JP3491855B2 - 結晶性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

結晶性ポリオレフィン樹脂組成物

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JP3491855B2 JP16436195A JP16436195A JP3491855B2 JP 3491855 B2 JP3491855 B2 JP 3491855B2 JP 16436195 A JP16436195 A JP 16436195A JP 16436195 A JP16436195 A JP 16436195A JP 3491855 B2 JP3491855 B2 JP 3491855B2
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田 圭 司 岡
條 哲 夫 東
井 俊 之 筒
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、結晶性ポリオレフィン樹
脂組成物に関し、さらに詳しくは、結晶性ポリオレフィ
ン樹脂とエチレン系共重合体ゴムとからなり、剛性、耐
熱性に優れるとともに耐衝撃性、特に低温における耐衝
撃性に優れた光沢度の高い成形体を提供できるような結
晶性ポリオレフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン樹脂からなる成形体は、剛性、耐熱
性などに優れているため、広い用途に使用されている。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン樹脂の中で
も、ポリプロピレンは、結晶性を有し、ガラス転移温度
が高いために、ポリプロピレン成形体は耐衝撃性、特に
低温における耐衝撃性に劣り、用途が限定されていた。
【0004】そこで、ポリプロピレン成形体の耐衝撃性
を改良するために、従来、ポリプロピレンにポリエチレ
ンを配合したり、あるいはポリイソブチレン、ポリブタ
ジエン、非晶性のエチレン・プロピレン共重合体などの
ゴム状物質を配合して、ポリプロピレン成形体の耐衝撃
性を向上させる方法を採用していた。これら配合剤の中
でも、非晶性あるいは低結晶性のエチレン・プロピレン
ランダム共重合体を用いる場合が多い。
【0005】しかしながら、このような非晶性あるいは
低結晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体とポリ
プロピレンとからなる組成物においては、非晶性あるい
は低結晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体は、
耐衝撃性の改良効果が小さいため、ポリプロピレン成形
体の耐衝撃性を改善するためには、ポリプロピレン組成
物中に、エチレン・プロピレンランダム共重合体を多量
に含有させる必要がある。
【0006】そのため、エチレン・プロピレンランダム
共重合体を多量に用いると、このポリプロピレン組成物
からなる成形体の耐衝撃性は改善されるものの、ポリプ
ロピレンが本来有していた剛性、耐熱性、光沢などが大
きく低下してしまうという問題が生じる。一方、ポリプ
ロピレン組成物中のエチレン・プロピレンランダム共重
合体の配合量を少なくして、ポリプロピレンが本来有す
る剛性、耐熱性、光沢などを保持しようとすると、低温
における耐衝撃性が十分に改善されないという問題が生
じる。
【0007】本願発明者らは、剛性、耐熱性に優れると
ともに耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れたポ
リプロピレン成形体を提供することができるポリプロピ
レン樹脂組成物を得るべく鋭意研究した結果、結晶性ポ
リプロピレン樹脂と特定のエチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエン共重合体ゴムとからなるポリプロピレン
樹脂組成物を用いると、剛性、耐熱性に優れるとともに
耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れた光沢度の
高い成形体が得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、剛性、耐熱性に
優れるとともに耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に
優れた光沢度の高いポリオレフィン成形体を得ることが
できる結晶性ポリオレフィン樹脂組成物、特に結晶性ポ
リプロピレン樹脂組成物を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る結晶性ポリオレフィン樹脂
組成物は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)95〜60
重量部と、エチレン、炭素原子数4〜20のα- オレフ
ィンおよび非共役ポリエンからなるエチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)5〜40重
量部[(A)および(B)の合計量は100重量部であ
る]とを含有してなる組成物であって、該エチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、
メタロセン系触媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数
3〜20のα- オレフィンと、炭素・炭素二重結合のう
ち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
内に1個のみ存在する非共役ポリエンとをランダム共重
合させることにより得られ、 (1) (a) エチレンから導かれる単位と(b) 炭素原子数3
〜20のα- オレフィンから導かれる単位とを、40/
60〜95/5[(a)/(b)]のモル比で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
が、1.0〜10dl/gであり、かつ、 (4) 上記(3) で測定される極限粘度[η]と、これと同
一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含
量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の
極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/
[η]blank)]が0.2〜0.95であることを特徴
としている。
【0010】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴム(B)を製造する際に用いられるメ
タロセン系触媒は、下記式[I]で示されるメタロセン
化合物を含むことが好ましい。
【0011】
【化2】
【0012】[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金
属であり、R1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であ
り、R2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭
素原子数1〜6の炭化水素基であり、R3 は、炭素原子
数6〜16のアリール基であり、このアリール基は、ハ
ロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、有機シ
リル基で置換されていてもよい。
【0013】X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜
20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ
含有基であり、Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化
水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水
素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有
基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO
2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)
(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。
(ただし、R7は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基)である。]
【0014】
【発明の具体的説明】本発明に係る結晶性ポリオレフィ
ン樹脂組成物について具体的に説明する。本発明に係る
結晶性ポリオレフィン樹脂組成物は、結晶性ポリオレフ
ィン樹脂(A)とエチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴム(B)とを含有している。
【0015】結晶性ポリオレフィン樹脂(A) 本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
は、高圧法または低圧法の何れかによる1種または2種
以上のモノオレフィンを重合して得られる結晶性の高分
子量固体生成物からなる。このような樹脂としては、た
とえばアイソタクチックおよびシンジオタクチックのモ
ノオレフィン重合体樹脂が挙げられる。これらの代表的
な樹脂は商業的に入手できる。
【0016】上記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の適
当な原料オレフィンとしては、具体的には、エチレン、
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オ
クテン、1-デセン、3-メチル-1- ブテン、2-メチル-1-
プロペン、3-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテ
ン、5-メチル-1- ヘキセン、3-メチル-1- ヘキセン、ビ
ニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノ
ルボルネンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、
単独で、または2種以上混合して用いられる。
【0017】本発明では、プロピレンまたはプロピレン
と他のオレフィンとからなる混合オレフィンが好ましく
用いられる。すなわち、本発明で用いられる結晶性ポリ
オレフィン樹脂(A)としては、ポリプロピレンが好ま
しい。
【0018】ポリプロピレンとしては、プロピレンの単
独重合体、またはプロピレン以外のα- オレフィンから
誘導される構成単位を10モル%以下の量で含有するプ
ロピレン・α- オレフィン共重合体が挙げられる。この
プロピレン・α- オレフィン共重合体を構成するα- オ
レフィンとしては、上述したα- オレフィンが挙げられ
る。
【0019】上記結晶性ポリオレフィン樹脂を得る重合
様式は、ランダム型でもブロック型でも、樹脂状物が得
られればどのような重合様式を採用しても差支えない。
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
は、ASTM−D1288に準拠して230℃、2.1
6kg荷重下で測定されるメルトフローレー(MFR)
が、通常0.01〜200g/10分、好ましくは0.
05〜100g/10分、さらに好ましくは0.1〜1
00g/10分の範囲にあることが好ましい。
【0020】これらの結晶性ポリオレフィン樹脂は、単
独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いても
よい。本発明においては、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
(B)の合計量100重量部に対して、95〜60重量
部、好ましくは85〜65重量部の割合で用いられる。
【0021】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(B) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(B)は、メタロセン系触媒の存
在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフ
ィンと、炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能
な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する
非共役ポリエン(以下、単に非共役ポリエンと称する場
合がある)とを共重合させることにより得られる。
【0022】上記炭素原子数3〜20のα- オレフィン
としては、たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、
1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、
1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-
ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイ
コセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、
3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチ
ル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメ
チル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1
- ヘキセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデ
セン、12- エチル-1- テトラデセン、およびこれらの組
合わせが挙げられる。
【0023】これらのうち、炭素原子数3〜10のα-
オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1-ブテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどが好ましく用いられる。上記
非共役ポリエンは、炭素・炭素二重結合のうち、メタロ
セン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
内に1個のみ存在する非共役ポリエンである。このよう
な非共役ポリエンには、両末端がビニル基である鎖状ポ
リエンは含まれない。2個以上のビニル基のうち、1個
が末端ビニル基である場合には、他のビニル基は末端で
はなく内部オレフィンの構造をとるものが好ましい。
【0024】このような非共役ポリエンとしては、脂肪
族ポリエン、脂環族ポリエンが挙げられる。このような
脂肪族ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエ
ン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキ
サジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-エチル-1,4
- ヘキサジエン、3-メチル-1,5- ヘキサジエン、3,3-ジ
メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘプタジエ
ン、5-エチル-1,4- ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプ
タジエン、6-メチル-1,5- ヘプタジエン、5-エチル-1,5
- ヘプタジエン、1,6-オクタジエン、4-メチル-1,4- オ
クタジエン、5-メチル-1,4- オクタジエン、4-エチル-
1,4- オクタジエン、5-エチル-1,4- オクタジエン、5-
メチル-1,5- オクタジエン、6-メチル-1,5- オクタジエ
ン、5-エチル-1,5- オクタジエン、6-エチル-1,5- オク
タジエン、6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチル-1,6
- オクタジエン、6-エチル-1,6- オクタジエン、6-プロ
ピル-1,6- オクタジエン、6-ブチル-1,6- オクタジエ
ン、4-メチル-1,4- ノナジエン、5-メチル-1,4- ノナジ
エン、4-エチル-1,4- ノナジエン、5-エチル-1,4- ノナ
ジエン、5-メチル-1,5- ノナジエン、6-メチル-1,5- ノ
ナジエン、5-エチル-1,5- ノナジエン、6-エチル-1,5-
ノナジエン、6-メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6
- ノナジエン、6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-
1,6- ノナジエン、7-メチル-1,7- ノナジエン、8-メチ
ル-1,7- ノナジエン、7-エチル-1,7- ノナジエン、5-メ
チル-1,4- デカジエン、5-エチル-1,4- デカジエン、5-
メチル-1,5- デカジエン、6-メチル-1,5- デカジエン、
5-エチル-1,5- デカジエン、6-エチル-1,5- デカジエ
ン、6-メチル-1,6- デカジエン、6-エチル-1,6- デカジ
エン、7-メチル-1,6- デカジエン、7-エチル-1,6- デカ
ジエン、7-メチル-1,7- デカジエン、8-メチル-1,7- デ
カジエン、7-エチル-1,7- デカジエン、8-エチル-1,7-
デカジエン、8-メチル-1,8- デカジエン、9-メチル-1,8
- デカジエン、8-エチル-1,8-デカジエン、6-メチル-1,
6- ウンデカジエン、9-メチル-1,8- ウンデカジエンな
どが挙げられる。
【0025】また、脂環族ポリエンとしては、1個の不
飽和結合を有する脂環部分と、内部オレフィン結合を有
する鎖状部分とから構成されるポリエンが好適であり、
たとえば5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-イソプロピ
リデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロ
ペニル-2- ノルボルネンなどを挙げることができる。
【0026】また、2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボ
ルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボ
ルネン等のトリエンなどを挙げることができる。これら
の非共役ポリエンのうちでも、5-エチリデン-2- ノルボ
ルネン、1,4-ヘキサジエンなどが特に好ましい。
【0027】これらの非共役ポリエンは、単独で、ある
いは2種以上組合わせて用いることができる。本発明で
用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
共重合体ゴム(B)は、下記のような特性を有してい
る。 (1) エチレン/α- オレフィン成分比 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(B)は、(a) エチレンから導か
れる単位と、(b) 炭素原子数3〜20のα- オレフィン
(以下、単にα- オレフィンと称することもある)から
導かれる単位とを、40/60〜95/5、好ましくは
55/45〜90/10[(a)/(b)]のモル比で含有し
ている。 (2) ヨウ素価 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)のヨウ素価は、1〜50、好ましくは5〜40
である。
【0028】上記のようなヨウ素価を有するエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、加硫
速度が速く、高速加硫が可能である。 (3) 極限粘度[η] エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)の135℃デカリン中で測定される極限粘度
[η]は、1.0〜10dl/g、好ましくは1.2〜
6dl/g、さらに好ましくは1.5〜5dl/gであ
る。 (4) gη* 値 gη* 値は、上記(3) で測定される極限粘度[η]と、
その極限粘度[η]を有するエチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴムと同一重量平均分子量
(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の
直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]
blank との比として定義される。
【0029】gη* =[η]/[η]blank 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(B)のgη* 値は、0.2〜
0.95、好ましくは0.4〜0.9、さらに好ましく
は0.5〜0.85である。
【0030】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴムのgη* 値が0.95以下であると、分
子中に長鎖分岐が形成されていることを示す。このよう
なエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
ゴムは、混練、成形などの加工時における高ずり速度下
での粘度が低く、成形後、加硫直前の低ずり速度下での
粘度は低いという特性を示す。したがって、上記のよう
なgη* 値を有するエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴム(B)からは、混練、成形などの
加工性に優れるとともに、成形後、加硫直前の形状保持
性に優れたゴム組成物を得ることができる。
【0031】なお、エチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエン共重合体ゴムのgη* 値が0.95を超えると
形状保持性などが不十分となり、一方0.2未満である
と加工性が低下することがある。
【0032】上記のようなエチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、メタロセン系触
媒の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα-
オレフィンと、非共役ポリエンとをランダム共重合させ
ることにより得ることができる。
【0033】 本発明で用いられるメタロセン系触媒
は、下記のような特定のメタロセン化合物[A]からな
る触媒成分を含んでいる。本発明で用いられるメタロセ
ン系触媒は、このメタロセン化合物[A]からなる触媒
成分を含有すること以外は特に限定されず、たとえばメ
タロセン化合物[A]からなる触媒成分と、有機アルミ
ニウムオキシ化合物[B]および/またはメタロセン化
合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]
からなる触媒成分とから形成されてもよい。また、メタ
ロセン化合物[A]からなる触媒成分、有機アルミニウ
ムオキシ化合物[B]からなる触媒成分および/または
イオン対を形成する化合物[C]からなる触媒成分とと
もに有機アルミニウム化合物[D]からなる触媒成分
から形成されてもよい。
【0034】以下に本発明において、メタロセン系触媒
を形成する際に用いられる各成分について説明する。メタロセン化合物[A] 本発明で用いられるメタロセン化合物[A]としては、
下記の一般式[I]で示される化合物が挙げられる。
【0035】
【化3】
【0036】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。置換基R1 1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、具体的
には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピ
ル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert
- ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、プ
ロペニル基等のアルケニル基などが挙げられる。
【0037】これらのうち、インデニル基に結合した炭
素が1級のアルキル基が好ましく、さらに炭素原子数1
〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチ
ル基が好ましい。
【0038】置換基R2 、R4 、R5 、R6 2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異な
っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1
同様の炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
【0039】ここでハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素である。置換基R3 3 は、炭素原子数6〜16のアリール基である。この
アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。
【0040】アリール基としては、具体的には、フェニ
ル基、α- ナフチル基、β- ナフチル基、アントラセニ
ル基、フェナントリル基、ピレニル基、アセナフチル
基、フェナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒ
ドロナフチル基、インダニル基、ビフェニリル基などが
挙げられる。これらのうち、フェニル基、ナフチル基、
アントラセニル基、フェナントリル基が好ましい。
【0041】また、このアリール基の置換基である炭素
原子数1〜20の炭化水素基としては、たとえば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、
シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル
基、アイコシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等
のアルキル基、ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセ
ニル基等のアルケニル基、ベンジル基、フェニルエチル
基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基、上記
例示のアリール基、およびトリル基、ジメチルフェニル
基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピ
ルフェニル基、メチルナフチル基、ベンジルフェニル基
等のアリール基などが挙げられる。
【0042】また、有機シリル基としては、トリメチル
シリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基
などが挙げられる。1 およびX2 1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
基、酸素含有基またはイオウ含有基である。具体的に
は、前記と同様のハロゲン原子および炭化水素基が挙げ
られる。
【0043】また、酸素含有基としては、具体的には、
ヒドロオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ等のアルコキシ基、フェノキシ基、メチル
フェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基等
のアリロキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキ
シ基等のアリールアルコキシ基などが挙げられる。
【0044】イオウ含有基としては、具体的には、前記
酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、メチルス
ルホネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、
フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート
基、p-トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼン
スルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネ
ート基、p-クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフ
ルオロベンゼンスルフォネート基等のスルフォネート
基、メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート
基、ベンジルスルフィネート基、p-トルエンスルフィネ
ート基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタ
フルオロベンゼンスルフィネート基等のスルフィネート
基などが挙げられる。
【0045】これらのうち、X1 およびX2 は、ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが
好ましい。 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−
P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −また
は−AlR7 −(ただし、R7 は、水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1
〜20のハロゲン化炭化水素基)であり、具体的には、
メチレン基、ジメチルメチレン基、1,2-エチレン基、ジ
メチル-1,2- エチレン基、1,3-トリメチレン基、1,4-テ
トラメチレン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,4-シクロ
ヘキシレン基等のアルキレン基、ジフェニルメチレン
基、ジフェニル-1,2-エチレン基等のアリールアルキレ
ン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;ク
ロロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化
水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;メチル
シリレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン
基、ジ(n-プロピル)シリレン基、ジ(i-プロピル)シ
リレン基、ジ(シクロヘキシル)シリレン基、メチルフ
ェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジ(p-トリ
ル)シリレン基、ジ(p-クロロフェニル)シリレン基等
のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、
アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリル基、
テトラフェニル-1,2- ジシリル基等のアルキルジシリル
基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル基
などの2価のケイ素含有基;上記2価のケイ素含有基の
ケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含
有基などが挙げられる。
【0046】R7 は、前記と同様のハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基である。これらのうち、Yは、2価
のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であること
が好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ま
しく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン
基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
【0047】以下に上記一般式[I]で表わされるメタ
ロセン化合物の具体例を示す。rac-ジメチルシリレン-
ビス(4-フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(1- アントラセニル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(2- アントラセニル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(9- アントラセニル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(9- フェナントリル)-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2-メチル-4-(p- フルオロフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4- (ペンタフルオロフェニ
ル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- クロロフェニ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- クロロフェニ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o- クロロフェニ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o,p- ジクロロフ
ェニル)フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-
ブロモフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p-
トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- トリル)
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-(o- トリル)-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4-(p- エチルフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4-(p-i- プロピルフェニル)
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- ベンジルフェニ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(p- ビフェニル)
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- ビフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4-(p- トリメチルシリレンフ
ェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-(m- トリメチ
ルシリレンフェニル)-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4
- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ-(i-
プロピル)シリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ-(n- ブ
チル)シリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジシクロヘキシ
ルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリ
レン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2-メ
チル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2-
メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-メチレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン
- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミレン- ビス(2-
メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルスタニレン- ビス(2-メチル-4-
フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジブロミド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)
ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
メチルクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチ
ル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリド
SO2Me、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-
フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリドOS
2Me、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-
4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(β-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2- メチル-1-
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(5- アセ
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- アン
トラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(9- フ
ェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(o
- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-
(m- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル
-4-(p- メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチ
ル-4-(2,3- ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-
(2-エチル-4-(2,4- ジメチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス{1-(2-エチル-4-(2,5- ジメチルフェニル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-エチル-4-(2,4,6- トリメチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(o- クロロ
フェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(m- クロ
ロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-(p- ク
ロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エチル-4-
(2,3- ジクロロフェニル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-エ
チル-4-(2,6- ジクロロフェニル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-
(2-エチル-4-(3,5- ジクロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス{1-(2-エチル-4-(2- ブロモフェニル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス{1-(2-エチル-4-(3- ブロモフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ブロモフェニル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- ビフェニリル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-エチル-4-(4- トリメチルシリル
フェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4- フェ
ニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(β-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4-(2- メチル
-1- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピル-4
-(5- アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-プロピ
ル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-
プロピル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-
(2-i-プロピル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-
プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-
プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-
プロピル-4-(8- メチル-9- ナフチル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
{1-(2-i-プロピル-4-(5- アセナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9- アントラセニル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-i-プロピル-4-(9- フェナントリ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4- フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(α-ナフチル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチル)
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(5- アセナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9- アントラ
セニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9- フェ
ナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ペンチル-4- フ
ェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-n-ペンチル-4-(α-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4- フェニルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(α-ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(β-ナフチル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(2- メチル-1- ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(5- アセナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9- アント
ラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9- フ
ェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(α-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(β-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(2- メチル-1
- ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-(5-
アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチル-4-
(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-i-ブチ
ル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-ネ
オペンチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-ネオペ
ンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ヘ
キシル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-n-ヘキシル
-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチ
ル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチル
-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-エチ
ル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-
(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス
{1-(2-エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-
エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-(2-エ
チル-4-(9- アントラセニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス{1-
(2-エチル-4-(9- フェナントリル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン- ビス
{1-(2-エチル-4-(4- ビフェリニル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-メチレン- ビス{1-(2-
エチル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチレン- ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エ
チレン- ビス{1-(2-エチル-4- フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン- ビス
{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-エチレン- ビス{1-(2-n-プ
ロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-エチ
ル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-エチル-4-
(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルゲルミル- ビス{1-(2-n-プロピル-4
- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリドな
ど。
【0048】また、上記のような化合物中のジルコニウ
ムをチタニウム、ハフニウムに代えた化合物を挙げるこ
ともできる。本発明では、通常、上記メタロセン化合物
のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型または
S型を用いることもできる。
【0049】本発明では、上記のようなメタロセン化合
物を2種以上組合わせて用いることができる。このよう
なメタロセン化合物は、Journal of Organometallic Ch
em.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許出願公開第
0,320,762 号明細書に準じて製造することができる。
【0050】また、上記一般式[I]で示されるメタロ
セン化合物のほかに、下記一般式[II]で示されるメタ
ロセン化合物が挙げられる。 LaMX2 ・・・[II] (Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属で
あり、La は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または20以下
の炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を含有
する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。) このような式[II]で示される化合物のうちでも、具体
的に、下記式[III]で示される化合物が好ましい。
【0051】
【化4】
【0052】Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニ
ウムであり、Xは、上記と同様である。Cpは、Mにπ
結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタ
ジエニル基またはその誘導体である。
【0053】Zは、酸素、イオウ、ホウ素または周期率
表第IVA族の元素であり、Yは、窒素、リン、酸素また
はイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成
してもよい。
【0054】このような式[III] で表わされる化合物
としては、具体的には、(ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5- シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)
チタンジクロリド、(ジベンジル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベ
ンジルチタン、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジメチル
チタン、((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5- シ
クロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジベンジル
チタン、((メチルアミド)(テトラメチル-η5- シク
ロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)ジネオペンチ
ルチタン、((フェニルホスフィド)(テトラメチル-
η5- シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニルチ
タン、(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル
5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタ
ジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、
(ジメチル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-
η5- シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、((テトラメチル-η5- シクロペンタジエニル)-
1,2- エタンジイル)ジベンジルチタン、(2-η5-(テ
トラメチル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタ
ノレート(2-))ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラメ
チル- シクロペンタジエニル)-1- メチル- エタノレー
ト(2-))ジメチルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-
9H- フルオレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))
ジメチルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H- フル
オレン-9- イル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジ
ルジルチタンなどが挙げられる。
【0055】本発明では、上記のような式[II]で表わ
されるメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いる
こともできる。上記説明においては、メタロセン化合物
としてチタン化合物について例示したが、チタンを、ジ
ルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物を例示す
ることもできる。
【0056】これらの化合物は、単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明にお
いては、上述したメタロセン化合物の中でも、上記一般
式[I]で示されるメタロセン化合物が好ましく用いら
れる。
【0057】有機アルミニウムオキシ化合物[B] 本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物
[B]は、従来公知のアルミノオキサンであってもよ
く、また特開平2−78687号公報に例示されている
ようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
であってもよい。
【0058】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方
法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接、水、氷または水
蒸気を作用させて炭化水素の溶液として回収する方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0059】なお、このアルミノオキサンは、少量の有
機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のア
ルミノオキサン溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミ
ニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解して
もよい。
【0060】アルミノオキサンの製造の際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;トリシク
ロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニ
ウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアル
コキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0061】これらの中では、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
また、アルミノオキサンの製造の際に用いられる有機ア
ルミニウム化合物としては、式(i-C49xAly(C
510z (式中、x、y、zは正の数であり、z ≧
2x である。)で示されるイソプレニルアルミニウム
を用いることもできる。
【0062】上記の有機アルミニウム化合物は、2種以
上組合せて用いることもできる。アルミノオキサンの製
造の際に用いられる溶媒としては、たとえばベンゼン、
トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水
素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族
炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガ
ソリン、灯油、軽油などの石油留分、および上記芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン
化物、とりわけ塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒が
挙げられる。
【0063】さらに、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類を用いることもできる。これらの溶
媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する
化合物[C] 本発明で用いられるメタロセン化合物[A]と反応して
イオン対を形成する化合物[C]としては、特表平1−
501950号公報、特表平1−502036号公報、
特開平3−179005号公報、特開平3−17900
6号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−
207704号公報、US−547718号公報などに
記載されたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化合
物、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0064】ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、A
l含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、これ
らのうちB含有ルイス酸が好ましい。ホウ素原子を含有
するルイス酸としては、具体的には、下記一般式で表わ
される化合物を例示することができる。
【0065】BR1 2 3 (式中、R1 2 およびR3 は、それぞれ独立して、フ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を
示す。) 上記一般式で表わされる化合物としては、具体的には、
トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-
フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフ
ェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)
ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ト
リス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、
トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられ
る。これらのうちでは、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロンが特に好ましい。
【0066】本発明で用いられるイオン性化合物は、カ
チオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩であ
る。アニオンは前記メタロセン化合物[A]と反応する
ことによりメタロセン化合物[A]をカチオン化し、イ
オン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定
化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、有
機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有
機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高
で遷移金属カチオン種を安定化させるアニオンが好まし
い。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオ
ン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキ
ソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウ
ムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。
具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ
ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウ
ムカチオン、フェロセニウムカチオンなどを例示するこ
とができる。
【0067】本発明においては、有機ホウ素化合物アニ
オンを有するイオン性化合物が好ましい。具体的には、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ
素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,
p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウム
テトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルア
ンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホ
ウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリ
ル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(4-
フルオロフェニル)ホウ素等のトリアルキル置換アンモ
ニウム塩、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテト
ラ(フェニル)ホウ素等のN,N-ジアルキルアニリニウム
塩、ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素等のジアルキルアンモニウム
塩、トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)ホ
ウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフ
ォニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のトリアリールホ
スフォニウム塩などが挙げられる。
【0068】本発明では、ホウ素原子を含有するイオン
性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートも挙げることができる。
【0069】また、以下のようなホウ素原子を含有する
イオン性化合物も例示できる。(なお、以下に列挙する
イオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムであるが、これに限定されない。) アニオンの塩、たとえばビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ノナボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]デカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ウンデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム]ドデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)
アンモニウム]デカクロロデカボレート、ビス[トリ
(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバデカボレ
ート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバウンデ
カボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバ
ドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- ト
リメチルシリル-1- カルバデカボレート、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムブロモ-1- カルバドデカボレートな
ど、さらには下記のようなボラン化合物、カルボラン化
合物などを挙げることができる。これらの化合物は、ル
イス酸、イオン性化合物として用いられる。
【0070】ボラン化合物、カルボラン錯化合物、およ
びカルボランアニオンの塩としては、たとえばデカボラ
ン(14)、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,
7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドラ
イド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボラン、ド
デカハイドライド-11-メチル-2,7- ジカルバウンデカボ
ラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレ
ート(14)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバ
デカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
7-カルバウンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)
アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボ
レート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカ
ハイドライド-8- メチル7,9-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド8-エチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル
-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)ア
ンモニウムウンデカハイドライド-8- アリル-7,9- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-9- トリメチルシリル-7,8- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-4,6- ジブロモ-7- カルバウンデ
カボレートなどが挙げられる。
【0071】カルボラン化合物、およびカルボランの塩
としては、たとえば4-カルバノナボラン(14)、1,3-
ジカルバノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン
(14)、ドデカハイドライド-1- フェニル-1,3- ジカ
ルバノナボラン、ドデカハイドライド-1- メチル-1,3-
ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド-1,3- ジメ
チル-1,3- ジカルバノナボランなどが挙げられる。
【0072】さらに、以下のような化合物も例示でき
る。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対
向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、
これに限定されない。) 金属カルボランの塩および金属ボランアニオン、たとえ
ばトリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライ
ド-1,3- ジカルバノナボレート)コバルテート(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレー
ト(鉄酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボ
レート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)アン
モニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウ
ンデカボレート)ニッケレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジ
カルバウンデカボレート)キュブレート(銅酸塩)(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)アウレー
ト(金属塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバ
ウンデカボレート)フェレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチ
ル-7,8- ジカルバウンデカボレート)クロメート(クロ
ム酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(トリブロモオクタハイドライド-7,8- ジカルバウンデ
カボレート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)
アンモニウムビス(ドデカハイドライドジカルバドデカ
ボレート)コバルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ドデカハイドライドドデカボ
レート)ニッケレート(III)、トリス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カ
ルバウンデカボレート)クロメート(III)、ビス[ト
リ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドラ
イド-7- カルバウンデカボレート)マンガネート(I
V)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウ
ンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)コバ
ルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウ
ム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボ
レート)ニッケレート(IV)などが挙げられる。
【0073】上記のような化合物[C]は、2種以上組
合わせて用いることもできる。有機アルミニウム化合物[D] 本発明で用いられる有機アルミニウム化合物[D]は、
たとえば下記一般式(a) で示すことができる。
【0074】 R5 nAlX3-n ・・・(a) (式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記式(a) において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化
水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0075】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニム、イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロ
リド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルア
ルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアル
キルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
のアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられ
る。
【0076】また、有機アルミニウム化合物[D]とし
て、下記の式(b) で表わされる化合物を用いることもで
きる。 R5 nAlY3-n ・・・(b) (式中、R5 は、上記式(a) におけるR5 と同様であ
り、Yは、−OR6 基、−OSiR7 3 基、−OAlR8 2
基、−NR9 2 基、−SiR10 3 基 または−N(R11
AlR12 2 基であり、nは1〜2であり、R6 、R7
8 およびR12は、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基など
であり、R9 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであ
り、R10およびR11は、メチル基、エチル基などであ
る。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。
【0077】(i) R5 n Al(OR63-n で表わされる
化合物、たとえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニ
ウムメトキシドなど。
【0078】(ii)R5 n Al(OSiR7 33-n で表わさ
れる化合物、たとえば(C252 Al(OSi(C
33 )、(iso-C492 Al(OSi(C
33)、(iso-C492 Al(OSi(C253
など。
【0079】(iii) R5 nAl(OAlR8 23-n で表わ
される化合物、たとえば(C252Al(OAl(C2
52)、(iso-C492Al(OAl(iso-C
492)など。
【0080】(iv)R5 nAl(NR9 23-n で表わされる
化合物、たとえば(CH32Al(N(C252)、
(C252Al(NH(CH3))、(CH32Al
(NH(C25))、(C252Al[N(Si(CH
332]、(iso-C492Al[N(Si(C
332] など。
【0081】(v) R5 nAl(SiR10 33-n で表わされ
る化合物、たとえば(iso-C492Al(Si(C
33)など。 本発明では、これらのうちでもR5 3Al、R5 nAl(O
63-n 、R5 nAl(OAlR8 23-n で表わされる
有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げることが
でき、R5 がイソアルキル基であり、n=2である化合
物が特に好ましい。これらの有機アルミニウム化合物
は、2種以上組合わせて用いることもできる。
【0082】 本発明で用いられる特定のメタロセン系
触媒は、上記のようなメタロセン化合物[A]からなる
触媒成分を含んでおり、たとえば上記したようにメタロ
セン化合物[A]からなる触媒成分と、有機アルミニウ
ムオキシ化合物[B]からなる触媒成分とから形成する
ことができる。また、メタロセン化合物[A]からなる
触媒成分と、メタロセン化合物[A]と反応してイオン
対を形成する化合物[C]からなる触媒成分とから形成
されてもよく、さらにメタロセン化合物[A]からなる
触媒成分とともに、有機アルミニウムオキシ化合物
[B]とメタロセン化合物[A]とが反応してイオン対
を形成する化合物[C]からなる触媒成分とを併用する
こともできる。また、これらの態様において、さらに有
機アルミニウム化合物[D]からなる触媒成分を併用す
ることが特に好ましい。
【0083】本発明では、上記メタロセン化合物[A]
は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算し
て、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好まし
くは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられ
る。
【0084】また有機アルミニウムオキシ化合物[B]
は、遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子
が、通常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜
5,000モルとなるような量で用いることができる。
【0085】メタロセン化合物[A]と反応してイオン
対を形成する化合物[C]は、遷移金属原子1モルに対
して、ボロン原子が、通常、約0.5〜20モル、好ま
しくは1〜10モルとなるような量で用いられる。
【0086】さらに有機アルミニウム化合物[D]は、
有機アルミニウムオキシ化合物[B]中のアルミニウム
原子またはイオン対を形成する化合物[C]中のボロン
原子1モルに対して、通常、約0〜1,000モル、好
ましくは約0〜500モルとなるような量で必要に応じ
て用いられる。
【0087】上記のようなメタロセン系触媒を用いて、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
非共役ポリエンとを共重合させると、優れた重合活性で
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(B)を得ることができる。
【0088】なお、バナジウム系触媒などの第VB族遷
移金属化合物系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数
3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重
合させても十分な重合活性で共重合体ゴムを得ることが
できない。
【0089】また、第VB族遷移金属化合物系触媒を用
いて、たとえばEPDMなどを製造する際には、非共役
ポリエンの種類もENBなどのノルボルネン環含有ポリ
エン類に限定される場合が多い。
【0090】一方、本発明のようにメタロセン系触媒を
用いると、非共役ポリエンは、ノルボルネン環含有ポリ
エン類に限定されることがなく、前述したような各種ポ
リエン、たとえば7-メチル-1,6- オクタジエン等のメチ
ルオクタジエン(MOD)などの鎖状非共役ポリエン類
も共重合させることができる。
【0091】本発明では、エチレンと、炭素原子数3〜
20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重合さ
せる際に、メタロセン系触媒を構成する上記メタロセン
化合物[A]、有機アルミニウムオキシ化合物[B]、
イオン対を形成する化合物[C]、さらには有機アルミ
ニウム化合物[D]をそれぞれ別々に重合反応器に供給
してもよいし、また予めメタロセン化合物[A]を含有
するメタロセン系触媒を調製してから共重合反応に供し
てもよい。
【0092】またメタロセン系触媒を調製する際には、
触媒成分と反応不活性な炭化水素溶媒を用いることがで
き、不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等
の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を用いることが
できる。これらの炭化水素溶媒は、単独で、あるいは組
合わせて用いることができる。
【0093】上記メタロセン化合物[A]、有機アルミ
ニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物
[C]および有機アルミニウム化合物[D]は、通常−
100〜200℃、好ましくは−70〜100℃で混合
接触させることができる。
【0094】本発明では、エチレンと、炭素原子数3〜
20のα- オレフィンと、非共役ポリエンとの共重合
は、通常40〜200℃、好ましくは50〜150℃、
特に好ましくは60〜120℃で、大気圧〜100kg/
cm2 、好ましくは大気圧〜50kg/cm2 、特に好ましく
は大気圧〜30kg/cm2 の条件下で行なうことができ
る。
【0095】この共重合反応は、種々の重合方法で実施
することができるが、溶液重合により行なうことが好ま
しい。この際重合溶媒としては、上記のような炭化水素
溶媒を用いることができる。
【0096】共重合は、バッチ式、半連続式、連続式の
いずれの方法においても行なうことができるが、連続式
で行なうことが好ましい。さらに重合を反応条件を変え
て2段以上に分けて行なうこともできる。
【0097】また、本発明で用いられるエチレン・α-
オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、上
述したような方法により得られるが、この共重合体ゴム
(B)の分子量は、重合温度などの重合条件を変更する
ことにより調節することができ、また水素(分子量調節
剤)の使用量を制御することにより調節することもでき
る。
【0098】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、結晶性ポ
リオレフィン樹脂(A)およびエチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)の合計量100
重量部に対して、5〜40重量部、好ましくは15〜3
5重量部の割合で用いられる。
【0099】結晶性ポリオレフィン樹脂組成物 本発明に係る結晶性ポリオレフィン樹脂組成物は、結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)とエチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)を含有してい
る。
【0100】本発明に係る結晶性ポリオレフィン樹脂組
成物は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およびエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム
(B)のほかに、非晶性プロピレン・エチレンランダム
共重合体(C)を成分(A)および(B)の合計量10
0重量部に対して、5〜15重量部、好ましくは5〜1
0重量部含有していてもよい。
【0101】このプロピレン・エチレンランダム共重合
体(C)は、エチレンから誘導される構成単位を30〜
60モル%、好ましくは35〜45モル%の量で含有し
ている。
【0102】また、本発明に係る結晶性ポリオレフィン
樹脂組成物は、必要に応じて無機充填剤を5〜20重量
%の量で含有していてもよい。このような無機充填剤と
しては、具体的には、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウ
ム、クレー、カリオン、タルク、シリカ、ケイソウ土、
雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸ア
ルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガ
ラス球、シラスバルーン、塩基性硫酸マグネシウムウィ
スカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ほう酸アルミ
ニウムウィスカーなどが挙げられる。
【0103】さらに、本発明に係る結晶性ポリオレフィ
ン樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐
熱安定剤;芳香族カルボン酸アルミニウム塩、芳香族リ
ン酸エステル塩、ジベンジリデンソルビトール等の核
剤;紫外線吸収剤;滑剤;帯電防止剤;難燃剤;顔料;
染料;他の重合体などを含有していてもよい。
【0104】本発明に係る結晶性ポリオレフィン樹脂組
成物は、上記各成分を同時に、または、逐次的に、たと
えばヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラー
ブレンダー、リボンブレンダーなどの混練装置に供給し
て混練した後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バ
ンバリーミキサーなどで溶融混練することによって得る
ことができる。
【0105】これらの溶融混練機の中でも、多軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練性に優れ
た装置を使用すると、各成分が均一に分散された高品質
の結晶性ポリオレフィン樹脂組成物を得ることができ
る。
【0106】
【発明の効果】本発明に係る結晶性ポリオレフィン樹脂
組成物は、[I]結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、
[II]メタロセン系触媒を用いて調製された、エチレン
と、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、炭素・炭
素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンと
からなるランダム共重合体であり、かつ、エチレンから
導かれる単位と炭素原子数3〜20のα-オレフィンか
ら導かれる単位とのモル比、ヨウ素価、極限粘度
[η]、およびgη* が特定の範囲にあるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)とを
特定の割合で含んでいるので、剛性、耐熱性に優れると
ともに耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れた光
沢度の高いポリオレフィン成形体を提供することができ
る。
【0107】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における組成物の評価試験方法
は、以下のとおりである。 (1)MFR MFRは、ASTM D1238に準拠して測定した。
【0108】条件:230℃、2.16kg (2)曲げ弾性率(FM) ASTM D790に準拠して曲げ試験を行ない、曲げ
弾性率(FM)を測定した。
【0109】・試験片 幅:12.7mm、厚さ:6.
4mm、長さ:127mm ・スパン間 100mm ・曲げ速度 2mm/分 (3)アイゾット衝撃強度(IZ) ASTM D256に準拠して衝撃試験を行ない、アイ
ゾット衝撃強度(IZ)を測定した。
【0110】・温度 −30℃ ・試験片 幅:12.7mm、厚さ:6.4mm、長さ:
64mm ・ノッチは機械加工 (4)光沢度 ASTM D523に準拠して光沢度を測定した。
【0111】
【参考例1】ジルコニウム化合物とメチルアルモキサンの予備接触お
よび触媒溶液の調製
【0112】
【化5】
【0113】rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4- フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド 所定量の上記式で表わされるジルコニウム化合物と、メ
チルアルモキサンのトルエン溶液(アルミニウム原子に
換算して1.2ミルグラム原子/ml)とを、暗所にお
いて室温下、30分間攪拌することにより混合して、ジ
ルコニウム化合物とメチルアルモキサンとが溶解された
トルエン溶液を調製した。このトルエン溶液のZr濃度
は0.002ミリモル/mlであり、メチルアルモキサ
ン濃度はアルミニウム原子に換算して1.2ミリグラム
原子/mlである。
【0114】次いで、このトルエン溶液に、トルエンに
対して5倍の溶液のヘキサンを攪拌下に添加して、下記
のようなZr濃度およびメチルアルモキサン濃度の触媒
溶液を調製して、これを重合反応用触媒として用いた。
【0115】Zr濃度:0.00033ミリモル/ml
(=0.33ミリモル/リットル) メチルアルモキサン濃度(Al原子に換算して):0.
20ミリモル/ml(=200ミリモル/リットル)重 合 攪拌翼を備えた15リットル容量のステンレス製重合器
を用いて、連続的にエチレンと、プロピレンと、5-エチ
リデン-2- ノルボルネン(以下ENBともいう)との共
重合を、上記の重合反応用触媒の存在下に行なった。
【0116】すなわち、まず重合器上部から重合器内
に、脱水精製したヘキサンを毎時3.18リットル、前
述のジルコニウム化合物とメチルアルモキサンの混合溶
液を毎時0.02リットル、トリイソブチルアルミニウ
ムのヘキサン溶液(濃度17ミリモル/リットル)を毎
時1.5リットル、ENBのヘキサン溶液(濃度0.0
2リットル/リットル)を毎時1.5リットル、それぞ
れ連続的に供給した。
【0117】また、重合器上部から重合器内に、エチレ
ンを毎時200リットル、プロピレンを毎時150リッ
トル、それぞれ連続的に供給した。この共重合反応は、
70℃でかつ、平均滞留時間が1時間(すなわち重合ス
ケール5リットル)となるように行なった。
【0118】次いで、重合器下部から抜き出した重合溶
液にメタノールを少量添加して、重合反応を停止させ、
スチームストリッピング処理にて共重合体を溶媒から分
離した後、100℃、減圧(100mmHg)の条件下に、
24時間乾燥した。
【0119】以上の操作で、エチレン・プロピレン・E
NB共重合体ゴム[共重合体ゴム(B−1)]が毎時1
50gの量で得られた。得られた共重合体は、エチレン
から導かれる単位とプロピレンから導かれる単位とのモ
ル比(エチレン/プロピレン)が80/20であり、ヨ
ウ素価が11(g−ヨウ素/100g−ポリマー)であ
り、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]
は、2.7dl/gであった。
【0120】また、gη* 値は、0.65であった。こ
れらの結果を第1表に示す。
【0121】
【参考例2および3】参考例1において、重合条件を変
えて共重合反応を行なった以外は、参考例1と同様にし
てエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
ゴム[共重合体ゴム(B−2)、(B−3)]を製造し
た。
【0122】これらの共重合体ゴムの、エチレンから導
かれる単位とα- オレフィンから導かれる単位とのモル
比、ヨウ素価、極限粘度[η]およびgη* 値を第1表
に示す。
【0123】
【表1】
【0124】
【実施例1】MFRが25g/10分である結晶性プロ
ピレン単独重合体(A−1)75重量部、および参考例
1で得られたエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-
ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)25重量部を用い
て、射出成形機(樹脂温度200℃、金型温度40℃)
により結晶性ポリプロピレン樹脂組成物の曲げ弾性率、
アイゾット衝撃強度および光沢度測定用ASTM試験片
を作製し、上記曲げ試験、衝撃試験および光沢度試験を
行なった。
【0125】その結果を第2表に示す。
【0126】
【実施例2】実施例1において、(B−1)の代わりに
エチレン・1-ブテン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共
重合体ゴム(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様
にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、その物性
を測定した。
【0127】その結果を第2表に示す。
【0128】
【実施例3】実施例1において、(B−1)の代わりに
エチレン・1-オクテン・5-エチリデン-2- ノルボルネン
共重合体ゴム(B−3)を用いた以外は、実施例1と同
様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、その物
性を測定した。
【0129】その結果を第2表に示す。
【0130】
【比較例1】実施例1において、エチレン・プロピレン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)の代わりに、エチレン含量が80モル%、ヨウ素価
が10、極限粘度[η]が2.7dl/g、gη* 値が
0.98のエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノ
ルボルネン共重合体ゴム(EPDM−1)を用いた以外
は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物
を調製し、その物性を測定した。
【0131】その結果を第2表に示す。なお、上記のE
PDM−1は、バナジウム系触媒を用いて公知の方法で
調製した。
【0132】
【表2】
【0133】
【実施例4】実施例1において、結晶性プロピレン単独
重合体(A−1)およびエチレン・プロピレン・5-エチ
リデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)の配合
量をそれぞれ60重量部、20重量部に変え、さらに平
均粒径2.5μmのタルクを20重量部配合した以外
は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物
を調製し、その物性を測定した。
【0134】その結果を第3表に示す。
【0135】
【比較例2】実施例4において、エチレン・プロピレン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)の代わりに、比較例1で用いたEPDM−1を用い
た以外は、実施例4と同様にして、ポリプロピレン樹脂
組成物を調製し、その物性を測定した。
【0136】その結果を第3表に示す。
【0137】
【表3】
【0138】
【実施例5】実施例1において、エチレン・プロピレン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)の配合量を15重量部とし、エチレン含量が41モ
ル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
3.0dl/gの非晶性プロピレン・エチレンランダム
共重合体(C−1)を10重量部[成分(A−1)およ
び(B−1)の合計量100重量部に対して11.1重
量部]配合した以外は、実施例1と同様にして、ポリプ
ロピレン樹脂組成物を調製し、その物性を測定した。
【0139】その結果を第4表に示す。
【0140】
【比較例3】実施例5において、エチレン・プロピレン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−
1)の代わりに、比較例1で用いたEPDM−1を用い
た以外は、実施例5と同様にして、ポリプロピレン樹脂
組成物を調製し、その物性を測定した。
【0141】その結果を第4表に示す。
【0142】
【表4】
【0143】
【実施例6】実施例1において、結晶性プロピレン単独
重合体(A−1)の代わりにMFRが15g/10分、
DSCで測定した融点(Tm)が164℃の高結晶性プ
ロピレン単独重合体(A−2)を用いた以外は、実施例
1と同様にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、
その物性を測定した。
【0144】その結果を第5表に示す。
【0145】
【実施例7】実施例6において、エチレン・1-ブテン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)
の配合量を20重量部とし、エチレン単独重合体(A−
3)[MFR(ASTM D 1238):13g/10
分、密度(ASTM D 1505):0.965g/c
3 ]を5重量部配合した以外は、実施例6と同様にし
て、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、その物性を測
定した。
【0146】その結果を第5表に示す。
【0147】
【実施例8】実施例1において、結晶性プロピレン単独
重合体(A−1)の代わりに、MFRが22g/10
分、エチレンから誘導される構成単位の含有量が8重量
%、常温n−デカン可溶成分量が11重量%、常温n−
デカン可溶部の135℃デカリン中で測定した極限粘度
[η]が2.9dl/gのプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体(A−4)を用いた以外は、実施例1と同様
にして、ポリプロピレン樹脂組成物を調製し、その物性
を測定した。
【0148】その結果を第5表に示す。
【0149】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23:16) (72)発明者 筒 井 俊 之 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 相 根 敏 裕 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−311017(JP,A) 特開 平6−287747(JP,A) 特開 平7−149815(JP,A) 特開 平8−337690(JP,A) 特開 平9−12801(JP,A) 特開 平9−4089(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08F 4/64 - 4/69 C08F 210/00 - 210/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)95〜6
    0重量部と、 エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび
    非共役ポリエンからなるエチレン・α- オレフィン・非
    共役ポリエン共重合体ゴム(B)5〜40重量部
    [(A)および(B)の合計量は100重量部である]
    とを含有してなる組成物であって、 該エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
    ゴム(B)は、 エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
    炭素・炭素二重結合のうちメタロセン系触媒で重合可能
    な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する
    非共役ポリエンとをランダム共重合させることにより得
    られ、 (1) (a) エチレンから導かれる単位と (b) 炭素原子数3〜20のα- オレフィンから導かれる
    単位とを、40/60〜95/5[(a)/(b)]のモル比
    で含有し、 (2) ヨウ素価が1〜50であり、 (3) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
    が、1.0〜10dl/gであり、かつ、 (4) 上記(3) で測定される極限粘度[η]と、これと同
    一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含
    量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の
    極限粘度[η]blank との比[gη*(=[η]/
    [η]blank)]が0.2〜0.95であることを特徴
    とする結晶性ポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)がポ
    リプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1に記
    載の結晶性ポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
    リエン共重合体ゴム(B)が、メタロセン系触媒の存在
    下に得られることを特徴とする請求項1または2に記載
    の結晶性ポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記メタロセン系触媒は、下記式[I]で
    示されるメタロセン化合物からなる触媒成分を含むこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶性ポ
    リオレフィン樹脂組成物; 【化1】 [式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R1 は、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、 R2 、R4 、R5 、R6 は、それぞれ同一または相異な
    っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原
    子数1〜6の炭化水素基であり、 R3 は、炭素原子数6〜16のアリール基であり、この
    アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
    化水素基、有機シリル基で置換されていてもよい。 X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
    数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
    ン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であ
    り、 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
    子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
    イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
    O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−
    P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −また
    は−AlR7 −である。(ただし、R7は、水素原子、
    ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素
    原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。]。
  5. 【請求項5】 前記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)およ
    びエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体
    ゴム(B)のほかに、非晶性プロピレン・エチレンラン
    ダム共重合体(C)を成分(A)および(B)の合計量
    100重量部に対して、5〜15重量部含有しているこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の結晶性
    ポリオレフィン樹脂組成物。
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