体10kg
と、無水マレイン酸50gおよびジ-tert-ブチルペルオ
キシド3gを50gのアセトンに溶解させた溶液とをヘ
ンシェルミキサー中でブレンドした。
【0259】次いで、上記のようにして得られたブレン
ド物をスクリュー径40mm、L/D=26の1軸押出
機のホッパーより投入し、樹脂温度260℃、押出量6
kg/時間でストランド状に押し出して水冷した後、ペ
レタイズして無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1-
ブテンランダム共重合体を得た。
【0260】得られたグラフト変性エチレン・1-ブテン
ランダム共重合体から未反応の無水マレイン酸をアセト
ンで抽出後、このグラフト変性エチレン・1-ブテンラン
ダム共重合体中における無水マレイン酸グラフト量を測
定したところ、このグラフト量は0.43重量%であっ
た。ポリアミド樹脂組成物の調製 6ナイロン[東レ(株)製、アミランCM1017、M
FR(235℃、2.16kg荷重):33g/10
分]100重量部と、上記ペレット状の無水マレイン酸
グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体25
重量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合してドラ
イブレンド物を調製した。
【0261】次いで、このドライブレンド物を245℃
に設定した2軸押出機(L/D=40、30mmφ)に供
給し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを調製した。得
られたポリアミド樹脂組成物のペレットを80℃で1昼
夜乾燥した後、下記条件で射出成形を行ない、物性試験
用試験片を作製した。また、スパイラルフローは、3.
8mmφ、半円のスパイラル状の溝を持った金型を用
い、下記条件で射出し、その流動距離を測定した。
【0262】(射出成形条件) シリンダー温度 : 245℃ 射出圧力 : 1000kg/cm2 金型温度 : 80℃ 以下、この試験片を用いて実施例1と同様にして、曲げ
弾性率およびノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定し
た。
【0263】結果を第1表に示す。
【0264】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]ポリアミド樹脂(A)100重量部
    と、 [II]エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィン
    とからなるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体
    に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグ
    ラフト量が0.01〜10重量%のグラフト変性エチレ
    ン・α-オレフィンランダム共重合体(B)5〜200
    重量部とからなり、 グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
    体(B)は、(a) 炭素原子数6〜20のα- オレフィン
    含量が6〜25モル%であり、(b) 135℃デカリン中
    で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gで
    あるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体のグラ
    フト変性物であることを特徴とするポリアミド樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】前記グラフト変性前のエチレン・α- オレ
    フィンランダム共重合体が、メタロセン系触媒の存在下
    に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンと
    をランダム共重合させたエチレン・α- オレフィンラン
    ダム共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の
    ポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記グラフト変性前のエチレン・α- オレ
    フィンランダム共重合体が、(a) 炭素原子数6〜20の
    α- オレフィン含量が6〜25モル%であり、(b) 13
    5℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜
    5.0dl/gであり、(c) ガラス転移温度(Tg)が
    −50℃以下であり、(d) X線回折法により測定した結
    晶化度が30%未満であり、(e) GPCより求めた分子
    量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、(f) 13C−
    NMRスペクトルおよび下記の式から算出して求めたB
    値が、1.0〜1.4であり、(g) 上記(b) で測定され
    る極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散
    乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エ
    チレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blank
    の比[gη*(=[η]/[η]blank)]0.95を超
    える値である直鎖状エチレン・α- オレフィンランダム
    共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリ
    アミド樹脂組成物; B=POE/(2PO・PE) [式中、PE およびPO は、それぞれ未変性エチレン・
    α- オレフィンラン共重合体中に含有される、エチレン
    成分のモル分率およびα- オレフィン成分のモル分率で
    あり、 POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレ
    ン・α- オレフィン交互連鎖数の割合である。]
  4. 【請求項4】前記直鎖状エチレン・α- オレフィンラン
    ダム共重合体が、下記式[C-a]または[B-a]で示され
    るメタロセン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下
    に、エチレンと炭素原子数6〜20のα- オレフィンと
    をランダム共重合させたエチレン・α- オレフィンラン
    ダム共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の
    ポリアミド樹脂組成物; 【化1】 [式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
    で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
    基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
    有基またはリン含有基であり、 R13およびR14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアル
    キル基であり、 X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
    数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
    ン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であ
    り、 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
    子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
    イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
    O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−
    P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −また
    は−AlR7 −である。(ただし、R7は水素原子、ハ
    ロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原
    子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)]、 【化2】 [式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原
    子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリ
    ール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR
    3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原子、炭素原子数
    1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリ
    ール基)であり、 R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣
    接するR22〜R28がそれらの結合する炭素原子ととも
    に、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく、 X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素原子数1〜
    10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ
    基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜
    10のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケ
    ニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭
    素原子数7〜40のアルキルアリール基、炭素原子数8
    〜40のアリールアルケニル基であり、Zは、 【化3】 =BR29、=AIR29、−Ge−、−Sn−、−O−、
    −S−、=SO、=SO 2、=NR29、=CO、=PR
    29 または=P(O)R29である。(ただし、R29およ
    びR30は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、
    炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、炭素原子数
    6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロ
    アリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素
    原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40の
    アリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールア
    ルケニル基または炭素原子数7〜40のアルキルアリー
    ル基であるか、またはR29とR 30とは、それぞれそれら
    の結合する原子とともに環を形成してもよく、M2 は、
    珪素、ゲルマニウムまたはスズの原子である。)]。
  5. 【請求項5】前記グラフト変性前のエチレン・α- オレ
    フィンランダム共重合体が、(a) 炭素原子数6〜20の
    α- オレフィン含量が6〜25モル%であり、(b) 13
    5℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜
    5.0dl/gであり、(c) ガラス転移温度(Tg)が
    −50℃以下であり、(d) X線回折法により測定した結
    晶化度が30%未満であり、(e) GPCより求めた分子
    量分布(Mw/Mn)が3.0以下であり、(f) 13C−
    NMRスペクトルおよび下記の式から算出して求めたB
    値が、1.0〜1.4であり、(g) 上記(b) で測定され
    る極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散
    乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エ
    チレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blank
    の比[gη*(=[η]/[η]blank)]0.2〜0.
    95である長鎖分岐型エチレン・α- オレフィンランダ
    ム共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポ
    リアミド樹脂組成物; B=POE/(2PO・PE) [式中、PE およびPO は、それぞれ未変性エチレン・
    α- オレフィンランダム共重合体中に含有される、エチ
    レン成分のモル分率およびα- オレフィン成分のモル分
    率であり、 POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレ
    ン・α- オレフィン交互連鎖数の割合である。]
  6. 【請求項6】前記長鎖分岐型エチレン・α- オレフィン
    ランダム共重合体は、下記式[II]で示されるメタロセ
    ン化合物を含むメタロセン系触媒の存在下に、エチレン
    と炭素原子数6〜20のα- オレフィンとをランダム共
    重合させたエチレン・α- オレフィンランダム共重合体
    であることを特徴とする請求項5に記載のポリアミド樹
    脂組成物; 【化4】 [式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、 R2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異な
    っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原
    子数1〜6の炭化水素基であり、 R3 は、炭素原子数6〜16のアリール基であり、この
    アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
    化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。X1
    およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
    〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化
    炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
    子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
    イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
    O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−
    P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −また
    は−AlR7 −である。(ただし、R7は、水素原子、
    ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素
    原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。]。
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