JPH0912790A - オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物

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JPH0912790A
JPH0912790A JP7164362A JP16436295A JPH0912790A JP H0912790 A JPH0912790 A JP H0912790A JP 7164362 A JP7164362 A JP 7164362A JP 16436295 A JP16436295 A JP 16436295A JP H0912790 A JPH0912790 A JP H0912790A
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田 圭 司 岡
Tetsuo Tojo
條 哲 夫 東
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林 恭 子 小
Toshiyuki Tsutsui
井 俊 之 筒
Toshihiro Aine
根 敏 裕 相
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物は、非架橋型または架橋型であって、[I]結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)と、[II]メタロセン系触
媒を用いて調製された、エチレン、炭素原子数3〜20
のα- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(B)とを特定の割合で含んでいる。 【効果】 上記組成物は、非架橋型の場合であっても、
従来公知の非架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーと比較して、引張強度、破断伸度、ゴム的性質(永久
伸び、圧縮永久歪など)および耐熱性、低温特性に優れ
た成形体を提供することができる。また上記組成物は、
特に部分的に、あるいは完全に架橋されている場合に
は、従来の加硫ゴムよりも低温特性、引張強度、破断伸
度およびゴム的性質に優れた成形体を提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物に関し、さらに詳しくは、引張強度、
破断伸度およびゴム弾性に優れた成形体を提供し得るオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、省エネルギー、省資源タイプのエラストマーとし
て、特に加硫ゴムの代替として自動車部品、工業機械部
品、電子・電気機器部品、建材等に広く使用されてい
る。
【0003】オレフィン系熱可塑性エラストマーは、架
橋型と非架橋型に分けることができる。非架橋型熱可塑
性エラストマーは、架橋反応を伴わないため品質のバラ
ツキが少なくまた製造コストも安価である反面、性能面
から両者を比較すると、引張強度や破断伸度、あるいは
ゴム的性質(たとえば永久伸び、圧縮永久歪)や耐熱性
の点では、非架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーに比べて架橋型のオレフィン系熱可塑性エラストマー
の方が優れている。このことは、A.Y.Coran らの文献
(Rubber Chemistry and Technology、53巻 (1980年)、
141ページ)に詳細に記されているように、広く知られ
ている。
【0004】非架橋型あるいは部分架橋型のオレフィン
系熱可塑性エラストマーについては、たとえば、特公昭
53−21021号公報、特公昭55−18448号公
報、特公昭56−15741号公報、特公昭56−15
742号公報、特公昭58−46138号公報、特公昭
58−56575号公報、特公昭59−30376号公
報、特公昭62−938号公報、特公昭62−5913
9号公報などに記載されている。
【0005】このように、オレフィン系熱可塑性エラス
トマーには、非架橋型熱可塑性エラストマーと架橋型熱
可塑性エラストマーとがあるが、非架橋型熱可塑性エラ
ストマーの場合には、従来公知の非架橋型熱可塑性エラ
ストマーと比較して、引張強度、破断伸度、ゴム的性質
(永久伸び、圧縮永久歪など)、耐熱性、低温特性など
に優れた成形体を提供することができるオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物の出現が望まれており、また
架橋型熱可塑性エラストマーの場合には、従来公知の加
硫ゴムよりも低温特性、引張強度、破断伸度およびゴム
的性質に優れた成形体を提供することができるオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物の出現が望まれてい
る。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、非架橋型の場合であっ
ても、引張強度、破断伸度、ゴム的性質および耐熱性、
低温特性に優れ、しかも、架橋型の場合には、従来の加
硫ゴムよりも低温特性、引張強度、破断伸度およびゴム
的性質に優れた成形体を提供することができるオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物を提供することにあ
る。
【0007】また、本発明の他の目的は、上記のような
特性に優れた成形体を供給することができる部分的に、
または完全に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラスト
マー組成物を提供することにある。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)1
0重量部以上60重量部未満の量と、エチレン、炭素原
子数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンか
らなるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重
合体ゴム(B)90〜40重量部[(A)および(B)
の合計量は100重量部である]とから構成される熱可
塑性エラストマー組成物であって、該エチレン・α- オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、メタ
ロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜
20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとをランダム
共重合させることにより得られ、 (1) (a)エチレンから導かれる単位と(b)炭素原子数3〜
20のα- オレフィンから導かれる単位とを、40/6
0〜95/5[(a)/(b)]のモル比で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
が、0.1〜10dl/gであることを特徴としてい
る。
【0009】上記オレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物としては、下記の組成物(1)と(2)が好まし
い。オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(1)
は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10重量部以上6
0重量部未満の量と、エチレン、炭素原子数3〜20の
α- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるエチレン
・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)
90〜40重量部[(A)および(B)の合計量は10
0重量部である]とから構成される熱可塑性エラストマ
ー組成物であって、該エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエン共重合体ゴム(B)は、メタロセン系触媒の
存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンと、非共役ポリエンとをランダム共重合させるこ
とにより得られ、 (1) (a)エチレンから導かれる単位と(b)炭素原子数3〜
20のα- オレフィンから導かれる単位とを、40/6
0〜95/5[(a)/(b)]のモル比で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
が、0.1〜10dl/gであり、 (4) 上記(3) で測定される極限粘度[η]と、これと同
一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含
量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の
極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/
[η]blank)]が0.95を超える値であることを特
徴としている。
【0010】この熱可塑性エラストマー組成物(1)を
構成するエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴム(B)は、前記特性(1) 〜(4) に加えて、さ
らに、 (5) 13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するT
αβの強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であ
り、 (6) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求めら
れるB値が、1.00〜1.50であり; B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ]) (式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エ
チレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフ
ィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[POE
は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)
連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合
である)、 (7) DSCで求められるガラス転移温度(Tg)が−5
0℃以下であることが好ましい。
【0011】また、オレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物(2)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10
重量部以上60重量部未満の量と、エチレン、炭素原子
数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンから
なるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合
体ゴム(B)90〜40重量部[(A)および(B)の
合計量は100重量部である]とから構成される熱可塑
性エラストマー組成物であって、該エチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、メタロ
セン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜2
0のα- オレフィンと、炭素・炭素二重結合のうち当該
触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1
個のみ存在する非共役ポリエンとをランダム共重合させ
ることにより得られ、 (1) (a) エチレンから導かれる単位と(b) 炭素原子数3
〜20のα- オレフィンから導かれる単位とを、40/
60〜95/5[(a)/(b)]のモル比で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
が、1.0〜10dl/gであり、かつ、 (4) 上記(3) で測定される極限粘度[η]と、これと同
一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含
量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の
極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/
[η]blank)]が0.2〜0.95であることを特徴
としている。
【0012】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物は、上記の結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)およびエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(B)の合計量100重量部に対して、
2〜100重量部の軟化剤(C)および/または2〜5
0重量部の無機充填剤(D)を含んでいてもよい。
【0013】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物は、非架橋の場合であっても、低温特性、
引張強度、破断伸度、ゴム的性質および耐熱性に優れた
成形体を提供することができる。また、本発明に係るオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、特に部分的
にまたは完全に架橋されている場合には、従来の加硫ゴ
ムよりも低温特性、引張強度、破断伸度およびゴム的性
質に優れた成形体を提供することができる。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物について具体的に説明す
る。
【0015】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物は、非架橋の熱可塑性エラストマー組成
物、または部分的にもしくは完全に架橋された熱可塑性
エラストマー組成物であり、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)と、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
共重合体ゴム(B)とから構成されている。
【0016】結晶性ポリオレフィン樹脂(A) 本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
は、高圧法または低圧法の何れかによる1種または2種
以上のモノオレフィンを重合して得られる結晶性の高分
子量固体生成物からなる。このような樹脂としては、た
とえばアイソタクチックおよびシンジオタクチックのモ
ノオレフィン重合体樹脂が挙げられる。これらの代表的
な樹脂は商業的に入手できる。
【0017】上記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の適
当な原料オレフィンとしては、具体的には、エチレン、
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オ
クテン、1-デセン、2-メチル-1- プロペン、3-メチル-1
- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、5-メチル-1- ヘキ
センなどが挙げられる。これらのオレフィンは、単独
で、または2種以上混合して用いられる。
【0018】重合様式はランダム型でもブロック型で
も、樹脂状物が得られればどのような重合様式を採用し
ても差支えない。これらの結晶性ポリオレフィン樹脂
は、単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用
いてもよい。
【0019】本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン
樹脂(A)は、MFR(ASTMD 1238−65
T、230℃)が通常0.01〜100g/10分、特
に0.05〜50g/10分の範囲にあることが好まし
い。
【0020】上記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、
組成物の流動性および耐熱性を向上させる役割を持って
いる。本発明においては、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(B)の合計量100重量部に対して、10重量部以上
60重量部未満、好ましくは20〜55重量部の割合で
用いられる。
【0021】上記のような割合で結晶性ポリオレフィン
樹脂(A)を用いると、ゴム弾性に優れるとともに、成
形加工に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物が得られる。
【0022】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(B) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(B)は、後述するような特定の
メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数
3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとをラン
ダム共重合させることにより得られる。
【0023】上述した、本発明に係る好ましいオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物(1)を構成するエチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(B)は、直鎖状の分子構造を有しており、また、本発
明に係る好ましいオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物(2)を構成するエチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエン共重合体ゴム(B)は、長鎖分岐型の分子構
造を有している。
【0024】[α- オレフィン]上記炭素原子数3〜2
0のα- オレフィンとしては、たとえばプロピレン、1-
ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オク
テン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセ
ン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、
1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-
ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1- ブテン、3-メ
チル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1
- ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1-
ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘ
キセン、3-エチル-1- ヘキセン、9-メチル-1- デセン、
11- メチル-1- ドデセン、12- エチル-1- テトラデセ
ン、およびこれらの組合わせが挙げられる。
【0025】これらのうち、直鎖状のエチレン・α- オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを構成するα-
オレフィンとしては、炭素原子数4〜10のα- オレフ
ィンが好ましく、特に1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセンなどが好ましく用いられる。
【0026】また、長鎖分岐型のエチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを構成するα- オレ
フィンとしては、炭素原子数3〜10のα- オレフィン
が好ましく、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、
1-オクテンなどが好ましく用いられる。
【0027】[非共役ポリエン]直鎖状のエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを構成する
非共役ポリエンとしては、脂肪族ポリエン、脂環族ポリ
エンなどが挙げられる。
【0028】脂肪族ポリエンとしては、具体的には、1,
4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエ
ン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジ
エン、1,9-デカジエン、1,13- テトラデカジエン、1,5,
9-デカトリエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチ
ル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4
-エチル-1,4- ヘキサジエン、3-メチル-1,5- ヘキサジ
エン、3,3-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、3,4-ジメチル
-1,5- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘプタジエン、5-
エチル-1,4- ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジエ
ン、6-メチル-1,5- ヘプタジエン、5-エチル-1,5- ヘプ
タジエン、3-メチル-1,6- ヘプタジエン、4-メチル-1,6
- ヘプタジエン、4,4-ジメチル-1,6-ヘプタジエン、4-
エチル-1,6- ヘプタジエン、4-メチル-1,4- オクタジエ
ン、5-メチル-1,4- オクタジエン、4-エチル-1,4-オク
タジエン、5-エチル-1,4- オクタジエン、5-メチル-1,5
- オクタジエン、6-メチル-1,5- オクタジエン、5-エチ
ル-1,5- オクタジエン、6-エチル-1,5- オクタジエン、
6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチル-1,6- オクタジ
エン、6-エチル-1,6- オクタジエン、6-プロピル-1,6-
オクタジエン、6-ブチル-1,6- オクタジエン、4-メチル
-1,4- ノナジエン、5-メチル-1,4- ノナジエン、4-エチ
ル-1,4- ノナジエン、5-エチル-1,4- ノナジエン、5-メ
チル-1,5- ノナジエン、6-メチル-1,5- ノナジエン、5-
エチル-1,5- ノナジエン、6-エチル-1,5- ノナジエン、
6-メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6- ノナジエ
ン、6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-1,6- ノナジ
エン、7-メチル-1,7- ノナジエン、8-メチル-1,7- ノナ
ジエン、7-エチル-1,7- ノナジエン、5-メチル-1,4- デ
カジエン、5-エチル-1,4- デカジエン、5-メチル-1,5-
デカジエン、6-メチル-1,5- デカジエン、5-エチル-1,5
- デカジエン、6-エチル-1,5- デカジエン、6-メチル-
1,6- デカジエン、6-エチル-1,6- デカジエン、7-メチ
ル-1,6- デカジエン、7-エチル-1,6- デカジエン、7-メ
チル-1,7- デカジエン、8-メチル-1,7- デカジエン、7-
エチル-1,7- デカジエン、8-エチル-1,7- デカジエン、
8-メチル-1,8- デカジエン、9-メチル-1,8- デカジエ
ン、8-エチル-1,8-デカジエン、6-メチル-1,6- ウンデ
カジエン、9-メチル-1,8- ウンデカジエンなどの脂肪族
ポリエン、ビニルシクロヘキセン、ビニルノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
シクロオクタジエン、2,5-ノルボルナジエン、1,4-ジビ
ニルシクロヘキサン、1,3-ジビニルシクロヘキサン、1,
3-ジビニルシクロペンタン、1,5-ジビニルシクロオクタ
ン、1-アリル-4- ビニルシクロヘキサン、1,4-ジアリル
シクロヘキサン、1-アリル-5- ビニルシクロオクタン、
1,5-ジアリルシクロオクタン、1-アリル-4- イソプロペ
ニルシクロヘキサン、1-イソプロペニル-4- ビニルシク
ロヘキサン、1-イソプロペニル-3- ビニルシクロペンタ
ンなどが挙げられる。
【0029】また、芳香族ポリエンとしては、具体的に
は、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベンゼン
などが挙げられる。本発明では、これらのうちでも炭素
原子数が7以上である非共役ポリエンが好ましく、たと
えば7-メチル-1,6- オクタジエン等のメチルオクタジエ
ン(MOD)、5-エチリデン-2- ノルボルネン等のエチ
リデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン
(DCPD)などが好ましく用いられる。
【0030】これらの非共役ポリエンは、単独で、ある
いは2種以上組合わせて用いることができる。また、長
鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
共重合体ゴムを構成する非共役ポリエンは、炭素・炭素
二重結合のうち、メタロセン系触媒で重合可能な炭素・
炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポ
リエンである。このような非共役ポリエンには、両末端
がビニル基である鎖状ポリエンは含まれない。2個以上
のビニル基のうち、1個が末端ビニル基である場合に
は、他のビニル基は末端ではなく内部オレフィンの構造
をとるものが好ましい。
【0031】このような非共役ポリエンとしては、脂肪
族ポリエン、脂環族ポリエンが挙げられる。このような
脂肪族ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエ
ン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキ
サジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-エチル-1,4
- ヘキサジエン、3-メチル-1,5- ヘキサジエン、3,3-ジ
メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘプタジエ
ン、5-エチル-1,4- ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプ
タジエン、6-メチル-1,5- ヘプタジエン、5-エチル-1,5
- ヘプタジエン、1,6-オクタジエン、4-メチル-1,4- オ
クタジエン、5-メチル-1,4- オクタジエン、4-エチル-
1,4- オクタジエン、5-エチル-1,4- オクタジエン、5-
メチル-1,5- オクタジエン、6-メチル-1,5- オクタジエ
ン、5-エチル-1,5- オクタジエン、6-エチル-1,5- オク
タジエン、6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチル-1,6
- オクタジエン、6-エチル-1,6- オクタジエン、6-プロ
ピル-1,6- オクタジエン、6-ブチル-1,6- オクタジエ
ン、4-メチル-1,4- ノナジエン、5-メチル-1,4- ノナジ
エン、4-エチル-1,4- ノナジエン、5-エチル-1,4- ノナ
ジエン、5-メチル-1,5- ノナジエン、6-メチル-1,5- ノ
ナジエン、5-エチル-1,5- ノナジエン、6-エチル-1,5-
ノナジエン、6-メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6
- ノナジエン、6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-
1,6- ノナジエン、7-メチル-1,7- ノナジエン、8-メチ
ル-1,7- ノナジエン、7-エチル-1,7- ノナジエン、5-メ
チル-1,4- デカジエン、5-エチル-1,4- デカジエン、5-
メチル-1,5- デカジエン、6-メチル-1,5- デカジエン、
5-エチル-1,5- デカジエン、6-エチル-1,5- デカジエ
ン、6-メチル-1,6- デカジエン、6-エチル-1,6- デカジ
エン、7-メチル-1,6- デカジエン、7-エチル-1,6- デカ
ジエン、7-メチル-1,7- デカジエン、8-メチル-1,7- デ
カジエン、7-エチル-1,7- デカジエン、8-エチル-1,7-
デカジエン、8-メチル-1,8- デカジエン、9-メチル-1,8
- デカジエン、8-エチル-1,8-デカジエン、6-メチル-1,
6- ウンデカジエン、9-メチル-1,8- ウンデカジエンな
どが挙げられる。
【0032】また、脂環族ポリエンとしては、1個の不
飽和結合を有する脂環部分と、内部オレフィン結合を有
する鎖状部分とから構成されるポリエンが好適であり、
たとえば5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-イソプロピ
リデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロ
ペニル-2- ノルボルネンなどを挙げることができる。
【0033】また、2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボ
ルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボ
ルネン等のトリエンなどを挙げることができる。これら
の非共役ポリエンのうちでも、5-エチリデン-2- ノルボ
ルネン、1,4-ヘキサジエンなどが特に好ましい。
【0034】これらの非共役ポリエンは、単独で、ある
いは2種以上組合わせて用いることができる。 [直鎖状エチエン・α- オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴム(B)の特性]本発明で好ましく用いられる
直鎖状のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴム(B)は、下記のような特性を有している。 (1) エチレン/α- オレフィン成分比 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(A)は、(a) エチレンから導か
れる単位と、(b) 炭素原子数3〜20のα- オレフィン
(以下、単にα- オレフィンということもある)から導
かれる単位とを、40/60〜95/5、好ましくは4
0/60〜90/10、特に好ましくは50/50〜8
5/15[(a)/(b)〕のモル比で含有している。
【0035】このようなエチレン成分/α- オレフィン
成分比のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴムは、低温柔軟性および耐熱性のいずれにも優
れている。なお、エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴムは、このエチレン/α- オレフィン
成分比が95/5を超えると、樹脂物性を示すようにな
って低温柔軟性が低下し、一方、40/60未満である
と、耐熱性が低下する傾向にある。 (2) ヨウ素価 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)の非共役ポリエン成分量の一指標であるヨウ素
価は、1〜50、好ましくは1〜30である。 (3) 極限粘度[η] エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)の135℃デカリン中で測定される極限粘度
[η]は、0.1〜10dl/g、好ましくは1.5〜
7dl/gである。 (4)gη* 値 上記のような直鎖状のエチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエン共重合体ゴム(B)の極限粘度[η]から求
められるgη* 値は、0.95を超えている。
【0036】このgη* 値は、次式により定義される。 gη* =[η]/[η]blank (ここで、[η]は、上記(3) で測定される極限粘度で
あり、[η]blank は、その極限粘度[η]のエチレン
・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと同一
重量平均分子量(光散乱法による)を有し、かつエチレ
ン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合
体の極限粘度である。) 上記のような特性を有する直鎖状のエチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴムからは、機械強
度、耐候性、耐オゾン性に優れ、しかも耐寒性(低温柔
軟性)および耐熱性のいずれにも優れた熱可塑性エラス
トマー組成物およびその成形体を得ることができる。
【0037】さらに、この直鎖状のエチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、下記の
特性(5) 〜(7) を満たしていることが好ましい。 (5) D値 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)の13C−NMRスペクトルにおける、Tααに
対するTαβの強度(面積)比D(Tαβ/Tαα)
は、0.5以下、特に0.3以下であることが望まし
い。
【0038】なお、このランダム共重合体ゴムの強度比
D値は、ランダム共重合体ゴムを構成するα- オレフィ
ンの種類によって異なる。ここで、13C−NMRスペク
トルにおけるTαβおよびTααは、それぞれα- オレ
フィンから導かれる単位中のCH2 のピーク強度であ
り、下記に示すように第3級炭素に対する位置が異なる
2種類のCH2を意味している。
【0039】
【化1】
【0040】ランダム共重合体ゴムの強度比Dは、下記
のようにして求めることができる。ランダム共重合体ゴ
ムの13C−NMRスペクトルを、たとえば日本電子
(株)製 JEOL−GX270 NMR測定装置を用
いて、試料濃度5重量%のヘキサクロロブタジエン/d
6-ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を、67.8
MHz、25℃にてd6-ベンゼン(128ppm )基準で
測定する。
【0041】13C−NMRスペクトルの解析は、基本的
にリンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43,
p1245(1971))、J.C.Randall(Review Macromolecular
Chemistry Physics,C29, 201(1989))に従って行なっ
た。
【0042】ここで上記の強度比Dについて、エチレン
・1-ブテン・7-メチル-1,6- オクタジエン共重合体ゴム
を例にとってより具体的に説明する。このエチレン・1-
ブテン・7-メチル-1,6- オクタジエン共重合体ゴムの13
C−NMRスペクトルでは、39〜40ppm に現われる
ピークがTααに、また31〜32ppm に現われるピー
クがTαβに帰属される。
【0043】強度比Dは、それぞれのピーク部分の積分
値(面積)比で算出される。このようにして求められた
強度比Dは、一般に1-ブテンの1,2付加反応に続いて
2,1付加反応が起こる割合、または1-ブテンの2,1
付加反応に続いて1,2付加反応が起こる割合を示す尺
度と考えられている。したがって、この強度比D値が大
きいほど、α- オレフィン(1-ブテン)の結合方向が不
規則であること示している。逆にD値が小さいほど、α
- オレフィンの結合方向が規則的であることを示してお
り、規則性が高いと分子鎖は集合しやすく、ランダム共
重合体ゴムは強度などが優れる傾向にあって好ましい。
【0044】なお、本発明では、後述するように特定の
第IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレンとα- オレ
フィンと非共役ポリエンとを共重合させることにより、
上記強度比Dが0.5以下であるランダム共重合体ゴム
を得ているが、たとえばバナジウムなどの第VB族メタ
ロセン系触媒の存在下に、エチレンと1-ブテンと7-メチ
ル-1,6- オクタジエンとを共重合させても、上記強度比
Dが0.5以下であるエチレン・1-ブテン・7-メチル-
1,6- オクタジエン共重合体ゴムを得ることはできな
い。このことは、1-ブテン以外のα- オレフィンについ
ても同様である。 (6) B値 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)は、13C−NMRスペクトルおよび下記の式か
ら求められるB値が1.00〜1.50であることが望
ましい。
【0045】 B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ]) (式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エ
チレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフ
ィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[POE
は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)
連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合
である。) このB値は、共重合体ゴム中におけるエチレンとα- オ
レフィンとの分布状態を表わす指標であり、J.C.Randal
l (Macromolecules, 15, 353(1982))、J.Ray(Macrom
olecules, 10,773 (1977)) らの報告に基づいて求める
ことができる。
【0046】上記のB値が大きいほど、エチレンあるい
はα- オレフィンのブロック的連鎖が短くなり、エチレ
ンおよびα- オレフィンの分布が一様であり、共重合体
ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が
1.00よりも小さくなるほど共重合体ゴムの組成分布
は広くなり、このような共重合体ゴムは、組成分布の狭
い共重合体ゴムと比べて、たとえば架橋した場合には強
度などの物性を充分に発現しないことがある。
【0047】なお本発明では、後述するように特定の第
IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレンとα- オレフ
ィンと非共役ポリエンとを共重合させることにより、上
記B値が1.00〜1.50であるランダム共重合体ゴ
ムを得ているが、たとえばチタン系非メタロセン系触媒
の存在下に、エチレンとα- オレフィンと非共役ポリエ
ンとを共重合させても、上記範囲のB値を有するエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを得
ることはできない。 (7) ガラス転移温度 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)のDSC(示差走査熱量計)で測定されるガラ
ス転移温度(Tg)は、−50℃以下であることが望ま
しい。
【0048】ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下で
あるランダム共重合体ゴムからは、低温柔軟性に優れた
熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。な
お、本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエン共重合体ゴム、たとえばエチレンと1-ブテ
ンとエチリデンノルボルネン(ENB)とのランダム共
重合体ゴムは、このランダム共重合体ゴムとエチレン、
α- オレフィン、非共役ポリエンの組成比が同じである
エチレンとプロピレンとENBとの共重合体ゴム(EP
DM)に比べてガラス転移温度(Tg)が約5〜10℃
低く、低温特性に優れる特徴を有する。
【0049】[長鎖分岐型エチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の特性]一方、本発
明で好ましく用いられる長鎖分岐型のエチレン・α- オ
レフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、下記
のような特性を有している。 (1) エチレン/α- オレフィン成分比 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(B)は、(a) エチレンから導か
れる単位と、(b) 炭素原子数3〜20のα- オレフィン
(以下、単にα- オレフィンと称することもある)から
導かれる単位とを、40/60〜95/5、好ましくは
55/45〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有し
ている。 (2) ヨウ素価 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)のヨウ素価は、1〜50、好ましくは5〜40
である。
【0050】上記のようなヨウ素価を有するエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、加硫
速度が速く、高速加硫が可能である。 (3) 極限粘度[η] エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)の135℃デカリン中で測定される極限粘度
[η]は、1.0〜10dl/g、好ましくは1.2〜
6dl/g、さらに好ましくは1.5〜5dl/gであ
る。 (4) gη* 値 長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(B)のgη* 値は、0.2〜0.9
5、好ましくは0.4〜0.9、さらに好ましくは0.
5〜0.85である。このgη* 値は、上述した方法に
より求められる。
【0051】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴムのgη* 値が0.95以下であると、分
子中に長鎖分岐が形成されていることを示す。 [エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
ゴム(B)の調製方法]上記のような直鎖状または長鎖
分岐型のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴム(B)は、特定のメタロセン系触媒の存在下
に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィン
と、非共役ポリエンとをランダム共重合させることによ
り製造される。
【0052】本発明で用いられるメタロセン系触媒は、
メタロセン化合物[A]を含有すること以外は特に限定
されず、たとえばメタロセン化合物[A]と、有機アル
ミニウムオキシ化合物[B]および/またはメタロセン
化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物
[C]とから形成されてもよい。また、メタロセン化合
物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]およ
び/またはイオン対を形成する化合物[C]とともに有
機アルミニウム化合物[D]とから形成されてもよい。
【0053】以下に本発明において、メタロセン系触媒
を形成する際に用いられる各成分について説明する。メタロセン化合物[A] まず、上記直鎖状のエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(B)の調製に際して用いられる
メタロセン化合物[A]としては、下記の一般式[I]
で示される化合物が挙げられる。
【0054】MLx ・・・[I] 式[I]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属であり、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフ
ニウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0055】Lは、遷移金属に配位する配位子であり、
これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。
【0056】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、
i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシ
ルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエ
ニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチル
シクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジ
エニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチ
ルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシク
ロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニ
ル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチル
ベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基な
どのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジ
エニル基、さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロ
インデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0057】これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基などで置換されていてもよい。これらのうち
では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ま
しい。
【0058】式[I]で示される化合物が、配位子Lと
してシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有
する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨
格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアル
キレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなど
の置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレ
ン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレンなど
の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0059】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、
アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、水素原
子またはスルホン酸含有基(−SO3a )[ここで、
a はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル
基、アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で
置換されたアリール基である。]などが挙げられる。
【0060】炭素原子数1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などが挙げられ、より具体的には、メチル、エ
チル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチ
ル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オク
チル、デシル、ドデシルなどのアルキル基、シクロペン
チル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基、フェニ
ル、トリルなどのアリール基、ベンジル、ネオフィルな
どのアラルキル基が挙げられる。
【0061】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブ
トキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基
などが挙げられる。
【0062】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どが挙げられ、スルホン酸含有基(−SO3a )とし
ては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、
トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンス
ルホナト基などが挙げられる。
【0063】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。上記式で表わされるメタロセ
ン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場
合、より具体的には、下記式[II]で表わされる。
【0064】 R2 k3 l4 m5 nM ・・・[II] 式[II]中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペ
ンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3
4 およびR5 は、それぞれ独立にシクロペンタジエニ
ル骨格を有する基または上記一般式[I]中のシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと同様であ
る。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。
【0065】以下に、Mがジルコニウムであり、かつ、
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも
2個含むメタロセン化合物を例示する。ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドラ
イド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
ブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコ
ニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムフェノキシモノクロリド、ビス(メチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(t-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(sec-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(オクチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7-テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリ
ド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタン
スルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンス
ルホナト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ト
リフルオロメタンスルホナト)、ビス(プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3-ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3- エチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3- プロピルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロ
メタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3- ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3- エ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3- プロピルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3- ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-
メチル-3- ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(1-メチル-3- オクチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル
-3- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロヘキ
シルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドな
どを例示することができる。
【0066】上記の1,3−位置換シクロペンタジエニ
ル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換え
た化合物を本発明で用いることもできる。また上記式
[II]において、R2 、R3 、R4 およびR5 の少なく
とも2個すなわちR2 およびR3 がシクロペンタジエニ
ル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2
個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基
または置換シリレン基などを介して結合されているブリ
ッジタイプのメタロセン化合物を例示することもでき
る。このとき、R4 およびR5 はそれぞれ独立に式
[I]中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する
配位子以外のLと同様である。
【0067】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(p-クロルベンゼンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル- メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0068】さらに、下記式[A]で示される特開平4
-268307号公報に記載のメタロセン化合物が挙げ
られる。メタロセンが式[A]:
【0069】
【化2】
【0070】[式[A]中、M1 は、周期律表の第IVB
族の金属であり、具体的には、例えば、チタニウム、ジ
ルコニウム、ハフニウムを挙げることができる。R1
よびR2 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素
原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキ
ル基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコ
キシ基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリ
ール基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリ
ールオキシ基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4
のアルケニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜
10のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40、好ま
しくは7〜12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜
40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、ま
たはハロゲン原子、好ましくは塩素原子である。
【0071】R3 およびR4 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、好ましくはフ
ッ素原子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されて
いてもよい炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のア
ルキル基、炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のア
リール基、−NR10 2 、−SR10、−OSiR10 3 、−
SiR10 3 または−PR10 2 基であり、その際R10はハ
ロゲン原子、好ましくは塩素原子、または炭素原子数1
〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、または炭素原
子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。
【0072】R3 およびR4 は、特に水素原子であるこ
とが好ましい。R5 およびR6 は、互いに同じでも異な
っていてもよく、好ましくは同じであり、R5 およびR
6 は、水素原子でないという条件のもとでR3 およびR
4 について記載した意味を有する。R5 およびR6 は、
好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜
4のアルキル基、具体的には、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基またはトリフルオロメチル基等が挙げられ、メチ
ル基が好ましい。
【0073】R7は、下記:
【0074】
【化3】
【0075】=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO 2、=NR11、=
CO、=PR11 または=P(O)R11であり、その
際、R11、R12およびR13は、互いに同じでも異なって
いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
10、好ましくは1〜4のアルキル基、さらに好ましく
はメチル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル
基、好ましくはCF3 基、炭素原子数6〜10、好まし
くは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオ
ロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ
基、特に好ましくはメトキシ基、炭素原子数2〜10、
好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜4
0、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素原
子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニ
ル基、または炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12
のアルキルアリール基であるか、またはR11とR12また
はR11とR13とは、それぞれそれらが結合する原子と一
緒になって環を形成してもよい。
【0076】M2 は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ま
しくは珪素またはゲルマニウムである。R7 は、=CR
1112、=SiR1112、=GeR1112、−O−、−
S−、=SO、=PR11または=P(O)R11であるこ
とが好ましい。
【0077】R8 およびR9 は、互いに同じであっても
異なっていてもよく、R11について記載したと同じ意味
を有する。mおよびnは、互いに同じであっても異なっ
ていてもよく、0、1または2、好ましくは0または1
であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または
1である。
【0078】上記条件を充たす特に好ましいメタロセン
化合物を下記(i)〜(iii) に示す。
【0079】
【化4】
【0080】[上記式(i)、(ii)及び(iii) 中、
1 はZrまたはHfであり、R1 およびR2 はメチル
基または塩素原子であり、R5 およびR6 はメチル基、
エチル基またはトリフルオロメチル基であり、R8 、R
9 、R10およびR12が上記の意味を有する。] このような式(i)、(ii)及び(iii) で示される化
合物の内でも、下記の化合物が特に好ましい。
【0081】rac- エチレン(2-メチル-1- インデニ
ル)2-ジルコニウム- ジクロライド、rac- ジメチル
シリレン(2-メチル-1- インデニル)2-ジルコニウム-
ジクロライド、rac- ジメチルシリレン(2-メチル-1
- インデニル)2-ジルコニウム- ジメチル、rac- エ
チレン- (2-メチル-1- インデニル)2-ジルコニウム-
ジメチル、rac- フェニル(メチル)シリレン- (2ー
メチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジクロライ
ド、rac- ジフェニル- シリレン- (2ーメチル-1- イ
ンデニル)2-ジルコニウム- ジクロライド、rac- メ
チルエチレン- (2ーメチル-1- インデニル)2-ジルコニ
ウム- ジクロライド、rac- ジメチルシリレン- (2ー
エチル-1- インデニル)2-ジルコニウム- ジクロライ
ド。
【0082】このようなメタロセン化合物の製造方法に
ついては、従来より公知の方法にて製造することができ
る(例:特開平4-268307号公報参照)。本発明
では、下記式[B]で示される遷移金属化合物(メタロ
セン化合物)を用いることもできる。
【0083】
【化5】
【0084】式[B]中、Mは周期律表第IVB族の遷移
金属原子を示し、具体的には、チタニウム、ジルコニウ
ム、ハフニウムである。R1 およびR2 は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の
炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素
基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基またはリン含有基を示し、具体的には、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オ
クチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニ
ル、アダマンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニ
ル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、
フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアル
キル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメ
チルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビ
フェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニ
ル、フェナントリルなどのアリール基などの炭素原子数
1〜20の炭化水素基;前記炭化水素基にハロゲン原子
が置換したハロゲン化炭化水素基;メチルシリル、フェ
ニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル基、ジメチル
シリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル
基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピ
ルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシ
リル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリ
ル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ
炭化水素置換シリル基、トリメチルシリルエーテルなど
の炭化水素置換シリルのシリルエーテル基、トリメチル
シリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチル
シリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などのケイ
素含有置換基;ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキ
シ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキ
シなどのアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエ
トキシなどのアリールアルコキシ基などの酸素含有基;
前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基などの
イオウ含有基;アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミ
ノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、
フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、
ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリー
ルアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素
含有基;ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィ
ノなどのフォスフィノ基などのリン含有基である。
【0085】これらのうちR1 は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素原子
数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2
は水素、炭化水素基が好ましく、特に水素あるいは、メ
チル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素
基であることが好ましい。
【0086】R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20
の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水
素基を示し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン
化炭化水素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4
とR5 、R5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが
結合している炭素原子と一緒になって単環の芳香族環を
形成していてもよい。
【0087】また芳香族環を形成する基以外の基は、炭
化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場
合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよ
い。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素
原子であることが好ましい。
【0088】ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化
水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基と
して、具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例
示できる。
【0089】R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のう
ち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香
族環を含む、Mに配位する配位子としては以下に示すよ
うなものが挙げられる。
【0090】
【化6】
【0091】これらのうち上記式(1)で示される配位
子が好ましい。前記芳香族環は、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロ
ゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
【0092】前記芳香族環に置換するハロゲン原子、炭
素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20の
ハロゲン化炭化水素基としては、前記R1 およびR2
同様の基が例示できる。
【0093】X1 およびX2 は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素
含有基またはイオウ含有基を示し、具体的には、前記R
1 およびR2 と同様のハロゲン原子、炭素原子数1〜2
0の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化
水素基、酸素含有基が例示できる。
【0094】イオウ含有基としては、前記R1 、R2
同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメ
タンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジ
ルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメ
チルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼン
スルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペ
ンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネ
ート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が例
示できる。
【0095】Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水
素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素
基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、
2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO
−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7)−、−P
(O)(R7)−、−BR7 −または−AlR7 −[た
だし、R7 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭
化水素基]を示し、具体的には、メチレン、ジメチルメ
チレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-
トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシ
レン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフ
ェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリ
ールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭
化水素基;クロロメチレンなどの上記炭素原子数1〜2
0の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化
水素基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチル
シリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピ
ル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチル
フェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリ
ル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどの
アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、ア
リールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリレン基、
テトラフェニル-1,2-ジシリレン基などのアルキルジシ
リレン基、アルキルアリールジシリレン基、アリールジ
シリレン基などの2価のケイ素含有基;上記2価のケイ
素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲル
マニウム含有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素をス
ズに置換した2価のスズ含有基置換基などであり、R7
は、前記R1 、R2 と同様のハロゲン原子、炭素原子数
1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン
化炭化水素基である。
【0096】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン基、アルキルアリールシ
リレン基、アリールシリレン基であることが好ましい。
【0097】以下に上記式[B]で表される遷移金属化
合物の具体的な例を示す。
【0098】
【化7】
【0099】
【化8】
【0100】
【化9】
【0101】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。前
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重
合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用
いることもできる。
【0102】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば下記の反応ルートで、通常の有機
合成手法を用いて合成することができる。
【0103】
【化10】
【0104】本発明で用いられるこの遷移金属化合物
は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特
開平4−268307号公報に記載されている方法によ
り合成することができる。
【0105】本発明においては、また下記式[C]で示
される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いるこ
ともできる。
【0106】
【化11】
【0107】式[C]中、M、R1 、R2 、R3
4 、R5 およびR6 としては、前記式[B]の場合と
同様なものが挙げられる。R3 、R4 、R5 およびR6
のうち、R3 を含む2個の基が、アルキル基であること
が好ましく、R3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル
基であることが好ましい。このアルキル基は、2級また
は3級アルキル基であることが好ましい。また、このア
ルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されて
いてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R
1 、R2 で例示した置換基が挙げられる。
【0108】R3 、R4 、R5 およびR6 で示される基
のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが
好ましい。炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、
メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、
i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキ
シル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、
ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルな
どの鎖状アルキル基および環状アルキル基;ベンジル、
フェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチルなど
のアリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3重
結合を含んでいてもよい。
【0109】またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ば
れる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環ある
いは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子として、
具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。
【0110】X1 、X2 、YおよびR7 としては、前記
式[B]の場合と同様のものが挙げられる。以下に上記
式[C]で示されるメタロセン化合物(遷移金属化合
物)の具体的な例を示す。
【0111】rac-ジメチルシリレン- ビス(4,7-ジメチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,5,6-トリ
メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス(2,4,5,6-テトラメチル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,4,5,6,7-ペンタメチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2-メチル-4-n- プロピル-7- メチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(4-i-プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4- メチル-6-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-i- プロピル-5- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4,6- ジ(i- プロピル)-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4,6
- ジ(i- プロピル)-7-メチル-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4-i- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4-sec- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4,6- ジ(sec- ブチル)-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-t
ert-ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-
シクロヘキシル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル
-4- ベンジル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4
- フェニルエチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4- フェニルジクロルメチル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4- クロロメチル-7- メチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2-メチル-4- トリメチルシリルメチル-7- メチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス(2-メチル-4- トリメチルシロキシ
メチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プ
ロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジ(i- プロピル) シリレン- ビス(2-メチル
-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジ(n- ブチル) シリレン- ビス(2-
メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジ( シクロヘキシル) シリレ
ン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニル
シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン- ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-
1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p- ト
リル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メ
チル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(p- クロロフェニル) シリレン- ビス(2-メチル-4-i-
プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i-
プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジブ
ロミド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i-
プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメ
チル、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プ
ロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチル
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム-
ビス(メタンスルホナト)、rac-ジメチルシリレン- ビ
ス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i
- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i
- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4
-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド。
【0112】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。上
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられる
が、R型またはS型を用いることもできる。
【0113】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば前記と同様の反応ルートで、通常
の有機合成手法を用いて合成することができる。また上
記の式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化
合物)は、これらインデン誘導体から既知の方法、たと
えば特開平4−268307号公報に記載の方法により
合成することができる。
【0114】本発明においては、上記のようなメタロセ
ン化合物のうち、特に下記の一般式[III] または[I
V]で示される化合物が好ましく用いられる。一般式[I
II]で示されるメタロセン化合物は、上記式[C]で示
される化合物の一部であり、また、一般式[IV]で示さ
れるメタロセン化合物は、上記式[B]で示される化合
物の一部である。
【0115】
【化12】
【0116】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。11およびR12 11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基またはリン含有基であり、炭素原子数1〜20の炭
化水素基としては、たとえば、メチル、エチル、プロピ
ル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチ
ル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボ
ルニル、アダマンチル等のアルキル基、ビニル、プロペ
ニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジル、
フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキ
ル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチ
ルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフ
ェニル、α- またはβ- ナフチル、メチルナフチル、ア
ントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピ
レニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレ
ニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリ
ル等のアリール基などが挙げられる。
【0117】これらの炭化水素基は、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などの有機
シリル基で置換されていてもよい。
【0118】酸素含有基としては、具体的には、ヒドロ
オキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ
等のアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジ
メチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、フェ
ニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキ
シ基などが挙げられる。
【0119】イオウ含有基としては、具体的には、前記
酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、メチルス
ルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェ
ニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トル
エンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネー
ト、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロル
ベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスル
フォネート等のスルフォネート基、メチルスルフィネー
ト、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネー
ト、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンス
ルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート
等のスルフィネート基などが挙げられる。
【0120】窒素含有基としては、具体的には、アミノ
基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシル
アミノ等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェ
ニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチ
ルフェニルアミノ等のアリールアミノ基またはアルキル
アリールアミノ基などが挙げられる。
【0121】リン含有基としては、具体的には、ジメチ
ルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基などが挙
げられる。R11は、これらのうちでも炭化水素基である
ことが好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基
の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好まし
い。
【0122】またR12は、水素原子、炭化水素基である
ことが好ましく、特に水素原子あるいは、メチル基、エ
チル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基で
あることが好ましい。
【0123】13およびR14 13およびR14は、上記に例示したような炭素原子数1
〜20のアルキル基である。
【0124】R13は、2級または3級アルキル基である
ことが好ましい。R14は、2重結合、3重結合を含んで
いてもよい。1 およびX2 1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、上記に例
示したような炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原
子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基また
はイオウ含有基であり、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
20の炭化水素基であることが好ましい。
【0125】 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR15−、−
P(R15)−、−P(O)(R15)−、−BR15−また
は−AlR15−[ただし、R15は、水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1
〜20のハロゲン化炭化水素基]であり、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル
-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレ
ン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等の
アルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2-
エチレン等のアリールアルキレン基などの炭素原子数1
〜20の2価の炭化水素基;クロロメチレン等の上記炭
素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化した
ハロゲン化炭化水素基;メチルシリレン、ジメチルシリ
レン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、
ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリ
レン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、
ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリ
レン等のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレ
ン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリ
ル、テトラフェニル-1,2- ジシリル等のアルキルジシリ
ル基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル
基などの2価のケイ素含有基;上記2価のケイ素含有基
のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム
含有基などが挙げられる。
【0126】R15は、前記と同様のハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基である。これらのうち、Yは、2価
のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であること
が好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ま
しく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン
基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0127】以下に上記一般式[III] で表わされるメ
タロセン化合物の具体的な例を示す。rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,7-ジメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-
ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチ
ル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-sec
- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ペンチル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,7-ジメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,7-ジメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルエチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルジクロルメチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2,7-ジメチル-4- クロロメチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシリルメチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシロキシ
メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジエチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(i-
プロピル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(n-ブチル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロ
ピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i
- プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i-
プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t-
ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフ
ェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シ
リレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェ
ニル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- エチル-1
- インデニル)ジルコニウムジブロミド rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エ
チル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- プロピ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ブチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-sec- ブチル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ペンチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4- シクロヘキシル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,3,7-トリメチル-4- メチルシクロヘキシル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシリ
ルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリ
メチルシロキシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメ
チル-4- フェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリ
メチル-4- フェニルジクロルメチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4- クロルメチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジ(i-プロピル)シリレン
- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(n-ブチル)シリ
レン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(シクロヘキ
シル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチ
ルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プ
ロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
メチルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t
- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t-
ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プ
ロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(p-トリル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i-
プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2,3,7-トリ
メチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
メチル、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i-
プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチ
ルクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4
-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム
- ビス(メタンスルホナト)、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4
-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4
-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)チタニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ハフニウムジク
ロリドなど。
【0128】これらの中で、4位にi-プロピル基、sec-
ブチル基、tert- ブチル基などの分岐アルキル基を有す
る化合物が、特に好ましい。本発明では、通常、前記遷
移金属化合物のラセミ体がオレフィン重合用触媒成分と
して用いられるが、R型またはS型を用いることもでき
る。
【0129】上記のような遷移金属化合物は、インデン
誘導体から既知の方法たとえば特開平4−268307
号公報に記載されている方法により合成することができ
る。本発明で好ましく用いられる下記式[IV]で示され
る化合物は、EP−549900号およびカナダ−20
84017号の明細書に記載されている。
【0130】
【化13】
【0131】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素
原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子または塩素
原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜1
0、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜1
0、好ましくは6〜8のアリール基、−NR2、−S
R、−OSiR3、−SiR3 または−PR2 基(ただ
し、Rはハロゲン原子、好ましくは塩素原子、炭素原子
数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基または炭素
原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基)であ
る。
【0132】R22〜R28は、同一でも異なっていてもよ
く、R21と同様の原子または基であり、これらR22〜R
28のうち隣接する少なくとも2個の基は、それらの結合
する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成して
いてもよい。
【0133】X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭
素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、炭
素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ
基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニ
ル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜
12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40、好ま
しくは8〜12のアリールアルケニル基である。
【0134】
【化14】
【0135】−Sn−、−O−、−S−、=SO、=S
2、=NR29、=CO、=PR29 または=P(O)R
29である。ただし、R29およびR30は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、特に好
ましくはメチル基、炭素原子数1〜10のフルオロアル
キル基、好ましくはCF3 基、炭素原子数6〜10、好
ましくは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10のフ
ルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル
基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキ
シ基、特に好ましくはメトキシ基、炭素原子数2〜1
0、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜
40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素
原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケ
ニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のア
リールアルキル基である。
【0136】またR29とR30とは、それぞれ、それらの
結合する原子とともに環を形成してもよい。M2 は、珪
素、ゲルマニウムまたはスズである。
【0137】上述のアルキル基は、直鎖状のまたは枝分
かれしたアルキル基であり、ハロゲン(ハロゲン化)は
フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であ
り、特に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
【0138】このような式[IV]で示される化合物のう
ちでも、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
21は、互いに同じであり、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基であり、R22〜R28は、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル
基であり、X3 およびX4 は、互いに同一でも異なって
いてもよく、炭素原子数1〜3のアルキル基またはハロ
ゲン原子であり、
【0139】
【化15】
【0140】(M2 はケイ素であり、R29およびR
30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数
1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリー
ル基である。)である化合物が好ましく、置換基R22
よびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素原子
数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がよ
り好ましい。
【0141】さらには、Mは、ジルコニウムであり、R
21は、互いに同一で炭素原子数1〜4のアルキル基であ
り、R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R
27は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4
のアルキル基または水素原子であり、X3 およびX
4 は、いずれも塩素原子であり、
【0142】
【化16】
【0143】(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30
は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1
〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール
基である。)である化合物が好ましく、特に、Mは、ジ
ルコニウムであり、R21は、メチル基であり、R22〜R
28は、水素原子であり、X3 およびX4 は、塩素原子で
あり、
【0144】
【化17】
【0145】(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30
は、互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基また
はフェニル基である)である化合物が好ましい。以下に
このような式[IV]で示されるメタロセン化合物を数例
示す。
【0146】rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5-
アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリ
メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル
-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-
(4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,6-ジメチル
-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメ
チル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ドなど。
【0147】また、上記のような化合物中のジルコニウ
ムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物を挙
げることもできる。本発明では、通常式[III] または
[IV]で示されるメタロセン化合物のラセミ体が触媒成
分として用いられるが、R型またはS型を用いることも
できる。
【0148】上記のようなメタロセン化合物は、2種以
上組合わせて用いることもできる。次に、本発明で好ま
しく用いられる長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の調製に際して用
いられるメタロセン化合物[A]としては、下記の一般
式[V]で示される化合物が挙げられる。
【0149】
【化18】
【0150】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。置換基R1 1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、具体的
には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、n-ペ
ンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル基
等のアルキル基、ビニル、プロペニル等のアルケニル基
などが挙げられる。
【0151】これらのうち、インデニル基に結合した炭
素が1級のアルキル基が好ましく、さらに炭素原子数1
〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチ
ル基が好ましい。
【0152】置換基R2 、R4 、R5 、R6 2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異な
っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1
同様の炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
【0153】ここでハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素である。置換基R3 3 は、炭素原子数6〜16のアリール基である。この
アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。
【0154】アリール基としては、具体的には、フェニ
ル基、α- ナフチル基、β- ナフチル基、アントラセニ
ル基、フェナントリル基、ピレニル基、アセナフチル
基、フェナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒ
ドロナフチル基、インダニル基、ビフェニリル基などが
挙げられる。これらのうち、フェニル基、ナフチル基、
アントラセニル基、フェナントリル基が好ましい。
【0155】また、このアリール基の置換基である炭素
原子数1〜20の炭化水素基としては、たとえば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキ
シル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノル
ボルニル、アダマンチル等のアルキル基、ビニル、プロ
ペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジ
ル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールア
ルキル基、上記例示のアリール基、およびトリル、ジメ
チルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、
プロピルフェニル、メチルナフチル、ベンジルフェニル
等のアリール基などが挙げられる。
【0156】また、有機シリル基としては、トリメチル
シリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基
などが挙げられる。1 およびX2 1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
基、酸素含有基またはイオウ含有基である。具体的に
は、前記と同様のハロゲン原子および炭化水素基が挙げ
られる。
【0157】また、酸素含有基としては、具体的には、
ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキ
シ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ
基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリール
アルコキシ基などが挙げられる。
【0158】イオウ含有基としては、具体的には、前記
酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、メチルス
ルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェ
ニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トル
エンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネー
ト、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロル
ベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスル
フォネート等のスルフォネート基、メチルスルフィネー
ト、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネー
ト、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンス
ルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート
等のスルフィネート基などが挙げられる。
【0159】これらのうち、X1 およびX2 は、ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが
好ましい。 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−
P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −また
は−AlR7 −(ただし、R7 は、水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1
〜20のハロゲン化炭化水素基)であり、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル
-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレ
ン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン等の
アルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1 ,2-
エチレン等のアリールアルキレン基などの炭素原子数1
〜20の2価の炭化水素基;クロロメチレン等の上記炭
素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化した
ハロゲン化炭化水素基;メチルシリレン、ジメチルシリ
レン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、
ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリ
レン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、
ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリ
レン等のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレ
ン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリ
ル、テトラフェニル-1,2- ジシリル等のアルキルジシリ
ル基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル
基などの2価のケイ素含有基;上記2価のケイ素含有基
のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム
含有基などが挙げられる。
【0160】R7 は、前記と同様のハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基である。これらのうち、Yは、2価
のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であること
が好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ま
しく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン
基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0161】以下に上記一般式[V]で表わされるメタ
ロセン化合物の具体例を示す。rac-ジメチルシリレン-
ビス(4-フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(1- アントラセニル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(2- アントラセニル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(9- アントラセニル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(9- フェナントリル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(p- フルオロフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4- (ペンタフルオロフェニ
ル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- クロロフェニ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- クロロフェニ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o- クロロフェニ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o,p- ジクロロフ
ェニル)フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-
ブロモフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-
トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- トリル)
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o- トリル)-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4-(p- エチルフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4-(p-i- プロピルフェニル)
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- ベンジルフェニ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- ビフェニル)
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- ビフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4-(p- トリメチルシリレンフ
ェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- トリメチ
ルシリレンフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4
- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ-(i-
プロピル)シリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ-(n- ブ
チル)シリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジシクロヘキシ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリ
レン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2-メ
チル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2-
メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-メチレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン
- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミレン- ビス(2-
メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルスタニレン- ビス(2-メチル-4-
フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジブロミド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)
ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
メチルクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリド
SO2Me、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-
フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリドOS
2Me、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-
4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(β-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2- メチル-1-
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(5- アセ
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- アン
トラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- フ
ェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(o
- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-
(m- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル
-4-(p- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチ
ル-4-(2,3- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-
(2-エチル-4-(2,4- ジメチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス{1-(2-エチル-4-(2,5- ジメチルフェニル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,4,6- トリメチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(o- クロロ
フェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(m- クロ
ロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(p- ク
ロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-
(2,3- ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エ
チル-4-(2,6- ジクロロフェニル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-
(2-エチル-4-(3,5- ジクロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス{1-(2-エチル-4-(2- ブロモフェニル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス{1-(2-エチル-4-(3- ブロモフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ブロモフェニル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ビフェニリル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- トリメチルシリル
フェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4- フェ
ニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(β-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(2- メチル
-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4
-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピ
ル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-
プロピル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-
(2-i-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-
プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-
プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-
プロピル-4-(8- メチル-9- ナフチル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
{1-(2-i-プロピル-4-(5- アセナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9- アントラセニル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9- フェナントリ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4- フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(α-ナフチル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(5- アセナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9- アントラ
セニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9- フェ
ナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ペンチル-4- フ
ェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-n-ペンチル-4-(α-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4- フェニルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(α-ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(β-ナフチル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(5- アセナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9- アント
ラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9- フ
ェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(α-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(β-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(2- メチル-1
- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(5-
アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-
(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチ
ル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-ネ
オペンチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-ネオペ
ンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ヘ
キシル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ヘキシル
-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチ
ル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル
-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチ
ル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-
(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス
{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-
エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エ
チル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-
(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス
{1-(2-エチル-4-(4- ビフェリニル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-メチレン- ビス{1-(2-
エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エ
チレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン- ビス
{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-エチレン- ビス{1-(2-n-プ
ロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-エチ
ル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-エチル-4-
(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-n-プロピル-4
- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドな
ど。
【0162】また、上記のような化合物中のジルコニウ
ムをチタニウム、ハフニウムに代えた化合物を挙げるこ
ともできる。本発明では、通常、上記メタロセン化合物
のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型または
S型を用いることもできる。
【0163】本発明では、上記のようなメタロセン化合
物を2種以上組合わせて用いることができる。このよう
なメタロセン化合物は、Journal of Organometallic Ch
em.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許出願公開第
0,320,762 号明細書に準じて製造することができる。
【0164】また、上記一般式[V]で示されるメタロ
セン化合物のほかに、下記一般式[VI]で示されるメタ
ロセン化合物が挙げられる。 LaMX2 ・・・[VI] (Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属で
あり、La は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または20以下
の炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を含有
する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。) このような式[VI]で示される化合物のうちでも、具体
的に、下記式[VII]で示される化合物が好ましい。
【0165】
【化19】
【0166】Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニ
ウムであり、Xは、上記と同様である。Cpは、Mにπ
結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタ
ジエニル基またはその誘導体である。
【0167】Zは、酸素、イオウ、ホウ素または周期率
表第IVA族の元素であり、Yは、窒素、リン、酸素また
はイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成
してもよい。
【0168】このような式[VII] で表わされる化合物
としては、具体的には、(ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)
チタンジクロリド、(ジベンジル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベ
ンジルチタン、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジメチル
チタン、((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シ
クロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジベンジル
チタン、((メチルアミド)(テトラメチル-η5- シク
ロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジネオペンチ
ルチタン、((フェニルホスフィド)(テトラメチル-
η5- シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニルチ
タン、(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル
5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタ
ジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、
(ジメチル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-
η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、((テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-
1,2- エタンジイル)ジベンジルチタン、(2-η5-(テ
トラメチル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタ
ノレート(2-))ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラメ
チル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタノレー
ト(2-))ジメチルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-
9H- フルオレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))
ジメチルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H- フル
オレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジ
ルジルチタンなどが挙げられる。
【0169】本発明では、上記のような式[VI]で表わ
されるメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いる
こともできる。上記説明においては、メタロセン化合物
としてチタン化合物について例示したが、チタンを、ジ
ルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物を例示す
ることもできる。
【0170】これらの化合物は、単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。長鎖分岐型
のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
ゴム(B)の調製に際し、上述したメタロセン化合物の
中でも、上記一般式[V]で示されるメタロセン化合物
が好ましく用いられる。
【0171】有機アルミニウムオキシ化合物[B] 本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物
[B]は、従来公知のアルミノオキサンであってもよ
く、また特開平2−78687号公報に例示されている
ようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
であってもよい。
【0172】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方
法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接、水、氷または水
蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0173】なお、このアルミノオキサンは、少量の有
機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のア
ルミノオキサン溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミ
ニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解して
もよい。
【0174】アルミノオキサンの製造の際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;トリシク
ロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニ
ウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアル
コキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0175】これらの中では、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
また、アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機ア
ルミニウム化合物としては、式(i-C49xAly(C
510z (式中、x、y、zは正の数であり、z ≧
2x である。)で示されるイソプレニルアルミニウム
を用いることもできる。
【0176】上記の有機アルミニウム化合物は、2種以
上組合せて用いることもできる。アルミノオキサンの製
造の際に用いられる溶媒としては、たとえばベンゼン、
トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水
素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族
炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガ
ソリン、灯油、軽油などの石油留分、および上記芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン
化物、とりわけ塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒が
挙げられる。
【0177】さらに、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類を用いることもできる。これらの溶
媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する
化合物[C] 本発明で用いられるメタロセン化合物[A]と反応して
イオン対を形成する化合物[C]としては、特表平1−
501950号公報、特表平1−502036号公報、
特開平3−179005号公報、特開平3−17900
6号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−
207704号公報、US−547718号公報などに
記載されたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化合
物、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0178】ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、A
l含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、これ
らのうちB含有ルイス酸が好ましい。ホウ素原子を含有
するルイス酸としては、具体的には、下記一般式で表わ
される化合物を例示することができる。
【0179】BR1 2 3 (式中、R1 2 およびR3 は、それぞれ独立して、フ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を
示す。) 上記一般式で表わされる化合物としては、具体的には、
トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-
フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフ
ェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)
ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ト
リス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、
トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられ
る。これらのうちでは、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロンが特に好ましい。
【0180】本発明で用いられるイオン性化合物は、カ
チオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩であ
る。アニオンは前記メタロセン化合物[A]と反応する
ことによりメタロセン化合物[A]をカチオン化し、イ
オン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定
化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、有
機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有
機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高
で遷移金属カチオン種を安定化させるアニオンが好まし
い。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオ
ン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキ
ソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウ
ムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。
具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ
ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウ
ムカチオン、フェロセニウムカチオンなどを例示するこ
とができる。
【0181】本発明においては、有機ホウ素化合物アニ
オンを有するイオン性化合物が好ましい。具体的には、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ
素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,
p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウム
テトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルア
ンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホ
ウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリ
ル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(4-
フルオロフェニル)ホウ素等のトリアルキル置換アンモ
ニウム塩、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテト
ラ(フェニル)ホウ素等のN,N-ジアルキルアニリニウム
塩、ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素等のジアルキルアンモニウム
塩、トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)ホ
ウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフ
ォニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のトリアリールホ
スフォニウム塩などが挙げられる。
【0182】本発明では、ホウ素原子を含有するイオン
性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートも挙げることができる。
【0183】また、以下のようなホウ素原子を含有する
イオン性化合物も例示できる。(なお、以下に列挙する
イオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムであるが、これに限定されない。) アニオンの塩、たとえばビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ノナボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]デカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ウンデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム]ドデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)
アンモニウム]デカクロロデカボレート、ビス[トリ
(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバデカボレ
ート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバウンデ
カボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバ
ドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- ト
リメチルシリル-1- カルバデカボレート、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムブロモ-1- カルバドデカボレートな
ど、さらには下記のようなボラン化合物、カルボラン化
合物などを挙げることができる。これらの化合物は、ル
イス酸、イオン性化合物として用いられる。
【0184】ボラン化合物、カルボラン錯化合物、およ
びカルボランアニオンの塩としては、たとえばデカボラ
ン(14)、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,
7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドラ
イド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボラン、ド
デカハイドライド-11-メチル-2,7- ジカルバウンデカボ
ラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレ
ート(14)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバ
デカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
7-カルバウンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)
アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボ
レート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカ
ハイドライド-8- メチル7,9-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド8-エチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル
-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)ア
ンモニウムウンデカハイドライド-8- アリル-7,9- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-9- トリメチルシリル-7,8- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-4,6- ジブロモ-7- カルバウンデ
カボレートなどが挙げられる。
【0185】カルボラン化合物、およびカルボランの塩
としては、たとえば4-カルバノナボラン(14)、1,3-
ジカルバノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン
(14)、ドデカハイドライド-1- フェニル-1,3- ジカ
ルバノナボラン、ドデカハイドライド-1- メチル-1,3-
ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド-1,3- ジメ
チル-1,3- ジカルバノナボランなどが挙げられる。
【0186】さらに、以下のような化合物も例示でき
る。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対
向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、
これに限定されない。) 金属カルボランの塩および金属ボランアニオン、たとえ
ばトリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライ
ド-1,3- ジカルバノナボレート)コバルテート(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレー
ト(鉄酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボ
レート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)アン
モニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウ
ンデカボレート)ニッケレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジ
カルバウンデカボレート)キュブレート(銅酸塩)(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)アウレー
ト(金属塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバ
ウンデカボレート)フェレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチ
ル-7,8- ジカルバウンデカボレート)クロメート(クロ
ム酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(トリブロモオクタハイドライド-7,8- ジカルバウンデ
カボレート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)
アンモニウムビス(ドデカハイドライドジカルバドデカ
ボレート)コバルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ドデカハイドライドドデカボ
レート)ニッケレート(III)、トリス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カ
ルバウンデカボレート)クロメート(III)、ビス[ト
リ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドラ
イド-7- カルバウンデカボレート)マンガネート(I
V)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウ
ンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)コバ
ルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウ
ム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボ
レート)ニッケレート(IV)などが挙げられる。
【0187】上記のような化合物[C]は、2種以上組
合わせて用いることもできる。有機アルミニウム化合物[D] 本発明で用いられる有機アルミニウム化合物[D]は、
たとえば下記一般式(a) で示すことができる。
【0188】 R5 nAlX3-n ・・・(a) (式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記式(a) において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化
水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリ−ル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0189】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニム、イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロ
リド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルア
ルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアル
キルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
のアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられ
る。
【0190】また、有機アルミニウム化合物[D]とし
て、下記の式(b) で表わされる化合物を用いることもで
きる。 R5 nAlY3-n ・・・(b) (式中、R5 は、上記式(a) におけるR5 と同様であ
り、Yは、−OR6 基、−OSiR7 3 基、−OAlR8 2
基、−NR9 2 基、−SiR10 3 基 または−N(R11
AlR12 2 基であり、nは1〜2であり、R6 、R7
8 およびR12は、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基など
であり、R9 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであ
り、R10およびR11は、メチル基、エチル基などであ
る。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。
【0191】(i) R5 n Al(OR63-n で表わされる
化合物、たとえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニ
ウムメトキシドなど。
【0192】(ii)R5 n Al(OSiR7 33-n で表わさ
れる化合物、たとえば(C252 Al(OSi(C
33 )、(iso-C492 Al(OSi(C
33)、(iso-C492 Al(OSi(C253
など。
【0193】(iii) R5 nAl(OAlR8 23-n で表わ
される化合物、たとえば(C252Al(OAl(C2
52)、(iso-C492Al(OAl(iso-C
492)など。
【0194】(iv)R5 nAl(NR9 23-n で表わされる
化合物、たとえば(CH32Al(N(C252)、
(C252Al(NH(CH3))、(CH32Al
(NH(C25))、(C252Al[N(Si(CH
332]、(iso-C492Al[N(Si(C
332] など。
【0195】(v) R5 nAl(SiR10 33-n で表わされ
る化合物、たとえば(iso-C492Al(Si(C
33)など。本発明では、これらのうちでもR5 3
l、R5 nAl(OR63-n 、R5 nAl(OAlR8 2
3-n で表わされる有機アルミニウム化合物を好適な例と
して挙げることができ、R5 がイソアルキル基であり、
n=2である化合物が特に好ましい。これらの有機アル
ミニウム化合物は、2種以上組合わせて用いることもで
きる。
【0196】本発明で用いられる特定のメタロセン系触
媒は、上記のようなメタロセン化合物[A]を含んでお
り、たとえば上記したようにメタロセン化合物[A]
と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]とから形成す
ることができる。また、メタロセン化合物[A]と、メ
タロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化
合物[C]とから形成されてもよく、さらにメタロセン
化合物[A]とともに、有機アルミニウムオキシ化合物
[B]とメタロセン化合物[A]とが反応してイオン対
を形成する化合物[C]とを併用することもできる。ま
た、これらの態様において、さらに有機アルミニウム化
合物[D]を併用することが特に好ましい。
【0197】本発明では、上記メタロセン化合物[A]
は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算し
て、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好まし
くは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられ
る。
【0198】また有機アルミニウムオキシ化合物[B]
は、遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子
が、通常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜
5,000モルとなるような量で用いることができる。
【0199】メタロセン化合物[A]と反応してイオン
対を形成する化合物[C]は、遷移金属原子1モルに対
して、ボロン原子が、通常、約0.5〜20モル、好ま
しくは1〜10モルとなるような量で用いられる。
【0200】さらに有機アルミニウム化合物[D]は、
有機アルミニウムオキシ化合物[B]中のアルミニウム
原子またはイオン対を形成する化合物[C]中のボロン
原子1モルに対して、通常、約0〜1,000モル、好
ましくは約0〜500モルとなるような量で必要に応じ
て用いられる。
【0201】上記のようなメタロセン系触媒を用いて、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
非共役ポリエンとを共重合させると、優れた重合活性で
長鎖状または長鎖分岐型のエチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエン共重合体ゴム(B)を得ることができ
る。
【0202】なお、バナジウム系触媒などの第VB族遷
移金属化合物系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数
3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重
合させても十分な重合活性で共重合体ゴムを得ることが
できない。
【0203】また、第VB族遷移金属化合物系触媒を用
いて、たとえばエチレン・1-ブテン・非共役ポリエン共
重合体ゴム、EPDMなどを製造する際には、非共役ポ
リエンの種類もENBなどのノルボルネン環含有ポリエ
ン類に限定される場合が多い。
【0204】一方、本発明のようにメタロセン系触媒を
用いると、非共役ポリエンは、ノルボルネン環含有ポリ
エン類に限定されることがなく、前述したような各種ポ
リエン、たとえば7-メチル-1,6- オクタジエン等のメチ
ルオクタジエン(MOD)などの鎖状非共役ポリエン類
も共重合させることができる。
【0205】本発明では、エチレンと、炭素原子数3〜
20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重合さ
せる際に、メタロセン系触媒を構成する上記メタロセン
化合物[A]、有機アルミニウムオキシ化合物[B]、
イオン対を形成する化合物[C]、さらには有機アルミ
ニウム化合物[D]をそれぞれ別々に重合反応器に供給
してもよいし、また予めメタロセン化合物[A]を含有
するメタロセン系触媒を調製してから共重合反応に供し
てもよい。
【0206】またメタロセン系触媒を調製する際には、
触媒成分と反応不活性な炭化水素溶媒を用いることがで
き、不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等
の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を用いることが
できる。これらの炭化水素溶媒は、単独で、あるいは組
合わせて用いることができる。
【0207】上記メタロセン化合物[A]、有機アルミ
ニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物
[C]および有機アルミニウム化合物[D]は、通常−
100〜200℃、好ましくは−70〜100℃で混合
接触させることができる。
【0208】本発明では、エチレンと、炭素原子数3〜
20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとの共重合
は、通常40〜200℃、好ましくは50〜150℃、
特に好ましくは60〜120℃で、大気圧〜100kg/
cm2 、好ましくは大気圧〜50kg/cm2 、特に好ましく
は大気圧〜30kg/cm2 の条件下で行なうことができ
る。
【0209】この共重合反応は、種々の重合方法で実施
することができるが、溶液重合により行なうことが好ま
しい。この際重合溶媒としては、上記のような炭化水素
溶媒を用いることができる。
【0210】共重合は、バッチ式、半連続式、連続式の
いずれの方法においても行なうことができるが、連続式
で行なうことが好ましい。さらに重合を反応条件を変え
て2段以上に分けて行なうこともできる。
【0211】また、本発明で用いられるエチレン・α-
オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、上
述したような方法により得られるが、この共重合体ゴム
(B)の分子量は、重合温度などの重合条件を変更する
ことにより調節することができ、また水素(分子量調節
剤)の使用量を制御することにより調節することもでき
る。
【0212】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、結晶性ポ
リオレフィン樹脂(A)およびエチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の合計量100
重量部に対して、90〜40重量部、好ましくは80〜
45重量部の割合で用いられる。
【0213】その他の成分 本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
には、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチレン
・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)
の他に、軟化剤(C)および/または無機充填剤(D)
を含めることができる。
【0214】本発明で用いられる軟化剤(C)として
は、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができ
る。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィ
ン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の
石油系物質;コールタール、コールタールピッチ等のコ
ールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆
油、ヤシ油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバ
ロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン
酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、
クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等
の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチル
アジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑
剤;その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファ
クチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエ
ン、液状チオコールなどが挙げられる。
【0215】本発明においては、軟化剤(C)は、結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の合計量1
00重量部に対し、200重量部以下、好ましくは2〜
100重量部、さらに好ましくは5〜80重量部の割合
で用いられる。軟化剤(C)を上記のような割合で用い
ると、得られる熱可塑性エラストマー組成物は成形時の
流動性に優れ、その成形体の機械的物性を低下させるこ
とはない。本発明において、軟化剤(C)の使用量が2
00重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマー
組成物の耐熱性、耐熱老化性は低下する傾向にある。
【0216】本発明で用いられる無機充填剤(D)とし
ては、具体的には、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、
雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸ア
ルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガ
ラス球、シラスバルーン、塩基性硫酸マグネシウムウィ
スカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ほう酸アルミ
ニウムウィスカーなどが挙げられる。
【0217】本発明においては、無機充填剤(D)は、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチレン・α-
オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の合計
量100重量部に対して、100重量部以下、好ましく
は2〜50重量部の割合で用いられる。本発明におい
て、無機充填剤(D)の使用量が100重量部を超える
と、得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性、
成形加工性は低下する傾向にある。
【0218】また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物には、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共
重合体ゴム(B)、軟化剤(C)および無機充填剤
(D)の他に、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(E
PR)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体
ゴム(EPDM)を含めることができる。
【0219】エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重
合体ゴムの具体例としては、エチレン・プロピレン・5-
エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン・
プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴムなどが
挙げられる。
【0220】本発明においては、上記のようなエチレン
・プロピレン共重合体ゴム(EPR)およびエチレン・
プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)
は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の
合計量100重量部に対して、好ましくは10〜200
重量部、さらに好ましくは20〜150重量部の割合で
用いるのが望ましい。
【0221】さらに、本発明においては、オレフィン系
熱可塑性エラストマー中に、従来公知の耐熱安定剤、老
化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワ
ックス等の滑剤などを、本発明の目的を損なわない範囲
で添加することができる。
【0222】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物のうち、非架橋の熱可塑性エラストマー組
成物は、上述した結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)と、必要に応じて配合される軟化剤(C)およ
び/または無機充填剤(D)等とを混合した後、動的に
熱処理することによって得られる。
【0223】また、本発明に係る部分的に、または完全
に架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
は、上述した結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、エチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(B)と、必要に応じて配合される軟化剤(C)および
/または無機充填剤(D)等との混合物を、下記のよう
な有機過酸化物の存在下に、動的に熱処理して部分的
に、または完全に架橋することによって得られる。
【0224】ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融
状態で混練することをいう。本発明で用いられる有機過
酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、
ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-
(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,
5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビ
ス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、
1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチ
ルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチル
ペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-
クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイ
ルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエー
ト、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペル
オキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキ
シド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペ
ルオキシドなどが挙げられる。
【0225】これらの内では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼンが好ましく、なかでも、2,
5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサ
ンが最も好ましい。
【0226】このような有機過酸化物は、被処理物全
体、すなわち結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエ
チレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(B)の合計量100重量部に対して、0.02〜3重
量部、好ましくは0.05〜1重量部となるような量で
用いられる。有機過酸化物の配合量が上記範囲よりも少
ないと、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、架橋
度が低いため、耐熱性、引張特性、弾性回復および反発
弾性等が十分でない。また、この配合量が上記範囲より
も多いと、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、架
橋度が高くなり過ぎて成形性の低下をもたらす場合があ
る。
【0227】本発明においては、上記有機過酸化物によ
る部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,
p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジ
ニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグア
ニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジ
マレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジ
ビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリ
ルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノ
マー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような
多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0228】上記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分
である結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチレン
・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)
との相溶性が良好であり、かつ、有機過酸化物を可溶化
する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くた
め、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性との
バランスのとれた熱可塑性エラストマー組成物が得られ
る。
【0229】上記のような架橋助剤あるいは多官能性ビ
ニルモノマーなどの化合物は、上記被処理物全体100
重量部に対して、通常2重量部以下、好ましくは0.3
〜1重量部となるような量で用いられる。
【0230】また、有機過酸化物の分解を促進するため
に、トリエチルアミン、トリブチルアミン、2,4,6-トリ
(ジメチルアミノ)フェノール等の三級アミンや、アル
ミニウム、コバルト、バナジウム、銅、カルシウム、ジ
ルコニウム、マンガン、マグネシウム、鉛、水銀等のナ
フテン酸塩などの分解促進剤を用いてもよい。
【0231】本発明における動的な熱処理は、非開放型
の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス
等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。熱処
理の温度は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の融点か
ら300℃の範囲であり、通常150〜250℃、好ま
しくは170℃〜225℃である。混練時間は、通常1
〜20分間、好ましくは1〜10分間である。また、加
えられる剪断力は、剪断速度で10〜100,000s
ec-1、好ましくは100〜50,000sec-1の範
囲である。
【0232】混練装置としては、ミキシングロール、イ
ンテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニ
ーダー)、一軸または二軸押出機等を用いることができ
るが、非開放型の装置が好ましい。
【0233】本発明によれば、上述した動的な熱処理に
よって、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)とエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)と
からなる非架橋のオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物、または部分的に、もしくは完全に架橋されたオレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0234】なお、本発明において、熱可塑性エラスト
マー組成物が部分的に架橋されたとは、下記の方法で測
定したゲル含量が好ましくは20重量%以上99.5重
量%未満、特に好ましくは45〜98重量%の範囲内に
ある場合をいう。また、熱可塑性エラストマー組成物が
完全に架橋されたとは、このゲル含量が99.5重量%
以上である場合をいう。 [ゲル含量の測定法]熱可塑性エラストマー組成物の試
料を100mg採取し、これを0.5mm×0.5mm
×0.5mmの細片に裁断した試料を、密閉容器中にて
30mlのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬し
た後、試料を濾紙上に取出し、室温で72時間以上、恒
量となるまで乾燥する。
【0235】この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外
のすべてのシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラ
ー、充填剤、顔料等)の重量、およびシクロヘキサン浸
漬前の試料中の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の重量
を減じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0236】一方、試料中のエチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の重量を、「補正
された初期重量(X)」とする。ここに、ゲル含量は、
次の式で求められる。
【0237】ゲル含量[重量%]=[補正された最終重
量(Y)/補正された初期重量(X)]×100
【0238】
【発明の効果】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物は、[I]結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)と、[II]特定のメタロセン化合物を含むメタロ
セン系触媒を用いて調製された、エチレンと、炭素原子
数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとから
なるランダム共重合体であり、かつ、エチレンから導か
れる単位と炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導
かれる単位とのモル比、ヨウ素価および極限粘度[η]
が特定の範囲にあるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(B)とを特定の割合で含んでい
るので、非架橋型の場合であっても、従来公知の非架橋
型のオレフィン系熱可塑性エラストマーと比較して、引
張強度、破断伸度、ゴム的性質および耐熱性、低温特性
に優れた成形体を提供することができる。
【0239】また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物は、上記成分(A)および(B)を
特定の割合で含んでいるので、特に部分的に、または完
全に架橋されている場合には、従来の加硫ゴムよりも低
温特性、引張強度、破断伸度およびゴム的性質に優れた
成形体を提供することができる。
【0240】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例のオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物について行なった物性の測定方法は、下記
の通りである。
【0241】[物性の測定方法] (1)引張強度:JIS K 6301に準拠し、200
mm/分の引張速度で、破断点の引張強度を測定した。 (2)破断伸度:JIS K 6301に準拠し、200
mm/分の引張速度で、破断点の破断伸度を測定した。 (3)永久伸び:JIS K 6301に準拠して測定し
た。ただし、保持した長さは伸び100%に相当する長
さとした。 (4)Heat Sag:片持ち梁固定治具に試験片
(サイズ128mm×25mm×3mm、長さ128m
mのうち固定部分が28mm、測定部分が100mm)
を水平に保持し、90℃で1時間放置した後、ノギス
で、垂れ下がった自由端の変形量を測定した。
【0242】
【参考例1】ジルコニウム化合物とメチルアルモキサンとの予備接
触、触媒溶液の調製
【0243】
【化20】
【0244】所定量の上記式で表わされるジルコニウム
化合物と、メチルアルモキサンのトルエン溶液(アルミ
ニウム原子に換算して1.2ミルグラム原子/ml)と
を、暗所において室温下、30分間攪拌することにより
混合して、ジルコニウム化合物とメチルアルモキサンと
が溶解されたトルエン溶液を調製した。このトルエン溶
液のZr濃度は0.004ミリモル/mlであり、メチ
ルアルモキサン濃度はアルミニウム原子に換算して1.
2ミリグラム原子/mlである。
【0245】次いで、このトルエン溶液に、トルエンに
対して5倍の溶液のヘキサンを攪拌下に添加して、下記
のようなZr濃度およびメチルアルモキサン濃度の触媒
溶液を調製して、これを重合反応用触媒として用いた。
【0246】Zr濃度:0.00067ミリモル/ml
(=0.67ミリモル/リットル) メチルアルモキサン濃度(Al原子に換算して):0.
20ミリモル/ml(=200ミリモル/リットル)重 合 攪拌翼を備えた15リットル容量のステンレス製重合器
を用いて、連続的にエチレンと、1-ブテンと、5-エチリ
デン-2- ノルボルネン(以下ENBともいう)との共重
合を、上記の重合反応用触媒の存在下に行なった。
【0247】すなわち、まず重合器上部から重合器内
に、脱水精製したヘキサンを毎時3.185リットル、
上記の触媒溶液を毎時0.67リットル、トリイソブチ
ルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度17ミリモル/リ
ットル)を毎時0.3リットル、ENBのヘキサン溶液
(濃度0.02リットル/リットル)を毎時1.5リッ
トルそれぞれ連続的に供給した。
【0248】また、重合器上部から重合器内に、エチレ
ンを毎時200リットル、1-ブテンを毎時155リット
ル、それぞれ連続的に供給した。この共重合反応は、8
0℃で、かつ平均滞留時間が1時間(すなわち重合スケ
ール5リットル)となるように行なった。
【0249】次いで、重合器下部から抜き出した重合溶
液にメタノールを少量添加して、重合反応を停止させ、
スチームストリッピング処理にて共重合体を溶媒から分
離した後、100℃、減圧(100mmHg)の条件下に、
24時間乾燥した。
【0250】上記のようにして、エチレン・1-ブテン・
ENB共重合体ゴム[共重合体ゴム(B−1)]が毎時
250gの量で得られた。得られた共重合体ゴムは、エ
チレンから導かれる単位と1-ブテンから導かれる単位と
のモル比(エチレン/1-ブテン)が79/21であり、
ENBに基づくヨウ素価が10であった。
【0251】また、この共重合体ゴムは、135℃デカ
リン中で測定した極限粘度[η]が2.7dl/gであ
り、13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するT
αβの強度比Dが0.01未満であり、B値が1.1で
あり、ガラス転移温度(Tg)が−56℃であり、gη
* 値が0.98であった。
【0252】結果を第1表に示す。
【0253】
【参考例2および3】参考例1において、重合条件を変
えて共重合反応を行なった以外は、参考例1と同様にし
てエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
ゴム[共重合体ゴム(B−2)、(B−3)]を製造し
た。
【0254】これらの共重合体ゴムの、エチレンから導
かれる単位とα- オレフィンから導かれる単位とのモル
比、ヨウ素価、極限粘度[η]、D値、B値、Tg、お
よびgη* 値を第1表に示す。
【0255】
【参考例4】参考例1において、触媒として下記のジル
コニウム化合物を用いて、参考例1と同様にして、エチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
[共重合体ゴム(B−4)]を製造した。
【0256】
【化21】
【0257】rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド これらの共重合体ゴムの、エチレンから導かれる単位と
α- オレフィンから導かれる単位とのモル比、ヨウ素
価、極限粘度[η]、D値、B値、Tg、およびgη*
値を第1表に示す。
【0258】
【表1】
【0259】[非架橋の熱可塑性エラストマー組成物に
関する実施例等]
【0260】
【実施例1】上記参考例1で得られたエチレン・1-ブテ
ン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)50重量部と、MFR(ASTM D 1238−6
5T、230℃)が11g/10分、密度が0.91g
/cm3 のプロピレン単独重合体(A−1)50重量部
とを、バンバリーミキサーを用いて、180℃で10分
間混練した後、この混練物をオープンロールに通してシ
ートカッターで切断して角ペレットを得た。
【0261】次いで、この角ペレットを用いて射出成形
により所定の試験片を作製し、その物性(引張強度、破
断伸度、永久伸び、Heat Sag)を上記測定方法
に従って測定した。
【0262】その結果を第2表に示す。
【0263】
【実施例2】実施例1において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりに参考例2で得られたエチレン・1-オクテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−2)
を用いた以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物を調製し、その物性を測定
した。
【0264】その結果を第2表に示す。
【0265】
【実施例3】実施例1において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりに参考例3で得られたエチレン・1-ブテン・5-
エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−3)を
用いた以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物を調製し、その物性を測定し
た。
【0266】その結果を第2表に示す。
【0267】
【実施例4】実施例1において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりに参考例4で得られたエチレン・1-ブテン・5-
エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−4)を
用いた以外は、実施例1と同様にして、オレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物を調製し、その物性を測定し
た。
【0268】その結果を第2表に示す。
【0269】
【比較例1】実施例1において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりに、エチレン含量が80モル%、ヨウ素価が1
0、極限粘度[η]が2.8dl/gのエチレン・プロ
ピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム
(EPDM−1)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を調製
し、その物性を測定した。
【0270】その結果を第2表に示す。
【0271】
【表2】
【0272】
【実施例5】実施例1において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
およびプロピレン単独重合体(A−1)の配合量をそれ
ぞれ75重量部、25重量部とした以外は、実施例1と
同様にして、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
を調製し、その物性を測定した。
【0273】その結果を第3表に示す。
【0274】
【比較例2】実施例5において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりに、比較例1のエチレン・プロピレン・5-エチ
リデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(EPDM−1)
を用いた以外は、実施例5と同様にして、オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物を調製し、その物性を測定
した。
【0275】その結果を第3表に示す。
【0276】
【表3】
【0277】
【実施例6】実施例1において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
およびプロピレン単独重合体(A−1)のほかに、鉱物
油系軟化剤[出光興産(株)製、商品名 PW−38
0]40重量部、さらにタルク[松村産業(株)製、商
品名 ET−5]20重量部を配合した以外は、実施例
1と同様にして、オレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物を調製し、その物性を測定した。
【0278】その結果を第4表に示す。
【0279】
【比較例3】実施例6において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりに、比較例1のエチレン・プロピレン・5-エチ
リデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(EPDM−1)
を用いた以外は、実施例6と同様にして、オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物を調製し、その物性を測定
した。
【0280】その結果を第4表に示す。
【0281】
【表4】
【0282】[部分的に、または完全に架橋された熱可
塑性エラストマー組成物に関する実施例等]
【0283】
【実施例7】上記参考例1で得られたエチレン・1-ブテ
ン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)50重量部と、実施例1のプロピレン単独重合体
(A−1)50重量部に、有機過酸化物[2,5-ジメチル
-2,5- ジ- (tert- ブチルパーオキシ)ヘキシン-3]
0.2重量部、およびジビニルベンゼン(DVB)0.
3重量部を加えてヘンシェルミキサー中で充分混合した
後、得られた混合物をバンバリーミキサーを用いて、1
80℃で10分間混練した後、この混練物をオープンロ
ールに通してシートカッターで切断して角ペレットを得
た。
【0284】次いで、この角ペレットを用いて射出成形
により所定の試験片を作製し、その物性を上記測定方法
に従って測定した。その結果を第5表に示す。
【0285】
【実施例8】実施例7において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりにエチレン・1-オクテン・5-エチリデン-2- ノ
ルボルネン共重合体ゴム(B−2)を用いた以外は、実
施例7と同様にして、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物を調製し、その物性を測定した。
【0286】その結果を第5表に示す。
【0287】
【実施例9】実施例7において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりにエチレン・1-ブテン・5-エチリデン-2- ノル
ボルネン共重合体ゴム(B−3)を用いた以外は、実施
例7と同様にして、オレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物を調製し、その物性を測定した。
【0288】その結果を第5表に示す。
【0289】
【比較例4】実施例7において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の代わりに、比較例1のエチレン・プロピレン・5-エチ
リデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(EPDM−1)
を用いた以外は、実施例7と同様にして、オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物を調製し、その物性を測定
した。
【0290】その結果を第5表に示す。
【0291】
【表5】
【0292】
【実施例10】実施例7において、エチレン・1-ブテン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)およびプロピレン単独重合体(A−1)の配合量を
それぞれ75重量部、25重量部とした以外は、実施例
7と同様にして、オレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物を調製し、その物性を測定した。
【0293】その結果を第6表に示す。
【0294】
【実施例11】実施例10において、エチレン・1-ブテ
ン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)の代わりに、エチレン・1-ブテン・5-エチリデン-2
- ノルボルネン共重合体ゴム(B−4)を用いた以外
は、実施例10と同様にして、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物を調製し、その物性を測定した。
【0295】その結果を第6表に示す。
【0296】
【比較例5】実施例10において、エチレン・1-ブテン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)の代わりに、比較例1のエチレン・プロピレン・5-
エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(EPDM−
1)を用いた以外は、実施例10と同様にして、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物を調製し、その物性
を測定した。
【0297】その結果を第6表に示す。
【0298】
【表6】
【0299】
【実施例12】実施例7において、エチレン・1-ブテン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)およびプロピレン単独重合体(A−1)のほかに、
鉱物油系軟化剤[出光興産(株)製、商品名 PW−3
80]40重量部、さらにタルク[松村産業(株)製、
商品名 ET−5]20重量部を配合した以外は、実施
例7と同様にして、オレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物を調製し、その物性を測定した。
【0300】その結果を第7表に示す。
【0301】
【比較例6】実施例12において、エチレン・1-ブテン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)の代わりに、比較例1のエチレン・プロピレン・5-
エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(EPDM−
1)を用いた以外は、実施例12と同様にして、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物を調製し、その物性
を測定した。
【0302】その結果を第7表に示す。
【0303】
【表7】
フロントページの続き (72)発明者 小 林 恭 子 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内 (72)発明者 筒 井 俊 之 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 相 根 敏 裕 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10重量
    部以上60重量部未満の量と、 エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび
    非共役ポリエンからなるエチレン・α- オレフィン・非
    共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量部
    [(A)および(B)の合計量は100重量部である]
    とから構成される熱可塑性エラストマー組成物であっ
    て、 該エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
    ゴム(B)は、 メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数
    3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとをラン
    ダム共重合させることにより得られ、 (1) (a)エチレンから導かれる単位と(b)炭素原子数3〜
    20のα- オレフィンから導かれる単位とを、40/6
    0〜95/5[(a)/(b)]のモル比で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
    が、0.1〜10dl/gであることを特徴とするオレ
    フィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10重量
    部以上60重量部未満の量と、 エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび
    非共役ポリエンからなるエチレン・α- オレフィン・非
    共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量部
    [(A)および(B)の合計量は100重量部である]
    とから構成される熱可塑性エラストマー組成物であっ
    て、 該エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
    ゴム(B)は、 メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数
    3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとをラン
    ダム共重合させることにより得られ、 (1) (a)エチレンから導かれる単位と(b)炭素原子数3〜
    20のα- オレフィンから導かれる単位とを、40/6
    0〜95/5[(a)/(b)]のモル比で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
    が、0.1〜10dl/gであり、 (4) 上記(3) で測定される極限粘度[η]と、これと同
    一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含
    量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の
    極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/
    [η]blank)]が0.95を超える値であることを特
    徴とする請求項1にオレフィン系熱可塑性エラストマー
    組成物。
  3. 【請求項3】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
    リエン共重合体ゴム(B)は、 (5) 13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するT
    αβの強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であ
    り、 (6) 13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求めら
    れるB値が、1.00〜1.50であり; B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ]) (式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エ
    チレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
    [PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフ
    ィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[POE
    は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)
    連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合
    である)、 (7) DSCで求められるガラス転移温度(Tg)が−5
    0℃以下であることを特徴とする請求項2に記載のオレ
    フィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10重量
    部以上60重量部未満の量と、 エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび
    非共役ポリエンからなるエチレン・α- オレフィン・非
    共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量部
    [(A)および(B)の合計量は100重量部である]
    とから構成される熱可塑性エラストマー組成物であっ
    て、 該エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
    ゴム(B)は、 メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数
    3〜20のα- オレフィンと、炭素・炭素二重結合のう
    ち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
    内に1個のみ存在する非共役ポリエンとをランダム共重
    合させることにより得られ、 (1) (a) エチレンから導かれる単位と(b) 炭素原子数3
    〜20のα- オレフィンから導かれる単位とを、40/
    60〜95/5[(a)/(b)]のモル比で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
    が、1.0〜10dl/gであり、かつ、 (4) 上記(3) で測定される極限粘度[η]と、これと同
    一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含
    量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の
    極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/
    [η]blank)]が0.2〜0.95であることを特徴
    とする請求項1にオレフィン系熱可塑性エラストマー組
    成物。
  5. 【請求項5】前記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およ
    びエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
    ゴム(B)の合計量100重量部に対して、2〜100
    重量部の軟化剤(C)および/または2〜50重量部の
    無機充填剤(D)を含有していることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  6. 【請求項6】前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組
    成物が非架橋であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物。
  7. 【請求項7】前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組
    成物が部分的に、または完全に架橋されていることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のオレフィン系
    熱可塑性エラストマー組成物。
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